JP4607980B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波の非線形な伝搬により生じる高調波成分を取りだし、この高調波成分に基づいて超音波画像を生成し、表示する超音波診断装置に関する。
上記ハーモニックイメージング(HI)法と呼ばれている手法は、超音波の受信信号に含まれる高調波成分を検出して、映像化する手法であり(例えば2MHzの超音波を送信し、4MHzの高調波でイメージング)、微小気泡よりなる超音波造影剤をより効率的に検出することを目的として開発された。
微小気泡は強い非線形散乱特性を有しており、その散乱信号は生体組織と比べて大きな高調波成分を含んでいる。そこでこの高調波成分のみを検出することにより、通常(基本波)では周囲組織からのエコーに埋もれてしまような微小な血流(パフュージョン)の映像化が可能となる。
近年、ハーモニックイメージング法の他の応用として、組織ハーモニック映像法(Tissue Harmonic Imaging;THI)が注目されている。これはハーモニックイメージング法が有する画質改善効果に着目したもので、いわゆるタフペイシャントにおいてもノイズの低減された高コントラストのBモード画像が得られ、心内膜等の描出に優れることが特徴である。
ハーモニックイメージング法ではコントラスト剤(微小気泡)での非線形な“散乱”信号を映像化するのに対して、組織ハーモニック映像法では、送信された超音波が生体内を歪みながら“伝搬”するいわゆる伝搬の非線形性により発生する高調波を映像化している。
この高調波の振幅は、超音波の伝搬距離および基本波の音圧の二乗に比例するため、超音波ビームの中心軸上(音圧の高い領域)に集中して発生する。すなわち基本波を用いた場合に比べ、メインローブが細くかつサイドローブレベルが低いシャープな超音波ビームが形成可能である。
このようにハーモニック映像法ではビーム幅が狭くかつサイドローブレベルの低いビーム形成が可能なため、ビーム幅の低減により方位方向分解能が向上し、またサイドローブレベルの低減によりコントラスト分解能が向上する。
このような数々の優位性が予測されているにも関わらず、実際に組織ハーモニックイメージングを行うと、(1)高調波があまり効率的に発生せず思ったほど画質が向上しない、(2)超音波を収束させているはずの関心領域において画質があまり向上しない、(3)通常のイメージングと組織ハーモニックイメージングとを切り替えると、その都度、画質の高い領域の場所が変わってしまう、(4)関心領域が体表から浅い領域にあるような場合には、十分な伝搬距離を確保できず、高調波成分があまり発生せず、映像化が困難となる、といったいろいろな問題が生じている。
本発明の目的は、高調波画像の画質を向上し得る超音波診断装置を提供することにある。
本発明は、基本周波数の超音波を被検体に送信し、この被検体から返ってくる反射波に含まれる前記基本周波数以外の非基本周波数の成分を主体として前記被検体内を映像化することが可能に構成された超音波診断装置において、前記非基本周波数の成分を主体とする超音波画像とともに、前記非基本周波数の成分の最大音圧深度を表すマーカと、前記基本周波数の成分の最大音圧深度を表すマーカとを表示する手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置を提供する。
本発明によると、高調波画像の画質を向上させることができる。
以下、本発明を好ましい実施形態により図面を参照しながら説明する。図1に、本実施形態による超音波診断装置の構成を示している。超音波プローブ2の先端部分には、電気信号と音響信号とを相互変換するための複数の圧電素子が配列されている。なお、ここでは、1圧電素子が1チャンネルを構成するものとして説明する。このプローブ2には、送信回路1が接続されている。この送信回路1は、超音波をビーム状に形成し、また任意の深さで収束させて焦点を形成するように遅延処理をかけた駆動信号(高周波電圧)を、プローブ2の各チャンネルに印加する。これにより、各チャンネルの圧電素子は振動し、超音波を発生する。なお、この超音波の周波数スペクトラムは、駆動信号の周波数(基本周波数f0 )を中心として通常は若干分散している。
