JP2015104395A - 超音波診断装置 - Google Patents

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芝沼 浩幸
Hiroyuki Shibanuma
浩幸 芝沼
大広 藤田
Tomohiro Fujita
大広 藤田
石塚 正明
Masaaki Ishizuka
正明 石塚
輝樹 萩原
Teruki Hagiwara
輝樹 萩原
亀石 渉
Wataru Kameishi
渉 亀石
周太 藤原
Shuta Fujiwara
周太 藤原
聡 神山
Satoshi Kamiyama
聡 神山
孝行 椎名
Takayuki Shiina
孝行 椎名
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【課題】素子選択スイッチに発生するスパイクノイズの影響を低減する。【解決手段】超音波診断装置100は、それぞれに第1の端子及び第2の端子が設けられた複数個の振動素子を有する超音波プローブ2と、前記複数個の振動素子の前記第1の端子に接続された第1の素子選択スイッチ及び前記第2の端子に接続された第2の素子選択スイッチを連動してON/OFF動作させることにより超音波送受信に必要な振動素子を選択する振動素子選択部33と、選択された前記振動素子に所定の駆動信号を供給し被検体に対して送信超音波を放射させる送信部31と、前記送信超音波の放射により前記被検体から得られる受信超音波に基づいて前記振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する受信部32と、整相加算後の受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部5と、前記画像データを表示する表示部6とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、超音波プローブが有する複数の振動素子の中から所望の振動素子を、スイッチング回路を用いて選択駆動することにより被検体に対する超音波走査を行う超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルス(送信超音波)を被検体内へ放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる超音波反射波(受信超音波)を前記振動素子により電気信号な受信信号に変換してモニタ上に表示するものである。複数の振動素子に供給する駆動信号や前記振動素子から得られる受信信号の遅延時間を制御することにより超音波の送受信方向や集束点を電子的に制御することが可能な近年の超音波診断装置では、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作で各種のリアルタイム画像データを容易に観察することができるため、生体臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
特に、生体内の組織あるいは血球からの反射波により生体情報をリアルタイムで得ることが超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の技術開発により急速な進歩を遂げ、これらの技術を用いて得られるBモード画像データやカラードプラ画像データ等は、今日の超音波診断において不可欠なものとなっている。
このような超音波診断装置の送信モードにおいて、超音波プローブが有するNx個の振動素子の中から選択されたNt個の送信用振動素子及びNr個の受信用振動素子を用いて被検体に対する超音波送受信(超音波走査)を行う際、振動素子の選択機能を有した高耐圧のスイッチング回路(以下、素子選択スイッチと呼ぶ。)を用いて上述の送信用振動素子及び受信用振動素子を選択する方法が行われている。
即ち、送信モードにおいて超音波診断装置の送信部から供給される大振幅の駆動信号は、上述の素子選択スイッチによって選択されたNt個の送信用振動素子に対して供給され、又、受信モードにおいて被検体内から得られる微小振幅の受信超音波は、前記素子選択スイッチによって選択されたNr個の受信用振動素子によって受信される。
図9は、従来の超音波診断装置において行われてきた送信用振動素子及び受信用振動素子の選択方法を示したものであり、例えば、図示しない送信部が備えたNtチャンネルからなる駆動信号発生部313xの各々は、振動素子選択部33xに設けられた素子選択スイッチSxna(n=1乃至Nx)を介して超音波プローブ2が有する振動素子2n(n=1乃至Nx)の第1の端子(信号側端子)c2na(n=1乃至Nx)に接続され、振動素子2nの第2の端子(接地側端子)c2nb(n=1乃至Nx)は接地される。
そして、送信モードにおいて駆動信号発生部313xが生成した大振幅の駆動信号は、振動素子選択部33xの素子選択スイッチSxnaによってNx個の振動素子の中から選択されたNt個の送信用振動素子の第1の端子c2naへ供給され、被検体に対する送信超音波の放射が行われる。
一方、受信モードにおいて被検体から得られる受信超音波は、振動素子選択部33xの素子選択スイッチSxnaによってNx個の振動素子の中から選択されたNr個の受信用振動素子によって受信され、この受信用振動素子の第1の端子c2naから振動素子選択部33xを介して供給された受信信号は、図示しない受信部が備えたプリアンプ321xのリミッタ回路Limへ供給される。
しかしながら、このような従来の方法によれば、送信用振動素子や受信用振動素子の選択を目的として振動素子選択部33xの素子選択スイッチSxnaがON/OFF動作する際にスパイク状のスイッチングノイズ(以下では、スパイクノイズと呼ぶ。)が発生し、このスパイクノイズは、駆動信号発生部313xから供給される駆動信号と共に振動素子の第1の端子に印加される。そして、振動素子に対するスパイクノイズの印加により不要な送信超音波が上述の振動素子から被検体内へ放射されるため、このとき収集される画像データには当該スパイクノイズに起因して発生したアーチファクトが混在するという問題点を有していた。
そして、このようなアーチファクトを低減するために、送信用振動素子及び受信用振動素子の選択における素子選択スイッチの切り替えタイミングを互いにずらすことにより不要な送信超音波の影響を低減させる方法が提案されている。
特開2006−149720号公報
