JP2015103759A - 電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】電荷発生材料は、下記一般式[1]で表される。
式[1]中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。前記Ar1は水素、重水素又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であってもよい。
【選択図】なし
【解決手段】電荷発生材料は、下記一般式[1]で表される。
式[1]中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。前記Ar1は水素、重水素又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であってもよい。
【選択図】なし
Description
本発明は電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。特に、高効率、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子用の電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、画像表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(Organic Electroluminescence Display:有機EL表示装置)の開発が盛んになってきている。有機EL表示装置は、液晶表示装置等とは異なり、陽極及び陰極から注入された正孔及び電子を発光層において再結合させることにより、発光層における有機化合物を含む発光材料を発光させて表示を実現するいわゆる自発光型の表示装置である。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)としては、例えば、陽極、陽極上に配置された正孔輸送層、正孔輸送層上に配置された発光層、発光層上に配置された電子輸送層及び電子輸送層上に配置された陰極から構成された有機エレクトロルミネッセンス素子が知られている。陽極からは正孔が注入され、注入された正孔は正孔輸送層を移動して発光層に注入される。一方、陰極からは電子が注入され、注入された電子は電子輸送層を移動して発光層に注入される。発光層に注入された正孔と電子とが再結合することにより、発光層内で励起子が生成される。有機エレクトロルミネッセンス素子は、その励起子の輻射失活によって発生する光を利用して発光する。尚、有機エレクトロルミネッセンス素子は、以上に述べた構成に限定されず、種々の変更が可能である。
近年、発光効率と、素子の寿命を向上させるため、少なくとも正孔輸送層、発光層及び電荷輸送層を含む発光ユニットを積層して直列に接続する、マルチフォトンエミッション(MPE)と呼ばれる素子構造が報告されている。陽極と陰極との間に2つ以上の発光ユニットを積層するには、発光ユニット間に正孔と電子をそれぞれ発生させる電荷発生層を配置する必要がある。MPE型の有機エレクトロルミネッセンス素子を表示装置に応用するにあたり、高効率化及び長寿命化が求められており、電荷発生層の高効率化及び長寿命化も検討されている。
電荷発生材料としては、HAT-CN6、Fullerene C60、F4-TCNQ等が知られているが、さらなる素子の低電圧化、電力効率の向上には、新規の化合物の開発が必要である。近年、導電特性を有する化合物として、carborane化合物が報告されている(特許文献1)。しかし、特許文献1ではcarborane化合物の導電性が示されているのみで、電荷発生層としての利用可能性については言及されていない。また、特許文献1に開示されたcarborane化合物では、電荷発生材料に要求される低電圧駆動及び高電力効率を十分に満たすことができない。
一方、特許文献2には、carborane化合物を有機発光素子の陽極と陰極との間に配置される1層に用いることが開示されている。しかし、電荷発生材料として用いるには、さらなる低電圧駆動及び高電力効率の材料の開発が必要であった。
本発明は、上述の問題を解決するものであって、低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、下記一般式[1]で表される1,2−closo−カルボラン化合物を含む電荷発生材料が提供される。
式[1]中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。
式[1]中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、1,2−closo−カルボラン(Carborane)化合物の1位及び2位の炭素でアリール基又はヘテロアリール基に結合した構造を有することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。
前記電荷発生材料において、前記Ar1は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、Ar1が水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。特に、Ar1に電子求引基を導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基をAr1に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電子求引基は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択されてもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択される電子求引基をAr1に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電荷発生材料のLUMO準位が3.40eV以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、LUMO準位が3.40eV以下であることにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
また、本発明の一実施形態によると、下記一般式[2]で表される1,2−closo−カルボラン化合物を含む電荷発生材料が提供される。
式[2]中、Ar1及びAr2は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。
式[2]中、Ar1及びAr2は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、1,2−closo−カルボランの1位及び2位の炭素でアリール基又はヘテロアリール基に結合した構造を有するとともに、Ar2を介して2つのカルボランが結合した構造を有することにより、LUMOが深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。
