JP2015102785A - 光偏向器及び光偏向器チップ - Google Patents

光偏向器及び光偏向器チップ Download PDF

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Abstract

【課題】光偏向器チップとパッケージとの間の所望の接着面積を確保しつつ、内側への接着剤のはみ出しによる光偏向器チップの可動部の変位妨害を防止する光偏向器を提供する。
【解決手段】光偏向器チップ1は、ミラー部2を含む可動部と、可動部を可動するように支持するとともに、裏側において開口する可動部の裏側空間35を内周側に形成する外側枠部4とを有する。パッケージ26は、裏側空間35に対峙する凹部41と、周辺の座部40とを有する。外側枠部4の裏面部は、座部40に対峙して接着される外周側裏面53と、凹部41の周壁43に対峙して接着される内側外周面55とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)技術を利用して製造される光偏向器及び光偏向器チップに関する。
MEMS技術を利用して製造される光偏向器チップは、表側に光反射面を含む可動部と、可動部を可動するように支持するとともに、可動部を変位させるために裏側において開口する変位空間を内周側に形成する支持部とを有している(例:特許文献1,2)。
該光偏向器チップは、パッケージに収納され、パッケージと共に光偏向器を構成する(例:特許文献3)。パッケージには、例えば、ミラー面や可動部に異物が付着したり挟まったりするのを防止する役目がある。
図9は、従来の光偏向器の構造を模式的に示している。図示した光偏向器125は、光偏向器チップ101と、光偏向器チップ101を収納空間127に収納するパッケージ126とを備える。
光偏向器チップ101は、ミラー部102と、ミラー部102の周囲を包囲する内側枠部103と、内側枠部103を包囲する外側枠部104と、ミラー部102と内側枠部103との間に介在してミラー部102を第1の回転軸線の回りに往復回動させる内側アクチュエータ部と、内側枠部103と外側枠部104との間に介在して内側枠部103を、第1の回転軸線に対して直交する第2の回転軸線の回りに往復回動させる外側アクチュエータ部とを備える。
パッケージ126は、底部139において、中心部の凹部141と,凹部141を取り囲む周辺部の座部140とを有している。凹部141は、底面142と,底面142の周縁から起立する周壁143とを有している。延長空間145は、凹部141の底面142と周壁143とで形成され、光偏向器チップ101の変位許容空間135の裏側開口に合わせられるとともに、変位許容空間135の裏側に連続する空間を形成する。
外側枠部104の裏面は、パッケージ本体128の座部140の面に合わせて平坦状である。外側枠部104の裏面は、その内周縁が座部140の内周縁に合わさるように、座部140に載置され、座部140との間に介在するダイアタッチ剤160により底部139に接着される。
特開2005−148459号公報 特開2008−40240号公報 特開2003−243550号公報
上記した従来の光偏向器125では、光偏向器チップ101をパッケージ本体128の底部139に固定する際、外側枠部104が載置される座部140の部位にダイアタッチ剤160が塗布される。その後、外側枠部104は、座部140に押圧されて、ダイアタッチ剤160により裏面を座部140に接着される。その際、ダイアタッチ剤160は、外側枠部104の外周の外側にはみ出して、はみ出した部分が外側枠部104の外周側に山裾状フィレット161を形成する。また、ダイアタッチ剤160は、外側枠部104の内周の内側にはみ出して、はみ出した部分が外側枠部104の内周側に玉状フィレット162を形成する。
第2の回転軸線から最も遠い内側枠部103の外周縁部位は、第2の回転軸線の回りの往復回動に伴い、外側枠部104の内周側をかすめつつ、光偏向器チップ101の表裏方向へ変位するので、大きい玉状フィレット162が形成されていると、玉状フィレット162に衝突して破損したり、第2の回転軸線回りの往復回動を阻害される虞がある。
この対策として、凹部141の径を増大して、外側枠部104が内周側において座部140から所定量突出する庇のような構造にし、玉状フィレット162を庇の下に形成して、玉状フィレット162の突出端が、外側枠部104の内周を越えて内側枠部103の変位範囲に突出しないようにすることが考えられる。しかしながら、この構造では、外側枠部104と座部140との接着面積が減少してしまい、接着力が低下するという問題がある。
本発明の目的は、光偏向器チップとパッケージとの間の所望の接着面積を確保しつつ、接着剤が内側にはみ出して光偏向器チップの可動部の変位を妨害する事態を防止することができる光偏向器及び光偏向器チップを提供することである。
本発明の光偏向器は、光偏向器チップと、該光偏向器チップを配置するパッケージとを備え、前記光偏向器チップは、表側に光反射面を含む可動部と、該可動部を変位自在に支持するとともに、前記可動部を変位させるために裏側において開口する変位空間を内周側に形成する支持部とを有し、前記パッケージは、前記変位空間の裏側に対峙する位置に形成された凹部と、前記光偏向器チップの前記支持部の裏面部が当たる位置に形成された座部とを有し、前記支持部の裏面部は、表裏方向に前記座部に対峙して接着される外周側裏部分と、表裏方向に対して直角方向に前記凹部の周壁に対峙して接着される内周側裏部分とを有することを特徴とする。
