JP2015106067A - 偏光子保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

偏光子保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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【課題】本発明は、偏光子との密着性に優れた偏光子保護フィルムであって、ロール状に巻取った際のブロッキングの発生が抑制された偏光子保護フィルムを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、ポリエステルフィルムと、易接着層とを有する偏光子保護フィルムであって、易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、第1のブロックイソシアネート及び第2のブロックイソシアネートを含み、第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、前記第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高く、偏光子保護フィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造される偏光子保護フィルムに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子保護フィルム、偏光板及び画像表示装置に関する。具体的には、本発明は、ポリエステルフィルムと、少なくとも2種類のブロックイソシアネートを含む易接着層とを有する偏光子保護フィルムであって、偏光子との密着性に優れ、かつ耐ブロッキング性が改善された偏光子保護フィルムに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD又はIELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー等は画像表示装置としてその用途が広がっている。このような画像表示装置では、画像表示パネルの表示画面側に偏光板が配置されており、偏光板は偏光子の両面には保護フィルムが設けられている。さらに、画像表示装置の最表面には、反射防止性やハードコート性等の機能を有する光学積層体が設けられている。
従来、偏光子の両面に設けられる保護フィルムには、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステルからなるフィルムが用いられていた。これは、セルロースエステルのリタデーション値が低いため、画像表示装置の表示品質への影響が少ないことや、適度な透水性を有することから、光学積層体を用いてなる偏光板を製造した時に偏光子に残留した水分を、光学積層体を通して乾燥させることができる等の利点を有するためである。また、セルロースエステルフィルムは比較的廉価であるというメリットも有している。
また、セルロースエステルフィルムに替えて透水性の低いポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを利用する試みがなされている。例えば、特許文献1及び2には、保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いることが開示されており、ポリエステルフィルムを偏光子等に貼り合わせるために、ポリエステルフィルムの上に易接着層が設けられた積層フィルムが開示されている。特許文献1では、偏光子保護フィルムと偏光子との密着性を高めるために、易接着層に特定のポリエステル系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂を用い、さらにイソシアネート等の架橋剤を用いることにより、偏光子との密着性を高めることが提案されている。また、特許文献2では、易接着層に2種以上の架橋剤を用いることが提案されており、架橋剤としては、オキサゾリン化合物とエポキシ化合物を併用することが好ましいとされている。
特許5109094号公報 特開2013−100498号公報
以上のように、透水性の低いポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを利用することで、例えば耐湿熱性や、高温多湿の環境下での偏光機能や色相等の偏光板機能を向上させる試み等がなされている。
しかしながら、従来の積層ポリエステルフィルムにおいても、偏光子との密着性は十分ではなく、打ち抜き加工時や検査工程、あるいはパネル貼り合わせ時に端面のはがれが生じやすくなるという問題があることが本発明者らの検討により明らかとなった。
また、易接着層に架橋剤を用いた場合、積層フィルムをロール状に巻取った際に、ブロッキング(フィルム同士が密着し、滑りにくくなったり剥がれなくなる現象)が発生する場合があり、その結果フィルム上に接着痕が残ったり、易接着層同士の接触に伴って基材と易接着層の剥離が生じる事が問題となっていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、偏光子との密着性に優れた偏光子保護フィルムであって、ロール状に巻取った際のブロッキングの発生が抑制された偏光子保護フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、ポリエステルフィルムと、易接着層とを有する偏光子保護フィルムにおいて、易接着層にゲル分率が70%以上となるときの温度が異なる2種類のブロックイソシアネートを含有させ、かつ未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸して偏光子保護フィルムを製造することにより、偏光子との密着性に優れ、かつ耐ブロッキング性を有する偏光子保護フィルムを得ることができることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]ポリエステルフィルムと、易接着層とを有する偏光子保護フィルムであって、
前記易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、第1のブロックイソシアネート及び第2のブロックイソシアネートを含み、前記第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、前記第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高く、前記偏光子保護フィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造される偏光子保護フィルム。
[2]前記偏光子保護フィルムは、未延伸のポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造されることを特徴とする[1]に記載の偏光子保護フィルム。
[3]前記第1のブロックイソシアネートと前記第2のブロックイソシアネートの合計含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.6〜70質量%である[1]又は[2]に記載の偏光子保護フィルム。
[4]前記第1のブロックイソシアネートの含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.1〜30質量%である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[5]前記第2のブロックイソシアネートの含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.5〜40質量%である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[6]前記第1のブロックイソシアネートと前記第2のブロックイソシアネートの質量比は、1:4〜10:1である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[7]前記易接着層は、ポリエステルフィルムの一方の面であって、偏光子側に設けられる[1]〜[6]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[8]前記第1のブロックイソシアネートのNCO基量(mmol)と前記ポリビニルアルコール系樹脂のOH基量(mmol)の比(NCO/OH基量)は、0.001〜0.23である[7]に記載の偏光子保護フィルム。
[9]前記ポリエステル系樹脂の含有率は、前記易接着層の全質量に対して10〜80質量%である[7]又は[8]に記載の偏光子保護フィルム。
[10]前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有率は、前記易接着層の全質量に対して5〜45質量%である[7]〜[9]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[11]前記ポリエステルフィルムは紫外線吸収剤を含む[1]〜[10]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
[12]未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層し、積層フィルムを得る工程と、前記積層フィルムを幅方向に延伸する工程を有し、前記易接着層は、第1のブロックイソシアネートと、第2のブロックイソシアネートとを含み、前記第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、前記第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高いことを特徴とする偏光子保護フィルムの製造方法。
[13]前記積層フィルムを得る工程では、易接着層を塗布により積層し、前記易接着層を形成する塗布液の塗布量を1〜30g/m2とする[12]に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
[14] 偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施す[12]または[13]に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
[15] 偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施した後、ロール形態に巻き取る[12]〜[14]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