上述の特許文献1等に記載されているように、送信用振動素子及び受信用振動素子を選択する際の切り替えタイミングを互いにずらすことにより所定方向に対する不要な送信超音波の放射を低減することができる。例えば、素子選択スイッチの切り替えタイミングをランダムに設定することにより不要な送信超音波は被検体内の広範囲な領域に分散して放射されるため、画像データに発生する局所的なアーチファクトは軽減される。
しかしながら、このような方法においても振動素子を駆動するスパイクノイズの総エネルギーは不変なため、このスパイクノイズに起因したアーチファクトを低減して良質な画像データを得ることは不可能であるという問題点を有していた。
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波プローブに設けられた複数個の振動素子を選択駆動して被検体に対する超音波送受信を行う際、振動素子の選択に用いる素子選択スイッチにて発生したスパイクノイズの影響を相殺することにより、被検体に対する不要な送信超音波の放射を低減することが可能な超音波診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示の超音波診断装置は、それぞれに第1の端子及び第2の端子が設けられた複数個の振動素子を有する超音波プローブと、前記複数個の振動素子の前記第1の端子に接続された第1の素子選択スイッチ及び前記第2の端子に接続された第2の素子選択スイッチを連動してON/OFF動作させることにより超音波送受信に必要な振動素子を選択する振動素子選択手段と、前記振動素子選択手段によって選択された前記振動素子に所定の駆動信号を供給し被検体に対して送信超音波を放射させる送信手段と、前記送信超音波の放射により前記被検体から得られる受信超音波に基づいて前記振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する受信手段と、整相加算後の受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
本開示の実施形態における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 本実施形態の超音波診断装置が備える送受信部の具体的な構成を示すブロック図。 本実施形態のコンベックス走査に対応した送信用振動素子及び受信用振動素子の選択方法を説明するための図。 本実施形態の送受信部が備える駆動信号発生部、プリアンプ及び振動素子選択部の具体的な回路構成を示す図。 本実施形態の超音波診断装置が備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図。 本実施形態の振動素子選択部が備えた素子選択スイッチにて発生するスパイクノイズを説明するタイムチャート。 本実施形態の変形例における駆動信号発生部、プリアンプ及び振動素子選択部の具体的な回路構成を示す図。 本実施形態の変形例が備えたプリアンプのT/Rスイッチにて発生するスパイクノイズを説明するタイムチャート。 従来の超音波診断装置が備える送受信部の駆動信号発生部、プリアンプ及び振動素子選択部の回路構成を示す図。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
(実施形態)
以下に述べる本実施形態の超音波診断装置が備える送受信部の振動素子選択部は、超音波プローブに設けられたNx個の振動素子の中から所定方向の超音波送受信に用いるNt個の送信用振動素子及びNr個の受信用振動素子を選択する際、従来、信号側端子として振動素子の超音波放射面に設けられた第1の端子に接続されている第1の素子選択スイッチ及び接地用端子として前記振動素子の裏面に設けられた第2の端子に接続されている第2の素子選択スイッチを動作させて当該超音波送受信に必要な振動素子を選択することにより、素子選択スイッチの切り替え時に発生するスパイクノイズに起因して振動素子から被検体内へ放射される不要な送信超音波を軽減する。
尚、以下の実施形態では、コンベックス走査方式の超音波診断装置について述べるが、セクタ走査方式やリニア走査方式等の他の走査方式が適用された超音波診断装置であってもよい。
(装置の構成)
本開示の実施形態における超音波診断装置の構成と機能につき図1乃至図6を用いて説明する。但し、図1は、超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2及び図5は、この超音波診断装置が備える送受信部及び受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図である。
図1に示す本実施形態の超音波診断装置100は、被検体の診断対象部位を含む撮影領域に対して超音波パルス(送信超音波)を放射し前記診断対象部位から得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換するNx個の振動素子を有した超音波プローブ2と、前記診断対象部位に対して送信超音波を放射するための駆動信号を超音波プローブ2が有するNx個の振動素子の中から選択したNt個の送信用振動素子へ供給し、同様にして選択したNr個の受信用振動素子から得られるNrチャンネルの受信信号を整相加算する送受信部3と、整相加算後の受信信号を処理して超音波データとしてのBモードデータ及びカラードプラデータを生成する受信信号処理部4と、当該診断対象部位に対する超音波送受信(超音波走査)によって得られた上述の超音波データに基づいて画像データを生成する画像データ生成部5を備え、更に、画像データ生成部5によって生成された各種の画像データを表示する表示部6と、被検体情報の入力、超音波データ収集条件や画像データ生成条件の設定、各種コマンド信号の入力等を行う入力部7と、送信用振動素子及び受信用振動素子の選択制御や送受信部3に対する送信遅延時間及び受信遅延時間の制御等を行う走査制御部8と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部9を備えている。
以下に、本実施形態の超音波診断装置100が備えた上記ユニットの具体的な構成とその機能について更に詳しく説明する。
図1の超音波プローブ2は、図示しないNx個の振動素子をその先端部に有し、これら振動素子の各々は、Nxチャンネルの多芯ケーブルを介して送受信部3が備える後述の振動素子選択部33に接続されている。振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には電気的な駆動信号を送信超音波に変換し、受信時には受信超音波を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
