JP6633314B2 - 超音波医用装置 - Google Patents

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Description

本発明は、治療用超音波を送波する超音波医用装置に関する。
強力集束超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)などの治療用超音波を例えば生体に照射し、その音響エネルギーを利用して腫瘍などの治療部位を加熱して凝固させる治療方法が知られている。
治療用超音波を利用した治療においては、加熱による治療部位の凝固の進行状態を確認することが望ましい。例えば、組織が凝固する際には音響特性などが変化するため、その変化を超音波診断装置の受信信号(RF信号)により抽出して画像上にマッピングすることにより、凝固の領域を測定する手法が知られている(非特許文献1,2参照 )。
治療用超音波を利用した治療において、インターバル(治療用超音波の送波の停止期間)を設け、そのインターバルに診断用の超音波を送受して画像確認を行うことができるものの、この場合には、治療用超音波を送波している時点における組織状態を確認することができない。また、特に、三次元超音波画像により組織状態を確認する場合には、三次元超音波画像を形成するための超音波の送受に時間を要するため、インターバル(治療用超音波の送波の停止期間)が比較的長くなってしまう。
そのため、治療用超音波を照射しつつ、診断用超音波を送受して超音波画像を形成できることが望ましい。例えば、特許文献1,非特許文献3には、治療用超音波を照射しつつ画像形成のための超音波を送受し、治療用超音波(HIFU)に対応した周波数のノッチフィルタにより治療用超音波の成分を除去する手法が提案されている。また、非特許文献4には、治療用超音波を照射しつつ画像形成のための超音波を送受し、治療用超音波(HIFU)の照射にパルスインバージョン法を適用して治療用超音波の成分を除去する手法が提案されている。
米国特許出願公開第2009/0240148号明細書
Ryo Matsuzawa、他3名、「Monitoring of Lesion Induced by High-Intensity Focused Ultrasound Using Correlation Method Based on Block Matching」、Japanese Journal of Applied Physics 51 (2012) 07GF26 Shoya Sasaki、他4名、「Monitoring of high-intensity focused ultrasound lesion formation using decorrelation between high-speed ultrasonic images by parallel beamforming」、Japanese Journal of Applied Physics 53、07KF10 (2014) Jong Seob Jeong、他2名、「Adaptive HIFU noise cancellation for simultaneous therapy and imaging using an integrated HIFU/imaging transducer」、Physics In Medicine and Biology 55 (2010) 1889-1902 Jae Hee Song、他3名、「Real-time monitoring of HIFU treatment using pulse inversion」、Physics In Medicine and Biology 58 (2013) 5333-5350
しかし、ノッチフィルタにより治療用超音波(HIFU)の成分を除去する手法では、照射状況に応じて刻々と変化する治療用超音波の成分に合わせて最適なノッチフィルタを設定するために、複雑なアルゴリズム等が必要になり、例えばリアルタイム性が損なわれる可能性がある。また、治療用超音波(HIFU)の照射にパルスインバージョン法を適用して治療用超音波の成分を除去する手法では、治療用超音波の周波数帯と診断用超音波の周波数帯のペアを適切に組み合わせる必要があり適用できる事例が制限される可能性がある。
このように、治療用超音波を照射しつつ画像形成のための診断用超音波を送受して超音波画像を形成する従来の技術には、いくつかの解決すべき課題があった。
本発明は、治療用超音波を送波しつつ診断用超音波を送受して超音波画像を形成する改良技術を提供することにある。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、治療部位に治療用超音波を送波することにより得られる第1超音波と、前記治療部位に治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波を受波する複数の振動素子と、前記複数の振動素子の各振動素子ごとに前記第2超音波に対応した第2受信信号と前記第1超音波に対応した第1受信信号を得る受信部と、前記複数の振動素子の各振動素子ごとに、前記第2受信信号と前記第1受信信号を差分処理することにより差分信号を形成する差分処理部と、 前記複数の振動素子に対して形成された複数の前記差分信号を整相加算処理することにより複数ビームのビーム信号を形成する整相加算処理部と、前記複数ビームのビーム信号に基づいて前記治療部位の超音波画像を形成する画像形成部と、を有し、前記治療用超音波は複数フレームに亘って送波され、先の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を前記受信部が得た後に、前記差分処理部は各前記差分信号を形成し、前記差分処理部が各前記差分信号を形成した後に、前記整相加算処理部は各前記ビーム信号を形成し、前記差分処理部が各前記差分信号を形成する期間、および、前記整相加算処理部が各前記ビーム信号を形成する期間に重なる期間に、前記受信部は、次の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を得ることを特徴とする。