前記電荷発生材料において、前記Ar1及び/又は前記Ar2は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、Ar1及び/又はAr2が水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。特に、Ar1及び/又はAr2に電子求引基を導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基をAr1及び/又はAr2に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電子求引基は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択されてもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択される電子求引基をAr1及び/又はAr2に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
前記電荷発生材料において、前記電荷発生材料のLUMO準位が3.40eV以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係る電荷発生材料は、LUMO準位が3.40eV以下であることにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかに記載の電荷発生材料を電荷発生層に含む有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、1,2−closo−カルボラン(Carborane)化合物の1位及び2位の炭素でアリール基又はヘテロアリール基に結合した構造を有する電荷発生層を形成することにより、低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
本発明によると、低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、1,2−closo−カルボラン(Carborane)化合物の1位及び2位の炭素でアリール基又はヘテロアリール基に結合した構造を有することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
以下、図面を参照して本発明に係る電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。但し、本発明の電荷発生材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明に係る電荷発生材料は、下記式[3]で示される1,2−closo−カルボラン化合物を含む化合物である。
カルボランはホウ素と炭素原子からなるクラスター分子である。カルボランはヒュッケル則(Huckel's rule)に従い、超芳香族性を示し、熱力学的に高い安定性を有する。また、カルボランは多面体構造を有し、電子不足の為、アクセプタ性材料としては好適であり、電荷発生層として有用である。
本発明に係る電荷発生材料において、式[3]中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。ここで、置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基としては、環形成炭素数6以上12以下のものが好ましい。また、置換基を有する若しくは置換基を有しないヘテロアリール基としては、環形成炭素数3以上6以下のものが好ましい。このような構造を有する本発明に係る電荷発生材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。
本発明に係る電荷発生材料は、式[3]中、Ar1は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。特に、Ar1に電子求引基を導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
また、本発明に係る電荷発生材料において、電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であることが好ましい。置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基をAr1に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
このような電子求引基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられる。本発明に用いる電子求引基としては、フッ素原子、フッ化メチル基又はシアノ基から選択するのが好ましい。特に、フッ素原子は取扱の点からも好適である。
ここで、導入する上記一般式[3]中のAr1としては、Phenyl、pentafluorophenyl、p-(trifluoromethyl)pentafluorophenyl、p-Cyanophenyl、2-pyrimidin、5-pyrimidinyl、phthalonitril、isophthalonitril、pentacarbonitril、biphenyl、1-naphthalenyl等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記式[3]中のAr1としては、以下のようなものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る電荷発生材料は、このような構造を有することにより、LUMO準位が3.40eV以下とすることができる。これにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
また、本発明に係る電荷発生材料は、下記式[4]で示される1,2−closo−カルボラン化合物を含む化合物であってもよい。
本実施形態においては、Ar2を介して2つのカルボランが結合した構造を有する。本実施形態に係る電荷発生材料において、式[4]中、Ar1及び/又はAr2は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。ここで、置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基としては、環形成炭素数6以上12以下のものが好ましい。また、置換基を有する若しくは置換基を有しないヘテロアリール基としては、環形成炭素数3以上6以下のものが好ましい。このような構造を有する本発明に係る電荷発生材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現する電荷発生層を形成することができる。
本実施形態に係る電荷発生材料は、式[4]中、Ar1及び/又はAr2は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であってもよい。特に、Ar1及び/又はAr2に電子求引基を導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
また、本実施形態に係る電荷発生材料において、電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であることが好ましい。置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基をAr1及び/又はAr2に導入することにより、LUMO(最低空軌道)が深くなり、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
