JP5590493B1 - 超音波医用装置 - Google Patents

超音波医用装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5590493B1
JP5590493B1 JP2013113609A JP2013113609A JP5590493B1 JP 5590493 B1 JP5590493 B1 JP 5590493B1 JP 2013113609 A JP2013113609 A JP 2013113609A JP 2013113609 A JP2013113609 A JP 2013113609A JP 5590493 B1 JP5590493 B1 JP 5590493B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
modulation frequency
coagulation
measurement
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013113609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014230675A (ja
Inventor
隆 東
明 佐々木
良佑 青柳
周 高木
和徳 射谷
圭祐 藤原
竹内  秀樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC, Hitachi Aloka Medical Ltd filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2013113609A priority Critical patent/JP5590493B1/ja
Priority to CN201480031189.9A priority patent/CN105246416A/zh
Priority to US14/891,732 priority patent/US20160120511A1/en
Priority to PCT/JP2014/063997 priority patent/WO2014192757A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5590493B1 publication Critical patent/JP5590493B1/ja
Publication of JP2014230675A publication Critical patent/JP2014230675A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/48Diagnostic techniques
    • A61B8/485Diagnostic techniques involving measuring strain or elastic properties
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/08Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings
    • A61B8/0833Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings involving detecting or locating foreign bodies or organic structures
    • A61B8/085Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings involving detecting or locating foreign bodies or organic structures for locating body or organic structures, e.g. tumours, calculi, blood vessels, nodules
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N7/00Ultrasound therapy
    • A61N7/02Localised ultrasound hyperthermia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B18/00Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body
    • A61B2018/00571Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body for achieving a particular surgical effect
    • A61B2018/00589Coagulation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N7/00Ultrasound therapy
    • A61N2007/0052Ultrasound therapy using the same transducer for therapy and imaging

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】超音波を利用した組織の凝固の測定において測定精度を高める。
【解決手段】変調周波数制御部36は、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を用いて変位用超音波ビームEBを変調処理するように変位用送信部34を制御する。変位測定部24は、各変調周波数ごとに治療部位Pにおける組織の変位を測定し、凝固測定部25は、比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、治療部位Pにおける局所的な凝固を測定し、比較的低い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、治療部位Pにおける広域的な凝固を測定する。これにより、例えば発生直後の局所的な凝固の有無などを高精度に測定でき、さらに、例えば進行後の広域的な凝固の大きさなどを高精度に測定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、組織の凝固を測定する超音波医用装置に関する。
強力集束超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)を例えば生体に照射し、その音響エネルギーを利用して腫瘍などの治療部位を加熱して凝固させる治療方法が知られている。
組織が加熱されて凝固する際に、その凝固の前後において、組織の弾性率(ヤング率)が増大することが知られている。また、HIFUなどの比較的強力な超音波は、その進行方向に向かって放射力を発生させるため、例えば、HIFUの超音波ビームの焦点部位の組織に10〜100μm(マイクロメートル)程度の変位を与えることができる。
そのため、HIFUなどの比較的強力な超音波により組織に変位を与えて、弾性率の増大による変位の減少を測定して、組織の凝固を観察することができる。例えば、HIFUの超音波を変調周波数fで振幅変調し、放射力の強度を変動させることにより、焦点部位の組織に振動を励起させ、その振動の変位または速度を超音波診断装置によって測定する。
この原理を用いて組織の凝固を検出し、その検出結果を画像上にマッピングする手法がHMI(Harmonic Motion Imaging)である(特許文献1,2参照)。放射力や組織の振動の周波数が上記変調周波数fの2倍になることからHMIと呼ばれている。
米国特許出願公開第2005/0004466号明細書 米国特許出願公開第2007/0276242号明細書
ところで、HIFUを利用した治療では、治療部位における凝固の状況に応じてHIFUを適切に制御することが望ましい。これは生体へのHIFUの照射においては、その伝搬経路の音響特性が患者個々人によって異なることに起因して減衰や位相歪が焦点音圧に与える影響が異なることや、焦点近傍での血流の違いによる冷却効果の違いに起因する凝固に必要なエネルギーの変化などのために、治療のためのパラメータを事前に最適化することが難しいためである。例えば、治療部位において凝固が開始されるタイミングや、目的とする大きさまで凝固が終了するタイミングなどを知ることができれば、それらのタイミングなどに応じてHIFUの照射を制御することが可能になる。
このような状況において、本願の発明者らは、超音波を利用して組織の凝固を測定する技術について研究開発を重ねてきた。
本発明は、その研究開発の過程において成されたものであり、その目的は、超音波を利用した組織の凝固の測定において測定精度を高めることにある。
