JP2015105925A - 温度算出装置及び保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流値を取得する都度、温度を算出する従来の保護装置に比べて、電線又は負荷の温度を算出する処理負荷を低減することができる温度算出装置を提供する。
【解決手段】温度算出装置は、負荷51へ給電するための電線6に流れる電流値を検出する電流検出部13aから反復的に電流値を取得する電流値取得部と、該電流値取得部にて取得された電流値に基づいて、電線6又は負荷51の温度を算出する算出部と、前記電流値取得部にて取得された電流値及び前記算出部にて算出した温度を記憶する第1記憶部11cと、第1記憶部11cが記憶する過去の電流値及び温度、並びに前記電流値取得部にて取得した電流値に基づいて、電線6又は負荷51の温度算出の要否を判定する判定部とを備える。前記算出部は、前記判定部が温度算出要と判定した場合、前記電線6又は負荷51の温度を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電線に流れる電流値に基づいて該電線又は負荷の温度を算出する温度算出装置、及び該電線又は負荷を過加熱から保護する保護装置に関する。
車輌にはヘッドライト、モータ等の負荷が搭載されており、該負荷は電線を介して電源に接続されている。電線は摩耗等の経年劣化により内部の芯線が周囲の導体構造物に接触してショートするおそれがある。一般的にはショートによる電線又は負荷の損傷を防ぐために、電線の適宜箇所に熱ヒューズが介装されている。
ところが、熱ヒューズを使用するためには設置スペースを確保する必要があり、部品点数が増加するという問題がある。また、ヘッドランプ等の突入電流が大きな負荷に対する通電を繰り返した場合、熱ヒューズの劣化により溶断時間が短くなる傾向があるため、ある程度電流容量が大きい熱ヒューズを使用する必要があり、これに伴い比較的大きな電流に耐え得る電線を使用しなければならないという問題があった。更に、熱ヒューズが溶断した場合、新しい熱ヒューズに交換する必要があり、メンテナンス作業に手間を要するという問題がある。
このような問題を解決する方法として、電線の温度を電流値に基づいて推定し、電線の温度が許容温度に達した場合、リレー等の遮断スイッチを用いて電源から負荷への給電を遮断する保護装置が開示されている(例えば、特許文献1)。具体的には、保護装置に設けられたマイコンが周期的に電線の電流値を電流計から取得し、取得した電流値、電線の発熱及び放熱の関係式を用いて電線の温度上昇値を算出する。そして、電流値を取得する都度算出した温度上昇値の積算結果を通電開始時の周囲温度に加算することによって、電線の温度を算出する。また、リレー、仮想ヒューズの温度を推定して、該温度が許容温度に達したか否かを判定し、給電を遮断することも可能である。
特開2010−283977号公報
しかしながら、従来の保護装置においては、電流値を取得する都度、電線の温度を算出する構成であるため、マイコンの処理負荷が大きいという問題があった。処理負荷が大きいと、演算処理を高速で行う高価なマイコンが必要になり、コスト高になる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は電流値を取得する都度、温度を算出する従来の保護装置に比べて、電線又は負荷の温度を算出する処理負荷を低減することができる温度算出装置、及び該温度算出装置を備え、電線又は負荷を保護する保護装置を提供することにある。
本発明に係る温度算出装置は、負荷へ給電するための電線に流れる電流値を検出する電流検出部から反復的に電流値を取得する電流値取得部と、該電流値取得部にて取得された電流値に基づいて、前記電線又は負荷の温度を算出する算出部と、前記電流値取得部にて取得された電流値及び前記算出部にて算出した温度を記憶する記憶部とを備える温度算出装置において、該記憶部が記憶する過去の電流値及び温度、並びに前記電流値取得部にて取得した電流値に基づいて、前記電線又は負荷の温度算出の要否を判定する判定部とを備え、前記算出部は、前記判定部が温度算出要と判定した場合、前記電線又は負荷の温度を算出するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、電流検出部が電線に流れる電流値を反復的に取得する。算出部は、判定部が温度算出要と判定した場合、取得された電流値に基づいて、電線又は負荷の温度を算出するが、判定部が温度算出不要と判定した場合、電線又は負荷の温度を算出しない。従って、温度算出の負荷が低減される。