このような電子求引基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられる。本発明に用いる電子求引基としては、フッ素原子、フッ化メチル基又はシアノ基から選択するのが好ましい。特に、フッ素原子は取扱の点からも好適である。具体的な置換基Ar1及び[3]について説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。Ar2はPhenyl、2,3,5,6-tetrafluorophenyl、2,5-difluorophenyl、2,5-phthlonitril等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記式[4]中のAr2としては、以下のようなものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る電荷発生材料は、このような構造を有することにより、LUMO準位が3.40eV以下とすることができる。これにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動及び高電力効率を実現することができる。
本発明に係る電荷発生材料は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
本発明に係る電荷発生材料は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
本発明に係る電荷発生材料は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
本発明に係る電荷発生材料は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
本発明に係る電荷発生材料は、一例として、以下の構造式により示された物質である。
本発明に係る電荷発生材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の電荷発生層に好適に用いることができる。本発明に係る電荷発生材料はドナー性とアクセプタ性とを併せ持つことにより、有機エレクトロルミネッセンス素子を低電圧で駆動することができるとともに、高い電力効率を実現することができ、また、長寿命化を実現することができる。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本発明に係る電荷発生材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子100を示す模式図である。有機エレクトロルミネッセンス素子100は、例えば、陽極101と陰極116との間に、第1の正孔輸送層103、第1の発光層105及び第1の電子輸送層107を含む第1の発光ユニットと、第2の正孔輸送層113、第2の発光層115及び第2の電子輸送層117を含む第2の発光ユニットとが、電荷発生層120を介して配置される。一実施形態において、本発明に係る電荷発生材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の電荷発生層に用いることができる。
本発明に係る電荷発生材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子100を示す模式図である。有機エレクトロルミネッセンス素子100は、例えば、陽極101と陰極116との間に、第1の正孔輸送層103、第1の発光層105及び第1の電子輸送層107を含む第1の発光ユニットと、第2の正孔輸送層113、第2の発光層115及び第2の電子輸送層117を含む第2の発光ユニットとが、電荷発生層120を介して配置される。一実施形態において、本発明に係る電荷発生材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子の電荷発生層に用いることができる。
なお、図1においては、2つの発光ユニットを、電荷発生層120を介して積層した構造を示したが、本発明においては、電荷発生層120を介して3つ以上の発光ユニットを配置してもよい。また、陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を配置してもよく、電子輸送層と陰極との間に電子注入層を配置してもよい。
陽極101は、酸化インジウムスズ(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等を用いて形成することができる。正孔輸送層103及び113は、α−NPD(NPB)、TPD、TACP、トリフェニル四量体などを用いて形成される。発光層105及び115は、例えば、9,10-Di(2-naphthyl)anthracene(ADN)を含むホスト材料にTetra-t-butylperylene (TBP)をドープして形成することができる。電子輸送層107及び117は、例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium(Alq3)を含む材料により形成される。陰極119は、Al等の金属や酸化インジウムスズ(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明材料により形成される。なお、電子輸送層107と電荷発生層120との間及び/又は電子輸送層117と陰極119との間にLiF等を用いて電子注入層を形成することが好ましい。上記薄膜は、真空蒸着、スパッタ、各種塗布など材料に応じた適切な成膜方法を選択することにより、形成することができる。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子100においては、上述した本発明に係る電荷発生材料を用いて、2つの発光ユニットの間に電荷発生層120を配置する。本発明に係る電荷発生材料を用いて電荷発生層120を形成することにより、低電圧駆動及び高電力効率のMPE型の有機エレクトロルミネッセンス素子が形成される。
(製造方法)
上述した本発明に係る電荷発生材料は、例えば、以下のように合成することができる。
上述した本発明に係る電荷発生材料は、例えば、以下のように合成することができる。
化合物(A)の合成:
4−ブロモベンゾトリフルオリド(5.3g、18mmol)、CuI(50mg、0.26mmol)、PdCl2(PPh3)2 (200mg、0.28mmol)とEt3N 20ml混合した反応系にトリメチルシリルアセチレン(2g、20mmol)を加え、N2気流下、35℃で48時間攪拌した。反応後クロマトグラフィー精製を行い、化合物(A)を4.3g(収率91%)得た。
4−ブロモベンゾトリフルオリド(5.3g、18mmol)、CuI(50mg、0.26mmol)、PdCl2(PPh3)2 (200mg、0.28mmol)とEt3N 20ml混合した反応系にトリメチルシリルアセチレン(2g、20mmol)を加え、N2気流下、35℃で48時間攪拌した。反応後クロマトグラフィー精製を行い、化合物(A)を4.3g(収率91%)得た。
化合物(B)の合成:
化合物(A)(5.6g、23mmol)、ジエチルスルフィド(3.3g、10mmol)、CuCl(2.1g、21mmol)を N2置換したDMF:i−Pr2NH=2:1の混合溶媒45mlに加えた。最後にPd(PPh3)4(1.2g,1mmol)加え、N2気流下、80℃で一晩攪拌した。反応後SiO2上ろ過、Et2O抽出、更にクロマトグラフィー精製を行い、化合物(B)を1.9g(収率46%)得た。
化合物(A)(5.6g、23mmol)、ジエチルスルフィド(3.3g、10mmol)、CuCl(2.1g、21mmol)を N2置換したDMF:i−Pr2NH=2:1の混合溶媒45mlに加えた。最後にPd(PPh3)4(1.2g,1mmol)加え、N2気流下、80℃で一晩攪拌した。反応後SiO2上ろ過、Et2O抽出、更にクロマトグラフィー精製を行い、化合物(B)を1.9g(収率46%)得た。