上記目的にかなう好適な超音波医用装置は、変位用超音波ビームを形成して関心部位において組織を変位させる変位波処理部と、測定用超音波ビームを形成して前記関心部位から受信信号を得る測定波処理部と、前記変位用超音波ビームに対する変調処理を制御する変調制御部と、前記測定用超音波ビームを介して得られる受信信号に基づいて、前記関心部位における組織の変位を測定する変位測定部と、前記変位の測定結果に基づいて、前記関心部位における組織の凝固を測定する凝固測定部と、を有し、前記変調制御部は、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を用いて変位用超音波ビームを変調処理するように前記変位波処理部を制御し、前記変位測定部は、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定し、前記凝固測定部は、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、関心部位における局所的な凝固を測定し、前記比較的低い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、関心部位における広域的な凝固を測定する、ことを特徴とする。
上記構成において、測定用超音波ビームは、例えば一般的な超音波診断装置における診断用の超音波ビームであり、診断用の超音波振動子を利用して形成することができる。これに対し、変位用超音波ビームは、放射力により組織を変位させる程度の比較的強度の大きい超音波により形成される。変位用超音波ビームは、診断用の超音波ビームに比べて強度が大きく、例えば強力集束超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)により形成されてもよい。さらに、その強力集束超音波(HIFU)により組織を加熱して凝固させてもよい。この場合、例えば、加熱による治療の対象となる治療部位が関心部位となる。
そして、上記構成によれば、比較的高い変調周波数により、比較的狭い領域において限定的に組織を変位させることができ、変位の領域が狭いほど、より微小な(局所的な)凝固を検出することができる。そのため、比較的高い変調周波数により、例えば発生直後の局所的な凝固の有無や凝固のタイミングなどを高精度に測定できる。また、比較的低い変調周波数により、比較的広い領域において組織を変位させることができ、変位の領域が広いほど、より大きな(広域的な)凝固を検出することができる。そのため、比較的低い変調周波数により、例えば進行後の広域的な凝固の大きさや加熱による治療の終了タイミングなどを高精度に測定できる。
なお、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数は、2つの変調周波数に限定されない。例えば、3つ以上の互いに異なる変調周波数が利用され、最も高い変調周波数により最も局所的な凝固が測定され、変調周波数が低くなるにつれて徐々に広い(広域的な)凝固が測定されるようにしてもよい。また、凝固の測定においては、凝固の有無や凝固の大きさ(サイズ)の他に凝固の程度(組織の歪や硬さ)などが測定されてもよい。
望ましい具体例において、前記凝固測定部は、前記各変調周波数ごとに得られる変位の測定結果に基づいて、関心部位における凝固のサイズを測定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、治療用超音波ビームを形成して前記関心部位の組織を加熱して治療する治療波処理部をさらに有し、前記凝固測定部は、前記加熱の期間内において複数の時相に亘って各時相ごとに関心部位における凝固のサイズを測定するにあたり、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、凝固発生初期の時相における局所的な凝固のサイズを測定し、前記比較的低い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、凝固進行後の時相における広域的な凝固のサイズを測定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、複数の時相を一方の軸に示し、各時相ごとに測定された凝固のサイズを他方の軸に示した凝固状態画像を形成する画像形成部をさらに有する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記変位波処理部は、前記比較的高い変調周波数による変調処理と前記比較的低い変調周波数による変調処理とを合成した変位用超音波ビームを形成し、前記変位測定部は、前記測定用超音波ビームを介して得られる受信信号から、前記各変調周波数に対応した周波数成分を抽出することにより、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記変位波処理部は、前記比較的高い変調周波数により変調処理された変位用超音波ビームと、前記比較的低い変調周波数により変調処理された変位用超音波ビームと、を互いに異なる時相において形成し、前記測定波処理部は、前記各変調周波数ごとにその変調周波数に対応した時相において測定用超音波ビームを形成し、前記変位測定部は、前記各変調周波数ごとに形成される測定用超音波ビームを介して得られる受信信号に基づいて、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記変調制御部は、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて測定される凝固のサイズが閾値に達した場合に、前記比較的高い変調周波数から前記比較的低い変調周波数に切り替えるように、前記変位波処理部を制御することを特徴とする。
本発明により、超音波を利用した組織の凝固の測定において測定精度が高められる。例えば、本発明の好適な態様によれば、比較的高い変調周波数により、例えば発生直後の局所的な凝固の有無などを高精度に測定でき、比較的低い変調周波数により、例えば進行後の広域的な凝固の大きさなどを高精度に測定できる。
また、例えば、本発明の好適な態様によれば、凝固の開始時間が分かるようになることで、体表から焦点までの減衰量や、伝搬経路上の音響特性の不均一の効果など、外部から入力したエネルギーが焦点での音圧ピークを形成するときに患者毎に異なる非理想的な効果を補正することや、焦点での超音波吸収量や熱的な特性や血流量の個体差など焦点で一定の音圧ピークが形成されたとしても温度上昇の値が異なる効果を補正するためのデータとして使うことが可能となる。
本発明の実施において好適な超音波医用装置の全体構成を示す図である。 図1の超音波医用装置の動作を示すタイミングチャートである。 変調処理された変位発生用の超音波による組織の振動を説明するための図である。 変調周波数と凝固の関係を説明するための図である。 各変調周波数ごとに検出された凝固サイズの実験結果を示す図である。 変調周波数の設定の具体例を説明するための図である。 位相1から位相13までのデータが収集される様子を示す図である。 複数の変調周波数の合成波を利用した具体例1のフローチャートである。 DC成分を持たない変調法とDC成分を持つ変調法を示す図である。 DC成分を持たない変調におけるNHとNLの対応関係を示す図である。 NL=1,NH=5の場合の二変調周波数を示す図である。 NL=1,NH=4の場合の二変調周波数を示す図である。 DC成分を持つ変調におけるNHとNLの対応関係を示す図である。 複数の変調周波数を切り替える具体例2を示すフローチャートである。 複数の変調周波数を段階的に変更する具体例3のフローチャートである。 凝固の判定結果に基づいて変調周波数を切り替える具体例4を示すフローチャートである。 凝固サイズと変調周波数の対応関係を示す図である。 図1の超音波医用装置により形成される凝固状態画像の具体例を示す図である。
図1は、本発明の実施において好適な超音波医用装置(本超音波医用装置)の全体構成図である。本超音波医用装置は、超音波プローブ10を有しており、その超音波プローブ10は、HIFU用振動子10Hと診断用振動子10Dを備えている。
HIFU用振動子10Hは、強力集束超音波(HIFU)を送波する振動子であり、例えば二次元的に配列された複数の振動素子を備えている。HIFU用振動子10Hは、例えば癌や腫瘍などの治療部位Pに向けて治療用超音波ビームTBを形成して強力集束超音波を送波し、その治療部位Pを加熱して治療するために利用される。
また、HIFU用振動子10Hは、治療部位Pに向けて変位用超音波ビームEBを形成して変位発生用の超音波を送波し、治療部位Pにおいて放射力を発生させ組織を変位させる。変位用超音波ビームEBは、治療部位Pにおいて有効な放射力を発生させる程度の強度で形成されるビームであり、例えば、治療用超音波ビームTBを変位用超音波ビームEBとして利用してもよい。
一方、診断用振動子10Dは、例えば二次元的に配列された複数の振動素子を備えており、例えば治療部位Pを有する被検体(患者)に対して、超音波画像を形成するための比較的弱い超音波を送受する。つまり、公知の一般的な超音波診断装置と同じ程度の強度(エネルギー)の超音波を送受する。