尚、以下では、説明を簡単にするために、コンベックス走査に対応した本実施形態の超音波プローブ2が有するNx個の振動素子の中から選択されたNt個の送信用振動素子及びNr個の受信用振動素子を用いて当該被検体に対する超音波走査を行う場合について述べる。即ち、Nx個の振動素子の中から送受信部3が備える後述の振動素子選択部33によって選択されたNt個の送信用振動素子が駆動されて送信超音波が被検体内へ放射され、この送信超音波によって被検体内から得られる受信超音波は、同様にして選択されたNr個の受信用振動素子によってNrチャンネルの受信信号に変換される。
次に、送受信部3は、図2に示すように超音波プローブ2に設けられたNx個の振動素子の中からNt個の送信用振動素子とNr個の受信用振動素子を選択する振動素子選択部33と、当該被検体に対して送信超音波を放射するための駆動信号を上述の振動素子選択部33によって選択されたNt個の送信用振動素子へ供給する送信部31と、同様にして選択されたNr個の受信用振動素子から得られるNrチャンネルの受信信号を整相加算(即ち、所定方向からの受信超音波に対応する受信信号を位相合わせして加算合成)する受信部32を備えている。
送信部31は、送信遅延設定部311、駆動制御信号生成部312及び駆動信号発生部313を備え、送信遅延設定部311は、走査制御部8の図示しない遅延時間制御部から供給される遅延時間制御信号に従い、送信超音波を所定の方向へ偏向するための偏向用遅延時間と所定の距離に集束させるための集束用遅延時間とに基づいた送信遅延時間を設定する。この場合の送信遅延時間は、送信用振動素子数Nt、振動素子の配列間隔、送信方向及び送信焦点距離等によって一義的に決定され、これらの遅延時間は図示しない演算回路を用いて算出してもよいが、ルックアップテーブルとして予め保管された各種遅延時間データの中から選択して用いてもよい。
次に、送信部31の駆動制御信号生成部312は、送信遅延設定部311から供給される送信遅延時間の情報に基づき、Ntチャンネルからなる送信用振動素子の各々に対応した駆動制御信号を生成して駆動信号発生部313へ供給する。そして、駆動信号発生部313は、駆動制御信号生成部312から供給される駆動制御信号に基づいて所定方向に対する送信超音波の放射に対応した送信遅延時間と所定の振幅を有したNtチャンネルの駆動信号を生成する。そして、得られた駆動信号を振動素子選択部33によって選択された上述の送信用振動素子へ供給する。
一方、送受信部3の受信部32は、超音波プローブ2に設けられた受信用振動素子の各々に対応するNrチャンネルのプリアンプ321及びA/D変換器322と、整相加算部323とを備えている。受信部32のプリアンプ321は、超音波プローブ2が備えるNr個の受信用振動素子から振動素子選択部33を介して供給される微小振幅の受信信号を増幅して十分なS/Nを確保するためのものであり、その初段部には、送信部31の駆動信号発生部313が発生する大振幅の駆動信号から当該プリアンプ321を保護するための図示しないリミッタ回路が設けられている。そして、プリアンプ321において所定の大きさに増幅されたNrチャンネルの受信信号はA/D変換器322にてデジタル信号に変換され整相加算部323へ供給される。
受信部32の整相加算部323は、図示しない受信遅延設定部と加算部を有し、受信遅延設定部は、A/D変換器322においてデジタル信号に変換されたNrチャンネルの受信信号に対し所定方向にて強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間と所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間に基づいた受信遅延時間を設定する。そして、加算部は、上述の受信遅延時間が与えられたNrチャンネルの受信信号を加算合成(整相加算)する。
次に、送受信部3の振動素子選択部33は、既に述べたように走査制御部8が備える図示しない素子選択制御部から供給される素子選択制御信号に基づき、送信時には、超音波プローブ2に備えられたNx個の振動素子の中からNt個の送信用振動素子を選択する。又、受信時には、上記Nx個の振動素子の中からNr個の受信用振動素子を選択する。
そして、送信部31の駆動信号発生部313が出力するNtチャンネルの駆動信号は、振動素子選択部33によって選択されたNt個の送信用振動素子へ供給され、同様にして、振動素子選択部33によって選択されたNr個の受信用振動素子から得られたNrチャンネルの受信信号は受信部32のプリアンプ321へ供給される。
以下では、コンベックス走査方式の超音波走査を例に、振動素子選択部33の具体的な機能を説明する。図3は、コンベックス走査に対応した超音波プローブ2における送信用振動素子及び受信用振動素子の選択方法を示したものであり、ここでは説明を簡単にするために、同一の振動素子を送信用振動素子及び受信用振動素子として選択し、1回の超音波送受信に使用する送信用振動素子及び受信用振動素子の素子数を夫々5としているが、振動素子の選択方法はこれらに限定されない。
即ち、図3に示すように、凸状の形態を有した超音波プローブ2の前面に沿って所定間隔で配列されたNx個の振動素子21乃至2Nxを用いてコンベックス走査を行う際、送受信部3の振動素子選択部33は、例えば、第1の送受信区間(レート区間)において振動素子21乃至25を送信用振動素子群及び受信用振動素子群として選択することにより、これら振動素子の配列方向に略垂直な第1の方向η1に対して超音波送受信が行われる。又、第2の送受信区間では、振動素子22乃至26を選択して用いることにより第2の方向η2に対して超音波送受信が行われ、更に、同様の手順を繰り返すことによりNt(Nt=5)個の送信用振動素子及びNr(Nr=5)個の受信用振動素子を用いたコンベックス走査が行われる。
次に、図4を用いて、送信部31の駆動信号発生部313、受信部32のプリアンプ321及び振動素子選択部33の具体的な回路構成について説明する。
図2に示したNtチャンネルからなる駆動信号発生器313の各々は、例えば、図4に示すように駆動制御信号生成部312から供給される2チャンネルの駆動制御信号Sc1及びSc2に基づいて超音波プローブ2に設けられた送信用振動素子を駆動するための駆動信号を発生する機能を有し、2チャンネルからなるバッファー回路Bf1及びBf2、スイッチング回路Sw1及びSw2、ダイオード回路Da及びDbと1個のパルストランスPtを有している。
