(A)第1の実施形態
以下では、本発明の現金処理装置及び保守システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図1は、第1の実施形態に係る現金処理装置の管理システムの全体構成を示す構成図である。
図1において、第1の実施形態に係る管理システムは、現金処理装置1、金融機関資金管理センタ装置92、現金センタ装置93、サポートセンタ装置94、コールセンタ装置95を有する。
現金処理装置1は、例えば小売店や商業施設のテナント等に設置され、店舗で売り上げた売上金や釣銭準備金等に関する現金処理を行うものである。現金管理装置1は、売上入金や釣銭出金や残高等に関する現金集計データを、金融機関資金管理センタ装置92に送信するものである。現金処理装置1は、例えば1店舗の売上金や釣銭準備金等の集計処理を行うものであっても良い。また例えば複数のテナントを有する商標施設においては、店舗毎の売上入金を集計したり、更に複数の店舗の集計結果に基づき商業施設全体の集計処理を行ったりするものであっても良い。
現金処理装置1は、現金回収員による現金処理装置1内の現金回収処理の際に、現金処理装置1内に搭載されている部品の寿命の到達状況を確認し、寿命を迎えている部品がある場合には、その旨を出力(例えば、画面表示やアラーム音出力等)するものである。これにより、現金回収の際に、店舗顧客に部品の交換寿命を確認することができる。また、現金処理装置1は現金回収員に寿命を迎えている部品を交換するか否かを問い合せ、現金回収員が部品交換を希望するとき、現金処理装置1は、通信回線を介して、サポートセンタ装置94に対して現金処理装置1の装置稼働情報を送信するものである。装置稼働情報の詳細については後述するが、現金処理装置1の装置稼働情報をサポートセンタ装置94に送信することで、寿命に達した部品を現金補充又は回収するもの(以下、現金回収員と呼ぶ。)及び店舗顧客(例えば店舗における責任者や保守員等)に認識させることができる。また、現金処理装置1の稼働状況に応じて、今回検出された寿命交換部品以外の部品の交換の必要性に関しても現金回収員や店舗顧客は把握することができる。
金融機関資金管理センタ装置92は、通信回線(例えば、ISDN、IP回線等)を介して、現金処理装置1から現金集計データを取得し、店舗の現金管理を行うものである。例えば、店舗おける1日の集計結果として現金処理装置1から現金集計データを取得し、その現金集計データに基づいて、店舗毎の収支情報等を管理する。例えば、金融機関資金管理センタ装置92は、現金処理装置1を識別する装置識別情報に基づき、店舗毎の現金集金データを管理している。なお、金融機関資金管理センタ装置92による現金管理方法は、既存の種々の現金管理方法を広く適用することができる。
現金センタ装置93は、例えば現金処理装置1が設置されている店舗の近傍地に設けられており、現金処理装置1に現金を補充したり又は現金処理装置1から現金を回収したりするために用いられる装置である。
現金センタ装置93による現金補充回収方法は、既存の種々の方法を適用することができ、例えば、現金センタ装置93は金融機関資金管理センタ装置92と連携して、現金処理装置1の残高情報(金種毎の残高情報)を監視し、残高情報が閾値より小さくなり現金補充が必要なタイミングになったとき若しくは残高情報が閾値を超えて現金回収が必要なタイミングを出力(例えばアラーム出力)する方法を適用するようにしても良い。これにより、現金回収員が現金処理装置1に出向くなどして現金補充回収を行うことができる。また例えば、店舗顧客がコールセンタ装置95に現金補充回収が必要である旨を連絡し、コールセンタのオペレータからの現金補充回収の要請を受けて、現金回収員が現金補充回収を行う等の運用もある。
コールセンタ装置95は、コールセンタにおいてオペレータが操作する電話端末や、現金センタ装置93や金融機関資金管理センタ装置92と情報を送受信することができるパーソナルコンピュータ等が該当する。
サポートセンタ装置94は、通信回線を介して、現金処理装置1から装置稼働情報を受信し、その受信した装置稼働情報を出力するものである。