また、診断用振動子10Dは、治療部位Pに向けて測定用超音波ビームMBを形成して測定用の超音波を送受し、測定用超音波ビームMBに沿って受信信号を得る。測定用超音波ビームMBに沿って得られる受信信号は、変位用超音波ビームEBの放射力による治療部位Pにおける変位の測定に利用される。
なお、超音波プローブ10は、例えば、お椀(どんぶり)状に凹ませた内部の表面を振動子面とする。そして、例えば、お椀状に凹んだ内部の中央に位置する底の部分に診断用振動子10Dが設けられ、診断用振動子10Dを取り囲むようにHIFU用振動子10Hが設けられる。なお、超音波プローブ10の振動子面の形状は、お椀状に限定されず、例えば治療の用途等に応じた形状とされることが望ましい。また、全ての振動素子またはいくつかの振動素子が、HIFU用と診断用の両用途に併用されてもよい。
測定診断ブロック20は、診断用振動子10Dの送受信を制御する送受信部22を備えている。送受信部22は、診断用振動子10Dを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号を出力することにより、診断用振動子10Dを制御して送信ビームを形成し、さらに、それら複数の振動素子の各々から得られる受信信号に対して整相加算処理などを施すことにより、受信ビームに沿って受信信号を得る。
送受信部22は、治療部位Pを含んだ三次元空間内または断面内で診断用の超音波ビームを走査させて画像用の受信信号を収集する。そして、収集された受信信号に基づいて、超音波画像形成部28が三次元の超音波画像または二次元の断層画像の画像データを形成し、その画像データに対応した超音波画像が表示部50に表示される。
ユーザ(検査者)は、表示部50に表示される超音波画像から、治療部位Pの位置等を確認し、図示しない操作デバイス等を利用して治療部位Pの位置情報を本超音波医用装置に入力する。もちろん、本超音波医用装置が、超音波画像に対する画像解析処理等により治療部位Pの位置を確認して位置情報を得るようにしてもよい。
また、送受信部22は、診断用振動子10Dを制御して測定用超音波ビームMBを形成し、測定用超音波ビームMBに沿って受信信号を得る。そして、変位測定部24は、測定用超音波ビームMBに沿って得られる受信信号に基づいて、治療部位Pにおける変位を測定する。また、凝固測定部25は、治療部位Pにおける変位の測定結果に基づいて、治療部位Pにおける組織の凝固を測定する。さらに、凝固画像形成部26は、治療部位Pにおける凝固の測定結果に基づいて凝固状態画像を形成し、その凝固状態画像が表示部50に表示される。変位測定部24と凝固測定部25と凝固画像形成部26における処理については後に詳述する。
一方、治療放射ブロック30は、治療用送信部32を備えており、治療用送信部32はHIFU用振動子10Hを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号を出力することにより、HIFU用振動子10Hを制御して治療用超音波ビームTBを形成する。治療用送信部32は、制御部40によって制御され、例えば治療部位P内に焦点を設定した治療用超音波ビームTBが形成される。
また、治療放射ブロック30は、変位用送信部34を備えており、変位用送信部34はHIFU用振動子10Hを構成する複数の振動素子の各々に対応した送信信号を出力することにより、HIFU用振動子10Hを制御して変位用超音波ビームEBを形成する。変位用超音波ビームEBは変調処理を施され、その変調処理における変調周波数は、変調周波数制御部36によって制御される。なお、変調周波数制御部36は、制御部40により制御される。
治療用超音波ビームTBに沿って強力集束超音波(HIFU)が送波されて治療部位Pが加熱されると治療部位Pの組織が凝固する。その凝固の前後において、組織の弾性率(ヤング率)が増大することが知られている。そして、組織の弾性率の変化を知るために、本超音波医用装置は、変位用超音波ビームEBに沿って超音波を送波して放射力を発生させ、その放射力による治療部位Pにおける組織の変位を測定する。その変位の測定は、測定用超音波ビームMBに沿って得られる受信信号に基づいて行われる。
なお、測定診断ブロック20内の各部と治療放射ブロック30内の各部は、それぞれ、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェアを利用して実現することができる。制御部40は、例えば、演算機能を備えたハードウェアとその動作を規定するソフトウェア(プログラム)によって構成される。表示部50は、例えば液晶ディスプレイなどである。
また、測定診断ブロック20は、一般的な超音波診断装置により実現されてもよい。そして、治療放射ブロック30に対応した超音波治療装置と、測定診断ブロック20に対応した超音波診断装置とを組み合わせたシステムにより、本超音波医用装置が具現化されてもよい。
図2は、図1の超音波医用装置(本超音波医用装置)の動作を示すタイミングチャートである。図1に示した部分(構成)については、以下の説明において図1の符号を参照する。
メイントリガは、強力集束超音波(HIFU)による治療の開始タイミングを示す信号であり、例えば、ユーザ(検査者)による治療開始の操作に応じて、制御部40から本超音波医用装置内の各部へ出力される。
フレームトリガは、測定用超音波ビームMBのフレーム開始を示す信号である。送受信部22は、例えばフレームトリガの立ち上がりのタイミングから、治療部位Pに向けて複数本の測定用超音波ビームMBを順に形成する。例えば、2つのフレームトリガの間において、治療部位Pに向けて10本の送信ビームが形成され、1つの送信ビームにつき2本ずつ、20本の受信ビームが形成される。もちろん、送信ビームと受信ビームの本数は上記の具体例に限定されない。
加熱期間信号は、治療用超音波ビームTBによる治療部位Pの加熱処理期間を示す信号であり、加熱期間信号の立ち上がりから立下りまでの期間において、例えば治療部位Pを焦点として治療用超音波ビームTBが形成される。
測定期間トリガは、変位測定の期間を示す信号であり、測定期間トリガの立ち上がりから立下りまでの期間が変位の測定期間となる。
変調信号は、治療用超音波ビームTBの変調処理に利用される変調信号であり、例えば変調周波数制御部36から変位用送信部34へ出力される。
HIFU信号は、治療用超音波ビームTBの送信信号であり、変位用送信部34が、例えば周波数2MHz程度の連続波を変調信号に従って振幅変調して得られる。
変調信号は、測定期間トリガの立ち上がりから立下りまでの測定期間において、振幅が0(ゼロ)とされ、その結果、測定期間においてHIFU信号の振幅も0となり、測定期間において治療用超音波ビームTBの送信が停止される。
なお、測定期間トリガは、フレームトリガに対して遅延量(Delay)を伴って出力される。この遅延量は、例えば、ユーザによって適宜に調整される。これにより、2つのフレームトリガの間において形成される複数本の測定用超音波ビームMB(例えば20本の受信ビーム)のうち、測定期間内に収まる1本又はいくつかの測定用超音波ビームMBが選択的に測定に利用される。
本超音波医用装置では、変位を発生させる変位用超音波ビームEBを変調周波数fで振幅変調し、放射力の強度を変動させることにより、焦点部位の組織に振動を励起させ、その振動の変位を測定用超音波ビームMBを利用して測定する。その際に、変調周波数制御部36により、変位用超音波ビームEBの変調周波数fが制御される。なお、振幅変調に代えて、変調周波数fの周波数変調が利用されてもよい。
図3は、変調処理された変位発生用の超音波による組織の振動を説明するための図である。図3に矢印で示す進行方向(上下方向)に沿って変位用超音波ビームEBが形成されて超音波が照射されると、組織内において、変位用超音波ビームEBの中心から、左右両方向に向かって進行する、ずり波と呼ばれる横波が発生する。ずり波の振動の周波数は変位発生用超音波の変調周波数fの2倍となる。
図3には、比較的高い変調周波数の超音波によって発生するずり波と、比較的低い変調周波数の超音波によって発生するずり波の2つの波形が示されている。変調周波数が高いほど、組織の振動部位が局在するため、変位測定における位置分解能が高められ、微小な凝固域の検出に適する。しかし、変調周波数が高いと、変位の領域が狭いため、その変位の領域を超える広域的な凝固の検出には不向きであり、広域的な凝固の検出には低い変調周波数が望ましい。
図4は、変調周波数と凝固の関係を説明するための図である。図4には、超音波プローブ10から放射される変位用超音波ビームEBと、組織内の凝固領域と振動領域が模式的に示されている。
<A>は、変位用超音波ビームEBに対して比較的高い変調周波数(例えば200Hz程度)の変調処理を施した場合を示している。比較的高い変調周波数においては、振動領域が比較的小さく局所的になり、その局所的な振動領域内における組織の平均弾性率の変化が大きく、小さな凝固領域の検出に適している。
一方、<B>は、変位用超音波ビームEBに対して比較的低い変調周波数(例えば30Hz程度)の変調処理を施した場合を示している。比較的低い変調周波数においては、振動領域が比較的大きく広域的になり、広域的な振動領域内における組織の平均弾性率の変化を計測でき、大きな凝固領域の検出に適している。
