JP2015105430A - 塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法 - Google Patents

塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Al合金製基材19に対する塗膜の密着性を高める。【解決手段】Al合金製基材19の表面にエッチング液を所定時間接触させるアルカリエッチング工程と、上記エッチング液を接触させた表面を水洗し、乾燥させる工程と、しかる後に上記表面に塗膜を形成する工程とを備え、上記乾燥工程後の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ水との見かけの接触角が30゜以下となるように、上記アルカリエッチングをコントロールする。【選択図】図6

Description

本発明は、Al合金製基材表面に塗膜を形成するためのAl合金製基材表面の処理方法に関する。
近年、エンジンの熱効率を向上するために冷損の低減を行うことが重要視されている。そして、この冷損低減のために燃焼室を形成するシリンダヘッド、ピストン、バルブ等に断熱層を形成することが検討されている。
例えば、特許文献1には、ピストンの頂面に陽極酸化被膜を設けること、燃料噴射領域の表面には該陽極酸化被膜よりも相対的に熱容量の高い金属被膜を配することが記載されている。陽極酸化処理は、当該特許文献1を待たずとも、アルミ合金の表面が粗面化されるとともにポーラスな層(気孔含有層)が形成される処理として知られているが、この気孔は表面に露出しないように封孔処理がされている。
また、特許文献2には、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面加工方法が記されている。具体的には、アルミニウム又はアルミニウム合金材料の表面に、(1)Sn、Cu、Fe、Ni、Co、Bi、Sb、Ag及びTeからなる第一群の金属より選択される少なくとも1種と(2)亜鉛の金属単体とが主成分である表面皮膜を置換めっき法にて形成させる表面皮膜形成工程、及びこの表面皮膜を有する材料をエッチング溶液と接触させることにより、亜鉛及び前記材料のアルミニウムを選択的に溶解させて前記材料表面に多孔質エッチング層を形成させるエッチング工程を含む方法である。
さらには、特許文献3には、アルミニウム系基材を塗装の前処理(化成処理等)前に強アルカリ性水溶液又はアルカリ電解水で処理することが記されている。この強アルカリ性水溶液又はアルカリ電解水での処理は、アルミニウム系基材表面の清浄度を高める(鋳造後のショットブラストによって付着した鉄を溶かす)効果を有し、塗膜表面から侵入してきた水分と、表面に付着している鉄と、基材アルミとが反応して塗膜密着性に影響を及ぼす化合物が生成するのを防止することができる、とされている。
特開2013−067823号公報 特開2012−041579号公報 特開2007−107069号公報
以上のように、Al合金製基材の表面処理方法としては、陽極酸化やエッチング、ショットブラスト、強アルカリ水溶液やアルカリ電解水による処理等が知られている。従って、塗膜の前処理としてこれらの表面処理方法を採用してAl合金基材表面を粗面化することが考えられる。
しかし、本発明者の実験・検討によれば、単にAl合金製基材表面を粗面化するという観点から例えばアルカリエッチングを行なっても、必ずしも、期待する塗膜の密着性の向上効果が得られない。なお、ショットブラスのような、Al合金製基材の表面に大きなうねりを生ずる表面処理方法は、例えばエンジンの燃焼室を構成する部品のように±0.1mm以下の公差が求められる部品には適用することができない。
そこで、本発明は、塗膜の密着性を確実に高めることができるAl合金製基材表面の処理方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、Al合金製基材の表面の処理において、粗面化による物理的結合という観点だけでなく、表面化学(化学的結合)の観点を加えた。以下、具体的に説明する。
ここに提示するAl合金製基材表面に塗膜を設ける際の当該基材表面の処理方法は、
上記Al合金製基材の所定面にアルカリ性エッチング液を所定時間接触させるアルカリエッチング工程と、上記エッチング液を接触させた所定面を水洗し、乾燥させる工程と、しかる後に上記所定面の少なくとも一部に塗膜を形成する工程とを備え、
上記乾燥工程後の上記所定面の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ水との見かけの接触角が30゜以下となるように、上記アルカリエッチングをコントロールすることを特徴とする。
すなわち、本発明の重要な点は、Al合金製基材の所定面の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ濡れ性の指標である水との接触角が30゜以下となるようにアルカリエッチングをコントロールする点にある。