(A−1−2)現金処理装置の詳細な構成
図3は、第1の実施形態に係る現金処理装置の外観構成を示す斜視図である。図3に示すように、第1の実施形態に係る現金処理装置1は、入力表示部101、硬貨投入部102、紙幣投入/受取部108、硬貨返却部103、硬貨出金部104、保管庫105、レシートプリンタ106、レシートプリンタ107を有する。
入力表示部101は、店舗顧客や現金回収員等が操作したり、現金処理装置1の処理操作の選択画面を出力したり、入力された情報を出力したり、現金集計処理結果を出力したりするものである、入力表示部101は、例えば、タッチパネル方式の液晶ディスプレイ(LCD)を用いることができるが、入力部と表示部とが物理的に別個に設けられたものであっても良い。
硬貨投入部102は、現金処理装置1に投入される硬貨を受け入れて投入枚数を計数するものである。
硬貨返却部103は、硬貨投入部102に投入された硬貨のうち計数されなかった硬貨を返却するものである。なお、返却された硬貨が正常である場合には、再度、その硬貨を硬貨返却部103に投入されることで計数処理される。
硬貨出金部104は、例えば釣銭出金の際に、釣銭準備金に係る硬貨を出金するものである。
紙幣投入/受取部108は、現金処理装置1に投入される紙幣を受け入れて投入枚数を計算したり、例えば釣銭出金の際に、釣銭準備金に係る紙幣を排出したりするものである。紙幣投入/受取部108は、例えば、紙幣を収納する収納部(バケット)と開閉可能な開閉体とを有するバケットタイプのものを用いることができる。具体的には、紙幣投入の際、紙幣投入/受入部103は、開閉体を開き、投入される紙幣を受け入れ、その後開閉体を閉じて、投入された紙幣を計数して保管庫105に搬送する。また、紙幣出金の際、保管庫105から紙幣が紙幣投入/受取部108のバケットに送られた後、開閉体を開放して店舗顧客による紙幣の受け取りを可能とする。
保管庫105は、入金された貨幣(硬貨、紙幣)を保管するものである。また、保管庫105には、後述するように通信部を有しており、保管庫105の通信部が、保管庫105に保管されている現金の残高情報や現金集金データを、定期的に金融機関資金管理センタ装置92に送信する。
レシートプリンタ106は、店舗顧客が売上入金や釣銭出金等の集計処理を行う際に、その現金集計処理の結果を媒体に印刷して出力するものである。具体的には、レシートプリンタ106は、入金に係る金種毎の金額・枚数、合計金額、日時情報、現金処理装置1の識別情報、現金処理を行った担当者識別情報(例えば、担当者の名前、ID等)を含む情報を媒体印字する。また、レシートプリンタ106は、釣銭出金に係る金種毎の金額・枚数、合計金額、日時情報、現金処理装置1の識別情報、現金処理を行った担当者識別情報(例えば、担当者の名前、ID等)を含む情報を媒体印字する。また、集計処理に関しては、入金の合計金額から釣銭出金の合計金額を差し引いた額が売上金額となり、金種毎の金額・枚数、日時情報、現金処理装置1の識別情報、現金処理を行った担当者識別情報を含む情報を媒体印字する。
レシートプリンタ107は、現金回収員が現金補充又は現金回収を行う際に、現金補充回収の結果を媒体に印刷して出力するものである。具体的には、レシートプリンタ107は、補充又は回収された貨幣について、金種毎の枚数・金額、日時情報、現金処理装置1の識別情報、現金処理を行った担当者識別情報を含む情報を媒体印字する。
なお、この実施形態では、集計処理結果を出力するレシートプリンタ106と、現金補充回収結果を出力するレシートプリンタ107とを備える場合を例示するが、1台のレシートプリンタが集計処理結果及び現金補充回収結果を印字出力するものであっても良い。
図4は、第1の実施形態に係る現金処理装置1の内部構成と制御部の機能構成との関係を説明するブロック図である。
図4において、第1の実施形態に係る現金処理装置1は、制御部30、入力表示部101、硬貨投入部102、紙幣投入/受取部108、硬貨返却部103、硬貨出金部104、保管庫105を有する。
なお、図4において、入力表示部101、硬貨投入部102、紙幣投入/受取部108、硬貨返却部103、硬貨出金部104、保管庫105は、図3を用いて既に説明したため、ここでの詳細な説明は省略する。
