JP2015105302A - 樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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陽介 尾上
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熊澤 貞紀
Sadanori Kumazawa
貞紀 熊澤
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Abstract

【課題】成形性、耐熱性などの特性に優れる樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂100重量部に対して、(B)結晶核剤0.1〜30重量部、(C)可塑剤1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)にて測定される樹脂組成物中の(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂の昇温結晶化温度(Tcc)および降温結晶化温度(Tc)の温度差(Tc−Tcc)が10℃〜20℃の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂100重量部に対して、(B)結晶核剤0.1〜30重量部、(C)可塑剤1〜10重量部を配合してなり、成形性、耐熱性などの特性に優れる樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
近年では、地球環境保全の見地から、土中や水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目されており、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これらのうち溶融成形が可能な生分解性ポリマーとして、例えば、ポリヒドロキシブチレートやポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分と、エチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなる脂肪族ポリエステルおよびポリ乳酸などがよく知られている。これらの中でも、ポリ乳酸樹脂は、モノマーである乳酸を、とうもろこしなどのバイオマスを原料として、微生物を利用した発酵法により安価に製造できるようになり、また、融点もおよそ170℃と高く、溶融成形可能なバイオポリマーとして期待されている。しかしながら、ポリ乳酸樹脂は、結晶化速度が遅いため、結晶化させて成形品として用いるには限界があり、例えば、ポリ乳酸樹脂を射出成形する場合には、長い成形サイクル時間や成形後の熱処理を必要とするだけでなく、成形時や熱処理時の変形が大きいなど、実用的には大きな問題があった。
この問題を改良するための方法として、D体含有量の低いポリ乳酸を用いる方法や、ポリ乳酸以外の樹脂、無機充填剤、結晶核剤、可塑剤などを添加する方法が従来から検討されている。
特許文献1〜3には、D体含有量の低いポリ乳酸に対し、結晶核剤や可塑剤を配合し、場合によっては、ポリ乳酸以外の樹脂やガラス繊維などの無機充填剤を配合することにより、成形性、耐熱性およびその他の機械特性などに優れる樹脂組成物およびその成形品が記載されており、成形性、耐熱性についてはある程度の改良効果はあるものの、耐ブリードアウト性や耐加水分解性は不十分であり、成形性、耐熱性、耐ブリードアウト性、耐加水分解性などの特性のいずれにも優れる樹脂組成物は得られていない。
以上のように、いずれの方法を用いても、成形性、耐熱性、耐ブリードアウト性、耐加水分解性などの特性のいずれにも優れる樹脂組成物を得ることは非常に困難であるが、実用的に問題なく使用できる材料への要望は多く、さらなる改良が求められていた。
特開2013−213124号公報 特開2009−24081号公報 特開2008−173966号公報
本発明は、上述した先行技術において困難であった、成形性および耐熱性に優れ、好ましい態様により、耐ブリードアウト性および耐加水分解性にも優れる樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂100重量部に対して、(B)結晶核剤0.1〜30重量部、(C)可塑剤1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)にて測定される樹脂組成物中の前記(A)ポリ乳酸樹脂の昇温結晶化温度(Tcc)および降温結晶化温度(Tc)の温度差(Tc−Tcc)が10℃〜20℃の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物、
(2)(B)結晶核剤が、タルクであることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物、
(3)(B)結晶核剤であるタルクのD50平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする(2)記載の樹脂組成物、
(4)溶融混練前の前記(A)ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量が、0eq/t〜40eq/tの範囲内であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の樹脂組成物、
(5)(1)〜(4)いずれか記載の樹脂組成物からなる成形品
である。
本発明によれば、成形性、耐熱性などの特性に優れる樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することができる。
[(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂]
本発明において、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂、すなわち、(A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂を用いる。成形性、耐熱性の点で、D体含有量が0.4%以下または99.6%以上が好ましく、D体含有量が0.3%以下または99.7%以上がさらに好ましく、D含有量が0.2%以下または99.8%以上が特に好ましい。また、通常、D体含有量の下限は0%以上、上限は100%以下である。なお、D体含有量とは、ポリ乳酸樹脂を構成する総乳酸単位のうち、D体すなわちD乳酸単位が占める割合(%)である。したがって、例えば、D体含有量が0.5%のポリ乳酸樹脂の場合、このポリ乳酸樹脂は、D乳酸単位が占める割合が0.5%であり、L乳酸単位が占める割合が99.5%である。ここでいうD体含有量とは、硫酸銅水溶液を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定したD体含有量である。