上記構成において、診断用超音波は、一般的な超音波診断装置における画像形成用の超音波と同程度の特性(周波数,波形,強度)であり、診断用の複数の振動素子を利用して送受することができる。これに対し、治療用超音波は、治療部位を加熱治療できる程度の比較的強度の大きい超音波である。治療用超音波は、例えば診断用超音波に比べて強度が大きく、特に強力集束超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)が治療用超音波の好適な具体例である。
上記構成の超音波医用装置によれば、治療用超音波を送波しつつ診断用超音波を送受して得られた差分情報に基づいて治療部位の超音波画像を形成することができる。これにより、例えば、医師等のユーザは、治療用超音波を照射しつつ超音波画像で治療部位の状態を確認しながら治療を行うことができる。
上記目的にかなう好適な超音波診断装置は、治療部位に治療用超音波を送波することにより得られる第1超音波と、前記治療部位に治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波を受波する複数の振動素子と、前記複数の振動素子の各振動素子ごとに前記第2超音波に対応した第2受信信号と前記第1超音波に対応した第1受信信号を得る受信部と、前記複数の振動素子に対応した複数の前記第2受信信号を整相加算処理することにより複数ビームの各ビームごとに第2受信ビーム信号を形成し、前記複数の振動素子に対応した複数の前記第1受信信号を整相加算処理することにより前記複数ビームの各ビームごとに第1受信ビーム信号を形成する整相加算処理部と、前記複数ビームの各ビームごとに前記第2受信ビーム信号と前記第1受信ビーム信号を差分処理することにより差分ビーム信号を形成する差分処理部と、前記複数ビームに対応した複数の差分ビーム信号に基づいて前記治療部位の超音波画像を形成する画像形成部と、を有し、前記治療用超音波は複数フレームに亘って送波され、先の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を前記受信部が得た後に、前記整相加算処理部は、前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成し、 前記整相加算処理部が、前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成した後に、前記差分処理部は前記差分ビーム信号を形成し、前記整相加算処理部が前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成する期間、並びに、前記差分処理部が前記差分ビーム信号を形成する期間に重なる期間に、前記受信部は、次の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を得ることを特徴とする。
望ましい具体例において、前記超音波医用装置は、前記治療部位内の複数位置に対して順に治療用ビームを形成して前記治療用超音波を送波することにより前記複数の振動素子が前記第1超音波を受波し、さらに、前記複数位置に対して順に治療用ビームを形成して前記治療用超音波を送波すると共に診断用ビームを走査して前記診断用超音波を送波することにより前記複数の振動素子が前記第2超音波を受波する、ことを特徴とする。
本発明により、治療用超音波を送波しつつ診断用超音波を送受して超音波画像を形成する改良技術が提供される。例えば本発明の好適な態様によれば、治療用超音波を送波しつつ診断用超音波を送受して得られた差分情報に基づいて治療部位の超音波画像を形成することができる。
本発明の実施において好適な超音波医用装置の全体構成を示す図である。 差分処理の具体例1を説明するための図である。 受信信号処理の具体例1を説明するための図である。 超音波画像の具体例を示す図である。 凝固領域推定画像の具体例を示す図である。 図1の超音波医用装置の動作例1を説明するための図である。 差分処理の具体例2を説明するための図である。 受信信号処理の具体例2を説明するための図である。 図1の超音波医用装置の動作例2を説明するための図である。 治療用ビームの焦点の具体例を示す図である。 治療用ビームの焦点移動と受信処理の具体例を示す図である。 治療用ビームの焦点移動と受信処理の一般例を示す図である。 治療用ビームの焦点移動と受信処理の別の具体例を示す図である。 図1の超音波医用装置の好適な動作例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施において好適な超音波医用装置(本超音波医用装置)の全体構成図である。本超音波医用装置は、複合型の超音波振動子10を有しており、超音波振動子10は、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dを備えている。
HIFU用振動子10Hは、治療用超音波の好適な具体例である強力集束超音波(HIFU)を送波する振動子であり、例えば二次元的に配列された複数の振動素子を備えている。HIFU用振動子10Hは、例えば癌や腫瘍などの治療部位Pに向けて治療用超音波ビームTBを形成して強力集束超音波を送波し、その治療部位Pを加熱して治療するために利用される。
一方、診断用振動子10Dは、例えば一次元的に配列された複数の振動素子を備えており、例えば治療部位Pを有する被検体(患者)に対して、超音波画像を形成するための比較的弱い超音波を送受する。つまり、公知の一般的な超音波診断装置において超音波画像を形成する際に利用される超音波と同じ程度の強度(エネルギー)の超音波を送受する。診断用振動子10Dは、治療部位Pを含む断面内において診断用超音波ビームDBを走査する。なお、診断用振動子10Dは、例えば、二次元的に配列された複数の振動素子を備え、これにより、治療部位Pを含む空間内において診断用超音波ビームDBが立体的に走査されてもよい。