[16][1]〜[11]のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムと偏光子とを含む偏光板。
[17]さらに保護フィルムとハードコート層とを含む[16]に記載の偏光板。
[18]前記偏光子保護フィルムは、偏光子側易接着層とハードコート層側易接着層を有する[17]に記載の偏光板。
[19][16]〜[18]のいずれか1項に記載の偏光板を含む画像表示装置。
本発明によれば、偏光子との密着性に優れた偏光子保護フィルムを得ることができる。また、本発明の偏光子保護フィルムは、耐ブロッキング性に優れるため、ロール状に巻き取った際でもブロッキングの発生が抑制される。このため、パネル貼り合わせ時等の偏光子保護フィルムのハンドリング性を向上させることができる。
図1は、本発明の偏光子保護フィルムの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の偏光板の構成の一例を示す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(偏光子保護フィルム)
本発明は、ポリエステルフィルムと、易接着層とを有する偏光子保護フィルムに関する。ここで、易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、第1のブロックイソシアネート及び第2のブロックイソシアネートを含む。第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下のものであり、第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高いものである。また、本発明の偏光子保護フィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造される。
なお、「幅方向」とは、帯状(長尺状)のフィルムの流延方向(MD方向)と直行する方向(TD方向)をいう。なお、ポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムがカットされたフィルムである場合、積層フィルムは、いずれか一方向に延伸されればよく、ポリエステルフィルムが一方向に延伸されたものである場合、その一方向と直行する方向に延伸されればよい。
また、ゲル分率とは、次のように定義される。まず易接着層として、NCO/OH比が0.3になるよう主剤と各ブロックイソシアネートの比率を調整した固形分濃度30%の塗布液を、乾燥後の膜厚が40μmになるようアプリケータを用い塗布した後、60℃から140℃まで10℃毎に30分乾燥させて乾燥塗膜を作製する。その塗膜を20℃のアセトン中に24時間浸漬後、塗膜を取り出し重量を測定し、浸漬前の重量に対する値をゲル分率とする。
図1には、本発明の偏光子保護フィルムの構成例が示されている。図1(a)に示されているように、偏光子保護フィルムは、ポリエステルフィルム10と易接着層12を有している。本発明の偏光子保護フィルムでは、易接着層は、図1(a)のようにポリエステルフィルムの一方の面にのみ設けられていてもよく、図1(b)のようにポリエステルフィルムの両方の面に設けられていてもよい。なお、易接着層12がポリエステルフィルム10の一方の面にのみ設けられている場合、易接着層12は偏光子側に設けられることが好ましい。また、易接着層12、14がポリエステルフィルム10の両面に設けられている場合、易接着層12及び易接着層14の構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。
偏光子保護フィルムの製造に用いられるポリエステルフィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムであればよいが、未延伸のポリエステルフィルムであることが好ましい。すなわち、本発明の偏光子保護フィルムは、未延伸のポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを、幅方向に延伸することにより製造されることが好ましい。なお、偏光子保護フィルムの製造に用いられるポリエステルフィルムが縦方向に延伸されたポリエステルフィルムである場合、易接着層を積層する前の縦方向の延伸倍率は、1.1〜5であることが好ましく、1.1〜4であることがより好ましい。
偏光子保護フィルムは、シート状フィルムであってもよく、ロール状フィルムであってもよい。本発明の偏光子保護フィルムは、耐ブロッキング性に優れているため、ロール状フィルムとした場合であっても、ハンドリング性が良好である。また、ロール状で長期間保管されても、品質等の劣化が起こることがない。
また、本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施されてなることも好ましい。さらに本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施された後、ロール形態に巻き取られてなることも好ましい。
(ブロックイソシアネート)
ブロックイソシアネートは、イソシアネート基をブロック剤でマスクした構造を有するものであって、熱架橋型の硬化剤として用いられるものである。ブロックイソシアネートのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
また、イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4トリメチル1,6ジイソシアナトヘキサン等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ブロックイソシアネートを含有する易接着層を形成する際は、易接着層塗布液を塗布する工程と、乾燥させる工程(予熱部)が設けられる。この乾燥させる工程で、ブロック剤に由来する基がブロックイソシアネート化合物から解離することにより、ブロックイソシアネート化合物由来のNCO基と、系内のOH基等との間でウレタン化反応が進行し、架橋密度を向上させることができる。
本発明のブロックイソシアネートの数平均分子量は、500〜10,000であることが好ましい。その下限値は、300であることが更に好ましく、より好ましくは500、最も好ましくは,700である。また、その上限値は、9,000であることが更に好ましく、より好ましくは8,500であり、最も好ましくは8,000である。
<第1のブロックイソシアネート>
第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下のブロックイソシアネートである。ゲル分率が70%となるときの温度は、90℃以下であればよい。
本発明で好適に用いられるポリエステルフィルム基材の延伸時の温度は、一般的に未延伸のポリエステルフィルム樹脂のTg(ガラス転移温度)〜Tg+30℃とする必要があり、この温度より高いと延伸前に結晶化が進行し透明な基材フィルムを得ることが難しい。そのため、塗布液を乾燥させる温度は上記の温度同等あるいはそれ以下にする必要がある。具体例として、未延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布する際の延伸温度は80〜100℃であるため、乾燥温度は90℃程度が好ましい。本温度以下で第1のブロックイソシアネートのブロックが解離し反応することで、延伸前に架橋された被膜を形成することが可能となり、塗膜の強度が向上する。
なお、第1のブロックイソシアネートのゲル分率が70%となるときの温度は、後述する第2のブロックイソシアネートのゲル分率が70%となるときの温度よりも低いため、本発明では、低温ブロックイソシアネートと呼ぶこともできる。
第1のブロックイソシアネートの含有率は、易接着層の全質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることがさらに好ましい。第1のブロックイソシアネートの含有率を上記範囲内とすることにより、易接着層と偏光子の密着性を効果的に高めることが可能となる。
第1のブロックイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート、あるいはその両者が好適に用いられ、ブロック剤としては、活性メチレン系として特にマロン酸ジエステルが好適に用いられ、中でもマロン酸ジエチル、マロン酸ジメチルがより好ましく用いられる。また、アミン系としては鎖状2級アミンが好適に用いられ、中でもジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミンがより好ましい。さらに、活性メチレン系およびアミン系を併用することがより好ましい。
ここでの有効NCO基質量%とは、ブロック化反応後のブロックポリイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるブロックイソシアネート基量を定量化するものであって、イソシアネート基の質量%として表し、以下の式により算出される。
{(ブロックイソシアネート組成物の固形分(質量%))×(反応に使用したイソシアネート質量×前駆体のイソシアネートのイソシアネート基含有量%)}/(ブロック化反応後のブロックイソシアネート組成物の樹脂質量)
なお、溶剤等で希釈されている場合は、希釈された状態での値を記載する。
また、溶剤等の希釈分を除いた場合、有効NCO基質量(固形)%と記載した。
また、第1のブロックイソシアネートに含まれる有効NCO基質量%は特に制限されものではない。
<第2のブロックイソシアネート>
第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高いブロックイソシアネートである。ゲル分率が70%となるときの温度は、90℃よりも高ければよく、100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。第2のブロックイソシアネートのゲル分率が70%となるときの温度は、上述した第1のブロックイソシアネートのゲル分率が70%となるときの温度よりも高いため、本発明では、高温ブロックイソシアネートと呼ぶこともできる。
第2のブロックイソシアネートの含有率は、易接着層の全質量に対して0.5〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましい。第2のブロックイソシアネートの含有率を上記範囲内とすることにより、易接着層と偏光子の密着性を高めつつも、偏光子保護フィルムの耐ブロッキング性を高めることができる。
第2のブロックイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートが好適に用いられ、ブロック剤としては、重亜硫酸塩類、フェノール系化合物、アルコール系化合物、活性メチレン系化合物、ラクタム系化合物、アミン系化合物、オキシム系化合物等が好ましく用いられ、特に重亜硫酸塩類が好ましく用いられる。また、ジカルボン酸、ジオール成分をあらかじめ重合させた共重合ポリウレタンの骨格を内部に有してもよい。
