JP2015102269A - ヒートパイプ、ヒートパイプ製造方法及び電子機器 - Google Patents

ヒートパイプ、ヒートパイプ製造方法及び電子機器 Download PDF

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英次 助川
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Abstract

【課題】冷却対象からの伝熱性を高めて冷却効率を高くする。【解決手段】含浸部材24と、この含浸部材24が内部に密封された金属製の密封部材の間に、気体状の作動流体の移動を可能とする流路50を形成し、密封部材において流路50側から外側に凸部38を形成する。【選択図】図2

Description

本願の開示する技術はヒートパイプ、ヒートパイプ製造方法及び電子機器に関する。
2枚の金属箔を接合して形成した封筒状のコンテナ内に、流路形成シートを作動流体と共に封入したヒートパイプがある(例えば特許文献1参照)。
特開2012−132582号公報
金属箔を冷却対象物に接触させるときに、金属箔が冷却対象物以外の金属部分に接触して電気的に短絡させてしまうことを防止すべく、金属箔を絶縁性の部材で覆うことが考えられる。しかし、金属箔が絶縁部材を介して冷却対象物から受熱すると、伝熱性(熱の伝わりやすさ)が低くなり、冷却効率も低くなる。
本願の開示技術は、冷却対象からの伝熱性を高めて冷却効率を高くすることが目的である。
本願の開示する技術では、含浸部材と、該含浸部材が内部に密封された金属製の密封部材の間に、気体状の作動流体の移動を可能とする流路を形成し、密封部材において流路側から外側に凸部を形成する。
本願の開示する技術によれば、冷却対象からの伝熱性が高くなり、冷却効率が高くなる。
図1は第1実施形態のヒートパイプを示す平面図である。 図2は第1実施形態のヒートパイプを示す図1の2−2線断面図である。 図3は第1実施形態のヒートパイプを示す図1の3−3線断面図である。 図4は第1実施形態のヒートパイプを示す図1の4−4線断面図である。 図5Aは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す断面図である。 図5Bは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す断面図である。 図5Cは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す断面図である。 図5Dは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す断面図である。 図5Eは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す断面図である。 図5Fは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す平面図である。 図5Gは第1実施形態のヒートパイプの製造工程の一部を示す平面図である。 図6は第2実施形態のヒートパイプを図2と同様の断面で示す断面図である。 図7は第3実施形態のヒートパイプを図2と同様の断面で示す断面図である。 図8は第4実施形態のヒートパイプを図2と同様の断面で示す断面図である。 図9は第5実施形態のヒートパイプを図2と同様の断面で示す断面図である。
第1実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4には、第1実施形態のヒートパイプ12が示されている。また、図2〜図4には、発熱体14及びヒートパイプ12が搭載された基板16を有する電子機器18が示されている。
ヒートパイプ12は、図1から分かるように、平面視で、長方形(正方形を含む)のシート状に形成されている。以下において、ヒートパイプ12の縦方向、横方向及び高さ(厚み)方向をそれぞれ、矢印L、矢印W及び矢印Hで示す。また、「平面視」というときは、矢印A1方向に見ることを言う。なお、上記した縦方向、横方向及び高さ方向は、説明の便宜のためであり、実際のヒートパイプ12の使用時の方向は、これらの方向に限定されない。
図2〜図4に示すように、ヒートパイプ12は、下側から順に積層された下側絶縁シート20、下側金属箔22、含浸部材24、上側金属箔26及び上側絶縁シート28を有している。下側絶縁シート20は、絶縁部材の一例である。
