JP2022029165A - 超音波評価装置及び超音波評価方法 - Google Patents

超音波評価装置及び超音波評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集束領域にキャビテーション気泡が生成した際にも、その生成領域を抽出し、さらにその活性度や量を評価する。【解決手段】超音波評価装置は、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dを備える複合型の超音波振動子と、送受信部12と、差分演算処理部22と整相加算処理部24で構成される受信信号処理ブロック20と、超音波画像形成部30と、消し残りノイズレベル計算処理部40と、分散情報取得部50と、分散画像形成部55と、算出した消し残りノイズレベルに基づいて得られる活性度と分散情報重畳画像とを表示する表示部32を備える。【選択図】図1

Description

超音波評価装置に関する。
強力集束超音波(HIFU)治療は、凹面型の超音波発生装置(トランスデューサ)から超音波エネルギーを癌や子宮筋腫等の疾患患部の1点、又は、幅を持たせた数点(数mmの範囲)に集束させ、その集束領域を加熱することで、癌等の疾患臓器を加熱壊死させる治療法である。本加熱により、局部(集束領域)は100℃近くまで加熱され、疾患臓器を加熱壊死させることができる。超音波の非集束範囲(体表等の超音波の伝搬範囲)には超音波エネルギーが集束しないために熱的な効果を及ぼさず、集束領域の組織だけを加熱壊死させる程の強力なエネルギーを集束させるから、本手法は、通常の外科手術とは異なり、体を切開することなく治療できる。その結果、患者の入院時間の短縮や体力的な負荷を軽減できる利点がある。
通常の超音波治療において超音波を体深部に効率よく伝搬させるには、超音波の通り道(伝搬範囲)を可能な限り均質に保つ必要がある。「均質に保つ」とは、超音波の伝搬に影響を与える音響インピーダンス(Z=ρ×c:ρは媒質の密度、cは媒質の音速)を一定にすることである。通常の超音波診断では、超音波発生部(超音波診断プローブ)と体表の間に組織と同じような音響インピーダンスを持つジェルを使うのが一般的である。超音波治療では、超音波伝搬を効率化させるために、超音波診断プローブと体表との間に脱気した冷水を入れた水袋を配して治療を行うのが一般的である。これは、水と組織の音響インピーダンスがほぼ同じためである。また、超音波治療時の体表への火傷等を避けるために、水袋内の冷水は循環脱気させながら温度を10℃~20℃程度に保たれる。
超音波治療では体を切開しないがゆえに、通常の外科手術とは異なり、治療中の患部の状態の様子、又は、治療完了の判定等を目視で確認することができない。そこで、超音波治療をしながら治療の様子を非侵襲にモニター(イメージング)する手段が必要となる。主な超音波治療イメージング手段として、MRIや超音波診断装置がある。MRIは、高画像分解能(数十μm)でイメージングできる利点がある一方、高価・大型で、モニタリングの時間分解能が低い(数fps:一秒間に数回のモニタリング)。超音波診断装置によるイメージングは、比較的安価で、モニタリングの時間分解能が高い(数千fps:1秒間に数千回のモニタリング)という利点がある一方、画像分解能が低い(数mm程度)。
超音波治療において集束領域で起こる現象には、加熱(凝固)作用のみならず、強力な超音波負圧による常温沸騰現象であるキャビテーションや、集束領域が100℃近くまで温度上昇することによる突沸、沸騰現象がある。また、近年、強力集束超音波HIFUに起因するキャビテーション気泡によって患部の加熱が増強される効果や、キャビテーション気泡の崩壊に起因する侵食(エロージョン)によって患部組織が破壊される効果、活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)の発生、等が報告されている。その加熱増強、エロージョン、ROS発生等は、キャビテーション気泡が激しく振動し、新しい気泡の発生と崩壊が繰り返される状態のとき(本稿で言う、「活性度が高いとき」)に顕著に表れることが知られている。そうしたキャビテーション現象を正確にコントロールしながら、且つ、その作用を積極的に利用して、超音波治療を効率化する研究が幅広く行われている(非特許文献1~3)。
キャビテーション現象を利用するにあたり、気泡の発生箇所、その振動状況や新規の気泡発生状況等(これらを「キャビテーションの活性度」と本稿で表現している。)を正確に超音波イメージングすることが求められる。キャビテーション現象を正確に把握する(活性度を評価する)ための手法は、現在のところ提案されていない。キャビテーション現象を積極的に利用しない場合(通常の超音波治療)でも治療中に突発的にキャビテーションや沸騰現象が生じることはよく知られており、リアルタイムに治療の状態や気泡の発生箇所、また、意図しない場所(体表や、集束領域以外の場所)での気泡の発生等を把握するための超音波イメージング手法が求められている。超音波治療中には加熱により集束領域に加熱凝固領域(たんぱく壊死領域)が同時に起こる。そこで、気泡の発生箇所と加熱によるたんぱくの凝固領域を把握し、且つ、それらを区別するような超音波イメージング手法も必要とされている。また、超音波治療中に患者の体動等により集束超音波の焦点がずれてしまう(意図した患部から焦点がずれてしまう=意図しない場所を治療してしまう)恐れがある。そこで、超音波治療中に超音波集束点を常に把握する「焦点可視化イメージング」機能も必要であると考えられる。
治療用超音波を送波しつつ診断用超音波を送受して超音波画像を形成する改良技術を提供することを課題として、HIFU(強力集束超音波)用振動子が治療用超音波を送波し、診断用振動子が診断用超音波を送波し、診断用振動子が、治療部位Pに治療用超音波を送波することにより得られる第1超音波と、治療部位Pに治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波を受波し、差分演算処理部が、第2超音波を受波することにより得られる受信情報と第1超音波を受波することにより得られる受信情報とに基く差分処理により差分情報を得て、差分情報に基いて治療部位Pの超音波画像を形成する、超音波医用装置に関する、公報開示の技術が存在する(特許文献1)。
特開2017-23498号公報
R. Takagi et al, Japanese Journal of Applied Physics 49 (2010) 07HF21 Y. Li et al, IEEE Transactions on Ultrasonics Ferroelectrics and Frequency Control Volume: 66 , Issue: 7 (2019) J. Yasuda et al, Japanese Journal of Applied Physics 55, 07KF24 (2016)
ここまでをまとめると、治療中に意図的に又は非意図的にキャビテーションや沸騰現象が治療患部に生じ得る際に求められる超音波イメージングの機能(特徴)として、下記のことが考えられる。
1.意図しない(想定外の)部位を治療しないために強力集束超音波の焦点をリアルタイムに(常に)可視化する機能(体動等の焦点ズレを把握する機能)、