超音波振動子10は、例えば、お椀(どんぶり)状に凹ませた内部の表面を振動子面とする。そして、例えば、お椀状に凹んだ内部の中央に位置する底の部分に診断用振動子10Dが設けられ、診断用振動子10Dを取り囲むようにHIFU用振動子10Hが設けられる。なお、超音波振動子10の振動子面の形状は、お椀状に限定されず、例えば治療の用途等に応じた形状とされることが望ましい。また、全ての振動素子またはいくつかの振動素子が、HIFU用と診断用の両用途に併用されてもよい。また、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dは、図1に示すように一体型の超音波振動子10を構成してもよいし、互いに物理的に離れた別体型であってもよい。
送受信部12は、HIFU用振動子10Hを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号(治療用超音波の送信信号)を出力することにより、HIFU用振動子10Hを制御して治療用超音波ビームTBを形成する。また、送受信部12は、診断用振動子10Dを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号(診断用超音波の送信信号)を出力することにより、診断用振動子10Dを制御して診断用超音波の送信ビームを形成し、さらに、それら複数の振動素子の各々から超音波の受信信号を得る。
受信信号処理ブロック20は、診断用振動子10Dを構成する複数の振動素子から得られる受信信号を処理するブロックであり、差分演算処理部22と整相加算処理部24とノッチフィルタ処理部26で構成される。受信信号処理ブロック20における処理については後に詳述する。
超音波画像形成部30は、受信信号処理ブロック20から得られる受信処理後の受信情報(信号またはデータ)に基づいて、治療部位Pの超音波画像を形成する。超音波画像形成部30は、例えば、治療部位PのBモード画像を形成する。なお、診断用振動子10Dが二次元的に配列された複数の振動素子を備えている場合には、治療部位Pを立体的に映し出した三次元超音波画像が形成されてもよい。超音波画像形成部30において形成された超音波画像は、表示部32に表示される。
超音波画像形成部30は、強力集束超音波(HIFU)により治療部位Pが加熱治療されている治療期間において、複数フレーム(複数時相)に亘って超音波画像を形成する。相互相関処理部40は、複数フレームに亘って得られる超音波画像のフレーム間に、ブロックマッチング(パターンマッチング)等の相互相関処理を適用する。組織が加熱されて凝固すると組織の音響特性などが変化するため、超音波画像のフレーム間にその変化に伴う画像の差が発生する。そのフレーム間における画像の差が相互相関処理により検出される。なお、相互相関処理部40における処理には、例えば、非特許文献1,2に開示される測定原理を適用することができる。
凝固領域推定部50は、相互相関処理部40における演算結果に基づいて、加熱により凝固したとみなされる凝固領域を推定する。凝固領域推定部50は、例えば、超音波画像に対応した断面内で、又は超音波画像とは別の画像として、凝固の程度を色で示した凝固領域推定画像を形成してもよい。凝固領域推定画像は、表示部32に表示される。
制御部70は、図1の超音波医用装置内を全体的に制御する。制御部70による全体的な制御には、操作デバイス60を介して、医師や検査技師などのユーザから受け付けた指示も反映される。
図1に示す構成(符号を付された各部)のうち、送受信部12,差分演算処理部22,整相加算処理部24,ノッチフィルタ処理部26,超音波画像形成部30,相互相関処理部40,凝固領域推定部50の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、上記各部に対応した機能の少なくとも一部がコンピュータにより実現されてもよい。つまり、上記各部に対応した機能の少なくとも一部が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
表示部32の好適な具体例は、液晶ディスプレイ等であり、操作デバイス60は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部70は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
図1の超音波医用装置(本超音波医用装置)の全体構成は以上のとおりである。次に、本超音波医用装置により実現される機能の具体例について詳述する。なお、図1に示した構成(符号を付された各部)については、以下の説明において図1の符号を利用する。
本超音波医用装置は、治療用超音波の好適な具体例である強力集束超音波(HIFU)を照射して治療部位Pの治療を行いつつ、診断用超音波を送受して治療部位Pの超音波画像を形成する。具体的には、治療部位Pに治療用超音波(強力集束超音波)を送波することにより得られる第1超音波と、治療部位Pに治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波が受波され、第2超音波に対応した受信情報と第1超音波に対応した受信情報に基づく差分処理が行われる。
図2は、差分処理の具体例1を説明するための図である。図2(1)には、治療部位Pに治療用超音波であるHIFUを送波することにより得られる第1受信信号が図示さされている。図2(1)の第1受信信号は、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波せずにHIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波し、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号に対応している。
図2(2)には、治療部位PにHIFUを送波すると共に診断用超音波を送波することにより得られる第2受信信号が図示されている。図2(2)の第2受信信号は、HIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波しつつ、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波することにより、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号に対応している。なお、図2(2)の第2受信信号には、診断用超音波が送波されずにHIFUのみが送波されて得られた受信信号の期間であるHIFU応答期間と、HIFUと共に診断用超音波が送波されて得られた受信信号の期間であるHIFU+診断応答期間が含まれている。
