JP2015105220A - 結晶化ガラス粉末、ガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心 - Google Patents

結晶化ガラス粉末、ガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心 Download PDF

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栄明 濱口
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Abstract

【課題】渦電流損およびヒステリシス損がより小さく、かつより高強度の軟磁性複合材を得ることができる結晶化ガラス粉末、そのようなガラス粉末を用いたガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心を提供する。
【解決手段】10%以上のFeを含む結晶化ガラスからなり、かつ1〜500nmの平均粒径を有する結晶化ガラス粉末、この結晶化ガラス粉末を用いたガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶化ガラス粉末、ガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心に関する。
モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの磁心用材料として、鉄や、Fe−Al、Fe−Ni、Fe−Cr、Fe−Siなどの鉄基合金からなる軟磁性粒子またはこのような軟磁性粒子の表面に比抵抗を高めるため絶縁膜を被覆した粒子を、低融点ガラス粉末と共に混合し、圧密後に熱処理することによって、軟磁性粒子または絶縁膜で被覆された軟磁性粒子を、低融点ガラスをバインダー層として結合してなる軟磁性複合材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記軟磁性複合材では、バインダーとして用いる低融点ガラス粉末の粒径が1μm以上と大きいために、軟磁性粒子の周囲に均一に回り込むことができず、バインダー層が不均一になって、強度が低下するという問題があった。また、絶縁膜で被覆した軟磁性粒子を用いた場合には、粒径の大きい低融点ガラス粉末によって、絶縁膜が損傷してしまい、比抵抗を高めることができないという問題があった。
さらに、近時、軟磁性複合材においては、渦電流による損失やヒステリシス損の一層の低減、機械的強度の一層の向上が求められてきており、かかる軟磁性複合材を実現するため、例えば、圧密後の焼成を900〜1000℃で行う、絶縁膜やバインダー層の厚みをできるだけ薄くするなどの要求がある。しかしながら、従来の低融点ガラスでは、900〜1000℃で焼成すると、ガラスが再流動してバインダー層が不均一になり、また、上記のように、その粒径の大きさから厚みが薄く均一なバインダー層を形成することはできず、したがって、近時の要求に応えることができなかった。
一方、絶縁膜で被覆した軟磁性粒子を用いるとともに、低融点ガラス粉末として、ナノオーダーの粒子を用いて軟磁性複合材を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、小さい粒径の低融点ガラス粉末を用いるため、上述したような、低融点ガラス粉末による絶縁膜の損傷や、圧密成形時のバインダー層の不均一性などの問題は解消される。しかしながら、ここで用いる低融点ガラス粉末は、依然として、高温焼成を適用できないガラス粉末、すなわち、高温焼成すると再流動するガラス粉末であるため、渦電流損やヒステリシス損の一層の低減、機械的強度の一層の向上を図るという近時の要求に応えるものではなかった。
特開2004−253787号公報 特開2009−130286号公報
本発明は、従来に比べ渦電流損およびヒステリシス損がより小さく、かつより高強度の軟磁性複合材を得ることができる結晶化ガラス粉末、並びにそのようなガラス粉末を用いたガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る結晶化ガラス粉末は、10モル%以上のFeを含む結晶化ガラスからなり、かつ1〜500nmの平均粒径を有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係るガラスペーストは、上記結晶化ガラス粉末とビヒクルとを含有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る軟磁性複合材は、複数の軟磁性粒子が低融点ガラスを含む境界層を介して結合された軟磁性複合材であって、前記低融点ガラスの材料として上記結晶化ガラス粉末を用いたことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る圧粉磁心は、上記軟磁性複合材を含むことを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べ渦電流損およびヒステリシス損がより小さく、かつより高強度の軟磁性複合材を得ることができる結晶化ガラス粉末、また、そのような結晶化ガラス粉末を用いたガラスペースト、軟磁性複合材、および圧粉磁心が提供される。