本発明において、ポリ乳酸樹脂とは、L乳酸および/またはD乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などから生成する単位が挙げられる。このような共重合単位は、全単量体単位を100モル%としたときに、通常0〜30モル%の含有量とするのが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、乳酸からの直接重合法およびラクチドを介する開環重合法など公知の方法を用いることができるが、D体含有量、分子量およびカルボキシル末端基量などが好ましい態様のポリ乳酸樹脂を得ることができる点で、開環重合法が好ましい。いずれのポリ乳酸樹脂の製造方法においても原料として乳酸が用いられ、原料として用いる乳酸の光学純度が高いこと、すなわち、乳酸のD体含有量が0.5%未満または99.5%超であることが好ましく、D体含有量が0.4%以下または99.6%以上であることがより好ましく、D体含有量が0.3%以下または99.7%以上であることがさらに好ましく、D含有量が0.2%以下または99.8%以上であることが特に好ましい。また、D体含有量の下限は0%以上、上限は100%以下である。
本発明において、D体含有量は、重合温度により影響を受け、高温になるほど、ラセミ化反応を起こしやすく、結果としてD体含有量が増加しやすいが、重合温度を制御することでD体含有量の増加を抑制することができる。重合温度としては、160℃〜180℃の範囲内が好ましく、160℃〜170℃の範囲内がより好ましい。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されるものではないが、引張強度等の機械物性や耐熱性に優れる点で、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、特に好ましくは20万以上であるのがよい。上限は特に制限されないが、好ましくは80万以下、さらに好ましくは60万以下、より好ましくは40万以下であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の融点は、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることがさらに好ましい。
本発明において、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂の昇温結晶化温度(Tcc)は、成形性が向上し、温水温度条件に設定した金型を用いた場合の成形性が向上する点で、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。
本発明において、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂の降温結晶化温度(Tc)は、成形性および耐熱性が向上する点で、90℃以上であることが好ましく、95℃以上がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
本発明において、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂のTccおよびTcの温度差(Tc−Tcc)は、10℃〜20℃の範囲内であり、成形性および耐熱性が優れる点で、11℃〜19℃の範囲内がより好ましく、12℃〜18℃の範囲内がさらに好ましい。
本発明において、昇温結晶化温度(Tcc)とは、ポリマーが非晶状態から結晶化する温度であり、昇温結晶化温度が低いほど、結晶の成長速度が速いことを示す。また、降温結晶化温度(Tc)とは、ポリマーが溶融状態から結晶化する温度であり、降温結晶化温度が高いほど、結晶核の生成速度が速いことを示す。すなわち、この昇温結晶化温度および降温結晶化温度の温度差が大きいほど結晶化特性に優れ、成形性および耐熱性が向上する。
本発明において、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂の融点、昇温結晶化温度、降温結晶化温度は、示差走査熱量計(DSC)にて測定される。本発明において、TcおよびTccを所望に設定するためには、後述する(B)結晶核剤や(C)可塑剤を配合することで、制御することができる。
本発明において、溶融混練前のポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量は、0eq/t〜40eq/tの範囲内であり、1eq/t〜30eq/tの範囲内がより好ましく、2eq/t〜20eq/tの範囲内がさらに好ましく、3eq/t〜10eq/tの範囲内が特に好ましい。なお、一般的に溶融混練や射出成形などの溶融加工工程では、熱分解が発生しやすく、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量は増加しやすい。本発明においては、樹脂組成物、または、成形品中のポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量は、1eq/t〜60eq/tの範囲内が好ましく、2eq/t〜50eq/tの範囲内がより好ましく、3eq/t〜40eq/tの範囲内がさらに好ましく、4eq/t〜30eq/tの範囲内が特に好ましく、5eq/t〜20eq/tの範囲内が最も好ましい。
本発明において、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量は、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解し、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定して測定する。
本発明において、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量が少なすぎると、耐加水分解性、強度などの機械特性が向上するものの、溶融加工時にポリマーの熱分解に起因するガス発生量が増加し、プレートアウトなどの課題がある。また、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端が多すぎると、可塑剤の水酸基末端とが適度に反応し、耐ブリードアウト性が向上するものの、耐加水分解性、強度などの機械特性が低下する課題がある。