化合物(B)の同定:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)測定で測定された化合物(B)のケミカルシフト値は、δ7.52(d,4H),δ7.60(m,8H)であった。また、19F−NMR測定で測定された化合物(B)のケミカルシフト値は、δ−62.44 (s, 6F, −CF3)であった。HRMS測定により測定された化合物(B)の分子量は414.0843であり、C24H12F6(414.0843)であると同定された。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)測定で測定された化合物(B)のケミカルシフト値は、δ7.52(d,4H),δ7.60(m,8H)であった。また、19F−NMR測定で測定された化合物(B)のケミカルシフト値は、δ−62.44 (s, 6F, −CF3)であった。HRMS測定により測定された化合物(B)の分子量は414.0843であり、C24H12F6(414.0843)であると同定された。
化合物(2)の合成:
デカボラン(269mg、2.2mmol)とジエチルスルフィド(497μl、4.6mmol)を4.5時間還流させた。さらに反応系にトルエン(10ml)と化合物(B)(414mg、1mmol)を加え、24時間還流させた。反応溶媒を濃縮、石油エテルを用いてクロマトグラフィー精製を行い、目的物(2)を240mg(収率37%)得た。
デカボラン(269mg、2.2mmol)とジエチルスルフィド(497μl、4.6mmol)を4.5時間還流させた。さらに反応系にトルエン(10ml)と化合物(B)(414mg、1mmol)を加え、24時間還流させた。反応溶媒を濃縮、石油エテルを用いてクロマトグラフィー精製を行い、目的物(2)を240mg(収率37%)得た。
化合物(2)の同定:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)測定で測定された化合物(2)のケミカルシフト値は、δ7.19(s,4H),δ7.37(dd,8H)であった。また、19F−NMR測定で測定された化合物(2)のケミカルシフト値は、δ−63.03(s, 6F, −CF3)であった。HRMS測定により測定された化合物(2)の分子量は650.4414であり、C24H32B20F6(650.4415)であると同定された。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)測定で測定された化合物(2)のケミカルシフト値は、δ7.19(s,4H),δ7.37(dd,8H)であった。また、19F−NMR測定で測定された化合物(2)のケミカルシフト値は、δ−63.03(s, 6F, −CF3)であった。HRMS測定により測定された化合物(2)の分子量は650.4414であり、C24H32B20F6(650.4415)であると同定された。
上述したような製造方法を用いて、実施例(1)〜(5)の化合物を得た。また、比較例として1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(HAT(CN)6)を準備した。
実施例(1)〜(5)の化合物及び比較例の化合物を電荷発生材料として用いて、上述した有機エレクトロルミネッセンス素子を形成した。図2は、実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子200を示す模式図である。本実施例においては、130nmの膜厚のITOで陽極101を形成し、70nmの膜厚のNPDで第1の正孔輸送層103を形成し、50nmの膜厚のAlq3で第1の発光層及び電子輸送層205を形成し、0.5nmの膜厚のLiFと100nmの膜厚のAlで第1の電子注入層208を形成し、実施例及び比較例の電荷発生材料を用いて10nmの膜厚の電荷発生層120を形成した。続いて、70nmの膜厚のNPDで第2の正孔輸送層113を形成し、50nmの膜厚のAlq3で第2の発光層及び電子輸送層215を形成し、0.5nmの膜厚のLiFで第2の電子注入層218を形成し、100nmの膜厚のAlで陰極219を形成した。
作製した有機エレクトロルミネッセンス素子について、電流密度が10mA/cm2時の電圧と電力効率を評価した。評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例(1)〜(5)の化合物は、比較例の化合物に比して、同等以上の特性を有し、低電圧で駆動可能であり、電力効率、電流効率ともに高いことが明らかとなった。これは、本実施例に係る電荷発生材料が、熱力学的に高い安定性を有し、アクセプタ性材料であるカルボランに、電子求引基を有する芳香族置換基を導入したためであると推察される。
100 有機EL素子、101 陽極、103 第1の正孔輸送層、105 第1の発光層、107 第1の電子輸送層、113 第2の正孔輸送層、115 第2の発光層、117 第2の電子輸送層、119 陰極、120 電荷発生層、200 有機EL素子、205 第1の発光層及び電子輸送層、208 第1の電子注入層、215 第2の発光層及び電子輸送層、218 第2の電子注入層、219 第2の陰極
Claims (11)
- 下記一般式[1]で表される1,2−closo−カルボラン化合物を含むことを特徴とする電荷発生材料。
[式中、Ar1は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。] - 前記Ar1は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の電荷発生材料。
- 前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であることを特徴とする請求項2に記載の電荷発生材料。
- 前記電子求引基は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電荷発生材料。
- 前記電荷発生材料のLUMO準位が3.40eV以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の電荷発生材料。
- 下記一般式[2]で表される1,2−closo−カルボラン化合物を含むことを特徴とする電荷発生材料。
[式中、Ar1及びAr2は置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基又はヘテロアリール基である。] - 前記Ar1及び/又は前記Ar2は水素原子、重水素原子又は電子求引基で置換されたアリール基又はヘテロアリール基であることを特徴とする請求項6に記載の電荷発生材料。
- 前記電子求引基は、ハメット則において置換基定数σが0.07よりも大きな電子求引基であることを特徴とする請求項7に記載の電荷発生材料。
- 前記電子求引基は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたメチル基又はシアノ基から選択されることを特徴とする請求項7又は8に記載の電荷発生材料。
- 前記電荷発生材料のLUMO準位が3.40eV以下であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか一に記載の電荷発生材料。
- 請求項1乃至10の何れか一に記載の電荷発生材料を電荷発生層に含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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