2.キャビテーション気泡が発生する位置を正確に把握する機能(体表等の想定外の場所に気泡が生じていないか等も同時に確認する機能)、
3.治療中に生じる、たんぱく凝固領域とキャビテーションのみが生じた領域を把握(区別)する機能、
4.キャビテーション気泡の活性度(激しく振動しているか、気泡自体が大きくなってほとんど振動しておらず、加熱増強作用やROS発生が抑えられているか等)を把握する機能。
超音波治療における超音波イメージングにおいて、治療中に生じる治療用超音波ノイズをリアルタイムに除去することで、超音波治療を行いながら同時に治療中の様子を可視化する従来の手法(特許文献1)は、リアルタイムに超音波治療の様子をモニターする手段として有効であるが、当該手法は、キャビテーション・沸騰現象が意図的に又は非意図的に生じた場合、集束領域に生じるキャビテーション振動によって、アルゴリズムの前提条件である「比較的短時間間隔(数百μs~数十ms間)に取得する治療用超音波ノイズ、変わらない」が崩れてしまい、ノイズが残ってしまう。そのため、現状では、上記の4つの機能を実現することはできない。
本発明は、超音波治療中のイメージング手法のうち、超音波診断装置によるイメージングに関する発明に係り、集束領域にキャビテーション気泡、沸騰気泡が生成した際にその生成領域を抽出し、更にその活性度や量を評価する手法を提供することを目的とする。また、上記4つの機能を確保するために、現状のアルゴリズムで見過ごしていた情報に着目した、新規の処理や、新たなイメージング手法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の超音波評価装置(1)は、
治療部位にて合焦するように治療領域を含む近傍領域に治療用超音波を照射する治療用超音波送信部(10H)と、
前記治療部位を含む前記近傍領域に診断用超音波を照射する診断用超音波送信部(10D)と、
反射する治療用超音波を受信する治療用超音波受信部(10D)と、
反射する診断用超音波を受信する診断用超音波受信部(10D)と、
前記診断用超音波送受信部にて受信した治療用超音波と診断用超音波とに基いて差分演算を実行する差分演算処理部(22)と、
取得した差分情報に基いて前記治療部位を含む前記近傍領域の画像を形成する画像形成部(30)と、
形成された所定数の画像に基いて分散情報を取得する分散情報取得部(50)と、
取得された分散情報をその基となった画像の数と関連付け、前記画像形成部で形成された画像に重畳した分散情報重畳画像を形成する分散画像形成部(55)と、
前記画像形成部が形成した画像と前記分散画像形成部が形成した分散情報重畳画像とをリアルタイムで表示する表示部(32)と、
を備える。
請求項2に記載の超音波評価装置は、請求項1に記載の超音波評価装置において、
前記分散情報取得部は、分散情報を取得する際の基となる画像の数を変えて、重複する画像を含む複数の画像に基いて複数の分散情報を取得する、ことを特徴とすれば、
分散処理を行う時間間隔(フレーム)を変えることが可能となり、治療中に強力集束超音波の焦点画像の他にキャビテーション気泡発生領域とたんぱく凝固領域をリアルタイムに可視化できるので、体動等による焦点ズレを把握でき、意図しない(想定外の)部位の治療を防ぐことができるので好ましい。
請求項3に記載の超音波評価装置は、請求項1又は2に記載の超音波評価装置において、
差分演算の際に取得される消し残りノイズに基いて消し残りノイズレベルを計算する消し残りノイズレベル計算処理部(40)を更に備え、前記表示部は、計算された消し残りノイズレベルに基いたキャビテーション気泡の活性度を表示する、ことを特徴とすれば、
ユーザが指定した関心領域の消し残りノイズレベルから、キャビテーション気泡が激しく振動しているか、気泡自体が大きくなってほとんど振動しておらず、加熱増強作用やROS(活性酸素種)の発生が抑えられているか等をリアルタイムに視認できるので好ましい。
上記課題を解決するために、請求項4に記載の超音波評価方法は、
治療部位にて合焦するように治療領域を含む近傍領域に治療用超音波を照射し、反射する第1超音波(この成分を本稿では「ノイズ信号」と表現する)を受信する工程(S008)と、
前記治療部位を含む前記近傍領域に治療用超音波と診断用超音波とを照射し、反射する第2超音波(これには本稿でいう「ノイズ信号」成分と「組織信号」成分とを含む)を受信する工程(S008)と、
前記第1超音波(ノイズ信号)と前記第2超音波(ノイズ信号と組織信号)とに基いて差分情報を取得する工程(S010)と、
取得した差分情報に基いて前記治療部位を含む前記近傍領域の超音波画像を形成する工程(S012)と、
形成された各所定枚数の超音波画像に基いて分散情報を取得する工程(S030、S036、S042)と、
取得された分散情報をその基となった画像と関連付け、形成された超音波画像に重畳した分散情報重畳画像を形成する工程(S032、S038、S044)と、
形成された超音波画像と形成された分散情報重畳画像とをリアルタイムで表示する工程(S034、S040、S046)と、
を備える。
請求項5に記載の超音波評価方法は、請求項4に記載の方法において、
前記分散情報を取得する工程は、分散情報を取得する際の基となる超音波画像の枚数を変えて、重複する超音波画像を含む複数の超音波画像に基いて複数の分散情報を取得する、ことを特徴とすれば、
分散処理を行う時間間隔(フレーム)を変えることが可能となり、治療中に強力集束超音波の焦点画像の他にキャビテーション気泡発生領域とたんぱく凝固領域をリアルタイムに可視化できるので、体動等による焦点ズレを把握でき、意図しない(想定外の)部位の治療を防ぐことができるので好ましい。
請求項6に記載の超音波評価方法は、請求項4又は5に記載の方法において、
前記差分情報を取得する工程で取得される消し残りノイズに基いて消し残りノイズレベルを計算する工程(S010)と、
計算された消し残りノイズレベルに基いたキャビテーション気泡の活性度を表示する工程(S050)と、
を更に備える、ことを特徴とすれば、
ユーザが指定した関心領域の消し残りノイズレベルから、キャビテーション気泡が激しく振動しているか、気泡自体が大きくなってほとんど振動しておらず、加熱増強作用やROS(活性酸素種)の発生が抑えられているか等をリアルタイムに視認できるので好ましい。
本発明によれば、集束領域にキャビテーション気泡が生成した際にその生成領域を抽出し、さらにその活性度や量を評価できる。また、上記4つの機能を確保するために、新規の処理や、現状のアルゴリズムで見過ごしていた情報に着目した、新たなイメージング手法を提供できる。
本発明の実施において好適な超音波評価装置の全体構成を示す図である。 超音波画像間の分散情報取得方法を説明するための図である。 診断用振動子10Dの任意の振動子における、差分処理の具体例を説明するための図である。 HIFU単点連続照射における、治療用超音波照射中の治療用超音波ノイズを除去する手法を説明するための図である。 HIFU複数点連続照射における、治療用超音波ビームの焦点の具体例を示す図である。 HIFU複数点連続照射における、治療用超音波ビームの焦点移動と受信処理の具体例を示す図である。 キャビテーション気泡がないときのノイズ除去前後の超音波画像の典型例を示す図である。 表示部に表示される画面の具体例を示す図である。 キャビテーション気泡があるときのノイズ除去前後の超音波画像の典型例を示す図である。 分散情報の取得を説明する図である。 HIFU焦点にキャビテーション気泡があるときの受信信号セットから超音波画像の再構成を説明するための図である。 キャビテーション気泡の活性度を算出する際の画像上、もしくは、受信信号上に設定する関心領域を説明する図である。を説明するための図である。 画像情報の時間間隔を変えて取得した分散情報重畳画像を示す図である。 図1の超音波評価装置の好適な動作例を示すフローチャートである。
