JP2015102508A - 電極温度測定方法及び電極温度測定装置 - Google Patents

電極温度測定方法及び電極温度測定装置 Download PDF

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【課題】電極の温度測定の精度を向上させることができる電極温度測定方法及び電極温度測定装置を提供すること。【解決手段】本発明にかかる電極温度測定方法は、二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、放射温度計を用いて前記電極の温度を測定する電極温度測定方法である。水蒸気を含む雰囲気において、放射温度計101を用いて、電極800の温度を測定する。水蒸気を含む雰囲気において、黒体板103から放射される赤外線の放射強度に基づき、黒体板103の非接触温度を測定する。熱電対104を用いて、黒体板103の接触温度を測定する。黒体板の非接触温度と接触温度と、を用いて、補正値を算出する。補正値を用いて、放射温度計101を用いて測定した電極800の温度を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は電極温度測定方法及び電極温度測定装置に関する。
二次電池の製造工程には、電解質膜の表面に電極触媒を塗布した電極を乾燥させる工程がある。電極乾燥工程においては、乾燥炉内で電極を乾燥させる際に、電極の温度を測定する必要がある。このとき、乾燥炉内を搬送される電極に温度計を直接接触させて温度を計測すると、電極にキズがついてしまう恐れがあり、二次電池の性能低下につながってしまう。そのため、一般的に、電極の温度を測定する際には、非接触で電極温度を計測する方法が用いられている。非接触の温度計は、電極から表面温度に応じて放射される赤外線の強度を測定することにより、表面温度を算出する。
特許文献1には、非接触式表面温度計に関する発明が開示されている。特許文献1では、測温対象物を測温する際に、測温対象物と同じ雰囲気内において、接触式表面温度計と非接触式表面温度計とを用いて測温材料と同じ材料を測温する。両者の測温結果を比較して、非接触式表面温度計の補正値を求める。そして、補正値を用いて非接触式表面温度計により測温された値を補正する。
特開平11−14460号公報
しかしながら、電極乾燥工程においては、電極に塗工された溶媒に含まれる水分が蒸発し、電極の表面から水蒸気が発生する。このとき、電極から放射された赤外線は、水蒸気の影響を受けて散乱し、強度が減衰する。そのため、水蒸気を経て、非接触温度計に到達した赤外線の強度は、電極表面から放射された直後の赤外線の強度に比べて弱くなる。その結果、電極表面の実際の温度と、赤外線の強度に基づいて非接触温度計が算出した温度と、の間には誤差が生じてしまう。したがって、表面温度の測定精度が低下してしまうという問題があった。
なお、特許文献1に開示された非接触式表面温度計は、水蒸気の影響により赤外線の強度が減衰することについては、何ら対策が図られていない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電極の温度測定の精度を向上させることができる電極温度測定方法及び電極温度測定装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様にかかる電極温度測定方法は、二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、第1の放射温度計を用いて前記電極の温度を測定する電極温度測定方法であって、前記水蒸気を含む雰囲気において、前記第1の放射温度計を用いて、前記電極の温度を測定するステップと、前記水蒸気を含む雰囲気において、第1の測温体から放射される赤外線の放射強度に基づき、前記第1の測温体の非接触温度を測定するステップと、前記第1の測温体に接触して設けられた第1の接触温度計を用いて、前記第1の測温体の接触温度を測定するステップと、前記第1の測温体の非接触温度と、前記第1の測温体の接触温度と、を用いて、前記第1の放射温度計による温度測定に対する水蒸気の影響を除去するための第1の補正値を算出するステップと、前記第1の補正値を用いて、前記放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正するステップと、を備えるものである。このような構成により、電極の温度測定時と同じ水蒸気を含む雰囲気において、第1の放射温度計が受光する赤外線に対して水蒸気が与える影響を除外することができる。したがって、電極の実際の表面温度を測定することができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
本発明の一態様にかかる電極温度測定方法は、二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定し、前記電極の温度を求める電極温度測定方法であって、前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、光電変換素子に可視光を放射して、前記可視光の第1の放射強度を測定するステップと、前記水蒸気のない第2の雰囲気において、前記光電変換素子に前記可視光を放射して、前記可視光の第2の放射強度を測定するステップと、前記第1の雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定するステップと、前記第1の放射強度と前記第2の放射強度とを用いて、前記赤外線の放射強度の測定に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出し、前記補正値を用いて、測定した前記赤外線の放射強度を補正するステップと、補正後の前記赤外線の放射強度に基づいて、前記電極の温度を算出するステップと、を備えるものである。このような構成により、放射温度計よりも低コストの一般的光学機器の測定結果を用いて、赤外線に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出する。このため、補正処理を行うために、放射温度計は必要ない。その結果、温度測定装置の製造コストを低減することができる。
本発明の一態様にかかる電極温度測定装置は、二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、放射温度計を用いて前記電極の温度を測定する電極温度測定装置であって、前記水蒸気を含む雰囲気において、前記電極の温度を測定する放射温度計と、第1の測温体と、前記水蒸気を含む雰囲気において、前記第1の測温体から放射される赤外線の放射強度に基づき、前記第1の測温体の非接触温度を測定する非接触温度測定器と、 前記第1の測温体に接触して設けられ、前記第1の測温体の接触温度を測定する接触温度測定器と、前記放射温度計による温度測定に対する水蒸気の影響を除去するための第1の補正値を算出する補正値算出手段と、前記第1の補正値を用いて、前記放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正する補正手段と、を備えるものである。このような構成により、電極の温度測定時と同じ水蒸気を含む雰囲気において、第1の放射温度計が受光する赤外線に対して水蒸気が与える影響を除外することができる。したがって、電極の実際の表面温度を測定することができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
本発明の一態様にかかる電極温度測定装置は、二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定し、前記電極の温度を求める電極温度測定装置であって、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定する赤外線センサと、可視光を放射する光源と、前記光源から放射された前記可視光の放射強度を測定する光電変換素子と、前記光電変換素子の測定結果を用いて、前記赤外線の放射強度の測定に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出する補正値算出手段と、前記赤外線センサが測定した前記赤外線の放射強度を、前記補正値を用いて補正し、補正後の放射強度に基づいて、前記電極の温度を算出する温度算出手段と、を備え、前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、前記赤外線センサは、前記赤外線の放射強度を測定し、前記光電変換素子は、前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、前記光源から放射される前記可視光の第1の放射強度を測定し、前記水蒸気を含まない第2の雰囲気において、前記光源から放射される前記可視光の第2の放射強度を測定し、前記補正値算出手段は、前記第1の放射強度と前記第2の放射強度とを用いて、前記補正値を算出するものである。このような構成により、放射温度計よりも低コストの一般的光学機器の測定結果を用いて、赤外線に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出する。このため、補正処理を行うために、放射温度計は必要ない。その結果、温度測定装置の製造コストを低減することができる。
本発明により、電極の温度測定の精度を向上させることができる電極温度測定方法及び電極温度測定装置を提供することができる。
実施の形態1にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態1にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態1にかかる温度測定方法の補正結果を示すグラフである。 実施の形態2にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態2にかかる温度測定装置の平面図である。 実施の形態2にかかる温度測定装置の平面図である。 実施の形態2にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態3にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態3にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態3にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態3にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態4にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態4にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態5にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態5にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態6にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態6にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態6にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態6にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態6にかかる補正用の関数を示すグラフである。 