そして、パルストランスPtを構成する1次側巻線L1のセンタータップは直流電源Vpに接続され、1次側巻線L1の端子c1はスイッチング回路Sw1の端子c5に、又、1次側巻線L1の端子c2はスイッチング回路Sw2の端子c8に夫々接続されている。又、スイッチング回路Sw1の端子c6及びスイッチング回路Sw2の端子c9は接地され、スイッチング回路Sw1の制御信号入力端子c7及びスイッチング回路Sw2の制御信号入力端子c10は、バッファー回路Bf1の出力端子c11及びバッファー回路Bf2の出力端子c12と接続されている。
一方、パルストランスPtを構成する2次側巻線L2の端子c3は、ダイオード回路Da及び振動素子選択部33の第1の素子選択スイッチSxna(n=1乃至Nx)を介して超音波プローブ2が備えるNx個の振動素子2n(n=1乃至Nx)の第1の端子c2na(n=1乃至Nx)に接続され、同様にして、2次側巻線L2の端子c4は、ダイオード回路Db及び振動素子選択部33の第2の素子選択スイッチSxnb(n=1乃至Nx)を介して上記振動素子2nの第2の端子c2nb(n=1乃至Nx)に接続されている。
即ち、駆動信号発生部313のスイッチング回路Sw1及びSw2は、駆動制御信号生成部312からバッファー回路Bf1及びBf2を介して自己の制御信号入力端子c7及びc10へ供給される2チャンネルの駆動制御信号Sc1及びSc2によってON(短絡)状態あるいはOFF(開放)状態が決定される。そして、駆動制御信号生成部312からバッファー回路Bf1を介して供給される駆動制御信号Sc1によりスイッチング回路Sw1がON状態となった場合、直流電源Vpから1次側巻線L1及びスイッチング回路Sw1を介してパルス電流が流れ、このパルス電流に伴って2次側巻線L2の端子c3と端子c4との間には所定電圧Voaを有した第1の駆動信号が出力される。
同様にして、駆動制御信号生成部312からバッファー回路Bf2を介して供給される駆動制御信号Sc2によりスイッチング回路Sw2がON状態となった場合、直流電源Vpから1次側巻線L1及びスイッチング回路Sw2を介してパルス電流が流れ、このパルス電流に伴って2次側巻線L2の端子c3と端子c4の間には所定電圧Vob(Vob=−Voa)を有した第2の駆動信号が出力される。
そして、駆動信号発生部313から出力された第1の駆動信号及び第2の駆動信号は、振動素子選択部33が備える第1の素子選択スイッチSxna及び第2の素子選択スイッチSxnbによって超音波プローブ2が備えるNx個の振動素子2nの中から選択された送信用振動素子に供給される。
例えば、振動素子選択部33の素子選択スイッチSx1a及びSx1bがON状態になった場合、駆動信号発生部313から出力された第1の駆動信号は、素子選択スイッチSx1aを介して振動素子21の第1の端子c21aに供給され、第2の駆動信号は、素子選択スイッチSw1bを介して振動素子21の第2の端子c21bに供給される。
尚、2次側巻線L2の端子c3に接続されたダイオード回路Da及び端子c4に接続されたダイオード回路Dbは、所定の閾値より大きな振幅を有するノイズを排除する機能を有し、これらのノイズが超音波プローブ2の送信用振動素子へ供給されることによる不要な送信超音波の発生を防止している。
又、駆動信号発生部313のスイッチング回路Sw1及びSw2には、例えば、同一のスイッチング特性を有したNチャンネルのFETが用いられ、駆動制御信号生成部312からバッファー回路Bf1及びBf2を介して駆動制御信号Sc1及びSc2が供給される期間においてON/OFF動作を順次行う。この場合、FETのドレイン端子c5及びc8は、パルストランスPtを構成する1次側巻線L1の端子c1及び端子c2に接続され、カソード端子c6及びc9は接地される。又、FETのゲート端子c7及びc10は、バッファー回路Bf1及びBf2の出力端子c11及びc12に接続され、ゲート端子c7及びc10に供給される駆動制御信号に基づいて各々のFETにおけるドレイン端子とカソード端子とのON/OFFが行われる。
一方、図2に示した受信部32のプリアンプ321は、例えば、図4に示すように上述の駆動信号発生部313が備えるダイオード回路Daの出力信号(第1の駆動信号)に対応した第1のリミッタ回路Lm1とダイオード回路Dbの出力信号(第2の駆動信号)に対応した第2のリミッタ回路Lm2と増幅回路Apを備えている。
そして、ダイオードD11乃至D16と抵抗R11及びR12によって構成される第1のリミッタ回路Lm1は、増幅回路Apの入力インピーダンスをダイオード回路Daから大振幅で出力される第1の駆動信号に対して高く設定し、超音波プローブ2の受信用振動素子から振動素子選択部33を介して供給される微小振幅の受信信号に対して低く設定する機能を有している。同様にして、ダイオードD21乃至D26と抵抗R21及びR22によって構成される第2のリミッタ回路Lm2は、上述の入力インピーダンスをダイオード回路Dbから大振幅で出力される第2の駆動信号に対して高く設定し、超音波プローブ2から供給される微小振幅の受信信号に対して低く設定する機能を有している。
例えば、第1のリミッタ回路Lm1は、高耐圧のプレーナダイオードやショットキーダイオード等のダイオードD11乃至D14によって構成されるブリッジ回路とダイオードD15及びD16によって構成されるクランプ回路を有している。そして、ブリッジ回路を構成するダイオードD11のアノードとダイオードD12のアノードには、抵抗R11を介して正の直流電圧V3が印加され、ダイオードD13のカソードとダイオードD14のカソードには抵抗R12を介して負の直流電圧V4(V4=−V3)が印加される。このような構成を有したブリッジ回路のダイオードD11乃至D14に対してバイアス電流を常時流すことにより微小振幅の受信信号に対するON抵抗を低くしている。
一方、方向が異なる2つのダイオードD15及びD16を並列接続して構成されるクランプ回路の一方の端部(例えば、ダイオードD15のアノードとダイオードD16のカソードとの接続部)をブリッジ回路の出力端子に接続し、他の端部(ダイオードD15のカソードとダイオードD16のアノードとの接続部)を接地することにより、所定の閾値より大きな振幅を有する第1の駆動信号を排除することができる。