(整相加算前差分)
本発明の一実施形態に係る超音波評価装置を図面を用いて以下に説明する。図1は、本発明の実施に好適な超音波評価装置1の全体構成図である。超音波評価装置1は、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dを備える複合型の超音波振動子10と、HIFU用振動子10H及び診断用振動子10Dの各々を制御する送受信部12と、差分演算処理部22と整相加算処理部24で構成される受信信号処理ブロック20と、治療部位を含む近傍領域の超音波画像を形成する超音波画像形成部30と、差分演算の際に取得される消し残りノイズに基いて消し残りノイズレベルを計算する消し残りノイズレベル計算処理部40と、超音波画像に基いて分散情報を取得する分散情報取得部50と、各分散情報に対応する超音波画像と関連付け、超音波画像に重畳した分散情報重畳画像を形成する分散画像形成部55と、ノイズ処理後の超音波画像、算出した消し残りノイズレベルに基づいて得られる活性度と分散情報重畳画像とを表示する表示部32と、を有して構成される。
HIFU用振動子10Hは、治療用超音波の好適な具体例である強力集束超音波(High Intensity Focused Ultrasound:HIFU)を送波する振動子であり、例えば二次元的に配列された複数の振動素子を備えている。HIFU用振動子10Hは、例えば癌や腫瘍などの治療部位Pに向けて治療用超音波ビームTBを形成して強力集束超音波を送波し、その治療部位Pを加熱して治療するために利用される。
診断用振動子10Dは、例えば一次元的に配列された複数の振動素子を備えており、例えば治療部位Pを有する被検体(患者)に対して、超音波画像を形成するための比較的弱い超音波を送受する。つまり、公知の一般的な超音波診断装置において超音波画像を形成する際に利用される超音波と同じ程度の強度(エネルギー)の超音波を送受する。診断用振動子10Dは、治療部位Pを含む断面内において診断用超音波ビームDBを走査する。なお、診断用振動子10Dは、二次元的に配列された複数の振動素子を備え、これにより、治療部位Pを含む空間内において診断用超音波ビームDBが立体的に走査されてもよい。
超音波振動子10は、例えばお椀状に凹ませた内部の表面を振動子面として、お椀状に凹んだ内部の中央に位置する底の部分に診断用振動子10Dが設けられ、診断用振動子10Dを取り囲むようにHIFU用振動子10Hが設けられる。なお、超音波振動子10の振動子面の形状は、お椀状に限定されず、治療の用途等に応じた形状とされてもよい。また、すべての振動素子又はいくつかの振動素子がHIFU用と診断用の両用途に併用されてもよい。また、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dは、図1に示すように一体型の超音波振動子10を構成してもよいし、互いに物理的に離れた別体型であってもよい(図示省略)。
強力集束超音波(HIFU)治療は、超音波振動子10から超音波エネルギーを治療部位Pに集束させ、疾患臓器を加熱壊死させる治療法である。治療部位P付近の集束領域は100℃近くまで加熱される。超音波の非集束範囲(体表等の超音波の伝搬範囲)では超音波エネルギーが集束しないために熱的な効果を及ぼさない。超音波伝搬を効率化させるために、超音波振動子10と体組織16との間に脱気した冷水を入れた水袋14を配して治療を行う。水袋14内の水と体組織16の音響インピーダンスがほぼ同じためである。超音波治療時の体表への火傷等を避けるために、水袋14内の冷水は、循環脱気させながら温度を10~20℃程度に保たれる。
送受信部12は、HIFU用振動子10Hを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号(治療用超音波の送信信号)を出力することにより、HIFU用振動子10Hを制御して治療用超音波ビームTBを形成する。また、送受信部12は、診断用振動子10Dを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号(診断用超音波の送信信号)を出力することにより、診断用振動子10Dを制御して診断用超音波ビームDBを形成し、さらに、それら複数の振動素子の各々から超音波の受信信号を得る。
受信信号処理ブロック20は、診断用振動子10Dを構成する複数の振動素子から得られる受信信号を処理するブロックであり、差分演算処理部22と整相加算処理部24で構成される。受信信号処理ブロック20における処理については後に詳述する。
超音波画像形成部30は、受信信号処理ブロック20から得られる受信処理後の受信情報(信号またはデータ)に基いて治療部位Pおよびその近傍の超音波画像を形成する。超音波画像形成部30は、例えば治療部位Pおよびその近傍のBモード画像を形成する。なお、診断用振動子10Dが二次元的に配列された複数の振動素子を備えている場合には、治療部位Pを立体的に映し出した三次元超音波画像が形成されてもよい。超音波画像形成部30において形成された超音波画像は、表示部32に表示される。超音波画像形成部30は、強力集束超音波(HIFU)により治療部位Pが加熱治療されている治療期間において、複数フレーム(複数時相)に亘って超音波画像を形成する。
消し残りノイズレベル計算処理部40は、受信信号処理ブロック20が差分処理を行った際に各画像間の、ユーザ(施術者)が設定した関心領域ROIの中のノイズレベルを算出し、ユーザが指定した画像枚数分、平均化する。それを「消し残りノイズレベル」とする。そのノイズレベルを多段階に応じて色分けする。図1に示す例では、色1、色2、色3としているが、256階調の色相に振り分けても良い。連続的なゲージで表示してもよい。その際のノイズレベルの最大・最小値はユーザが指定できる。その色相の状態を生じているキャビテーション気泡の「活性度」として表示部32に表示する。
分散情報取得部50は、図2のように、超音波画像形成部30で生成された治療部位Pとその近傍の超音波画像に基いて、複数フレーム(図2ではT枚としている)に亘る受信情報の分散sを演算し分散情報を取得する。ここで計算される分散の式は、下記の通りである。
Figure 2022029165000002
ここで、Tは画像間の分散をとる際の画像数で、I(x,y)は、ある時間の2次元超音波画像における、ある1ピクセルの座標(x,y)のデータ(輝度値等)で、x,yは、それぞれ幅・深さ方向の画素数分だけ存在する。診断用振動子10Dが二次元的に配列された複数の振動素子を備えている場合には、素子方向の次元のデータが加わるので、さらに3次元目の座標(Z)データが加わるとなる。