制御部30は、現金処理装置1の各種機能を司るものである。制御部30は、例えば、CPU、ROM等の外部記憶装置、RAM、EEPROM、入出力インターフェース部等を有するものである。制御部30は、例えば、CPUがROMに記憶される処理プログラムを実行することにより、現金処理装置1の機能を実現するものである。なお、処理プログラムは、インストールにより構築することができ、その場合でも機能的には図4に示すことができる。
制御部30は、図4に示すように、現金処理部31、現金補充回収部32、保守管理部33を有する。
現金処理部31は、投入された硬貨、紙幣の金種毎の枚数、金額に基づいて入金処理を行ったり、入力表示部101を通じて取得した出金データに基づいて指定された金種、枚数の貨幣を出金する出金処理を行ったり、入金金額と出金金額とに基づいて集計処理を行ったりするものである。現金処理部31は、入金処理の際、入金された貨幣枚数の計数結果を管理して、その入金された貨幣を保管庫105に格納し、出金処理の際、保管庫105から繰り出した貨幣枚数の計数結果を管理する。さらに、現金処理部31は、保管庫105に保管されている貨幣の残高情報を金種毎に管理しており、その残高情報を保管庫105の通信部109に定期的に通知する。これにより、通信部109を介して、保管庫105に保管される残高情報を定期的に金融機関資金管理センタ92に送信させることができる。
また、現金処理部31が計数した貨幣の金種や枚数に基づいて、現金処理装置1内の各部品の動作回数をカウントし、そのカウント値を制御部30の記憶部に記憶してもよい。
現金補充回収部32は、入力表示部101において現金補充回収処理が選択されると、入力表示部101を通じて指定された金種の枚数、金額に基づいて、現金処理装置1内への現金の補充又は現金処理装置1内からの現金の回収を行うものである。現金補充回収部32は、現金補充回収に係る内容(すなわち、現金補充又は現金回収した金種、枚数、金額、日時情報、現金回収員のID等)を印字させるために、現金補充回収情報をレシートプリンタ107に通知する。
保守管理部33は、現金補充回収部32による現金補充又は現金回収の際に、現金補充回収終了後に、現金処理装置1内に搭載されている部品の寿命を確認する。また、保守管理部33は、寿命に達した部品がある場合には、入力表示部101にその旨を表示させ、現金回収員が寿命交換部品の交換を希望するときに、部品が寿命に達したか否かを示す寿命到達フラグを含む装置稼働情報を通信部109に通知してサポートセンタ装置94に送信させるものである。
図4に示すように、保守管理部33は、寿命確認部331、保守依頼確認部332、装置稼働情報作成部333を有する。
寿命確認部331は、現金補充回収後に、部品の寿命を確認するものである。なお、寿命確認部331は、寿命交換部品だけでなく、定期的なメンテナンスを行う交換部品に関しても寿命に達しているか否かを確認するようにしても良い。
ここで、交換部品は、保守契約等にもよるが定期的な保守の際に、保守員が交換の必要性を確認する部品であり、例えば、送出ローラ等に代表される硬貨や紙幣を搬送する搬送ローラ、搬送ベルト等がある。
また、寿命交換部品は、保守契約等で定期的な保守の対象でない部品であり、例えば、硬貨や紙幣の金種を選別して搬送する選別搬送ディスク、保管庫105から出金する硬貨や紙幣を繰り出すための金種毎の出金HOPモータ、選別搬送ディスクを動作させるための金種毎のゲートソレノイド、硬貨や紙幣の出金又は回収を切り替えるための金種毎の出金・回収切り替えゲート等がある。
例えば、選別搬送ディスクが5000枚の貨幣搬送で寿命に達すると判断する場合、寿命確認部331は、選別搬送ディスクの貨幣搬送が5000枚を超えているとき、この選別搬送ディスクは寿命に達していると判断することができ、5000枚以下のときには寿命に達していないと判断できる。
また、寿命と判断する基準(以下、寿命判断基準と呼ぶ。)は、部品によって異なるが、例えば、前回の交換時点から現金処理装置1において搬送した貨幣枚数や、前回の交換時点からの期間や、部品の動作回数等のように、部品が動作した頻度や時間等に基づくものとすることができる。なお、寿命判断基準は、運用に応じて値を設定、変更可能なものである。
