JP2015106956A - 電力変換装置 - Google Patents

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佐久間 政喜
Masaki Sakuma
政喜 佐久間
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Abstract

【課題】電力変換用半導体素子と、該電力変換用半導体素子を駆動する制御回路基板とを密閉筐体内に収納すると共に、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えて構成される電力変換装置の小型化を図る。【解決手段】電力変換用半導体素子と、該電力変換用半導体素子を駆動する制御回路基板とを収納した密閉筐体は、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えた第1の筐体領域と、この第1の筐体領域に断熱部材を介して連接されて前記電力変換用半導体素子および前記制御回路基板を収容する密閉空間を形成する第2の筐体領域とからなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、IGBT等の電力変換用半導体素子と、この電力変換用半導体素子を駆動する制御回路基板とを密閉筐体内に収納すると共に、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えて構成される電力変換装置に関する。
モータ等の負荷の駆動装置として、IGBTやパワーMOS-FET等の電力変換用半導体素子を出力段に備えた電力変換装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。また従来より、例えば図4に電力変換装置1の概略構成を示すように、前記電力変換用半導体素子2と、該電力変換用半導体素子2を駆動する制御回路基板3とを箱型の密閉筐体4内に収納してユニット化することも行われている。尚、図4(a)は前記電力変換装置1を側面方向から見た断面構成を、また図4(b)は前記電力変換装置1を正面から見た断面構成を示している。
ちなみに発熱量の大きい前記電力変換用半導体素子2については、前記密閉筐体4に設けた放熱フィン5に直接的に熱結合することで該電力変換用半導体素子2が発生する熱を前記放熱フィン5を介して外部に放出させるように構成される。また前記制御回路基板3に搭載された図示しない発熱量の少ない回路部品については、前記密閉筐体4を介して外部に熱を放出させるように構成される。尚、図中6は前記放熱フィン5に冷却風を吹き付ける送風ファンである。
特開2002−159161号公報
しかしながら前記電力変換用半導体素子2が発生する熱は、前記放熱フィン5から前記密閉筐体4の全体に伝達することが否めず、その伝達熱によって前記密閉筐体4の内部が温度上昇する。特に前記密閉筐体4を小型化した場合、該密閉筐体4の内部温度上昇が無視できなくことがある。するとこの温度上昇に起因して前記制御回路基板3に搭載された電解コンデンサ等の回路部品の寿命が劣化すると言う不具合が生じる。
ちなみにこのような不具合を解消するには、例えば前記密閉筐体4に装着される放熱フィン5を大型化し、その放熱効率を高くすることが考えられる。しかし大型の放熱フィン5を用いた場合には、前記密閉筐体4の小型化の目的が損なわれると言う新たな問題が発生する。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、放熱フィンを大型化することなく、IGBT等の電力変換用半導体素子とその制御回路基板とを収納した密閉筐体の内部温度の上昇を防ぐことのできる簡易な筐体構造の電力変換装置を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る電力変換装置は、IGBTやパワーMOS-FET等の電力変換用半導体素子と、該電力変換用半導体素子を駆動する制御回路基板とを密閉筐体内に収納すると共に、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えたものであって、
特に前記密閉筐体を、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えた第1の筐体領域と、この第1の筐体領域に断熱部材を介して連接されて前記電力変換用半導体素子および前記制御回路基板を収容する密閉空間を形成する第2の筐体領域とにより構成したことを特徴としている。