図5は、各変調周波数ごとに検出された凝固サイズの実験結果を示す図である。図5には、変調周波数が34Hz,67Hz,102Hzの3つの実験結果が示されており、各実験結果の横軸は測定部位を加熱した時間であり、縦軸は測定された凝固サイズを示している。また、各実験結果内には、測定用超音波ビームMBを利用して複数回得られた測定結果Uと、光学的な測定結果Pが示されている。光学的な測定結果Pは、実際の凝固サイズの参考値である。
測定用超音波ビームMBを利用して複数回得られた測定結果Uが示すように、変調周波数34Hzでは10〜18秒において、変調周波数67Hzでは10〜15秒において、変調周波数102Hzでは4〜10秒において、凝固の開始が検出されている。つまり、変調周波数が高いほど、凝固の開始が適切に検出されている。特に変調周波数102Hzでは、実際の凝固サイズの参考値である光学的な測定結果Pと、ほぼ同じ時刻に凝固の開始が検出されている。
また、各実験結果内に示される直線Rは、振動(変位)を与えている範囲(振動範囲)を示しており、振動範囲は、変調周波数34Hzで13mm程度、変調周波数67Hzで8mm程度、変調周波数102Hzで7mm程度である。振動範囲内、つまり直線Rの下方における凝固サイズの測定結果が信頼できる領域であり、変調周波数が低いほど、広域的な凝固の検出に適している。
本超音波医用装置においては、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を用いて変位用超音波ビームEBを変調処理し、比較的高い変調周波数により発生直後の局所的な凝固の有無などを高精度に測定し、比較的低い変調周波数により進行後の広域的な凝固の大きさを高精度に測定する。したがって、本超音波医用装置においては、少なくとも2つの変調周波数を利用するが、本超音波医用装置においては、例えば、フレームレートを一定としつつ変調周波数を以下の手法で選択する。
図6は、変調周波数の設定の具体例を説明するための図である。本超音波医用装置においては、次式により変調周波数を決定する。
[数1]変調周波数(Hz)={フレームレート(Hz)/素数}×自然数N
数1式におけるフレームレート(Hz)と素数は、例えば装置の仕様や治療対象等に応じて適宜に設定される。以下においては、フレームレートを500Hz、素数を13とした具体例について説明する。
フレームレートが500Hzであり素数を13とすると、数1式により得られる変調周波数(Hz)は、自然数Nをその変調周波数の識別番号(変調周波数N)とすると、変調周波数1(38.46Hz),変調周波数2(76.92Hz),・・・,変調周波数5(192.30Hz),・・・となる。
フレームレートは、フレームトリガ(図2)の周期であり、これは測定用超音波ビームMBにより同じ位置において変位の測定が繰り返しされる周期である。つまり、フレームレートが変位の測定におけるサンプリングレートとなる。
図6において、<A>は、変調信号の1周期の位相を示しており、位相番号(位相1〜位相13)は、変調信号の1周期を素数13により等分した場合の位相位置(位相角度)に対応している。<B>は、各変調周波数ごとに、位相番号(位相1〜位相13)とデータの取得順であるサンプリング番号(SP1〜SP13)の対応関係を示している。
素数が13であれば、数1式により、変調周波数1(38.46Hz)は、フレームレート(500Hz)の1/13となる。つまり、変位の測定におけるサンプリングレートは変調周波数1の13倍となる。したがって、<A>に示す位相番号の配置で、位相1においてサンプリング番号1(SP1)のデータが得られると、位相2においてサンプリング番号2(SP2)のデータが得られ、その後も<B>に示すように、位相3,位相4,位相5,・・・の順にデータが得られ、位相13においてサンプリング番号13(SP13)のデータが得られて、1周期分の13個のデータが収集される。この様子を図7(I)に示す。
図6に戻り、変調周波数2(76.92Hz)は、フレームレート(500Hz)の2/13となる。つまり、変位の測定におけるサンプリングレートは、変調周波数2の13/2倍となる。したがって、<A>に示す位相番号の配置で、位相1においてサンプリング番号1(SP1)のデータが得られると、位相3においてサンプリング番号2(SP2)のデータが得られ、その後も<B>に示すように、位相5,位相7,位相9,・・・の順にデータが得られ、位相13においてサンプリング番号7(SP7)のデータが得られると、次の周期の位相2においてサンプリング番号8(SP8)のデータが得られる。さらに、その後も<B>に示すように、位相4,位相6,位相8,・・・の順にデータが得られ、位相12においてサンプリング番号13(SP13)のデータが得られる。つまり、<B>に示すように、サンプリング番号1〜13(SP1〜SP13)までのデータを得ることにより、位相1から位相13までの1周期分のデータ(波形上は2周期分)が収集される。この様子を図7(II)に示す。
図6に戻り、変調周波数5(192.30Hz)は、フレームレート(500Hz)の5/13となる。つまり、変位の測定におけるサンプリングレートは、変調周波数5の13/5倍となる。したがって、<A>に示す位相番号の配置で、位相1においてサンプリング番号1(SP1)のデータが得られると、その後も<B>に示すように順にデータが得られて、サンプリング番号1〜13(SP1〜SP13)までのデータを得ることにより、位相1から位相13までの1周期分のデータが収集される。
同様に、図6に例示していない他の変調周波数においても、サンプリング番号1〜13(SP1〜SP13)までのデータを得ることにより、位相1から位相13までの1周期分のデータを収集することができる。
図6に示す変調周波数の設定の具体例によれば、比較的少ないサンプリング数(例えば13)で位相の偏りの無いデータの収集が可能になり、また、エリアシングの問題も回避できる。なお、位相偏りの無いデータの収集により、RMS(Root Mean Squre)の値が、十分に細かくサンプリングした時のRMSの値と大きく乖離しない値となる。
本超音波医用装置においては、上述した数1式により変調周波数が決定され、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を用いて変位用超音波ビームEBを変調処理し、比較的高い変調周波数により発生直後の局所的な凝固の有無などを高精度に測定し、比較的低い変調周波数により進行後の広域的な凝固の大きさを高精度に測定する。つまり、本超音波医用装置は、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を含む複数の変調周波数を利用する。そこで、以下に、複数の変調周波数を利用した具体例について説明する。
図8は、複数の変調周波数の合成波を利用した具体例1を示すフローチャートである。まず、フレームレートが設定される(S701)。例えば診断範囲の深さを15cmとすると、超音波の往復に要する時間が15(cm)×2/1500(m/s)=100μs(マイクロ秒)となる。測定用超音波ビームMBが例えば20本の場合には、フレームレートは1/(20×100μs)=500Hzとなる。なお、測定用超音波ビームMBの20本のうち、例えば4本の測定用超音波ビームMBが利用される。例えば、図2に示したように、測定用超音波ビームMBが20本あり、そのうち測定用に4本の測定用超音波ビームMBが用いられる場合、温度が上昇する時間と下降する時間の比率が16:4となり、上昇する時間が下降する時間の4倍あるので、効率的に温度上昇させることが出来る。(実際には変調波の位相によっては必ずしも上記の上昇と下降の比率とはならない時もあるが、治療時間全体をみれば、大よそ上記の関係が成立している。)
次に、変調周波数が設定される(S702)。変調の周期を測定期間(図2参照)よりも十分に低くすることにより、測定期間が振動に与える影響を軽減または回避できる。例えば、測定期間が400μsであると、変調周波数を2.5kHzよりも十分に低くする必要がある。また、数mm〜数cmの大きさの凝固域に対して十分な感度を得るために、ずり波の波長が10cm程度より短いことが望ましい。ずり波(横波)の音速を1m/sとすると、ずり波の波長が10cm以下となる変調周波数は10Hz以上となる。また、秒オーダーの時間分解能を確保するためには、1秒間に複数回以上の振動を繰り返すことが望ましいため変調周波数は数Hz以上となる。以上の条件を満たしつつ、図6を利用して説明した具体例に従って、例えば、比較的低い変調周波数(低変調周波数)が38.46Hz、比較的高い変調周波数(高変調周波数)が192.30Hzに設定される。