同様にして、第2のリミッタ回路Lm2は、ダイオードD21乃至D24によって構成されるブリッジ回路とダイオードD25及びD26によって構成されるクランプ回路を有し、駆動信号発生部313のダイオード回路Dbから大振幅で出力される第2の駆動信号及び超音波プローブ2から振動素子選択部33を介して供給される微小振幅の受信信号に対して第1のリミッタ回路Lm1と同様の機能を有している。
このような構成のプリアンプ321を用いることにより、送信部31の駆動信号発生部313から供給される大振幅の駆動信号に対して高入力インピーダンスを呈し、超音波プローブ2の振動素子から供給される微小振幅の受信信号に対して低入力インピーダンスを呈する。従って、第1の駆動信号及び第2の駆動信号のようにダイオードの閾値より大きな振幅を有する信号やノイズはクランプされ、受信用振動素子から供給される受信信号のように前記閾値より小さな振幅を有する信号はそのまま増幅回路Apへ供給されるため、駆動信号による増幅回路Apの破壊を防止することができる。
次に、図1に示した受信信号処理部4の具体的な構成につき図5のブロック図を用いて説明する。この受信信号処理部4は、受信部32の整相加算部323から出力される整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、前記受信信号を信号処理してカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部42を備えている。
Bモードデータ生成部41は、上述の整相加算部323から出力される受信信号に対して包絡線検波を行う包絡線検波器411と、包絡線検波後の受信信号に対する対数変換処理により小さな信号振幅が相対的に強調されたBモードデータを生成する対数変換器412を備えている。
一方、カラードプラデータ生成部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備え、受信部32の整相加算部323から出力される受信信号を直交位相検波してI信号及びQ信号からなる複素信号を生成する。
更に、カラードプラデータ生成部42は、ドプラ信号記憶部424、MTIフィルタ425及び自己相関演算器426を備え、直交位相検波によって得られた複素信号は、ドプラ信号記憶部424に一旦保存される。一方、高域通過用デジタルフィルタであるMTIフィルタ425は、ドプラ信号記憶部424に保存された上述の複素信号を読み出し、この複素信号に含まれた臓器の固定反射体あるいは臓器の呼吸性移動や拍動性移動等に起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。そして、自己相関演算器426は、MTIフィルタ425によって抽出された血流情報を示すドプラ成分(血流成分)に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて得られた血流の平均流速値、分散値、パワー値等を用いてカラードプラデータを生成する。
図1へ戻って、画像データ生成部5は、図示しないBモード画像データ生成部とカラードプラ画像データ生成部を備え、Bモード画像データ生成部は、受信信号処理部4のBモードデータ生成部41から時系列的に供給されるBモードデータを超音波の送受信方向に対応させて順次保存することにより臓器の形態診断等に有効なBモード画像データを生成する。同様にして、カラードプラ画像データ生成部は、受信信号処理部4のカラードプラデータ生成部42から時系列的に供給されるカラードプラデータを順次保存することにより臓器の機能診断等に有効なカラードプラ画像データを生成する。
一方、表示部6は、図示しない表示データ生成部、データ変換部及びモニタを備え、画像データ生成部5が生成したBモード画像データやカラードプラ画像データを表示する。例えば、表示データ生成部は、画像データ生成部5のBモード画像データ生成部が生成したBモード画像データにカラードプラ画像データ生成部が生成したカラードプラ画像データを重畳し、更に、被検体情報や超音波データ収集条件等の付帯情報を付加して表示データを生成する。そして、データ変換部は、表示データ生成部にて生成された表示データに対しD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行ってモニタに表示する。
入力部7は、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、被検体情報の入力、超音波データ収集条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定、各種コマンド信号の入力等を行う。
走査制御部8は、図示しない遅延時間制御部と素子選択制御部を備え、遅延時間制御部は、システム制御部9から供給される走査指示信号に基づいて当該被検体の診断対象部位を含む撮影領域に対し超音波走査を行うための遅延時間制御を送信部31の送信遅延設定部311及び受信部32の整相加算部323に対して行う。
一方、素子選択制御部は、システム制御部9から供給される走査指示信号に基づいて超音波プローブ2が備えるNx個の振動素子の中からNt個の送信用振動素子及びNr個の受信振動素子をレート周期で順次選択するための素子選択制御信号を送受信部3の振動素子選択部33へ供給する。
システム制御部9は、図示しないCPUと入力/設定情報記憶部を備え、入力/設定情報記憶部には、入力部7にて入力あるいは設定された各種の情報が保存される。そして、CPUは、上述の入力情報や設定情報に基づいて超音波診断装置100の各ユニットを統括的に制御し、当該被検体の撮影領域に対する超音波送受信と、この超音波送受信によって得られた受信信号に基づく画像データの生成及び表示を実行させる。
次に、本実施形態によるアーチファクトの低減について述べる。
従来の超音波装置では、図9において既に述べたように、振動素子選択部33xが備える素子選択スイッチSxna(n=1乃至Nx)を用いて超音波プローブ2が有するNx個の振動素子2n(n=1乃至Nx)の中から所望の送信用振動素子及び受信用振動素子を選択する際、素子選択スイッチSxnaは、振動素子2nの第1の端子c2na(n=1乃至Nx)に対してのみ設けられ、第2の端子は接地していた。