実施の形態7にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態7にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 実施の形態8にかかる温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態8にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。 プランクの分光放射特性を示すグラフである。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。なお、本発明は、非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)の製造方法の乾燥工程に関する発明である。乾燥工程とは、電解質膜に電極触媒を塗工した後の工程である。乾燥工程においては、電解質膜に電極触媒が塗工された電極(以下、単に電極と称す)を乾燥炉内へ搬送し、電極触媒に含まれた水分を蒸発させる。このように、本発明は、二次電池の電極の乾燥工程に特徴を有するため、乾燥工程より前の製造工程の説明は省略する。
<温度測定装置1の構成>
まず、本実施の形態にかかる温度測定装置1の構成について説明する。図1に温度測定装置1の構成を示す。温度測定装置1は、乾燥炉内に搬送される電極の温度を測定する装置である。温度測定装置1は、放射温度計101と、補正用放射温度計102と、黒体板103と、熱電対104と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、を備える。なお、乾燥炉900は、ローラ901、902を備える。乾燥炉900は、ローラ901、902を回転させることにより、ローラ901、902上に載置された電極800を搬送する。なお、上記の通り、電極800の表面には電極触媒が塗工されている。
放射温度計101(第1の放射温度計)は、測温対象物から放射される赤外線を測定し、非接触で測定対象物の表面温度を測定するセンサである。すなわち、放射温度計101は、赤外線の放射強度を測定する赤外線センサ及び放射強度に基づき測温対象物の温度を測定する温度測定手段の役割を果たす。図1に示すように、本実施の形態においては、放射温度計101は、測定対象物である電極800の表面温度に伴って放射される赤外線903(矢印)を受光し、赤外線903の放射強度に基づいて電極800の表面温度を測定する。赤外線の放射強度とは、放射された赤外線の単位時間あたりの放射エネルギー量を示す値である。放射温度計101は、搬送される電極800の上方に設けられており、電極800の表面を向くように配置されている。つまり、放射温度計101の測定方向は、電極800に略垂直な方向である。このため、放射温度計101は、電極800の表面に対して略垂直方向に放射される赤外線903を受光する。
補正用放射温度計102(第2の放射温度計)は、放射温度計101と同様の温度計であり、測温対象物から放射される赤外線を測定し、非接触で測定対象物の表面温度(非接触温度)を測定するセンサである。図1に示すように、本実施の形態においては、補正用放射温度計102は、測定対象物である黒体板103の表面温度に伴って放射される赤外線904を受光し、赤外線の強度に基づいて黒体板103の表面温度を測定する。補正用放射温度計102は、例えば、乾燥炉900の側壁に固定されている。つまり、補正用放射温度計102の測定方向は、電極800の表面に対して略水平方向である。このため、補正用放射温度計102は、電極800の表面に対して略水平方向に放射される赤外線904を受光する。補正用放射温度計102は、電極800の幅方向(搬送方向と直交する方向)において、黒体板103と対向するように配置されている。つまり、黒体板103は、電極800の幅方向において、電極800の一端側に配置される。また、補正用放射温度計102は、電極800の他端側に配置される。このため、平面視において、補正用放射温度計102及び黒体板103は、電極800を挟むように配置されている。また、補正用放射温度計102及び黒体板103は、電極800よりも上方(放射温度計101側)に配置されている。
黒体板103(第1の測温体)は、平板状の黒体である。黒体とは、紫外線、可視光、及び赤外線等の電磁波を吸収する物質であり、黒体板103の表面温度に応じた赤外線等の電磁波を放射する。黒体板103は、例えば、乾燥炉900の側壁(補正用放射温度計102が設けられた側壁に対向する側壁)に固定されている。黒体板103は、乾燥炉内900に設けられているため、黒体板103の表面温度は乾燥炉900の炉内温度と略同一となる。なお、温度に応じた赤外線が測温体から放射されればよいため、黒体板103の代わりに、測温体として電極800(触媒電極)と同等の物質を使用してもよい。また、測温体における赤外線の反射の影響を補正できる場合には、乾燥炉900の内壁を測温体として使用することもできる。
このとき、図1に示すように、補正用放射温度計102と黒体板103との間には、電極800が存在する。そして、乾燥炉900内において、電極800の乾燥が行われているため、電極800の溶媒に含まれる水分が蒸発する。そのため、電極800の表面からは水蒸気905が発生する。電極800から放射される赤外線903や、黒体板103から放射される赤外線904は、水蒸気905にぶつかり散乱する。つまり、水蒸気905の影響で散乱光906が発生し、電極800の表面から放射された赤外線903は、水蒸気905中を減衰しながら進み、放射温度計101に到達する。このため、放射温度計101が取得する赤外線903の強度は、電極800表面近傍の(放射直後の)赤外線903の強度よりも弱くなっている。同様に、黒体板103の表面から放射された赤外線904は、水蒸気905の中を減衰しながら進み、補正用放射温度計102に到達する。このため、補正用放射温度計102が取得する赤外線904の強度は、黒体板103表面近傍の(放射直後の)赤外線904の強度よりも弱くなっている。
なお、通常、電極800の表面近傍が最も水蒸気量が多くなっている。そのため、水蒸気905による赤外線の減衰量を十分に把握するためには、補正用放射温度計102を配置する高さを、できる限り電極800の表面に近づけることが好ましい。ただし、あまり近づけすぎると、補正用放射温度計102の測定領域(受光領域)に電極800の表面部分が入り込んでしまう(ケラレが生じてしまう)。そのため、補正用放射温度計102が、黒体板103から放射される赤外線904だけでなく、電極800の表面から放射される赤外線903も受光してしまい、測定精度が低下するおそれがある。そのため、補正用放射温度計102の測定領域に電極800が入り込まない範囲で、補正用放射温度計102を配置する高さを電極800の表面に接近させることが好ましい。
熱電対104(第1の接触温度計)は、接触式の温度センサである。熱電対104は、黒体板103の表面に接触して設けられている。これにより、熱電対104は、接触している黒体板103の表面の温度(接触温度)を測定する。
温度データ収集部105は、各種温度計に接続されており、温度計の測定結果を収集する。本実施の形態ににおいては、温度データ収集部105は、放射温度計101、補正用放射温度計102、及び熱電対104に接続されている。温度データ収集部105は、放射温度計101により測定された温度、補正用放射温度計102により測定された温度、及び熱電対104により測定された温度を取得する。
温度データ演算部106(補正値算出手段、補正手段、温度算出手段)は、温度データ収集部105が収集した測定結果を用いて温度補正値を算出し、温度補正値を用いて、放射温度計101の測定温度を補正する。本実施の形態においては、温度データ演算部106は、補正用放射温度計102の測定温度及び熱電対104の測定温度を用いて、温度補正値を算出する。そして、温度データ演算部106は、放射温度計101の測定温度を温度補正値を用いて補正する。なお、補正方法の詳細については、後述する。また、温度データ収集部105及び温度データ演算部106は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有し、予め設定された制御プログラムに応じて、各種処理を実行する。
<温度測定装置1の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置1の動作について、図2のフローチャートを参照して詳細に説明する。図2は、本実施の形態にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。
はじめに、電極800から蒸発した水蒸気905を含む雰囲気において、補正用放射温度計102が、黒体板103の表面から放射される赤外線の放射強度(補正用赤外線放射強度Ics)を取得する(ステップS101)。補正用放射温度計102は、ステファン=ボルツマンの法則(Ics=εσTcs)を用いて、補正用放射温度Tcs[℃]を算出する(ステップS102)。なお、εは黒体板103の放射率を意味し、σはステファン=ボルツマン定数を意味し、予め設定されている。これにより、補正用放射温度計102は、黒体板103から放射される赤外線の放射強度に基づく黒体板103の表面温度(補正用放射温度Tcs[℃]、非接触温度)を取得する(ステップS103)。
次に、熱電対104は、黒体板103の実際の表面温度(熱電対指示値Tks[℃]、接触温度)を測定する(ステップS104)。そして、温度データ収集部105は、補正用放射温度計102から補正用放射温度Tcs[℃]を取得し、熱電対104から熱電対指示値Tks[℃]を取得する。
そして、温度データ演算部106は、温度補正値Cs=熱電対指示値Tks/補正用放射温度Tcsを用いて、温度補正値Cs(第1の補正値)を算出する(ステップS105)。つまり、温度データ演算部106は、熱電対指示値Tksと補正用放射温度Tcsの比を温度補正値Csとして算出する。つまり、温度補正値Csは、黒体板103の実際の温度(接触温度)と赤外線の放射強度に基づく温度(非接触温度)の比であり、放射温度計101による温度測定に対する水蒸気905の影響を除去するための補正値である。上記の通り、水蒸気905の影響により、補正用放射温度計102が取得する赤外線904の放射強度は、黒体板103表面近傍の赤外線904の放射強度よりも少なくなっている。このため、補正用放射温度Tcは、熱電対指示値Tkよりも小さい値となる。