本発明によれば、光偏向器チップとパッケージは、光偏向器チップの裏面部の外周側裏部分とパッケージの座部との間、及び光偏向器チップの裏面部の内周側裏部分と凹部の周壁との間において接着されるので、所望の接着面積が確保される。
また、本発明によれば、光偏向器チップの裏面部の内周側裏部分が表裏方向に対して直角方向に凹部の周壁に対峙している。したがって、座部に塗布された接着剤は、光偏向器チップの裏面部の外周側裏部分からの押圧に伴い、内側の方へ押し出されると、向きを内側から凹部の周壁に沿う向きに転換する。この結果、接着剤が、表裏方向に対して直角方向の内側へ支持部を越えてはみ出すことが防止され、可動部の変位を妨害する事態を防止することができる。
本発明の光偏向器において、前記座部は、前記光偏向器チップが収納される収納空間の底部に接着されて起立する起立部の頂部に形成され、前記凹部は、前記起立部の内周側に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、光偏向器チップの支持部は、底部との間に起立部を介在させて固定される。この起立部の内周側に支持部の内周側裏部分を嵌合させる際、裏面部と底部の表裏方向寸法が減少すると光偏向器チップの可動部が底部に衝突し易くなる。これを回避するために底部に凹部を形成する場合、凹部の深さを深くすると底部の強度が低下してしまうが、起立部を介在させるように構成して該起立部の高さを増大することにより、上記の問題を解消することができる。
本発明の光偏向器において、前記光偏向器チップの前記可動部は、前記光反射面を表側に有するミラー部と、該ミラー部を包囲するとともに前記支持部としての外側枠部の内側に配設される内側枠部と、該内側枠部と前記ミラー部との間に介在して前記ミラー部を第1の回転軸線回りに往復回動させる内側アクチュエータ部と、前記第1の回転軸線に直交する第2の回転軸線の方向に前記内側枠部の両側でかつ前記外側枠部の内周側に配設され前記外側枠部と前記内側枠部との間に介在して前記内側枠部を前記第2の回転軸線の回りに、往復回動させる外側アクチュエータ部とを含むことが好ましい。
この構成によれば、光偏向器チップの小型化のために、第2の回転軸線から最も離れた内側枠部の部位は、外側枠部の内周に極めて接近した箇所を表裏方向に変位するとともに、最大変位の箇所になって、支持部の裏面近辺まで変位する。しかしながら、裏面部の内周側裏部分が、外周側裏部分より裏方向へ突出して、凹部の周壁の嵌合する構造により、接着剤のはみ出し部は、裏面部の内周側裏部分の裏側の位置になって、内周側裏部分から内側への接着剤のはみ出しが防止される。これにより、内側枠部の最大変位部位が最大変位時に接着剤にぶつかることを有効に防止することができる。
次に、本発明の光偏向器チップは、表側に光反射面を含む可動部と、前記可動部を可動するように支持するとともに、前記可動部を変位させるために裏側において開口する変位空間を内周側に形成する支持部とを備え、前記支持部の裏面部は、表裏方向に対して直角の平面となっている外周側裏部分と、前記外周側裏部分より裏方向へ突出した内周側裏部分とを有することを特徴とする。
本発明の光偏向器チップによれば、支持部の裏面部は、パッケージの座部と凹所の周壁とに接着可能な外周側裏部分と内周側裏部分とを有するので、パッケージとの所望の接着面積が確保される。
また、パッケージに接着される際の座部との間の接着剤は、内側に食み出すことなく凹部の周壁に沿って奥の方へ移動するので、接着剤の食み出し部が、可動部の変位を妨害する事態を防止することができる。
光偏向器チップの斜視図。 光偏向器の構造図。 外側枠部の断面図。 光偏向器チップの第1範囲の製造工程図。 光偏向器チップの第2範囲の製造工程図。 光偏向器チップの第3範囲の製造工程図。 パッケージに光偏向器チップを組み付ける製造工程図。 別のパッケージに光偏向器チップを組み付けるときの説明図。 従来の光偏向器の説明図。
図1を参照して、実施形態の光偏向器チップについて説明する。光偏向器チップ1は、後述のように、MEMS技術を利用して製造される。光偏向器チップ1は、中心に配置されるミラー部2、ミラー部2を外側から包囲する矩形の内側枠部3、及び内側枠部3を外側から包囲する矩形の外側枠部4を備えている。
説明の便宜上、光偏向器チップ1の縦方向及び横方向を、それぞれ外側枠部4の短辺に平行な方向及び長辺に平行な方向と定義する。図1では、左斜め下−右斜め上の方向が光偏向器チップ1の縦方向であり、左斜め上−右斜め下の方向が光偏向器チップ1の横方向となる。また、光偏向器チップ1が、光を入射及び反射する側を光偏向器チップ1の表側と定義し、表側とは反対側を光偏向器チップ1の裏側と定義する。
光偏向器チップ1は、ミラー部2の中心を通る縦方向の中心線に対して対称の構造になっている。1対のトーションバー5は、その軸線を縦方向に揃えて、ミラー部2に対して縦方向両側に配設され、ミラー部2に先端側を結合している。トーションバー5の基端側は内側枠部3の横辺の内周側の中心部に結合している。なお、トーションバー5の基端側は、内側枠部3の内周に結合することなく、内側枠部3の内周から分離していてもよい。