そして、高変調周波数(192.30Hz)と低変調周波数(38.46Hz)を合成した変調処理により得られる変位用超音波ビームEBにより治療部位Pの組織に振動を与え、測定用超音波ビームMBを介して変位測定用のデータが収集される(S703)。図6を利用して説明したように、サンプリング番号1〜13(SP1〜SP13)のデータが収集される。なお、サンプリング番号1〜13の1セットのデータのみでも変調周波数の1周期分のデータを得ることができるものの、例えば、ノイズ等の影響を低減または除去するために、2セット分のデータが収集される。もちろん、2セット以上のデータが収集されてもよい。
以下、素数Mの例に関してフレームレートをFR、二つの変調周波数をFL、FH(但しFH>FL)、FR/M=F1として説明する。更にFL/F1=NL、FH/F1=NHと表記する。放射力自体は音圧の二乗に比例するので、二つの変調周波数の合成波が生成されることや、これらの波のエリアシングが存在することを考慮して、選択出来る変調周波数の条件を整理しておく。変調の仕方は図9に示すDC成分を持たない変調法と、DC成分を持つ変調法があり、放射力の周波数成分の現れ方が異なるので、わけて議論する。
まずDC成分を持たない変調を与えた場合に関して説明する。駆動波形の変調周波数はNL,NH。これに対して計測される振動成分は、2NL,2NH,DC,NH−NL,NH+NL,NL−NHの6種類の放射力の振動成分と、M−2NH,M−2NL,M−NM−NL,M−NH+NLと4種類のMでサンプリングしたことに起因するエリアシング成分が存在する。(ちなみに上記DCはNL同士もしくはNH同士の差周波成分である。また、NL−NHは通常は負となるがエリアシングとの一致を考慮する場合にはこれも考える必要があるので、ここに加えてある。)これらの中でNHとNLが区別して独立に計測できる条件のみが適用可能なので、これを調べてみる。
まずパターン(1)として、放射力の振動成分同士が一致することがある条件を調べると、NH>NLなどを考慮して整理すると
・NH−NL=2NLとなるNH=3NLとなる条件、例えばM=13の場合は(NL,NH)=(1,3)、(2,6)、(3,9)、(4,12)
がこの条件に該当する。
次にパターン(2)として放射力の振動成分とエリアシング成分が一致する条件を調べる。(エリアシング成分同士が一致する条件はパターン(1)と同じになる。)ここではMが素数(つまり他の数の倍数にならないこと)などを使って整理すると、一致する条件が存在するのは下記の5つの条件である。
・M−2NL=NH+NLとなるM=3NL+NHとなるときで、M=13では(NL,NH)=(1,10)、(2,7)、(3,4)、(5,11)、(6,8)。但し、あとは二つはMの2倍。
・M−2NL=NH−NLとなるM=NL+NHとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,12)、(2,11)、(3,10)、(4,9)、(5,8)、(6,7)。
・M−2NH=NH+NLとなるM=3NH+NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,4)、(2,8)、(3,12)。但し、あとは二つはMの2倍、3倍と一致。
・M−2NH=NH−NLとなるM=3NH−NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(2,5)、(5,6)。
・M−2NL=NL−NHとなるM=3NL−NHとなるとき、M=13では(NL,NH)=(7,8)、(8,11)。
これらを表に纏めたものが図10である。図10に示す表の中でNH/NLが1に近いものは二変調周波数を使う効果が少ないので、二変調周波数としては、1と5〜9、11や2と9,10,12、3と8や11などが適していることがわかる。典型例を図11と図12に示す。
次にDC成分を持つ変調を与えた場合に関して説明する。駆動波形の変調周波数は先ほどと同じくNL,NH。これに対して計測される振動成分は、NL,NH,2NL,2NH,DC,NH−NL,NH+NL,NL−NHの8種類の放射力の振動成分と、M−NH,M−NL,M−2NH,M−2NL,M−NM−NL,M−NH+NL,M+NH−NLと7種類のMでサンプリングしたことに起因するエリアシング成分が存在する。これらの中でNHとNLが区別して独立に計測できる条件のみが適用可能なので、これを調べてみる。
まずパターン(1)として、放射力の振動成分同士が一致することがある条件を調べると、NH>NLなどを考慮して整理すると
・NH=2NLとなる条件、例えばM=13の場合は(NL,NH)=(1,2)、(2,4)、(3,6)、(4,8)、(5,10)、(6,12)。
・NH−NL=2NLとなるNH=3NLとなる条件、例えばM=13の場合は(NL,NH)=(1,3)、(2,6)、(3,9)、(4,12)
がこの条件に該当する。
次にパターン(2)として放射力の振動成分とエリアシング成分が一致する条件を調べる。計算の過程は上記のDC成分無の場合と類似するので省略して、結果のみ纏めると
・M=NL+NHとなるときで、M=13では(NL,NH)=(1,12)、(2,11)、(3,10)、(4,9)、(5,8)、(6,7)。
・M=2NL+NHとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,11)、(2,9)、(3,7)、(4,5)、(7,12)、(8,10)。但し、あとは二つはMの2倍と一致。
・M=2NH+NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(3,5)、(1,6)、(8,9)(6,10)、(4,11)、(2,12)。
・M=2NH−NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,7)、(3,8)、(5,9)、(7,10)、(9,11)、(11,12)。
・M=3NL+NHとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,10)、(2,7)、(3,4)、(5,11)、(6,8)、(9,12)。
・M=3NL−NHとなるとき、M=13では(NL,NH)=(7,8)、(8,11)。
・M=3NH+NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(1,4)、(5,7)、(2,8)、(9,10)(6,11)、(3,12)。
・M=3NH−NLとなるとき、M=13では(NL,NH)=(2,5)、(5,6)、(10,12)。
これらを表に纏めたものが図13である。図13に示す表の中でNH/NLが1に近いものは二変調周波数を使う効果が少ないので、二変調周波数としては、1と5,8,9や2と10、3と11などが適していることがわかる。DC成分が有る場合と無い場合を比べるとDC成分が無い場合の方が変調周波数の選択肢が多いため使いやすいが、送波アンプの非線形性などにより、DC成分が入ってしまう場合があるので、アンプの性能の制約を厳しく設定するのが難しい場合は、上記のDC成分が有る場合を選択した方が良い。
図8に戻り、S703で変位データが収集されると、次に、収集されたデータに基づいて変位が測定される(S704)。変位は、例えば測定用超音波ビームMBの深さ方向について、各深さごとに測定される。また、各深さごとに、例えば、1つのデータセット26点(26時相)の中の隣り合うデータ同士(nとn+1,n=1,2,・・・,25)が相互相関演算等により比較され、各深さごとに変位が算出される。なお、例えば加熱治療前の基準となる時相と最新時相との比較により変位が算出されてもよい。また、変位の算出に先立って、必要に応じて、ベースバンド除去処理やノイズ除去処理などが行われてもよい。
次に、高変調周波数成分と低変調周波数成分が分離される(S705)。例えば、バンドパスフィルタ等を利用して、高変調周波数(192.30Hz)に対応した振動成分(変位成分)と低変調周波数(38.46Hz)に対応した振動成分(変位成分)が分離して抽出される。なお、S704におけるの変位の測定に先立って高変調周波数に対応したデータ成分と低変調周波数に対応したデータ成分を分離し、S704において各変調周波数ごとに変位を測定してもよい。ここで二周波成分の分離とRMSの順序は重要である。RMSでは一度二乗されるので、二つの周波数の和周波や差周波が発生してしまい、これらがエリアシングも起こすので、図13の利用可能な条件が更に狭まってしまう可能性があるためである。
次に、各変調周波数成分ごとに得られた振動成分に基づいて凝固が測定される(S706)。例えば、各深さごと且つ各変調周波数成分ごとに、2セット分(2フレーム分)に亘って得られた振動成分(変位成分)から、変位の二乗平均平方根(RMS)、つまり実効値を算出し、例えばその実効値を現時相(最新時相)の振幅値とする。さらに、各深さごと且つ各変調周波数成分ごとに、例えば、現時相の振幅値が、加熱治療前の基準となる時相における振幅値の70パーセントとなった場合に、当該現時相の当該深さにおいて凝固が始まったと判定する。また、現時相において凝固が始まったと判定された複数の深さについて、それら複数の深さの範囲から、凝固の大きさ(凝固サイズ)が算出される。なお、各深さ(各位置)ごとに凝固を検出して、その検出結果を例えば画像等にマッピングする手法をLMI(Localized Motion Imaging)と称する。