プローブ2から発生された超音波は、被検体に送信され、被検体内部を伝播し、その途中にある音響インピーダンスの不連続面で反射し、エコーとしてプローブ2に返ってくる。このエコーには、基本周波数f0 の基本波成分の他に、超音波が生体内を歪みながら“伝搬”するいわゆる伝搬の非線形性により基本周波数f0 以外の非基本波成分が発生する。この非基本波成分としては、ここでは、基本周波数f0 の整数倍の高調波成分、特に基本周波数f0 の2倍の二次高調波成分を扱うものとするが、それ以外に、超音波を少なくとも2種類の基本周波数で送信され、非基本波成分は、この2種類の基本周波数どうしの和あるいは差の周波数成分でもよいし、2種類の基本周波数それぞれの高調周波数の和あるいは差の周波数成分でもよいし、2種類の基本周波数とそれぞれの高調周波数との和あるいは差の周波数成分でもよい。
プローブ2に返ってきたエコーは、送信時とは逆に、圧電素子を機械的に振動させ、微弱な電気信号を発生させる。この信号は、受信回路3に取り込まれ、プリアンプで増幅され、送信時と同じ遅延処理を経て加算される。この受信信号は、基本波モード(通常のイメージング法)時には、受信信号から基本波成分を主に抽出するために通過帯域が基本周波数f0 を中心とした所定の帯域に設定されている基本波用帯域通過型フィルタ(BPF)4を通って、また高調波モード(組織ハーモニック映像法)時には、受信信号から高調波成分を抽出するために通過帯域が基本周波数f0 の2倍の周波数を中心とした所定の帯域に設定されている高調波用帯域通過型フィルタ(BPF)5を通って、Bモード処理系6、カラーフローマッピング(CFM)処理系7、パルス波(PW)処理系8に送られる。
Bモード処理系6は、基本波モード時には基本波用帯域通過型フィルタ4からの基本波成分に基づいて通常のBモード像を生成し、また高調波モード時には高調波用帯域通過型フィルタ5からの高調波成分に基づいて組織ハーモニック画像を生成する。また、カラーフローマッピング処理系7とパルス波(PW)処理系8はそれぞれ、基本波用帯域通過型フィルタ4からの基本波成分又は高調波用帯域通過型フィルタ5からの高調波成分に基づいて血流画像、周波数スペクトラムを生成する。これら画像はディジタルスキャンコンバータ(DSC)9を介してモニタに表示される。
送信制御回路12は、操作者によってモード入力部13から入力された関心領域(ROI)の位置(深さ)及びモード(基本波モード又は高調波モード)に対応する送信条件を送信条件メモリ11から入手し、この入手した送信条件に従って送信回路1を制御して送信周波数、送信時の焦点深度、送信開口の口径等の動作状態を調整するようになっている。また、高調波発生領域演算部14は、上記送信条件に従って高調波成分が最も強く発生する領域の場所(向きと深さ)を演算し、又は様々な送信条件に従って高調波成分が最も強く発生する領域(高調波成分の最大音圧領域)の場所を事前に演算しておき、この演算結果を保管しておいたメモリから送信条件に合致する当該場所を読み出し、そして、この高調波成分が最も強く表れる領域を示すマーカをディジタルスキャンコンバータ9に出力する。このマーカは、音圧分布、Bモード像、組織ハーモニック画像に合成され、高調波焦点の場所を観察者に提示するようになっている。
ここで、基本波モードと高調波モードとは、操作者が入力部13を適当なモード切り替え操作したときに切り替わるようにしてもよいし、1断面分を1回走査する毎に、又は1回送受信する毎に自動的に切り替えるようにしてもよい。さらには、切り替えせずに、同じ受信信号を2つのフィルタ4,5に分配し、それぞれを通過した信号から個別に画像を生成するようにしてもよい。ただし、モード切り替えによって両画像がそれそれ別個の送受信で形成されることが両画像がそれぞれを最適な画質で得る上で望ましく、つまり、それぞれの最適な画質を得るために、後述するように、送信開口の口径、超音波の焦点深度、送信周波数等の送信条件を独立に設定することが望ましい。
