JP2015103395A - 回転陽極型x線管装置 - Google Patents

回転陽極型x線管装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転陽極の溶融に起因する故障を防止し、回転陽極の回転速度が一定以下となった場合であってもX線曝射を続行することができる回転陽極型X線管装置を提供する。
【解決手段】回転速度検出部17は回転陽極23の回転速度を随時検出する。出力限界値算出部37は、回転速度検出部17によって検出された回転陽極23の回転速度に応じて適切な出力限界値を随時算出する。電力制御部39は、算出された出力限界値に基づいて、X線照射制御部35から陰極21と回転陽極23との間へ印加される電圧を随時適切な値に制御する。このような構成を有することにより、回転陽極23の回転速度が低下した場合であっても、回転陽極23の溶融を回避しつつ、X線曝射を続行させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

この発明は、医療分野、工業分野または原子力分野などに用いられる回転陽極型X線管装置に関する。
一般にレントゲン撮影やCT撮影など、医療分野等で行われるX線撮影において、回転陽極型X線管装置が設けられたX線撮影装置が使用されている(例えば、特許文献1−3参照)。回転陽極型X線管装置を構成するX線管は、熱電子を放出する陰極と、規定の回転速度で回転するように制御された回転陽極を備えている。
陰極から放出された熱電子は管電圧によって加速され、回転駆動される回転陽極に衝突する。回転陽極に熱電子が衝突することにより、熱とともにX線が発生する。回転陽極の回転速度は、陽極回転機構のステータコイルに規定の電圧を印加することによって制御されている。回転陽極型X線管装置では回転駆動する陽極に熱電子を入射させるので、熱が発生する陽極の部位は常に移動することとなる。そのため熱電子が衝突する陽極の実面積が増大する。従って、回転陽極型X線管装置では、陽極に蓄積できる熱の許容量が固定陽極型X線管装置より大きくなるので、より大きな出力で熱電子を陽極に入射させることができる。
特開昭61−153932号公報 特開2000−106115号公報 特開平11−204073号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の回転陽極型X線管装置において、陽極回転機構の劣化や不具合等、様々な要因によって、回転陽極の回転が停止、または回転陽極の回転速度が低下する場合がある。この場合、熱電子と回転陽極の衝突によって発生する熱が回転陽極の許容量を超え、回転陽極が溶融することがある。回転陽極の溶融により回転陽極型X線管装置において放電が発生するので、回転陽極型X線管装置が故障し、X線撮影装置は使用不可能となる。
回転陽極の溶融による故障を防止するため、従来の回転陽極型X線管装置において、回転陽極の回転数が一定以下になると熱電子の放出を停止させる構成を備えるものがある。しかし、このような構成を有する場合、回転陽極の回転速度が一定以下となるとX線の発生が停止するので、X線撮影装置を用いる際に以下のような問題が懸念される。
例えばカテーテル術式等による医療行為の最中に回転陽極型X線管装置からのX線の発生が停止すると、カテーテル等が患者の体内にある状態で、X線曝射の続行が不可能となる事態に陥る。その結果、体内にあるカテーテル等を確認できなくなるので、医療行為の続行はおろか、患者の体内からカテーテルを除去する操作すら困難になる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、回転陽極の溶融に起因する故障を防止し、回転陽極の回転速度が一定以下となった場合であってもX線曝射を続行することができる回転陽極型X線管装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る回転陽極型X線管装置は、外囲器内に封入された真空雰囲気内において、熱電子を放出させる陰極と前記陰極から放出される熱電子によりX線を発生させる回転陽極とを対向配置させたX線管と、前記回転陽極を回転させる回転駆動部と、前記陰極と前記回転陽極との間に電圧を印加させて熱電子を放出させる電圧印加部と、前記回転陽極の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記回転速度検出部によって検出される前記回転陽極の回転速度に基づいて出力限界値を算出する出力限界値算出部と、前記陰極から放出される熱電子の出力を前記出力限界値算出部によって算出された出力限界値以下となるように制御する電力制御部とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る回転陽極型X線管装置によれば、回転速度検出部は回転陽極の回転速度を検出する。出力限界値算出部は、回転速度検出部によって検出された回転陽極の回転速度に応じて適切な出力限界値を算出する。電力制御部は、陰極から放出される熱電子の出力を、算出された出力限界値以下となるように制御する。このような構成を有することにより、回転陽極の回転速度が低下した場合であっても、回転陽極の溶融を回避しつつ、X線曝射を続行させることが可能となる。