また、S706において、実効値に代えて、フィッティング(fitting)やロックイン検波を利用して現時相の振幅値を得るようにしてもよい。フィッティングやロックイン検波を利用する場合には、これらの利用の前に、データの並べ替えが行われる。つまり、図6を利用して説明したように、例えば高変調周波数(変調周波数5:192.30Hz)においてはサンプリング番号SPnの取得順、つまりSP1,SP2,SP3,・・・,SP13の順と、位相番号の順番がずれているため、図6に示すように、位相番号の順となるように、サンプリング番号SPnが並べ替えられる。
次に、治療部位Pに対して強力集束超音波(HIFU)が照射される(S707)。例えば、治療用超音波ビームTBにより、0.5〜1.0秒間程度HIFUが照射される。
そして、加熱期間(図2参照)が終了していなければ(S708)、次の測定期間(図2参照)において、S703〜S706までの測定処理が実行され、測定期間後にS707においてHIFUが照射される。なお、治療用超音波ビームTBが測定用超音波ビームMBとして利用される場合には、S707において、高変調周波数と低変調周波数を合成したHIFUが照射され、HIFU照射後に残る振動成分がS703〜S706において測定される。
一方、加熱期間(図2参照)が終了したならば(S708)、治療部位Pにおける治療が終了する。また、S706における凝固の測定において、目標とする凝固の大きさが確認された時点で、治療部位Pにおける治療を終了してもよい。治療部位Pにおける治療が終了したならば、別の位置にある治療部位Pに対して治療を行うようにしてもよい。
図14は、複数の変調周波数を切り替える具体例2を示すフローチャートである。図14の具体例2においても、まず、フレームレートが設定されて(S801)、変調周波数が設定される(S802)。S801とS802における処理は、図8のS701とS702における処理と同じである。つまり、S801においてフレームレートが500Hzに設定され、S802において低変調周波数が38.46Hz、高変調周波数が192.30Hzに設定される。
図14の具体例2においては、低変調周波数と高変調周波数について、別々にデータが収集されて変位が測定される。つまり、まず、低変調周波数を利用した変調処理により得られる変位用超音波ビームEBにより治療部位Pの組織に振動を与え、測定用超音波ビームMBを介して変位測定用のデータが収集される(S803)。例えば、図8のS703と同様に、2セット分のデータが収集される。次に、収集されたデータに基づいて変位(振動成分)が測定される(S804)。例えば、図8のS704と同様な処理により、各深さごとに変位が算出される。
続いて、高変調周波数を利用した変調処理により得られる変位用超音波ビームEBにより治療部位Pの組織に振動を与え、測定用超音波ビームMBを介して変位測定用のデータが収集される(S805)。例えば、図8のS703と同様に、2セット分のデータが収集される。次に、収集されたデータに基づいて変位(振動成分)が測定される(S806)。例えば、図8のS704と同様な処理により、各深さごとに変位が算出される。
そして、各変調周波数成分ごとに得られた振動成分に基づいて凝固が測定される(S807)。例えば、図8のS706と同様な処理により、現時相において凝固が始まった深さの判定や、現時相における凝固の大きさ(凝固サイズ)が算出される。
次に、治療部位Pに対して強力集束超音波(HIFU)が照射される(S808)。例えば、治療用超音波ビームTBにより、0.5〜1.0秒間程度HIFUが照射される。
そして、加熱期間(図2参照)が終了していなければ(S809)、次の測定期間(図2参照)において、S803〜S807までの測定処理が実行され、測定期間後にS808においてHIFUが照射される。なお、治療用超音波ビームTBが測定用超音波ビームMBとして利用される場合には、低変調周波数により変調処理されたHIFU照射後にS803とS804の測定処理を実行し、高変調周波数により変調処理されたHIFU照射後にS805とS806の測定処理を実行すればよい。
一方、加熱期間(図2参照)が終了したならば(S809)、治療部位Pにおける治療が終了する。また、S807における凝固の測定において、目標とする凝固の大きさが確認された時点で、治療部位Pにおける治療を終了してもよい。治療部位Pにおける治療が終了したならば、別の位置にある治療部位Pに対して治療を行うようにしてもよい。
図15は、複数の変調周波数を段階的に変更する具体例3を示すフローチャートである。図15の具体例3においても、まず、フレームレートが設定されて(S901)、変調周波数が設定される(S902)。S901における処理は、図8のS701における処理と同じである。つまり、S901においてフレームレートが500Hzに設定される。またS902においては、図8のS702における処理と同様な処理により、複数の変調周波数が設定される。例えば、数1式に基づいて、変調周波数6(230.76Hz),変調周波数5(192.30Hz),変調周波数4(153.84Hz),変調周波数3(115.28Hz),変調周波数2(76.92Hz),変調周波数1(38.46Hz)の6つの変調周波数が設定される。なお、初期状態においては、変調周波数6に設定される。
そして、現在設定されている変調周波数を利用した変調処理により得られる変位用超音波ビームEBにより治療部位Pの組織に振動を与え、測定用超音波ビームMBを介して変位測定用のデータが収集される(S903)。例えば、図8のS703と同様に、2セット分のデータが収集される。次に、収集されたデータに基づいて変位(振動成分)が測定される(S904)。例えば、図8のS704と同様な処理により、各深さごとに変位が算出される。
さらに、現在設定されている変調周波数成分について得られた振動成分に基づいて凝固が測定される(S905)。例えば、図8のS706と同様な処理により、現時相において凝固が始まった深さの判定や、現時相における凝固の大きさ(凝固サイズ)が算出される。
次に、治療部位Pに対して強力集束超音波(HIFU)が照射される(S906)。例えば、治療用超音波ビームTBにより、0.5〜1.0秒間程度HIFUが照射される。
続いて、全ての変調周波数に関する処理が終了したか否かが確認される(S907)。つまり、6つの変調周波数に関する処理が全て終了したか否かが確認され、終了していなければ、S908において1つだけ低い変調周波数に変更され、その変更後の変調周波数によりS903〜S906までの処理が行われる。
S903〜S908の処理が繰り返し実行され、S907において、6つ全ての変調周波数に関する処理の終了が確認されると、S909に処理が進められる。
そして、加熱期間(図2参照)が終了していなければ(S909)、S902において変調周波数が初期状態の変調周波数6に設定され、S903〜S908までの処理が実行される。なお、治療用超音波ビームTBが測定用超音波ビームMBとして利用される場合には、S906において、1つだけ低い変調周波数に変更され、その変更後の変調周波数により変調処理されたHIFUが照射される。
一方、加熱期間(図2参照)が終了したならば(S909)、治療部位Pにおける治療が終了する。また、S905における凝固の測定において、目標とする凝固の大きさが確認された時点で、治療部位Pにおける治療を終了してもよい。治療部位Pにおける治療が終了したならば、別の位置にある治療部位Pに対して治療を行うようにしてもよい。
図16は、凝固の判定結果に基づいて変調周波数を切り替える具体例4を示すフローチャートである。図16の具体例4においても、まず、フレームレートが設定されて(S1001)、変調周波数が設定される(S1002)。S1001における処理は、図8のS701における処理と同じである。つまり、S1001においてフレームレートが500Hzに設定される。またS1002においては、図8のS702における処理と同様な処理により、複数の変調周波数が設定される。例えば、数1式に基づいて、変調周波数6(230.76Hz),変調周波数5(192.30Hz),変調周波数4(153.84Hz),変調周波数3(115.28Hz),変調周波数2(76.92Hz),変調周波数1(38.46Hz)の6つの変調周波数が設定される。なお、初期状態においては、変調周波数6に設定される。
そして、現在設定されている変調周波数を利用した変調処理により得られる変位用超音波ビームEBにより治療部位Pの組織に振動を与え、測定用超音波ビームMBを介して変位測定用のデータが収集される(S1003)。例えば、図8のS703と同様に、2セット分のデータが収集される。次に、収集されたデータに基づいて変位(振動成分)が測定される(S1004)。例えば、図8のS704と同様な処理により、各深さごとに変位が算出される。
さらに、現在設定されている変調周波数により得られた振動成分に基づいて凝固が測定される(S1005)。例えば、図8のS706と同様な処理により、現時相において凝固が始まった深さの判定や、現時相における凝固の大きさ(凝固サイズ)が算出される。
