JP2015101615A - カーボンブラック分散液およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の樹脂型分散剤と比較して、低粘度かつ高濃度な分散性、貯蔵安定性に優れたN−メチル−2−ピロリドンを溶剤とするカーボンブラック分散液を提供すること。また、均質で良好な塗膜物性と表面抵抗の低い電池電極合材層およびそれを具備してなるリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】カーボンブラックと、分散剤としての、ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンとを含有するカーボンブラック分散液であって、カーボンブラック100重量部に対する分散剤としてのポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体の合計量が50重量部以下であり、かつ、ポリビニルアルコールが、繰り返し単位を重合体鎖中に50〜95mol%含有することを特徴とするカーボンブラック分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散性、貯蔵安定性に優れたカーボンブラック分散液に関する。また、該分散液を使用した電池電極合材層およびリチウムイオン二次電池に関する。
電池分野において、カーボンブラックは、導電助剤として広く用いられているが、電池電極合材層を形成する際、生産プロセスを効率化して短縮するためには、カーボンブラックを溶剤中に、いかに高濃度かつ均一に分散して、容易に塗工可能とするかが重要である。
近年、特に環境や生産コストへの配慮から、従来よりも、より高濃度かつ均一に分散されたカーボンブラック分散液を作製することによって、溶剤使用量を低減することや乾燥時の使用エネルギーを低減することが求められている。
これらの要求は、溶剤のコストや乾燥時の使用エネルギーに大きな影響があることから、使用する溶剤が高価であるほど、または、使用する溶剤が高沸点であるほど重要になる。非水系二次電池で使用されるN−メチル−2−ピロリドンは、一般的な溶剤と比較して高価であり、さらに200℃以上と沸点が非常に高いため、溶剤を回収する際に多くのエネルギーを必要とすることから、分散液における溶剤使用量の低減が強く求められている。
多量のカーボンブラックを溶剤中に分散するためには、カーボンブラックの表面に分散剤を吸着処理して分散安定な状態にすることが、特に有効な方法であり、様々な分散剤を用いたカーボンブラック分散液が提案されている。
例えば、特許文献1、2には、カーボンブラックに対して酸性または塩基性の有機色素誘導体を吸着させつつカーボンブラックを分散させることで、カーボンブラックの導電性を阻害せずに分散安定化を図った電池用組成物が記載されている。
しかしながら、分散剤として有機色素誘導体を用いて得た、電極活物質を含有するカーボンブラック分散液(以下、電極合材液と呼ぶ)を塗膜基板に塗工した場合、電極合材層と塗膜基板の密着性が不十分な場合があり、電極合材層が塗膜基板から意図せずに剥離する恐れがあるという問題があった。
上記の密着性の問題を解決するために、例えば特許文献3では、カーボンブラックを分散するための分散剤として色素誘導体型分散剤と高分子ポリマー型分散剤(以下、樹脂型分散剤と呼ぶ)とを併用して用いることで、色素誘導体型分散剤が有する分散剤としての性能を利用しつつ密着性が良好な正極板を作製できることが記載されている。特に、色素誘導体型分散剤としてオキサジン誘導体を、樹脂型分散剤としてポリビニルブチラールを、特定の比率範囲で併用して用いた場合に、正極合材液の粘度と密着性のバランスについて両立出来ることが記載されている。
しかしながら、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤としてカーボンブラックを分散するための分散剤として公知であるポリビニルアセタール等の樹脂型分散剤は、分散剤としての性能が充分ではなく、カーボンブラック分散液の濃度を向上させ、かつその貯蔵安定性を良好にするためには、分散剤として多量の色素誘導体型分散剤を添加する必要があった。さらに、例えば特許文献5に記載されているように、ポリビニルアセタールはエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の非水電解液に対する耐性が低いという問題があった。
ポリビニルアセタール等の非水電解液に対して溶解しやすい高分子を分散剤として用いた場合、二次電池に使用する非水電解液の種類や組成次第では、分散剤の非水電解液に対する耐性が充分では無く塗膜性状が安定しない懸念があるため、非水電解液に対する耐性がより高く、得られる塗膜の塗膜物性が安定であり、かつ、N−メチル−2−ピロリドン溶剤中での分散剤としての能力がより優れた樹脂型分散剤の開発が求められていた。
一方、特許文献5、6には、カーボンブラック、未変性又は変性ポリビニルアルコール、及びN−メチル−2−ピロリドンを含有する塗工液が記載されており、また、特許文献5には、前記塗工液に正極活物質又は負極活物質を添加して、リチウムイオン二次電池の電極板を製造することが記載されている。しかしながら、これら特許文献5、6におけるポリビニルアルコール類は、結合剤(樹脂バインダー)として多量に使用されており、ポリビニルアルコール類を分散剤として使用するという技術的思想はない。