そして、図2(3)には、第2受信信号から第1受信信号を差し引く(差分処理する)ことにより得られる差分信号が図示されている。図2に示す具体例1において、差分演算処理部22は、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに、第2受信信号から第1受信信号を差し引くことにより、差分信号を形成する。
第2受信信号は、治療用超音波であるHIFUと共に診断用超音波を送波して得られる受信信号であるため、診断用超音波に伴う受信信号成分とHIFUに伴う受信信号成分を含んでいる。一方、第1受信信号は、HIFUのみを送波して得られる受信信号であるため、HIFUに伴う受信信号成分のみとなる。したがって、第2受信信号から第1受信信号を差し引くことにより、診断用超音波に伴う受信信号成分が支配的となった、望ましくは、診断用超音波に伴う受信信号成分のみとなった差分信号が得られる。
差分演算処理部22は、例えば、第2受信信号のHIFU応答期間における波形と第1受信信号の波形に基づいて、これらの2つの波形の位相と振幅を互いに揃えてから差分処理を実行することが望ましい。なお、第2受信信号のHIFU応答期間における波形に基づいて第1受信信号が形成されてもよい。つまり、第2受信信号のHIFU応答期間が第1受信信号として利用されてもよい。
また、ノッチフィルタ処理部26においてノッチフィルタ処理が実行されてもよい。つまり、治療用超音波(HIFU)に対応した周波数を除去するノッチフィルタ処理(バンドエリミネーションフィルター処理)が実行されてもよい。ノッチフィルタは、例えば、HIFUの基本波と2次高調波と3次高調波に対応した周波数を除去するように設計される。ノッチフィルタ処理部26は、例えば、第2受信信号から第1受信信号を差し引くことにより得られた差分信号に対してノッチフィルタ処理を施すことにより、差分信号に残っているHIFUに伴う受信信号成分を除去する。なお、ノッチフィルタ処理部26は、第2受信信号に対してノッチフィルタ処理を施すことによりHIFUに伴う受信信号成分を除去してもよい。
図3は、受信信号処理の具体例1を説明するための図である。図3には、診断用振動子10Dの複数の振動素子(全素子)に対応した複数の第2受信信号(図2(2))からなる第2受信信号セットと、それら複数の振動素子(全素子)に対応した複数の第1受信信号(図2(1))からなる第1受信信号セットと、それら複数の振動素子(全素子)に対応した複数の差分信号(図2(3))からなる差分信号セットが図示されている。
差分演算処理部22における差分処理により差分信号セットが得られると、整相加算処理部24は、差分信号セットを構成する複数の差分信号、つまり診断用振動子10Dの複数の振動素子(全素子)に対応した複数の差分信号に対して、公知の整相加算処理(ビームフォーミング)を実行して各受信ビームごとにビームデータを形成する。
例えば、診断用超音波を走査して複数の超音波ビームが形成される場合に、診断用超音波の各送信ビームごとに、第2受信信号セットと第1受信信号セットが得られて差分処理により差分信号セットが形成され、差分信号セットに対する整相加算処理により、その送信ビームに対応した各受信ビームのビームデータが形成される。そして、診断用超音波を走査して1フレームを構成する複数の送信ビームに対応した複数の受信ビームのビームデータを得ることにより、1フレームを構成する複数の受信ビームに対応したビームデータからなる差分ビームデータセットが形成される。
なお、診断用超音波の各送信ビームごとに複数の受信ビームのビームデータを形成するパラレル受信が実行されてもよいし、診断用超音波の平面波を角度を変えて複数回送信する公知の送信コンパウンドが実行されてもよい。
差分ビームデータセットは、各フレームごとに複数フレームに亘って次々に形成され、そして、差分ビームデータセットに基づいて超音波画像形成部30により超音波画像の画像データが形成される。
図4は、超音波画像の具体例を示す図である。超音波画像形成部30は、受信信号処理ブロック20における処理により得られた複数フレームの差分ビームデータセットに基づいて、各フレームごとに超音波画像を形成する。例えば、Bモード画像が超音波画像としての好適な具体例である。
図4に示す具体例において、超音波画像34は、治療部位Pを含む断面、つまり診断用振動子10Dにより実現される走査面(ZX平面)に対応したBモード画像である。超音波振動子10と被検体の間には、超音波の音響媒体(例えば水)が挿入される。図4に示す超音波画像内には、治療部位Pを含む生体(被検体)36と音響媒体(水)35の断層像が映し出されている。
超音波画像形成部30は、複数フレームに亘って各フレームごとに治療部位Pとその近傍を映し出した超音波画像34を形成する。形成された超音波画像34は表示部32に表示される。
本超音波医用装置(図1)によれば、治療部位Pに治療用超音波であるHIFUを照射しつつ、治療部位Pとその近傍を映し出した超音波画像を表示部32に表示することができる。そのため、例えば、医師等のユーザは、治療部位PにHIFUを照射しつつ、治療部位Pの超音波画像を確認することができる。したがって、例えば、HIFUを照射している際に治療部位Pの近傍に意図しないキャビテーションの発生などの異常があれば、医師等のユーザは、操作デバイス60を操作してHIFUの照射を停止することができる。もちろん、医師等のユーザは、治療部位Pの治療が意図した状態に達した場合に、操作デバイス60を操作してHIFUの照射を停止することもできる。
また、本超音波医用装置(図1)は、超音波画像34に対応した断面内で、又は超音波画像34とは別の画像として、凝固の程度を色で示した凝固領域推定画像を形成する。
図5は、凝固領域推定画像の具体例を示す図である。図5には、超音波画像34内に凝固の状態を示す凝固領域推定画像の具体例が図示されている。凝固領域推定画像は、相互相関処理部40における相関演算の結果に基づいて、凝固領域推定部50により形成される。