分散画像形成部55は、超音波画像形成部30が形成した治療部位Pとその近傍の超音波画像に、分散情報取得部50が取得した分散情報に基づいて、治療部位Pとその近傍の分散情報重畳画像を形成する。その際、重畳するノイズ除去後の超音波画像は、各分散情報を取得するフレーム数の中心の画像(図2におけるT/2に対応する)でもよいし、各分散情報を取得した最初または、最後の超音波画像でもよい。分散情報重畳画像は、例えば、分散情報を時間間隔の違いによって色分けされてもよい。
制御部70は、図1の超音波評価装置1内を全体的に制御する。制御部70による全体的な制御には、操作デバイス60を介して、医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付された各部)のうち、送受信部12,差分演算処理部22,整相加算処理部24,超音波画像形成部30,分散情報取得部50,分散画像形成部55の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
表示部32の好適な具体例は、液晶ディスプレイ等であり、操作デバイス60は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部70は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波評価装置1の全体構成は以上のとおりである。次に、超音波評価装置1により実現される機能の具体例について詳述する。なお、図1に示した構成(符号を付された各部)については、以下の説明において図1の符号を利用する。
(受信信号処理ブロックにおける処理)
超音波評価装置1は、治療用超音波の好適な具体例である強力集束超音波(HIFU)を照射して治療部位Pの治療を行いつつ、診断用超音波を送受して治療部位Pの超音波画像を形成する。具体的には、治療部位Pに治療用超音波(強力集束超音波)を送波することにより診断用振動子10Dにて受信される第1超音波(ノイズ信号)を、治療部位Pに治療用超音波と共に診断用超音波を送受信することにより診断用振動子10Dにて受信される第2超音波(ノイズ信号および組織信号)から差分する処理が行われる。
図3は、第1および第2超音波が受信される超音波振動子(10D)のある任意の振動子(本稿では、chと表現する)における差分処理の具体例を説明するための図であり、HIFU治療中に、HIFU焦点にキャビテーション気泡がないとき(図3の(a))とあるとき(図3の(b))の任意chの受信信号の概要を示す。ここで、診断用超音波振動子で受信される治療用超音波(HIFU)の反射波をノイズ信号RFHIFU(t)とし、診断用超音波を送受信して得られる組織からの反射波を組織信号RFimg(t)とする。
また、図3の(a)と(b)において、上段には、治療部位Pに治療用超音波であるHIFUを送波することにより得られる第1受信信号が図示されている。ここに示す第1受信信号は、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波せずにHIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波し、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号に対応している。
中段には、治療部位PにHIFUを送波すると共に診断用超音波を送波することにより得られる第2受信信号が図示されている。ここに示す第2受信信号は、HIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波しつつ、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波することにより、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号に対応している。なお、この第2受信信号には、診断用超音波が送波されずにHIFUのみが送波されて得られた受信信号の期間であるHIFU応答期間と、HIFUと共に診断用超音波が送波されて得られた受信信号の期間であるHIFU+診断応答期間が含まれている。
そして、下段には、第2受信信号から第1受信信号を差し引く(差分処理する)ことにより得られる差分信号が図示されている。図3に示す具体例において、差分演算処理部22は、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに、第2受信信号から第1受信信号を差し引くことにより差分信号が形成される。
第2受信信号は、治療用超音波であるHIFUと共に診断用超音波を送波して得られる受信信号であるため、診断用超音波に伴う受信信号成分とHIFUに伴う受信信号成分を含む。一方、第1受信信号は、HIFUのみを送波して得られる受信信号であるため、HIFUに伴う受信信号成分のみとなる。したがって、第2受信信号から第1受信信号を差し引くことにより、診断用超音波に伴う受信信号成分が支配的となった、望ましくは、診断用超音波に伴う受信信号成分のみとなった差分信号が得られる。
差分演算処理部22は、例えば、第2受信信号のHIFU応答期間における波形と第1受信信号の波形に基いて、これらの2つの波形の位相と振幅を互いに揃えてから差分処理を実行することが望ましい。
キャビテーション気泡がないときの第1受信信号と第2受信信号において(図3の(a))、両信号を取得する時間が短い(数百μs~数ms間)場合、RFHIFU(t)はほとんど変化しないので(上段)、両信号の差分信号は組織信号RFimg(t)のみになる(下段)。即ち、ノイズが除去される。この意味で、信号RFHIFU(t)はノイズを示すノイズ信号と称することもできる。一方、キャビテーション気泡がある場合(図3の(b))、キャビテーション気泡によって超音波信号が激しく散乱され(中段)、第2受信信号の中のノイズ信号RFHIFU(t)の部分と第1受信信号のノイズ信号RFHIFU(t)の差が大きくなり、差分信号には消し残りノイズが生じる(下段)。消し残りノイズの大きさは、キャビテーション気泡の揺らぎや振動の大きさ(激しさ)と正の相関があることに着目し、キャビテーション気泡の活性度として評価する。
(HIFU単点連続照射の場合)
通常のHIFU治療において、HIFU単焦点によって、治療部位(P)を数秒~数十秒加熱し、次の治療部位(例えばPの隣の領域)に機械的にHIFU振動子を移動させて、治療する方式と、数十~数百素子のアレイ素子を使い、その素子に電子的な遅延を与えることで、HIFUの焦点を広範囲に複数点スキャンさせながら治療を行う方式がある。前者の方式は、単板の治療用超音波振動子のみを使用するので、治療装置を低コストで開発できる利点が一方、1回照射(数秒から数十秒間)に治療できる範囲が小さくなるという短所がある。後者の方式は、電子スキャンにより高速(数百μs~数ms)に複数焦点をスキャンさせながら治療できるため、1回照射の治療領域が拡大でき、治療効率を増大できる利点がある一方、治療用超音波振動子として、アレイ振動子を用いて、電子的な制御も行う必要があるため、振動子および制御回路等の高コスト化につながる。本稿において、前者と後者の方式を「単点連続照射」と「複数点連続照射」とし、説明することとする。本発明は、両方の方式に対応させることができる手法であるが、基本の実施例として「単点連続照射」とし、応用例として、「複数点連続照射」とする。