第1のブロックイソシアネートと第2のブロックイソシアネートの合計含有率は、易接着層の全質量に対して0.6〜70質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましく、1.5〜35質量%であることがさらに好ましい。第1のブロックイソシアネートと第2のブロックイソシアネートの合計含有率を上記範囲内とすることにより、易接着層の架橋密度を適切な範囲内とすることができる。
易接着層に含まれる第1のブロックイソシアネートと第2のブロックイソシアネートの質量比は、1:4〜10:1であることが好ましく、1:3〜10:1であることがより好ましく、1:3〜2:1であることがさらに好ましい。
(易接着層)
本発明の偏光子保護フィルムを構成する易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂を含み、さらに上述した第1のブロックイソシアネートと第2のブロックイソシアネートを含む。易接着層は、第1のブロックイソシアネートを複数種含んでもよく、第2のブロックイソシアネートを複数種含んでもよい。
<ポリエステル系樹脂>
易接着層に含まれるポリエステル系樹脂の主な構成成分は、例えば、下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物である。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ソジウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、4−ソジウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができる。多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールエチルスルホン酸カリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル系樹脂を合成すればよい。
また、ポリエステル系樹脂の数平均分子量としては5000以上が好ましく8000以上がより好ましく、10000以上がさらに好ましい。ポリエステルの数平均分子量を上記範囲とすることで、ポリエステル基材との密着が良化する。
易接着層に占めるポリエステル系樹脂由来の化合物の含有率は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜75質量%であることがより好ましく、30〜75質量%であることがさらに好ましい。ポリエステル系樹脂由来の化合物の含有率を上記範囲内とすることにより、易接着層と偏光子、及び易接着層とポリエステルフィルムの密着性を高めることができる。
<ポリビニルアルコール系樹脂>
易接着層に含まれるポリビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニルアルコール部位を有するものである。例えば、ポリビニルアルコールに対し、部分的にアセタール化やブチラール化等された変性化合物も含め、従来公知のポリビニルアルコールを使用することができる。ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000の範囲のものが用いられる。重合度が上記範囲内のものを用いることにより、易接着層の耐水性を高めることができる。
ポリビニルアルコールのけん化度は特に限定されるものではないが、70モル%以上であることが好ましく、70〜99.9モル%の範囲であるポリ酢酸ビニルケン化物が実用上用いられる。
第1のブロックイソシアネートのNCO基量(mmol)とポリビニルアルコールのOH基量(mmol)の比(NCO/OH基量)は、0.001〜0.23であることが好ましく、0.003〜0.2であることがより好ましく、0.005〜0.17であることがさらに好ましい。第1のブロックイソシアネートのNCO基量(mmol)とポリビニルアルコールのOH基量(mmol)の比を上記範囲内とすることにより、易接着層と偏光子の密着性を高めつつも、偏光子保護フィルムの耐ブロッキング性を高めることができる。
偏光子側易接着層に占めるポリビニルアルコール由来の化合物の含有率は、5〜45質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることがさらに好ましい。ポリビニルアルコール由来の化合物の含有率を上記範囲内とすることにより、易接着層と偏光子、及び易接着層とポリエステルフィルムの密着性を高めることができる。
易接着層は、第1のブロックイソシアネート又は第2のブロックイソシアネート以外の他の架橋剤を含んでもよい。架橋剤としては、例えば、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。さらにインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性または水分散性を有することが好ましい。
また、易接着層中には、易接着層のブロッキング性、滑り性改良を目的として粒子を含有してもよい。粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等が挙げられる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、易接着層には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等が含有されてもよい。また、本発明で用いられる易接着層用塗布組成物には、必要に応じて界面活性剤、分散剤、増粘剤、成膜助剤、アンチブロッキング剤などを含んでもよい。なお、易接着層中の各種成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
<偏光子側易接着層>
本発明の偏光子保護フィルムを構成する易接着層は、偏光子側に設けられる偏光子側易接着層であることが好ましい。偏光子側易接着層は、各種の偏光子との接着性を向上させるための層であり、偏光子とポリエステルフィルムを貼り合わせるために使用する各種の接着剤との接着性を向上させるために使用することができる。
偏光子保護フィルムを構成する易接着層が偏光子側易接着層である場合、偏光子側易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、第1のブロックイソシアネート及び第2のブロックイソシアネートを含む。さらに、偏光子側易接着層は、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂等を含んでも良い。
<アクリル系樹脂>
アクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体である。これらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
上記炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
<ウレタン系樹脂>
ウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂を分子内に有する高分子化合物のことである。通常ウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレングリコール付加体等)の反応から得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
各種の接着剤層との接着性を向上させるために、上記ポリオール類の中でもポリカーボネートポリオール類がより好適に用いられる。
ウレタン樹脂を得るために使用されるポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用しても良く、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の骨格中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる易接着層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるポリウレタン樹脂は、塗布後の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を、他の架橋剤による架橋反応点として用いることが出来る。これにより、塗布前の液の状態での安定性に優れる上、得られる易接着層の耐久性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等をさらに改善することが可能となる。
また、偏光子側易接着層には、塗布面状や透明性を向上させるために、ポリエステル系樹脂やウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール以外のバインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明において「バインダーポリマー」とは高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
バインダーポリマーの具体例としてはポリビニル(ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
また、偏光子側易接着層には、紫外線吸収剤や屈折率を調整する微粒子等の材料を含有させてもよい。
<ハードコート層側易接着層>
易接着層は、ポリエステルフィルムの両面に設けることができ、一方の易接着層は、ハードコート層側易接着層であってもよい。この場合、ハードコート層側易接着層は、偏光子が設ける側とは反対側に設けられるハードコート層に貼り合わされる。
ハードコート層側易接着層は、上述した偏光子側易接着層と同様のものであってもよく、異なっていてもよい。ハードコート層側易接着層に用いられる樹脂や、バインダーポリマー、架橋剤等については、上述した偏光子側易接着層に用いたものを同様に例示することができるが、樹脂や架橋剤の組み合わせは、偏光子側易接着層と異なっていてもよい。
ハードコート層側易接着層中には、ハードコート層等、クリアな表面機能層が形成された場合に、外光による干渉ムラを軽減するために、屈折率を調整する材料を使用することも可能である。屈折率を調整する材料とは、具体的には、本発明においては高屈折率材料である。高屈折率材料としては、例えば、金属化合物、芳香族含有有機化合物、硫黄原子、臭素原子等が挙げられる。