本発明の結晶化ガラス粉末の製造に使用される装置の一例を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の結晶化ガラス粉末は、10モル%以上のFeを含む結晶化ガラスからなる粒子であり、1〜500nmの平均粒径を有するものである。
[ガラス組成]
本発明の結晶化ガラス粉末を構成する結晶化ガラスは、Feを10モル%以上含有し、かつガラス中に微細な結晶粒子が析出するものであれば、その他の成分は特に限定されないが、具体的には、Feを10〜40モル%、SiOを10〜70モル%、LiO+NaO+KOを0〜20モル%、MgO+CaOを10〜60モル%含有する結晶化ガラスが例示される。この結晶化ガラスは、モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの磁心用材料として使用される軟磁性複合材、すなわち、鉄や、Fe−Al、Fe−Ni、Fe−Cr、Fe−Siなどの鉄基合金からなる軟磁性粒子またはこのような軟磁性粒子の表面に絶縁膜を被覆した粒子を、低融点ガラスをバインダー層として結合してなる軟磁性複合材の前記低融点ガラスの材料として好適な結晶化ガラスである。
以下、上記結晶化ガラスの組成について説明する。なお、ガラス組成の説明は、特に断らない限り、モル%表示含有量を用いて行う。
Feは、耐熱性の高い結晶を析出させて、この結晶化ガラスに優れた耐高温熱処理性、すなわち、高温(例えば、900〜1000℃)で熱処理しても再流動しにくい特性を付与する成分である。また、高温時に近傍の有機物の分解を促進したり、軟磁性粒子との界面反応を促進することにより、界面接着強度を向上させる成分でもある。Feの含有量は10モル%以上であり、好ましくは10〜40モル%であり、より好ましくは12〜30モル%である。Feの含有量が10%未満では、結晶は析出するものの、その結晶は融点が低くなる傾向があるため、耐高温熱処理性に優れた結晶化ガラスが得られない。また、残留ガラスが多く残存するため、高温で流動するおそれもある。一方、Feの含有量が40%を超えると、ガラスの安定性が損なわれ、安定なガラスが得られないことがある。
SiOは、ガラスの骨格を構成し、ガラスを安定化させる成分である。また、ガラスの軟化点を下げる成分でもある。SiOの含有量は、好ましくは10〜70%であり、より好ましくは15〜65モル%である。SiOの含有量が10%未満ではガラスとしての安定性が低下したり、軟磁性複合材の強度が低下する傾向がある。一方、SiOの含有量が70%を超えると、軟化点が高くなり、熱処理時の軟磁性複合材の焼結性を悪化させる傾向がある。
LiO、NaO、KOは、結晶化ガラスとするための成分であるとともに、ガラスの軟化点を下げる成分でもある。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは0〜20%であり、より好ましくは2〜20%であり、更に好ましくは5〜15モル%である。LiO+NaO+KOの含有量が20%を超えると、ガラスが不安定になり、結晶化しやすくなる傾向がある。
MgO、CaOは、結晶化ガラスとするための成分であるとともに、ガラスの軟化点を下げる成分でもある。MgO+CaOの含有量は、好ましくは10〜60%であり、より好ましくは12〜50モル%である。MgO+CaOの含有量が10%未満では熱処理時に十分に結晶を析出することができなくなる傾向がある。また、ガラスが不安定になる傾向もある。一方、MgO+CaOの含有量が60%を超えると、ガラスが不安定になり、ガラス化しなくなる傾向がある。
この結晶化ガラスには、必要に応じて、B、ZnO、TiO、ZrO、Nb、SnO、CeO、MnO、CoO、NiO、CuO、Sbなどを含有させることができる。
但し、ガラス安定性の点から、Fe、SiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaO以外の成分は、組成物全体の40%を超えないようにすることが好ましく、30%を超えないようにすることがより好ましい。換言すれば、Fe、SiO、LiO、NaO、KO、MgO、CaOの含有量を合計で60%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましい。