次に、放射温度計101が、搬送中の電極800の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Im)を取得する(ステップS106)。そして、放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Im=εσTm)を用いて、測定用放射温度Tmを算出する(ステップS107)。これにより、放射温度計101は、電極800から放射される赤外線に基づく電極800の表面温度(測定用放射温度Tm[℃])を取得する(ステップS108)。上記の通り、水蒸気905の影響により、放射温度計101が取得する赤外線903の放射強度は、電極800表面近傍の赤外線903の放射強度よりも少なくなっている。このため、測定用放射温度Tmは、実際の電極800の表面温度よりも小さい値となる。
最後に、温度データ演算部106は、ステップS105において算出された温度補正値Csを用いて、補正後測定温度Ta=温度補正値Cs×測定用放射温度Tmを計算することにより、測定用放射温度Tmを補正する(ステップS109)。つまり、温度データ演算部106は、測定用放射温度Tmに温度補正値Csを乗じることにより、補正後測定温度Taを取得する。
ここで、赤外線903の経路は、電極800の表面に対して略垂直方向であるのに対して、赤外線904の経路は、電極800の表面に対して略水平方向である。つまり、赤外線の経路が異なっている。言い換えると、放射温度計101は、電極800の表面から略垂直方向に放射される赤外線903を受光し、補正用放射温度計102は、電極800の表面に沿って進む赤外線904を受光する。このとき、電極800上における水蒸気905の分布が一様である場合には、経路の違いは温度測定に対して特に影響しない。しかし、例えば、電極800の直上に水蒸気905が偏って多いような場合には、赤外線904の経路では、経路全域にわたり赤外線904が散乱して減衰する。一方、赤外線903の経路では、電極800の上方(電極800から離れた位置)では、電極800の直上に比べて水蒸気905の量が少なく、赤外線903の減衰量も少なくなる。
このような赤外線の経路の差に起因する減衰量の差の影響を低減するために、更なる補正値として経路補正値Cpを用いてもよい。具体的には、図3に示すような構成において、事前に温度補正値C(第2の補正値)を算出しておく。図3においては、黒体板103と電極800とが平行になるように、黒体板103(第2の測温体)が電極800の直上に配置され、補正用放射温度計102が黒体板103の上方に配置される。この構成において、温度測定装置1は、補正用放射温度計102を用いて補正用放射温度Tcを測定し、熱電対104(第2の接触温度計)を用いて熱電対指示値Tkを測定する。そして、温度測定装置1は、予め温度補正値C=熱電対指示値Tk/補正用放射温度Tcを算出しておく。さらに、温度データ演算部106は、経路補正値Cp=温度補正値Cs/温度補正値Cを算出することにより、経路補正値Cp(第3の補正値)を取得する。そして、温度データ演算部106は、ステップS109において、補正後測定温度Ta=温度補正値Cs×経路補正値Cp×測定用放射温度Tmを算出することにより、補正後測定温度Taを取得する。これにより、赤外線の経路の違い(水蒸気905の分布の違い)を考慮した補正後測定温度Taを算出することができる。そのため、測定温度をより高精度で補正することができる。
また、距離の比を用いて、経路補正値Cpを設定してもよい。具体的には、例えば、放射温度計101及び補正用放射温度計102の測定範囲dmが30mmであり、赤外線904の経路の距離dwが300mmであるとする。なお、測定範囲dmとは、放射温度計101から電極800までの距離(赤外線903の経路の距離)を意味する。また、距離dwとは、黒体板103から補正用放射温度計102までの距離(赤外線904の経路の距離)を意味する。この場合、温度データ演算部106は、経路補正値Cp=測定範囲dm(30mm)/赤外線904の経路距離dw(300mm)を算出することにより、経路補正値Cp(第4の補正値)を設定してもよい。なお、経路補正値Cpを用いた補正後測定温度Taの算出方法は、上記の例と同様である。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置1の構成によれば、補正用放射温度計102が、電極800から蒸発した水蒸気を含む雰囲気(乾燥炉900)において、黒体板103の非接触温度を測定する。また、熱電対104が、黒体板103の接触温度を測定する。そして、温度データ演算部106は、補正用放射温度計102により算出された黒体板103の非接触温度と、熱電対104が取得した接触温度と、に基づいて、温度補正値を算出する。温度データ演算部106は、算出した温度補正値を用いて、放射温度計101が測定した電極800の温度を補正する。これにより、電極の温度測定時と同じ水蒸気を含む雰囲気において、赤外線903の水蒸気905による減衰の影響を除外することができる。したがって、電極800の実際の表面温度を測定することができる。その結果、測定精度を向上させることができる。
また、温度データ演算部106は、電極800から蒸発するリアルタイムの水蒸気905の影響による温度の誤差を用いて補正値を算出している。したがって、温度測定装置1は、状況に応じて、放射温度計101が測定した温度を正確に補正することができる。
また、本実施の形態においては、電極800の幅方向において、補正用放射温度計102が電極800の一端側に配置され、黒体板103が電極800の他端側に配置されている。つまり、電極800の直上には、電極800の乾燥を阻害する物体が存在していない。このため、電極800の乾燥ムラを抑制することができる。
さらに、補正用放射温度計102は、電極800の直上の水蒸気905中を、電極800表面と水平方向に進行する赤外線904の強度を測定する。そのため、電極800の直上の水蒸気905が支配的である場合でも、支配的な部分を赤外線904が通過してくる。その結果、水蒸気905による赤外線904の減衰を十分に検出することができ、適切な温度補正値を算出することができる。
ここで、本実施の形態にかかる温度測定方法を用いて測定した測定結果を図4に示す。図4の縦軸は測定温度であり、横軸は測定時間である。図4は、時刻30秒から時刻90秒までの間に、乾燥炉900内にに水蒸気を投入したときの測定結果である。なお、図4の測定条件においては、乾燥炉900内部は127℃の定常温度となっているものとする。測定温度の補正前においては、水蒸気による散乱の影響により、放射温度計101が受光する赤外線の強度が電極800が放出している赤外線の強度よりも低くなる。そのため、放射温度計101による測定結果は、127℃を下回り、約124℃となっている。
これに対して、補正後の測定温度は、約127℃となっており、実際の電極800の温度に近い値となっている。つまり、温度測定装置1の構成によれば、水蒸気による赤外線の散乱の影響を低減することができ、温度測定の精度を向上させることができる。
<実施の形態2>
本発明にかかる実施の形態2について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置2の構成を示す図を図5に示す。
<温度測定装置2の構成>
温度測定装置2は、放射温度計101と、黒体板103と、熱電対104と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、支持部材107と、可動板108と、を備える。なお、放射温度計101、黒体板103、熱電対104、温度データ収集部105、及び温度データ演算部106の構成については温度測定装置1と同様であるので、説明を適宜省略する。ただし、本実施の形態にかかる温度測定装置2は、補正用放射温度計102を有しておらず、放射温度計101を補正値算出用及び測定用として兼用する。
支持部材107は、可動板108を支持するための部材である。支持部材107は、電極800の幅方向に延在する。例えば、支持部材107の両端は、乾燥炉900の対向する側壁に固定されている。また、支持部材107は、電極800の直上に位置する。
可動板108は、支持部材107に設けられている。可動板108は、支持部材107に沿って移動可能に構成されている。つまり、可動板108は、支持部材107の長手方向(電極800の幅方向)にスライドすることができる。なお、可動板108は、図示しないアクチュエータ等を用いて移動する。
また、可動板108の上面には、黒体板103及び熱電対104が固定されている。このため、可動板108の移動に伴い、黒体板103及び熱電対104も支持部材107に沿って移動する。
ここで、図6及び図7を参照して、可動板108の動作について説明する。図6及び図7は、可動板108の平面図である。つまり、放射温度計101側から可動板108を見た図である。また、図6は、可動板108が電極800の直上に挿入され、電極800の厚み方向において、可動板108が電極800と重なっている状態を示す。図7は、可動板108が電極800直上から抜き取られ、電極の厚み方向において、可動板108が抜き取られ、電極800と重なっていない状態を示す。なお、図6及び図7においては、紙面の左側から右側に向けて電極800が搬送されるものとする。
図6の状態においては、平面視において、放射温度計101と黒体板103とが重なっている。このため、黒体板103から放射された赤外線が放射温度計101に届く。つまり、電極800から放射される赤外線は可動板108に遮断され、放射温度計101に届かない。なお、温度データ演算部106は、図6の状態において測定された温度に基づいて、温度補正値を算出する。
一方、図7の状態においては、可動板108が電極800の幅方向の端部よりも外側に移動している。このため、電極800から放射される赤外線は放射温度計101に届く。なお、温度データ演算部106は、図7の状態において放射温度計101により測定された温度を、温度補正値を用いて補正する。
<温度測定装置2の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置2の動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。まず、可動板108が、電極800の直上に挿入される(ステップS201)。つまり、平面視において電極800と重なるように、可動板108が電極800の直上に移動する。これにより、黒体板103が、放射温度計101の下方に移動する(図6の状態)。
次に、温度測定装置2は、ステップS202〜ステップS206において、温度補正値Cを算出する。まず、放射温度計101が、黒体板103の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Ic)を取得する(ステップS202)。放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Ic=εσTc)を用いて、補正用放射温度Tc[℃]を算出する(ステップS203)。これにより、放射温度計101は、黒体板103から放射される赤外線の放射強度に基づく黒体板103の表面温度(補正用放射温度Tc[℃])を取得する(ステップS204)。
次に、熱電対104は、黒体板103の実際の表面温度(熱電対指示値Tk[℃])を測定する(ステップS205)。そして、温度データ収集部105は、放射温度計101から補正用放射温度Tc[℃]を取得し、熱電対104から熱電対指示値Tk[℃]を取得する。