ここに、濡れ性は表面粗さに影響され、粗面の濡れ性を表すWenzelの式から、濡れ難い面は粗面にすると益々濡れ難くなり、濡れ易い面は粗面にすると益々濡れ易くなることが知られている。また、一般に未処理のAl合金製基材は水との接触角が55゜以上であることが知られている。従って、Al合金製基材表面を単に粗面化しただけでは、その表面の水との接触角は55゜以上になる。これに対して、本発明において、水との接触角が30゜以下であるということは、Al合金製基材の所定面はアルカリエッチングによって濡れ性が高くなっていること、つまり、アルカリエッチングによって濡れ性を高める官能基が導入されていることを意味する。その官能基は、アルカリエッチングによって導入されているから、OH基であると認められる。
そうして、本発明に係る方法によれば、塗膜の密着性に関して、上述の如く、Al合金製基材の粗面化(表面粗さRzが12.8μm以上)に伴うアンカー効果の増大と、上記OH基の導入に伴う濡れ性の向上及び水素結合の増強によって、塗膜の密着性が高くなる。また、上記濡れ性の向上は塗装性の向上に繋がる。
上記エッチング液を接触させる工程では、濃度が0.5%(「%」は「質量%」を意味する。以下、同じ。)以上1.0%以下であるNaOH水溶液を用いて上記接触時間を120秒以上とすること、又は、濃度が2.0%以上であるNaOH水溶液を用いて上記接触時間を60秒以上とすることが好ましい。これにより、上記乾燥工程後の上記所定面を表面粗さRzが12.8μm以上であり且つ水との見かけの接触角が30゜以下とすることが容易になる。表面粗さRzの上限については塗装性の観点から例えば30μm程度を目安とすればよい。
好ましいのは、上記乾燥工程の後上記塗膜形成工程の前に、上記所定面の少なくとも一部に、水酸基、アミノ基、カルボニル基、アミド基、カルボキシル基等の水素結合性官能基を導入する工程を更に備えていることである。当該官能基による水素結合によって塗膜をAl合金製基材に対してさらに強く密着させることができる。
上記水素結合性官能基を導入する工程には、上記所定面の少なくとも一部にプラズマを照射するプラズマ処理を好ましく採用することができ、大気圧プラズマ処理を行なうことが好ましい。この水素結合性官能基は、上記プラズマ処理の他、コロナ放電処理、オゾン処理等によって導入してもよい。
上記塗膜は、上記基材よりも熱伝導率が低いシリコーン系樹脂膜であることが好ましい。これにより、当該シリコーン系樹脂膜が断熱層となり、Al合金製基材に対する熱伝導を抑えることができる。この場合、シリコーン系樹脂膜のSiが上記OH基により、さらには上記官能基により、Al合金製基材に水素結合することになる。
また、上記Al合金製基材は、エンジンの燃焼室を形成するエンジン部品、例えば、シリンダヘッド、ピストン、吸排気バルブであることが好ましい。これにより、エンジンの冷却損失が抑えられ、その熱効率の向上に有利になる。
本発明に係るAl合金製基材表面の処理方法によれば、アルカリエッチング工程、水洗・乾燥工程、及び塗膜形成工程とを備え、乾燥工程後の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ水との見かけの接触角が30゜以下となるようにアルカリエッチングをコントロールするから、Al合金製基材の粗面化に伴うアンカー効果の増大と濡れ性の向上(OH基導入)に伴う水素結合の増強効果によって塗膜の密着性の向上し、塗装性も高くなる。
本発明の実施形態に係るエンジン構造を示す断面図である。 同エンジンの頂面に断熱層(塗膜)が設けられたピストンを示す断面図である。 表面処理前のAl合金製基材の表面を模式的に示す断面図である。 水との見かけの接触角に関する説明図である。 本発明の実施形態に係る表面処理方法の工程図である。 アルカリエッチング後塗装前のAl合金製基材の表面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、Al合金製基材がエンジンの燃焼室を形成するピストンであり、このピストン頂面に塗膜(断熱層)を設ける処理に本発明を適用した例である。
<エンジンの構成>
図1に示す直噴エンジンEにおいて、符号1はAl合金製のピストン、符号3はシリンダブロック、符号5はシリンダヘッド、符号7はシリンダヘッド5の吸気ポート9を開閉する吸気バルブ、符号11は排気ポート13を開閉する排気バルブ、符号15は燃料噴射弁である。エンジンの燃焼室は、ピストン1の頂面、シリンダブロック3、シリンダヘッド5、吸排気バルブ7,11のバルブヘッド面(燃焼室に臨む面)で形成される。ピストン1の頂面には、キャビティ17が形成されている。図1では、点火プラグ、及びシリンダライナの図示は省略している。
<断熱層>