このため、これらの素子選択スイッチSxnaがON/OFF動作する際に発生するスパイクノイズは、駆動信号発生部313xから供給される駆動信号と共に振動素子2nの第1の端子c2naに印加される。そして、振動素子2nに対するスパイクノイズの印加により不要な送信超音波が上述の振動素子2nから被検体内へ放射されるため、このとき収集される画像データにはスパイクノイズに起因して発生したアーチファクトが混在するという問題点を有していた。
このような従来の振動素子選択方法に対して本実施形態の振動素子選択部33は、図4に示したように超音波プローブ2が備えた振動素子2nの各々に対して2個の素子選択スイッチ(即ち、第1の素子選択スイッチSxna及び第2の素子選択スイッチSxnb(n=1乃至Nx))を備えている。
そして、送信部31の駆動信号発生部313から正の極性で出力された第1の駆動信号は、振動素子選択部33の第1の素子選択スイッチSxnaを介して振動素子2nの第1の端子c2naに供給され、駆動信号発生部313から負の極性で出力された第2の駆動信号は、第2の素子選択スイッチSxnbを介して従来の方法では接地されていた振動素子2nの第2の端子c2nbに供給される。このような極性の異なる2つの駆動信号を振動素子2nの各々に供給することにより送信超音波の放射が行われる。
一方、振動素子選択部33は、走査制御部8の素子選択制御部から供給される素子選択制御信号に基づいて所望の送信用振動素子及び受信用振動素子を選択する際、第1の素子選択スイッチSxna及び第2の素子選択スイッチSxnbにおいてスパイクノイズが発生する。しかしながら、第1の素子選択スイッチSxnaのスイッチング特性と第2の素子選択スイッチSxnbのスイッチング特性とが略等しい場合、振動素子2nの第1の端子c2naと第2の端子c2nbには振幅と形状が等しい同相のスパイクノイズが印加されることにより振動素子2nの振動は互いに制動される。このため、スパイクノイズに起因して振動素子2nから放射される不要な送信超音波を防止することができる。
次に、超音波プローブ2の振動素子2nを選択する際に第1の素子選択スイッチSxna及び第2の素子選択スイッチSxnbにおいて発生するスパイクノイズにつき図6のタイムチャートを用いて説明する。
図6(a)は、例えば、システム制御部9から走査制御部8等に供給される所定周期Toの基準パルス(レートパルス)を示しており、送信部31における駆動制御信号及び駆動信号の生成や振動素子選択部33における送信用振動素子及び受信用振動素子の選択はこのレートパルスに同期して行われる。
図6(b)は、走査制御部8の素子選択制御部が上述のレートパルスに基づいて生成した素子選択制御信号であり、この素子選択制御信号が振動素子選択部33へ供給されることにより、例えば、期間[t12−t17]において超音波プローブ2が備えるNx個の振動素子の中からNt個の送信用振動素子及びNr個の受信用振動素子が選択される。
一方、図6(c)は、駆動信号発生部313において生成され、上述の振動素子選択部33によって選択された送信用振動素子に対して供給される所定の遅延時間と振幅を有した駆動信号を示しており、時刻t12において選択された送信用振動素子は、時刻t12に後続する時刻t13において駆動信号発生部313から供給された上述の駆動信号によって駆動され、被検体内に送信超音波を放射する。
図6(d)は、被検体内から得られる受信超音波に基づいて画像データが生成される期間を示しており、画像データの生成は、時刻t13において送信用振動素子が駆動され被検体内へ送信超音波が放射された直後の時刻t14を起点として開始される。
そして、図6(e)は、振動素子選択部33に設けられ、図6(b)に示した素子選択制御信号の選択開始時刻t12及び選択終了時刻t17において振動素子2nの第1の端子c2naに接続された第1の素子選択スイッチSxnaに発生するスパイクノイズを、又、図6(f)は、同様にして振動素子選択部33に設けられ、上述の選択開始時刻t12及び選択終了時刻t17において振動素子2nの第2の端子c2nbに接続された第2の素子選択スイッチSxnbに発生するスパイクノイズを夫々示している。
この場合、振動素子2nの第1の端子c2na及び第2の端子c2nbには、時刻t13の駆動信号に先行する時刻t12及び時刻t21のレートパルスに先行する時刻t17において第1の素子選択スイッチSxnaのスパイクノイズと第2の素子選択スイッチSxnbのスパイクノイズが印加されるが、これらのスパイクノイズは同相であり、略同一の振幅と形状を有しているため各々のスパイクノイズによって振動素子内に新たに生ずる電場は互いに打ち消しあい、振動素子2nに対する駆動は抑止される。
即ち、本実施形態のように、振動素子の第1の端子及び第2の端子に接続された同一のスイッチング特性を有する第1の素子選択スイッチ及び第2の素子選択スイッチを略同時に動作させて超音波送受信に用いる送信用振動素子及び受信用振動素子を選択することにより、振動素子選択時に上述の素子選択スイッチから発生するスパイクノイズに起因して振動素子から被検体内へ放射される不要な送信超音波を防止することが可能となる。
(変形例)
次に、本実施形態の変形例につき図7のブロック図と図8のタイムチャートを用いて説明する。尚、本変形例の送信部31が備える駆動信号発生部313と受信部32が備えるプリアンプ321aの具体的な回路構成を示す図7において、図4に示した回路ユニットと同一の構成と機能を有する回路ユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
上述の実施形態では、複数個のダイオードによって構成されるブリッジ回路とクランプ回路により増幅回路Apの入力インピーダンスを、駆動信号発生部313から出力される大振幅の駆動信号に対して高く設定し、振動素子から振動素子選択部33を介して供給される微小振幅の受信信号に対して低く設定するリミッタ回路を備えたプリアンプ321について述べたが、本変形例では、上述のリミッタ回路321の替わりに送信モードと受信モードの切り替えを行うスイッチング回路(以下、T/Rスイッチと呼ぶ。)を備えている。
即ち、本変形例では、図7に示すようにプリアンプ321aが備える増幅回路Apを、駆動信号発生部313から出力される大振幅の駆動信号から保護する同一のスイッチング特性を有した第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybを備え、これらのT/Rスイッチは、後述のT/R切り替え制御信号によって決定される送信モードではOFF状態となることにより増幅回路Apに対する駆動信号の入力を阻止し、受信モードではON状態となることにより超音波プローブ2の受信用振動素子から振動素子選択部33を介して供給される微小振幅の受信信号を受信する機能を有している。