なお、記憶部が記憶する電流及び温度の表現形式は特に限定されず、実質的に電線に流れる電流及び電圧を表している情報であれば足りる。例えば、温度として、周囲温度を基準にした温度上昇値を記憶しても良い。
本発明に係る温度算出装置は、前記判定部は、前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値と、前記記憶部が記憶する一の電流値と、前記記憶部が記憶する2つの温度とに基づいて、前記電線又は負荷の温度算出の要否を判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、判定部は、前記電流値取得部が今回取得した電流値と、記憶部が記憶する一の電流値と、記憶部が記憶する2つの温度とに基づいて、電線又は負荷の温度算出の要否を判定する。今回取得した電流値、及び記憶部が記憶する一の電流値は、電流の変化に関する情報である。また、記憶部が記憶する2つの温度は、電線又は負荷の温度変化に関する情報である。従って、各情報を用いることによって、温度算出の要否を判定することが可能である。また、温度算出の要否判定に使用する情報を最小限に留めることによって、前記要否判定に係る処理負荷を抑えることができる。
本発明に係る温度算出装置は、前記判定部は、前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値と、前記記憶部が記憶する前回取得した電流値との差が第1所定値未満であり、且つ前記記憶部が記憶する前回及び前々回算出した温度の差が第2所定値未満である場合、前記電線又は負荷の温度算出が不要であると判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、判定部は、前記電流値取得部が今回取得した電流値と、前回取得した電流値との差が第1所定値未満であり、且つ前回算出した温度と、前々回算出した温度との差が第2所定値未満である場合、電線又は負荷の温度算出が不要であると判定する。つまり、判定部は、電流値、並びに電線又は負荷の温度の変化が小さい場合、電線又は負荷の温度算出が不要であると判定する。
本発明に係る温度算出装置は、前記判定部は、前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値、及び前記記憶部が記憶する電流値に基づいて、電流値の変化傾向を算出する電流値変化傾向算出部と、前記記憶部が記憶する複数の温度に基づいて温度の変化傾向を算出する温度変化傾向算出部と、前記電流値変化傾向算出部が算出した変化傾向及び前記温度変化傾向算出部が算出した変化傾向に基づいて、電流値及び温度が定常状態にあるか否かを判定する定常状態判定部とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、定常状態判定部は、電流値変化傾向算出部が算出した傾向と、温度変化傾向算出部が算出した傾向とに基づいて、電線を流れる電流値、並びに電線及び負荷の温度が定常状態にあるか否かを判定する。判定部は、前記電流値及び温度が定常状態にある場合、温度算出が不要であると判定する。
本発明に係る温度算出装置は、前記算出部が算出した温度と、所定温度とを比較する比較部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、比較部が電線又は負荷の温度と、所定温度とを比較する。比較部による比較結果は、電線又は負荷が過加熱の状態にあるか否かを示している。
本発明に係る保護装置は、前記温度算出装置と、前記比較部の比較結果に応じて、給電を遮断する遮断スイッチとを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、比較部の比較結果に応じて、遮断スイッチが給電を遮断する。
本発明によれば、電流値を取得する都度、温度を算出する従来の保護装置に比べて、電線又は負荷の温度を算出する処理負荷を低減することができる。
本実施の形態1に係る保護システムの一構成例を示したブロック図である。 保護装置及びボディECUの一構成例を示したブロック図である。 電線の温度算出及び電線の保護に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。 電線の温度変化を示すグラフである。 本実施の形態2に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る保護システムの一構成例を示したブロック図である。本実施の形態1に係る保護システムは、車輌5に搭載された保護装置1、ボディECU2、電源3及び負荷51を備える。負荷51は、例えばヘッドライト、ワイパー等である。負荷51の正極端子は電線6を介して電源3の正極に接続され、負荷51の負極端子は接地されている。電線6の適宜箇所には給電スイッチ7が設けられており、給電スイッチ7の開閉はボディECU2によって制御され、負荷51への給電が制御される。また、電線6の適宜箇所には、電線6及び負荷51の過加熱又は過電流から、該電線6及び負荷51を保護する保護装置1が設けられている。保護装置1及びボディECU2は車載LAN等の通信線4によって接続され、負荷51の制御に必要な情報を送受信するように構成されている。
