以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るMFP10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、MFP10は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー13と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター14と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部15と、図示していない外部の装置とLAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部16と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部17と、MFP10全体を制御する制御部18とを備えている。
記憶部17は、画像データと、この画像データに対して透明度を設定する透明度マスクデータとしてのSMaskデータとを含む透明度付き画像データであるSMask付き画像データに基づいた印刷をMFP10に実行させる印刷制御プログラム17aを記憶している。ここで、透明度マスクデータとは、例えば 8 ビットのデータであれば、0 〜 255 までの範囲を持つデータである。例えば Adobe 社の PDF でいうところのソフトマスクイメージがそれに相当する。SMask付き画像データは、Adobe Systems IncorporatedのPDF(Portable Document Format)フォーマットのデータである。印刷制御プログラム17aは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からMFP10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良い。
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部17に記憶されているプログラムを実行する。
制御部18は、記憶部17に記憶されている印刷制御プログラム17aを実行することによって、SMask付き画像データの画像データに対してSMask付き画像データのSMaskデータに基づいて色を調整した色調整画像データを生成する色調整画像データ生成手段18a、色調整画像データに対して切り出す形状を設定する形状マスクデータ(以下「Maskデータ」と言う。)をSMask付き画像データのSMaskデータに基づいて生成する形状マスクデータ生成手段としてのMaskデータ生成手段18b、および、色調整画像データ生成手段18aによって生成された色調整画像データに対して、Maskデータ生成手段18bによって生成されたMaskデータを適用して印刷を実行する印刷実行手段18cとして機能する。
なお、制御部18は、SMask付き画像データの画像データに対してSMask付き画像データのSMaskデータを適用して印刷を実行する機能を備えていない。
次に、SMask付き画像データに基づいた印刷を実行する場合のMFP10の動作について説明する。
図2は、SMask付き画像データに基づいた印刷を実行する場合のMFP10の動作のフローチャートである。
MFP10の制御部18は、例えばネットワーク通信部16を介してSMask付き画像データを受信するなどして、SMask付き画像データに基づいた印刷を実行する場合、対象のSMask付き画像データに基づいて図2に示す動作を実行する。
図2に示すように、制御部18の色調整画像データ生成手段18aは、対象のSMask付き画像データの画像データに対して、このSMask付き画像データのSMaskデータに基づいて色を調整した色調整画像データを生成する(S31)。
次いで、Maskデータ生成手段18bは、対象のSMask付き画像データのSMaskデータに基づいてMaskデータを生成するMaskデータ生成処理を実行する(S32)。
次いで、印刷実行手段18cは、S31において生成された色調整画像データに対して、S32において生成されたMaskデータを適用して、印刷用画像データを生成する(S33)。
最後に、印刷実行手段18cは、S33において生成した印刷用画像データに基づいてプリンター14によって印刷を実行して(S34)、図2に示す動作を終了する。
図3は、図2に示すMaskデータ生成処理のフローチャートである。
図3に示すように、Maskデータ生成手段18bは、対象のSMask付き画像データのSMaskデータに完全な透明の箇所が存在するか否かを判断する(S41)。
Maskデータ生成手段18bは、完全な透明の箇所が存在するとS41において判断すると、対象のSMask付き画像データのSMaskデータに含まれる透明度の種類を判断する(S42)。
Maskデータ生成手段18bは、1種類であるとS42において判断すると、全ての箇所を取り除く箇所にしたMaskデータを生成して(S43)、図3に示す動作を終了する。
Maskデータ生成手段18bは、2種類であるとS42において判断すると、SMaskデータにおける完全な透明の箇所を取り除く箇所にし、それ以外の箇所を残す箇所にしたMaskデータを生成して(S44)、図3に示す動作を終了する。
Maskデータ生成手段18bは、3種類以上であるとS42において判断すると、SMaskデータにおける透明度の閾値をSMaskデータに基づいて決定する(S45)。閾値の決定には、判別分析2値化法など、一般的な閾値の決定手法が採用されることができる。
次いで、Maskデータ生成手段18bは、SMaskデータにおける閾値以上の透明度の箇所を取り除く箇所にし、それ以外の箇所を残す箇所にしたMaskデータを生成して(S46)、図3に示す動作を終了する。
Maskデータ生成手段18bは、完全な透明の箇所が存在しないとS41において判断すると、全ての箇所を残す箇所にしたMaskデータを生成して(S47)、図3に示す動作を終了する。
以下、具体例で説明する。なお、以下においては、理解を容易にするためにSMask付き画像データの画像データとして黒色の画像データに限定して説明するが、カラーの画像データであっても良い。また、理解を容易にするためにSMask付き画像データのSMaskデータとして不透明度を8bitで表すデータに限定して説明するが、透明度の階調を8bit以外で表すデータであっても良い。また、理解を容易にするためにSMask付き画像データの画像データとして8ピクセル×8ピクセルの画像データに限定して説明するが、他の大きさの画像データであっても良い。
図4は、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50の一例を示す図である。
図4(a)は、仮にMFP10がSMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えている場合に、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50を示す図である。図4(a)において、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に不透明であり、一番外側の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、一番外側の領域と比較して透明度が上がるが完全に透明ではなく、一番外側から2番目の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、一番外側から2番目の領域と比較して透明度が上がるが完全に透明ではなく、一番内側の4ピクセル分の正方形の領域は、完全に透明である。