また、上述した発明において、前記出力限界値算出部が算出する出力限界値が予め定められた正の値を下回らないように制御させる出力限界値制御部をさらに備えることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る回転陽極型X線管装置によれば、出力限界値制御部は出力限界値算出部が算出する出力限界値が予め定められた正の値を下回らないよう制御する。すなわち、回転陽極の回転速度が0になった場合であっても算出される出力限界値は0とならず、予め定められた正の値となる。回転陽極の回転速度が0になった場合、電圧印加部は、予め定められた正の値と算出された出力限界値に基づいて陰極と回転陽極との間に印加される管電圧を制御する。そのため陰極から低出力の熱電子が放出され、回転陽極において低出力のX線が発生する。
予め定められた正の値と算出された出力限界値に基づいて放出される熱電子の出力は、回転陽極の回転が停止しても、熱電子による回転陽極の溶融が発生しない程度に低く設定される。従って、このような構成を有することにより、回転陽極の回転が停止した場合であってもX線の曝射を続行し、かつ回転陽極の溶融を回避することが可能となる。
本発明に係る回転陽極型X線管装置によれば、回転速度検出部は回転陽極の回転速度を検出する。出力限界値算出部は、回転速度検出部によって検出された回転陽極の回転速度に応じて適切な出力限界値を算出する。電力制御部は、陰極から放出される熱電子の出力を、算出された出力限界値以下となるように制御する。さらに出力限界値制御部は、出力限界値算出部が算出する出力限界値が予め定められた正の値を下回らないよう制御する。このような構成を有することにより、回転陽極の回転速度が低下した場合、または回転が停止した場合であっても、適切な値の電圧を陰極と回転陽極との間に印加させ、回転陽極の溶融を回避しつつX線曝射を続行させることが可能となる。
実施例1に係る回転陽極型X線管装置の概略構成を示す縦断面図である。 実施例1に係る回転陽極型X線管装置を構成するX線管の概略構成を示す縦断面図である。 実施例1に係る回転陽極型X線管装置の機能ブロック図である。 実施例2に係る回転陽極型X線管装置の機能ブロック図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る回転陽極型X線管装置の概略構成を示す縦断面図であり、図2は実施例1に係る回転陽極型X線管を構成するX線管の概略構成を示す縦断面図である。
<全体構成の説明>
図1に示されるように、実施例1に係る回転陽極型X線管装置1は管容器3と、X線管5と、ステータ7と、ボルト9と、陽極保持部11と、陰極保持部13と、ケーブルレセプタクル15と、導線16と、回転速度検出部17を備えている。
管容器3の内部にはX線管5が収容されており、管容器3とX線管5の間には絶縁油が充填された状態となっている。ステータ7はX線管5の外周部に配置されている。ステータ7の配置されている具体的な位置は、図2に示すように、ロータ25の外周部に対応している。ステータ7は外部から加えられる電力によって磁界を発生させ、その磁界によって後述するロータ25を回転させる。ステータ7はボルト9によって管容器3に固定されている。なお、ステータ7は本発明における回転駆動部に相当する。
また、X線管5は陽極保持部11および陰極保持部13によって管容器3に固定されている。ケーブルレセプタクル15は管容器3の内部両端に設けられており、後述する陰極および回転陽極へ導線16を介して電力を供給する。回転速度検出部17は管容器3の外部に設けられており、後述する回転陽極の回転速度を検出する。本実施例において、回転速度検出部17は振動センサによって構成される。
続いて図2を用いてX線管5の構成を説明する。X線管5は外囲器19と、陰極21と、回転陽極23と、ロータ25と、ベアリング27とシリンダ29を備えている。外囲器19はその一例としてガラスによって構成されており、外囲器19の内部は真空になるよう構成されている。陰極21は、導線16に接続された集束電極21aとフィラメント21bによって構成されている。フィラメント21bはその一例としてタングステン材のコイル状の構成を有しており、熱電子を放出させる。