上側金属箔26は、平面視で長方形に形成されている。下側金属箔22は、上側金属箔26と同形状の板部30を有している。板部30の周囲からは、板部30から垂直に枠状の枠部32が立設されている。枠部32の先端は上側金属箔26に溶接等によって接合されている。上側金属箔26と下側金属箔22との間に、密閉された空隙34が生じている。
下側金属箔22の板部30の一部には、上側金属箔26の反対側、すなわちヒートパイプ12の外側へと突出する変位部36が形成されている。変位部36は、ヒートパイプ12の外側から見ると凸部38であり、ヒートパイプ12の内側(空隙34側)から見ると凹部40である。図1に示すように、本実施形態では、変位部36は平面視で長方形状である。
空隙34には、含浸部材24が配置されている。換言すれば、空隙34は、上側金属箔26及び下側金属箔22によって密封されている。上側金属箔26と下側金属箔22とはいずれも、密封部材の一例である。換言すれば、上側金属箔26は密封部材の一部であり、下側金属箔22も密封部材の一部である。
そして、空隙34(すなわち密封部材の内部)において、凹部40が形成された部分に対応する凹部形成部分42と、凹部40が形成されていない部分に対応する凹部非形成部分44とが生じている。
含浸部材24は、ヒートパイプ12内で、液状の作動流体を含浸する材料、一例として多孔質体で形成されている。作動流体としては、たとえば水や不凍液を挙げることができる。
含浸部材24は、空隙34の高さH1(図2参照)よりも薄い板状の平板部46を有している。平板部46は、上側金属箔26に接触している。
含浸部材24の平板部46からは、下側金属箔22に向かう複数の柱部48が突出されている。図3及び図4から分かるように、柱部48の先端は下側金属箔22に接触している。特に、凹部非形成部分44だけでなく、凹部形成部分42においても、柱部48は下側金属箔22(凹部40)に接触している。
本実施形態では、図1、図3及び図4に示すように、複数の柱部48は、縦方向(矢印L方向)及び横方向(矢印W方向)にそれぞれ一定の間隔K1、K2を開けて形成されている。間隔K1と間隔K2は等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
含浸部材24の平板部46には、突出部47が形成されている。突出部47は、下側金属箔22における凸部38の裏側、すなわち凹部40と対向している。含浸部材24は、突出部47が形成されている部分では、突出部47が形成されていない部分と比較して、より多くの作動流体を含浸できる。
平板部46の下面46Bと、下側金属箔22の上面22Aとの間は、気体状の作動流体が移動可能な流路50となっている。図2から分かるように、本実施形態では、凹部40の深さD1よりも、凹部40における流路50の高さH2の方が高い。これにより、流路50は、凹部形成部分42と凹部非形成部分44とで連続している。
上側絶縁シート28及び下側絶縁シート20は、いずれも、絶縁性を有する材料、たとえば樹脂によってシート状に形成されている。上側絶縁シート28は、平面視で上側金属箔26と同形状に形成されており、全面にわたって、上側金属箔26に接触している。
これに対し、下側絶縁シート20は、平面視で下側金属箔22と同形状に形成され、さらに、変位部36と同位置に変位部36と同形状の孔部52が形成されている。また、図2に示すように、下側絶縁シート20の厚みT1は、凸部38の突出高さH3と同じである。
したがって、下側絶縁シート20は、下側金属箔22に接触されると、孔部52から凸部38の先端面38Tが露出する。このとき、孔部52の孔壁面52Uと凸部38の側面38Sとが接触する。また、下側絶縁シート20の厚みT1は、凸部38の突出高さH2と同じなので、変位部36の先端面38Tと下側絶縁シート20の下面20Bとが同一平面を成す(いわゆる面一になる)。
図1に示すように、上側金属箔26と下側金属箔22の間の一部には、排出管54及び流入管56が設けられている。排出管54及び流入管56と上側金属箔26及び下側金属箔22の間は密着されており、流体がヒートパイプ12の内外で移動することはない。また、排出管54の先端及び流入管56の先端は封止されており、流体がヒートパイプ12の外部に漏れ出したり、ヒートパイプ12の外部から空気等の気体が流入したりすることはない。排出管54の先端及び流入管56の先端を封止する前の状態では、排出管54及び流入管56の内側は、密封部材の内部と外部とを貫通する貫通孔106である(図5F参照)。
次に、ヒートパイプ12の製造方法の一例を説明する。
図5Aに示すように、上側絶縁シート28と上側金属箔26とを重ね合わせてラミネートし、上側積層シート102を形成する。