は、それを含有させることにより、ガラスを安定化させることができる。但し、あまり多く含有させると、耐熱性が低下するおそれがある。したがって、その含有量は、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。また、添加による上記効果を得るために含有させる場合の含有量は0.1%以上であることが好ましい。
ZnOは、MgO、CaOなどと同様に結晶を構成する成分になり得る成分であるとともに、それを含有させることにより、ガラスの軟化点をより低下させることができる。但し、あまり多く含有させると、耐熱性が低下するおそれがある。したがって、その含有量は、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。また、添加による上記効果を得るためには、含有量は合計で0.1%以上であることが好ましい。
TiO、ZrO2、Nb、SnOは、それを含有させることにより、化学耐久性などを向上させることができる。但し、あまり多く含有させると、ガラスの安定性を損ねるおそれがある。したがって、その含有量は、それぞれ単独で10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。また、添加による上記効果を得るためには、含有量は合計で0.1%以上であることが好ましい。また、含有量は合計で、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。。
CeO、MnO、CoO、NiO、CuO、Sbの各成分は、それを含有させることにより、高温時に近傍の有機物の分解を促進したり、軟磁性粒子との界面反応を促進することにより、界面接着強度を向上させることができる。但し、あまり多く含有させると、ガラスの安定性を損ねるおそれがある。したがって、その含有量は、それぞれ単独で10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。また、添加による上記効果を得るためには、含有量は合計で0.1%以上であることが好ましい。また、含有量は合計で、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。
上記結晶化ガラスには、さらに、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分以外の成分を含有させることができる。そのような成分としては、SrO、BaO、Y、La、Gd、Bi、TeO、V、Ta、MoO、WOなどが挙げられる。
なお、SnOは、ガラスの軟化点を下げる成分であるが、軟磁性粒子と共に焼成する用途では、焼成もしくは熱処理時に金属Snに還元され、軟磁性粒子と反応するおそれがある。したがって、SnOは、不純物として不可避的に含有されることを除き、含まないことが好ましい。不純物として含まれた場合であっても、SnOは5%以下が好ましい。また、鉛酸化物も、環境負荷物質であるため、本発明の結晶化ガラスに含まないことが好ましい。
上記結晶化ガラスの物性について記載する。
上記結晶化ガラスのガラス転移点(Tg)は、軟磁性粒子を低温で均一に被覆する観点から、700℃以下であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましく、630℃以下であることがより一層好ましく、600℃以下であることが特に好ましい。
上記結晶化ガラスのガラス軟化点(Ts)は、軟磁性粒子を低温で均一に被覆する観点から、850以下であることが好ましく、800℃以下であることがより好ましく、750℃以下であることがより一層好ましく、700℃以下であることが特に好ましい。
上記結晶化ガラスの結晶化ピーク温度(Tc)は、後工程での軟磁性粒子の残留歪み除去のための熱処理時の再流動を抑制する観点から、極力低温であることが好ましいが、低すぎると熱処理時の被覆性を損ねるため、500〜850℃であることが好ましく、530〜850℃であることがより好ましく、550〜850℃であることがより一層好ましい。なお、結晶化ピークは前記結晶化ピーク温度(Tc)の高温側にさらに1〜複数あってもよい。これは、第1の結晶が析出した後、第2、第3、さらにそれ以上の結晶が、残留ガラス中から析出する挙動を示しており、再流動を抑制するためにはより有効である。
上記結晶化ガラスの融点(結晶融解温度)(Tm)は、後工程での軟磁性粒子の残留歪み除去のための熱処理時の再流動を抑制する観点から、930℃以上であることが好ましく、950℃以上であることがより好ましく、1000℃以上であることがより一層好ましい。
なお、軟磁性粒子の残留歪みを除去することにより、保磁力を低減でき、ひいては軟磁性複合材のヒステリシス損を低減することができる。
[ガラス粉末の製造]
次に、本発明の結晶化ガラス粉末の製造方法について説明する。