回転陽極23はロータ25に連結されており、陰極21と対向するように配置されている。ロータ25は2対のベアリング27を介してシリンダ29に支持されており、後述するステータ7が発生する磁界によって回転する構成を有している。すなわち、ロータ25の回転に連動して回転陽極23が回転するように構成されている。ベアリング27は一般的にボールベアリングが用いられる。
<動作の説明>
上述のように構成された回転陽極型X線管装置の動作について、図に基づいて説明する。図3は実施例に係る回転陽極型X線管装置の機能ブロック図である。
回転陽極型X線管装置1は主電源部31と、ステータ駆動制御部33と、X線照射制御部35を備えている。図3に示されるように、主電源部31はステータ駆動制御部33およびX線照射制御部35の各々の前段に設けられている。ステータ駆動制御部33はステータ7の前段に設けられている。
X線を発生させる場合、主電源部31を操作してオンの状態とする。オンの状態となった主電源部31は、ステータ駆動制御部33およびX線照射電源部35の各々に対して電力を供給する。ステータ駆動制御部33は主電源部31から供給される電力をステータ7に供給する。電力の供給によりステータ7において磁界が発生し、その磁界によってロータ25および回転陽極23は規定の回転速度で回転する。実施例1における規定の回転速度は一例として10000rpmであるが、規定の回転速度は条件に応じて適宜変更してもよい。
X線照射制御部35は、主電源部31から電力が供給されると、ケーブルレセプタクル15および導線16を介して陰極21と回転陽極23との間に管電圧を印加する。陰極21と回転陽極23との間に管電圧が印加されると、フィラメント21bから熱電子が放出される。放出された熱電子は集束電極21aによって集束され、高速で回転する回転陽極23のターゲット面に衝突する。熱電子と回転陽極23のターゲット面との衝突により、回転陽極23において熱およびX線が発生する。発生したX線は外囲器19を透過し、管容器3に設けられた図示しないX線放射窓から回転陽極型X線管装置1の外部へ放射される。なお、X線照射制御部35は本発明における電圧印加部に相当する。
X線管5は陽極保持部11および陰極保持部13によって管容器3に保持されている。回転速度検出部17を構成する振動センサは管容器3に接している。そのため回転陽極23の回転によってX線管5は振動し、X線管5の振動は管容器3を介して回転速度検出部17によって検出される。
回転速度検出部17の後段には出力限界値算出部37が設けられ、出力限界値算出部37の後段には電力制御部39が設けられている。回転速度検出部17によって随時算出される回転陽極23の回転速度は、出力限界値算出部37へ送信される。出力限界値算出部37は、回転陽極23の回転速度に応じて出力限界値、すなわち陰極21から回転陽極23へ放出される熱電子の出力の上限値を逐次算出する。出力限界値算出部37において算出された出力限界値は電力制御部39へと送信される。
電力制御部39は出力限界値に基づいて、X線照射制御部35から陰極21と回転陽極23との間へ印加される管電圧、および陰極21と回転陽極23の間を流れる管電流を随時制御する。このとき電力制御部39によって、陰極21から放出される熱電子の出力は、常に出力限界値以下となるように制御される。
<実施例1の構成による効果>
ここで実施例1に係る構成によって得られる効果について説明する。
一般的に、回転陽極型X線管装置において回転陽極は高速で回転するので、回転陽極のターゲット部位は速やかに回転移動する。そのため熱電子と回転陽極の衝突によって発生する熱は好適に分散される。従って回転陽極型X線管装置では、固定陽極型X線管装置に比べて高出力で熱電子を放出させ、X線を発生させることができる。
しかし従来の回転陽極型X線管装置では、ベアリングの劣化やその他回転制御機構の不具合などにより回転陽極の回転速度が低下した場合、回転陽極において発生する熱を分散させる機能が低下する。そのため、出力の高さを維持したまま陰極と回転陽極との間に管電圧を印加し続けると、発生する熱を分散できずに回転陽極が溶融し、回転陽極型X線管装置が破損する可能性が高くなる。
そこで実施例1に係る回転陽極型X線管装置1では、回転陽極23の回転速度に応じて適切な出力限界値を逐次算出し、算出された出力限界値に基づいて、X線照射制御部35から陰極21と回転陽極23との間へ印加される管電圧、および陰極21と回転陽極23の間を流れる管電流を随時適切な値に制御する。このような構成により、実施例1に係る回転陽極型X線管装置1において、回転陽極23の回転速度が低下した場合であっても、X線曝射を停止させることなく回転陽極23の溶融を回避できる。
出力限界値算出部37において、出力限界値は以下の(1)で示される計算式によって求められる。
Q=K×√(n×d)…(1)