相互相関処理部40は、複数フレームに亘って得られる超音波画像34のフレーム間にブロックマッチング(パターンマッチング)等の相互相関処理を実行する。組織が加熱されて凝固すると組織の音響特性などが変化するため、超音波画像34のフレーム間にその変化に伴う画像の差が発生する。そのフレーム間における画像の差(例えば輝度差)が相互相関処理により検出される。
相互相関処理部40は、例えば、超音波画像34内に設定された関心領域ROI内において相互相関処理を適用する。関心領域ROIは、表示部32に表示される超音波画像34を確認したユーザにより操作デバイス60を利用して設定されてもよいし、例えば、本超音波医用装置により治療部位Pの位置を取り囲むように超音波画像34内に設定されてもよい。
凝固領域推定部50は、相互相関処理部40における演算結果に基づいて、加熱により凝固したとみなされる凝固領域を推定する。凝固領域推定部50は、例えば、超音波画像34に設定された関心領域ROI内に、例えば、相関値に応じた色を示した、つまり凝固の程度を色で示した凝固領域推定画像を形成する。形成された凝固領域推定画像は、表示部32に表示される。
凝固領域推定部50は、相互相関処理部40における演算結果に基づいて、凝固領域が目的の状態に達したか否かを判定してもよい。凝固領域推定部50は、例えば、関心領域ROI内における相関係数(相関値)の平均値が判定値(閾値)に達したか否かにより、目的とする凝固領域に達したか否かを判定する。また、例えば、関心領域ROI内に判定領域が設定され、その判定領域内における相関係数の平均値等により、目的とする凝固領域に達したか否かが判定されてもよい。
凝固領域推定部50における判定結果は制御部70に伝えられ、制御部70は、目的とする凝固領域に達したと判定された場合に、例えば、送受信部12を制御してHIFUの照射を停止させる。
図6は、図1の超音波医用装置の動作例1を説明するための図である。図6には、図1の超音波医用装置内における複数信号(トリガ)のタイミングチャートが示されている。
メイントリガは、強力集束超音波(HIFU)による治療の開始タイミングを示す信号であり、例えば、ユーザ(検査者)による治療開始の操作に応じて、制御部70から本超音波医用装置(図1)内の各部へ出力される。
フレーム開始トリガ信号とフレーム終了トリガ信号は、それぞれ、1フレームの開始タイミングと1フレームの終了タイミングを示す信号であり、フレーム開始トリガ信号が出力されてから、その後に初めて出力されるフレーム終了トリガ信号までの期間において、1フレーム分の送受信処理(例えば図3を利用して説明した受信信号処理)が行われる。
差分演算処理期間トリガは、治療用超音波(HIFU)成分の除去を行う期間を示す信号であり、立ち上がりで処理を開始し、立下りで処理を終了する。この期間において、例えば図3を利用して説明した受信信号処理のうちの差分処理が行われる。
整相加算処理期間トリガは、整相加算処理を行う期間を示す信号であり、立ち上がりで処理を開始し、立下りで処理を終了する。この期間において、例えば図3を利用して説明した受信信号処理のうちの整相加算処理が行われる。
相互相関演算処理期間トリガは、画像間で相互相関演算を行う期間を示す信号であり、立ち上がりで処理を開始し、立下りで処理を終了する。相互相関処理を行うには、2枚以上(2フレーム以上)の超音波画像が必要なため、超音波画像を2枚取得後からトリガ信号が立ち上がる。すなわち2枚目の差分演算処理が終了した時点から処理が開始される。
加熱期間信号は、治療用超音波ビームTBによる治療部位Pの加熱処理期間を示す信号であり、加熱期間信号の立ち上がりから立下りまでの期間において、例えば治療部位Pを焦点として治療用超音波ビームTBが形成される。なお、医師等のユーザからHIFUの照射を停止する操作が成された場合には、直ちにHIFUの照射(治療用超音波ビームTB)が停止される。また、凝固領域推定部50において目的とする凝固領域に達したと判定された場合にも、HIFUの照射が停止される。
HIFU信号は、治療用超音波ビームTBの送信信号であり、送受信部12からHIFU用振動子10Hの複数の振動素子に出力される。
図7は、差分処理の具体例2を説明するための図である。図7(1)には、治療部位Pに治療用超音波であるHIFUを送波することにより得られる整相加算処理後の第1受信信号(整相後第1受信信号)が図示さされている。図7(1)の整相後第1受信信号は、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波せず、HIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波し、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号を整相加算処理することにより得られる。
図7(2)には、治療部位PにHIFUを送波すると共に診断用超音波を送波することにより得られる整相加算処理後の第2受信信号(整相後第2受信信号)が図示さされている。図7(2)の整相後第2受信信号は、HIFU用振動子10Hから治療部位Pに対してHIFUを送波しつつ、診断用振動子10Dから診断用超音波を送波することにより、診断用振動子10Dの各振動素子ごとに得られる受波信号を整相加算処理することにより得られる。なお、図7(2)の整相後第2受信信号には、診断用超音波が送波されずにHIFUのみが送波されて得られたHIFU信号と、HIFUと共に診断用超音波が送波されることによりHIFU信号に重畳される組織信号が含まれている。
そして、図7(3)には、整相後第2受信信号から整相後第1受信信号を差し引く(差分処理する)ことにより得られる整相後差分信号が図示されている。図7に示す具体例2において、差分演算処理部22は、整相加算処理部24から得られる整相後第2受信信号から整相後第1受信信号を差し引くことにより、整相後差分信号を形成する。
整相後第2受信信号は、治療用超音波であるHIFUと共に診断用超音波を送波して得られる受信信号であるため、診断用超音波に伴う組織信号の成分とHIFUに伴うHIFU信号の成分を含んでいる。一方、整相後第1受信信号は、HIFUのみを送波して得られる受信信号であるため、HIFUに伴うHIFU信号の成分のみとなる。したがって、整相後第2受信信号から整相後第1受信信号を差し引くことにより、診断用超音波に伴う組織信号の成分が支配的となった、望ましくは、組織信号の成分のみとなった整相後差分信号が得られる。