図2は、保護装置1及びボディECU2の一構成例を示したブロック図である。保護装置1はマイコン(温度算出装置)11を備える。マイコン11は、該マイコン11の各構成部の動作を制御する制御部11a、例えば一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU等を備える。制御部11aには、バスを介して、ROM11b、第1記憶部11c、計時部11d、CAN(Controller Area Network)通信I/F11e及びI/F部11fが接続されている。
ROM11bは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリであり、本実施の形態1に係る温度算出処理及び給電遮断処理を行うためのコンピュータプログラムを記憶している。
第1記憶部11cは、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等のメモリであり、制御部11aの演算処理を実行する際にROM11bから読み出されたコンピュータプログラム、また制御部11aの演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。
計時部11dは、後述する電流検出部13aから電線6の電流値を取得するタイミングを計時しており、該タイミングを通知する信号を制御部11aに与える。マイコン11は、例えば、5m秒又は10m秒等の所定時間毎に電線6の温度算出処理を実行するように構成されており、計時部11dは、所定時間が経過する都度、前記信号を制御部11aに与える。
CAN通信I/F11eは、車輌5に搭載されたボディECU2と、通信線4を介して接続されており、CANプロトコルに従ってボディECU2とデータの送受信を行う。CAN通信I/F11eは、制御部11aから与えられたデータを送信し、ボディECU2から受信したデータを制御部11aへ与える。これにより保護装置1は、ボディECU2へ制御命令などを送信して該ボディECU2へ所定の動作を要求することができ、ボディECU2からの情報をCAN通信I/F11eによって取得することができる。
I/F部11fには温度検出部12及びIPD(Intelligent Power Device)13が接続されている。温度検出部12は、例えばサーミスタを備え、気温によって変化するサーミスタの電気抵抗を検出することによって、保護装置1の周囲の温度を検出する。
IPD13は電源3と、負荷51との間に介装された遮断スイッチ13bを備える。遮断スイッチ13bは例えば、IGBT、パワーMOSFET等で構成される半導体リレー、機械式リレーであり、遮断スイッチ13bの一端はスイッチ7を介して電源3の正極に接続され、他端は負荷51に接続されている。遮断スイッチ13bは、I/F部11fを介して制御部11aから与えられる制御信号に従って開閉する。また、IPD13は電線6を流れる電流値を検出する電流検出部13aを備える。
電流検出部13aは、例えばホール素子センサである。ホール素子センサは、電線6を流れる電流によって発生した磁界をホール素子で検出し、磁界によってホール素子に生じたホール電圧を増幅し、電流値として出力する。また、所定の回路素子による降下電圧から電流値を求める直列抵抗方式の電流検出部13aを用いても良い。直列抵抗方式の電流検出部13aは、電線6に直列接続された抵抗器における降下電圧から電流値を検出するものである。
ボディECU2は、ボディ系の車載機器を制御する制御装置であり、車輌5に搭載されたヘッドライト、ターンハザード、ワイパー、ドアロック機構等の車載機器を制御する。即ち、ボディECU2は、ユーザの操作を受け付けて、ヘッドライト及びターンハザードの点灯及び消灯、ワイパーのオンオフ又は間欠動作等を制御し、更にドアロック機構の施錠/解錠を制御するものである。具体的にはボディECU2は、ボディECU2の各構成部の動作を制御する制御部21を備える。制御部21は、例えば一又は複数のCPU、マルチコアCPU等であり、制御部21には、バスを介して、ROM22、第2記憶部23、CAN(Controller Area Network)通信I/F24、計時部25及びI/F部26が接続されている。