金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化セリウム、ATO(アンチモン・スズ酸化物)、ITO(インジウム・スズ酸化物)等の金属酸化物、アルミニウムアセチルアセトナート、ヒドロキシアルミニウムジアセテート、ジヒドロキシアルミニウムアセテート等のアルミニウム類;テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタン類;鉄アセチルアセトナート、鉄アセテート等の鉄類;コバルトアセチルアセトナート等のコバルト類;銅アセテート、銅アセテートモノヒドレート、銅アセテートマルチヒドレート、銅アセチルアセトナート等の銅類;亜鉛アセテート、亜鉛アセテートジヒドレート、亜鉛アセチルアセトナートヒドレート等の亜鉛類;ジルコニウムアセテート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート等のジルコニウム類等の金属元素を有する有機化合物が挙げられる。これらは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
上記金属元素を有する有機化合物の中でも特に塗布性や透明性が良好であるという点でチタン元素あるいはジルコニウム元素を有する有機化合物が好ましく、さらに好ましくはインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性チタンキレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物等が好適に使用される。
芳香族含有有機化合物としては、例えば、ナフタレン環やアントラセン環等で例示できる縮合多環式芳香族化合物、ビスフェノールA化合物、ビフェニル化合物、フルオレン化合物等のベンゼン環の割合が高い化合物、芳香族含有イミド化合物、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤含有化合物、各種複素芳香環化合物等が挙げられる。これらは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。芳香族化合物はハードコート層側易接着層中に含有するポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂やウレタン系樹脂に組み入れることが可能であるため有効である。中でもポリエステル系樹脂はその構造上、容易に多くの芳香族化合物を使用することが可能である。芳香族化合物の中でもナフタレン環やビスフェノールA化合物は効率よく易接着層を高屈折率化することが可能であるため有用である。また、架橋剤として利用可能なメラミン化合物は、複素芳香環の割合が高い化合物であり、高屈折率化に有効な化合物でもある。
(ポリエステルフィルム)
本発明の偏光子保護フィルムに用いるポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分とするフィルムである。ポリエステルフィルムは、単層フィルムであってもよいし、多層フィルムであってもよい。また、これら単層フィルム又は多層フィルムの両面又は片面に表面処理が施されたものであってもよく、この表面処理は、コロナ処理、ケン化処理、熱処理、紫外線照射、電子線照射等による表面改質であってもよいし、高分子や金属等の塗布や蒸着等による薄膜形成であってもよい。ポリエステルフィルム全体に占めるポリエステルの質量割合は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
ポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する構成単位と、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する構成単位とを有するポリエステルであり、全繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるのがよく、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記カルボン酸成分やジオール成分と共に、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が用いられていてもよい。ポリエチレンテレフタレートの製造法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸及び/又は他のジオールを直接反応させるいわゆる直接重合法や、テレフタル酸のジメチルエステルとエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸のジメチルエステル及び/又は他のジオールをエステル交換反応させる、いわゆるエステル交換反応法等の任意の製造法を適用することができる。
偏光子保護フィルムの製造に用いられるポリエステルフィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムである。このポリエステルフィルムに上述したような易接着層が積層された積層フィルムは、次いで幅方向に延伸される。このような工程を経て偏光子保護フィルムは製造される。すなわち、偏光子保護フィルムを構成するポリエステルフィルムは少なくとも幅方向に延伸されたものである。
延伸ポリエステルフィルムの面内方向のレターデーションRe(位相差値)は、4000〜30000nmであることが好ましい。ポリエステルフィルムの面内方向のレターデーションReを上記範囲内とすることにより、正面からの色つきが目立たなくなる傾向にある。なお、ポリエステルフィルムの面内位相差値Reは、下記式(1)で表される。
Re=(na−nb)×d・・・(1)
ここで、naは延伸ポリエステルフィルムの面内遅相軸方向の屈折率であり、nbは延伸ポリエステルフィルムの面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率であり、dは延伸ポリエステルフィルムの厚みである。
ポリエステルフィルムの厚み方向のレターデーションRthは、Reとの比(Re/Rth)が0.6〜1.2となる範囲であることが好ましい。なお、ポリエステルフィルムの厚み方向のレターデーションRthは、厚み方向のレタデーション(Rth)は、下記式(2)で規定される。
Rth={(na+nb)/2−nc}×d (2)
ここで、naは延伸ポリエステルフィルムの面内遅相軸方向の屈折率であり、nbは延伸ポリエステルフィルムの面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率であり、ncは延伸ポリエステルフィルムの厚み方向の屈折率であり、dは延伸ポリエステルフィルムの厚みである。
ポリエステルフィルムの厚みは、10〜250μmとすることが好ましく、10〜100μmとすることがより好ましい。ポリエステルフィルムの厚みを上記範囲内とすることにより、ハンドリング性を向上させつつも偏光板を薄膜化することが可能となる。
ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの融解サブピーク温度(Tsm)が140〜220℃であることが好ましく、150℃以上220℃未満であることがより好ましく、150℃以上210℃未満であることがさらに好ましく、150℃未満200℃以下であることが特に好ましい。融解サブピーク温度を上記範囲内とすることにより、熱寸法変化を抑制することができ、積層するハードコート層の割れなどの発生を抑制することができる。
ポリエステルフィルムには、必要に応じて公知の添加剤を配合してもよく、その例としては、紫外線吸収剤、粒子、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、染料、顔料等が挙げられる。ただし、ポリエステルフィルムを防眩フィルムの基材フィルムとして用いる場合は、一般に透明性が必要とされるため、添加剤の添加量は最小限にとどめておくことが好ましい。
ポリエステルフィルム中には液晶ディスプレイの液晶等が紫外線により劣化することを防止するために、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する化合物で、ポリエステルフィルムの製造工程で付加される熱に耐えうるものであれば特に限定されない。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があるが、透明性の観点からは有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系、ベンゾフェノン系などが挙げられる。耐久性の観点からはベンゾトリアゾール系、環状イミノエステル系がより好ましい。また、紫外線吸収剤を2種類以上併用して用いることも可能である。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、下記に限定されるものではないが、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチル−3’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
また市販品として、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができ、必要に応じて乳化剤を用いて、またはそのまま水に分散させて用いることができる。その他、水系のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としてニューコートUVA−204W(商品名、新中村化学工業製)、SE−2538E(商品名、大成ファインケミカル製)等を挙げることができる。
環状イミノエステル系の紫外線吸収剤としては、下記に限定されるものではないが、例えば、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−または2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(またはm−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2、2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]〔なお、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)とも言う〕、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−または1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが挙げられる。