本発明において、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量は、ポリ乳酸樹脂の製造方法における重合工程において、例えば、触媒量を制御することや、重合開始剤としてアルコール類を添加することにより、所望のカルボキシル末端基量に制御できる。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の重合に用いる触媒としては、金属触媒、非金属触媒のいずれでもよいが、金属触媒が好ましい。金属触媒としては、錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物などの公知の金属触媒を用いることができる。
本発明において、金属触媒を用いる場合、ポリ乳酸樹脂の残存触媒量をできる限り少なくすることにより、カルボキシル末端基量を少なくすることができる。ここで、残存触媒量とは、重合時に添加された金属触媒に含まれる金属について、ポリ乳酸樹脂中に残存する含有量で表す。
本発明において、ポリ乳酸樹脂の残存触媒量は、耐ブリードアウト性、耐加水分解性、加えて、溶融加工時のガス成分を少なくすることができるなどの点で、1ppm〜500ppmの範囲内であることが好ましく、5ppm〜400ppmの範囲内がより好ましく、10ppm〜300ppmがさらに好ましく、10ppm〜100ppmが特に好ましい。
本発明において、重合開始剤として用いるアルコール類としては、例えば、モノアルコールとしては、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール等の脂肪族多価アルコール、あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコールなどが挙げられる。
本発明において、重合開始剤として用いるアルコール類の添加量は、モノマーである乳酸またはラクチド100重量部に対して、0.01〜0.5重量部が好ましく、0.02〜0.3重量部がより好ましく、0.03〜0.2重量部がさらに好ましい。
[(B)結晶核剤]
本発明において、(B)結晶核剤としては、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤が挙げられる。
本発明において、無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、マイカ、合成マイカ、クレイ、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などが挙げられ、耐熱性を向上させる効果が大きいという点で、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、マイカおよび合成マイカが好ましく、成形性の点で、タルクがより好ましい。これらは1種でもよく、2種以上を併用してもよい。これらの無機系結晶核剤は、樹脂組成物中での分散性を向上させるために、有機物で修飾されていることが好ましい。
本発明において、有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)などのカルボン酸アミド、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどが挙げられ、耐熱性を向上させる効果が大きいという観点からは、有機カルボン酸金属塩およびカルボン酸アミドが好ましい。これらは単独ないし2種以上用いることができる。
本発明の有機系結晶核剤の具体例としては、芳香環を有するホスホン酸金属塩も挙げられる。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、ピリジン環およびピラン環等のいずれでもよいが、成形性、耐熱性およびコストの点で、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。芳香環を有するホスホン酸金属塩を形成する芳香環を有するホスホン酸成分の具体例としては、フェニルホスホン酸、2−メチルフェニルホスホン酸、3−メチルフェニルホスホン酸、4−メチルフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、2−イソプロピルフェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、2−ニトロフェニルホスホン酸、3−ニトロフェニルホスホン酸、4−ニトロフェニルホスホン酸、2−メチル−4−ニトロフェニルホスホン酸、3−メチル−5−ニトロフェニルホスホン酸、2−メトキシ−4−ニトロフェニルホスホン酸、2−クロロ−5−メチルフェニルホスホン酸、2−フルオロフェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸、2−ヨードフェニルホスホン酸、2,3−キシリルホスホン酸、2,4−キシリルホスホン酸、2,5−キシリルホスホン酸などが挙げられ、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香環を有するホスホン酸金属塩において、金属種としては、特に限定されないが、成形性、耐熱性および耐久性の点で、周期律表の1A族から6B族までの軽金属および重金属が好ましく、成形性および耐熱性の点で、2価の金属がより好ましく、中でも、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅および亜鉛のいずれか1種がさらに好ましく、亜鉛が特に好ましい。これらは、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、原料として用いる(B)結晶核剤のD50平均粒子径は、0.001〜20μmであることが好ましく、0.01〜10μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好ましい。(B)結晶核剤のD50平均粒子径を本発明の好ましい範囲内とすることで、樹脂組成物中での(B)結晶核剤の分散性を向上させることができ、成形性、耐衝撃性および耐熱性が向上する。ここで、D50平均粒子径とは、X線透過式粒度分布測定装置を用い、液相沈降法で測定したD50平均粒子径のことである。
本発明において、(B)結晶核剤の配合量は、(A)ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部であり、0.5〜20重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