そして、温度データ演算部106は、温度補正値C=熱電対指示値Tk/補正用放射温度Tcを用いて、温度補正値Cを算出する(ステップS206)。つまり、温度データ演算部106は、熱電対指示値Tkと補正用放射温度Tcの比を温度補正値Cとして算出する。
温度測定装置2は、温度補正値Cを算出すると、電極800直上から抜き取り、可動板108を電極800と重ならない位置まで移動させる(ステップS207)。これにより、放射温度計101の下方から黒体板103が移動するため、放射温度計101は、電極800の表面温度を計測できるようになる(図7の状態)。加えて、電極800直上から可動板108が移動することにより、電極800直上の空間に乾燥を阻害する物体が存在しなくなるため、乾燥ムラが生じることを抑制することができる。
次に、温度測定装置2は、ステップS208〜S211において、電極800の表面温度を測定する。まず、放射温度計101が、搬送中の電極800の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Im)を取得する(ステップS208)。そして、放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Im=εσTm)を用いて、測定用放射温度Tmを算出する(ステップS209)。これにより、放射温度計101は、電極800から放射される赤外線の放射強度に基づく電極800の表面温度(測定用放射温度Tc[℃])を取得する(ステップS210)。
そして、温度データ演算部106は、ステップS206において算出された温度補正値Cを用いて、補正後測定温度Ta=温度補正値C×測定用放射温度Tmを計算することにより、測定用放射温度Tmを補正する(ステップS211)。つまり、温度データ演算部106は、測定用放射温度Tmに温度補正値Cを乗じることにより、補正後測定温度Taを取得する。
ここで、温度測定装置2は、可動板108を電極800の外側に移動させてから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS212)。ここで、所定の時間とは、測定条件の変化等に伴い、電極800から立ち上る水蒸気905の量(分布)が大きく変化し得る時間を意味する。言い換えると、所定の時間とは、水蒸気905の量の変化に伴い、赤外線の減衰量が変化し得る時間である。
所定の時間が経過した場合(ステップS212:Yes)、温度測定装置2は、可動板108を放射温度計101の下方に再度移動させ(ステップS201)、現在の水蒸気905の状況において、再度、温度補正値Cを算出する(ステップS202〜S206)。そして、温度測定装置2は、新しく算出した温度補正値Cを用いて、電極800の表面温度を測定する(ステップS208〜S211)。
一方、所定の時間が経過していない場合(ステップS212:No)、温度測定装置2は、まだ温度補正値Cを更新する必要はない。そのため、温度測定装置2は、前回の温度測定(ステップS211)において使用した温度補正値Cを用いて、再び電極800の表面温度を測定する(ステップS208〜S211)。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置2の構成によれば、上面に黒体板103が設けられた可動板108が、電極800の幅方向に移動可能である。そして、温度測定装置2は、温度補正値Cを算出する場合には、可動板108を電極800の直上(放射温度計101の下方)に移動させ、放射温度計101に黒体板103の表面温度を測定させる。一方、温度測定装置2は、電極800の表面温度を測定する場合には、可動板108を電極800の直上からずらして、放射温度計101に電極800の表面温度を測定させる。これにより、放射温度計101が、黒体板103の表面温度及び電極800の表面温度の双方を測定することができる。したがって、放射温度計101は一式で済み、黒体板103の表面温度を図るために別途放射温度計を設ける必要がない。その結果、温度測定装置2の製造コストを低減することができる。
<実施の形態3>
本発明にかかる実施の形態3について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置3の構成を示す図を図9に示す。
<温度測定装置3の構成>
温度測定装置3は、放射温度計101と、黒体板103a、103bと、熱電対104a、104bと、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、支持部材107と、可動板108と、光電変換素子109と、を備える。なお、光電変換素子109以外の構成については温度測定装置1、2と同様であるので、説明を適宜省略する。ただし、本実施の形態にかかる温度測定装置3は、補正用放射温度計102を有しておらず、放射温度計101を補正値算出用及び測定用として兼用する。
黒体板103aは、可動板108の上面に設けられている。熱電対104aは、黒体板103a上に設けられており、黒体板103aの表面温度を測定する。また、黒体板103b(第3の測温体)は、電極800よりも外側に設けられており、例えば、乾燥炉900の側壁に固定されている。熱電対104b(第3の接触温度計)は、黒体板103b上に設けられており、黒体板103bの表面温度を測定する。
光電変換素子109は、フォトダイオードやフォトトランジスタ等である。光電変換素子109は、黒体板103から放射される赤外線を受光する。光電変換素子109の感度波長は、放射温度計101の感度波長に近いことが好ましい。なお、光電変換素子109は、温度計ではないため、温度を測定するのではなく、受光した赤外線の放射強度を測定する。
光電変換素子109は、例えば、乾燥炉900の側壁に設けられている。光電変換素子109は、電極800の幅方向において、黒体板103と対向するように配置されている。つまり、平面視において、光電変換素子109及び黒体板103は、電極800を挟むように配置されている。言い換えると、黒体板103bは、電極800の幅方向において、電極800の一端側に配置される。また、光電変換素子109は、電極800の他端側に配置される。また、光電変換素子109及び黒体板103は、電極800よりも上方(放射温度計101側)に配置されている。なお、実施の形態1と同様に、光電変換素子109を配置する高さは、ケラレが生じない範囲で、できる限り電極800の表面に接近させることが好ましい。
<温度測定装置3の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置3の動作について、図10〜図12のフローチャートを参照して詳細に説明する。図10及び図11は、温度測定開始前の処理を示すフローチャートである。図12は、温度測定中の処理を示すフローチャートである。なお、図10〜図12の処理は、すべて水蒸気を含む雰囲気において行われる。
はじめに、図10を参照して、温度測定の前処理について説明する。まず、温度測定装置3は、可動板108を電極800の直上に挿入する(ステップS301)。つまり、可動板108が、平面視において電極800と重なるように、電極800の直上に移動する(図6参照)。これにより、黒体板103aが、放射温度計101の下方に移動する。
次に、放射温度計101が、黒体板103aの表面から放射される赤外線903の放射強度(測定用赤外線放射強度Ic)を取得する(ステップS302)。放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Ic=εσTc)を用いて、補正用放射温度Tc[℃]を算出する(ステップS303)。これにより、放射温度計101は、黒体板103から放射される赤外線に基づく黒体板103aの表面温度(補正用放射温度Tc[℃])を取得する(ステップS304)。
次に、熱電対104aは、黒体板103aの実際の表面温度(熱電対指示値Tk[℃])を測定する(ステップS305)。そして、温度データ収集部105は、放射温度計101から補正用放射温度Tc[℃]を取得し、熱電対104aから熱電対指示値Tk[℃]を取得する。
そして、温度データ演算部106は、温度補正値C=熱電対指示値Tk/補正用放射温度Tcを用いて、温度補正値Cを算出する(ステップS306)。つまり、温度データ演算部106は、熱電対指示値Tkと補正用放射温度Tcの比を温度補正値Cとして算出する。
また、温度測定装置3は、温度測定の前に、図11のステップS401〜S408において、温度補正値Csを算出する。具体的には、光電変換素子109は、黒体板103bから放射された赤外線904を受光し、赤外線904の放射強度(補正用赤外線放射強度Ics)を取得する(ステップS401)。
次に、熱電対104bが、黒体板103bの表面温度(熱電対指示値Tks[℃])を測定する(ステップS402)。そして、温度データ演算部106は、ステファンボルツマンの法則(Ics=εσTks)を用いて、εσを算出する(ステップS403)。温度測定装置3は、ステップS403において算出したεσを、後述する温度補正値Csの算出に使用する。
次に、光電変換素子109が、黒体板103bから放射された赤外線904を受光し、赤外線904の放射強度(補正用赤外線放射強度Ics)を取得する(ステップS404)。そして、温度データ演算部106は、ステップS403において算出したεσ、及び、ステファンボルツマンの法則(Ics=εσTcs)を用いて、補正用放射温度Tcsを算出する(ステップS405)。これにより、温度データ演算部106は、補正用放射温度Tcs[℃]を取得する(ステップS406)。
次に、熱電対104bが、黒体板103bの表面温度(熱電対指示値Tks[℃])を測定する(ステップS407)。そして、温度データ演算部106は、ステップS406において取得した補正用放射温度Tcs[℃]及び熱電対指示値Tks[℃]の比を用いて、温度補正値Cs(第5の補正値)を算出する(ステップS408)。具体的には、温度データ演算部106は、温度補正値Cs=熱電対指示値Tks/補正用放射温度Tcsを計算することにより、温度補正値Csを取得する。
続いて、図12を参照して、温度測定中の処理について説明する。まず、温度測定装置3は、電極800の直上から可動板108を抜き取り、平面視において電極800と重ならない位置まで可動板108を移動させる(ステップS501)。
次に、放射温度計101が、搬送中の電極800の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Im)を取得する(ステップS502)。そして、放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Im=εσTm)を用いて、測定用放射温度Tmを算出する(ステップS503)。これにより、放射温度計101は、電極800から放射される赤外線の放射強度に基づく電極800の表面温度(測定用放射温度Tm[℃])を取得する(ステップS504)。
そして、温度データ演算部106は、ステップS306において算出された温度補正値C及びステップS408において算出された温度補正値Csを用いて、補正後測定温度Ta=温度補正値C×温度補正値Cs×測定用放射温度Tmを計算することにより、測定用放射温度Tmを補正する(ステップS505)。つまり、温度データ演算部106は、測定用放射温度Tmに温度補正値C、Csを乗じることにより、補正後測定温度Taを取得する。