この高調波モードで最適な画質を得るための送信条件に付いて説明する。まず、発明者らは、実際に基本波成分と高調波成分の中心軸上の音圧分布を、焦点深度を40mmと80mmとの2種類で求めた。その結果を、図2に示している。なお、焦点Z0 は、超音波合成による計算上の超音波焦点として定義され、基本波の場合にはその最大音圧点は、焦点Z0 とほぼ合致する。高調波成分が最大音圧を示す領域は、焦点Z0 よりも若干深い場所に現れるという事態に注目した。このような事態が生じるのは、高調波の発生が超音波の伝搬距離および基本波の音圧の二乗に比例するためである。
そこで本発明では、基本波モードでは超音波の焦点を関心領域に合わせるが、高調波モードでは超音波の焦点を関心領域よりも若干浅い場所に合わせるように送信条件を設定しておくことにより、基本波モードでも高調波モードでも最大音圧を示す領域を、関心領域に合わすことができ、これによりいずれのモードでも関心領域の画質を向上させ、通常の基本波モードと高調波モードとを切り替えるときに画質の高い領域の場所が変わってしまうようなことを防止することができる。
次に、高調波を特に浅い部分で効率的に発生させる手法について説明する。まず、ここで収束強度について定義しておく。この収束強度fは、超音波をどの程度収束させるかを表しており、超音波の音圧分布を定義する上で重要なパラメータであり、図3(a)、(b)に示すように、送信開口の口径をD、焦点深度をZ0 として、“D/Z0 ”で与えられる。周知の通り、口径Dは、駆動チャンネル数を変えることにより、また焦点深度Z0 は遅延時間を変えることにより、それぞれ調整することができる。なお、焦点深度Z0 は操作者により設定される関心領域に従って決まるので、当該収束強度fは専ら口径Dの変更により調整される。
また、ストロングフォーカスについて説明する。ストロングフォーカスとは、基本波成分を主にイメージングするBモードの映像法で一般的なウィークフォーカスで使われている収束強度f=0.3よりも高い、例えば0.5以上の収束強度で超音波を収束させるように送信することをいい、図4(a)には収束強度fが1.0と0.5のときのストロングフォーカスでの超音波の音場を模式的に示している。同様に、図4(b)には収束強度fが0.3のときのウィークフォーカスでの超音波の音場を模式的に示している。
収束強度fが0.3以下という比較的小さい場合には、比較的広い範囲に渡って均一な音圧分布が得られる。逆に比較的大きい場合には、超音波は局所的に収束する。
図4(a)、(b)から明らかなように、通常の基本波成分による映像法で、広範囲に渡って均一な画質を得ようとすると、収束強度をあまり大きくすることはできず、上述したように収束強度としては0.3を上限値としている調整している。そこで通常は、図4(b)にように、収束強度が変化しないように、焦点深度が浅くなると、それに応じて口径を狭くしている。
図5(a),(b)に、図4(a),(b)の音場における中心軸上の音圧分布を示している。図5(b)は通常の基本波成分による映像法で一般的に用いられる音場であり、焦点を変更させても基本波成分の音圧ピークが略均一に保たれている。これはすでに述べた通り、収束強度をほぼ一定に保った結果である。
この基本波音場による高調波の発生をシミュレーションにより計算すると、基本波音場の均一性とは対照的に不均一となり、しかも近距離の領域でほとんど発生していない。
一方、図4(a)や図5(a)のようにストロングフォーカスを行うことにより、高調波成分を均一に、しかも近距離領域から効率的に発生させることができる。