各トーションバー5に対して、横方向両側には内側アクチュエータ6が1つずつ配設されている。内側アクチュエータ6は、横方向へ直線の形状であり、基端側及び先端側においてそれぞれ内側枠部3の内周及びトーションバー5に結合している。トーションバー5への内側アクチュエータ6の結合位置は、ミラー部2の周縁から所定距離、離れた縦方向位置に設定されている。
内側アクチュエータ6は、圧電膜を利用したカンチレバー式の圧電アクチュエータとなっている。光偏向器チップ1が光スキャナ等に組み込まれた場合には、横方向両側の内側アクチュエータ6は、光スキャナの制御器(図示せず)からの印加電圧により駆動される。該印加電圧は、周波数がミラー部2及びトーションバー5を含む構造部分の共振周波数と同一周波数(以下、「第1周波数」という。)で、かつ横方向両側の内側アクチュエータ6において、相互に逆の位相とされる。
この結果、横方向両側の内側アクチュエータ6としてのカンチレバーは、相互に逆位相で撓み量を増減し、トーションバー5を第1の回転軸線回りに同一の回転方向に駆動する。第1の回転軸線は、トーションバー5の軸線に一致し、ミラー部2の中心を通るように設定されている。
制御器(図示せず)から内側アクチュエータ6へカンチレバーの印加電圧として供給される制御電圧は、第1周波数で増減するので、ミラー部2は、第1の回転軸線の回りに第1周波数で往復回動する。
1対の外側アクチュエータ7は、内側枠部3に対して横方向両側に配設される。各外側アクチュエータ7は、ミアンダパターンで直列に結合された複数(図示の例では4つ)のカンチレバー13を有し、基端側を外側枠部4の縦辺部の一端側(図1において下側)に結合し、先端側を内側枠部3の縦辺部の一端側に結合している。
各カンチレバー13は、1つのアクチュエータとして作動可能な構造を有している。したがって、外側アクチュエータ7の全体の作用は、4つのアクチュエータとしての4つのカンチレバー13の協働作用となる。
各外側アクチュエータ7において、カンチレバー13は、長手方向を光偏向器チップ1の縦方向に揃えて、並設され、横方向に隣り関係のカンチレバー13同士は、折返し部を介して端部において相互に連結されている。これにより、外側アクチュエータ7は、複数のカンチレバー13が直列に結合した構造になっている。
各外側アクチュエータ7の複数のカンチレバー13に対し、外側アクチュエータ7の基端側から先端側への配列順に番号1〜4を付けると、各カンチレバー13の後述の圧電体層80への光スキャナの制御器(図示せず)からの所定の印加電圧の供給により、カンチレバー13の撓み量は、奇数番のカンチレバー13同士、及び偶数番のカンチレバー13同士では、同一位相で増減する。また、奇数番のカンチレバー13の撓み量と偶数番のカンチレバー13の撓み量とは、相互に逆位相で増減する。これにより、ミラー部2に対して横方向両側の外側アクチュエータ7は、協働して、内側枠部3の縦方向の一端側を第2の回転軸線の回りに往復回動させる。第2の回転軸線は、光偏向器チップ1の横方向に平行な直線であり、ミラー部2の中心において第1の回転軸線と直交する。
電極パッド8,9は、外側枠部4の一方及び他方の縦辺部の表側の面にそれぞれ配備される。電極パッド8は、ミラー部2に対して電極パッド8側に配設された内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7内の電極端子に金属配線を介して接続され、電極パッド9は、ミラー部2に対して電極パッド9側に配設された内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7内の電極端子に金属配線を介して接続される。電極パッド8,9は、ボンディングパッドとして、光偏向器チップ1が収納されるパッケージ26の端子と、図示しないボンディングワイヤを介して接続される。
光偏向器チップ1の全体の作用を簡単に説明する。ミラー部2は、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7の作動により第1及び第2の回転軸線の回りにそれぞれ第1及び第2周波数で往復回動しつつ、図示していない光源(例:レーザ光源)からの一定方向の光を表側からミラー部2の表側のミラー面に入射される。ミラー部2は、該光を、ミラー面において第1及び第2の回転軸線の回りの回転角に応じた角度で反射して、表側に出射する。
光偏向器チップ1からの出射光は、横方向及び縦方向へ所定の走査角範囲でかつ所定の振動数で往復する走査光となる。なお、通常、第2周波数は、第1周波数より低い値となっている。また、第2周波数での外側アクチュエータ7による第2軸線回りのミラー部2の往復回動には、ミラー部2及びトーションバー5を含む構造部分の共振は利用されない。したがって、外側アクチュエータ7によるミラー部2の回転駆動力は、内側アクチュエータ6によるミラー部2の回転駆動力よりも大きくする必要がある。
光偏向器チップ1は、典型的には、その縦方向及び横方向をそれぞれ鉛直方向及び水平方向に揃えて、設置される。その場合、第1の回転軸線回りのミラー部2の回動により、ミラー部2からの反射光は水平方向へ往復変位する。また、第2の回転軸線回りのミラー部2の回動により、ミラー部2からの反射光は鉛直方向へ往復変位する。これにより、光偏向器チップ1からの反射光は、照射先を縦横に走査する光として出射される。