差分演算処理部22は、例えば、整相後第2受信信号のHIFU信号のみの期間における波形と整相後第1受信信号の波形に基づいて、これらの2つの波形の位相と振幅を互いに揃えてから差分処理を実行することが望ましい。なお、整相後第2受信信号のHIFU信号のみの期間における波形に基づいて整相後第1受信信号が形成されてもよい。
また、ノッチフィルタ処理部26においてノッチフィルタ処理が実行されてもよい。つまり、治療用超音波(HIFU)に対応した周波数を除去するノッチフィルタ処理(バンドエリミネーションフィルター処理)が実行されてもよい。ノッチフィルタは、例えば、HIFUの基本波と2次高調波と3次高調波に対応した周波数を除去するように設計される。ノッチフィルタ処理部26は、例えば、整相後差分信号に対してノッチフィルタ処理を施すことにより、整相後差分信号に残っているHIFU信号の成分を除去する。なお、ノッチフィルタ処理部26は、整相後第2受信信号に対してノッチフィルタ処理を施すことによりHIFU信号の成分を除去してもよい。
図8は、受信信号処理の具体例2を説明するための図である。図8には、診断用振動子10Dの複数の振動素子(全素子)に対応した複数の第2受信信号(図2(2))からなる第2受信信号セットと、それら複数の振動素子(全素子)に対応した複数の第1受信信号(図2(1))からなる第1受信信号セットが図示されている。
図8の具体例2では、整相加算処理部24により、第2受信信号セットと第1受信信号セットの各々に対して整相加算処理が実行される。整相加算処理部24は、第2受信信号セットを構成する複数の第2受信信号に対して、公知の整相加算処理(ビームフォーミング)を実行して各受信ビームごとにビームデータを形成する。同様に、整相加算処理部24は、第1受信信号セットを構成する複数の第1受信信号に対して、公知の整相加算処理(ビームフォーミング)を実行して各受信ビームごとにビームデータを形成する。
例えば、診断用超音波を走査して複数の超音波ビームが形成される場合に、診断用超音波の各送信ビームごとに、第2受信信号セットと第1受信信号セットが得られ、整相加算処理により、その送信ビームに対応した各受信ビームの第2ビームデータセットと第1ビームデータセットが形成される。さらに、各受信ビームの第2ビームデータセットと第1ビームデータセットに基づく差分処理により差分ビームデータセットが形成される。そして、1フレームを構成する診断用超音波の複数の送信ビームに対応した複数の受信ビームのビームデータ(差分ビームデータ)を得ることにより、1フレームを構成する複数の受信ビームに対応したビームデータ(差分ビームデータ)からなる差分ビームデータセットが形成される。
なお、診断用超音波の各送信ビームごとに複数の受信ビームのビームデータを形成するパラレル受信が実行されてもよいし、診断用超音波の平面波を角度を変えて複数回送信する公知の送信コンパウンドが実行されてもよい。
差分ビームデータセットは、各フレームごとに複数フレームに亘って次々に形成され、そして、差分ビームデータセットに基づいて超音波画像形成部30により超音波画像(例えば図4の超音波画像34)の画像データが形成される。さらに、図5を利用して説明したように、凝固領域推定部50により凝固領域推定画像が形成されてもよいし、凝固領域推定部50により凝固領域が目的の状態に達したか否かの判定が行われてもよい。
図9は、図1の超音波医用装置の動作例2を説明するための図である。図9には、図1の超音波医用装置内における複数信号(トリガ)のタイミングチャートが示されている。
メイントリガは、強力集束超音波(HIFU)による治療の開始タイミングを示す信号であり、例えば、ユーザ(検査者)による治療開始の操作に応じて、制御部70から本超音波医用装置(図1)内の各部へ出力される。
フレーム開始トリガ信号とフレーム終了トリガ信号は、それぞれ、1フレームの開始タイミングと1フレームの終了タイミングを示す信号であり、フレーム開始トリガ信号が出力されてから、その後に初めて出力されるフレーム終了トリガ信号までの期間において、1フレーム分の送受信処理(例えば図8を利用して説明した受信信号処理)が行われる。
整相加算処理期間トリガは、整相加算処理を行う期間を示す信号であり、立ち上がりで処理を開始し、立下りで処理を終了する。この期間において、例えば図8を利用して説明した受信信号処理のうちの整相加算処理が行われる。
差分演算処理期間トリガは、治療用超音波(HIFU)成分の除去を行う期間を示す信号であり、立ち上がりで処理を開始し、立下りで処理を終了する。この期間において、例えば図8を利用して説明した受信信号処理のうちの差分処理が行われる。
図9に示す具体例2における相互相関演算処理期間トリガと加熱期間信号とHIFU信号は、それぞれ、図6の具体例1における相互相関演算処理期間トリガと加熱期間信号とHIFU信号と同じであるため、ここでは説明を省略する。
また、図1の超音波医用装置は、治療用超音波のビーム(治療用ビーム)の焦点(フォーカス)を移動させ、例えばキャビテーション気泡を生成し、加熱効果を増強させて治療を効率化してもよい。
図10は、治療用ビームの焦点の具体例を示す図である。図10には、XYZ座標系(図1参照)内において治療部位Pが含まれるXY断面(平面)が図示されている。図10の具体例において、治療用ビームの焦点(フォーカス位置)は、治療部位Pが含まれるXY断面内において、位置1,位置2,位置3,位置4,位置5,位置6の順に円周に沿って移動され、位置1〜6の移動を周期的に繰り返す。なお、円周の直径は、例えば治療部位Pの状態等に応じて決定されることが望ましく、例えば数mm〜数cm程度とされる。
送受信部12は、HIFU用振動子10Hの複数の振動素子へ出力する送信信号に対して、例えば位相変調処理等を施すことにより、治療用ビームの焦点を移動させる。また、位相変調処理に代えて、または、位相変調処理と共に、振幅変調処理などが適用されてもよい。