[(C)可塑剤]
本発明において、(C)可塑剤としては、例えば、ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油系可塑剤などを挙げることができる。
本発明において、ポリエステル系可塑剤としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルやポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
本発明において、グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンモノアセトモノモンタネートまたはグリセリントリアセテートなどを挙げることができ、ポリオキシエチレングリセリントリアセテートなどのようにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシド単位を付加されているものでもよい。また、ジグリセリンパルミチン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステルなどのポリグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができる。
本発明において、多価カルボン酸エステル系可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジルまたはフタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチルまたはトリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、コハク酸イソデシル、コハク酸トリエチレングリコールモノメチルエーテルエステルまたはコハク酸ベンジルメチルジグリコールエステルなどのコハク酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルエステル、アジピン酸ジエチレングリコールモノメチルエーテルエステル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコールエステル、アジピン酸ベンジルメチルジグリコールエステル、アジピン酸またはアジピン酸ベンジルブチルジグリコールエステルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチルまたはセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
本発明において、ポリアルキレングリコール系可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ブロックおよび/またはランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールまたはそれらの末端エポキシ変性化合物または末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができ、耐熱性の点で、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)ブロックおよび/またはランダム共重合体が好ましい。
本発明において、エポキシ系可塑剤としては、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
本発明において、ヒマシ油系可塑剤としては、ヒマシ油およびその誘導体であれば、いずれでもよく、例えば、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマシ硬化油、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、リシノール酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、ヘプチル酸、ヒマシ油脂肪酸縮合物、ヒマシ油脂肪酸エステル、メチルリシノレート、エチルリシノレート、イソプロピルリシノレート、ブチルリシノレート、エチレングリコールモノリシレート、プロピレングリコールモノリシレート、トリメチロールプロパンモノリシレート、ソルビタンモノリシレート、ヒマシ油脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ヒマシ油系ポリオール、ヒマシ油系トルオールまたはヒマシ油系ジオールなどを挙げることができ、透明性の点で、ヒマシ油脂肪酸エステル、メチルリシノレート、エチルリシノレート、イソプロピルリシノレート、ブチルリシノレート、エチレングリコールモノリシレート、プロピレングリコールモノリシレート、トリメチロールプロパンモノリシレート、ソルビタンモノリシレート、ヒマシ油脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ヒマシ油エチレンオキシド付加物、ヒマシ油系ポリオール、ヒマシ油系トルオールまたはヒマシ油系ジオールが好ましい。
また、その他の可塑剤としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ポリオキシエチレンジアセテート、ポリオキシエチレンジ(2−エチルヘキサノエート)、ポリオキシプロピレンモノラウレート、ポリオキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジベンゾエート、ポリオキシプロピレンジベンゾエートなどのポリオールエステル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸エトキシカルボニルメチルジブチル、クエン酸ジ−2−エチルヘキシル、アセチルリシノール酸メチルまたはアセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、大豆油、大豆油脂肪酸、大豆油脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、菜種油、菜種油脂肪酸、菜種油脂肪酸エステル、エポキシ化菜種油、亜麻仁油、亜麻仁油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸エステル、エポキシ化亜麻仁油、ヤシ油またはヤシ油脂肪酸などの植物油系化合物、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイルまたはパラフィン類などを挙げることができる。