まず、ガラス原料化合物を溶媒に溶解または分散させて液体原料を調製する。ガラス原料化合物は、ガラスを構成する元素を含む化合物であり、例えば、ガラスを構成する各元素の塩化物、窒化物、水和物、有機酸塩(例えば、酢酸塩、蟻酸塩など)、有機化合物、オキソ酸塩、配位化合物、酸、硝酸塩、硫酸塩などが挙げられる。
また、上記ガラス原料化合物を溶解または分散させる溶媒としては、水、アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ペンチルアルコール、2−メトキシアルコールなど)、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの高極性溶媒;ミネラルスピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、灯油(ケロシン)、n−ヘキサン、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン、イソヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの低極性溶媒が挙げられる。
ガラス原料化合物は混合する溶媒によって選択することが好ましく、例えば、溶媒に水を用いる場合には、水溶性の化合物、例えば、塩化物、有機酸塩、硝酸塩などが使用される。また、酸化物や炭酸塩などの水に不溶なものであっても、酸などに溶解させて用いることができる。
高極性溶媒に好適なガラス原料化合物の具体例としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ホウ酸、リン酸、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、硝酸ビスマス、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム、塩化バリウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸ジルコニア、硝酸ニオブ、硝酸セリウム、塩化セリウム、硝酸マンガン、酢酸マンガン、塩化マンガン、硝酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄、酢酸コバルト、塩化コバルト、硝酸ニッケル、酢酸コバルト、塩化ニッケル、硝酸銅、塩化銅などが挙げられる。
また、低極性希釈溶剤に好適なガラス原料化合物の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ホウ素化トリブチル、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸リチウム、ナフテン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウム、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム モノ−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、エチルアセトアセテートアルミニウム ジノルマルブチレート、オクチル酸錫(II)、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキサン酸ジルコニア、2−エチルヘキサン酸ニオブ、ニオブエトキシド、ニオブブトキシド、2−エチルヘキサン酸ビスマス、タングステン(IV)エトキシド、タングステン(IV)イソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ランタン、2−エチルヘキサン酸イットリウム、2−エチルヘキサン酸ガドリニウム、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、2−エチルヘキサン酸セリウム、2−エチルヘキサン酸クロム、2−エチルヘキサン酸マンガン、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸銅、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケルなどが挙げられる。
液体原料中のガラス原料化合物の濃度は、ガラス原料化合物の酸化物換算量の総量として1〜30質量%となる範囲が好ましく、2〜20質量%となる範囲がより好ましい。ガラス原料化合物の濃度が1質量%未満では、必要溶媒量が多くなり環境負荷が大きい。一方、30質量%を超えると、微細なガラス粒子を得にくくなる。また均一な濃度溶液の調製が困難になり、得られるガラス粉末の組成が不均一になるおそれがある。