図4(b)は、SMask付き画像データ50の画像データ51を示す図である。図4(b)における右側の図は、画像データ51を数値で示した図である。画像データ51においては、16進数で「0x00」すなわち10進数で「0」が黒色を示し、16進数で「0xFF」すなわち10進数で「255」が白色を示し、「0x00」から「0xFF」までの数値によって黒色から白色までの濃淡の度合いを示す。図4(b)における左側の図は、右側の図において数値で示した画像データ51を可視化した図である。
図4(c)は、SMask付き画像データ50のSMaskデータ52を示す図である。SMaskデータ52においては、「0x00」は、不透明度が最低、すなわち、透明度が最高であることを示し、「0xFF」は、不透明度が最高、すなわち、透明度が最低であることを示し、「0x00」から「0xFF」までの数値によって不透明度の度合い、すなわち、透明度の度合いを示す。具体的には、「0x00」は、完全な透明を示し、「0xFF」は、完全な不透明を示す。
図5は、図4に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10が印刷を実行する場合の図である。
MFP10の色調整画像データ生成手段18aは、SMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていないので、図4に示すSMask付き画像データ50の画像データ51に対して、このSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に基づいて色を調整して図5(a)に示す色調整画像データ61を生成する(S31)。図5(a)における右側の図は、色調整画像データ61を数値で示した図である。色調整画像データ61においては、「0x00」が黒色を示し、「0xFF」が白色を示し、「0x00」から「0xFF」までの数値によって黒色から白色までの濃淡の度合いを示す。図5(a)における左側の図は、右側の図において数値で示した色調整画像データ61を可視化した図である。
そして、Maskデータ生成手段18bは、S32のMaskデータ生成処理において、図4に示すSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に完全な透明の箇所が存在するとS41において判断した後、このSMaskデータ52に含まれる透明度の種類を4種類であるとS42において判断すると、このSMaskデータ52における透明度の閾値をこのSMaskデータ52に基づいて例えば「0x7E」と決定して(S45)、このSMaskデータ52における閾値以上の透明度の箇所を取り除く箇所にし、それ以外の箇所を残す箇所にした図5(b)に示すMaskデータ62を生成する(S46)。Maskデータ62において、「0」は残す箇所を示し、「1」は取り除く箇所を示す。
そして、印刷実行手段18cは、S31において生成された図5(a)に示す色調整画像データ61に対して、S32において生成された図5(b)に示すMaskデータ62を適用して、図5(c)に示す印刷用画像データ60を生成して(S33)、生成した印刷用画像データ60に基づいてプリンター14によって印刷を実行する(S34)。図5(c)において、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域と、一番外側の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域とは、完全に不透明であり、一番内側の16ピクセル分の正方形の領域は、完全に透明である。
図6は、図4に示すSMask付き画像データ50または図5に示す印刷用画像データ60と、他の画像データとの重なりを示す図である。
ここで、他の画像データの一例として、図6(a)に示す画像データ70を考える。画像データ70は、8ピクセル×8ピクセルの画像データである。図6(a)に示す画像データ70には、多数の斜線が施されているが、これらの斜線は、画像データ70に施されている色を表現しているものであり、画像データ70に実際に斜線が含まれていることを示すものではない。また、図6(a)に示す画像データ70には、理解を容易にするために外枠に枠線が描かれているが、実際にはこの枠線は含まれていない。
画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して生成される図4(a)に示すSMask付き画像データ50が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図6(b)に示す画像データ81が生成される。一方、図4(a)に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10によって生成される図5(c)に示す印刷用画像データ60が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図6(c)に示す画像データ82が生成される。このように、MFP10は、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていなくても、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
図7は、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50の一例であって、図4に示す例とは異なる例を示す図である。
図7(a)は、仮にMFP10がSMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えている場合に、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50を示す図である。図7(a)において、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に透明でも完全に不透明でもなく、一番外側の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に透明であり、一番外側から2番目の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域と同一の透明度であり、一番内側の4ピクセル分の正方形の領域は、完全に透明である。
図7(b)は、SMask付き画像データ50の画像データ51を示す図である。図7(b)における右側の図は、画像データ51を数値で示した図である。図7(b)における左側の図は、右側の図において数値で示した画像データ51を可視化した図である。図7(c)は、SMask付き画像データ50のSMaskデータ52を示す図である。