なお、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10D(図1)が別体型の場合には、例えば、図10に示すXY断面(又はこれに平行な断面)に対応した超音波画像が形成できるように、診断用振動子10Dが配置されてもよい。具体的には、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dの振動子面が互いに直交するように配置されてもよい。
図11は、治療用ビームの焦点移動と受信処理の具体例を示す図である。図11には、図10の具体例に従って、治療用ビームの焦点(フォーカス位置)を位置1〜6の順に移動させた場合の受信処理が図示されている。
まず、第1周期において、治療用ビームの焦点(フォーカス)を位置1〜6の順に移動させながら治療用超音波のみが送波され、各位置ごとに第1受信信号セット(図3,図8参照)が得られる。
次に、第2周期において、治療用ビームの焦点(フォーカス)を位置1〜6の順に移動させながら治療用超音波を送波すると共に、診断用ビームを走査して診断用超音波が送波され、各位置ごとに第2受信信号セット(図3,図8参照)が得られる。
そして、各位置ごとに、その位置で得られた第2受信信号セットと第1受信信号セットに基づいて、図3を利用して説明した受信信号処理の具体例1、または、図8を利用して説明した受信信号処理の具体例2が実行され、差分ビームデータセットが得られる。
こうして、各位置ごとに差分ビームデータセットに基づいて超音波画像が形成される。さらに、例えば、第1周期と第2周期を交互に繰り返すことにより、各位置ごとに、複数の時相に亘って超音波画像を形成することができる。
図11には、各位置ごとに第2受信信号セットと第1受信信号セットを得て差分ビームデータセットに基づいて超音波画像を形成する具体例を示した。つまり、治療用ビームの焦点の位置と超音波画像とを1対1に対応付ける具体例を示したが、治療用ビームの焦点の位置と超音波画像は必ずしも1対1の関係でなくてもよい。
図12は、治療用ビームの焦点移動と受信処理の一般例を示す図である。図12には、図10の具体例に従って、治療用ビームの焦点(フォーカス位置)を位置1〜6の順に移動させた場合の受信処理が図示されている。
図12に示す一般例では、まず、時刻tから始まる第1〜第N周期(Nは変調周期数であり自然数)の各周期ごとに、治療用ビームの焦点を位置1〜6の順に移動させながら治療用超音波のみが送波される。なお、各周期の時間長は期間T(Tは治療用ビームの変調繰り返し周期)である。
また時刻tから各期間ごとに第1受信信号セット(図3,図8参照)が得られる。つまり、期間Δt12,Δt23,・・・,Δtn(n+1)の順に各期間ごとに第1受信信号セット(1),第1受信信号セット(2),・・・,第1受信信号セット(n)までのnセット(nは受信信号セット数であり自然数)が次々に得られる。
次に、時刻t+N・Tから始まる第N+1〜第2N周期の各周期ごとに、治療用ビームの焦点を位置1〜6の順に移動させながら治療用超音波を送波すると共に、診断用ビームを走査して診断用超音波が送波される。なお、各周期の時間長は期間Tである。
また、時刻t+N・Tから各期間ごとに第2受信信号セット(図3,図8参照)が得られる。つまり、期間Δt12,Δt23,・・・,Δtn(n+1)の順に各期間ごとに第2受信信号セット(1),第2受信信号セット(2),・・・,第2受信信号セット(n)までのnセットが次々に得られる。
そして、同一のセット番号に対応した第2受信信号セットと第1受信信号セットに基づいて、図3を利用して説明した受信信号処理の具体例1、または、図8を利用して説明した受信信号処理の具体例2が実行され、差分ビームデータセットが得られる。例えば、第2受信信号セット(1)と第1受信信号セット(1)に基づいて差分ビームデータセット(1)が得られ、第2受信信号セット(2)と第1受信信号セット(2)に基づいて差分ビームデータセット(2)が得られ、そして、第2受信信号セット(n)と第1受信信号セット(n)に基づいて差分ビームデータセット(n)が得られる。
図12に示す一般例により得られる差分ビームデータセット(n)に基づいて超音波画像を形成することができる。
図12に示す一般例では、第1受信信号セットの取得を開始するタイミング(時刻t)と第2受信信号セットの取得を開始するタイミング(時刻t+N・T)の時間差が治療用ビームの変調繰り返し周期Tの自然数倍(N・T)に設定されている。また、同一のセット番号に対応した第2受信信号セット(n)と第1受信信号セット(n)が互いに同じ期間Δtn(n+1)で得られている。
ちなみに、図12に示す一般例において、受信信号セット数を6(n=6)、変調周期数を1(N=1)、各期間を治療用ビームの変調繰り返し周期の6分の1(期間Δt12=Δt23=・・・=Δtn(n+1)=T/6)としたものが図11に示す具体例である。
図13は、治療用ビームの焦点移動と受信処理の別の具体例を示す図である。図13に示す具体例は、図12に示す一般例において、受信信号セット数を4(n=4)、変調周期数を2(N=2)、各期間をΔt(期間Δt12=Δt23=・・・=Δtn(n+1)=Δt)としたものである。
図13に示す具体例においても、同一のセット番号に対応した第2受信信号セットと第1受信信号セットに基づいて、図3を利用して説明した受信信号処理の具体例1または図8を利用して説明した受信信号処理の具体例2が実行され、差分ビームデータセットが得られる。例えば、第2受信信号セット(1)と第1受信信号セット(1)に基づいて差分ビームデータセット(1)が得られ、第2受信信号セット(2)と第1受信信号セット(2)に基づいて差分ビームデータセット(2)が得られ、第2受信信号セット(3)と第1受信信号セット(3)に基づいて差分ビームデータセット(3)が得られ、そして、第2受信信号セット(4)と第1受信信号セット(4)に基づいて差分ビームデータセット(4)が得られる。
図14は、図1の超音波医用装置の好適な動作例を示すフローチャートである。まず、治療用超音波(HIFU)の照射に先だって、診断用振動子10Dにより診断用超音波が送受されて超音波画像形成部30により超音波画像が形成され、例えば、表示部32に表示される被検体内の超音波画像により、医師等のユーザが治療部位Pの位置や大きさなどを確認する(S1401)。次に、その確認の結果に応じて、医師等のユーザが操作デバイス60を利用して、例えば、関心領域ROI(図5)、治療用ビームの焦点の位置(図10)、治療の終了条件(凝固領域推定部50が参照する閾値等)などの治療条件を設定する。