寿命判断基準は、部品が寿命に達したとする1個の値に限定されず、寿命に近づいていることを認識させるために、例えば、その寿命に達すると判断する1個の値よりも小さい1又は複数値とすることができる。具体的には、選別搬送ディスクの寿命判断基準が5000枚とすると、例えば5000枚より前の段階である900枚、850枚を寿命判断基準としても良い。
保守依頼確認部332は、寿命確認部331により寿命に達している部品がある場合に、その旨と共に、寿命に達した部品を交換するか否かを問い合わせる画面を入力表示部101に出力させるものである。これにより、現金補充回収時に、現金管理サービス提供者側の現金回収員は、寿命に達した部品がある旨を店舗顧客に知らせることができる。店舗顧客が寿命交換部品の交換を希望する場合、現金回収員の操作により寿命交換部品を交換すること選択する。
装置稼働情報作成部333は、保守依頼確認部332により入力表示部101に表示した画面を通じて、寿命に達した部品の交換を希望する場合、少なくとも、部品が寿命に達している旨の情報を含む装置稼働情報を作成し、この装置稼働情報を通信部109に与えて、サポートセンタ装置94に送信させるものである。また、装置稼働情報は、現金処理装置1の識別情報が含まれる。
図5は、第1の実施形態に係る装置稼働情報の構成例を説明する説明図である。図5は、硬貨に関する装置稼働情報であり、紙幣についても図5と同様のものとすることができる。
図5に示すように、装置稼働情報は、「番号」、「種別」、「部品名」、「寿命判断基準」、「動作値」、「寿命到達フラグ」を項目として有する。
「種別」は、部品が定期的な保守対象の交換部品又は寿命交換部品を識別するためのものであり、図5では、「種別:10(交換部品)」は交換部品であること示しており、「種別:20(寿命交換部品)」は寿命交換部品であることを示している。「部品名」は、交換部品、寿命交換部品の名称や識別情報(例えば、部品番号等)である。また、「寿命判断基準」は、それぞれの部品に関して寿命に達したと判断するための基準である。「動作値」は、寿命に達したか否かを判断するための各部品の動作に関する値である。「寿命到達フラグ」は、寿命に達したか否かを示すフラグであり、図5では「寿命到達フラグ:0」が寿命に達していないことを示し、「寿命到達フラグ:1」が寿命に達したことを示している。
例えば、図5において、「番号:1」は、定期的に保守を行う交換部品(「種別:10(交換部品)」)である「商品名:送出ローラ(上)/ピッカローラ(下)」の「寿命判断基準」は貨幣(ここでは硬貨)を搬送する搬送枚数が「10000枚」としている。そして、現時点で、「商品名:送出ローラ(上)/ピッカローラ(下)」が搬送している搬送枚数は「9999枚」であり、寿命判断基準に達していないため、「寿命到達フラグ:0」としている。
また例えば、図5において、「番号:3」は、寿命交換部品(「種別:20(寿命交換部品)」)である「商品名:選別搬送ディスク」の「寿命判断基準」は貨幣(ここでは硬貨)を搬送する搬送枚数が「5000枚」としている。そして、現時点で、「商品名:選別搬送ディスク」が搬送している搬送枚数は「9999枚」であり、寿命判断基準に達しているため、「寿命到達フラグ:1」としている。
なお、装置稼働情報は、図5に例示する内容に限定されるものではない。例えば、装置稼働情報は、現金処理装置1の運用履歴情報、現金処理装置1における障害履歴情報、現金処理装置1の稼働履歴情報を含むようにしても良い。
現金処理装置1の使用頻度や使用回数によって各部品の消耗が異なるため、これら運用履歴情報、障害履歴情報、稼働履歴情報等を装置稼働情報に付加してサポートセンタ装置94に送信することで、保守員は、現金処理装置1の使用状態に応じた保守が可能となる。