また、図5Bに示すように、下側絶縁シート20と下側金属箔22とを重ね合わせてラミネートし、下側積層シート104を形成する。下側絶縁シート20には孔部52があらかじめ形成されている。下側金属箔22には変位部36(凸部38及び凹部40)があらかじめプレス加工等により形成されている。そして、下側絶縁シート20の孔部52に下側金属箔22の変位部36を位置させておく。
さらに、図5Cに示すように、多孔質体等の含浸性を有する材料を成形金型で加工(たとえばプレス加工)し、平板部46、突出部47及び柱部48を有する含浸部材24を形成する。
上側積層シート102の形成、下側積層シート104の形成及び含浸部材24の形成の順序は特に限定されない。
そして、図5Dに示すように、含浸部材24を上側積層シート102と下側積層シート104とで挟むように配置して含浸部材24の全周囲を取り囲んだ状態とする。このとき、含浸部材24は、上側積層シート102と下側積層シート104のいずれか一方若しくは双方に接着されてもよいが、接着されなくてもよい。
図5Eに示すように、上側金属箔26の周縁と下側金属箔22の周縁(枠部32の先端)を接触させ、上側金属箔26と下側金属箔22を溶接等により接合する。すなわち、上側金属箔26と下側金属箔22とで、含浸部材24を密封する。このとき、図5Fに示すように、上側金属箔26と下側金属箔22の間に、排出管54及び流入管56を挿入し、排出管54及び流入管56と上側金属箔26及び下側金属箔22の間を融着等で接合する。この段階では、排出管54及び流入間56は封止されていない。すなわち、上側金属箔26と下側金属箔22とで囲まれた内部(空隙34)と外部とは、排出管54及び流入管56の内部(貫通孔106)でのみ連通している。
ここで、真空ポンプ等により、排出管54を通じて空隙34を減圧させる。また、液状の作動流体(たとえば脱気済みの水)を流入管56を通じて空隙34内に供給する。作動流体の供給後に、排出管54及び流入管56を押し潰すこと等で封止し、ヒートパイプ12が得られる。
このように、上記したヒートパイプ12の製造方法では、あらかじめ平板部46と柱部48とが形成された多孔質体の含浸部材24を上側金属箔26と下側金属箔22の間に配置し、上側金属箔26と下側金属箔22とを接合している。含浸部材24(多孔質体)と上側金属箔26及び下側金属箔22とを同時にプレス加工しないので、多孔質体の孔の潰れを抑制できる。
そして、下側金属箔22の加工はプレス加工で行うことで、製造が容易であり、且つ低コストで製造できる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図2〜図4に示すように、本実施形態のヒートパイプ12では、下側金属箔22に凸部38が形成されているので、凸部38の先端面38Tを、たとえば基板16上の発熱体(冷却対象の一例)14に接触させることができる。
凸部38と発熱体14との接触により、空隙34内では、凹部形成部分42側において作動流体が気化する。ここで、流路50は、凹部形成部分42と凹部非形成部分44とで連続しているので、気体状の作動流体は、凹部形成部分42側から凹部非形成部分44側へと移動する。そして、凹部非形成部分44側で冷却により液化された作動流体は、含浸部材24に含浸され、凹部形成部分42側へ移動する。このような作動流体の相転移及び移動により、発熱体14の熱を移動させることができる。凹部非形成部分44側に放熱部材等を配置し、ヒートパイプ12の熱を放熱部材等に伝熱したり、あるいは大気中に放熱したりすることで、発熱体14を効率的に冷却することも可能である。
このように、本実施形態のヒートパイプ12では、凸部38の先端面38Tに対し、発熱体14から熱が伝わりやすく、発熱体14に対する冷却対象からの伝熱性が高い。そして、密封部材内部(上側金属箔26及び下側金属箔22の間の空隙34)で流路50が連続しているので、確実に熱を凹部形成部分42側から凹部非形成部分44側に移動させることができ、熱交換効率(冷却効率)が高い。
そして、電子機器18としても、基板16に搭載された発熱体14からヒートパイプ12への伝熱性が高く、発熱体14に対する冷却効率が高い。
また、本実施形態のヒートパイプ12では、下側金属箔22において、凸部38の周囲、すなわち凸部38以外の部分は下側絶縁シート20で覆われている。したがって、凸部38以外の下側金属箔22が、基板16上の部材に接触して電気的に短絡することを抑制できる。
そして、下側絶縁シート20に孔部52を形成することで、凸部38の先端面38Tが露出しているので、この露出した先端面38Tを発熱体14に確実に接触させることが可能である。