この場合、増幅回路Apは、第1の入力端子Ia及び第2の入力端子Ibを有する差動処理機能を備え、第1の入力端子Iaは、第1のT/RスイッチSyaを介して駆動信号発生部313が備えるダイオード回路Daの出力端子に、又、第2の入力端子Ibは、第2のT/RスイッチSybを介してダイオード回路Dbの出力端子に夫々接続されている。このような増幅回路Apと第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybによって構成されたプリアンプ321aによれば、既に述べたように駆動信号による破壊を防止し、微小振幅の受信信号を選択的に受信することが可能となるのみならず、第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybが発生する同相のスパイクノイズが画像データに与える影響を大幅に低減することができる。
次に、本変形例において送信モードと受信モードとの切り替え時に第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybにおいて発生するスパイクノイズにつき図8のタイムチャートを用いて更に詳しく説明する。尚、図8(a)乃至図8(f)に示したレートパルス、素子選択制御信号、駆動信号、画像データ生成期間、第1の素子選択スイッチ及び第2の素子選択スイッチが発生するスパイクノイズは、図6(a)乃至図6(f)に示したものと同様であるため説明は省略する。
図8(g)は、上述の第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybのON/OFF動作(即ち、受信モード/送信モード)を制御するT/R切り替え制御信号を示したものであり、例えば、図8(a)に示した時刻t11のレートパルスから図8(c)の駆動信号による送信用振動素子の駆動が終了する時刻t15までの送信モード期間[t11−t15]において第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybはOFF状態となり、時刻t15から次のレートパルス時刻t21までの受信モード期間[t15−t21]において上述のT/RスイッチはON状態となる。
図8(h)は、図8(g)のT/R切り替え制御信号における送信モード開始時刻t11及び受信モード開始時刻t15において増幅回路Apの第1の入力端子Iaに接続された第1のT/RスイッチSyaに発生するスパイクノイズを、又、図8(i)は、同様にして増幅回路Apの第2の入力端子Ibに接続された第2のT/RスイッチSybに発生するスパイクノイズを模式的に示している。即ち、第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybでは、送信モード開始時刻t11、t21、t31(図示せず)、・・・において等しい振幅と形状を有した同相のスパイクノイズが発生し、同様にして、受信モード開始時刻t15、t25(図示せず)・・・においても等しい振幅と形状を有した同相のスパイクノイズが発生する。
この場合、増幅回路Apの第1の入力端子Ia及び第2の入力端子Ibに入力された上述のスパイクノイズは差動処理によって相殺される。このため、特に、画像データ生成期間[t14−t16]において送信モードから受信モードへの切り替えが行われる時刻t15において第1のT/RスイッチSya及び第2のT/RスイッチSybによるスパイクノイズが発生しても、増幅回路Apを用いてこれらのスパイクノイズを差動処理ことにより、スパイクノイズに起因して画像データに出現するアーチファクト(画像ノイズ)を低減することが可能となる。
以上述べた本開示の実施形態によれば、超音波プローブに設けられた複数個の振動素子を選択駆動して被検体内へ送信超音波を放射する際、振動素子の第1の端子に接続された第1の素子選択スイッチ及び第2の端子に接続された第2の素子選択スイッチを用いて所望の振動素子を選択することにより、これらの素子選択スイッチに発生するスパイクノイズに起因して振動素子から被検体内へ放射される不要な送信超音波は軽減され、この送信超音波によって画像データに生ずるアーチファクトを抑えることができる。
特に、同一のスイッチング特性を有する第1の素子選択スイッチ及び第2の素子選択スイッチを用いることにより各々の素子選択スイッチから発生するスパイクノイズの振動素子に与える影響は相殺される。
又、振動素子が選択される際に第1の素子選択スイッチにて発生するスパイクノイズの影響及び第2の素子選択スイッチにて発生するスパイクノイズの影響は、差動処理機能を有するプリアンプによって相殺される。このため、これらのスパイクノイズが直接関与して画像データに出現するアーチファクト(画像ノイズ)を低減することが可能となる。
一方、複数のダイオードを用いたブリッジ回路及びクランプ回路によって構成される2チャンネルのリミッタ回路の替わりに送信モードと受信モードを切り替える2チャンネルのT/Rスイッチを用いた上述の変形例によれば、プリアンプを簡単な回路構成で実現することができ、消費電力の低減も可能となる。この場合、送信モードと受信モードの切り替え時に各々のT/Rスイッチにおいて発生するスパイクノイズは、差動処理機能を有するプリアンプの増幅回路によって相殺される。このため、これらのスパイクノイズが直接関与して画像データに出現するアーチファクト(画像ノイズ)を低減することができる。
又、上述の実施形態及びその変形例によれば、送受信部の外部に設けられた、例えば、DC/DCコンバータ等のユニットにおいて発生するノイズに対しても同様な相殺効果が得られるため、不要な送信超音波の放射に起因したアーチファクトや上述のノイズが直接関与したアーチファクト(画像ノイズ)の画像データに対する混入を防止することが可能となる。
以上、本開示の実施形態及びその変形例について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、更に変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施形態では、コンベックス走査方式の超音波診断装置100について述べたが、セクタ走査方式やリニア走査方式等の他の走査方式が適用された超音波診断装置であってもよい。