計算式(1)において、Qは出力限界値、Kは定数、nは回転陽極23の回転速度、dは回転陽極型X線管装置1の焦点軌道直径である。すなわち、出力限界値は回転陽極23の回転速度の平方根、および焦点軌道直径の平方根に比例する。そして回転陽極型X線管装置1において焦点軌道直径は一定であるので、出力限界値は回転陽極23の回転速度の平方根に比例することとなる。
ここで、数値を用いて実施例1の構成による効果を具体的に説明する。一例として、X線撮影時における回転陽極23の規定の回転速度を10000rpm、規定の出力限界値を500Wとする。そしてX線撮影装置の使用中に回転陽極23の回転速度が10000rpmから400rpmに低下した場合を想定する。
この場合、400rpmに低下した回転陽極23の回転速度は回転速度検出部17によって検出され、出力限界値算出部37へ送信される。そして出力限界値算出部37は、低下した回転陽極23の回転速度に基づいて出力限界値を算出する。上述した通り、出力限界値は回転陽極23の回転速度の平方根に比例する。従って、回転陽極23の回転速度が400rpmの場合、算出される出力限界値は100Wである。
算出された出力限界値は電力制御部39へ送信される。電力制御部39は陰極21から放出される熱電子の出力が100W以下となるように、X線照射制御部35から陰極21と回転陽極23との間へ印加される管電圧、および陰極21と回転陽極23の間を流れる管電流を制御する。回転速度検出部17は随時回転陽極23の回転速度を検出しているので、回転陽極23の回転速度が変化すると、その都度出力限界値は適切な値に変更されることとなる。このような構成により、回転陽極23の回転速度が低下した場合であっても、電力制御部39はX線照射制御部35を速やかに制御し、陰極21から放出される熱電子の出力を適切な値に変更できる。その結果、実施例1に係る回転陽極型X線管装置1において、X線の曝射を続行しつつ、回転陽極23の溶融を回避することが可能となる。
次に、図を参照して本発明の実施例2に係る回転陽極型X線管装置について説明する。なお、実施例1に係る回転陽極型X線管装置1と同じ構成については同符号を付し、詳細な説明は省略する。図4は実施例2に係る回転陽極型X線管装置の機能ブロック図である。
実施例2に係る回転陽極型X線管装置1Aでは図4に示されるように、出力限界値算出部37の前段に回避機能起動部41が設けられている。一般的に回転陽極型X線管装置の使用方法として、大きく分けて2つ挙げられる。第1には、X線透過画像の写真を撮影するなどの目的で、短時間に高出力のX線を照射させる方法が挙げられる。そして第2には、X線透過画像の動画を断続的に表示させるなどの目的で、低出力のX線を長時間照射させる方法が挙げられる。実施例2において、回転陽極型X線管装置1Aを低出力のX線を長時間照射させる目的で使用する場合、回避機能起動部41をオンの状態とさせる。なお、回避機能起動部41は本発明における出力限界値制御部に相当する。
オンの状態となった回避機能起動部41は、出力限界値算出部37へ信号を送信させる。出力限界値算出部37は回避機能起動部41の信号に基づき、出力限界値が一定の低い正の値Lを下回らないように出力限界値を算出させる。すなわち、回転陽極23の回転速度が0になった場合であっても算出される出力限界値は0とならず、予め設定された最低値Lとなる。そして電力制御部39は最低値Lと算出された出力限界値に基づいて陰極21と回転陽極23との間へ印加される管電圧、および陰極21と回転陽極23の間を流れる管電流を制御する。そして制御された管電圧および管電流の値に基づいて、陰極21から低出力の熱電子が放出され、回転陽極23においてX線が発生する。
この場合、陰極21から放出される熱電子の出力が低いので、回転陽極23において発生する熱の量も低くなる。そのため、回転陽極23の回転が停止した状態であっても回転陽極23の溶融は発生しない。なお、出力限界値算出部37によって算出される出力限界値がL以上である場合、実施例2に係る動作は実施例1に係る動作と同様である。
<実施例2の構成による効果>
ここで実施例2に係る構成によって得られる効果について説明する。
実施例1に係る回転陽極型X線管装置1では上述の計算式(1)に忠実に従って出力限界値が算出されるので、回転陽極23の回転が停止すると、算出される出力限界値は0となる。電力制御部39は0となった出力限界値に基づいてX線照射制御部35から陰極21と回転陽極23との間へ印加される管電圧、および陰極21と回転陽極23の間を流れる管電流を制御する。そのため陰極21と回転陽極23との間の管電圧および管電流はいずれも0となり、陰極21から熱電子が放出されなくなる。従って、実施例1では回転陽極23の回転速度が低下しても回転陽極23が回転している限りX線曝射は続行できるものの、回転陽極23の回転が停止するとX線曝射は停止する。