上記化合物のうち、色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジノン系の化合物が好適に用いられ、その例としては、下記の一般式(1)で表されるものがより好適に用いられる。
Figure 2015106067
上記一般式(1)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を表しX1およびX2はそれぞれ独立して水素または以下の官能基群から選ばれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
官能基群:アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アルコキシル基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基。
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、本発明においては、2、2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]が特に好ましい。
ポリエステルフィルム中に含有させる紫外線吸収剤の添加率は、ポリエステルフィルムの全質量に対し、10.0質量%以下であることが好ましく、0.3〜3.0質量%であることがより好ましい。紫外線吸収剤の添加率を上記範囲内とすることにより、ポリエステルフィルムの接着性の低下や表面機能性の悪化を防ぐことができる。
また、多層構造のポリエステルフィルムの場合、少なくとも3層構造のものが好ましく、紫外線吸収剤は、その中間層に配合することが好ましい。中間層に紫外線吸収剤を配合することにより、当該化合物がフィルム表面へブリードアウトしてくるのを防ぐことができ、その結果、フィルムの接着性等の特性を維持することができる。
ポリエステルフィルムによって、紫外線による液晶の劣化を防止するならば、目安として、ポリエステルフィルムの波長380nmの光線透過率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5%以下である。
ポリエステルフィルムには、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステルフィルム製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できなかったり、粒子が凝集して、分散性が不十分となり、ポリエステルフィルムの透明性を低下させたりする場合がある。一方、3μmを超える場合には、ポリエステルフィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程においてプリズム層や光拡散層等の機能層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステルフィルム中の粒子含有量は、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜3質量%の範囲である。粒子含有量が0.001質量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5質量%を超えて添加する場合には、ポリエステルフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステルフィルム中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
また、ポリエステルフィルムにヘイズを付与するために、ポリエステルフィルムに無機微粒子又は有機微粒子を配合してもよい。無機微粒子としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の無機粒子、及びこれら無機粒子に脂肪酸等で表面処理を施したものを代表的なものとして挙げることができる。また、有機微粒子としては、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、シリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)等の樹脂粒子を用いることができる。
<偏光子保護フィルムの製造方法>
偏光子保護フィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層し、積層フィルムを得る工程と、積層フィルムを幅方向に延伸する工程を有する。ここで、易接着層は、第1のブロックイソシアネートと、第2のブロックイソシアネートとを含み、第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高い。
偏光子保護フィルムを製造する際には、まず、ポリエステル系樹脂をフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸ポリエステルフィルムを得る。この未延伸ポリエステルフィルムには必要であれば、縦延伸を施してもよい。縦延伸を行う場合は、ポリエステルフィルムのTg〜(Tg+60)℃の温度で、縦方向に1.1〜5倍延伸することが好ましい。
未延伸ポリエステルフィルム又は縦延伸ポリエステルフィルムには、易接着層塗布液を塗布する。インラインコーティングによって易接着層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50質量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて、ポリエステルフィルムを製造することが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
易接着層塗布液の塗布量は、1〜30g/m2であることが好ましく、1〜25g/m2であることがより好ましく、1〜20g/m2であることがさらに好ましい。また、易接着層の膜厚は、0.002〜1.0μmであることが好ましく、0.02〜0.5μmであることがより好ましく、0.03〜0.2μmであることがさらに好ましい。易接着層塗布液の塗布量や膜厚を上記範囲内とすることにより、外観や透明性を高め、かつ耐ブロッキング性を向上させることができる。
本発明において、易接着層を設ける方法はリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に易接着層を形成する際の乾燥条件に関しては特に限定されるわけではないが、通常、70〜100℃で3〜300秒間を目安として熱処理を行うことが好ましい。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における偏光子保護フィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
次いで、易接着層塗布液を塗布した積層フィルムは、幅方向に3〜10倍、好ましくは3〜5倍になるよう延伸される。なお、ポリエステルフィルムは幅方向に一軸延伸されてなることが、面内方向のレターデーションReを大きく発現させる観点から好ましい。さらに、易接着層とポリエステルフィルムの密着性も高めることができるため好ましい。なお、偏光子保護フィルムは、幅方向に一軸延伸されてなることが好ましいため、偏光子保護フィルムの製造に用いるポリエステルフィルムは未延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。
幅方向の延伸が施された積層フィルムには、次に、140℃以上220℃以下で、1〜60秒間熱処理(ここでは熱固定という)を行うことが好ましい。熱固定の温度は150℃以上220℃以下であることがより好ましく、150℃以上220℃未満であることが特に好ましい。
さらに、熱固定温度より10〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理(弛緩処理という)を行うことが好ましい。この方法では、フィルムがロールに接触することが少なくなるため、フィルム表面に微小な傷等が前述の方法よりもできにくく、光学用途への適用に有利である。なお、フィルムのガラス転移温度をTgと表記する。熱固定温度が150℃以上220℃未満では、ポリエステルの配向方向のずれが小さくなり、熱寸法変化も小さくなるので、ハードコート層や偏光子を積層した際に、剥がれや割れなどが発生しにくくなる。
上記のようにして得られた偏光子保護フィルムを偏光子に貼り合わせる場合、偏光子の易接着層側に接着剤を介して偏光子を張り合わせる。接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリブチルアクリレート等のアクリル系化合物、グリシジル基やエポキシシクロヘキサンに例示される脂環式エポキシ基を有するエポキシ系化合物等が挙げられる。
作成した接着剤層の上に、例えば一軸延伸され、ヨウ素等で染色されたポリビニルアルコールを偏光子として張り合わせることが好ましい。偏光子の反対側にも保護フィルムや位相差フィルム等を張り合わせて偏光板とすることができる。
本発明の偏光子保護フィルムの製造方法では、偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施すことが好ましい。偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理をする方法については、後述の偏光板の説明中に記載する。
本発明の偏光子保護フィルムの製造方法では、偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施した後、ロール形態に巻き取ることが好ましい。
(偏光板)
本発明は、上述したような偏光子保護フィルムと偏光子とを含む偏光板に関する。偏光板には、さらにハードコート層や保護フィルムが含まれることが好ましい。図2には、本発明の偏光板の態様の一例を示す断面図が示されている。図2に示されているように、偏光板は、ポリエステルフィルム10と易接着層12及び14を有する偏光子保護フィルムと、偏光子20と、保護フィルム30と、ハードコート層40を有することが好ましい。ここでは、易接着層12は、偏光子側易接着層であり、易接着層14はハードコート層側易接着層である。
本発明の偏光板に用いる偏光子は、ポリビニルアルコールを含み、ポリビニルアルコールからなることが好ましい。偏光子の製造方法としては特に制限はないが、通常、公知の方法によってポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