本発明において、可塑剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、耐ブリードアウト性に優れる点で、可塑剤は、水酸基末端を有することが好ましく、該可塑剤を用いた場合には、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基と適度に反応し、耐ブリードアウト性を向上させることができる。
本発明において、可塑剤の水酸基末端量は、水酸基価で表すことができ、可塑剤の水酸基価は、1〜50mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましく、10〜20mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明において、可塑剤の水酸基価は、無水酢酸を含むピリジンにて溶解し、水酸化カリウムで滴定して測定する。
本発明において、(C)可塑剤の配合量は、(A)ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、1〜10重量部の範囲であり、1〜8重量部の範囲がより好ましく、2〜5重量部の範囲がさらに好ましい。
[熱安定剤]
本発明において、さらに熱安定剤を添加することが好ましい。熱安定剤を添加することにより、溶融加工時にポリマーの熱分解に起因するガス発生量を抑制でき、プレートアウトを改善することができる。
本発明において、熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、ビタミン系化合物、トリアゾール系化合物、多価アミン系化合物、ヒドラジン誘導体系化合物、ホスフェート系化合物やホスファイト系化合物などのリン系化合物などが挙げられ、特に、ホスフェート系化合物やホスファイト系化合物などのリン系化合物が好ましい。
本発明において、ホスファイト系化合物の具体的な商品名としては、ADEKA製“アデカスタブ”C、PEP−4C、PEP−8、PEP−11C、PEP−24G、PEP−36、HP−10、2112、260、522A、329A、1178、1500、C、135A、3010、TPP、チバ・スペシャリティケミカルズ製“イルガフォス”168、住友化学工業製“スミライザー”P−16、クラリアント製“サンドスタブ” P−EPQ、GE製“ウエストン”618、619G、624などが挙げられる。
本発明において、ホスフェート系化合物の具体的な商品名としては、チバ・スペシャリティケミカルズ製“イルガノックス”MD1024、イーストマン製“インヒビター”OABH、ADEKA製“アデカスタブ”CDA−1、CDA−6、AX−71などを挙げることができる。
本発明において、熱安定剤の配合量は、(A)ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.002〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.02〜0.2重量部であることがさらに好ましい。
[多層構造重合体]
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、多層構造重合体を添加することができる。多層構造重合体とは、最内層(コア層)とそれを覆う1以上の層(シェル層)から構成され、また、隣接し合った層が異種の重合体から構成される、いわゆるコアシェル型と呼ばれる構造を有する重合体である。
本発明において、多層構造重合体としては、上述した条件を満たすものとして、市販品を用いてもよく、また、公知の方法により作製することもできる。市販品としては、例えば、三菱レイヨン製”メタブレン”、カネカ製”カネエース”、ロームアンドハース製”パラロイド”、ガンツ化成製”スタフィロイド”またはクラレ製”パラフェイス”などが挙げられ、これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明において、多層構造重合体の配合量は、特に限定されるものではないが、(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対し、1〜100重量部であることが好ましく、10〜70重量部であることがより好ましく、15〜50重量部であることが最も好ましい。
[その他の熱可塑性樹脂]
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の熱可塑性樹脂を添加することができる。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン樹脂およびアクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂などのスチレン系樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂などの芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などを挙げることができ、1種でもよく2種以上を併用してもよい。
[その他の添加剤]
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば、無機結晶核剤とは異なる充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、セリサイト、ベントナイト、ドロマイト、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトまたは白土など)、紫外線吸収剤(レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩、シリコン化合物など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
[製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は、本発明で規定する要件を満たす限り、特に限定されるものではないが、例えば、(A)ポリ乳酸樹脂、(B)結晶核剤および(C)可塑剤、必要に応じてその他の添加剤を、単軸または二軸押出機などを用いて、均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を揮発させ除去する方法などが好ましく用いられる。
本発明において、単軸または二軸押出機などを用いて溶融混練する方法としては、好ましい相構造を有する樹脂組成物を得るために、例えば、(A)ポリ乳酸樹脂、(B)結晶核剤および(C)可塑剤、必要に応じてその他添加剤を一括で原料供給口から投入して溶融混練する方法、メインフィーダーから(A)ポリ乳酸樹脂、(B)結晶核剤および(C)可塑剤を供給し、必要に応じてその他の添加剤を押出機の途中に設置したサイドフィーダーから供給する方法などが挙げられる。