ROM22は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、車載機器の制御に必要な情報の保持及び提供を行うためのコンピュータプログラムを記憶している。
第2記憶部23は、DRAM、SRAM等のメモリであり、制御部21の演算処理を実行する際にROM22から読み出されたコンピュータプログラム、また制御部21の演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。
CAN通信I/F24は、車輌5に搭載された保護装置1、その他の図示しない各種ECUと、通信線4を介して接続されており、CANプロトコルに従ってデータの送受信を行う。CAN通信I/F24は、制御部21から与えられたデータを送信し、他のECUから受信したデータを制御部21へ与える。これによりボディECU2は、各種ECUに接続された車載機器から得られる情報をCAN通信I/F24によって取得することができると共に、他のECUに接続された車載機器への動作命令などを送信して該車載機器の動作を制御することができる。
I/F部26には給電スイッチ7が接続されており、制御部21はI/F部26を介して開閉信号を給電スイッチ7に与えることによって、負荷51への給電を制御する。例えば、ユーザによってヘッドライトのオン操作がされた場合、制御部21はI/F部26を介して閉信号を給電スイッチ7に与え、ヘッドライトである負荷51への給電を行う。ユーザによってヘッドライトのオフ操作がされた場合、制御部21はI/F部26を介して開信号を給電スイッチ7に与え、ヘッドライトである負荷51への給電の遮断を行う。
図3は、電線6の温度算出及び電線6の保護に係る制御部11aの処理手順を示したフローチャート、図4は電線6の温度変化を示すグラフである。図4に示すグラフの横軸は時間、縦軸は電線6の温度を示している。
電流値を取得するタイミングを通知する信号が制御部11aに入力した場合、制御部11aは、電流検出部13aから電流値I(n)を取得し、取得した電流値を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS11)。具体的には、電流検出部13aから制御部11aに入力している電流値はアナログの信号であり、制御部11aは、アナログの信号をAD変換することによって、電流値を取得する。nは電流値を取得するタイミングを示しており、電流値を取得する毎に1ずつ増加するものとする。例えば、I(1)は1回目に取得した電流値、I(2)は2回目に取得した電流値を示している。
次いで、制御部11aは、取得した電流値I(n)に基づいて、過電流が発生しているか否かを判定する(ステップS12)。例えば、電流値I(n)が所定の閾値以上である場合、過電流が発生したと判定する。過電流が発生していると判定した場合(ステップS12:YES)、制御部11aは、遮断スイッチ13bを開状態にすることで、電線6を通じた負荷51への給電を遮断し(ステップS20)、処理を終える。
過電流が発生していないと判定した場合(ステップS12:NO)、制御部11aは、第1記憶部11cが記憶する温度Tw(n−1)と、温度Tw(n−2)とが略同一であるか否かを判定する(ステップS13)。温度Tw(n−1)は前回の電流値取得タイミングで算出した電線6の温度であり、温度Tw(n−2)は前々回の電流値取得タイミングで算出した電線6の温度である。具体的には、制御部11aは、温度Tw(n−1)と、温度Tw(n−2)との差が第1所定値未満である場合、各温度が略同一であると判定する。
温度Tw(n−1)及びTw(n−2)が略同一であると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部11aは、ステップS11で取得した電流値I(n)と、記憶部が記憶する電流値I(n−1)とが略同一であるか否かを判定する(ステップS14)。電流I(n−1)は前回の電流値取得タイミングで取得した電流値である。具体的には、制御部11aは、電流値I(n)と、電流値I(n−1)との差が第2所定値未満である場合、各電流値が略同一であると判定する。