次に、治療部位Pに対して強力集束超音波(HIFU)が照射される(S1006)。例えば、治療用超音波ビームTBにより0.5〜1.0秒間程度HIFUが照射される。
そして、現在設定されている変調周波数について、凝固サイズがその変調周波数に対応した閾値に達したか否かが確認される(S1007)。具体例4においては、各変調周波数ごとに、凝固サイズに関する閾値が設定される。
図17は、凝固サイズと変調周波数の対応関係を示す図である。例えば、凝固サイズが0(未検出)から2mmまでの範囲においては、変調周波数6(230.76Hz)が利用され、凝固サイズが2mmから5mmまでの範囲においては、変調周波数5(192.30Hz)が利用される。他の凝固サイズについても、図17に示すとおりである。
図16に戻り、変調周波数6(230.76Hz)を利用した凝固の測定においては、凝固サイズの2mmが閾値とされ、S1007において、凝固サイズが2mm以上または凝固サイズが2mmより大きくなると、凝固が閾値に達したと判定される。
S1007において凝固が閾値に達すると、全ての変調周波数に関する処理が終了したか否かが確認される(S1008)。つまり、6つの変調周波数に関する処理が全て終了したか否かが確認され、終了していなければ、S1009において1つだけ低い変調周波数に変更され、その変更後の変調周波数によりS1003〜S1007までの処理が行われる。
変調周波数5(192.30Hz)を利用した凝固の測定においては、凝固サイズの5mmが閾値とされ(図17参照)、S1007において、凝固サイズが5mm以上または凝固サイズが5mmより大きくなると、凝固が閾値に達したと判定される。
また、変調周波数4(153.84Hz)を利用した凝固の測定においては、凝固サイズの8mmが閾値とされ、変調周波数3(115.28Hz)を利用した凝固の測定においては、凝固サイズの15mmが閾値とされ、変調周波数1(38.46Hz)を利用した凝固の測定においては、治療目標サイズが閾値とされる(図17参照)。
こうして、S1003〜S1009までの処理が繰り返され、変調周波数1(38.46Hz)を利用した凝固の測定が行われ、S1007において治療目標サイズに達したことが確認されると、S1008において全変調周波数の終了が確認され、治療部位Pにおける治療が終了する。なお、加熱期間(図2参照)が終了した場合にも、治療部位Pにおける治療を終了してもよい。治療部位Pにおける治療が終了したならば、別の位置にある治療部位Pに対して治療を行うようにしてもよい。
図18は、図1の超音波医用装置(本超音波医用装置)により形成される凝固状態画像の具体例を示す図である。凝固画像形成部26は、凝固測定部25から得られる凝固の測定結果に基づいて、<M>に示す凝固状態画像を形成する。なお、図18において、横軸はHIFUによる加熱時間を示しており、縦軸は深さを示している。焦点はHIFUを照射する治療用超音波ビームTBの焦点である。また、斜線で示される部分は凝固が確認された領域を示している。
<L>は、低変調周波数(38.46Hz)による凝固の測定結果を示している。低変調周波数では、振動領域が比較的広いため、測定できる凝固サイズ、つまり、焦点を中心とした縦軸方向の広がりが比較的大きい。但し、<L>内において破線丸印で示す領域において凝固が検出できていない。
一方、<H>は、高変調周波数(192.30Hz)による凝固の測定結果を示している。高変調周波数では、焦点を中心とした振動領域が比較的小さく局所的になり、その局所的な振動領域内における組織の平均弾性率の変化が大きく、早期の小さな凝固の検出に適している。そのため、<H>の高変調周波数では、<L>内の破線丸印で示す領域に対応する時間において、凝固が検出されている。但し、<H>内において破線丸印で示す振動領域を超える部分においては、振動が与えられていないため、凝固の検出に適していない。
凝固画像形成部26は、低変調周波数の測定結果<L>と高変調周波数の測定結果<H>に基づいて、例えば測定結果<L>と測定結果<H>を合成して、<M>の凝固状態画像を形成する。
<M>の凝固状態画像では、高変調周波数(192.30Hz)の成分に基づいて得られる測定結果から早期の小さな凝固が検出されており、さらに、低変調周波数(38.46Hz)の成分に基づいて得られる測定結果から比較的広い領域に亘って凝固が検出されている。
したがって、<M>の凝固状態画像から、ユーザ(検査者)は、例えば発生直後の局所的な凝固の有無や凝固のタイミングなどを確認でき、さらに、例えば進行後の広域的な凝固の大きさなどを確認することができる。
なお、3つ以上の変調周波数を利用した場合には、3以上の変調周波数の各々から得られる測定結果を合成して、凝固状態画像が形成される。
これまで、本発明の好適な実施形態として、振幅に変調を与えることで放射力に変調を与える手法に関して説明を行ってきた。しかし放射力を変調する手法としては他にも次の方法がある。各素子に与える電圧の包絡線振幅は時間軸上で一定として、ビームの焦点位置を振動させる方法である。つまり、音の伝搬方向をx方向として、焦点位置のy座標をfyとするとfy=fAsin(ωt)となるように駆動する。fAがビーム幅と同程度もしくはそれより大きいと各点における放射力はωの角周波数で変調されたことになる。駆動電圧を振幅変調する手法では送波回路にトランスを用いる手法があるが、この段落で説明した方法では駆動電圧は一定で良いので、トランスが不要となる。この結果回路規模が小さく出来るので、装置実用化上はメリットが大きい。ゆえに、これまでに説明した放射力の変調方法として上記の手法を用いることも実用上は有効である。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。なお、本発明に係る超音波医用装置を利用した治療等は、医師等の専門家の指導の下で十分に慎重に行われるべきことは言うまでもない。
10 超音波プローブ、20 測定診断ブロック、22 送受信部、24 変位測定部、25 凝固測定部、26 凝固画像形成部、28 超音波画像形成部、30 治療放射ブロック、32 治療用送信部、34 変位用送信部、36 変調周波数制御部、40 制御部、50 表示部。

Claims (7)

  1. 変位用超音波ビームを形成して関心部位において組織を変位させる変位波処理部と、
    測定用超音波ビームを形成して前記関心部位から受信信号を得る測定波処理部と、
    前記変位用超音波ビームに対する変調処理を制御する変調制御部と、
    前記測定用超音波ビームを介して得られる受信信号に基づいて、前記関心部位における組織の変位を測定する変位測定部と、
    前記変位の測定結果に基づいて、前記関心部位における組織の凝固を測定する凝固測定部と、
    を有し、
    前記変調制御部は、比較的高い変調周波数と比較的低い変調周波数を用いて変位用超音波ビームを変調処理するように前記変位波処理部を制御し、
    前記変位測定部は、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定し、
    前記凝固測定部は、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、関心部位における局所的な凝固を測定し、前記比較的低い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、関心部位における広域的な凝固を測定する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  2. 請求項1に記載の超音波医用装置において、
    前記凝固測定部は、前記各変調周波数ごとに得られる変位の測定結果に基づいて、関心部位における凝固のサイズを測定する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  3. 請求項2に記載の超音波医用装置において、
    治療用超音波ビームを形成して前記関心部位の組織を加熱して治療する治療波処理部をさらに有し、
    前記凝固測定部は、前記加熱の期間内において複数の時相に亘って各時相ごとに関心部位における凝固のサイズを測定するにあたり、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、凝固発生初期の時相における局所的な凝固のサイズを測定し、前記比較的低い変調周波数による変位の測定結果に基づいて、凝固進行後の時相における広域的な凝固のサイズを測定する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  4. 請求項3に記載の超音波医用装置において、
    複数の時相を一方の軸に示し、各時相ごとに測定された凝固のサイズを他方の軸に示した凝固状態画像を形成する画像形成部をさらに有する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波医用装置において、