光偏向器チップ1は、その光源と共に、光スキャナに実装される。該光スキャナは、例えば、プロジェクタ、バーコードリーダ、レーザプリンタ、レーザヘッドアンプ、又はヘッドアップディスプレイ等に装備される。
図2は、光偏向器25の内部構造を示す断面図である。図2は、ミラー部2の中心を通り第2の回転軸線に対して直角な断面図となっている。
光偏向器25は、光偏向器チップ1と、光偏向器チップ1を収納するセラミック製のパッケージ26とを備えている。パッケージ26は、光偏向器チップ1を収納する収納空間27を内側に形成するパッケージ本体28と、パッケージ本体28の開口側を封鎖する蓋29とを備える。蓋29による封鎖後の収納空間27内は、例えば減圧状態又はほぼ真空状態にある。蓋29は、光を透過する透過窓32を中心部に有する。パッケージ26の外からミラー部2に向かう入射光及びミラー部2からパッケージ26の外へ向かう反射光としての出射光は、透過窓32を通過する。
光偏向器チップ1のミラー部2等の可動部は、図1で説明したように、外側アクチュエータ7の作用により第2の回転軸線回りに往復回動する。この結果、可動部の各部位は、表裏方向(図2の上下方向に相当)に往復変位する。ミラー部2の光反射面の中心は、表裏方向の可動部の変位中も表裏方向に同一位置に保持される。可動部は、光偏向器チップ1の作動停止中は、静止状態になり、表裏方向にミラー部2の中心にほぼ揃う位置(以下、「中立位置」という。)になる。
裏側空間35は、外側枠部4の内周面により形成され、可動部が表裏方向へ中立位置に対して裏側へ変位することを許容する。光偏向器チップ1の可動部において、第2の回転軸線から遠い部位ほど、表裏方向の変位範囲が増大する。また、外側アクチュエータ7において先端部に近い部位ほど、カンチレバー13の撓み量が蓄積され、表裏方向の変位範囲が増大する。この結果、内側枠部3の横辺部の外周縁は、外側枠部4の横辺部の内周側をかすめるように、光偏向器チップ1の表裏方向へ変位するとともに、光偏向器チップ1において表裏方向へ最大変位する部位になる。
パッケージ本体28の底部39は、周辺部の座部40と、中央部の凹部41とを有する。座部40は、光偏向器チップ1の表裏方向に対して直角の平面に形成されている。凹部41は、パッケージ本体28内の最奥部としての底面42と、底面42の周縁から表方向へ立ち上がる周壁43とを有する。
延長空間45は、凹部41の底面42及び周壁43により形成され、裏側空間35の裏側に連続する空間を形成する。光偏向器チップ1の表裏方向への内側枠部3の最大変位部は、最も裏側に変位したときには、外側枠部4の裏面を越えることがあるので、延長空間45は、その時の可動部と底面42との衝突を回避させる役割がある。
図3は、光偏向器チップ1の表裏方向に平行な平面で外側枠部4を切ったときの断面図である。外側枠部4は、表面50、外周面51及び内周面52をもつとともに、裏側に外周側裏面53、内周側裏面54及び内側外周面55をもつ。内周側裏面54は、表裏方向へ外周側裏面53より裏側へ突出している。このため、内側外周面55が外周側裏面53の内周縁と内周側裏面54の外周縁との間に形成されている。なお、内側外周面55に対し、外周面51は外側外周面を構成する。
図3において、d1は、光偏向器チップ1の縦方向及び横方向の外周側裏面53の寸法、d2は、表裏方向の外周側裏面53と内周側裏面54との距離、d3は、光偏向器チップ1の縦方向及び横方向の表面50の寸法を示す。寸法例は次のとおりである。
d1:200[μm]以上、好ましくは250[μm]。
d2:200[μm]以上。
d3:500[μm]。
上記のd1,d2の寸法(例)によれば、光偏向器チップ1を外側枠部4の外周側裏面53を座部40に押し当てたときに、外周側裏面53が座部40から凹部41内へ滑り込むのを防止できる。なお、図1の光偏向器チップ1における外側枠部4の矩形の内周縁の寸法は、例えば、縦が約4mm、横が約10mmである。
図2に戻って、ダイアタッチ剤60は、底部39への光偏向器チップ1の固定に先立って、座部40の凹部41側の周縁部に沿って塗布される。ダイアタッチ剤60の材料は、例えば、エポキシ樹脂若しくはシリコン樹脂などの樹脂、又はAuSn共晶ペーストである。光偏向器チップ1は、外側枠部4の内側外周面55が凹部41の周壁43の内側に嵌合し、外周側裏面53が座部40に突き当たるように、凹部41の底面42の方へ押し込まれる。
これにより、ダイアタッチ剤60は、外周側裏面53と座部40との間に挟まれて、光偏向器チップ1の表裏方向に対して直角方向であって凹部41側及びその反対方向、すなわち内側及び外側へ押し出される。山裾状フィレット61は、外側に座部40と外周側裏面53からはみ出して来たダイアタッチ剤60の部分により形成され、外周面51と座部40とに付着する。
外周側裏面53と座部40との間から内側へ押し出されたダイアタッチ剤60の部分は、内側外周面55に突き当たり、向きを内側から光偏向器チップ1の表裏方向裏側へ転換される。その後は、周壁43と内側外周面55の間を底面42の方へ移動し、内周側裏面54から露出して、内周側裏面54に対して底面42側に玉状フィレット62を形成する。
玉状フィレット62は、所定の大きさを有するが、内周面52より内側に突出することはない。また、外側枠部4は、外周側裏面53及び内側外周面55においてダイアタッチ剤60により接着されるので、十分な接着面積が確保される。