エンジンの熱効率は、理論的に幾何学的圧縮比を高めるほど、また、作動ガスの空気過剰率を大きくする(比熱比を高める)ほど、高くなることが知られている。しかし、実際には、圧縮比を大きくするほど、また、空気過剰率を大きくするほど、冷却損失が大きくなるため、圧縮比及び空気過剰率の増大による熱効率の改善は頭打ちになる。ここに、冷却損失は、作動ガスからエンジン燃焼室壁への熱伝達率、その伝熱面積、及びガス温と壁温との温度差に依存する。
そこで、冷却損失を低減すべく、図2に示すように、ピストン本体19の頂面19aに、ピストン本体19よりも熱伝導率が低い材料からなる断熱層21が形成されている。本実施形態の断熱層21は中空粒子が分散されたシリコーン系樹脂によって形成されている。ピストン本体19の頂面19aの中央には上記キャビティ17を形成する凹陥部を有し、断熱層21はこの頂面19aの形状に倣うように均一な厚さで形成されている。ピストン本体19はT6処理されたものである。そうして、ピストン本体19の頂面19aには、断熱層21の形成のための前処理としてアルカリエッチングが施されている。
<表面処理>
図3は、鋳造後に粗加工、T6処理及び仕上げ加工がなされた表面処理前のピストン本体19の頂面の状態を模式的に示す。表面粗さRz(十点平均粗さ)は11μm以下であり、水との見かけの接触角θは55゜以上である。図4に示すように、見かけの接触角θ'は、水の自由表面と粗さ曲線の平均線Lとが接する点における自由表面の接線Tと当該平均線Lとのなす角度である。なお、見かけの接触角θ'と真の接触角θとの間には次のWenzelの式が成り立つ。
cosθ'=r×cosθ (r=実際の表面積/見かけの表面積)
図5に示すように、上記ピストン本体頂面にアルカリエッチング、水洗・乾燥及び塗装の各工程によって上記断熱層21を形成する。必要に応じて、乾燥工程と塗装工程の間に水素結合性官能基を導入する工程を入れる。以下、当該表面処理方法を工程順に説明する。
[アルカリエッチング]
仕上げ加工されたピストン本体頂面にアルカリエッチング液を所定時間接触させて、ピストン本体頂面の表面粗度を大きくするとともに、該頂面の濡れ性を高める。具体的には、上記水洗・乾燥工程後の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ水との接触角θ'が30゜以下になるように、アルカリエッチングをコントロールする。
エッチング液としては、NaOH水溶液を用いことが好ましい。そのNaOH濃度は0.5%以上4%以下であることが好ましい。エッチング液の浴温度は48℃以上52℃以下程度とすることが好ましい。接触時間は、NaOH濃度によって異なる(NaOH濃度が高くなるほど接触時間が短くなるようにする)が、30秒以上240秒以下を目安として設定すればよい。
図6は乾燥工程後のピストン本体頂面の状態を模式的に示す。表面粗さは図3に示すエッチング前よりも大きくなっており(Rz≧12.8μm)、また、当該頂面にはエッチングによってOH基が導入されるため、見かけの接触角θ'が30°以下になっている。
[水洗・乾燥]
水洗工程はピストン表面に残存するエッチング液を水で洗い流す工程であり、その方法は特に限定されるものではなく、アルカリエッチング液の除去に採用されている従来公知の方法を用いればよい。乾燥工程は、水洗後のピストンを乾燥する工程であり、その方法は特に限定されるものではなく、従来公知の乾燥方法を採用することができる。水洗工程の前に脱脂処理、酸洗処理を行なうようにしてもよい。
[水素結合性官能基の導入]
上記ピストン本体頂面に大気圧下でプラズマ照射を行なうことにより、水素結合性官能基を導入する。空気中でのプラズマ照射により、空気中の酸素分子の電離・解離により酸素ラジカルやオゾン等が生成され、それらが空気中の水分子と反応し、ピストン本体頂面に水素結合性官能基としてのOH基が導入される。
[塗装工程]
無機化合物よりなる中空粒子とバインダとしてのシリコーン系樹脂との混合物をピストン本体頂面に塗布し、乾燥及び焼成することによって断熱層21を形成する。
中空粒子としては、例えばフライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、エアロゲルバルーン等のSi系酸化物成分(例えば、シリカ)又はAl系酸化物成分(例えば、アルミナ)を主成分とするセラミック系中空粒子を好ましく採用することができる。シリコーン系樹脂としては、例えばメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマーからなるシリコーン樹脂を好ましく採用することができ、具体例としては、例えばポリアルキルフェニルシロキサンを挙げることができる。
断熱層21には、このような中空粒子が20vol%以上75vol%以下の比率で含まれていることが好ましい。断熱層21の厚みは50μm以上100μm以下であることが好ましい。断熱層21は、強度又は硬度の向上のためのフィラー材が含まれていてもよい。
<塗膜密着性評価試験1>