図4は、HIFU「単点連続照射」における、治療用超音波照射中の治療用超音波ノイズを除去する手法を説明するための図である。本手法における、差分処理は、整相加算前後どちらで行ってもよい。整相加算後の処理については後述することとし、ここでは、整相加算前の信号処理の場合について説明する。「単点連続照射」の場合、HIFU照射を治療部位に一定時間、同強度で照射するのが一般的である。図4上部に示すのは、治療用振動子(10H)にて治療用超音波を一定時間・同強度で送波した際に、診断用振動子(10D)で前述した第1受信信号(ノイズ信号)と第2受信信号(ノイズ信号+組織信号)を交互に受信している様子を図示している。ここで、第1受信信号および第2受信信号は、診断用振動子の素子数(ch数)存在するため、図4において、それぞれ、第1受信群と第2受信群としている。
図4の下段は、診断用振動子で受信した各受信信号によって、差分処理を行い、ノイズ信号を除去した超音波画像を取得する様子を図示している。図4のように、診断用振動子の全素子の第1、第2受信群を1セット用いて、1枚のノイズを除去した超音波画像を生成している。HIFU照射中に、診断用振動子による取得と処理を複数回繰り返すことで、HIFU照射中に複数枚のノイズ信号を取り除いた超音波画像を生成でき、治療中の治療部位および治療部位近傍の様子を確認することができる。「単点連続照射」の場合、「比較的短時間間隔(数百μs~数十ms間)に取得する治療用超音波ノイズは変わらない」の前提条件の元、数百μs~数十ms間程度の範囲であれば、第1受信群と第2受信群の取得間隔に特段の制約はない。
(HIFU複数点連続照射の場合)
HIFU「複数点連続照射」の場合、前述した「単点連続照射」の場合と同様に、第1、第2受信群を交互に取得し、両者を差分することで、ノイズ成分を除去した超音波画像を生成することは、同様である。しかしながら、第1受信群と第2受信群の取得間隔に制約が生じる。
図5は、HIFU複数点連続照射における、治療用超音波ビームTBを高速にスキャンさせる際の複数焦点の具体例を示す図である。図5には、XYZ座標系(図1参照)内において治療部位Pが含まれるXY断面(平面)が図示されている。図5の具体例において、治療用超音波ビームTBの焦点(フォーカス位置)は、治療部位Pが含まれるXY断面内において、位置1,位置2,位置3,位置4,位置5,位置6の順に円周に沿って移動され、位置1~6の移動を周期的に繰り返す。その周期(焦点が1,2,3,4,5,6,1まで1周する時間)は、数百μs~数百msである。本稿では、その周期をTHIFUとする。なお、円周の直径は、例えば治療部位Pの状態等に応じて決定されることが望ましく、例えば数mm~数cm程度とされる。
複数点連続照射において、送受信部12は、HIFU用振動子10Hの複数の振動素子へ出力する送信信号に対して、例えば位相変調処理等を施すことにより、治療用超音波ビームTBの焦点を移動させる。また、位相変調処理に代えて、または、位相変調処理と共に、振幅変調処理などが適用されてもよい。なお、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10D(図1)が別体型の場合には、例えば、図5に示すXY断面(又はこれに平行な断面)に対応した超音波画像が形成できるように、診断用振動子10Dが配置されてもよい。具体的には、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dの振動子面が互いに直交するように配置されてもよい(図示省略)。
複数点連続照射において、第1受信群(ノイズ信号)と第2受信群(ノイズ信号+組織信号)は、図5における、HIFU焦点が同じ焦点位置にくるタイミング(=周期THIFU×自然数)で取得しなければならない。もし、その第1受信群と第2受信群の取得間隔が「周期THIFU×自然数」からずれてしまった場合、治療用超音波の照射(焦点)位置が異なる際のノイズ成分が両群で取得されるため、両群の差分処理を行ってもノイズのみを除去することはできない。つまり、複数連続照射における、本手法の制約条件は、第1受信群と第2受信群の取得間隔を「周期THIFU×自然数」とすることになる。また、本手法の前提条件である、比較的短時間間隔(数百μs~数十ms間)に取得する治療用超音波ノイズは変わらない」も同時に満たす必要があるため、第1受信群と第2受信群の取得間隔は、周期THIFUにすることが望ましい。
図6は、複数点連続照射において、治療用超音波ビームTBの焦点移動と受信処理の具体例を示す図である。図6には、図5の具体例に従って、治療用超音波ビームTBの焦点(フォーカス位置)を位置1~6の順に移動させた場合の受信処理が図示されている。まず、第1周期において、治療用超音波ビームTBの焦点(フォーカス)を位置1~6の順に移動させながら治療用超音波のみが送波され、各位置ごとに第1受信信号セット(後述)が得られる。次に、第2周期において、治療用超音波ビームTBの焦点(フォーカス)を位置1~6の順に移動させながら治療用超音波を送波すると共に、診断用超音波ビームDBを走査して診断用超音波が送波され、各位置ごとに第2受信信号セット(後述)が得られる。そして、各位置ごとに、その位置で得られた第2受信信号セットと第1受信信号セットに基いて、図4を利用して説明する受信信号処理の具体例が実行され、差分信号セットが得られる。
例えば、診断用超音波を走査して複数の超音波ビームが形成される場合に、診断用超音波の各送信ビームごとに、第2受信信号と第1受信信号が得られて差分処理により差分信号が形成される。差分信号に対して整相加算処理を実行することにより、その送信ビームに対応した各受信ビームのビームデータが形成される。そして、診断用超音波を走査して1フレームを構成する複数の診断用超音波ビームDBに対応した複数の受信ビームの受信信号セットを得ることにより、1フレームを構成する複数の受信ビームの受信信号セットに対応したビームデータからなる差分信号セットが形成される。こうして、各位置ごとに差分信号セットに基いて超音波画像が形成される。更に、例えば、第1周期と第2周期を交互に繰り返すことにより、各位置ごとに複数の時相に亘って超音波画像を形成することができる。
図6には、各位置ごとに第2受信信号セットと第1受信信号セットを得た差分信号セットに基いて超音波画像を形成する具体例を示した。しかしながら、本手法の制約条件は、第1受信群と第2受信群の取得間隔が「周期THIFU×自然数」であればよいことから、必ずしも、HIFU焦点が各位置に来るたびに各受信群セットを取得する必要はない。
この際の超音波診断画像生成は、送信ビームフォーミングで各走査線(本稿ではラスタと表現する)を形成するタイプでも良いし、平面波送信で形成するタイプでも良い。差分処理を行う際は、各素子の受信RF信号群を差分処理した後に整相加算して超音波画像にしても良いし(整相加算前差分)、各受信RF信号をそれぞれ整相加算して超音波画像にした後に差分処理しても良い。超音波治療中のキャビテーションを生成させる手段として、図4のように、通常のHIFUのように単焦点に集束させる治療でも良いし、複数点にHIFU照射する場合は、ある周期THIFUで複数点に回転させながら照射させる治療でも良い。複数点連続照射の場合、第1受信信号セットと第2受信信号セットの時間間隔は、n・THIFU(n:自然数)である。