内側枠部3は、ミラー部2の中心を通る第2の回転軸線の回りに往復回動し、裏側への最大変位箇所の最大変位時では、表裏方向へ内周側裏面54の位置又はそれより裏側まで変位する。しかしながら、玉状フィレット62との衝突を免れるので、ダイアタッチ剤60による光偏向器チップ1の可動部の変位妨害は阻止される。
図4〜図7は、光偏向器25の製造工程を順番に示している。そのうち、図4〜図6は、光偏向器チップ1のみの製造工程である。図7は、完成した光偏向器チップ1をパッケージ26に組み込む製造工程である。これら図4〜図7は、製造工程の特徴を模式的に示したものであり、図1に図示した構造とは細部において相違している。
図4〜図6の各STEPでは、光偏向器チップ1のミラー部2、外側枠部4、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7が未完成であるので、符号2,4,6,7に代えて、符号A1〜A4を使用する。
A1は、光偏向器チップ1の製造工程におけるミラー部2の範囲としてのミラー部形成範囲を指す。A2は、光偏向器チップ1の製造工程における内側アクチュエータ6の範囲としての内側アクチュエータ形成範囲を指す。A3は、光偏向器チップ1の製造工程における外側アクチュエータ7の範囲としての外側アクチュエータ形成範囲を指す。A4は、光偏向器チップ1の製造工程における外側枠部4の範囲としての、外側枠部形成範囲を指す。
光偏向器25の製造工程を順番に説明する。STEP1では、SOI(Silicon on Insulator)基板70が用意される。SOI基板70は、上の層から順番に、単結晶シリコンの活性層71(「SOI層」ともいう)、酸化シリコンの中間酸化膜層72、及び単結晶シリコンのハンドリング層73から成り、3層の貼り合わせ基板となっている。各層の厚みは、例えば、活性層71の厚みは5〜100[μm]、中間酸化膜層72の厚みは0.5〜2[μm]、ハンドリング層73の厚みは100〜600[μm]である。
STEP2では、SOI基板70の表面(活性層71側)及び裏面(ハンドリング層73側)を熱酸化炉(拡散炉)によって酸化し、熱酸化シリコン膜74,75を形成する(熱酸化膜形成処理)。熱酸化シリコン膜74,75の厚みは、例えば0.1〜1[μm]とする。
STEP3では、SOI基板70の表面(活性層71側)に、下部電極層79、圧電体層80、上部電極層81を順次形成する。
まず、STEP3の下部電極層形成処理では、SOI基板70の活性層71側の熱酸化シリコン膜74上に、2層の金属薄膜からなる下部電極層79を形成する。下部電極層79の材料としては、1層目(下層)の金属薄膜にはチタンを用い、2層目(上層)の金属薄膜には白金を用いる。各金属薄膜は、例えば、スパッタ法、電子ビーム蒸着法等により成膜する。各金属薄膜の厚みは、例えば1層目のTiは30〜100[nm]、2層目のPtは100〜300[nm]程度とする。
次に、STEP3の圧電体層形成処理では、下部電極層79上に、1層の圧電膜からなる圧電体層80を形成する。圧電体層80の材料としては、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いる。また、圧電膜の厚みは、例えば1〜10[μm]程度とする。圧電膜は、例えば、反応性アーク放電を利用したイオンプレーティング法により成膜する。反応性アーク放電を利用したイオンプレーティング法については、具体的には、特開2001−234331号公報、特開2002−177765号公報、特開2003−81694号公報に記載された手法を用いる。
このアーク放電プラズマを利用した反応性イオンプレーティング法は、プラズマガンで真空容器内に発生させた高密度酸素プラズマ中で原料金属を加熱蒸発させ、真空容器内又は半導体基板上において各金属蒸気と酸素とが反応することにより、半導体基板上に圧電膜を形成するものである。この方法を用いることにより、比較的低い成膜温度においても高速に圧電膜を形成できる。特に、アーク放電反応性イオンプレーティング法による圧電膜を形成する際に、その下地として、例えば化学溶液堆積法(CSD(Chemical Solution Deposition)法)によりシード層を形成することで、より優れた圧電特性を有する圧電膜を形成することができる。
圧電膜は、例えばスパッタ法、ゾルゲル法等により成膜してもよい。ただし、反応性アーク放電を利用したイオンプレーティング法を用いることにより、良好な圧電特性(バルクの圧電体と同等の圧電特性)を有する厚みのある膜を成膜することができる。
次に、STEP3の上部電極層形成処理で、圧電体層80上に、1層の金属薄膜からなる上部電極層81を形成する。上部電極層81の材料としては、Pt又はAuを用いる。上部電極層81は、例えば、スパッタ法、電子ビーム蒸着法等により成膜する。上部電極層81の厚みは、例えば10〜200[nm]程度とする。
STEP4では、形状加工処理で、内側アクチュエータ形成範囲A2及び外側アクチュエータ形成範囲A3において上部電極層81、圧電体層80及び下部電極層79の形状を加工する。これにより、内側アクチュエータ形成範囲A2及び外側アクチュエータ形成範囲A3における上部電極層81、圧電体層80及び下部電極層79から、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7の素子としての上部電極、圧電体及び下部電極が形成される。