また、特許文献3、4では、ポリビニルアルコールを分散剤の1つとして、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤の1つとして用いる可能性が示唆されている。しかし、使用するカーボンブラック、溶剤種、分散剤の物理的、化学的性質は互いに密接な関係にあるが、N−メチル−2−ピロリドンという特定の溶剤を使用した場合において、どのような物理的、化学的性質を有するポリビニルアルコール類が分散剤として良好に機能し得るのかということについては何ら言及されておらず、また、本来高分子を特徴付けるパラメータであるはずの、分子構造、官能基比率や分子量などと、樹脂型分散剤として機能するための条件との関連性は依然として不明であった。
一般的な完全けん化型ポリビニルアルコールはN−メチル−2−ピロリドンに対して不溶であり、かつ分散剤として機能せず、さらに、その前駆体原料であるポリ酢酸ビニル等のポリビニルエステルについても同様に分散剤として充分に機能しないことを発明者は見出した。
一般に、分散剤を使用してカーボンブラックを分散する場合、分散剤の量が極端に少なくなるとカーボンブラックの分散性は悪化し、逆に分散剤の量が非常に多くなると分散性は良好になるものの、電池用途で使用する場合には、樹脂型分散剤の非水電解液に対する耐性が充分ではない、および、分散剤が絶縁成分として機能して抵抗値が高くなり導電性が悪化する、といった悪影響を電池特性に及ぼすことが予想される。
しかしながら、高濃度かつ均一に分散されたカーボンブラック分散液を得るために、使用するカーボンブラック、溶剤種、分散剤の物理的、化学的性質はもとより、それらの量的関係についてまで詳細に検討された例は報告されておらず、N−メチル−2−ピロリドンという特定の溶剤と、ポリビニルアルコール類、および、有機色素誘導体またはトリアジン誘導体(以下、合わせて顔料誘導体と呼ぶ)とを分散剤として使用する場合に、カーボンブラックとポリビニルアルコール類と顔料誘導体の物理的、化学的性質、さらには、それらの量的関係が、カーボンブラック分散液や電池電極合材層、電池特性へどのように影響するのかについては何ら検討されていないのが実状であった。
また、一般に、リチウムイオン二次電池用電極を製造する際には、電池中の結合剤に用いる高分子材料によって電極合材液の作製に用いる溶剤が決定される。現在、リチウムイオン二次電池用電極の生産においては、電極を形成するために特に好適な結合剤としてポリフッ化ビニリデンが、ポリフッ化ビニリデンを溶かすための溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンが、一般に用いられている。N−メチル−2−ピロリドンは沸点が202℃と非常に高く、そのために、電極合材液の乾燥には多量のエネルギーと時間を費やす必要があった。この問題を解決するために、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤とした、出来るだけ高濃度な電極合材液を得る試みが行われてきた。
リチウムイオン二次電池の電極合材液用のカーボンブラック分散液に求められるもう1つの性能として、分散剤添加量は極力少ない方が望ましいことが挙げられる。これは、分散剤を添加した分だけ、電極膜における他の電極構成成分の比率が下がるためである。
国際公開第2008/108360号 特開2009−26744号公報 特開2013−89485号公報 特開2011−70908号公報 国際公開第2009/147989号 国際公開第2011/024799号
以上の状況を鑑み、本発明では、従来公知の樹脂型分散剤と比較して、得られるカーボンブラック分散液を顕著に低粘度化すること、すなわち、達成できるカーボンブラック濃度が顕著に高く、カーボンブラックの分散性と分散液の貯蔵安定性に優れた、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤とするカーボンブラック分散液を提供することが課題である。また、均質で良好な塗膜物性と、表面抵抗が低く、かつ非水電解液に対する樹脂型分散剤の耐性が良好で安定した塗膜物性を有する電池電極合材層を提供することが課題である。
本発明者らは、カーボンブラック、溶剤種、分散剤の物理的、化学的性質に着目し、それらの量的関係についてまで詳細に検討した結果、カーボンブラックと、有機色素誘導体またはトリアジン誘導体と、一般式(A)で表される繰り返し単位を重合体鎖中に特定の比率で有するポリビニルアルコールの使用量との間に、分散性に大きく寄与する臨界的範囲があること、および、これらが一定の範囲内である場合に高濃度、低粘度、かつ長期保存安定性が良好なカーボンブラック分散液を製造でき、さらに、表面抵抗値が低く、分散剤の非水電解液への耐性が良好な電池電極合材層が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の実施態様は、カーボンブラックと、分散剤としての、ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンとを含有するカーボンブラック分散液であって、上記カーボンブラック100重量部に対する上記分散剤としての、ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体の合計量が50重量部以下であり、かつ、上記ポリビニルアルコールが、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を重合体鎖中に50〜95mol%含有することを特徴とするカーボンブラック分散液に関する。

一般式(A)
Figure 2015101615