(整相加算前処理について)
本手法は、前述したとおり、整相加算後の差分処理でも適用可能である。整相加算後の場合の処理は、図1のブロック図において、信号処理ブロック20の差分演算処理22と整相加算処理24の順番を入れ替えればよいし、図14のフローチャートにおいて、差分処理工程(S010)と超音波画像形成(整相加算処理)工程(S012)の順番を入れ替えればよい。
なお、診断用超音波の各送信ビームごとに複数の受信ビームのビームデータを形成するパラレル受信が実行されてもよいし、診断用超音波の平面波を角度を変えて複数回送信する公知の送信コンパウンドが実行されてもよい。差分信号セットは、各フレームごとに複数フレームに亘って次々に形成され、そして、差分信号セットに基いて超音波画像形成部30により超音波画像の画像データが形成される。キャビテーション気泡がないときのノイズ除去前後の超音波画像の典型例を図7に示す。
図8は、表示部32に表示される画面の具体例を示す図である。最左の図は、治療部位Pを含む生体(被検体)36と音響媒体(水袋14)35の断層像が映し出されたノイズ成分除去後の超音波画像を示し、その右の図は、超音波画像に分散情報を重畳した分散情報重畳画像を左の図に重ねて表示した図である。図8の右の図に関しては、図13を使用して後述する。
超音波画像形成部30は、受信信号処理ブロック20における処理により得られた複数フレームの差分信号セットに基いて各フレームごとに超音波画像を形成する。図8の左の図に示す具体例では、超音波画像は、治療部位Pを含む断面、つまり診断用振動子10Dにより実現される走査面(XY平面)に対応したBモード画像である。超音波振動子10と被検体の間に超音波の音響媒体(例えば水袋14)が挿入される。図8の左の図に示す超音波画像内には、治療部位Pを含む生体(被検体)36と音響媒体(水袋14)35の断層像が映し出される。超音波画像形成部30は、複数フレームに亘って各フレームごとに治療部位Pとその近傍を映し出した超音波画像を形成する。形成された超音波画像は表示部32に表示される。
超音波評価装置1によれば、治療部位Pに治療用超音波であるHIFUを照射しつつ、治療部位Pとその近傍を映し出した超音波画像を表示部32に表示することができる。そのため、例えば、医師等のユーザは、治療部位PにHIFUを照射しつつ、治療部位Pの超音波画像を確認することができる。
(キャビテーション気泡があるときのノイズ除去)
図9は、キャビテーション気泡があるときのノイズ除去前後の超音波画像の典型例を示す図である。キャビテーション気泡がある場合(図3の(b))、上述のノイズ除去処理を行うだけではキャビテーションが生じたラスタの部分に消し残りノイズ(後述)が残る(図9の右欄の囲い部分)。これは、キャビテーション気泡によって、その走査線上のHIFU反射成分であるノイズ信号RFHIFU(t)が揺らぎ、第1受信信号と第2受信信号の間に差分が生じるためである。この状態では、集束領域に生じるキャビテーション気泡だけを抽出することができない。これに対して、消し残りノイズの時間的な揺らぎに着目した。以下、順に説明する。
図10は、分散情報の取得を説明する図である。集束領域に生じるキャビテーション気泡だけを抽出することができない場合、超音波画像を時間軸上に複数枚分散処理を行うことで分散情報を取得する。即ち、ノイズ除去後の画像において、消し残りノイズ(後述)が生じる中心ラスタの部分でも時間的に激しく変化するのは、キャビテーション気泡が生じて時間的に激しく揺らいでいる箇所なので、分散値が大きくなる。その特性を利用して、図10のように分散情報を作成する。
図11は、図3の(b)に示すHIFU焦点にキャビテーション気泡があるときの受信信号セットから超音波画像の再構成を説明するための図である。図の左側は、体組織16からの反射波を超音波振動子10の複数の診断用振動子10Dが受信して(左下の絵)、受信信号をチャネルごとに並べた絵であり(左上の絵)、右側は、受信信号に基いて超音波を再構成した絵である。キャビテーション気泡等が生じて焦点付近で激しく振動した場合、第1受信信号セットと第2受信信号セットのが大きくなることで、消し残りノイズが生じる(図3の(b))。キャビテーション気泡の発生場所から斜めの位置にあるチャネルでは相対的にキャビテーションによって歪められる効果が少なくなり、消し残りノイズ成分が小さくなる(但し、必ずしもゼロになるとは言えない。)ので、消し残りノイズは、キャビテーション気泡の発生場所(集束領域)の真正面(画像上で真上)で受信される超音波受信信号に顕著に表れる。そのような受信信号を使って再構成した超音波画像は、図11のように集束領域(=超音波画像における中心ラスタ付近)の深さ方向を横断するようなノイズがのった超音波画像となる。つまり、キャビテーション気泡等が激しく振動して生成・崩壊を繰り返すような活性度の高い状態は、この消し残りノイズの振幅が大きくなった状態だと言える。
図12は、気泡の活性度を算出する際の画像上、もしくは、受信信号上に設定する関心領域を説明する図である。図12の左側の図は、ある時間の超音波画像を生成する前の差分処理を行った後の診断用振動子の各chの受信信号を示しており、右側の図は、左図の受信信号から生成されたノイズ信号除去後の超音波画像である。消し残りノイズを算出する方法は、ユーザが設定した、水袋14の関心領域に対応する受信信号における時間上(図12左図)又は超音波画像における空間軸上(図12右図)の信号の平均値とする。(または、その値の合計でもよい。)算出のフレーム数は、ユーザが指定する。関心領域の設定基準は、施術者が自由に設定可能だが、HIFU焦点から真正面(画像上の真上)方向に数cm~数十cmの深さ(組織の信号がなく、水袋に対応する領域)で、幅は、HIFU焦点の幅方向のサイズである数mm~数cm程度が望ましい。この消し残り成分の大きさを指標とすることで、意図的・非意図的に生じたキャビテーション気泡の活性度を評価でき、上記(p15)の求められるイメージングの条件のうち、条件4を満たすことができる。
ところで、超音波画像を時間軸上に複数枚分散処理を行うことで分散情報を取得することができるが、把握する画像情報の時間間隔(変化の時間スケール)を変えることで認識できる状態情報が変わる。図13は、画像情報の時間間隔(変化の時間スケール)を変えて取得した分散情報を超音波画像に重畳した分散情報重畳画像を示す図であり、(1)は分散を取得する時間間隔が短い(数百μs~数ms間)場合の強力集束超音波焦点付近を可視化した焦点画像、(2)は(1)の焦点画像より時間間隔を少し増やして(数ms~数十ms)捉えたキャビテーション気泡発生領域を可視化したキャビテーション画像、(3)は更に長い時間間隔で(数百ms~数s)捉えた加熱凝固領域を可視化したたんぱく凝固画像である。
図13の形成過程を簡単に述べれば、治療用超音波ビームTBが治療部位Pに照射されると、その治療部位Pが加熱されて組織の特性などが変化する(蛋白凝固領域やキャビテーション気泡・沸騰気泡の発生)。受信信号処理ブロック20から得られる受信情報のフレーム間にその変化が発生する。分散情報取得部50によって取得される複数フレームに亘る受信情報の分散情報から、そのフレーム間における画像の差(例えば輝度差や輝度パターンの差)が検出され、分散情報保存部52が超音波画像と分散情報とを関連付けて保存する。分散画像形成部55が超音波画像に分散情報を重畳した分散情報重畳画像を形成する。形成された分散情報重畳画像は表示部32に表示される。画像の差をとる(分散処理をする)フレーム間隔を、後述のように変えることで、強力集束超音波焦点、キャビテーション気泡発生領域、加熱凝固領域をそれぞれ検出する。