具体的には、まず、上部電極層81上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をパターニングする。次に、パターニングしたレジスト材料をマスクとして、上部電極層81及び圧電体層80に対して、RIE(Reactive Ion Etching)装置を用いて、ドライエッチングを行う。これにより、上部電極パッド(上部配線接続部)、上部電極、及び圧電体が形成される。また、この時、これらの上部電極パッドと、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7を構成する各圧電カンチレバーの上部電極とを接続するための上部電極配線(電極配線パターン)も形成される。
同様に、下部電極層79上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をパターニングする。次に、パターニングしたレジスト材料をマスクとして、下部電極層79に対して、RIE装置を用いて、ドライエッチングを行う。これにより、下部電極パッド(下部配線接続部)、及び下部電極が形成される。
STEP5では、熱酸化シリコン膜75を除去して、ハードマスクを形成する。詳細には、SOI基板70の表面全体を厚膜レジストで保護しておき、裏面のハンドリング層73側の熱酸化シリコン膜75を、バッファードフッ酸(BHF)で除去する。そして、SOI基板70の裏面側のハンドリング層73上の全面に、1層のAl薄膜84を形成する。Al薄膜84は、例えばスパッタ法、蒸着法を用いて成膜する。そして、Al薄膜84上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をパターニングする。次に、パターニングしたレジスト材料をマスクとして、Al薄膜84に対してウェットエッチングを行う。これにより、後述のSTEP7のICP(Inductively Coupled Plasma)−RIE装置によるドライエッチングに用いるハードマスク(ミラー部形成範囲A1及び外側枠部形成範囲A4の裏面側のAl薄膜84)が形成される。
STEP6では、活性層71の形状を加工する。まず、フォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をパターニングし、このパターニングしたレジスト材料をマスクとして、ICP−RIE装置を用いて、熱酸化シリコン膜74及び活性層71のシリコンの形状を加工する。ICP−RIE装置は、マイクロマシン技術で使用されるドライエッチング装置であり、シリコンを垂直に深く掘ることが可能な装置である。これにより、活性層71は、A2〜A4以外の箇所では除去される。
さらに、STEP6では、ミラー部形成範囲A1において、SOI基板70の中間酸化膜層72をICP−RIE装置を用いて除去する。そして、反射面形成処理で、ミラー部2のミラー面反射膜(ミラー部形成範囲A1の金属薄膜86)が形成される。まず、中間酸化膜層72を除去して露出したSOI基板70のハンドリング層73上に、1層の金属薄膜86を形成する。金属薄膜86の材料としては、例えばAu,Pt,Ag,Al等を用いる。また、金属薄膜86は、例えばスパッタ法、蒸着法を用いて成膜する。金属薄膜86の厚みは、例えば10〜500[nm]程度とする。
次に、金属薄膜86の形状を加工する。具体的には、まず、金属薄膜86上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をパターニングする。次に、パターニングしたレジスト材料をマスクとして、金属薄膜86に対して、RIE装置を用いてドライエッチングを行う。これにより、ミラー部形成範囲A1において、SOI基板70のハンドリング層73上に、ミラー面反射膜としての金属薄膜86が残る。
STEP7では、STEP5で形成したハードマスクを用いて、ICP−RIE装置を用いて、ハンドリング層73のシリコンをSOI基板70の裏面から加工する。これにより、圧電カンチレバーの支持体(内側アクチュエータ形成範囲A2及び外側アクチュエータ形成範囲A3におけるハンドリング層73)の裏側とアウターフレームの外側とを一旦200[μm]程度掘り下げて、第1段掘下げ部87を形成する。
STEP8では、フォトリソグラフィ技術を用いてレジスト材料をミラー部形成範囲A1及び外側枠部形成範囲A4の裏側をパターニングする。次にパターニングしたレジスト材料をマスクとして、さらに、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7の支持体(内側アクチュエータ形成範囲A2及び外側アクチュエータ形成範囲A3の活性層71)の裏側を掘り下げる。そして、内側アクチュエータ形成範囲A2及び外側アクチュエータ形成範囲A3において第1段掘下げ部87から第2段掘下げ部88を形成する。
STEP9では、SOI基板70の中間酸化膜層72をバッファードフッ酸(BHF)でウェットエッチングして除去する。これにより、ミラー部2、トーションバー5、内側アクチュエータ6、外側アクチュエータ7、内側枠部3の周囲を部分的にSOI基板70から切り離して空隙89を形成し、内側アクチュエータ6の駆動と、外側アクチュエータ7の駆動と、ミラー部2、内側枠部3及びトーションバー5の回転とを可能にする。