ちなみに前記第1の筐体領域は、前記電力変換用半導体素子が装着されて該電力変換用半導体素子を前記放熱フィンに熱的に結合する領域であり、前記第2の筐体領域は、前記制御回路基板を支持すると共に、該制御回路基板および前記電力変換用半導体素子を外部から隔離して覆う領域である。
好ましくは前記第1の筐体領域は、前記放熱フィンを一体に設けた領域からなる。また前記密閉筐体は、前記放熱フィンに沿って冷却風を通流させる送風ファンを一体に備えることが望ましい。
上記構成の電力変換装置によれば、密閉筐体における第1の筐体領域に装着された電力変換用半導体素子から発せられた熱は、前記第1の筐体領域に直接的に熱的に結合された放熱フィンを介して外部に放出される。しかし前記密閉筐体を形成する第1の筐体領域と第2の筐体領域との間に断熱部材が介装されているので、前記電力変換用半導体素子から発せられた熱が前記第1の筐体領域を介して前記第2の筐体領域に伝達することはない。従って第1の筐体領域から第2の筐体領域に伝達される熱によって前記密閉筐体の内部温度が上昇すると言う問題を解消することができる。
この結果、前記制御回路基板に搭載された電解コンデンサ等の回路部品の、前記密閉筐体を介して伝達した熱に起因する寿命劣化を防止することが可能となる。また上述した如く前記密閉筐体の内部温度の上昇を抑えることができるので、徒に大型の放熱効率の高い放熱フィンを用いる必要もなくなる。換言すれば密閉筐体の内部の不本意な温度上昇を抑えながら、前記電力変換用半導体素子から発せられた熱を放熱フィンを介して外部に放出することができる。この結果、密閉筐体の小型化と放熱フィンの小型化とを両立させることが可能となり、ひいては電力変換装置の小型化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す断面図。 図1に示す電力変換装置における密閉筐体の構造を示す分解斜視図。 本発明の別の実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す断面図。 従来の電力変換装置の概略構成を示す断面図。
以下、図面を参照して本発明に係る電力変換装置について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電力変換装置1の概略構成を示す断面図である。ここで図1(a)は前記電力変換装置1を側面方向から見た断面構成を、また図1(b)は前記電力変換装置1を正面から見た断面構成を示している。この電力変換装置1は、複数の電力変換用半導体素子2を箱型の密閉筐体4の内底面に並べて装着すると共に、前記電力変換用半導体素子2を駆動する制御回路基板3を前記密閉筐体4の側壁内面に装着して構成される。ちなみに前記電力変換用半導体素子2は、IGBTやパワーMOS-FET等からなる。尚、前記電力変換用半導体素子2はSi系の半導体だけでなく、例えばSiC、GaN、又はダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体によって構成されるものであっても良い。更に前記電力変換用半導体素子2の一部のみをワイドバンドギャップ半導体によって構成しても良い。また前記制御回路基板3は、前記電力変換用半導体素子2の駆動回路を形成したICや電解コンデンサ等の回路部品を搭載したものである。
図2は、前記密閉筐体4の概略構成を示す分解斜視図である。図2に示すように前記密閉筐体4は、前記電力変換用半導体素子2が並べて装着される第1の筐体領域11と、この第1の筐体領域11の上方に前記制御回路基板3を収容する空間を形成する第2の筐体領域12とからなる。前記第1の筐体領域11は、前記密閉筐体4の底面を形成する底面部材であり、この底面部材の下面側に前記第1の筐体領域11と一体に放熱フィン5が設けられる。また前記第2の筐体領域12は、前記密閉筐体4の側壁面と天板を構成する箱型の部材である。
一方、前記第1の筐体領域11を構成する前記底面部材の上面には、その四辺に沿って四角形状の枠型をなす断熱部材13が設けられる。前記第2の筐体領域12を構成する前記箱型の部材は、前記断熱部材13を介して前記底面部材の上面に装着され、前記第1の筐体領域11を構成する前記底面部材との間に密閉空間を形成する。即ち、前記密閉筐体4は、放熱フィン5を一体に形成した底面部材がなす第1の筐体領域11と、箱型の部材がなす第2の筐体領域12とを前記断熱部材13を介して接合一体化し、その内部に密閉空間を形成した筐体構造として実現される。尚、図中6は前記密閉筐体4の側部に装着されて前記放熱フィン5に冷却風を吹き付ける送風ファンである。