次に、上記液体原料に対し熱処理を行う。液体原料の熱処理は、火炎または熱風とともに、上記液体原料を反応空間に噴出させることによって行われる。火炎または熱風と共に噴出された液体原料により、噴出と同時に多数の微細な液滴が形成され、これらの液滴はすべて、火炎または熱風の熱で瞬時に、かつ均一に加熱される。このため、液滴は凝集することなく微細な液滴のまま、溶媒が揮発し、この液滴に溶解または分散していたガラス原料化合物が均一に熱分解してガラス化し、微細で均質なガラス粒子が形成される。そして、これらの微細なガラス粒子は、その後の急冷によって、微細で均質な粒子のまま固化する。したがって、微細で真球度(球形度)が高いガラス粉末を安定して得ることができる。
火炎の発生には、水素ガス、プロパンガス、都市ガス、アセチレンガスなどの可燃性ガスと、酸素ガスなどの支燃性ガスの混合ガスを使用することができる。混合ガスの流量は、使用するガスの種類により異なり、例えば、プロパンガスと酸素ガスの組み合わせでは、プロパンガスの流量は、0.7〜1.3NL(ノルマルリットル)/分の範囲が好ましく、0.8〜1.2NL/分の範囲がより好ましく、酸素ガスの流量は、3〜6NL/分の範囲が好ましく、4〜6NL/分の範囲がより好ましい。
本発明においては、火炎を使用する場合、さらに、酸素ガス、空気などの酸化性ガスを反応空間に供給することが好ましい。酸化性ガスを供給することによって、可燃性ガスと支燃性ガスの反応場(反応空間)をより高温にでき、より瞬時に原料を熱分解し微細粒子の核生成させることが可能となり、より真球度の高い微細なガラス粒子を合成できる。酸化性ガスの流量は、6〜18NL/分の範囲が好ましく、7〜15NL/分の範囲がより好ましい。
また、熱風は、例えば、空気、窒素ガスなどを用いることができる。熱風の流量は10〜28NL/分の範囲が好ましく、12〜26NL/分の範囲がより好ましい。
火炎および熱風の温度、すなわち液体原料の熱処理温度は、1500℃以上であることが好ましい。熱処理温度が1500℃未満では、ガラス原料化合物の熱分解反応が十分に行われず、ガラス化しないか、またはガラス化が不十分となるおそれがある。但し、温度があまり高過ぎると、原子量の小さな元素が揮散するおそれがある。したがって、熱処理温度は、より好ましくは1600℃以上であり、1700〜2500℃であるとより一層好ましい。
この後、上記液体原料の熱処理によって生成されたガラス粒子を、バグフィルタなどの捕集装置を用いて捕集し回収する。
上記液体原料の熱処理工程およびガラス粉末の捕集・回収工程は、例えば、図1に示すような装置を用いて行うことができる。
この装置は、図1に示すように、反応空間を形成する反応筒1と、反応筒1の一端側の壁に着脱自在に装着されたバーナ2と、反応筒1の他端側に接続され、反応筒1で生成されたガラス粒子を捕集するバグフィルタ3を有する回収装置4を備える。反応筒1の周囲には、冷却手段として、内部に冷却水が流れる冷却管5が配設されている。また、バーナ2には、液体原料と、可燃性ガスと支燃性ガスの混合ガスと、酸化性ガスとが供給されるようになっている。さらに、回収装置4の下流側には、排気口(図示なし)が開口しており、この排気口にはエジェクタなどの排気装置6が接続されている。
図1に示す装置において、バーナ2から、液体原料と、可燃性ガスと支燃性ガスの混合ガスと、酸化性ガスが反応筒1内に噴出される。その際、混合ガスを燃焼させて火炎を形成させる。これにより、液体原料と酸化性ガスは、混合ガスを燃焼させて形成された火炎とともに反応筒1内に噴出される。反応筒1内に噴出された液体原料は液滴となるが、火炎の熱で瞬時に加熱されて、熱分解反応が起こる。反応筒1の周囲には冷却管5が配置されており、熱分解物は火炎から出ると急速に冷却されてガラス化する。このように液滴が次々とガラス化することによって、ガラス粉末が生成される。生成されたガラス粉末は、バグフィルタ3を有する回収装置4により捕集回収される。
このようにして、反応筒1内に噴出された液体原料により、噴出と同時に多数の微細な液滴が形成され、これらの液滴はすべて、火炎の熱で瞬時に加熱され、火炎を出たところで急速に冷却される。このため、液滴は凝集することなく微細な液滴のまま均一に熱分解されてガラス化し、微細で均質なガラス粒子が形成される。また、バーナ2から、液体原料とともに、酸化性ガスが噴出されるため、反応場をより高温にでき、より瞬時に原料を分解し微細粒子の核を生成させることが可能となる。したがって、微細で真球度(球形度)が高いガラス粉末を安定して得ることができる。
なお、図1に示す装置は、液体原料を火炎と共に反応空間内に噴出させるものであるが、バーナ2に代えて、反応空間(反応筒1)内に熱風および液体原料を噴出させる装置を装着するとともに、液滴となった液体原料が、熱風の熱で熱分解された後急速に冷却されるように構成することもできる。