STEP10では、パッケージ本体28の座部40の内周部にダイアタッチ剤60を塗布してから、外側枠部4の裏側の第1段掘下げ部87がパッケージ本体28の凹部41の周壁43に嵌合するように、光偏向器チップ1が凹部41に押し込まれる。なお、外側枠部4の裏側の第1段掘下げ部87は、図3において、外周側裏面53及び内側外周面55により形成される空間部に相当する。
STEP11では、STEP10において、座部40上にあったダイアタッチ剤60は、外側及び内側に押し出されて、座部40及び周壁43にそれぞれ山裾状フィレット61及び玉状フィレット62を形成する。
図8は、金属CAN製のパッケージ90に光偏向器チップ1を取付ける工程の説明図である。パッケージ90の底部91(図2のパッケージ26のパッケージ本体28の底面42に相当)は、全面が光偏向器チップ1の表裏方向に対して直角な平坦面に形成される。
環状起立部材93は、平面の表面及び裏面を有し、裏側にダイアタッチ剤60を塗布されてから、底部91の所定部位(図2のパッケージ26のパッケージ本体28の底部39における座部40の凹部41側の周縁部に相当)に接着される。なお、環状起立部材93の表裏方向寸法は、内側外周面55の寸法長さd2(図3参照)より十分に長くなっている。
延長空間94は、環状起立部材93の内周側に形成され、パッケージ26の延長空間45(図2)と同一の役目をもち、光偏向器チップ1の裏側空間35にその裏側から合わせられる。
光偏向器チップ1は、環状起立部材93の表面側にダイアタッチ剤60を塗布してから、外側枠部4の裏側の第1段掘下げ部87が環状起立部材93の内周壁に嵌合するように、環状起立部材93の内周側に押し込まれる。図示は省略しているが、環状起立部材93の表面側のダイアタッチ剤60は、環状起立部材93への光偏向器チップ1の接着後、図7のSTEP11に図示したのと同様な山裾状フィレット61及び玉状フィレット62を環状起立部材93の頂面及び内周面に形成する。
環状起立部材93においても、環状起立部材93への光偏向器チップ1の取付けに伴い外側枠部4と環状起立部材93との間からはみ出したダイアタッチ剤60は、外側枠部4の内周壁を越えて、内側へ突出するのを防止される。この結果、玉状フィレット62(図7のSTEP11参照)による光偏向器チップ1の可動部の表裏方向変位の妨害が防止される。
本発明の効果を確認する対比実験を行ったので、その結果を説明する。対比実験では、光偏向器25(図2)と光偏向器125(図9)とを対比した。光偏向器25は光偏向器チップ1を装備し、光偏向器125は光偏向器チップ101を装備する。光偏向器チップ1と光偏向器チップ101との相違は、外側枠部4及び外側枠部104の断面輪郭である。すなわち、外側枠部4の断面輪郭は図3で示したものであるのに対し、外側枠部104の断面輪郭は図9で示す矩形である。外側枠部4及び外側枠部104の断面輪郭以外の構造は、光偏向器チップ1及び光偏向器チップ101において同一である。したがって、実験結果に使用した光偏向器25,125のうち、光偏向器25について、具体的な数値等を説明する。
第1の回転軸線の回りのミラー部2の往復回動の周波数としての共振周波数(ミラー部2とトーションバー5との質量体の共振周波数)は15[kHz]となるように設計した。このとき、SOI基板70の各層の厚みは、活性層71を50[μm]、中間酸化膜層72を2[μm]、ハンドリング層73を525[μm]とし、熱酸化シリコン膜74の厚みは500[nm]とした。また、下部電極層79(Ti/Pt)の厚みはTiを50[nm]、Ptを150[nm]とし、圧電体層80(PZT)の厚みは3[μm]とし、上部電極層81(Pt)の厚みは150[nm]とした。
この光偏向器25について、内側アクチュエータ6にピーク間電圧Vpp=25[V]、周波数15[kHz]の交流電圧を駆動信号として印加し、外側アクチュエータ7にピーク間電圧Vpp=25[V]、周波数60[Hz]の交流電圧を駆動信号として印加した。内側アクチュエータ6は水平軸走査用で共振駆動し、外側アクチュエータ7は垂直軸走査用で非共振駆動とした。このとき、水平軸で最大偏向角±8°、垂直軸で最大偏向角±6°が得られる。
光偏向器25では、表裏方向に対して直角方向の寸法(光偏向器チップ1の縦方向及び横方向の寸法)について、パッケージ26の延長空間45の寸法は、光偏向器チップ1の裏側空間35の寸法に対してd3−d1(d1,d3は図3参照)の2倍だけ広げた。また、凹部41の深さは、光偏向器チップ1の可動部が接触しない十分な深さとした。
パッケージ26の座部40にダイアタッチ剤60としてシリコン系ダイアタッチ剤を塗布し、光偏向器チップ1の外側枠部4を載置して、熱硬化することにより接着した。
光偏向器チップ1の電極パッド8,9とあらかじめセラミック製のパッケージ26に配置した電極とをAuワイヤーによりワイヤーボンディングし、電気的に接続した。
対比実験では、ダイアタッチ剤60のはみ出しの状態及び光偏向器の動作への影響を確認した。対比実験において、光偏向器125では、光偏向器チップ101の外側枠部104の内側に一様にダイアタッチ剤60のはみ出しが生じてしまった。この場合において、光偏向器125を動作させたところ、図9で説明したように、玉状フィレット162が内側枠部103に接触してしまい、光偏向器125の正常な動作を得ることができなかった。具体的には、上記の特性が得られず、第2の回転軸線の回りの偏向角が大きく低下した。