又、走査制御部8が備える遅延時間制御部は、送信部31の送信遅延設定部311及び受信部32の整相加算部323に対して超音波走査に対応した偏向用遅延時間制御と集束用遅延時間制御を行う場合について述べたが、特に、並列同時受信法が適用されないコンベックス走査やリニア走査等においては、集束用遅延時間制御のみを行ってもよい。
更に、受信信号処理部4が超音波データとして生成したBモードデータ及びカラードプラデータに基づいて画像データを生成する場合について述べたが、Bモードデータあるいはカラードプラデータの何れか一方を用いて画像データを生成してもよく、スペクトラムデータやMモードデータ等の超音波データを用いて画像データを生成してもよい。
一方、上述の実施形態では、超音波プローブ2が有するNx個の振動素子の全てに対して選択可能な振動素子選択部33について述べたが、これに限定されるものではなく、予め限定された振動素子の中から当該超音波走査に好適な送信用振動素子及び受信用振動素子を選択してもよい。
又、コンベックス走査における振動素子の選択方法を示す図3では、説明を簡単にするために、同一の振動素子を送信用振動素子及び受信用振動素子として選択する場合について示したが、通常は、超音波プローブ2に設けられたNxの振動素子の中から送信専用振動素子、受信専用振動素子及び送受信兼用振動素子が選択され、本実施形態では、送信専用振動素子と送受信兼用振動素子を送信用振動素子と呼び、受信専用振動素子と送受信兼用振動素子を受信用振動素子と呼ぶ。
尚、本実施形態及びその変形例の超音波診断装置100に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、超音波診断装置100のシステム制御部9は、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…超音波プローブ
21〜2Nx…振動素子
c21a〜c2Nxa…第1の端子
c21b〜c2Nxb…第2の端子
3…送受信部
31…送信部
311…送信遅延設定部
312…駆動制御信号生成部
313…駆動信号発生部
Bf1、Bf2…バッファー回路
Sw1、Sw2…スイッチング回路
Pt…トランス
Da、Db…ダイオード回路
32…受信部
321…プリアンプ
Lim1、Lim2…リミッタ回路
Ap…増幅回路
322…A/D変換器
323…整相加算部
33…振動素子選択部
Sx1a〜SxNxa…第1の素子選択スイッチ
Sx1b〜SxNxb…第2の素子選択スイッチ

Claims (8)

  1. それぞれに第1の端子及び第2の端子が設けられた複数個の振動素子を有する超音波プローブと、
    前記複数個の振動素子の前記第1の端子に接続された第1の素子選択スイッチ及び前記第2の端子に接続された第2の素子選択スイッチを連動してON/OFF動作させることにより超音波送受信に必要な振動素子を選択する振動素子選択手段と、
    前記振動素子選択手段によって選択された前記振動素子に所定の駆動信号を供給し被検体に対して送信超音波を放射させる送信手段と、
    前記送信超音波の放射により前記被検体から得られる受信超音波に基づいて前記振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する受信手段と、
    整相加算後の受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記画像データを表示する表示手段とを
    備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記振動素子選択手段は、前記超音波プローブが有する複数個の振動素子の超音波放射面に設けられた前記第1の端子に接続されている前記第1の素子選択スイッチ及び前記振動素子の裏面に設けられた前記第2の端子に接続されている第2の素子選択スイッチを連動してON/OFF動作させることにより前記超音波送受信に必要な振動素子を選択することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 前記第1の素子選択スイッチ及び前記第2の素子選択スイッチは同一のスイッチング特性を有することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 素子選択制御手段を備え、前記振動素子選択手段は、前記素子選択制御手段から供給される制御信号に基づいて前記被検体に対する超音波送受信に必要な送信用振動素子及び受信用振動素子を選択することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記受信手段は、差動処理に対応した第1の入力端子及び第2の入力端子を有する増幅回路と、この増幅回路を前記駆動信号から保護するために前記第1の入力端子に接続された第1のリミッタ回路及び前記第2の入力端子に接続された第2のリミッタ回路を備え、前記第1の素子選択スイッチ及び前記第2の素子選択スイッチは、前記第1のリミッタ回路及び前記第2のリミッタ回路を介して前記増幅回路の第1の入力端子及び第2の入力端子に接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記受信手段は、差動処理に対応した第1の入力端子及び第2の入力端子を有する増幅回路と、この増幅回路を前記駆動信号から保護するために前記第1の入力端子に接続された第1のT/Rスイッチ及び前記第2の入力端子に接続された第2のT/Rスイッチを備え、前記第1の素子選択スイッチ及び前記第2の素子選択スイッチは、前記第1のT/Rスイッチ及び前記第2のT/Rスイッチを介して前記増幅回路の第1の入力端子及び第2の入力端子に接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1のT/Rスイッチ及び前記第2のT/Rスイッチは、前記超音波送受信における送信モードと受信モードの切り替えタイミングにおいて同時にON/OFF動作することを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。
  8. 前記第1のT/Rスイッチ及び前記第2のT/Rスイッチは同一のスイッチング特性を有することを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。
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