下側絶縁シート20の孔部52は、凸部38と同位置且つ同形状に形成され、孔部52の孔壁面52Uが凸部38の側面38Sとが接触している。このため、凸部38の周囲では、凸部38以外の下側金属箔22を下側絶縁シート20で確実に覆うことができる。たとえば、孔部52の孔壁面52Uと凸部38の側面38Sとの間に隙間が生じない。
第1実施形態では、下側絶縁シート20の厚みT1は、凸部38の突出高さH3と等しく、下側絶縁シート20の下面20Bと、凸部38の先端面38Tとが同一平面を成している。下側絶縁シート20が凸部38から出っ張らないので、先端面38Tよりも発熱体14が大きい場合でも、発熱体14において先端面38Tとの対向部分は、先端面38Tに接触する。
含浸部材24は、平板部46と柱部48とを有している。平板部46は、凹部形成部分42と凹部非形成部分44とで連続しているので、凹部非形成部分44から凹部形成部分42まで、含浸された作動液を確実に移動させることができる。
また、含浸部材24の平板部46が上側金属箔26に接触し、柱部48の先端が下側金属箔22に接触している。柱部48の先端が下側金属箔22に接触することで、柱部48は空隙34のスペーサとして機能するので、流路50を確実に維持できる。
特に、一部の柱部48の先端は、凹部40における下側金属箔22に接触しており、凹部40を流路50側から支持しているので、突出部36、すなわち凸部38の形状維持に寄与できる。
複数の柱部48は、互いに一定の間隔を開けて形成されている。このように一定の間隔をあけることで、流路50の断面積の局所的な変化が少なくなり、液状の作動流体の流れがスムーズになる。また、柱部48は、空隙34内で局所的な偏りがなく存在しているので、柱部48のスペーサとしての機能も、空隙34内で偏ることが抑制される。
上記第1実施形態では、下側絶縁シート20の厚みが凸部38の高さと等しく、且つ孔部52の位置及び形状が凸部38の位置及び形状と一致している構造を例に挙げている。しかし、以下の各実施形態に示すように、下側絶縁シート20の形状は、上記に限定されない。以下の各実施形態では、下部絶縁シートの形状は第1実施形態と異なっているが、ヒートパイプの構造は同一であるので、同一部材については、第1実施形態と同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図6には、第2実施形態のヒートパイプ62と、このヒートパイプ62を有する電子機器68が、第1実施形態における図2と同様の断面で示されている。なお、以下の各実施形態において、電子機器の全体的構造は、第1実施形態と同一の構造を採りうるので、詳細な説明を省略する。
第2実施形態のヒートパイプ62の下側絶縁シート64の厚みT2は、凸部38の突出高さH3よりも薄い。したがって、凸部38の先端側が、下側絶縁シート64よりも突出している。
第2実施形態のヒートパイプ62においても、凸部38の先端面38Tを発熱体14に直接的に接触させることが可能である。また、下側金属箔22において、凸部38の周囲、すなわち凸部38以外の部分は下側絶縁シート64で覆われている。したがって、凸部38以外の下側金属箔22が、基板16上の部材に接触して、電気的に短絡することを抑制できる。
図7には、第3実施形態のヒートパイプ72と、このヒートパイプ72を有する電子機器78が、第1実施形態における図2と同様の断面で示されている。
第3実施形態のヒートパイプ72では、第1実施形態の下側絶縁シート20や、第2実施形態の下側絶縁シート64は設けられていない。
第3実施形態のヒートパイプ72においても、凸部38の先端面38Tを発熱体14に直接的に接触させることが可能である。また、下側金属箔22において、凸部38の周囲、すなわち凸部38以外の部分は、基板16から離間している。すなわち、凸部38以外の下側金属箔22は基板16上の部材と非接触なので、基板16上の部材を電気的に短絡することを抑制できる。
図8には、第4実施形態のヒートパイプ82と、このヒートパイプ82を有する電子機器88が、第1実施形態における図2と同様の断面で示されている。
第4実施形態のヒートパイプ82の下側絶縁シート84の厚みT4は、凸部38の突出高さH3よりも厚い。
第4実施形態のヒートパイプ82においても、図8に実線で示す発熱体14のように、下側絶縁シート84の孔部52よりも小さければ、凸部38の先端面38Tを発熱体14に直接的に接触させることが可能である。
また、第4実施形態にヒートパイプ82において、図8に二点鎖線で示す発熱体58のように、下側絶縁シート84の孔部52よりも大きければ、発熱体58と凸部38の先端面38Tとの間に隙間G1が生じることがある。しかし、隙間G1が生じていても、凸部38が形成されていない構造と比較すると、凸部38の先端面38Tは発熱体58に近い位置にあるので、発熱体58からの熱が伝わりやすい。