かくしてこのような筐体構造の前記密閉筐体4を用いて構成される電力変換装置1によれば、前記第1の筐体領域11に装着された前記電力変換用半導体素子2から発せられる大量の熱は、主として前記放熱フィン5を介して外部に放出される。この際、前記第1の筐体領域11に伝達された熱は前記断熱部材13により遮られるので、前記第2の筐体領域12に殆ど伝達することはない。
ちなみに前記電力変換用半導体素子2から前記第2の筐体領域12に伝わる熱は、前記密閉筐体4が形成した内部空間を介して空間伝播する放射熱だけである。しかも上記空間伝播する放射熱は、前記第1の筐体領域11から前記放熱フィン5に直接的に導体伝播して該放熱フィン5を介して外部に放出される熱流に比較して極めて微量である。従って前記電力変換用半導体素子2の発熱に伴う前記第2の筐体領域12の温度上昇を低く抑えることができる。よって前記密閉筐体4が形成した内部空間の過剰な温度上昇を効果的に防ぐことができる。
この結果、前記制御回路基板3に搭載されたICや電解コンデンサの不本意な過熱を抑え、熱に起因する前記電解コンデンサの特性劣化や寿命劣化等の不具合を防ぐことが可能となる。また前記第1の筐体領域11からの熱が前記第2の筐体領域12に伝わり難くなるので、前記筐体領域11および前記放熱フィン5の温度を高くすることができる。この結果、前記放熱フィン5と冷却風との温度差を大きくして該放熱フィン5の放熱効率を高めることができる。従って前記放熱フィン5を小型化して放熱面積が減ったとしても、全体的な放熱効率が損なわれることがない。故に前記密閉筐体4の小型化と前記放熱フィン5の小型化とを両立させて、容易に電力変換装置1の小型化を図ることが可能となる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば図3に示すように密閉筐体4の相対向する2つの面、即ち、底面部および天井面部のそれぞれに前記電力変換用半導体素子2を装着して電力変換装置1を構築しても良い。このような場合には、密閉筐体4における上記底面部および天井面部がなす2つの第1の筐体領域11と、該密閉筐体4の側壁面部がなす第2の筐体領域12との間にそれぞれ断熱部材13を介装するようにすれば良い。この際、前記底面部および天井面部のそれぞれに放熱フィン5を設けることは言うまでもない。
また前記送風ファン6については、前記電力変換装置1の仕様に応じて前記密閉筐体4に装着すれば良いものである。更には前記放熱フィン5の大きさについては、該放熱フィンの放熱効率と前記電力変換用半導体素子2の発熱量等に応じて決定すれば良いことは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 電力変換装置
2 電力変換用半導体素子
3 制御回路基板
4 密閉筐体
5 放熱フィン
6 送風ファン
11 第1の筐体領域
12 第2の筐体領域
13 断熱部材

Claims (5)

  1. 電力変換用半導体素子と、該電力変換用半導体素子を駆動する制御回路基板とを密閉筐体内に収納して構成される電力変換装置であって、
    前記密閉筐体は、前記電力変換用半導体素子が発生する熱を外部に放出する放熱フィンを備えた第1の筐体領域と、
    この第1の筐体領域に断熱部材を介して連接されて前記電力変換用半導体素子および前記制御回路基板を収容する密閉空間を形成する第2の筐体領域と
    を具備したことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記第1の筐体領域は、前記電力変換用半導体素子が装着されて該電力変換用半導体素子を前記放熱フィンに熱的に結合する領域であって、
    前記第2の筐体領域は、前記制御回路基板を支持すると共に、該制御回路基板および前記電力変換用半導体素子を外部から隔離して覆う領域である
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1の筐体領域は、前記放熱フィンを一体に設けた領域である請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換用半導体素子は、パワーMOS-FETまたはIGBTからなる請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電力変換装置において、
    前記密閉筐体は、前記放熱フィンに沿って冷却風を通流させる送風ファンを一体に備えることを特徴とする電力変換装置。
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