偏光子と偏光子保護フィルムに用いるポリエステルフィルムをポリビニルアルコール系の水のりやUV樹脂等で貼り合わせることで偏光板を作製することができる。また、貼り合わせる際にポリエステルフィルムの偏光子側易接着層上にコロナ処理等の表面処理をすることが好ましい。10〜100000J/m2の強度で表面処理をすることで表面の水酸基やカルボン酸基等の成分を表面のみに導入することができる。そのため、偏光子側易接着層のポリビニルアルコールおよびイソシアネートを反応させ強い架橋を作った場合、表面の水酸基の量が反応に応じて減少していくが、コロナ処理の併用により表面のみに水酸基等の成分の導入が可能であり、内部の架橋構造を維持したまま表面の改質が可能となる。特にポリビニルアルコール系の水のりで貼り合わせる際に好適に用いられ、主に貼り合わせ直後の濡れ性を改質できる。なおコロナ処理は、偏光子貼り合わせ直前でもかまわないし、事前に処理を行っても良い。一般的にコロナ処理は経時の安定性がないとされているが、偏光子側易接着層のポリビニルアルコールおよび2種のブロックイソシアネート併用処方構成により表面の官能基導入率が向上し経時の安定性も維持することができる。
本発明の偏光板を作製する場合、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせる工程を含むが、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせる工程より前に、偏光子側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施すことが好ましい。また、本発明の偏光板を作製する場合、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせる工程より前に、偏光子側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施した後、ロール形態に巻き取ることが好ましい。
ハードコート層は、物理強度を付与するために、偏光板の表面に設けられることが好ましい。ハードコート層の形成方法については、公知の方法を採用することができるが、本発明の偏光板においては、ハードコート層は塗布により形成されてなることが好ましい。また、ハードコート層は、紫外線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂と光重合開始剤とを含有するハードコート層用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができ、本発明の偏光板はハードコート層がアクリレートを含むことが、偏光子保護フィルムとしてのポリエステルフィルムとポリエステルフィルムに積層するハードコート層の湿熱経時後との密着性を向上させる観点から、好ましい。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等及びこれらをエチレンオキサイド(EО)等で変性した多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量(数平均分子量300〜8万、好ましくは400〜5000)のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。なお、この場合の樹脂とは、モノマー以外のダイマー、オリゴマー、ポリマー全てを含む。
アクリレートとして好ましい化合物としては、3以上の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物を用いると形成するハードコート層の架橋密度を高めることができ、塗硬度を良好にできる。
具体的には、本発明においては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)等を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)と併用して使用することもできる。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
また、ハードコート層用組成物は、熱硬化性樹脂を含有していてもよい。熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、光重合開始剤としては、具体例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、電離放射線硬化型樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。また、電離放射線硬化型樹脂がカチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する電離放射線硬化型樹脂の場合は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが、電離放射線硬化型樹脂との相溶性、及び、黄変も少ないという理由から好ましい。
ハードコート層用組成物にける光重合開始剤の含有量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、第1の本発明の光学積層体におけるハードコート層の硬度を上述した範囲とすることができないことがあり、10質量部を超えると、塗設した膜の深部まで電離放射線が届かなくなり内部硬化が促進されず、目標であるハードコート層の表面の鉛筆硬度3H以上が得られないおそれがあるためである。
光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は2質量部であり、より好ましい上限は8質量部である。光重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、膜厚方向に硬度分布が発生せず、均一な硬度になりやすくなる。
ハードコート層には、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の硬度は、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又はドコート層の耐擦傷性は、JIS K−5400に従うテーバー試験で、試験前後のハードコート層を塗設した試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の偏光板を含むことを特徴とする。画像表示装置としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD又はIELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー等を挙げることができる。これらの画像表示装置は、画像表示パネルの表示画面側に本発明の偏光板を備えることが好ましい。
<液晶表示装置>
液晶表示装置は、本発明の偏光板と、液晶表示素子とを備えるものであることが好ましい。ここで、液晶表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ等、公知の各種ディスプレイに対しても、本発明の偏光板を適用することができる。液晶表示装置においては、本発明の偏光板は、そのハードコート層側を外側にして液晶表示素子よりも視認側に配置されることが好ましい。ポリエステルフィルムは、液晶表示素子の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを液晶表示素子とする場合は、例えば先述のように、偏光子を介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように、ポリエステルフィルムを有する本発明の偏光板を液晶表示素子に適用した場合には、ポリエステルフィルムとハードコート層との湿熱経時後の密着耐久性に優れるうえ、従来の保護フィルムを用いた場合よりも液晶表示素子の強度が補強され、液晶表示素子の反りを防止することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
−易接着層の形成−
(1)ハードコート層側易接着層の塗布液
下記化合物を下記の比率で混合し、ハードコート層側易接着層用の塗布液(1)を作製した。
ハードコート層側易接着層用の塗布液(1)
・アクリル樹脂:AS563−A(ダイセルファインケム(株)製)(固形分28質量%) 21.4質量部
・カルボジイミド系架橋剤:カルボジライトV−02−L2(日清紡(株)製)(固形分40%) 3質量部
・界面活性剤1:ナロアクティーCL−95(三洋化成工業(株)製)(固形分100%) 0.1質量部
・界面活性剤2:ラピゾールA−90(日油(株)製)(固形分100%)
0.1質量部
・粒子:スノーテックスXL (日産化学工業(株)製)(固形分40%)
0.4質量部
・滑剤:セロゾール524 (中京油脂(株)製)(固形分30%) 1.0質量部
・その他:水 全質量部合計が100になるように調整
(2)偏光子側易接着層の形成
下記化合物を下記の比率で混合し、偏光子側易接着用の塗布液を作製した。
(2−1−1)ポリビニルアルコール水溶液の作製(P1)
水90質量部を入れ、攪拌しながらケン化度が73%で重合度500のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製 PVA−505)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液を作製した。
(2−1−2)ポリビニルアルコール水溶液の作製(P2)
水90質量部を入れ、攪拌しながらケン化度が82%で重合度500のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製 PVA−405)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液を作製した。
(2−1−3)ポリビニルアルコール水溶液の作製(P3)
水90質量部を入れ、攪拌しながらケン化度が88%で重合度500のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製 PVA−205)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液を作製した。
(2−1−4)ポリビニルアルコール水溶液の作製(P4)
水90質量部を入れ、攪拌しながらケン化度が77%で重合度600のカルボン酸変性ポリビニルアルコール樹脂(クラレ製 KL−506)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液を作製した。
(2−2)第1のブロックイソシアネート(低温ブロックイソシアネート)化合物の作製