なお、図11のステップS505において補正を行う度に、温度データ演算部106は、図10のステップS404〜S408を行い、補正時のリアルタイムの状況(水蒸気量、水蒸気分布等)に対応する温度補正値Csを算出(更新)する。一方、ステップS306において算出される温度補正値Cは、温度補正値の初期値であり、温度測定の前に計算され、その後、更新されることはない。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置3の構成によれば、電極800の温度測定前においては、温度データ演算部106は、放射温度計101の測定結果を用いて、温度補正値の初期値Cを算出する。また、電極800の温度測定中においては、温度データ演算部106は、光電変換素子109の測定結果を用いて温度補正値Csを算出し、放射温度計101により測定された温度を、温度補正値C、Csを用いて補正する。つまり、温度測定装置3は、放射温度計101を一式備えていればよい。そのため、温度測定装置3の製造コストの低減を図ることができる。
また、可動板108が抜き取られた後も、光電変換素子109が黒体板103bから放射される赤外線の放射強度を測定する。そして、温度データ演算部106は、光電変換素子109により測定された放射強度に基づく黒体板103bの非接触温度及び熱電対104bにより取得された黒体板103bの接触温度とを用いて、温度補正値Csを算出する。その結果、放射温度計101を用いて温度の測定が行われる電極800のリアルタイムの水蒸気905に基づいた温度補正値Csを算出することができる。
さらに、電極800の温度測定時においては、可動板108は、平面視において電極800に重ならない位置に配置されている。このため、電極800の乾燥ムラを抑制することができる。
<実施の形態4>
本発明にかかる実施の形態4について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置4の構成を示す図を図13に示す。
<温度測定装置4の構成>
温度測定装置4は、放射温度計101と、補正用放射温度計102と、黒体板103と、熱電対104と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、固定治具110と、を備える。なお、放射温度計101、熱電対104、温度データ収集部105、及び温度データ演算部106の構成については温度測定装置1と同様であるので、説明を適宜省略する。
補正用放射温度計102は、放射温度計101と同様の温度計である。補正用放射温度計102は、実施の形態1と同様に、黒体板103の表面温度に伴って放射される赤外線904を受光し、赤外線904の放射強度に基づいて黒体板103の表面温度を測定する。ただし、本実施の形態においては、補正用放射温度計102及び黒体板103の固定位置が実施の形態1とは異なる。
具体的には、放射温度計101及び補正用放射温度計102は、電極800の上方において、固定治具110に固定されている。補正用放射温度計102は、放射温度計101と同じ方向を向いて固定されている。
また、黒体板103は、電極800の直上に固定され、補正用放射温度計102の下方に位置している。このとき、補正用放射温度計102から黒体板103表面までの距離は、放射温度計101から電極800表面までの距離と同じであることが好ましい。これにより、黒体板103から放射される赤外線904の経路の距離が、電極800から放射される赤外線903の経路の距離と同じになる。また、放射温度計101の測定方向と補正用放射温度計102の測定方向はいずれも電極800表面に対して略垂直方向である。したがって、補正用放射温度計102は、放射温度計101の測定条件(水蒸気量や、赤外線の経路の距離等)と近い条件において、赤外線904を測定することができる。
<温度測定装置4の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置4の動作について、図14のフローチャートを参照して詳細に説明する。図14は、本実施の形態にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。
はじめに、補正用放射温度計102が、水蒸気905を含む雰囲気において、黒体板103の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Ic)を取得する(ステップS601)。補正用放射温度計102は、ステファン=ボルツマンの法則(Ic=εσTc)を用いて、補正用放射温度Tc[℃]を算出する(ステップS602)。これにより、補正用放射温度計102は、黒体板103から放射される赤外線の放射強度に基づく黒体板103の表面温度(補正用放射温度Tc[℃])を取得する(ステップS603)。
次に、熱電対104は、黒体板103の実際の表面温度(熱電対指示値Tk[℃])を測定する(ステップS604)。そして、温度データ収集部105は、補正用放射温度計102から補正用放射温度Tc[℃]を取得し、熱電対104から熱電対指示値Tk[℃]を取得する。
そして、温度データ演算部106は、温度補正値C=熱電対指示値Tk/補正用放射温度Tcを用いて、温度補正値Cを算出する(ステップS605)。つまり、温度データ演算部106は、熱電対指示値Tkと補正用放射温度Tcの比を温度補正値Cとして算出する。
次に、放射温度計101が、水蒸気905を含む雰囲気において、搬送中の電極800の表面から放射される赤外線の放射強度(測定用赤外線放射強度Im)を取得する(ステップS606)。そして、放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則(Im=εσTm)を用いて、測定用放射温度Tmを算出する(ステップS607)。これにより、放射温度計101は、電極800から放射される赤外線の放射強度に基づく電極800の表面温度(測定用放射温度Tm[℃])を取得する(ステップS608)。
最後に、温度データ演算部106は、ステップS605において算出された温度補正値Cを用いて、補正後測定温度Ta=温度補正値C×測定用放射温度Tmを計算することにより、測定用放射温度Tmを補正する(ステップS609)。つまり、温度データ演算部106は、測定用放射温度Tmに温度補正値Cを乗じることにより、補正後測定温度Taを取得する。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置4の構成によれば、補正用放射温度計102の測定方向が放射温度計101の測定方向と同一である。このとき、電極800から立ち上る水蒸気905は、電極800の直上は密度が高く、電極800から離れる程密度が低くなる。つまり、水蒸気905は、電極800の厚み方向(乾燥炉900の高さ方向)において、分布が大きく変化する。本実施の形態においては、放射温度計101及び補正用放射温度計102の測定方向が同一であるため、赤外線903、904が水蒸気905の影響で同じように減衰する。つまり、補正用放射温度計102は、放射温度計101の測定条件と近い条件において、赤外線904の放射強度を測定することができる。このため、補正の精度を向上させることができる。
また、温度測定装置4においては、補正用放射温度計102から黒体板103の表面までの距離は、放射温度計101から電極800の表面までの距離と同じである。このため、補正用放射温度計102の測定条件をさらに放射温度計101の測定条件に近づけることができる。そのため、補正の精度をさらに向上させることができる。
<実施の形態5>
本発明にかかる実施の形態5について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置5の構成を示す図を図15に示す。
<温度測定装置5の構成>
温度測定装置5は、放射温度計101と、黒体板103と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、可動板108と、固定治具110と、光源111と、光電変換素子112と、を備える。なお、放射温度計101、黒体板103、温度データ収集部105、温度データ演算部106、可動板108、及び固定治具110の構成については温度測定装置1〜4と同様であるので、説明を適宜省略する。
光源111は、可視光を放射するものであり、例えば、可視光LED(Light Emitting Diode)や可視光レーザ等である。光源111は、電極800に向かって可視光を放射する。なお、光源111が放射する光は可視光は、赤外線903と異なる波長を有し、赤外線903の強度に影響を与えない光である。
光電変換素子112は、光源111が放射する可視光の波長に感度を有する。光電変換素子112は、光源111が放射した可視光907が電極800に当たり、反射した光(反射光908)を受光する。光電変換素子112は、反射光908の放射強度を測定する。温度データ収集部105は、光電変換素子112と接続されており、測定された反射光908の放射強度を取得する。
光源111及び光電変換素子112は、放射温度計101と共に固定治具110により位置固定されている。光源111及び光電変換素子112は、放射温度計101の近傍に固定されている。光源111及び光電変換素子112から電極800の表面までの距離は、放射温度計101から電極800の表面までの距離と略同一である。このとき、光源111は、電極800において、放射温度計101が温度(赤外線903の放射強度)を測定する部位201と同じ部位に可視光907を当てることが好ましい。
ここで、可視光を用いて赤外線の放射強度の減衰を把握することができる原理について簡単に説明する。上述の実施の形態で述べてきたように、電極800や黒体板103から放射された赤外線は、数μm〜10μmの水蒸気の粒子に当たり散乱する。具体的には、水蒸気の粒径よりも長い波長である赤外線が水蒸気の粒子に当たるとミー散乱が生じる。また、可視光の波長も水蒸気の粒径と同等であるため、可視光が水蒸気の粒子に当たった場合にもミー散乱が生じる。そのため、水蒸気の影響による可視光の減衰を観測することにより、赤外線の減衰を捉えることができる。
また、図26のプランクの分光放射特性を示すグラフを参照すると、電極800の温度である200℃以下では、黒体(及び電極800)は、約2μmより長い波長の電磁波(赤外線)しか放射しないことがわかる。つまり、200℃の条件下では、黒体(及び電極800)から可視光領域(約0.8μm〜0.3μm)の電磁波(可視光)は放射されない。したがって、電極800からは、電極800の温度に依存した可視光は放射されないため、放射温度計101の測定部位に反射した可視光を測定しても、可視光が電極800から放射される電磁波の影響を受けることはない。同様に、測定部位に反射した反射光は、放射温度計101が測定する赤外線とは波長の異なる可視光であるため、放射温度計101による赤外線の放射強度の測定にも影響はない。
<温度測定装置5の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置5の動作について、図16のフローチャートを参照して詳細に説明する。図16は、本実施の形態にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。