この装置では、反応筒1内に噴出された液体原料により、噴出と同時に多数の微細な液滴が形成され、これらの液滴はすべて、熱風で瞬時に加熱され、その後、急冷される。このため、液滴は凝集することなく微細な液滴のまま均一に熱分解されてガラス化し、微細で均質なガラス粒子が形成される。したがって、微細で真球度(球形度)が高いガラス粉末を安定して得ることができる。
上記の製造方法によれば、平均粒径が1〜500nmの微細で、かつ平均真球度が0.7以上という高い真球度を有するガラス粒子が得られる。
なお、ガラス粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡などの微細な構造を観測できる装置で得られた画像を解析することによって得ることができる。また、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することも可能である。
また、ガラス粒子の真球度は、ガラス粒子の透過電子顕微鏡写真において測定される、ガラス粒子の重心を通る最小直径Dminと、ガラス粒子の重心を通る最大直径Dmaxとの比Dmin/Dmaxで定義されるもので、平均真球度は、透過電子顕微鏡写真から任意に選択した50〜100個のガラス粒子について測定した真球度の平均値である。真球度は、Dmin/Dmaxの値が1に近づくほど真球度が高いことを示している。
[ガラスペースト]
次に、本発明の結晶化ガラス粉末を用いたガラスペーストについて説明する。
このガラスペーストは、本発明の結晶化ガラス粉末とビヒクルとを含有する。ビヒクルは、溶媒に、必要に応じて、バインダー樹脂、界面活性剤などを添加した液体である。
溶媒としては、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3ヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、テルピネオールなどのアルコール系溶媒;クエン酸アセチルトリエチル、プロピレングリコールジアセテート、コハク酸ジエチル、エチルカルビトールアセテート、トリアセチン、アジピン酸ジメチル、安息香酸エチルなどのエステル系溶媒;プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
バインダー樹脂としては、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネートなどのポリアルキレンカーボネート樹脂;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル系モノマーの1種以上を重合して得られるアクリル系樹脂;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂が好ましい。バインダー樹脂は特に添加しなくてもよい。
界面活性剤は、ビヒクルとガラス粉末などの粉末との分離を抑制するために添加される成分であり、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのノニオン界面活性剤が使用できる。
本発明のガラスペーストにおける溶媒の含有量は、20〜50質量%が好ましく、15〜45質量%がより好ましい。また、バインダ−樹脂を配合する場合、その含有量は、20〜50質量%が好ましく、15〜45質量%がより好ましい。
本発明のガラスペーストには、必要に応じて上記成分以外の成分をさらに配合することができる。このような任意成分としては、無機フィラー、カップリング剤、シリコーン樹脂、着色顔料、消泡剤、分散剤、チキソトロピー付与剤などが挙げられる。
本発明のガラスペーストは、ガラス粉末と、ビヒクルの各成分と、任意成分である無機フィラーなどとを、攪拌機を備えた回転式混合機やロールミル、ボールミルなどを用いた公知の方法により十分に攪拌混合することにより調製することができる。ビヒクルの任意成分は、上記混合前に、均一なビヒクルとなるように予め溶媒と混合しておいてもよい。
このように調製されたガラスペーストは、ガラス、金属、セラミックスなどからなる基材上に、所要の形状、厚さに塗布してガラスペースト層を形成した後、ガラスペースト中のガラス粉末の焼結温度領域で加熱処理することにより、薄く、かつ均一で、その後の高温熱処理によっても再流動しにくい形状保持性に優れたガラス層を形成することができる。
なお、ガラスペーストを用いて基材上にガラスペースト層を形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、メタルマスク印刷などの印刷法を適用して、基材上に塗布する方法、ディスペンサなどを用いて塗布する方法などが用いられる。
また、ガラス質材料の焼結は、このガラス質材料を構成する結晶化ガラスのガラス軟化点(Ts)以上の温度で行われる。加熱処理の方法としては、例えば、熱放射加熱、赤外線加熱、レーザ光照射、誘導加熱などが用いられる。