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 1000質量部、3価アルコールであるトリメチロールプロパン(分子量134)22質量部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化を行った。その後反応液温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒トリメチルベンジルアンモニウム・ハイドロオキサイドを加え、転化率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は25,000mPa・s、イソシアネート基含有量は19.9質量%、数平均分子量は1080、イソシアネート基平均数は5.1であった。その後、NMR測定により、ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、上記で得られたポリイソシアネート100質量部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、ジプロピレングリコールジメチルエーテル76.6部を仕込み、80℃で6時間保持した。その後反応温度を60℃に冷却し、マロン酸ジエチル72質量部、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液0.88質量部を添加し、4時間保持した後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86質量部を添加した。
引き続き、ジイソプロピルアミン43.3質量部を添加し、反応液温度70℃で5時間保持した。この反応液をガスクロマトグラフで分析し、ジイソプロピルアミンの反応率が70%であることを確認し、固形分濃度70質量%の第1のブロックポリイソシアネート化合物を得た。(有効NCO基質量5.3%)
(2−3)第2のブロックイソシアネート(高温ブロックイソシアネート)化合物Aの作製
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とマレイン酸とのポリエステル200質量部に、ヘキサメチレンジイソシアネート34質量部を添加し、反応を行い、30質量%の重亜硫酸ナトリウム水溶液を73質量部添加し攪拌を行った。その後、水で希釈し、第2のブロックポリイソシアネート化合物を得た。(固形分27%、有効NCO基質量1%)
(2−4−1)ポリエステル水分散体(E1)
下記組成のモノマーで共重合したポリエステル樹脂のスルホン酸系水分散体を得た。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/トリエチレングリコール/ジエチレングリコール=66/30/4//40/30/30(mol%)、Tg=45℃、分子量15000
(2−4−2)ポリエステル水分散体(E2)
下記組成のモノマーで共重合したポリエステル樹脂のスルホン酸系水分散体を得た。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=44/52/4//50/50(mol%)、Tg=67℃、分子量15000 (溶媒とし、n−ブチルセロソルブ10%含有)
(2−4−3)ポリエステル水分散体(E3)
下記組成のモノマーで共重合したポリエステル樹脂のスルホン酸系水分散体を得た。
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/フタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=44/42/4/10//82/18(mol%)、Tg=61℃、分子量20000(溶媒とし、t-ブチルセロソルブ10%含有)
(2−5)偏光子側易接着用の塗布液
下記の塗剤を混合し、ポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比60/30/10/10になる偏光子側易接着用の塗布液を作製した。
・ポリエステル水分散体(固形分25質量%) 17.5質量部
・ポリビニルアルコール水溶液(固形分10質量%) 21.9質量部
・第1のブロックイソシアネート系化合物(固形分70質量%) 1.0質量部
・第2のブロックイソシアネート系化合物A(固形分27%) 2.7質量部
・粒子: スノーテックスZL (日産化学工業(株)製)(固形分40%)
1.8質量部
・触媒(有機スズ系化合物 固形分10質量%) 0.6質量部
・界面活性剤ナロアクティーCL−95(三洋化成工業(株)製)(固形分100%)
0.1質量部
・炭酸水素ナトリウム 0.01質量部
・炭酸ナトリウム1水和物 0.02質量部
・その他:水 全質量部合計が100になるように調整
(3)ポリエステルフィルムの両面への易接着層の塗布
バーコート法にて、未延伸ポリエステルフィルムの片側に上記ハードコート層側易接着層用の塗布液を、もう一方の面に偏光子側易接着用の塗布液を乾燥後の塗布量がそれぞれ、0.10g/m2、0.12g/m2になるように調整しながら、塗布した。
(4)横延伸工程
(予熱部)
予熱温度を90℃とし、延伸可能な温度まで加熱した。また、本過程にて膜面の温度測定を実施し、塗布膜中の水分が蒸発していることを確認した。
(延伸部)
易接着層の塗布および予熱された未延伸ポリエステルフィルムを、テンター(横延伸機)に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、下記の方法、条件にてTD方向(フィルム幅方向、横方向)に下記の条件にて横延伸し、2m幅のフィルムを得た。延伸条件は下記の通りである。
・横延伸温度:90℃
・横延伸倍率:4倍
(熱固定部)
次いで、ポリエステルフィルムの膜面温度を下記範囲に制御しながら、熱固定処理を行った。熱固定条件は下記の通りである。
・熱固定温度:160℃
・熱固定時間:20秒
(熱緩和部)
熱固定後のポリエステルフィルムを下記の温度に加熱し、フィルムを緩和した。熱緩和条件は下記の通りである。
・熱緩和温度:160℃
・熱緩和率:TD方向(フィルム幅方向、横方向)0.5%
(冷却部)
次に、熱緩和後のポリエステルフィルムを50℃の冷却温度にて冷却し実施例1の偏光子保護フィルムを作製した。
(実施例2〜20)
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比や、用いる化合物を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜20の偏光子保護フィルムを作成した。
(実施例21)
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比や、用いる化合物を表1のように変更し、横延伸工程の前に、以下の縦延伸工程を追加し、かつ、横延伸の温度を120℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施例21の偏光子保護フィルムを作製した。
縦延伸工程(延伸部)
未延伸ポリエステルフィルムを、下記の方法、条件にてMD方向(フィルム延伸方向、縦方向)に下記の条件にて縦延伸した。延伸条件は下記の通りである。
・縦延伸温度:90℃
・縦延伸倍率:2倍
(比較例1及び2)
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1及び2の偏光子保護フィルムを作成した。
(比較例3)
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比を表1のように変更し、かつ、ポリエステルフィルムに偏光子側易接着層塗布液を塗布する前にポリエステルフィルムを縦方向及び幅方向に二軸延伸した以外は、実施例1と同様にして比較例3の偏光子保護フィルムを作成した。
(比較例4)
(1)第2のブロックイソシアネート(高温ブロックイソシアネート)化合物Bの作製
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:1000質量部、3価アルコールであるトリメチロールプロパン(分子量134)22質量部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化を行った。その後反応液温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒トリメチルベンジルアンモニウム・ハイドロオキサイドを加え、転化率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去した。
得られたポリイソシアネートの25℃における粘度は25,000mPa・s、イソシアネート基含有量は19.9質量%、数平均分子量は1080、イソシアネート基平均数は5.1であった。その後、NMR測定により、ウレタン結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合の存在を確認した。
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例2で得られたポリイソシアネート組成物100質量部、酢酸n−ブチル92.9質量部を仕込み、40℃に保持した。その後、メチルエチルケトオキシム42.5質量部を滴下ロートから滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、その後、赤外スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の消失を確認し、固形分濃度60質量%のブロックポリイソシアネート組成物が得られた。(有効NCO基質量8.2%)
得られたブロックポリイソシアネート組成物23質量部、水27質量部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(日本乳化剤株式会社の商品名「ニューコール290M」、固形分70質量%)3質量部をそれぞれ添加し、ホモミキサーで混合した。混合後、乳白色の第2のブロックポリイソシアネート化合物B水分散液を得た。(固形分30%)
(2)偏光子側易接着用の塗布液
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物A/第2のブロックイソシアネート化合物Bの質量比を表1の通りとして、実施例1と同様に偏光子保護フィルムを作成した
(比較例5及び6)
偏光子側易接着層塗布液のポリエステル系樹脂(E1)/ポリビニルアルコール系樹脂(P1)/第1のブロックイソシアネート化合物/第2のブロックイソシアネート化合物Aの質量比を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5及び6の偏光子保護フィルムを作成した。
(ゲル化温度の測定)
主剤にアクリルポリオール(バーノックWE−301(DIC社製) 固形分45%、水酸基価36mgKOH/g(有姿))を使用し、NCO/OH比を0.3になるよう主剤と各ブロックイソシアネートの比率を調整した。なお比率の計算は以下の通りとする。