そして、例えば医師等のユーザが操作デバイス60を利用して開始操作を行うことにより、S1402で設定された治療条件に従って、治療用超音波(HIFU)の照射が開始される(S1403)。
治療用超音波(HIFU)を照射しつつ、診断用超音波が送受され(S1404)、HIFU成分を除去する受信信号処理が実行され(S1405)、超音波画像が形成されて表示され(S1406)、凝固領域の推定が行われる(S1407)ことは、図2から図13を利用して詳述したとおりである。
さらに、凝固領域推定部50により凝固領域が目的の状態に達したか否かが判定され(S1408)、凝固領域が目的の状態に達するまで、治療用超音波(HIFU)を照射しつつS1404〜S1408の処理が繰り返される。
そして、凝固領域が目的の状態に達すると(S1408)、治療用超音波(HIFU)の照射が停止され、図14のフローチャートが終了する。なお、図14のフローチャートに従った処理の途中で、医師等のユーザからHIFUの照射を停止する操作が成された場合には、直ちにHIFUの照射が停止される。また、S1402においてHIFUの照射時間が設定されている場合には、S1403におけるHIFUの照射開始から照射時間が経過した時点でHIFUの照射が停止される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。なお、本発明に係る超音波医用装置を利用した治療等は、医師等の専門家の指導の下で十分に慎重に行われるべきことは言うまでもない。
10 超音波振動子、12 送受信部、20 受信信号処理ブロック、22 差分演算処理部、24 整相加算処理部、26 ノッチフィルタ処理部、30 超音波画像形成部、32 表示部、40 相互相関処理部、50 凝固領域推定部、60 操作デバイス、70 制御部。

Claims (3)

  1. 治療部位に治療用超音波を送波することにより得られる第1超音波と、前記治療部位に治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波を受波する複数の振動素子と、
    前記複数の振動素子の各振動素子ごとに前記第2超音波に対応した第2受信信号と前記第1超音波に対応した第1受信信号を得る受信部と、
    前記複数の振動素子の各振動素子ごとに、前記第2受信信号と前記第1受信信号を差分処理することにより差分信号を形成する差分処理部と、
    前記複数の振動素子に対して形成された複数の前記差分信号を整相加算処理することにより複数ビームのビーム信号を形成する整相加算処理部と、
    前記複数ビームのビーム信号に基づいて前記治療部位の超音波画像を形成する画像形成部と、を有し、
    前記治療用超音波は複数フレームに亘って送波され、
    先の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を前記受信部が得た後に、前記差分処理部は各前記差分信号を形成し、
    前記差分処理部が各前記差分信号を形成した後に、前記整相加算処理部は各前記ビーム信号を形成し、
    前記差分処理部が各前記差分信号を形成する期間、および、前記整相加算処理部が各前記ビーム信号を形成する期間に重なる期間に、前記受信部は、次の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を得ることを特徴とする超音波医用装置。
  2. 治療部位に治療用超音波を送波することにより得られる第1超音波と、前記治療部位に治療用超音波と共に診断用超音波を送波することにより得られる第2超音波を受波する複数の振動素子と、
    前記複数の振動素子の各振動素子ごとに前記第2超音波に対応した第2受信信号と前記第1超音波に対応した第1受信信号を得る受信部と、
    前記複数の振動素子に対応した複数の前記第2受信信号を整相加算処理することにより複数ビームの各ビームごとに第2受信ビーム信号を形成し、前記複数の振動素子に対応した複数の前記第1受信信号を整相加算処理することにより前記複数ビームの各ビームごとに第1受信ビーム信号を形成する整相加算処理部と、
    前記複数ビームの各ビームごとに前記第2受信ビーム信号と前記第1受信ビーム信号を差分処理することにより差分ビーム信号を形成する差分処理部と、
    前記複数ビームに対応した複数の差分ビーム信号に基づいて前記治療部位の超音波画像を形成する画像形成部と、
    を有し、
    前記治療用超音波は複数フレームに亘って送波され、
    先の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を前記受信部が得た後に、前記整相加算処理部は、前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成し、
    前記整相加算処理部が、前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成した後に、前記差分処理部は前記差分ビーム信号を形成し、
    前記整相加算処理部が前記第2受信ビーム信号および前記第1受信ビーム信号を形成する期間、並びに、前記差分処理部が前記差分ビーム信号を形成する期間に重なる期間に、前記受信部は、次の1フレームについて前記第1受信信号および前記第2受信信号を得ることを特徴とする超音波医用装置。
  3. 請求項1または2に記載の超音波医用装置において、
    前記治療部位内の複数位置に対して順に治療用ビームを形成して前記治療用超音波を送波することにより前記複数の振動素子が前記第1超音波を受波し、さらに、前記複数位置に対して順に治療用ビームを形成して前記治療用超音波を送波すると共に診断用ビームを走査して前記診断用超音波を送波することにより前記複数の振動素子が前記第2超音波を受波する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
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