(1)強力集束超音波焦点の可視化(焦点画像)
分散を取得する時間間隔が短い(数百μs~数ms間)場合、焦点付近で激しく振動する気泡による消し残りノイズの揺らぎを捉えることができる。焦点付近で起こるこの変化は、超音波エネルギーが1点に集束し、そのスポットで気泡等を激しく振動させることに起因すると考えられる。よって、焦点(最も激しく振動している箇所)は、分散をとる時間幅(フレーム数)を小さくすることで捉えることができる。極めて短い時間(数百μs~数ms間)の変化=HIFUによる音響エネルギーが最も集束し、キャビテーション気泡が短時間でも揺らいでいる点=HIFU焦点の位置を示している。
(2)キャビテーション気泡発生領域の可視化(キャビテーション画像)
(1)ほど速い時間的揺らぎではないが、少し時間幅を増やした際の(数ms~数十ms)揺らぎを捉えることで、キャビテーション気泡発生領域を可視化したキャビテーション画像を取得できる。キャビテーション気泡が発生している領域は、激しく振動している焦点付近に加え、治療用超音波集束範囲でマイルドに振動している領域が気泡生成範囲となる。よって、(1)時間スケール(数百μs~数ms間)ではほとんど消し残りノイズの揺らぎが観察されなくても、数ms~数十msの時間スケールでは揺らぎが観察される。従って、(1)より広い時間幅(フレーム数)で分散処理を行うことで、キャビテーション気泡が発生している領域を捉えることができる。この領域は、HIFU焦点に加え、HIFUの集束範囲によって揺らいでいるキャビテーション気泡領域=キャビテーション気泡が加熱増強強化やエロージョン効果、ROS発生等に寄与している範囲を示している。
(3)加熱凝固領域の可視化(たんぱく凝固画像)
(1)、(2)よりも長い時間スケール(数百ms~数s)では、消し残りノイズ外の超音波信号も変化しており、この時間スケールの変化を捉えることで、加熱凝固による変化(たんぱく凝固画像)を取得できる。加熱凝固領域に関しては、蛋白凝固の変化が超音波信号の変化に表れてくる時間スケールは数百ms~数sと言われており、分散算出の時間幅(フレーム数)を(1)、(2)よりも広げることで凝固領域の変化を捉えることができる。この領域に関しては、消し残りノイズの時間的揺らぎ+ノイズが消えた領域の超音波画像の信号変化(例えば、輝度値や輝度パターンの変化)も捉えていることになる。(3)は、消し残りノイズの時間変化(キャビテーション生成・発生領域)と、加熱凝固領域生成による超音波信号の時間変化(加熱凝固領域)を含む範囲を示している。ただし、この画像で検出される加熱凝固領域は、(1)や(2)の領域も含まれている。つまり、(3)は、キャビテーション生成・振動領域は、蛋白凝固が起こっている、という前提条件の元での加熱凝固領域の検出となる。(1)、(2)、(3)の分散値の閾値(どれくらい分散があればよいか等)はユーザが各画像について指定するが、基本的には、分散がゼロ以上であれば画像上に表示される。
図13の説明をHIFUの照射時間軸で表現すると、図10となる。上述したように、超音波画像を時間軸上に複数枚分散処理を行うことで分散情報を取得する。図10におけるt1~t2が数百μs~数msに、t1~t3が数ms~数十msに、t1~t6が数百ms~数sにそれぞれ対応する。それぞれの時間スケールで分散情報を取得したのち、分散情報重畳画像を作成する。図10において、それぞれの分散情報を取得するフレームの選択は、なっているが、t1~t2、t1~t3、t1~t6となっているが、例えば、t1~t2、t3~t5、t3~t8等、ユーザが状況(HIFU強度や周波数等)や治療部位(腫瘍の大きさや深さ等)に合わせて自由に変更できる。
(超音波画像の形成)
図8の右の図は、分散値の色分け(分散マップ)を説明する図で、典型的な分散マップを表示する。各分散処理を行う際の時間間隔の違いによって分散情報重畳画像を3種類に分けるので、各時間間隔に分散値が存在した(または、ある設定した閾値を超えた分散値が存在する)範囲を3段階に色分けし、且つ、消し残りノイズレベルの大きさによってキャビテーション気泡のゆらぎや活性度・激しさを評価する。活性度や激しさも下記ゲージのような形で、キャビテーションの活性度や激しさを評価する。活性度の表示は、ゲージに限らず、その他の記号・文字で表示しても良い。図8において、ノイズ信号除去後の超音波画像に加え、前述した3種類の分散情報重畳画像を示している。本表示部において、全ての画像を表示させてもよいし、超音波画像とキャビテーション領域画像のみ等、ユーザが自由に選択できる。
(超音波評価方法のフローチャート:整相加算前差分)
図14は、図1の超音波評価装置1の好適な動作例を示すフローチャートである。治療用超音波(HIFU)の照射に先だって、診断用振動子10Dにより診断用超音波が送受されて超音波画像形成部30により超音波画像が形成され、例えば、表示部32に表示される被検体内の超音波画像により、医師等のユーザが治療部位Pの位置や大きさなどを確認する(S002)。次に、その確認の結果に応じて、治療用超音波強度、照射時間、治療用ビームの焦点の数と位置(図4)、治療の終了条件(分散情報取得部50が参照する受信情報のフレーム数等)などの治療条件を設定する(S004)。次に、医師等のユーザが操作デバイス60を利用して、画像取得に関する詳細な設定を行う(S006)。例えば、キャビテーション活性度評価のための超音波画像上の水袋14内に対応する関心領域ROI(図12)を設定したり、図10に開示の例に従えば、焦点画像は2セットの受信情報から生成するとして焦点画像に対する設定フレーム数として2を指定し、キャビテーション画像は3セットの受信情報から生成するとしてキャビテーション画像に対する設定フレーム数として3を指定し、たんぱく凝固画像は6セットの受信情報から生成するとしてたんぱく凝固画像に対する設定フレーム数として6を指定する。各画像の枚数等の分散処理の詳細を設定し、前述の各分散画像生成枚数カウントをゼロに設定する(S006)。
そして、例えば医師等のユーザが操作デバイス60を利用して開始操作を行うことにより、S004で設定された治療条件に従って、治療用超音波(HIFU)の照射が開始され、治療用超音波(HIFU)を照射しつつ診断用超音波が送受される(S008)。続いて、HIFU成分を除去する受信信号処理(差分演算処理)が実行され(S010)、消し残りノイズが算出されて(S010)、「指定時間分の差分情報(キャビテーション活性度)の計算処理部40」に保存される。複数の差分信号が整相加算されて、超音波画像形成部30により超音波画像が形成される(S012)。
図14で、強力集束超音波焦点、キャビテーション気泡発生領域、加熱凝固領域の可視化のために取得する、分散情報をそれぞれ分散情報(i)、(ii)、(iii)とする。分散情報取得に用いる画像数は分散情報(i)、(ii)、(iii)の順に多くなる。