電流値I(n)及びI(n−1)が略同一であると判定した場合(ステップS14:YES)、制御部11aは、今回算出すべき電線6の温度Tw(n)の値として、前回の電流値取得タイミングで求めた温度Tw(n−1)を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS15)。ステップS14において電流値I(n)及びI(n−1)が略同一であると判定された場合、図4に示すように電線6の温度が定常状態になっているため、電線6の温度は前回の電流値取得タイミングから大きく変化していないと予想される。負荷51への給電が開始されてから一定時間が経過した場合、電線における発熱量と、放熱量とが平衡し、電線の温度が一定値に収束する。そこで、定常状態になっている場合、温度算出処理を省略することによって、温度算出負荷51を低減することができる。また、ステップS15の処理では、後述するように保護装置1の周囲温度からの温度上昇値ΔTw(n)の値として、前回の電流値取得タイミングで求めた温度上昇値ΔTw(n−1)を第1記憶部11cに記憶させている。
ステップS13で温度Tw(n−1)及びTw(n−2)が異なると判定した場合(ステップS13:NO)、又は電流値I(n)及びI(n−1)が異なると判定した場合(ステップS14:NO)、制御部11aは、ステップS11で取得した電流値I(n)等を用いて電線6の温度を算出する(ステップS16)。
具体的には、制御部11aは、温度検出部12にて検出される周囲温度を基準にして、電線6の温度上昇値を算出する。電線に電流が流れていない場合、電線6の温度は周囲温度に等しい。通電によって電線6が発熱すると、電線6の温度は周囲温度に比べて、前記温度上昇値分だけ高くなる。電線6の温度上昇値は例えば、下記式(1)で表される。
ΔTw(n)=ΔTw(n−1)×exp(−Δt/τw)+Rthw×Rw×I2 (n−1)×{1−exp(−Δt/τw}…(1)
但し、
ΔTw(n):第n回目の電流値取得タイミングにおける、周囲温度に対する電線6の温度上昇値
τw:電線6の発熱及び放熱の時定数
Δt:電流値取得周期
Rw:電線6の電気抵抗値
Rthw:電線6の熱抵抗値
上記式(1)の第1項は、これまでに電線6に蓄積された熱の放熱による温度変化を表しており、第2項は電線6の発熱による温度変化を示している。上記式(1)は、下記式(2)に変形することができる。
ΔTw(n)=(Rthw×Rw×I2 (n−1)−ΔTw(n−1))×{1−exp(−Δt/τw)}+ΔTw(n−1)
=(A×I2 (n−1)−ΔTw(n−1))×B+ΔTw(n−1)…(2)
但し、
A:定数=Rthw×Rw
B:定数=1−exp(−Δt/τw)
マイコン11は、前記定数A,BをROM11bに記憶しており、制御部11aは、電流値I(n−1)及び温度上昇値ΔTw(n−1)に基づいて、今回の電流値取得タイミングにおける温度上昇値ΔTw(n)を算出する。そして、制御部11aは、算出した温度上昇値ΔTw(n)を周囲温度に加算することによって、電線6の温度T(n)を算出する。電線6の温度は下記式(3)で表される。周囲温度は、温度検出部12によって検出される温度である。
T(n)=Ta+ΔTw(n)…(3)
但し、
Ta:周囲温度
ステップS16の処理を終えた制御部11aは、今回の電流値取得タイミングで算出すべき電線6の温度Tw(n)の値として、ステップS16で算出した温度を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS17)。また、制御部11aは、温度上昇値ΔTw(n)を第1記憶部11cに記憶させる。
ステップS15又はステップS17の処理を終えた制御部11aは、遮断スイッチ13bが遮断状態にあるか否かを判定する(ステップS18)。制御部11aが遮断スイッチ13bの開閉制御を行っているため、遮断スイッチ13bの状態は制御部11aによって把握されている。遮断状態に無いと判定した場合(ステップS18:NO)、制御部11aは算出した電線6の温度が所定温度以上であるか否かを判定する(ステップS19)。電線6の温度が所定温度以上であると判定した場合(ステップS19:YES)、制御部11aは遮断スイッチ13bを開状態にすることで、電線6を通じた負荷51への給電を遮断し(ステップS20)、処理を終える。電線6の温度が所定温度未満であると判定した場合(ステップS19:NO)、制御部11aは処理を終える。
ステップS18で遮断状態にあると判定した場合(ステップS18:YES)、制御部11aは、復帰可能であるか否かを判定する(ステップS21)。例えば、制御部11aは、遮断スイッチ13bが遮断状態になってから一定の時間が経過したか否かを判定することにより、復帰可能であるか否かを判定する。また、電線6の温度が前記所定温度よりも更に低い第2の所定温度未満になったか否かを判定することにより、復帰可能であるか否かを判定する。復帰可能であると判定した場合(ステップS21:YES)、制御部11aは遮断スイッチ13bを閉状態に接続することで、電線6を通じた負荷51への給電を再開させ(ステップS22)、処理を終える。復帰不可能であると判定した場合(ステップS21:NO)、制御部11aは、遮断スイッチ13bを開状態にしたまま処理を終える。