まず、乾燥工程を始める前に、水蒸気の無い雰囲気において、光源111が電極800の表面に可視光907を当てる。そして、光電変換素子112は、電極800からの反射光908を受光し、反射光908の放射強度(補正用初期光放射強度Oi、第2の放射強度)を取得する(ステップS701)。なお、このとき、光源111が黒体板103に可視光907を当てて、光電変換素子112がその反射光908を受光してもよい。
その後、乾燥工程が開始されると、電極800から水蒸気905が発生する。そのため、光源111からの可視光は、水蒸気905の影響を受けて、減衰しながら電極800に到達する。そして、電極800からの反射光は、水蒸気905の影響を受けて、減衰しながら光電変換素子112に到達する。つまり、光電変換素子112は、減衰した反射光の強度(補正用減衰光強度Om、第1の放射強度)を取得する(ステップS702)。
そして、温度データ演算部106は、補正用初期光放射強度Oiと補正用減衰光放射強度Omとの比を、補正用減衰光強度比Coとして算出する。このとき、補正用初期光放射強度Oi及び補正用減衰光強度Omの測定に用いられる可視光は、光源111から放射され、電極800において反射し、光電変換素子112に到達する。つまり、電極800から放射温度計101へ放射される赤外線の略2倍の距離の経路を経ている。そのため、温度データ演算部106は、補正用減衰光強度比Co=√(Om/Oi)を算出することにより、補正用減衰光強度比Coを取得する(ステップS703)。
また、乾燥工程の開始に伴い、放射温度計101は、ステップS702と並行して、電極800から放射される赤外線903を受光し、測定用放射温度Tmを取得する(ステップS704)。そして、ステファン=ボルツマンの法則に基づいて、温度データ演算部106は、赤外線903の放射強度(赤外線放射強度Im)を算出する(ステップS705)。
次に、温度データ演算部106は、算出した赤外線放射強度Imを、補正用減衰光強度比Coを用いて補正する。具体的には、温度データ演算部106は、本来の赤外線強度Ic=補正用減衰光強度比Co×赤外線放射強度Im/εを計算することにより、赤外線放射強度Imを補正して、本来の赤外線放射強度Icを算出する(ステップS706)。これにより、水蒸気905による散乱の影響で減衰した赤外線903の放射強度を補正することができる。なお、このとき用いられる補正用減衰光強度Co及び赤外線放射強度Imは、ステップS702及びS704において、同時に同部位において測定された補正用減衰光強度Om及び測定用放射温度Tmを用いて算出される。
そして、温度データ演算部106は、補正後測定温度Taを算出する。具体的には、ステファン=ボルツマンの法則(Ta=√(Ic/ε))を用いて、補正後測定温度Taを算出する。より詳細には、温度データ演算部106は、ステップS706において算出されたIcを代入して、補正後測定温度Ta=√(√(Oi/Om)εTm/ε)を計算することにより、補正後測定温度Taを算出する。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置5の構成によれば、光源111が、電極800から放射される赤外線とは異なる波長の可視光907を電極800に放射する。そして、光電変換素子112が、可視光907の電極800における反射光908を受光する。そして、温度データ演算部106は、電極800において反射した反射光908の強度を用いて、水蒸気905の影響による光強度の減衰を補正するための値(補正用減衰光強度比Co)を算出する。温度データ演算部106は、算出した補正用減衰光強度比Coを用いて、放射温度計101が測定した赤外線放射強度Imを補正することにより、補正後測定温度Taを算出する。このように、本実施の形態においては、放射温度計101よりも低コストの一般的光学機器(可視光の光源111及び光電変換素子112)の測定結果を用いて、赤外線に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出する。このため、補正処理を行うために、別途放射温度計101は必要ない。その結果、温度測定装置5の製造コストを低減することができる。
また、温度データ演算部106は、放射温度計101の測定部位と同一部位において反射した可視光を、放射温度計101の測定タイミングと同じタイミングで測定した結果を用いて補正値(補正用減衰光強度比Co)を算出する。このため、電極800から放射される赤外線903の経路と、電極800において反射した反射光の経路と、は近い経路になる。そのため、赤外線903が通過する水蒸気905の分布と、反射光が通過する水蒸気905の分布とは、近い状態となる。その結果、赤外線903の減衰量と反射光の減衰量も近い値となる。このため、温度データ演算部106は、放射温度計101の測定環境と近い環境において補正値を算出することができる。したがって、補正の精度を向上させることができる。
<実施の形態6>
本発明にかかる実施の形態6について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置6の構成を示す図を図17に示す。
<温度測定装置6の構成>
温度測定装置6は、放射温度計101と、黒体板103と、熱電対104と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、可動板108と、固定治具110と、光源111と、光電変換素子112と、を備える。なお、各構成については温度測定装置5と同様であるので、説明を適宜省略する。
熱電対104は、黒体板103に設けられており、黒体板103の表面温度を測定する。可動板108は、実施の形態2と同様に、黒体板103及び熱電対104を有し、電極800の幅方向に移動可能である。
<温度測定装置6の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置6の動作について、図18〜図20のフローチャートを参照して詳細に説明する。図18は、乾燥工程前の温度測定装置6の動作を説明するためのフローチャートである。図19は、校正線の生成を説明するためのフローチャートである。図20は、補正方法を説明するためのフローチャートである。
まず、乾燥工程を始める前に、温度測定装置6は、水蒸気の無い雰囲気において、可動板108を電極800の直上に挿入する(ステップS801)。これにより、放射温度計101の測定位置及び光源111の可視光放射位置に、黒体板103が移動する。そして、光源111は、黒体板103に可視光907を放射する。光電変換素子112は、黒体板103に反射した反射光908を受光し、補正用初期光強度(水蒸気無し)Od(第4の放射強度)を取得する(ステップS802)。
また、放射温度計101は、黒体板103から放射される赤外線903を受光し、測定用赤外線放射強度Idを測定するそして、放射温度計101は、ステファン=ボルツマンの法則を用いて、測定用放射温度初期値(水蒸気無し)Tdを取得する(ステップS803)。また、熱電対104は、黒体板103の実際の表面温度(熱電対指示値Tkd)を取得する(ステップS804)。なお、上述した実施の形態5と同様に、黒体板103において、光電変換素子112が可視光の強度を検出する部位と、放射温度計101が赤外線903の強度を検出する部位201と、は同一部位であり、同じタイミングである。
このとき、水蒸気無しの状態においては、散乱による赤外線903の減衰は生じない。このため、放射温度計101がステップS804において取得した測定用放射温度初期値(水蒸気無し)Tdと、熱電対104がステップS804において取得した黒体板103の表面温度Tkdは、理想的には同じ温度になる。したがって、測定用放射温度初期値(水蒸気無し)Tdと表面温度Tkdとがずれている場合には、測定用放射温度初期値(水蒸気無し)Tdと表面温度Tkdとが同じ温度になるように、放射温度計101の放射率εを調整する(ステップS805)。なお、εの調整は、事前に行ってもよい。
次に、図19に示すフローチャートを用いて、校正線の作成について説明する。校正線の作成は、乾燥工程開始後に行われる。このため、電極800から水蒸気905が発生している状態において校正線の作成処理が行われる。まず、温度測定装置6は、可動板108を電極800の直上に移動させる(ステップS901)。なお、図18に示した処理から連続して構成線の作成を行う場合には、既に可動板108は、電極800上に位置しているため、ステップS901は省略することができる。
次に、光源111は、黒体板103に可視光907を放射する。光電変換素子112は、黒体板103に反射した反射光908を受光し、補正用初期光強度(水蒸気有り)Ow(第3の放射強度)を取得する(ステップS902)。
また、放射温度計101は、黒体板103から放射される赤外線903を受光して、測定用放射温度初期値(水蒸気有り)Twを取得する(ステップS903)。なお、黒体板103において、光電変換素子112が反射光908の放射強度を検出する部位と、放射温度計101が赤外線903の放射強度を検出する部位と、は同一部位であり、同じタイミングである。
また、熱電対104は、黒体板103の実際の表面温度Tkwを取得する(ステップS904)。温度測定装置6は、ステップS802〜S804を複数回繰り返し、そして、温度データ演算部106は、Od、Ow、Td、及びTwを用いて、校正線を作成する(ステップS905)。具体的には、温度データ演算部106は、補正用初期光放射強度の比(Ow/Od)と、測定用放射温度初期値(水蒸気有り)Twと表面温度Tkwとの差と、の関係を示す関数を生成する。例えば、ステップS902〜S904を5回繰り返して、Ow1〜5、Tw1〜5、Tkw1〜5を取得した場合について説明する。図21に示すように、Ow1、Tw1、Tkw1、及びOdを用いて、(Ow1/Od)を横軸に、(Tw1−Tkw1)を縦軸にしてプロットする(図21のP1)。Odは固定して、Ow2〜5、Tw2〜5、Tkw2〜5についても同様にプロットする(図21のP2〜P5)。そして、温度データ演算部106は、これらのプロットを通る曲線(関数)を算出し、当該曲線を校正線として記憶する。
次に、図20に示すフローチャートを用いて、温度測定方法について説明する。まず、温度測定装置5は、可動板108を電極800の直上から抜き取る(ステップS1001)。これにより、電極800の直上には可動板108は存在せず、電極800から外れた位置に存在する。
次に、光源111は、水蒸気905を含む雰囲気において、電極800に可視光907を放射する。光電変換素子112は、水蒸気905を含む雰囲気において、電極800に反射した反射光908を受光し、補正用初期光放射強度(水蒸気有り)Owを取得する(ステップS1002)。
また、放射温度計101は、電極800から放射される赤外線903を受光して、測定用放射温度初期値(水蒸気有り)Twを取得する(ステップS1003)。なお、電極800において、光電変換素子112が可視光907の放射強度を検出する部位と、放射温度計101が赤外線903の放射強度を検出する部位と、は同一部位であり、同じタイミングである。
次に、温度データ演算部106は、ステップS1002において取得した補正用初期光放射強度(水蒸気有り)Ow及びステップS802において取得した補正用初期光放射強度(水蒸気無し)Odの比(Ow/Od)を算出し、ステップS805において生成した関数に代入する。これにより、補正用初期光強度の比(Ow/Od)に対応する(Tkw−Tw)を算出する(ステップS1004)。