運用履歴情報は、例えば、現金処理装置1の各動作(例えば入金、出金等)において正常に動作せずに貨幣を一旦返却して再度やり直しを行う等のリトライ回数を月別に示す「月別動作別リトライ回数の推移情報」、「月別ニアエラー回数」、現金処理装置1の各種センサを清掃するためのアラーム発生状況を示す「センサ清掃アラーム発生履歴情報」、各種センサの感度調整値の推移情報を示す「センサ調整値の推移情報」等を含むものである。
障害履歴情報は、例えば、障害発生時の日時情報や障害箇所等を示す「障害処理情報」、現金処理装置1の動作中断履歴を示す「HLT(HALT)ログ情報」、障害発生の時間的な経過情報を示す「エラー時系列情報」等を含むものである。
稼働履歴情報は、例えば、搬送される貨幣の搬送回数や金種等を示す「搬送履歴情報」、「ファーム版数履歴情報」、CPUのステータス情報を示す「割り込みログ情報」、入金、補充された硬貨(又は紙幣)の金種、枚数等を示す「入金硬貨(又は入金紙幣)データ」、出金・回収された「出金硬貨(又は出金紙幣)データ」等を含むものである。
通信部109は、売上金の集計処理や現金補充回収処理後、通信回線と接続して、金融機関資金管理センタ装置92に現金管理に関するデータを送信するものである。また、通信部109通信部109には、サポートセンタ装置94の送信先情報(例えば、アドレス情報など)が予め設定されており、通信部109は、装置稼働情報作成部333からの装置稼働情報を、サポートセンタ装置94に送信する。なお、通信部109は、現金管理サービスの関係から保管庫105に搭載されている場合を例示しているが、設置されている場所は特に限定されるものではない。
(A−2)第1の実施形態の動作
図6は、第1の実施形態に係る現金処理装置1における保守管理処理の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、現金処理装置1から現金を回収するときの動作を例示しているが、現金を補充するときにも同様の処理を適用することができる。
まず、現金センタ装置93は、従来と同様に、現金処理装置1の残高情報を管理する金融機関資金管理センタ装置92と連携して現金処理装置1内の残高調整の依頼を受けたり、若しくは、コールセンタ装置95を通じて現金処理装置1の残高調整依頼を受けたりすると、現金回収員は現金処理装置1に出向いて現金処理装置1から現金回収を行う。
現金処理装置1における現金回収処理は、既存技術と同様の処理を適用することができる。例えば、現金回収員は、セキュリティの観点から、現金処理装置1において、例えば現金回収員であることを証明するIDカード、暗証番号入力等により認証処理を行う。そして、認証が成功すると、入力表示部101は、制御部30の制御を受けて、処理種別を選択するメニュー選択画面を表示する。現金回収員は、入力表示部101のメニュー選択画面で現金回収処理を選択して、保管庫105から現金を回収する。
現金処理装置1の現金回収が終了すると(S101)、制御部30の現金補充回収部32は、今回の現金回収情報(例えば、現金回収した金種、枚数、金額、日時情報、現金回収員のID等)をレシートプリンタ107に通知し、レシートプリンタ107が現金回収に係る内容を印字したレシートを排出する。
このとき、入力表示部101は、例えば「レシートをお取りください」等の案内画面501を表示する。現金回収員がレシートを受け取り、案内画面501に表示されている「確認」ボタンを押下すると(S102)、現金補充回収部32は、現金回収が完了したと判断し、通信部109に対して残高情報を通知する。これにより、通信部101は、通信回線に接続して、取得した残高情報を金融機関資金管理センタ装置92に送信する(S103)。その後、通信部101は、金融機関資金管理センタ装置92から情報受領返信を受信して通信回線との接続を断つ(S104)。
次に、現金処理装置1では、保守管理部33の寿命確認部331が、現金処理装置1内の部品が寿命に到達しているか否かの寿命確認を行う(S105)。
このとき、現金回収後に、寿命交換部品の寿命確認を行うことを現金回収員に認識させるために、入力表示部101は、例えば「寿命交換部品の寿命を確認中です。」等の画面502を表示する。