本実施の形態1に係る保護装置1及びマイコン11によれば、電流値を取得する都度、温度を算出する従来の保護装置に比べて、電線6又は負荷51の温度を算出する処理負荷を低減することができる。
また、ステップS13,14では、温度の変化が第1所定値未満であり、かつ電流の変化が第2所定値未満である場合、電線6の温度算出を省略するように構成してあるため、ノイズ等の影響によって電流又は温度が変化するような場合であっても、電線6の温度が定常状態にあるときは電線6の温度算出処理を省略することができ、効果的にマイコン11の温度算出処理の負荷51を低減することができる。
更に、過電流の有無は、電流値取得タイミング毎に判定する構成であるため、過電流に対する応答性は高く、電線6又は負荷51を過電流から保護することができる。
更にまた、電線6の温度が所定温度以上になった場合、負荷51への給電を遮断スイッチ13bによって遮断することができ、電線6又は負荷51の過加熱を防止することができる。
なお、本実施の形態1では主に電線6の過加熱を防止する例を説明したが、負荷51の温度を検出して該負荷51の過加熱を判定し、負荷51の過加熱が発生している場合、負荷51への給電を遮断するように構成しても良い。
また、本実施の形態では温度Tw(n−2),Tw(n−1)及び電流I(n),I(n−1)を用いて、電線6の温度が定常状態にあるか否かを判定する構成を例示したが、定常状態の判定方法は特にこれに限定されるものでは無い。要するに、現在の電流値と、記憶部が記憶する電流値及び温度とに基づいて、電線6の温度が定常状態にあることを判定できる処理であれば足りる。
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態2に係る制御部の処理手順を示したフローチャートである。実施の形態2に係る保護装置1は、実施の形態1に係る保護装置1と同様の構成であり、温度算出の要否を判定する処理が異なる。以下では主に斯かる相違点を説明する。
実施の形態1と同様、電流値を取得するタイミングを通知する信号が制御部11aに入力した場合、制御部11aは、電流検出部13aから電流値I(n)を取得し、取得した電流値I(n)を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS111)。次いで、制御部11aは、取得した電流値にI(n)基づいて、過電流が発生しているか否かを判定する(ステップS112)。過電流が発生していると判定した場合(ステップS112:YES)、制御部11aは、遮断スイッチ13bを開状態にすることで、電線6を通じた負荷51への給電を遮断し(ステップS121)、処理を終える。
過電流が発生していないと判定した場合(ステップS112:NO)、制御部11aは、電流値I(n)、第1記憶部11cが記憶する複数の電流値I(n−1)、I(n−2)…に基づいて、電流値の変化傾向を算出する(ステップS113)。例えば、制御部11aは電流値の移動平均を算出する。また、定常状態に至る段階においては、電流値は線形的に変化すると考えられるため、電流値の変化率を、電流値の変化傾向として算出しても良い。
次いで、制御部11aは、第1記憶が記憶する複数の温度Tw(n−1)、Tw(n−2)…に基づいて、温度の変化傾向を算出する(ステップS114)。例えば、制御部11aは温度の移動平均を算出する。また、定常状態に至る段階においては、温度は線形的に変化すると考えられるため、温度の変化率を、温度の変化傾向として算出しても良い。
そして、制御部11aは、ステップS113,114で算出した電流値の変化傾向と、温度の変化傾向とに基づいて、電線6に流れる電流値及び電線6の温度が定常状態にあるか否かを判定する(ステップS115)。
定常状態にあると判定した場合(ステップS115:YES)、制御部11aは、今回の電流値取得タイミングで算出すべき電線6の温度Tw(n)の値として、前回の電流値取得タイミングで求めた温度Tw(n−1)を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS116)。
定常状態にないと判定した場合(ステップS115:NO)、制御部11aは、ステップS111で取得した電流値I(n)等を用いて電線6の温度を算出し(ステップS117)、今回の電流値取得タイミングで算出すべき電線6の温度Tw(n)の値として、ステップS117で算出した温度を第1記憶部11cに記憶させる(ステップS118)。