本発明において、樹脂組成物を製造する際の、溶融混練温度は、170〜250℃が好ましく、175℃〜240℃がさらに好ましく、180〜230℃が特に好ましい。
[成形品および用途]
本発明の樹脂組成物は、公知の各種成形法により、成形品とすることができる。成形法としては、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形などが好ましく、射出成形品、押出成形品、プレス成形品およびブロー成形品など各種成形品に加工することにより特に有用に利用することができ、また、シート、フィルム、繊維などとして利用することができる。
本発明において、成形法として、射出成形を選択する場合は、金型温度としては、成形性、耐衝撃性および耐熱性の点から、30〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、70〜99℃がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、自動車部品(内装・外装部品など)、電気・電子部品(各種ハウジング、歯車、ギアなど)、建築部材、土木部材、農業資材、および日用品など各種用途に利用することができる。具体的には、エアフローメーター、エアポンプ、サーモスタットハウジング、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブースター部品、各種ケース、各種チューブ、各種タンク、各種ホース、各種クリップ、各種バルブ、各種パイプなどの自動車用アンダーフード部品、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジング、スペアタイヤカバー、ドアトリムなどの自動車用内装部品、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプベゼル、ドアハンドルなどの自動車用外装部品、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクターなど各種自動車用コネクターなどに代表される自動車部品を挙げることができる。また、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、記録媒体(CD、DVD、PD、FDDなど)ドライブのハウジングおよび内部部品、コピー機のハウジングおよび内部部品、ファクシミリのハウジングおよび内部部品、パラボラアンテナなどに代表される電気・電子部品を挙げることができる。さらに、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、ビデオカメラ、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、などに代表される家庭・事務電気製品部品を挙げることができる。また、電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機などのハウジングや内部部品、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、モーターケース、スイッチ、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子部品、サッシ戸車、ブラインドカーテンパーツ、配管ジョイント、カーテンライナー、ブラインド部品、ガスメーター部品、水道メーター部品、湯沸かし器部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具、階段、ドアー、床などの建築部材、釣り糸、漁網、海藻養殖網、釣り餌袋などの水産関連部材、植生ネット、植生マット、防草袋、防草ネット、養生シート、法面保護シート、飛灰押さえシート、ドレーンシート、保水シート、汚泥・ヘドロ脱水袋、コンクリート型枠などの土木関連部材、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、キーステム、カム、ラチェット、ローラー、給水部品、玩具部品、ファン、テグス、パイプ、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの機械部品、マルチフィルム、トンネル用フィルム、防鳥シート、植生保護用不織布、育苗用ポット、植生杭、種紐テープ、発芽シート、ハウス内張シート、農業用塩ビフィルムの止め具、緩効性肥料、防根シート、園芸ネット、防虫ネット、幼齢木ネット、プリントラミネート、肥料袋、試料袋、土嚢、獣害防止ネット、誘因紐、防風網などの農業部材、紙おむつ、生理用品包材、綿棒、おしぼり、便座ふきなどの衛生用品、医療用不織布(縫合部補強材、癒着防止膜、人工器官補修材)、創傷被覆材、キズテープ包帯、貼符材基布、手術用縫合糸、骨折補強材、医療用フィルムなどの医療用品、カレンダー、文具、衣料、食品などの包装用フィルム、トレー、ブリスター、ナイフ、フォーク、スプーン、チューブ、プラスチック缶、パウチ、コンテナー、タンク、カゴなどの容器・食器類、ホットフィル容器類、電子レンジ調理用容器類化粧品容器、ラップ、発泡緩衝剤、紙ラミ、シャンプーボトル、飲料用ボトル、カップ、キャンディ包装、シュリンクラベル、蓋材料、窓付き封筒、果物かご、手切れテープ、イージーピール包装、卵パック、HDD用包装、コンポスト袋、記録メディア包装、ショッピングバック、電気・電子部品などのラッピングフィルムなどの容器・包装、天然繊維複合、ポロシャツ、Tシャツ、インナー、ユニホーム、セーター、靴下、ネクタイなどの各種衣料、カーテン、イス貼り地、カーペット、テーブルクロス、布団地、壁紙、ふろしきなどのインテリア用品、キャリアーテープ、プリントラミ、感熱孔版印刷用フィルム、離型フィルム、多孔性フィルム、コンテナバッグ、クレジットカード、キャッシュカード、IDカード、ICカード、紙、皮革、不織布などのホットメルトバインダー、磁性体、硫化亜鉛、電極材料など粉体のバインダー、光学素子、導電性エンボステープ、ICトレー、ゴルフティー、ゴミ袋、レジ袋、各種ネット、歯ブラシ、文房具、水切りネット、ボディタオル、ハンドタオル、お茶パック、排水溝フィルター、クリアファイル、コート剤、接着剤、カバン、イス、テーブル、クーラーボックス、クマデ、ホースリール、プランター、ホースノズル、食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネット、ペンキャップ、ガスライターなどとして有用である。
以下実施例により本発明を説明する。