この間、寿命確認部331は、全ての寿命交換部品について、寿命交換部品の動作値が予め設定された寿命判断基準に達しているか否かを確認する。なお、寿命確認部331は、寿命交換部品だけでなく、定期的な保守対象の交換部品の寿命に関しても確認するようにしても良い。
そして、寿命交換部品の全てが寿命に達していない場合(S106)、制御部30は自動リセットして運用状態に移行する(S112)。
一方、寿命交換部品うち、寿命に達している部品が1個以上ある場合(S106)、保守依頼確認部332は、寿命到達した交換部品が発見された旨及び寿命に達した交換部品を交換するか否かの問い合わせるため、入力表示部101に、例えば「交換対象部品があります保守会社へ連絡しますか」等の問い合せ画面503を出力させる。
問い合せ画面503が表示されると、現金回収員が店舗顧客に対して交換対象部品の交換を希望するか否かを確認し、店舗顧客が交換対象品の交換を希望するか否かを現金回収員に報告する。
このとき、店舗顧客が部品の交換を希望しないとき、現金回収員は、問い合せ画面503上の「しない」ボタンを押下して(S113)、制御部30は自動リセットして運用状態に移行する(S112)。
一方、店舗顧客と現金管理サービス提供者との間で保守契約が締結されている場合であって、店舗顧客が部品の交換を希望するとき、現金回収員は問い合せ画面503上の「する」ボタンを押下する(S107)。これを受けて、装置稼働情報作成部333は、現金処理装置1内の寿命交換部品に関する装置稼働情報を作成して、バイナリ化して通信部109に通知する。このとき、装置稼働情報作成部333は、サポートセンタ装置94に全ての部品の状況を知らせるために、寿命に達した寿命交換部品の装置稼働情報だけでなく、全ての寿命交換部品の動作状況及び定期的な保守対象の交換部品の動作状況を含む装置稼働情報を作成する。
通信部109は、再度通信回線と接続して、予め設定されているサポートセンタ装置94のアドレス情報を用いて、装置稼働情報をサポートセンタ装置94に送信する(S108)。このとき、入力表示部101は、現金回収員を待機させるため、例えば「保守会社連絡中」等の画面504を表示する。通信部101は、サポートセンタ装置94から情報受領返信を受信して通信回線との接続を断つ(S109)。
そして、入力表示部101は、例えば「保守会社へ連絡しました」等の完了画面505を表示し、現金回収員により「完了」ボタンが押下されると(S110)、寿命交換部品の交換依頼が完了する。その後、入力表示部101が、例えば「カードをお受け取りください」等の画面506を表示し、現金回収員がカードを受け取ると(S111)、制御部30は、運用状態ヘリセット復旧させる(S112)。
これにより、サポートセンタでは、保守員が装置稼働情報に基づいて寿命に到達した部品の有無を確認し、当該現金処理装置1の定期点検時期と照合し、近く定期点検が予定されていれば、その際に部品交換が行えるよう手配することができる。また、定期点検の予定が無いようであれば、サポートセンタ装置94は金融機関資金管理センタ装置92に対して、例えばメールで状況連絡を行い、次の現金補充回収タイミングで部品交換させて貰えるよう、申し入れ予定を計画することができる。
なお、店舗顧客と現金管理サービス提供者との間で保守契約が締結されていない場合もある。その場合に店舗顧客が部品の交換を希望するとき、現金回収員は、直接サポートセンタに連絡することで、寿命交換部品の交換を依頼することで実現できる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、現金回収時又は現金補充時のタイミングで、寿命交換部品が寿命に到達したか確認し、その結果を画面表示することで、保守員が出動しなくても現金回収員は装置内に寿命を迎えた部品があることが把握できる。そのため、その場で、現金回収員は、店舗顧客に対して部品交換を希望するか打診することができる。
また、第1の実施形態によれば、希望結果により当該装置からサポートセンタヘ直接稼動情報を送信するようにしたことで、サポートセンタ所属の保守員が店舗へ出向くことなく、寿命を迎えた部品が何かが把握可能となり、持参すべき交換部品を漏れなく持参することができる。