以上をまとめると、超音波の焦点に関しては、基本波モードでは関心領域に合わせ、一方、高調波モードでは関心領域よりも浅い場所に合わせる。また、収束強度に関しては、基本波モードでは例えば0.3以下という比較的低い値を採用してウィークフォーカスで送信し、一方、高調波モードでは例えば0.5以上という比較的高い値を採用して、ストロングフォーカスで送信する。
このような規則に従って送信条件を基本波モードと高調波モードとで使い分けることにより、基本波モードでも高調波モードでも最大音圧を示す領域を、関心領域に合わすことができ、これによりいずれのモードでも関心領域の画質を向上させることができ、また、基本波成分による通常の映像法と組織ハーモニック映像法とを切り替えるときに画質の高い領域の場所が変わってしまうようなことを防止することができ、しかも浅い部分でも高調波を効率的に発生させることができる。
なお、送信条件メモリには、非基本波成分による映像化のための送信条件と、基本波成分による映像化の送信条件とを別テーブルとして独立に持つことが望ましい。メモリ容量あるいは、参照テーブル切り替えの制約から別テーブルを持てない場合には、各フォーカス点毎のデータとして、近距離のフォーカス段分には前記非基本波成分用のデータを、遠距離のデータには基本波成分用のデータを持つ方法もある。
ここで上述したように、超音波の焦点に関しては、基本波モードでは関心領域に合わせ、一方、高調波モードでは関心領域よりも浅い場所に合わせるとしたが、これについてもう少し具体的に説明する。ここでは、通常の基本波による映像法、つまり基本波モードから、組織ハーモニック映像法、つまり高調波モードに切り替える場合を想定する。
上述したように、高調波成分は基本波成分の音圧分布に追従するように若干深い場所で強く発生するので、超音波の焦点を変えずに切り替えると、関心領域では高調波は十分に発生しないことになる。そこで、このようにモードを切り替える際に、これと連動して、焦点を若干浅くするように送信条件を切り替える。例えば基本波による通常の映像法における焦点深度が、30mm、40mm、50mm、80mm、120mmのとき、高調波成分が最も強く表れる場所は、35mm、50mm、60mm、100mm、140mmそれぞれの深さになる。従って、例えば関心領域が50mmの深さにあるときには、基本波モードではそのまま50mmに超音波の焦点を合わせ、一方、高調波モードでは、40mmの深さに超音波の焦点を合わせることにより、高調波成分が最大音圧となる場所が関心領域に丁度合うようになる。
このような最大音圧点の対応関係をメモり11に保管させておき、基本波モードから高調波モードに又はその逆に切り替えたとき、音圧が最大となる深さが変化しないように、焦点深度を自動的に変えるようにすることで、両映像法を切り替えても画像内でもっとも良好な画質が得られる領域の場所が変化しないで、手動で焦点深度を変える必要がなくなる。
上述したように、高調波モードでは例えば0.5以上という比較的高い値を採用して、ストロングフォーカスで送信するものであるが、これは、焦点深度Z0が操作者により設定された関心領域により決めるので、収束強度fは送信開口の口径Dにより調整することになる。
図6(a)に通常の基本波モードでの映像法のときの駆動チャンネルと口径を示し、図6(b)に高調波モードでの組織ハーモニック映像法のときの駆動チャンネルと口径を示している。ここでは、1次元アレイ型のプローブ2において、1本のラスターを生成するために同時駆動するチャンネル数が8の例である。通常のBモードでは、主にグレーティングローブを考慮して、チャンネルピッチが設計されているため、連続した8つのチャンネルが駆動され、送信の超音波ビームが形成される。なお、グレーティングローブを考慮するというのは、周知の通り、メインローブからグレーティングローブまでの距離はチャンネルピッチをPとして、1/Pで与えられる。つまり、チャンネルピッチが短ければ短いほど、メインローブからグレーティングローブを離すことができるのである。