ステップS116及びステップS118以下の遮断スイッチの開閉に係る処理ステップS119〜ステップS123は、図3に示すステップS18〜ステップS22と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態2に係る保護装置1及びマイコン11によれば、実施の形態1と同様、電線6又は負荷51の温度を算出する処理負荷を低減することができ、保護装置1を低コストで構成することができる。
また、電流及び電線の温度の変化傾向を算出し、定常状態に至っていると判定された場合、電線6の温度算出を省略するように構成してあるため、ノイズ等の影響によって電流又は温度が変化するような場合であっても、電線6の温度が定常状態にあるときは電線6の温度算出処理を省略することができ、効果的にマイコン11の温度算出処理の負荷51を低減することができる。
なお、本実施の形態では、基本的に電流値を取得する都度、電線の温度を算出する構成であるが、電流値を取得する周期よりも、長周期で電線の温度を算出するように構成しても良い。例えば、電線の温度を算出する周期は、電流値を取得する周期の整数倍にすると良い。また、複数の負荷の温度を算出する場合、前記整数は、負荷の数以上の整数倍とし、異なるタイミングで各負荷の温度を算出するように構成すると良い。このように構成することによって、より効果的に制御部の処理負荷を低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 保護装置
2 ボディECU
3 電源
4 通信線
5 車輌
6 電線
7 スイッチ
11 マイコン(温度算出装置)
11a 制御部(算出部、判定部、比較部)
11b ROM
11c 第1記憶部
11d 計時部
11e CAN通信I/F
11f I/F部(電流値取得部)
12 温度検出部
13 IPD
13a 電流検出部
13b 遮断スイッチ
21 制御部
22 ROM
23 第2記憶部
24 CAN通信I/F
25 計時部
26 I/F部
51 負荷

Claims (6)

  1. 負荷へ給電するための電線に流れる電流値を検出する電流検出部から反復的に電流値を取得する電流値取得部と、該電流値取得部にて取得された電流値に基づいて、前記電線又は負荷の温度を算出する算出部と、前記電流値取得部にて取得された電流値及び前記算出部にて算出した温度を記憶する記憶部とを備える温度算出装置において、
    該記憶部が記憶する過去の電流値及び温度、並びに前記電流値取得部にて取得した電流値に基づいて、前記電線又は負荷の温度算出の要否を判定する判定部と
    を備え、
    前記算出部は、前記判定部が温度算出要と判定した場合、前記電線又は負荷の温度を算出するようにしてある
    ことを特徴とする温度算出装置。
  2. 前記判定部は、
    前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値と、前記記憶部が記憶する一の電流値と、前記記憶部が記憶する2つの温度とに基づいて、前記電線又は負荷の温度算出の要否を判定するようにしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の温度算出装置。
  3. 前記判定部は、
    前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値と、前記記憶部が記憶する前回取得した電流値との差が第1所定値未満であり、且つ前記記憶部が記憶する前回及び前々回算出した温度の差が第2所定値未満である場合、前記電線又は負荷の温度算出が不要であると判定するようにしてある
    ことを特徴とする請求項2に記載の温度算出装置。
  4. 前記判定部は、
    前記電流値取得部が電流値を取得した場合、該電流値、及び前記記憶部が記憶する電流値に基づいて、電流値の変化傾向を算出する電流値変化傾向算出部と、
    前記記憶部が記憶する複数の温度に基づいて温度の変化傾向を算出する温度変化傾向算出部と、
    前記電流値変化傾向算出部が算出した変化傾向及び前記温度変化傾向算出部が算出した変化傾向に基づいて、電流値及び温度が定常状態にあるか否かを判定する定常状態判定部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の温度算出装置。
  5. 前記算出部が算出した温度と、所定温度とを比較する比較部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の温度算出装置。
  6. 請求項5に記載の温度算出装置と、
    前記比較部の比較結果に応じて、給電を遮断する遮断スイッチと
    を備えることを特徴とする保護装置。
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