図8は、図7に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10が印刷を実行する場合の図である。
MFP10の色調整画像データ生成手段18aは、SMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていないので、図7に示すSMask付き画像データ50の画像データ51に対して、このSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に基づいて色を調整して図8(a)に示す色調整画像データ61を生成する(S31)。図8(a)における右側の図は、色調整画像データ61を数値で示した図である。図8(a)における左側の図は、右側の図において数値で示した色調整画像データ61を可視化した図である。
そして、Maskデータ生成手段18bは、S32のMaskデータ生成処理において、図7に示すSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に完全な透明の箇所が存在するとS41において判断した後、このSMaskデータ52に含まれる透明度の種類を2種類であるとS42において判断すると、このSMaskデータ52における完全な透明の箇所を取り除く箇所にし、それ以外の箇所を残す箇所にした図8(b)に示すMaskデータ62を生成する(S44)。
そして、印刷実行手段18cは、S31において生成された図8(a)に示す色調整画像データ61に対して、S32において生成された図8(b)に示すMaskデータ62を適用して、図8(c)に示す印刷用画像データ60を生成して(S33)、生成した印刷用画像データ60に基づいてプリンター14によって印刷を実行する(S34)。図8(c)において、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に不透明であり、一番外側の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に透明であり、一番外側から2番目の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に不透明であり、一番内側の4ピクセル分の正方形の領域は、完全に透明である。
図9は、図7に示すSMask付き画像データ50または図8に示す印刷用画像データ60と、他の画像データとの重なりを示す図である。
画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して生成される図7(a)に示すSMask付き画像データ50が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図9(a)に示す画像データ81が生成される。一方、図7(a)に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10によって生成される図8(c)に示す印刷用画像データ60が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図9(b)に示す画像データ82が生成される。このように、MFP10は、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていなくても、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
図10は、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50の一例であって、図4および図7に示す例とは異なる例を示す図である。
図10(a)は、仮にMFP10がSMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えている場合に、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50を示す図である。図10(a)において、全ての領域は完全に透明である。なお、図10(a)に示すSMask付き画像データ50には、理解を容易にするために外枠に枠線が描かれているが、実際にはこの枠線は含まれていない。
図10(b)は、SMask付き画像データ50の画像データ51を示す図である。図10(b)における右側の図は、画像データ51を数値で示した図である。図10(b)における左側の図は、右側の図において数値で示した画像データ51を可視化した図である。図10(c)は、SMask付き画像データ50のSMaskデータ52を示す図である。
図11は、図10に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10が印刷を実行する場合の図である。
MFP10の色調整画像データ生成手段18aは、SMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていないので、図10に示すSMask付き画像データ50の画像データ51に対して、このSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に基づいて色を調整して図11(a)に示す色調整画像データ61を生成する(S31)。図11(a)における右側の図は、色調整画像データ61を数値で示した図である。図11(a)における左側の図は、右側の図において数値で示した色調整画像データ61を可視化した図である。なお、図11(a)における左側の図に示す色調整画像データ61には、理解を容易にするために外枠に枠線が描かれているが、実際にはこの枠線は含まれていない。
そして、Maskデータ生成手段18bは、S32のMaskデータ生成処理において、図10に示すSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に完全な透明の箇所が存在するとS41において判断した後、このSMaskデータ52に含まれる透明度の種類を1種類であるとS42において判断すると、全ての箇所を取り除く箇所にした図11(b)に示すMaskデータ62を生成する(S43)。
そして、印刷実行手段18cは、S31において生成された図11(a)に示す色調整画像データ61に対して、S32において生成された図11(b)に示すMaskデータ62を適用して、図11(c)に示す印刷用画像データ60を生成して(S33)、生成した印刷用画像データ60に基づいてプリンター14によって印刷を実行する(S34)。図11(c)において、全ての領域は完全に透明である。なお、図11(c)に示す印刷用画像データ60には、理解を容易にするために外枠に枠線が描かれているが、実際にはこの枠線は含まれていない。
図12は、図10に示すSMask付き画像データ50または図11に示す印刷用画像データ60と、他の画像データとの重なりを示す図である。