そして、温度データ演算部106は、ステップS1002において取得した測定用放射温度初期値(水蒸気有り)Twに、ステップS1004において算出した(Tkw−Tw)を加算する。つまり、温度データ演算部106は、補正後放射温度Ta=Tw+(Tkw−Tw)を計算して、補正後放射温度Taを算出する(ステップS1005)。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置6の構成によれば、温度データ演算部106は、光源111の可視光が水蒸気の影響で散乱する割合(Ow/Od)と、水蒸気の影響で放射温度が変化する量(Tkw−Tw)と、を対応付けた校正線を作成する。このため、可視光が水蒸気の影響で散乱(減衰)する量と、赤外線が水蒸気の影響で散乱(減衰)する量と、が同一でない場合であっても、予め生成した校正線を用いて補正することにより、精度よく放射温度の補正を行うことができる。
<実施の形態7>
本発明にかかる実施の形態7について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置7の構成を示す図を図22に示す。
<温度測定装置7の構成>
温度測定装置7は、放射温度計101と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、光源111と、光電変換素子112と、を備える。なお、各構成については温度測定装置5と同様であるので、説明を適宜省略する。
光源111は、電極800の直上に配置されている。光源111は、電極800の厚み方向であって、放射温度計101側に可視光を放射する。光電変換素子112は、放射温度計101と同じ高さに配置されている。このとき、光電変換素子112から電極800表面までの距離は、放射温度計101から電極800表面までの距離に近いことが好ましい。これにより、光源111から放射される可視光907の経路の距離と、電極800から放射される赤外線903の経路の距離と、が近づき、測定条件を近づけることができる。
<温度測定装置7の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置7の動作について、図23のフローチャートを参照して詳細に説明する。図23は、本実施の形態にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。
まず、乾燥工程を始める前に、水蒸気の無い雰囲気において、光源111が光電変換素子112に可視光907を放射する。そして、光電変換素子112は、光源111からの可視光907を受光し、可視光907の放射強度(補正用初期光放射強度Oi)を取得する(ステップS1101)。
その後、乾燥工程が開始されると、電極800から水蒸気905が発生する。そのため、光源111からの可視光907は、水蒸気905の影響を受けて、減衰しながら光電変換素子112に到達する。つまり、光電変換素子112は、減衰した可視光907の放射強度(補正用減衰光放射強度Om)を取得する(ステップS1102)。
そして、温度データ演算部106は、補正用初期光放射強度Oiと補正用減衰光放射強度Omとの比を、補正用減衰光強度比Coとして算出する。このとき、補正用初期光放射強度Oi及び補正用減衰光放射強度Omの測定に用いられる可視光907は、光源111から放射され、光電変換素子112に到達する。つまり、電極800から放射温度計101へ放射される赤外線903の略同一の距離の経路を経ている。そのため、温度データ演算部106は、補正用減衰光強度比Co=Om/Oiを算出することにより、補正用減衰光強度比Coを取得する(ステップS1103)。
また、乾燥工程の開始に伴い、放射温度計101は、ステップS1102と並行して、電極800から放射される赤外線903を受光し、測定用放射温度Tmを取得する(ステップS1104)。そして、ステファン=ボルツマンの法則に基づいて、温度データ演算部106は、赤外線903の放射強度(赤外線放射強度Im)を算出する(ステップS1105)。
次に、温度データ演算部106は、算出した赤外線放射強度Imを、補正用減衰光強度比Coを用いて補正する。具体的には、温度データ演算部106は、本来の赤外線放射強度Ic=補正用減衰光強度比Co×赤外線放射強度Im/εを計算することにより、赤外線放射強度Icを算出する(ステップS1106)。これにより、水蒸気905による散乱の影響で減衰した赤外線903の放射強度を補正することができる。なお、このとき用いられる補正用減衰光強度Co及び赤外線放射強度Imは、ステップS1102及びS1104において、同時に同部位において測定された補正用減衰光強度Om及び測定用放射温度Tmを用いて算出される。
そして、温度データ演算部106は、補正後測定温度Taを算出する。具体的には、ステファンボルツマンの法則(Ta=√(Ic/ε))を用いて、補正後測定温度Taを算出する。より詳細には、温度データ演算部106は、ステップS1106において算出された赤外線放射強度Icを代入して、補正後測定温度Ta=√((Oi/Om)εTm/ε)を計算することにより、補正後測定温度Taを算出する。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置7の構成によれば、放射温度計101よりも低コストの一般的光学機器(可視光の光源111及び可視光の光電変換素子112)を用いているため、補正処理を行うために、別途放射温度計101は必要ない。そのため、温度測定装置7の製造コストを低減することができる。
また、電極800から放射される赤外線903の経路と、光源111から放射される可視光907の経路の方向及び距離が近似している。そのため、可視光907は、赤外線903と同じように減衰する。その結果、赤外線903の減衰量に基づいて適切な補正量が算出できるため、補正の精度を向上させることができる。
<実施の形態8>
本発明にかかる実施の形態8について説明する。本実施の形態にかかる温度測定装置8の構成を示す図を図24に示す。
<温度測定装置8の構成>
温度測定装置8は、放射温度計101と、温度データ収集部105と、温度データ演算部106と、光源111と、光電変換素子112と、を備える。なお、各構成については温度測定装置5と同様であるので、説明を適宜省略する。
光源111は、例えば、乾燥炉900の側壁に設けられている。光源111は、電極800の幅方向(搬送方向と直交する方向)において、光電変換素子112と対向するように配置されている。つまり、光源111は、電極800の幅方向の一端側に配置されている。また、光電変換素子112は、電極800の幅方向の他端側に配置されている。さらに、光源111及び光電変換素子112は、電極800よりも上方(放射温度計101側)に配置されている。言い換えると、温度測定装置7は、実施の形態1の補正用放射温度計102に替えて光源111を有し、黒体板103に替えて光電変換素子112を有する。
<温度測定装置8の動作>
続いて、本実施の形態にかかる温度測定装置8の動作について、図25のフローチャートを参照して詳細に説明する。図25は、本実施の形態にかかる温度測定方法を示すフローチャートである。
まず、乾燥工程を始める前に、水蒸気の無い雰囲気において、光源111が光電変換素子112に可視光907を放射する。そして、光電変換素子112は、光源111からの可視光907を受光し、可視光907の放射強度(補正用初期光放射強度Oi)を取得する(ステップS1201)。
その後、乾燥工程が開始されると、電極800から水蒸気905が発生する。そのため、光源111からの可視光907は、水蒸気905の影響を受けて、減衰しながら光電変換素子112に到達する。つまり、光電変換素子112は、減衰した可視光907の放射強度(補正用減衰光放射強度Om)を取得する(ステップS1202)。
そして、温度データ演算部106は、補正用初期光放射強度Oiと補正用減衰光放射強度Omとの比を、補正用減衰光強度比Coとして算出する。具体的には、温度データ演算部106は、補正用減衰光強度比Co=Om/Oiを算出することにより、補正用減衰光強度比Coを取得する(ステップS1203)。
また、乾燥工程の開始に伴い、放射温度計101は、ステップS1202と並行して、電極800から放射される赤外線903を受光し、測定用放射温度Tmを取得する(ステップS1204)。そして、ステファン=ボルツマンの法則に基づいて、温度データ演算部106は、赤外線903の放射強度(赤外線放射強度Im)を算出する(ステップS1205)。
このとき、実施の形態1と同様に、赤外線903の経路と可視光の経路とは、距離及び方向が異なる。そのため、経路の差に起因する減衰量の差の影響を低減するための補正係数を用いてもよい。具体的には、図22に示すような赤外線903の経路と可視光の経路との距離及び方向が略同一の構成において、事前に温度補正値C=熱電対指示値Tk/補正用放射温度Tcを算出しておく。さらに、温度データ演算部106は、経路補正値Cp=温度補正値Cs/温度補正値Cを算出することにより、経路補正値Cpを取得する。
次に、温度データ演算部106は、算出した赤外線放射強度Imを、補正用減衰光強度比Co及び経路補正値Cpを用いて補正する。具体的には、温度データ演算部106は、本来の赤外線放射強度Ic=補正用減衰光強度比Co×経路補正値Cp×赤外線放射強度Im/εを計算することにより、赤外線放射強度Icを算出する(ステップS1206)。これにより、水蒸気905による散乱の影響で減衰した赤外線903の放射強度を補正することができる。なお、このとき用いられる補正用減衰光強度Co及び赤外線放射強度Imは、ステップS1202及びS1204において、同時に同部位において測定された補正用減衰光強度Om及び測定用放射温度Tmを用いて算出される。
そして、温度データ演算部106は、補正後測定温度Taを算出する。具体的には、ステファン=ボルツマンの法則(Ta=√(Ic/ε))を用いて、補正後測定温度Taを算出する。より詳細には、温度データ演算部106は、ステップS1206において算出された赤外線放射強度Icを代入して、補正後測定温度Ta=√((Oi/Om)εTm/ε)を計算することにより、補正後測定温度Taを算出する。
以上のように、本実施の形態にかかる温度測定装置8の構成によれば、放射温度計101よりも低コストの一般的光学機器(可視光の光源111及び可視光の光電変換素子112)を用いているため、補正処理を行うために、別途放射温度計101は必要ない。そのため、温度測定装置8の製造コストを低減することができる。
また、放射温度計101の周囲に他の測定機器を配置する必要が無いため、放射温度計101の周囲にスペースがない場合であっても、測定温度の補正を行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更及び組み合わせをすることが可能である。
1〜7 温度測定装置
101 放射温度計
102 補正用放射温度計
103 黒体板
104 熱電対
105 温度データ収集部
106 温度データ演算部
107 支持部材
108 可動板
109 光電変換素子
110 固定治具
111 光源
112 光電変換素子
800 電極
900 乾燥炉
901、902 ローラ
903、904 赤外線