しかし、高調波では、その発生原理から考えると、チャンネルピッチをより広い間隔にとっても、この間隔の拡大に対してグレーティングローブはあまり上昇しないため、同時駆動チャンネルが仮に8チャンネルしかなくても、例えば図6(b)に示すように1チャンネルずつ間引いて同時駆動することにより、実質的に口径を拡大して、必要な収束強度を獲得することができる。もちろん、この間引きは、1チャンネルずつでなくても、2チャンネル又はそれ以上ずつ間引いてもよいし、口径の外側ほど間引きの間隔を広げるようにしてもよい。また、間引かれた素子を、隣接する素子と同一のパルサーに短絡し、例えば、2素子で1チャンネルを構成することも考えられる。
このような考えは、図7に示すように、チャンネルが2次元状に配列されているいわゆる2次元アレイ型のプローブの場合にも適用できる。つまり、基本波モードでは、図7(a)に示すように、隣接する例えば16チャンネルを同時駆動し、一方、高調波モードでは、図7(b)に示すように、離散的に16チャンネルを同時駆動して、縦横に口径を拡大する。
なお、2次元アレイでは、送信チャンネル数をシステムの同時駆動可能なチャンネル数以内にするために、間引き駆動が提案されている。しかしながら、この間引きの設計基準は、基本波での送受信を前提としたサイドローブやグレーティングローブレベルの発生を抑えるという方向付けで行われる。これに対して、本発明では、このような方向付けは不要であり、つまり収束強度に基づいて駆動チャンネルを分散させることができる。
上述したように超音波プローブ2としては図8(a)に示すような2次元アレイ型を採用してもよく、この2次元アレイ型プローブで、縦方向と横方向とにそれぞれ同じ深度にストロングフォーカスをかけることにより、図8(b)に示すように1次元アレイ型の場合よりも、より効率的に高調波を発生させることができる。つまり、1次元アレイでは、レンズ方向の焦点が固定であるため、可変なのはスキャン方向(横方向)のフォーカスのみである。レンズフォーカスが例えば60mmで固定されている場合には、近距離にストロングフォーカスしても図8(a)に示すように、急峻な収束音場は得られずに、両者の中間にピークがくるような緩やか軸上分布となる。
一方、2次元アレイ型ではエレべーション方向(縦方向)、スキャン方向(横方向)ともに焦点深度を制御することが可能であり、効率的に高調波を発生させ、高画質の組織ハーモニック画像が得ることができる。
ところで、ストロングフォーカスをかけても、それ以上に浅い場所に関心領域があるような場合が考えられる。このような事態に対処するために、ここではプローブ2に着脱自在な音響カプラを提供している。
図9(a)にこの音響カプラの外観を示す。この音響カプラ21は、ケーシング内に、少なくともマイクロバブルを混入させた水、又はゼラチン状の超音波が非線形に伝搬して多くの高調波を発生するような非線形媒質を封入してなる。図9(b)に示すようにカプラ21を装着しなければ、体表から1乃至2cm程度の非常に浅い領域では高調波は発生しないが、このようなカプラ21をプローブ2の送受信面に装着することで、プローブ2の先端から生体までの距離を実質的に延長し、且つその間に発生する高調波成分によって図9(c)に示すように近距離領域でも高調波を効果的に発生させることができ、従って浅い領域でも高画質で組織ハーモニック画像を生成することができる。
次に、画像表示に関して説明する。この表示の特徴としては、高調波成分の最大音圧点は送信条件から発生領域演算部14で求めることができるので、この高調波成分の最大音圧点を観察者に提示しようとする点にある。図10(a)に示すように、基本波の音圧分布と高調波の音圧分布に対して、それぞれの最大音圧点の深度をマーカで表すようにしてもよいし、また、図10(b)に示すように、基本波モードでの基本波成分による画像や高調波モードでの高調波成分による画像の対して同様のマーカを添付するようにしてもよい。このように最大音圧点を提示することで、操作者は高調波モードにおいても、例えば手動で高調波成分の最大音圧点を関心領域に合わせてその領域の高画質なハーモニック画像を得ることができる。