[ブロックイソシアネート量]/[主剤量]
= [水酸基価]/[有効NCO基質量%]/561×42×[NCO/OH比]
上記調整後、全体の固形分が30%になるよう各塗布液を水で希釈した。
各塗布液を乾燥後の膜厚が40μmになるようアプリケータを用い塗布を実施し、60℃から140℃まで10℃毎に30分乾燥させた乾燥塗膜を作製した。本塗膜を20℃のアセトン中に24時間浸漬後、塗膜を取り出し重量を測定し、浸漬前の重量に対する値(ゲル分率)を測定した。また、その際のゲル分率が70%を超えるときの温度を最低ゲル化温度と定義した。
各ブロックイソシアネートの最低ゲル化温度は以下の通りとなった。
第1のブロックポリイソシアネート組成物 70℃
第2のブロックポリイソシアネートA 140℃
第2のブロックポリイソシアネートB 130℃
本発明の偏光子保護フィルムを製造する際に、易接着層形成用塗布液の乾燥時(予熱部)の温度は90℃であることから、最低ゲル化温度が90℃以下のものを第1のブロックイソシアネート(低温ブロックポリイソシアネート)、90℃を上回るものを第2のブロックイソシアネート(高温ブロックポリイソシアネート)と定義した。
(評価)
(密着性(剥離力))
各フィルムサンプルについて、90°剥離試験法で層間剥離力を測定した。具体的には以下の通りである。
<偏光子作製>
偏光板保護フィルムとして市販のセルロースアセテートフィルム(ZRD40、富士フイルム(株)製)を用意し、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に連続的に通し、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアセテートフィルムの表面をケン化した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して搬送方向5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光子を得た。
<コロナ処理の実施>
実施例1〜18および比較例1〜6に関し、16KJ/m2の強度となるよう偏光子側易接着層上にコロナ処理を実施した。なお実施例19〜21はコロナ処理を実施せず以下の工程へ進んだ。
<偏光子とフィルムの貼り合わせ>
ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として偏光子のポリビニルアルコールフィルム側(B層)と各フィルムサンプルの偏光子側易接着層(A層)を貼り合わせ、80℃10分乾燥させた。
<ガラスへの固定>
各フィルムサンプルを、粘着剤を介して、各フィルムサンプルのハードコート層側とガラス板上に貼り合わせた。各フィルムサンプルのサイズは、幅2.5cm×長さ15cmで、貼り合わせ部分の長さは7cmとした。
A層とB層との界面で、B層を90°方向へ引っ張ることで界面剥離を進行させ、フィルム端部のみ剥離させた。このときの荷重を測定し、この値を層間剥離力(N/25mm)とした。また、その際テンシロン(RTG−1310、エーアンドデイ株製)を使用し、剥離速度300mm/分とした。
(耐ブロッキング性)
各フィルムサンプルを3.5cm□(タテ×ヨコそれぞれ3.5cm)に2枚カットし、各サンプルの偏光子側易接着層とハードコート側易接着層を接するように2枚重ね、フィルムを面に垂直な方向に0.5MPaの圧をかけた状態で、30℃80%の環境下1日放置する。その後サンプルを取り出し2枚のサンプルをはがしそれぞれのフィルムの状態を以下の観点で評価した。
A:2枚のフィルムが力を加えずにはがれ、接着痕等がまったく見られない。
B:2枚のフィルムをはがす際、微小の負荷を感じるが、接着痕等がまったく見られない。
C:2枚のフィルムをはがす際、強い負荷を感じ、場合によっては接着痕や膜の剥離が生じる。
Figure 2015106067
Figure 2015106067
表1からわかるように、実施例1〜21では、偏光子から偏光子保護フィルムを剥離する際の剥離力が大きく、偏光子と偏光子保護フィルムの密着性に優れていることがわかる。また、耐ブロッキング性も良好であることがわかる。
一方、比較例1〜6では、剥離力が著しく劣っており、偏光子と偏光子保護フィルムの密着性が良好ではないことがわかる。さらに、比較例1、4及び5では、耐ブロッキング性も劣っていることがわかる。
比較例1、4に関しては、低温反応タイプの第1のブロックイソシアネートを用いないため、膜内のポリビニルアルコールの水酸基との反応がフィルムの延伸過程の前に十分進行しない。そのため延伸時に膜内の破断が生じそれぞれの成分が分断され、熱固定過程でも十分な反応がおこらず水酸基が多く残存し、ブロッキング性が悪化すると推定している。また、比較例5に関しては、疎水的かつ基材のポリエステルフィルムとの密着が良好なポリエステル樹脂成分を易接着層内に有しないため、ポリビニルアルコール層との混合構造による表面の疎水化が進行せずブロッキング性が悪化すると推定している。
本発明によれば、偏光子との密着性に優れた偏光子保護フィルムを得ることができる。また、本発明の偏光子保護フィルムは、耐ブロッキング性に優れるため、ロール状に巻き取った際でもブロッキングの発生が抑制される。本発明の偏光子保護フィルムは偏光板や画像表示装置等に好ましく用いられ、かつパネル貼り合わせ時等の偏光子保護フィルムのハンドリング性が良好であるため、産業上の利用可能性が高い。
10 ポリエステルフィルム
12 易接着層
14 易接着層
20 偏光子
30 保護フィルム
40 ハードコート層

Claims (19)

  1. ポリエステルフィルムと、易接着層とを有する偏光子保護フィルムであって、
    前記易接着層は、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、第1のブロックイソシアネート及び第2のブロックイソシアネートを含み、
    前記第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、前記第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高く、
    前記偏光子保護フィルムは、未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造される偏光子保護フィルム。
  2. 前記偏光子保護フィルムは、未延伸のポリエステルフィルムに易接着層を積層した積層フィルムを幅方向に延伸することにより製造されることを特徴とする請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記第1のブロックイソシアネートと前記第2のブロックイソシアネートの合計含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.6〜70質量%である請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記第1のブロックイソシアネートの含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.1〜30質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記第2のブロックイソシアネートの含有率は、前記易接着層の全質量に対して0.5〜40質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記第1のブロックイソシアネートと前記第2のブロックイソシアネートの質量比は、1:4〜10:1である請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  7. 前記易接着層は、ポリエステルフィルムの一方の面であって、偏光子側に設けられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  8. 前記第1のブロックイソシアネートのNCO基量(mmol)と前記ポリビニルアルコール系樹脂のOH基量(mmol)の比(NCO/OH基量)は、0.001〜0.23である請求項7に記載の偏光子保護フィルム。
  9. 前記ポリエステル系樹脂の含有率は、前記易接着層の全質量に対して10〜80質量%である請求項7又は8に記載の偏光子保護フィルム。
  10. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有率は、前記易接着層の全質量に対して5〜45質量%である請求項7〜9のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  11. 前記ポリエステルフィルムは紫外線吸収剤を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  12. 未延伸又は縦方向に延伸されたポリエステルフィルムに易接着層を積層し、積層フィルムを得る工程と、
    前記積層フィルムを幅方向に延伸する工程を有し、
    前記易接着層は、第1のブロックイソシアネートと、第2のブロックイソシアネートとを含み、前記第1のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃以下であり、前記第2のブロックイソシアネートは、ゲル分率が70%となるときの温度が90℃よりも高いことを特徴とする偏光子保護フィルムの製造方法。
  13. 前記積層フィルムを得る工程では、易接着層を塗布により積層し、前記易接着層を形成する塗布液の塗布量を1〜30g/m2とする請求項12に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  14. 偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施す請求項12または13に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  15. 偏光子と積層される側に設けられた易接着層上にコロナ放電処理を施した後、ロール形態に巻き取る請求項12〜14のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムと偏光子とを含む偏光板。
  17. さらに保護フィルムとハードコート層とを含む請求項16に記載の偏光板。
  18. 前記偏光子保護フィルムは、偏光子側易接着層とハードコート層側易接着層を有する請求項17に記載の偏光板。
  19. 請求項16〜18のいずれか1項に記載の偏光板を含む画像表示装置。
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