更に、第1の実施形態によれば、定期点検サービスを契約していない店舗の顧客に対しても、寿命部品交換の要望を伺い交換実施可能となったことで、寿命部品交換による装置寿命を延ばし、不要な故障を減らすことができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の現金処理装置及び保守システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図7は、第2の実施形態に係る現金処理装置1Aの内部構成と制御部の機能構成との関係を説明するブロック図である。
図7において、第2の実施形態に係る現金処理装置1Aは、制御部30、入力表示部101、硬貨投入部102、紙幣投入/受取部108、硬貨返却部103、硬貨出金部104、保管庫105、レシートプリンタ107を有する。
なお、図7において、入力表示部101、硬貨投入部102、紙幣投入/受取部108、硬貨返却部103、硬貨出金部104、保管庫105、レシートプリンタ107は、第1の実施形態に係る図3を用いて既に説明したため、ここでの詳細な説明は省略する。
第2の実施形態は、制御部30の保守管理部33の機能が第1の実施形態と異なり、それ以外の制御部30の機能は第1の実施形態と同一又は対応する。
第2の実施形態の保守管理部33は、現金補充回収部32による現金補充又は現金回収の際に、現金補充回収終了後に、現金処理装置1内に搭載されている部品の寿命を確認する。また、保守管理部33は、寿命に達した部品がある場合に、作成した装置稼働情報をレシートに印字して出力するものである。
図7に示すように、第2の実施形態に係る保守管理部33は、第1の実施形態に係る寿命確認部331、保守依頼確認部332、及び装置稼働情報作成部333に加えて、交換部品印字制御部334を有する。
寿命確認部331は、第1の実施形態と同様に、現金補充回収後に、部品の寿命を確認するものである。なお、寿命確認部331は、寿命交換部品だけでなく、定期的なメンテナンスを行う交換部品に関しても寿命に達しているか否かを確認するようにしても良い。
保守依頼確認部332は、寿命確認部331により寿命に達している部品がある場合に、その旨と共に、寿命に達した部品を交換するか否かを問い合わせる画面を入力表示部101に出力させるものである。
装置稼働情報作成部333は、保守依頼確認部332により入力表示部101に表示した画面を通じて、寿命に達した部品の交換を希望する場合、少なくとも、部品が寿命に達している旨の情報を含む装置稼働情報を作成するものである。
交換部品印字制御部334は、装置稼働情報作成部333により作成された装置稼働情報をレシートプリンタ107に通知して、交換部品に関する情報をレシートに印字出力させるものである。
(B−2)第2の実施形態の動作
図8は、第2の実施形態に係る現金処理装置1Aにおける保守管理処理の動作を示すフローチャートである。
なお、ここでは、現金処理装置1Aから現金を回収するときの動作を例示しているが、現金を補充するときにも同様の処理を適用することができる。
また、第1の実施形態に係る図6のフローチャートの処理と同一又は対応する処理については同一符号を付している。
図8において、第1の実施形態と同様にして、現金回収員が現金処理装置1に出向いて現金処理装置1から現金回収を行う。現金処理装置1の現金回収が終了する(S101)。
現金回収処理が終了すると、通信部101は、残高情報を通知するため、通信回線に接続して、取得した残高情報を金融機関資金管理センタ装置92に送信する(S103)。その後、通信部101は、金融機関資金管理センタ装置92から情報受領返信を受信して通信回線との接続を断つ(S104)。
次に、現金処理装置1では、保守管理部33の寿命確認部331が、現金処理装置1内の部品が寿命に到達しているか否かの寿命確認を行う(S105)。
このとき、現金回収後に、寿命交換部品の寿命確認を行うことを現金回収員に認識させるために、入力表示部101は、例えば「寿命交換部品の寿命を確認中です。」等の画面502を表示する。