T6処理を施したAl合金(溶湯鍛造アルミニウム合金AC8A)製基板に、エッチング液のNaOH濃度及び接触時間を種々に変えてアルカリエッチングを行なった。このエッチングの浴温度は50℃とした。そうして、水洗及び乾燥を行なった後、その表面粗さRz及び水との接触角θ'を測定した。アルカリエッチング前のAl合金製基板は、表面粗さRz=10.66μmであり、接触角θ'=55°であった。
次いで、上記乾燥後のAl合金製基板に、中空粒子とシリコーン系樹脂との混合物を塗布し、乾燥及び焼成を行なうことによって塗膜(断熱層)を形成した(官能基導入工程なし)。中空粒子としてはシラスバルーンを用い、シリコーン系樹脂としてはチラノコートVN−100(宇部興産社製シリコーン樹脂の商品名)を用いた。 得られた塗膜のシラスバルーン含有率は28.5vol%である。そうして、塗膜の密着性をJIS K5600に準じたクロスカット試験(10×10マス)により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015105430
表1によれば、例外はあるが、エッチング液のNaOH濃度が高くなるほど、また、接触時間が長くなるほど、表面粗さRzが大きくなり、また、水との接触角θ'が小さくなる傾向が見られる。そして、塗膜の密着性が高いケース(等級5,判定良)は、表面粗さRzが12.8μm以上であり、接触角θ'が30゜以下である。アルカリエッチングによる表面粗さの増大に伴うアンカー効果の増大と、OH基の導入に伴う濡れ性の向上及び水素結合の増強によって、塗膜の密着性が高くなったと考えられる。
<塗膜密着性評価試験2>
上記評価試験1のNaOH濃度0.50%、1.00%及び2.00%各々の接触時間が60秒のケースに関して、アルカリエッチング、水洗及び乾燥の各工程の後、大気圧プラズマ処理によって上記Al合金製基板に水素結合性官能基を導入し、しかる後に水との接触角θ'の測定を行なった。また、当該官能基の導入後のAl合金製基板に、評価試験1と同じ塗膜(断熱層)を形成し、その塗膜の密着性を同様のクロスカット試験により評価した。
大気圧プラズマ処理は、動作ガス通常Air、ガス流量40L/分、印加電圧280V、照射距離5mm、処理速度1.5m/分、及び送りピッチ10mmの条件で行なった。このプラズマ処理により、Al合金製基板に水素結合性官能基としてOH基が導入される。結果を表2に示す。
Figure 2015105430
表2によれば、NaOH濃度が異なる各ケースでは、表1の対応する各ケースよりも水との接触角θ'が小さくなっており、プラズマ処理によるOH基の導入効果が認められる。また、NaOH濃度0.50%、1.00%、2.00%の各ケースで塗膜の密着性は等級5であり、プラズマ処理により塗膜の密着性が高くなることがわかった。
19 ピストン本体(Al合金製基材)
19a 頂面(所定面)
21 断熱層(塗膜)

Claims (6)

  1. Al合金製基材表面に塗膜を設ける際の当該基材表面の処理方法であって、
    上記Al合金製基材の所定面にアルカリ性エッチング液を所定時間接触させるアルカリエッチング工程と、上記エッチング液を接触させた所定面を水洗し、乾燥させる工程と、しかる後に上記所定面の少なくとも一部に塗膜を形成する工程とを備え、
    上記乾燥工程後の上記所定面の表面粗さRzが12.8μm以上となり且つ水との見かけの接触角が30゜以下となるように、上記アルカリエッチングをコントロールすることを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
  2. 請求項1において、
    上記エッチング液を接触させる工程では、濃度が0.5質量%以上1.0質量%以下であるNaOH水溶液を用いて上記接触時間を120秒以上とし、又は、濃度が2.0質量%以上であるNaOH水溶液を用いて上記接触時間を60秒以上とすることを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記乾燥工程の後上記塗膜形成工程の前に、上記所定面の少なくとも一部に水素結合性官能基を導入する工程を更に備えていることを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
  4. 請求項3において、
    上記水素結合性官能基を導入する工程が、上記所定面の少なくとも一部にプラズマを照射するプラズマ処理であることを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
  5. 請求項4において、
    上記プラズマ照射を大気圧で行なうことを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記塗膜は、上記基材よりも熱伝導率が低いシリコーン系樹脂膜であることを特徴とする塗膜形成用のAl合金製基材表面の処理方法。
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