画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して生成される図10(a)に示すSMask付き画像データ50が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図12(a)に示す画像データ81が生成される。一方、図10(a)に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10によって生成される図11(c)に示す印刷用画像データ60が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図12(b)に示す画像データ82が生成される。このように、MFP10は、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていなくても、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能と同様の印刷結果を得ることができる。なお、図12に示す画像データ81、82には、理解を容易にするために外枠に枠線が描かれているが、実際にはこの枠線は含まれていない。
図13は、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50の一例であって、図4、図7および図10に示す例とは異なる例を示す図である。
図13(a)は、仮にMFP10がSMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えている場合に、MFP10によって印刷されるSMask付き画像データ50を示す図である。図13(a)において、一番外側において1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、完全に不透明であり、一番外側の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、一番外側の領域と比較して透明度が上がるが完全に透明ではなく、一番外側から2番目の領域に隣接して内側に1ピクセル分の幅の線で描かれた四角形の枠状の領域は、一番外側から2番目の領域と比較して透明度が下がるが完全に不透明ではなく、一番内側の4ピクセル分の正方形の領域は、一番外側から2番目の領域と同一の透明度である。
図13(b)は、SMask付き画像データ50の画像データ51を示す図である。図13(b)における右側の図は、画像データ51を数値で示した図である。図13(b)における左側の図は、右側の図において数値で示した画像データ51を可視化した図である。図13(c)は、SMask付き画像データ50のSMaskデータ52を示す図である。
図14は、図13に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10が印刷を実行する場合の図である。
MFP10の色調整画像データ生成手段18aは、SMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていないので、図13に示すSMask付き画像データ50の画像データ51に対して、このSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に基づいて色を調整して図14(a)に示す色調整画像データ61を生成する(S31)。図14(a)における右側の図は、色調整画像データ61を数値で示した図である。図14(a)における左側の図は、右側の図において数値で示した色調整画像データ61を可視化した図である。
そして、Maskデータ生成手段18bは、S32のMaskデータ生成処理において、図13に示すSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に完全な透明の箇所が存在しないとS41において判断すると、全ての箇所を残す箇所にした図14(b)に示すMaskデータ62を生成する(S47)。
そして、印刷実行手段18cは、S31において生成された図14(a)に示す色調整画像データ61に対して、S32において生成された図14(b)に示すMaskデータ62を適用して、図14(c)に示す印刷用画像データ60を生成して(S33)、生成した印刷用画像データ60に基づいてプリンター14によって印刷を実行する(S34)。図14(c)において、全ての領域は完全に不透明である。
図15は、図13に示すSMask付き画像データ50または図14に示す印刷用画像データ60と、他の画像データとの重なりを示す図である。
画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して生成される図13(a)に示すSMask付き画像データ50が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図15(a)に示す画像データ81が生成される。一方、図13(a)に示すSMask付き画像データ50に基づいてMFP10によって生成される図14(c)に示す印刷用画像データ60が図6(a)に示す画像データ70の上に重ねられると、図15(b)に示す画像データ82が生成される。このように、MFP10は、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていなくても、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
以上に説明したように、MFP10は、SMask付き画像データ50の画像データ51に対してSMask付き画像データ50のSMaskデータ52に基づいて色を調整して生成した色調整画像データ61(S31)に対して、SMaskデータ52に基づいて生成したMaskデータ62(S41〜S47)を適用して(S33)印刷を実行する(S34)ので、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能を備えていなくても、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
また、MFP10は、SMaskデータ52に完全な透明の箇所が存在する場合に(S41でYES)、SMaskデータ52における完全な透明の箇所をMaskデータ62において取り除く箇所にし、SMaskデータ52における最も透明度が低い箇所をMaskデータ62において残す箇所にする(S44およびS46)。この構成により、MFP10は、SMaskデータ52における完全な透明の箇所をMaskデータ62において取り除く箇所にするので、色調整画像データ61に対してSMask付き画像データ50における完全な透明の箇所を残して印刷を実行することを防止することができ、結果として、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
また、MFP10は、SMaskデータ52における透明度の閾値をSMaskデータ52に基づいて決定し(S45)、SMaskデータ52における閾値以上の透明度の箇所をMaskデータ62において取り除く箇所にし、SMaskデータ52における閾値未満の透明度の箇所をMaskデータ62において残す箇所にする(S46)。この構成により、MFP10は、Maskデータ62を生成するための閾値をSMaskデータ52に基づいて決定するので、Maskデータ62をSMaskデータ52に基づいて適切に生成することができ、結果として、画像データ51に対してSMaskデータ52を適用して印刷を実行する機能に近い印刷結果を得ることができる。
なお、本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。