905 水蒸気
906 散乱光
907 可視光
908 反射光

Claims (15)

  1. 二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、第1の放射温度計を用いて前記電極の温度を測定する電極温度測定方法であって、
    前記水蒸気を含む雰囲気において、前記第1の放射温度計を用いて、前記電極の温度を測定するステップと、
    前記電極の温度を測定する雰囲気と同じ雰囲気において、第1の測温体から放射される赤外線の放射強度に基づき、前記第1の測温体の非接触温度を測定するステップと、
    前記第1の測温体に接触して設けられた第1の接触温度計を用いて、前記第1の測温体の接触温度を測定するステップと、
    前記第1の測温体の非接触温度と、前記第1の測温体の接触温度と、を用いて、前記第1の放射温度計による温度測定に対する水蒸気の影響を除去するための第1の補正値を算出するステップと、
    前記第1の補正値を用いて、前記第1の放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正するステップと、
    を備える電極温度測定方法。
  2. 前記非接触温度を測定するステップは、前記電極の幅方向の一端側に配置された前記第1の測温体から放射される前記赤外線を、前記電極の幅方向の他端側に配置された第2の放射温度計を用いて、前記非接触温度を測定するステップを有する請求項1に記載の電極温度測定方法。
  3. 平面視において前記電極と重なる位置に設けられた第2の測温体から放射される赤外線の放射強度に基づき、前記第2の測温体の非接触温度を、前記第1の放射温度計の測定方向に沿った測定方向において測定するステップと、
    前記第2の測温体に接触して設けられた第2の接触温度計を用いて、前記第2の測温体の接触温度を測定するステップと、
    前記第2の測温体の非接触温度と、前記第2の測温体の接触温度と、を用いて、第2の補正値を算出するステップと、
    前記第1の補正値と前記第2の補正値との比を用いて第3の補正値を算出するステップと、をさらに備え、
    前記電極の温度を補正するステップは、前記第1の補正値及び第3の補正値を用いて、前記第1の放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正するステップを有する請求項2に記載の電極温度測定方法。
  4. 前記第2の放射温度計から前記第1の測温体までの距離と、前記第1の放射温度計から前記電極までの距離と、の比を用いて、第4の補正値を算出するステップをさらに備え、
    前記電極の温度を補正するステップは、前記第1の補正値及び第4の補正値を用いて、前記第1の放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正するステップを有する請求項2に記載の電極温度測定方法。
  5. 前記第1の測温体の非接触温度を測定するステップは、
    平面視において前記第1の測温体が前記電極と重なる位置に前記第1の測温体を配置するステップと、
    前記第1の放射温度計を用いて、前記第1の測温体の非接触温度を測定するステップと、を有し、
    前記電極の温度を測定するステップは、
    平面視において前記第1の測温体が前記電極と重ならない位置に前記第1の測温体を移動させるステップと、
    前記第1の放射温度計を用いて、前記電極の温度を測定するステップと、を有する請求項1に記載の電極温度測定方法。
  6. 前記水蒸気を含む雰囲気において、前記電極の幅方向の一端側に配置された第3の測温体から放射される赤外線の放射強度を、前記電極の幅方向の他端側に配置された光電変換素子を用いて測定し、前記赤外線の放射強度に基づき、前記第3の測温体の非接触温度を算出するステップと、
    前記第3の測温体に接触して設けられた第3の接触温度計を用いて、前記第3の測温体の接触温度を測定するステップと、
    前記第3の測温体の非接触温度と、前記第3の測温体の接触温度と、を用いて、前記第1の放射温度計による温度測定に対する水蒸気の影響を除去するための第5の補正値を算出するステップと、をさらに備え、
    前記電極の温度を補正するステップは、平面視において前記電極と重ならない位置に前記第1の測温体を移動させた後、前記第1の補正値及び前記第5の補正値を用いて、前記第1の放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正する請求項5に記載の電極温度測定方法。
  7. 前記第1の測温体の非接触温度を、前記第1の放射温度計の測定方向に沿った測定方向において測定する請求項1に記載の電極温度測定方法。
  8. 二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定し、前記電極の温度を求める電極温度測定方法であって、
    前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、光電変換素子に可視光を放射して、前記可視光の第1の放射強度を測定するステップと、
    前記水蒸気のない第2の雰囲気において、前記光電変換素子に前記可視光を放射して、前記可視光の第2の放射強度を測定するステップと、
    前記第1の雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定するステップと、
    前記第1の放射強度と前記第2の放射強度とを用いて、前記赤外線の放射強度の測定に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出し、
    前記補正値を用いて、測定した前記赤外線の放射強度を補正するステップと、
    補正後の前記赤外線の放射強度に基づいて、前記電極の温度を算出するステップと、
    を備える電極温度測定方法。
  9. 前記可視光の第1の放射強度を測定するステップは、前記第1の雰囲気において、前記電極に前記可視光を放射し、前記可視光が前記電極に反射した反射光の放射強度を、前記第1の放射強度として測定するステップを有し、
    前記可視光の第2の放射強度を測定するステップは、前記第2の雰囲気において、前記電極に前記可視光を放射し、前記可視光が前記電極に反射した反射光の放射強度を、前記第2の放射強度として測定するステップを有する請求項8に記載の電極温度測定方法。
  10. 前記可視光の第1の放射強度を測定するステップ及び前記可視光の第2の放射強度を測定するステップは、前記電極から放射される前記赤外線の放射強度を測定する部位に、前記可視光を放射するステップを有する請求項9に記載の電極温度測定方法。
  11. 前記第1の雰囲気において、測温体に前記可視光を放射し、前記可視光が前記測温体に反射した反射光の放射強度を、第3の放射強度として測定するステップと、
    前記第2の雰囲気において、測温体に前記可視光を放射し、前記可視光が前記測温体に反射した反射光の放射強度を、第4の放射強度として測定するステップと、
    前記第1の雰囲気において、放射温度計を用いて、前記測温体の非接触温度を測定するステップと、
    前記測温体に接触して設けられた接触温度計を用いて、前記測温体の接触温度を測定するステップと、
    前記第3の放射強度及び前記第4の放射強度の比と、前記非接触温度及び前記接触温度の差と、の関係を示す関数を算出するステップと、
    前記関数を用いて、前記放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正するステップと、を有する請求項8に記載の電極温度測定方法。
  12. 前記可視光の第1の放射強度を測定するステップは、前記第1の雰囲気において、前記電極の幅方向の一端側に配置された光源から放射される前記可視光を、前記電極の幅方向の他端側に配置された前記光電変換素子を用いて、前記第1の放射強度を測定するステップを有し、
    前記可視光の第2の放射強度を測定するステップは、前記第2の雰囲気において、前記電極の幅方向の一端側に配置された前記光源から放射される前記可視光を、前記電極の幅方向の他端側に配置された前記光電変換素子を用いて、前記第2の放射強度を測定するステップを有する請求項8に記載の電極温度測定方法。
  13. 前記可視光の第1の放射強度を測定するステップは、前記第1の雰囲気において、前記電極から放射される前記赤外線の測定方向に沿った方向に前記可視光を放射して、前記第1の放射強度を測定するステップを有し、
    前記可視光の第2の放射強度を測定するステップは、前記第2の雰囲気において、前記電極から放射される前記赤外線の測定方向に沿った方向に前記可視光を放射して、前記第2の放射強度を測定するステップを有する請求項8に記載の電極温度測定方法。
  14. 二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、放射温度計を用いて前記電極の温度を測定する電極温度測定装置であって、
    前記水蒸気を含む雰囲気において、前記電極の温度を測定する放射温度計と、
    第1の測温体と、
    前記電極の温度を測定する雰囲気と同じ雰囲気において、前記第1の測温体から放射される赤外線の放射強度に基づき、前記第1の測温体の非接触温度を測定する非接触温度測定器と、
    前記第1の測温体に接触して設けられ、前記第1の測温体の接触温度を測定する接触温度測定器と、
    前記放射温度計による温度測定に対する水蒸気の影響を除去するための第1の補正値を算出する補正値算出手段と、
    前記第1の補正値を用いて、前記放射温度計を用いて測定した前記電極の温度を補正する補正手段と、
    を備える電極温度測定装置。
  15. 二次電池の電極から蒸発する水蒸気を含む雰囲気において、前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定し、前記電極の温度を求める電極温度測定装置であって、
    前記電極から放射される赤外線の放射強度を測定する赤外線センサと、
    可視光を放射する光源と、
    前記光源から放射された前記可視光の放射強度を測定する光電変換素子と、
    前記光電変換素子の測定結果を用いて、前記赤外線の放射強度の測定に対する水蒸気の影響を除去するための補正値を算出する補正値算出手段と、
    前記赤外線センサが測定した前記赤外線の放射強度を、前記補正値を用いて補正し、補正後の放射強度に基づいて、前記電極の温度を算出する温度算出手段と、
    を備え、
    前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、前記赤外線センサは、前記赤外線の放射強度を測定し、
    前記光電変換素子は、
    前記水蒸気を含む第1の雰囲気において、前記光源から放射される前記可視光の第1の放射強度を測定し、前記水蒸気を含まない第2の雰囲気において、前記光源から放射される前記可視光の第2の放射強度を測定し、
    前記補正値算出手段は、前記第1の放射強度と前記第2の放射強度とを用いて、前記補正値を算出する電極温度測定装置。
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