本発明のガラスペーストは、例えば、圧粉磁心添加用バインダーの用途に有用である。
[軟磁性複合材]
次に、本発明の結晶化ガラス粉末を用いた軟磁性複合材について説明する。
この軟磁性複合材は、後述するように、軟磁性粒子と、本発明の軟磁性複合材用ガラス粒子とを混合して圧密し、焼成したものである。
軟磁性粒子としては、鉄粉末、Fe−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Ni系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末などが挙げられる。これらの鉄粉末、合金粉末の表面には、比抵抗の増大や高強度化を図るなどの目的で設けられた、絶縁皮膜やMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜などが被覆されていてもよい。しかし、本発明の軟磁性複合材用ガラス粒子を用いて製造された軟磁性複合材は、軟磁性粒子の表面に均一で、欠陥がなく、かつ強度の大きい結晶化ガラスの薄膜が形成されるため、絶縁皮膜や酸化被膜が形成されていない鉄粉末や合金粉末の使用で十分である。
軟磁性複合材は、このような軟磁性粒子と本発明の結晶化ガラス粉末とを混合し、所定の形状に圧縮成形した後、好ましくは窒素雰囲気などの非酸化性雰囲気で500〜1000℃で数十分程度焼成することにより製造される。あるいは、本発明の結晶化ガラス粉末を予め有機溶媒、例えばエチルアルコールなどに分散させ、この分散液に軟磁性粒子を浸漬して取り出し、有機溶媒を加熱乾燥して除去し、成形する方法を用いることもできる。ガラス粉末の取り扱い性などの観点からは、後者の方法が好ましい。
このようにして得られる軟磁性複合材は、軟磁性粒子と軟磁性粒子の間に、高温で熱処理されても再流動して軟磁性粒子間の絶縁性が損なわれることがなくかつ軟磁性粒子に対し高い接着力を持つ結晶化ガラスからなる均一性に優れた境界層が設けられているので、渦電流損およびヒステリシス損が小さく、かつ高い強度を有している。このような軟磁性複合材は、モータ、アクチュエータ、磁気センサなどの磁心用材料として有用である。
なお、軟磁性複合材において、結晶化ガラス粉末は、平均粒径が10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがより一層好ましい。また、結晶化ガラス粉末の添加量は、軟磁性粒子に対し0.2〜5質量%であることが好ましい。添加量が0.2質量%未満では、軟磁性粒子と軟磁性粒子の間に均一性の高い境界層が形成されず、渦電流損およびヒステリシス損の増大、強度の低下などを招くおそれがある。また、添加量が5質量%を超えると、磁束密度が低下するおそれがある。結晶化ガラス粉末の添加量は、軟磁性粒子に対し0.2〜3質量%であることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は上記記載内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、例17は比較例であり、その他の例は実施例である。
(例1〜17)
ガラスの組成比が表1、2に示すような組成となるように、金属アルコキシド、配位化合物、有機酸塩など、一般に使用されているガラス原料元素を有する化合物を適宜選択し、合計で361gになるように秤取し混合した後、ミネラルスピリット560mlに溶解して、液体原料を調製した。
次いで、得られた液体原料を、図1に示す装置に供給し、バーナから火炎と共に反応筒に噴出させ、熱分解反応を起こさせた後、急冷して、ガラス粉末を生成した。すなわち、バーナに、支燃性ガスとして酸素ガスを5NL/分、可燃性ガスとしてプロパンガスを1NL/分で供給し、バーナ先端で着火し、火炎(約1800℃)を発生させた。このバーナを反応筒内に挿入した後、液体原料を3.0g/分、酸化性ガスとして酸素ガスを9NL/分で、火炎が噴出しているバーナの中心部から噴出させた。なお、反応中、少なくとも反応筒の出口が低温に保たれるように、反応筒を囲繞するように配置された冷却用配管に、常時、冷却水を流した。その後、生成されたガラス粉末を捕集装置より回収した。
得られたガラス粉末について、透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子(株)製、JEM−1230)により観察するとともに、TEM写真を画像解析ソフトウエアで解析し平均粒径を求めた。またガラス転移点Tg(℃)、ガラス軟化点Ts(℃)、結晶化ピーク温度Tc(℃)、融点Tm(℃)を測定した。測定方法を以下に示す。
[平均粒径]