実施例および比較例は、下記材料を表に示す配合で用いたが、これらは本発明を限定するものではない。
[参考例1]
D体含有量が0.05%の乳酸から得られたラクチドに対し、触媒として錫含有量が10ppmとなるようオクチル酸錫を添加し、170℃で、3時間、開環重合を行い、D体量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)18万の(A−1−1)ポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定を行ったところ、カルボキシル末端基量は34eq/tであった。
[参考例2]
重合開始剤としてデカンジオール0.2重量部を添加した以外は、参考例1と同様に開環重合を行い、D体量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)17万の(A−1−2)ポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定を行ったところ、カルボキシル末端基量は0eq/tであった。
[参考例3]
重合開始剤としてデカン二酸0.05重量部を添加した以外は、参考例1と同様に開環重合を行い、D体量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)17万の(A−1−3)ポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定を行ったところ、カルボキシル末端基量は52eq/tであった。
[参考例4]
重合開始剤としてデカンジオール0.05重量部を添加した以外は、参考例1と同様に開環重合を行い、D体量0.2%、重量平均分子量(PMMA換算)18万の(A−1−4)ポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定を行ったところ、カルボキシル末端基量は4eq/tであった。
[参考例5]
D体含有量が0.9%の乳酸から得られたラクチドを用いた以外は、参考例1と同様に開環重合を行い、D体量1.4%、重量平均分子量(PMMA換算)18万の(A−2−1)ポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定を行ったところ、カルボキシル末端基量は22eq/tであった。
[参考例6]
エチレンオキシド100重量部に対し、触媒として水酸化ナトリウム1重量部を添加し、開環重合を行い、(C−1−1)ポリアルキレングリコール系可塑剤を得た。得られたポリアルキレングリコール系可塑剤について、無水酢酸を含むピリジンにて溶解し、水酸化カリウムで滴定を行ったところ、水酸基価は5.6mgKOH/gであった。
[参考例7]
参考例6で得られた(C−1−1)ポリアルキレングリコール系可塑剤に対し、さらにプロピレンオキシドを添加量を変えて追添加し、付加重合を行い、(C−1−2)ポリアルキレングリコール系可塑剤および(C−1−3)ポリアルキレングリコール系可塑剤を得た。得られたポリアルキレングリコール系可塑剤について、無水酢酸を含むピリジンにて溶解し、水酸化カリウムで滴定を行ったところ、水酸基価は13mgKOH/gおよび33mgKOH/gであった。
(A)ポリ乳酸樹脂
(A−1)D体含有量が0.5%未満のポリ乳酸樹脂
(A−1−1)ポリ乳酸樹脂(D体含有量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)18万、カルボキシル末端基量34eq/t)
(A−1−2)ポリ乳酸樹脂(D体含有量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)17万、カルボキシル末端基量0eq/t)
(A−1−3)ポリ乳酸樹脂(D体含有量0.4%、重量平均分子量(PMMA換算)17万、カルボキシル末端基量52eq/t)
(A−1−4)ポリ乳酸樹脂(D体含有量0.2%、重量平均分子量(PMMA換算)18万、カルボキシル末端基量4eq/t)
(A−2)D体含有量が0.5%以上のポリ乳酸樹脂
(A−2−1)ポリ乳酸樹脂(D体含有量1.4%、重量平均分子量(PMMA換算)18万、カルボキシル末端基量22eq/t)
(B)結晶核剤
(B−1)タルク(D50平均粒子径4μm、日本タルク社製“ミクロエース”P−6)
(B−2)タルク(D50平均粒子径0.9μm、スペシャリティミネラルズ社製“ウルトラタルク”609)
(C)可塑剤
(C−1)水酸基末端を有する可塑剤
(C−1−1)ポリアルキレングリコール系可塑剤(水酸基価5.6mgKOH/g)
(C−1−2)ポリアルキレングリコール系可塑剤(水酸基価13mgKOH/g)
(C−1−3)ポリアルキレングリコール系可塑剤(水酸基価33mgKOH/g)
(C−2)水酸基末端を有さない可塑剤
(C−2−1)アジピン酸ベンジルメチルジグリコールエステル(大八化学工業社製“DAIFATTY”−101)
(D)熱安定剤
(D−1)ジステアリルアシッドホスフェートおよびモノステアリルアシッドホスフェートの混合物(アデカ社製“アデカスタブ”AX−71)
また、本発明で用いた測定方法および判定方法を以下に示す。
(1)ポリ乳酸樹脂のD体含有量
D体含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、D−乳酸の濃度を検出して測定した。試料50mgをサンプル管に量り取り、超純水2mL、1MのNaOH溶液(溶媒は体積比で水:メタノール=1:4)2mLを添加し、70℃で加熱攪拌して還流を行い完全に溶解させ、1NのHCl水溶液で中和し、2mMの硫酸銅水溶液で5倍希釈し、HPLCの測定は、カラムに東ソー社製TSK−gelEnantio L1を用い、移動相に1mM 硫酸銅水溶液を用い、流速1.0ml/minとし、温度30℃、UV254nmにて検出した。
(2)ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリメチルメタクリレート換算値として測定した。GPCの測定は、検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、ポンプにMODEL510高速液体クロマトグラフィーを用い、カラムにShodexGPC HFIP−806MとShodex GPC HFIP−LGを直列に接続したものを用い、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用い、流速1.0mL/分とし、試料濃度1mg/mLの溶液を0.1mL注入した。
(3)ポリ乳酸樹脂の昇温結晶化温度(Tcc)および降温結晶化温度(Tc)