一方、実施例2に係る回転陽極型X線管装置1Aでは、X線透過画像の動画を表示させる目的で使用する場合、回避機能起動部41を介して出力限界値算出部37を制御させる。その結果、算出される出力限界値は常に一定の低い値Lを下回ることがなくなる。出力限界値の最低値Lの値は、回転陽極23の回転速度が0であっても、熱電子による回転陽極23の溶融が発生しない程度に低い正の値として予め設定される。従って、実施例2に係る回転陽極型X線管装置1Aにおいて、回転陽極23の回転が停止した場合であってもX線の曝射を続行し、かつ回転陽極23の溶融を回避することが可能となる。
実施例2に係る回転陽極型X線管装置は、手術、特にカテーテル術式などを用いた手術に用いられるX線撮影装置において有用である。手術中にX線撮影装置を用いる主要な目的は、患者の体内に係るX線透過画像を随時表示させることにある。この場合、必要とされるX線の出力は低くてすむが、手術中は常にX線曝射を可能とすることが要求される。何故ならば、手術中にカテーテル等が患者の体内にある状態で、X線曝射の続行が不可能となる事態に陥ると、手術の続行はおろか、患者の体内からカテーテルを除去する操作すら困難になるからである。従って、従来例に係る回転陽極型X線管装置は、回転陽極の回転が停止するとX線曝射の続行が不可能となるので、手術用のX線撮影装置に対する適性が低い。
一方、実施例2に係る回転陽極型X線管装置では、回転陽極の回転が停止した場合であっても低出力のX線曝射を続行することができる。X線透過画像の動画を表示させる目的で回転陽極型X線管装置を使用する場合、低出力のX線曝射であっても目的を達成できる。そのため何らかのトラブルにより回転陽極の回転が停止しても患者の体内におけるカテーテルなどの位置を確認できるので、手術中における患者の安全を好適に確保することが可能となる。すなわち実施例2に係る回転陽極型X線管装置によって、X線透過画像を撮影する場合のみならず、手術中にX線透過画像を随時表示させる場合にも用いることのできるX線撮影装置の実現が可能となる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、回転速度検出部17は管容器3の外部に設けられているが、X線管5の振動を検出できるならば、管容器3の内部に設けてもよい。
(2)上述した各実施例では、回転速度検出部17は振動センサによって構成されたが、これに限られない。すなわち、ステータ7に流れる電流または電力などを検出する構成を回転速度検出部17として用いてもよい。
(3)上述した実施例2では、初期状態において回避機能起動部41はオフの状態であり、回避機能起動部41をオンの状態にすることによって出力限界値の最低値をLとする構成を用いたが、これに限られない。すなわち、回避機能起動部41を常にオンの状態として、出力限界値算出部37によって算出される出力限界値の最低値を常にLとする構成を用いてもよい。
(4)上述した各実施例では、上述した実施例では医療用の装置であったが、この発明は、工業用や原子力用の装置に適用することもできる。
1 …回転陽極型X線管装置
3 …管容器
5 …X線管
7 …ステータ(回転駆動部)
9 …ボルト
11 …陽極保持部
13 …陰極保持部
17 …回転速度検出部
19 …外囲器
21 …陰極
23 …回転陽極
35 …X線照射制御部(電圧印加部)
37 …出力限界値算出部
39 …電力制御部
41 …回避機能起動部(出力限界値制御部)

Claims (2)

  1. 外囲器内に封入された真空雰囲気内において、熱電子を放出させる陰極と前記陰極から放出される熱電子によりX線を発生させる回転陽極とを対向配置させたX線管と、
    前記回転陽極を回転させる回転駆動部と、
    前記陰極と前記回転陽極との間に電圧を印加させて熱電子を放出させる電圧印加部と、
    前記回転陽極の回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記回転速度検出部によって検出される前記回転陽極の回転速度に基づいて出力限界値を算出する出力限界値算出部と、
    前記陰極から放出される熱電子の出力を前記出力限界値算出部によって算出された出力限界値以下となるように制御する電力制御部とを備えることを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  2. 請求項1に記載の回転陽極型X線管装置において、
    前記出力限界値算出部が算出する出力限界値が予め定められた正の値を下回らないように制御させる出力限界値制御部をさらに備えることを特徴とする回転陽極型X線管装置。
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