また、図11に示すように、基本波成分を主体としたBモード画像(基本波画像)と、高調波モードの高調波成分を主体としたBモード画像(高調波画像)とを、同一画面内に並列に並べて同時表示するようにしてもよい。このときには、超音波の焦点の深さを表すマーカを付けると、関心領域にそれぞれの成分の最大音圧点が合っているか否かを把握でき、好ましい。
さらに、基本波画像と高調波画像とを同時表示する際、図12に示すように、基本波画像と高調波画像とを部分的に合成して、具体的には、関心領域を高調波画像で構成し、関心領域以外の領域を基本波画像で構成して、表示するようにしてもよい。このような部分的な合成表示は、高調波画像は原理的に近距離部と遠距離部に画質が悪くなるという欠点があり、その欠点を基本波画像で補って、近距離から遠距離まで高画質で提供することができる。本発明は、上述の実施形態に限定されること無く、種々変形して実施可能である。
本発明の好ましい実施形態による超音波診断装置のブロック図。 基本波成分と高調波成分の音圧分布を示す図。 (a)は収束強度の説明図、(b)は中心軸状の音圧分布を示す図。 (a)はストロングフォーカスを使ったときの高調波成分の音場を示し、(b)はウィークフォーカスのときの基本波成分の音場を示す図。 (a)は収束強度fが1.0のストロングフォーカスを様々な深さにかけたときの基本波成分と高調波成分それぞれの音圧分布を示し、(b)は収束強度fが0.5の通常のウィークフォーカスを様々な深さにかけたときの基本波成分と高調波成分それぞれの音圧分布を示す図。 (a)は基本波モード(ウィークフォーカス)時の口径及び駆動チャンネルを示す図、(b)は高調波モード(ストロングフォーカス)時の口径及び駆動チャンネルを示す図。 (a)はプローブが2次元アレイ型のときの基本波モード(ウィークフォーカス)時の口径及び駆動チャンネルを示す図、(b)はプローブが2次元アレイ型のときの高調波モード(ストロングフォーカス)時の口径及び駆動チャンネルを示す図。 (a)は超音波プローブを2次元アレイ型のときに縦横にストロングフォーカスをかけたとき音場を示す図、(b)はこのときの中心軸状の音圧分布を1次元アレイの場合と比較して示す図。 (a)は超音波プローブに装着したときの音響カプラの外観図、(b)は音響カプラを装着しないときの音圧分布を示す図、(c)は音響カプラを装着したときの音圧分布を示す図。 (a)は高調波の最大音圧点を音圧分布に対して添付する表示例を示す図、(b)は高調波の最大音圧点を画像に対して添付する表示例を示す図。 基本波画像と高調波画像とを略同時に同一画面に並べて表示する場合の表示画面例を示す図。 関心領域(ROI)内を高調波画像で、関心領域以外を基本波画像でそれぞれ構成するように両画像を部分的に合成して表示する場合の表示画面例を示す図。
符号の説明
1…送信回路、
2…超音波プローブ、
3…受信回路、
4…基本波用帯域通過型フィルタ(BPF)、
5…高調波用帯域通過型フィルタ(BPF)、
6…Bモード処理部、
7…カラーフローマッピング(CFM)処理部、
8…パルス波(PW)処理部、
9…ディジタルスキャンコンバータ(DSC)、
10…モニタ、
11…送信条件メモリ、
12…送信制御部、
13…モード入力部、
14…高調波発生領域演算部。

Claims (1)

  1. 基本周波数の超音波を被検体に送信し、この被検体から返ってくる反射波に含まれる前記基本周波数以外の非基本周波数の成分を主体として前記被検体内を映像化することが可能に構成された超音波診断装置において、
    前記非基本周波数の成分を主体とする超音波画像とともに、前記非基本周波数の成分の最大音圧深度を表すマーカと、前記基本周波数の成分の最大音圧深度を表すマーカとを表示する手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
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