画像解析ソフトウエア(三谷商事(株)製 WinRoof)を用いて、TEMで撮像した写真の任意の50個の粒子について、2値化処理した後、2値化面積と同じ面積の等価円の直径を粒子径(Li)として求め、下記の式より平均粒径(L)を算出した。
Figure 2015105220
[ガラス転移点Tg]
示差熱量計(ブルカーAXS社製 DSC3300)を用いて、約20mgのガラス粉末を5℃/分の昇温速度で、室温から1000℃まで昇温して測定した。
[ガラス軟化点Ts]
ガラス粉末約20mgを白金パンに入れ、示差熱量計(ブルカーAXS社製 DSC3300)によって昇温速度を10℃/分として測定し、ガラス転移点Tgよりも高温側に現れる軟化流動に伴うDSC曲線の屈曲点における温度をガラス軟化点Tsとした。
[結晶化ピーク温度Tc]
ガラス粉末約20mgを白金パンに入れ、示差熱量計(ブルカーAXS社製 DSC3300)によって昇温速度10℃/分として測定し、結晶化に伴うDSC曲線の発熱ピークの温度を結晶化ピーク温度Tcとした。
[結晶の融点Tm]
ガラス粉末約20mgを白金パンに入れ、示差熱量計(ブルカーAXS社製 DSC3300)によって昇温速度10℃/分として測定し、融解に伴うDSC曲線の急熱ピークの吸熱開始の屈曲部(ショルダー部)を結晶の融点Tmとした。
結果を、表1、2に併せ示す。
Figure 2015105220
Figure 2015105220
表1、2から、本発明のガラス粉末は、ガラス転移点Tgが低く、結晶化温度を有し、融点Tmが1000℃以上であって、1〜500nmの平均粒径を有するものであることがわかる。したがって、本発明のガラス粉末をガラスペースト材料に用いた場合に、薄く、かつ均一で、その後の高温熱処理によっても再流動しにくい形状保持性に優れたガラス層を形成することができる。また、本発明のガラス粉末を軟磁性複合材の製造に使用した場合に、渦電流損失およびヒステリシス損が小さく、かつ高強度の軟磁性複合材を得ることができる。
本発明の結晶化ガラス粉末は、各粒子は微細で高い真球度を有しており、熱処理することにより耐熱性の高い結晶が析出した結晶化ガラスとなる。これを用いることで、薄く、かつ均一で、その後の高温熱処理によっても再流動しにくい形状保持性に優れたガラス層を形成し得るガラス粉末およびガラスペーストが得られ、また、渦電流損およびヒステリシス損が小さく、かつ強度の大きい軟磁性複合材が得られる。したがって、そのような特性が要求される圧粉磁心添加用バインダー材料として、また、モータ、アクチュエータ、磁気センサコアなどの各種電磁気回路部品の素材として使用される軟磁性複合材の材料として好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 10モル%以上のFeを含む結晶化ガラスからなり、かつ1〜500nmの平均粒径を有することを特徴とする結晶化ガラス粉末。
  2. 前記結晶化ガラスが、Feを10〜40モル%、SiOを10〜70モル%、LiO+NaO+KOを0〜20モル%、MgO+CaOを10〜60モル%含有する請求項1に記載の結晶化ガラス粉末。
  3. 前記結晶化ガラスが、Fe、SiO、LiO、NaO、KO、MgOおよびCaOを合量で60モル%以上含む請求項1または2に記載の結晶化ガラス粉末。
  4. ガラス転移点(Tg)が、700℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス粉末。
  5. 結晶化ピーク温度(Tc)が、500〜850℃の範囲にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶化ガラス粉末。
  6. 融点(Tm)が、930℃以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶化ガラス粉末。
  7. 平均粒径が、10〜200nmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶化ガラス粉末。
  8. 複数の軟磁性粒子が低融点ガラスを含む境界層を介して結合された軟磁性複合材の前記低融点ガラスの材料として用いられるガラス粉末である請求項1〜7のいずれか1項に記載の結晶化ガラス粉末。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の結晶化ガラス粉末とビヒクルとを含有することを特徴とするガラスペースト。
  10. 複数の軟磁性粒子が低融点ガラスを含む境界層を介して結合された軟磁性複合材であって、
    前記低融点ガラスの材料として請求項1〜7のいずれか1項記載の結晶化ガラス粉末を用いたことを特徴とする軟磁性複合材。
  11. 請求項10記載の軟磁性複合材を含むことを特徴とする圧粉磁心。
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