形成された超音波画像の数が分散情報(i)で設定した枚数に達するまで、S008~S012を繰り返し、画像数が所定の画像数に達成すると、分散情報を取得し(S030)、分散情報(i)の重畳画像を形成し(S032)、画像表示部において表示する(S034)。分散情報(ii)、(iii)も同様に、S008~S012を連続的に繰り返しながら、画像数が分散情報(ii)、(iii)設定枚数に達した時点で、それぞれ分散情報を取得し(S036、S042)、分散情報重畳画像を形成し(S038、S044)、表示する(S040、S046)。
分散情報取得部50により、超音波画像形成部3から得られる複数フレームに亘る超音波画像の分散が演算される(S030)。上述した図10に開示の例では、演算処理される画像数を3つに分けて3種類の分散情報を取得する。即ち、t1~t2,t3~t4,t5~t6の超音波画像から3つの分散情報(焦点画像のための3つの分散情報)が生成され、t1~t3,t4~t6の超音波画像から2つの分散情報(キャビテーション画像のための2つの分散情報)が生成され、t1~t6の超音波画像から1つの分散情報(たんぱく凝固画像のための1つの分散情報)が生成される。演算されて生成された分散情報(S030、S036、S042)は、分散情報形成部55により、超音波画像形成部30が形成した超音波画像と、分散情報取得部50が取得した受信情報の分散情報を重畳される(S032、S038、S044)。この際に重畳される超音波画像は、分散情報取得の際に使用されたどのフレームでもよい。
ノイズ成分除去後の超音波画像は、差分処理を行い(S010)、超音波画像を形成後(S012)、常に画像表示部32で、表示される(S048)。よって、前述の3種類の分散重畳画像は、表示部のノイズ除去後の超音波画像よりも複数フレーム(分散処理フレーム分)遅れて表示されることになる(図8参照)。
ステップS030~S046の処理と並行して、画像上の水袋14内に対応する領域設定された関心領域ROIの消し残りノイズのノイズレベルが消し残りノイズレベル計算処理部40により算出され、指定枚数分だけ平均化されて消し残りノイズレベルが算出される(S010)。算出された消し残りノイズレベルは、キャビテーション気泡の活性度として、例えば色分けや連続的なゲージで表示部32に表示される(S050)。ゲージで表示するとき、焦点画像、キャビテーション画像、たんぱく凝固画像の各分散情報重畳画像それぞれについて表示させてもよいし、たんぱく凝固画像を生成する枚数で1つの活性度を表示してもよい。
S004において設定された治療終了時間に到達するまでステップS008~S050が繰り返され(S050)、治療終了時間に到達すると終了処理に移行し(S060)、フローチャートが終了する。
(超音波評価方法のフローチャート:整相加算後差分)
前述したとおり、整相加算後の処理に関しては、フローチャートにおいて、差分処理(S010)と整相加算処理(S012)の順番を入れかえることでよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。なお、本発明に係る超音波評価装置1を利用した治療等は、医師等の専門家の指導の下で十分に慎重に行われるべきことは言うまでもない。
1:超音波評価装置、10:超音波振動子、10D:診断用振動子、10H:治療用振動子、12:送受信部、14:水袋、16:体組織、20:受信信号処理ブロック、22:差分演算処理部、24:整相加算処理部、30:超音波画像形成部、32:表示部、34:指定時間(フレーム)分の差分情報(キャビテーション活性度)の保存処理部、40:消し残りノイズレベル計算処理部、50:分散情報取得部、52:分散情報保存部、55:分散画像形成部、60:操作デバイス、70:制御部

Claims (6)

  1. 治療部位にて合焦するように治療領域を含む近傍領域に治療用超音波を照射する治療用超音波送信部(10H)と、
    前記治療部位を含む前記近傍領域に診断用超音波を照射する診断用超音波送信部(10D)と、
    反射する治療用超音波を受信する治療用超音波受信部(10D)と、
    反射する診断用超音波を受信する診断用超音波受信部(10D)と、
    前記診断用超音波送受信部にて受信した治療用超音波と診断用超音波とに基いて差分演算を実行する差分演算処理部(22)と、
    取得した差分情報に基いて前記治療部位を含む前記近傍領域の画像を形成する画像形成部(30)と、
    形成された所定数の画像に基いて分散情報を取得する分散情報取得部(50)と、
    取得された分散情報をその基となった画像の数と関連付け、前記画像形成部で形成された画像に重畳した分散情報重畳画像を形成する分散画像形成部(55)と、
    前記画像形成部が形成した画像と前記分散画像形成部が形成した分散情報重畳画像とをリアルタイムで表示する表示部(32)と、
    を備える、超音波評価装置(1)。
  2. 請求項1に記載の超音波評価装置において、
    前記分散情報取得部は、分散情報を取得する際の基となる画像の数を変えて、重複する画像を含む複数の画像に基いて複数の分散情報を取得する、超音波評価装置。
  3. 請求項1又は2に記載の超音波評価装置において、
    差分演算の際に取得される消し残りノイズに基いて消し残りノイズレベルを計算する消し残りノイズレベル計算処理部(40)を更に備え、
    前記表示部は、計算された消し残りノイズレベルに基いたキャビテーション気泡の活性度を表示する、超音波評価装置。
  4. 治療部位にて合焦するように治療領域を含む近傍領域に治療用超音波を照射し、反射する第1超音波を受信する工程(S008)と、
    前記治療部位を含む前記近傍領域に治療用超音波と診断用超音波とを照射し、反射する第2超音波を受信する工程(S008)と、
    前記第1超音波と前記第2超音波とに基いて差分情報を取得する工程(S010)と、
    取得した差分情報に基いて前記治療部位を含む前記近傍領域の超音波画像を形成する工程(S012)と、
    形成された各所定枚数の超音波画像に基いて分散情報を取得する工程(S030、S036、S042)と、
    取得された分散情報をその基となった画像と関連付け、形成された超音波画像に重畳した分散情報重畳画像を形成する工程(S032、S038、S044)と、
    形成された超音波画像と形成された分散情報重畳画像とをリアルタイムで表示する工程(S034、S040、S046)と、
    を備える、超音波評価方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、
    前記分散情報を取得する工程は、分散情報を取得する際の基となる超音波画像の枚数を変えて、重複する超音波画像を含む複数の超音波画像に基いて複数の分散情報を取得する、超音波評価方法。
  6. 請求項4又は5に記載の方法において、
    前記差分情報を取得する工程で取得される消し残りノイズに基いて消し残りノイズレベルを計算する工程(S010)と、
    計算された消し残りノイズレベルに基いたキャビテーション気泡の活性度を表示する工程(S050)と、
    を更に備える、超音波評価方法。
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