また、下側金属箔22において、凸部38の周囲、すなわち凸部38以外の部分は下側絶縁シート84で覆われている。したがって、凸部38以外の下側金属箔22が、基板16上の部材に接触して、電気的に短絡することを抑制できる。
図9には、第5実施形態のヒートパイプ92と、このヒートパイプ92を有する電子機器98が、第1実施形態における図2と同様の断面で示されている。第5実施形態のヒートパイプ92の下側絶縁シート94の厚みT5は、凸部38の突出高さH3よりも厚い。そして、凸部38の先端面38Tが、下側絶縁シート94の薄肉部96によって覆われている。
第5実施形態のヒートパイプ92では、凸部38の先端面38Tは、下側絶縁シート94の薄肉部96を介して発熱体14と対向する。薄肉部96を介して発熱体14の熱が凸部38に伝わるが、薄肉部96は、下側絶縁シート94の他の部位(薄肉部96以外の部位)よりも薄肉なので、発熱体14から熱が凸部38に伝わりやすい。
また、下側金属箔22において、凸部38の周囲、すなわち凸部38以外の部分は下側絶縁シート94で覆われている。したがって、凸部38以外の下側金属箔22が、基板16上の部材に接触して、電気的に短絡することを抑制できる。
なお、第5実施形態において、薄肉部96は、下側絶縁シート94とは別体であってもよい。
そして、上記第2〜第5実施形態のいずれにおいても、流路50は、凹部形成部分42と凹部非形成部分44とで連続している。このため、気体状の作動流体を流路50内で確実に移動させて、発熱体14から吸熱し、発熱体14を効率的に冷却することが可能である。
上記各実施形態では、密封部材が、複数枚の金属箔(上に挙げた例では上側金属箔22及び下側金属箔26の2枚であるが3枚以上でもよい)で形成されている。密封部材としては、金属箔以外の部材、たとえば、金属製の中空状のブロックとすることも可能である。上記実施形態のように、複数枚の金属箔を用いれば、金属箔を溶接等により接合することで密封部材を容易に形成できると共に、密封部材の構造を簡略化できる。そして、金属箔の少なくとも1枚を局所的に変形させる(変位部36を形成する)ことで、凸部38を容易に形成できる。
なお、凸部38は複数形成されていてもよい。複数の凸部38は1枚の金属箔に形成されていてもよいし、複数の金属箔に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、含浸部材24に突出部47が形成された例を挙げている。含浸部材47は、この突出部47の部位では多くの液状の作動流体を含浸できる。特に、突出部47は、凸部38の裏側の凹部40と対向しているので、この凹部40が形成された部位で、より多くの作動流体を含浸できる。そして、凹部の深さD1よりも、凹部40における流路50の高さH2の方が高いので、流路50が凹部形成部分42と凹部非形成部分44とで連続した構造を確実に実現できる。
上記では、下側金属箔22に凹部40が形成された例を挙げたが、凹部40が形成されていない下部金属箔を有するヒートパイプであってもよい。
本実施形態の電子機器18としては、携帯電話や携帯型情報処理端末、パーソナルコンピュータやサーバ等(情報処理装置)を挙げることができる。要するに、基板16上に搭載された発熱体14をヒートパイプ12によって放熱する構造の機器であればよい。
また、電子機器においては、情報を処理する装置に限定されず、例えば、他の外部装置へ安定的に電力を供給する電力供給装置等であってもよい。ヒートパイプ12はシート状に形成されているので、電子機器の内部の狭小部分に配置し、発熱体14の熱を放熱部材まで移動させることが可能である。
発熱体14としては、集積回路等の半導体部品を挙げることができるが、要するに、ヒートパイプによって吸熱されることで冷却される部材、すなわち冷却対象部材であれば、半導体部品に限定されない。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
液状の作動流体が含浸される含浸部材と、
前記含浸部材が内部に密封された金属製の密封部材と、
前記含浸部材と前記密封部材の間に形成され気体状の作動流体の移動を可能とする流路と、
前記密封部材において前記流路側から外側に形成された凸部と、
を有するヒートパイプ。
(付記2)
前記密封部材が複数枚の金属箔により形成され、
前記凸部が前記金属箔の少なくとも1枚を局所的に変形させて形成されている付記1に記載のヒートパイプ。
(付記3)
前記含浸部材に形成された突出部と対向する前記金属箔における前記凸部の裏側に凹部が形成され、