一方、光偏向器25では、光偏向器チップ1の外側枠部4より内側へのダイアタッチ剤60のはみ出しは、図2で説明したように、生じなかった。塗布するダイアタッチ剤60の量をある程度増加しても同様にはみ出しは生じず、結果として光偏向器25を動作しても異常動作の発生は無いことを確認できた。
本発明の実施形態を説明した。光偏向器チップ1は、本発明の光偏向器チップの一例である。ミラー部2、内側枠部3、内側アクチュエータ6及び外側アクチュエータ7は、本発明の可動部の例である。外側枠部4は、可動部を可動するように支持する、本発明の支持部の一例である。
内側アクチュエータ6は、内側枠部とミラー部との間に介在してミラー部を第1の回転軸線回りに往復回動させる、本発明の内側アクチュエータ部の一例である。外側アクチュエータ7は、外側枠部と内側枠部との間に介在して内側枠部を第2の回転軸線の回りに、往復回動させる、本発明の外側アクチュエータ部の一例である。裏側空間35は、可動部を変位させるために光偏向器チップにおいて裏側において開口する、本発明の変位空間の一例である。凹部41は、変位空間の裏側に対峙する位置に形成された、本発明の凹部の一例である。
外周側裏面53、内周側裏面54及び内側外周面55は、支持部の、本発明の裏面部の例である。外周側裏面53は、本発明の外周側裏部分の一例である。内周側裏面54及び内側外周面55は、本発明の内周側裏部分の一例である。内側外周面55は、表裏方向に対して直角方向に凹部の周壁に対峙して接着される、本発明の内周側裏部分の一例である。内側外周面55は、また、外周側裏部分より裏方向へ突出した、本発明の内周側裏部分の一例である。ダイアタッチ剤60は、本発明の接着剤の一例である。
環状起立部材93は、本発明において収納空間の底部に接着されて起立する起立部の一例である。光偏向器チップ1の外周側裏面53が当てられる側の環状起立部材93の端面は、起立部の頂部の一例である。
実施形態の光偏向器チップ1は、二次元走査型の光偏向器チップとなっているが、本発明は、内側アクチュエータ6を省略して、外側アクチュエータ7のみの一次元走査型の光偏向器チップにも適用可能である。一次元走査型の光偏向器チップの構造例では、光偏向器チップ1の内側枠部3が、矩形平面の1つのミラー部を構成する。
1・・・光偏向器チップ、2・・・ミラー部(可動部)、3・・・内側枠部(可動部)、4・・・外側枠部(支持部)、6・・・内側アクチュエータ(可動部及び内側アクチュエータ部)、7・・・外側アクチュエータ(可動部及び外側アクチュエータ部)、25・・・光偏向器、26・・・パッケージ、27・・・収納空間、35・・・裏側空間(変位空間)、39,91・・・底部、40・・・座部、41・・・凹部、42・・・底面、43・・・周壁、53・・・外周側裏面(外周側裏部分)、54・・・内周側裏面(内周側裏部分)、55・・・内側外周面(内周側裏部分)、60・・・ダイアタッチ剤(接着剤)、93・・・環状起立部材(起立部)。

Claims (4)

  1. 光偏向器チップと、該光偏向器チップを配置するパッケージとを備え、
    前記光偏向器チップは、表側に光反射面を含む可動部と、前記可動部を可動するように支持するとともに、前記可動部を変位させるために裏側において開口する変位空間を内周側に形成する支持部とを有し、
    前記パッケージは、前記変位空間の裏側に対峙する位置に形成された凹部と、前記光偏向器チップの前記支持部の裏面部が当たる位置に形成された座部とを有し、
    前記支持部の裏面部は、表裏方向に前記座部に対峙して接着される外周側裏部分と、表裏方向に対して直角方向に前記凹部の周壁に対峙して接着される内周側裏部分とを有することを特徴とする光偏向器。
  2. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記座部は、前記光偏向器チップが収納される収納空間の底部に接着されて起立する起立部の頂部に形成され、
    前記凹部は、前記起立部の内周側に形成されていることを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項1又は2に記載の光偏向器において、
    前記光偏向器チップの前記可動部は
    前記光反射面を表側に有するミラー部と、
    該ミラー部を包囲するとともに前記支持部としての外側枠部の内側に配設される内側枠部と、
    該内側枠部と前記ミラー部との間に介在して前記ミラー部を第1の回転軸線回りに往復回動させる内側アクチュエータ部と、
    前記第1の回転軸線に直交する第2の回転軸線の方向に前記内側枠部の両側でかつ前記外側枠部の内周側に配設され前記外側枠部と前記内側枠部との間に介在して前記内側枠部を前記第2の回転軸線の回りに、往復回動させる外側アクチュエータ部とを含むことを特徴とする光偏向器。
  4. 表側に光反射面を含む可動部と、前記可動部を可動するように支持するとともに、前記可動部を変位させるために裏側において開口する変位空間を内周側に形成する支持部とを備え、
    前記支持部の裏面部は、表裏方向に対して直角の平面となっている外周側裏部分と、前記外周側裏部分より裏方向へ突出した内周側裏部分とを有することを特徴とする光偏向器チップ。
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