この間、寿命確認部331は、全ての寿命交換部品について、寿命交換部品の動作値が予め設定された寿命判断基準に達しているか否かを確認する。なお、寿命確認部331は、寿命交換部品だけでなく、定期的な保守対象の交換部品の寿命に関しても確認するようにしても良い。
そして、寿命交換部品の全てが寿命に達していない場合(S106)、制御部30は自動リセットして運用状態に移行する(S112)。
一方、寿命交換部品うち、寿命に達している部品が1個以上ある場合(S106)、保守依頼確認部332は、寿命到達した交換部品が発見された旨及び寿命に達した交換部品を交換するか否かの問い合わせるため、入力表示部101に、例えば「交換対象部品があります部品を交換しますか」等の問い合せ画面601を出力させる。
問い合せ画面503が表示される、現金回収員が店舗顧客に対して交換対象部品の交換を希望するか否かを確認し、店舗顧客が交換対象品の交換を希望するか否かを現金回収員に報告する。
このとき、店舗顧客が部品の交換を希望しないとき、現金回収員は、問い合せ画面503上の「しない」ボタンを押下して(S201)、制御部30は自動リセットして運用状態に移行する(S112)。
一方、店舗顧客が部品の交換を希望するとき、現金回収員は問い合せ画面503上の「する」ボタンを押下する(S202)。これを受けて、装置稼働情報作成部333は、現金処理装置1内の寿命交換部品に関する装置稼働情報を作成する。また、交換部品印字制御部334は、交換部品に関する情報をレシートプリンタ107に通知して印字させる(S203)。このとき、入力表示部101は、例えば「印字中です」等の画面602を表示する。
そして、レシートプリンタ107による印字が完了すると、入力表示部101は、例えば「印字完了です」等の完了画面603を表示し、現金回収員により「完了」ボタンが押下されると印字を終了する(S204)。このとき、入力表示部101は、例えば「レシートをお取りください」等の案内画面604を表示する。そして、現金回収員は、レシートを受け取ると、案内画面604の「確認」ボタンを押下する(S205)。
その後、入力表示部101が、例えば「カードをお受け取りください」等の画面506を表示し、現金回収員がカードを受け取ると(S111)、制御部30は、運用状態ヘリセット復旧させる(S112)。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、レシートヘ寿命を迎えた交換部品があることを印字するようにしたので、持ち帰ったレシートから当該装置に寿命を迎えた部品があることを現金管理サービス提供者が把握可能となり、保守サービス提供者からの申し入れが無くても、独自で部品交換予定を計画可能となり、より精度の高い予定を計画可能となるとともに、点検契約を結んでいない店舗顧客へ点検契約を結ぶよう、より細やかな営業活動が可能となるのである。
(C)他の実施形態
上述した各実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(C−1)上述した第1の実施形態では、装置稼働情報をサポートセンタ装置94に通信する場合を例示したが、第2の実施形態で説明したように、装置稼働情報をサポートセンタ装置94に送信すると共に、レシート印字できるようにしても良い。
(C−2)上述した第1の実施形態において、装置稼働情報を受信したサポートセンタ装置94は、受信した装置稼働情報から各部品の動作値と寿命判断基準とを比較して、寿命に達した部品を強調表示(例えば、赤色等の有色表示、太文字表示等)して出力するようにしても良い。これにより、保守員による寿命交換部品の確認漏れをなくすることができる。このとき、動作値が寿命判断基準に達している部品だけでなく、寿命に近づいている部品に関して強調表示できるように、例えば、サポートセンタ装置94が、交換の必要な部品を特定するため、部品毎に1又は複数の寿命判断基準データベースを備えるようにしても良い。
(C−3)上述した各実施形態では、部品が寿命に達しているか否かの確認は、現金補充又は現金回収のタイミングで行なう場合を例示した。しかし、寿命確認のタイミングは、現金処理装置における現金回収員の操作による処理動作のタイミングであれば、現金補充又は現金回収のタイミングに限定されるものではない。