前記凹部の深さよりも、前記凹部における前記流路の高さが高い付記2に記載のヒートパイプ。
(付記4)
前記密封部材の前記凸部が形成された部分の少なくとも周囲を覆う絶縁部材を有する付記1〜付記3のいずれか1つに記載のヒートパイプ。
(付記5)
前記絶縁部材に、前記凸部の少なくとも先端面を露出させる孔部が形成されている付記4に記載のヒートパイプ。
(付記6)
前記孔部の孔壁面が前記凸部の側面に接触している付記5に記載のヒートパイプ。
(付記7)
前記絶縁部材の厚みが、前記凸部の高さと等しい付記5又は付記6に記載のヒートパイプ。
(付記8)
前記含浸部材が、
平板状の平板部と、
前記平板部から平板部の厚み方向に突出し先端が前記密封部材の内面に接触する柱部と、
を有する付記1〜付記7のいずれか1つに記載のヒートパイプ。
(付記9)
前記柱部が、互いに一定の間隔を空けて複数形成されている付記8に記載のヒートパイプ。
(付記10)
前記柱部の一部が前記凹部における前記金属箔に接触している付記3を引用する付記8又は付記9に記載にヒートパイプ。
(付記11)
平板状の平板部と前記平板部から平板部の厚み方向に突出する柱部と、を有する含浸部材に対し、
複数枚の金属箔で前記含浸部材の全周囲を取り囲んだ状態で複数の貫通孔を残して前記含浸部材を密封して密封部材を形成し、
前記貫通孔を通じて前記密封部材内からの気体排出と液状の作動流体の注入を行った後、前記貫通孔を封止するヒートパイプ製造方法。
(付記12)
液状の作動流体が含浸される含浸部材と、前記含浸部材が内部に密封された金属製の密封部材と、前記含浸部材と前記密封部材の間に形成され気体状の作動流体の移動を可能とする流路と、前記密封部材において前記流路側から外側に形成された凸部と、を備えたヒートパイプと、
発熱体が搭載され、前記凸部の先端面が前記発熱体に接触する基板と、
を有する電子機器。
12 ヒートパイプ
14 発熱体
16 基板
18 電子機器
20 下側絶縁シート(絶縁部材)
22 下側金属箔(密封部材の一部)
24 含浸部材
26 上側金属箔(密封部材の一部)
36 変位部
38 凸部
38T 先端面
38S 側面
40 凹部
42 凹部形成部分
44 凹部非形成部分
47 突出部
48 柱部
50 流路
52 孔部
52U 孔壁面
54 排出管
56 流入管
58 発熱体
62 ヒートパイプ
64 下側絶縁シート(絶縁部材)
72 ヒートパイプ
82 ヒートパイプ
84 下側絶縁シート(絶縁部材)
92 ヒートパイプ
94 下側絶縁シート(絶縁部材)

Claims (7)

  1. 液状の作動流体が含浸される含浸部材と、
    前記含浸部材が内部に密封された金属製の密封部材と、
    前記含浸部材と前記密封部材の間に形成され気体状の作動流体の移動を可能とする流路と、
    前記密封部材において前記流路側から外側に形成された凸部と、
    を有するヒートパイプ。
  2. 前記密封部材が複数枚の金属箔により形成され、
    前記凸部が前記金属箔の少なくとも1枚を局所的に変形させて形成されている請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 前記含浸部材に形成された突出部と対向する前記金属箔における前記凸部の裏側に凹部が形成され、
    前記凹部の深さよりも、前記凹部における前記流路の高さが高い請求項2に記載のヒートパイプ。
  4. 前記密封部材の前記凸部が形成された部分の少なくとも周囲を覆う絶縁部材を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
  5. 前記絶縁部材に、前記凸部の少なくとも先端面を露出させる孔部が形成されている請求項4に記載のヒートパイプ。
  6. 平板状の平板部と前記平板部から平板部の厚み方向に突出する柱部と、を有する含浸部材に対し、
    複数枚の金属箔で前記含浸部材の全周囲を取り囲んだ状態で複数の貫通孔を残して前記含浸部材を密封して密封部材を形成し、
    前記貫通孔を通じて前記密封部材内からの気体排出と液状の作動流体の注入を行った後、前記貫通孔を封止するヒートパイプ製造方法。
  7. 液状の作動流体が含浸される含浸部材と、前記含浸部材が内部に密封された金属製の密封部材と、前記含浸部材と前記密封部材の間に形成され気体状の作動流体の移動を可能とする流路と、前記密封部材において前記流路側から外側に形成された凸部と、を備えたヒートパイプと、
    発熱体が搭載され、前記凸部の先端面が前記発熱体に接触する基板と、
    を有する電子機器。
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