    前記変位波処理部は、前記比較的高い変調周波数による変調処理と前記比較的低い変調周波数による変調処理とを合成した変位用超音波ビームを形成し、
    前記変位測定部は、前記測定用超音波ビームを介して得られる受信信号から、前記各変調周波数に対応した周波数成分を抽出することにより、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波医用装置において、
    前記変位波処理部は、前記比較的高い変調周波数により変調処理された変位用超音波ビームと、前記比較的低い変調周波数により変調処理された変位用超音波ビームと、を互いに異なる時相において形成し、
    前記測定波処理部は、前記各変調周波数ごとにその変調周波数に対応した時相において測定用超音波ビームを形成し、
    前記変位測定部は、前記各変調周波数ごとに形成される測定用超音波ビームを介して得られる受信信号に基づいて、前記各変調周波数ごとに関心部位における組織の変位を測定する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波医用装置において、
    前記変調制御部は、前記比較的高い変調周波数による変位の測定結果に基づいて測定される凝固のサイズが閾値に達した場合に、前記比較的高い変調周波数から前記比較的低い変調周波数に切り替えるように、前記変位波処理部を制御する、
    ことを特徴とする超音波医用装置。
JP2013113609A 2013-05-30 2013-05-30 超音波医用装置 Active JP5590493B1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013113609A JP5590493B1 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 超音波医用装置
CN201480031189.9A CN105246416A (zh) 2013-05-30 2014-05-27 超声医疗设备
US14/891,732 US20160120511A1 (en) 2013-05-30 2014-05-27 Ultrasonic medical device
PCT/JP2014/063997 WO2014192757A1 (ja) 2013-05-30 2014-05-27 超音波医用装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013113609A JP5590493B1 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 超音波医用装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5590493B1 true JP5590493B1 (ja) 2014-09-17
JP2014230675A JP2014230675A (ja) 2014-12-11

Family

ID=51701975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013113609A Active JP5590493B1 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 超音波医用装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20160120511A1 (ja)
JP (1) JP5590493B1 (ja)
CN (1) CN105246416A (ja)
WO (1) WO2014192757A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6633314B2 (ja) * 2015-07-24 2020-01-22 国立大学法人東北大学 超音波医用装置
JP2018093899A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 国立大学法人 東京大学 超音波医用装置
EP3742976A4 (en) * 2018-01-24 2021-10-20 Nina Medical Ltd. ACOUSTIC FIELD MAPPING WITH ULTRASOUND PARTICLE SPEED ESTIMATOR

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080269607A1 (en) * 2004-06-11 2008-10-30 Kazunari Ishida Ultrasonic Treatment Apparatus
JP6006473B2 (ja) * 2007-12-21 2016-10-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 高密度集束超音波ビームを追尾し、誘導するシステム及び方法
US8343050B2 (en) * 2009-05-04 2013-01-01 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Feedback in medical ultrasound imaging for high intensity focused ultrasound
JP5731267B2 (ja) * 2011-04-25 2015-06-10 株式会社日立メディコ 治療支援システム及び医用画像処理装置
KR20130020421A (ko) * 2011-08-19 2013-02-27 삼성전자주식회사 초음파를 이용하여 치료부위의 온도를 모니터링하는 방법 및 장치, 초음파를 이용한 치료 및 진단 시스템
JP5885189B2 (ja) * 2011-09-07 2016-03-15 学校法人日本大学 超音波診断装置および超音波診断用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014230675A (ja) 2014-12-11
CN105246416A (zh) 2016-01-13
WO2014192757A1 (ja) 2014-12-04
US20160120511A1 (en) 2016-05-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7753847B2 (en) Ultrasound vibrometry
JP5730978B2 (ja) 超音波診断装置、及び方法
KR20120131552A (ko) 초음파를 이용한 치료 및 진단 방법 및 시스템
JPH09103434A (ja) 超音波治療装置
Maleke et al. Single-element focused ultrasound transducer method for harmonic motion imaging
Han et al. Tumor characterization and treatment monitoring of postsurgical human breast specimens using harmonic motion imaging (HMI)
JP2006204929A (ja) 超音波治療装置
JP5590493B1 (ja) 超音波医用装置
WO2007032134A1 (ja) 超音波診断装置
JP2017164559A (ja) 超音波装置
JP5954841B2 (ja) 超音波医用装置
JP6633314B2 (ja) 超音波医用装置
JP2006136441A (ja) 超音波照射装置及び超音波照射方法
JP6004255B2 (ja) 超音波医用装置
JP5325670B2 (ja) 超音波診断装置
JP2014233305A (ja) 超音波治療装置
JP2022029165A (ja) 超音波評価装置及び超音波評価方法
JP2018093899A (ja) 超音波医用装置
JP5460508B2 (ja) 超音波測定装置および超音波治療システム
JP2019051192A (ja) 超音波医用装置
JP5520150B2 (ja) 超音波測定装置および超音波治療システム
KR20140094955A (ko) 온도 영상 생성 방법 및 장치, 이를 포함한 초음파 시스템
WO2015072566A1 (ja) 超音波治療装置
Maleke et al. Real‐Time Monitoring Of Regional Tissue Elasticity During FUS Focused Ultrasound Therapy Using Harmonic Motion Imaging
JP2015156885A (ja) 超音波治療システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5590493

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250