昇温結晶化温度および降温結晶化温度は、パーキンエルマー社製示差走査熱量計(DSC−7型)により測定した。測定条件は、試料5mg、窒素雰囲気下、昇温速度が20℃/分で30℃から250℃まで昇温した後、250℃で3分間恒温状態に維持し、冷却速度20℃/分で250℃から30℃まで降温した。
(4)ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量
溶融混練前のポリ乳酸樹脂、樹脂組成物、または、成形品中のポリ乳酸樹脂含有量が1gとなるよう樹脂組成物を秤量し、o−クレゾール:クロロホルム=2:1の混合液50mLにて溶解した溶液を、0.05mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定し、カルボキシル末端基量を測定した。
(5)成形性(成形サイクル時間)
射出成形機(住友重機械工業社製SG75H−MIV)を用い、シリンダー温度210℃、金型温度90℃で射出成形を行い、成形性について、引張試験に供することができる引張試験片を金型から取り出す際に、変形のない固化した成形品が得られる最短の時間を成形サイクル時間として計測した。成形サイクル時間が短いほど成形性に優れているといえる。なお、成形サイクルが120秒を超える場合は、生産性の点で非常に不利であり、成形性×とした。
(6)耐熱性(DTUL)
ASTM D648に従い、荷重0.45MPaにおける短冊試験片の荷重たわみ温度を測定した。
(7)引張強度
ASTM D638に従い、引張試験片の引張強度を測定した。
(8)耐加水分解性
恒温恒湿槽(エスペック社製LHL−113)を用い、引張試験片を温度80℃、相対湿度95%条件において25時間加水分解処理を行い、処理前後の引張強度および引張強度保持率を測定した。
(9)耐ブリードアウト性
上述の射出成形直後、および加水分解処理直後の引張試験片表面を観察し、以下の評価基準にて耐ブリードアウト性を評価した。
◎:ブリードアウト無し
○:わずかにブリードアウト有り
△:ややブリードアウト有り
×:顕著にブリードアウト有り
(10)耐プレートアウト性
上述の射出成形時の金型鏡面を観察し、以下の評価基準にて耐プレートアウト性を評価した。
◎:プレートアウト無し
○:わずかにプレートアウト有り
△:ややプレートアウト有り
×:顕著にプレートアウト有り
[実施例1〜14、比較例1〜6]
表1、2に示すように原料を配合し、30mm径、L/D=45の二軸押出機(日本製鋼所製TEX−30α)を用い、シリンダー温度210℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得た樹脂組成物を、射出成形機(住友重機械工業製SG75H−MIV)を用い、シリンダー温度210℃、金型温度90℃で射出成形を行い、耐剥離性評価用の成形品を得た。得た成形品を用いて、各種評価を行った結果を表1、2に示す。
Figure 2015105302
Figure 2015105302
表1、2の結果から、本発明の好ましい範囲内である実施例1〜14では、本発明の好ましい範囲外である比較例1〜6より成形性、耐熱性に優れることがわかる。以下、詳細に比較する。
実施例1〜4の対比より、D体含有量が0.4%のポリ乳酸を用いた実施例1〜3では、射出成形サイクルが50秒、耐熱性が87℃〜88℃に対し、D体含有量が0.2%のポリ乳酸を用いた実施例4では、射出成形サイクルが40秒、耐熱性が97℃を示し、D体含有量が0.3%以下であることにより、成形性および耐熱性が向上することがわかる。また、成形品中のカルボキシル末端基量が16eq/tの実施例4では、引張強度が58MPa、湿熱処理後の引張強度保持率が55%、湿熱処理後のブリードアウトが○とバランスに優れることがわかる。
実施例4〜6の対比より、熱安定剤を0.1重量部配合した実施例5では、湿熱処理後の引張強度保持率が59%、プレートアウトが◎に向上することがわかる。また、熱安定剤を1重量部配合した実施例6では、湿熱処理後の引張強度保持率が25%に低下することがわかる。
実施例1、7との対比より、D体含有量が0.4%のポリ乳酸樹脂、結晶核剤として、D50平均粒子径が0.9μmのタルクを用いた実施例7では、成形サイクルが40秒、耐熱性が91℃と向上することがわかる。
実施例7〜9および比較例3、4との対比より、結晶核剤の配合量を本発明の好ましい範囲内とすることで、成形性、耐熱性および強度などの特性が向上することがわかる。
実施例1、10〜12との対比より、水酸基を有するポリアルキレングリコール系可塑剤を用いることで、水酸基を有さない多価カルボン酸エステル系可塑剤よりも耐ブリードアウト性が向上することがわかる。また、ポリアルキレングリコール系可塑剤としては、水酸基価が10〜20mgKOH/gの場合に、耐ブリードアウト性および耐プレートアウト性が向上することがわかる。
実施例1、13、14および比較例5、6の対比より、可塑剤の配合量を本発明の好ましい範囲内とすることで、成形性、耐熱性および耐ブリードアウト性が向上することがわかる。

Claims (5)

  1. (A)D体含有量が0.5%未満または99.5%超のポリ乳酸樹脂100重量部に対して、(B)結晶核剤0.1〜30重量部、(C)可塑剤1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)にて測定される樹脂組成物中の前記(A)ポリ乳酸樹脂の昇温結晶化温度(Tcc)および降温結晶化温度(Tc)の温度差(Tc−Tcc)が10℃〜20℃の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. (B)結晶核剤が、タルクであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (B)結晶核剤であるタルクのD50平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 溶融混練前の前記(A)ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基量が、0eq/t〜40eq/tの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の樹脂組成物からなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019508602A (ja) * 2015-12-14 2019-03-28 アールストローム−ムンクショー オーイューイー ポリ乳酸繊維系不織布、その製造方法

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