また、本発明の実施態様は、上記分散剤が、上記ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体であることを特徴とする、上記カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、上記ポリビニルアルコールが、上記一般式(A)で表される繰り返し単位を重合体鎖中に55〜85mol%含有することを特徴とする、上記カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、ポリビニルアルコールとトリアジン誘導体との合計量、またはポリビニルアルコールと有機色素誘導体との合計量が、カーボンブラック100重量部に対して、0.5重量部以上、40重量部以下であることを特徴とする上記カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、カーボンブラック100重量部に対して、ポリビニルアルコールが0.2重量部以上、20重量部以下であることを特徴とする上記カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、カーボンブラック100重量部に対して、ポリビニルアルコールが0.2重量部以上、8重量部以下であることを特徴とする上記カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、上記カーボンブラック分散液に、さらに、正極活物質または負極活物質を含有してなる電池用カーボンブラック分散液に関する。
また、本発明の実施態様は、上記カーボンブラック分散液または上記電池用カーボンブラック分散液を塗布してなる電池電極合材層に関する。
また、本発明の実施態様は、集電体上に正極合材層を有する正極と、集電体上に負極合材層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウムイオン二次電池であって、正極および負極の少なくとも一方が、上記電池電極合材層を具備してなるリチウムイオン二次電池に関する。
本発明により、従来公知の色素誘導体型分散剤を単独で用いた場合よりも、塗膜基板に対する密着性が良好な塗膜を得ることができ、かつ、従来公知の樹脂型分散剤を単独または有機色素誘導体を併用して用いた場合よりも、顕著に低粘度なカーボンブラック分散液を得ることができ、密着性を維持しつつカーボンブラック濃度を高くすることが可能となる。その結果、従来よりも高濃度なカーボンブラック分散液を提供できるようになり、N−メチル−2−ピロリドン溶剤の使用量を大幅に低減できると共に、塗工した塗膜の乾燥プロセスも大幅に短縮することが出来るようになる。また、カーボンブラックの分散性と分散液の貯蔵安定性に優れた、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤とするカーボンブラック分散液を提供することが可能となる。
また、該分散液を用いて二次電池用電極合材液を調製した場合、低粘度であることから電極活物質粉体の添加や混練が容易になり、さらに、各電極成分が高濃度な電極合材液を用いても、均質で良好な塗膜を得ることが出来るため、表面抵抗値の低い電池電極合材層を得る事が可能となる。
さらに、該分散液を用いて電池電極合材層を作製した場合、非水電解液に対する耐性が良好となり、より塗膜物性が安定した電池電極合材層を得ることが可能となる。
以下、本発明の詳細を説明する。尚、本明細書では、「カーボンブラック分散液」および「電池用カーボンブラック分散液」を「分散液」、「有機色素誘導体またはトリアジン誘導体」を「顔料誘導体」、「ポリビニルアルコールおよび顔料誘導体」を「分散剤」、「N−メチル−2−ピロリドン」を「NMP」と略記することがある。
<カーボンブラック>
本発明に用いるカーボンブラックとしては、市販のファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど各種のものを用いることができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボンブラック、黒鉛化処理されたカーボンブラック、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなども使用できる。
カーボンブラックの酸化処理は、カーボンブラックを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることによって、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基のような酸素含有極性官能基をカーボンブラック表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンブラックの分散性を向上させるために一般的に行われている。
本発明で用いるカーボンブラックは、特に限定されるものではないが、アセチレンブラックやファーネスブラックなど、高い導電性を有し、かつ工業的に生産されるカーボンブラックが好適に用いられる。
また、分散液の製造に用いるカーボンブラックの平均一次粒子径としては、一般的な分散液や塗料に用いられるカーボンブラックの平均一次粒子径範囲と同様に0.01〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましく、0.01〜0.1μmがさらに好ましい。ここでいう平均一次粒子径とは、電子顕微鏡で測定された算術平均粒子径を示し、この物性値は一般にカーボンブラックの物理的特性を表すのに用いられている。
カーボンブラックの物理的特性を表すその他の物性値としては、BET比表面積やpHが知られている。BET比表面積は、窒素吸着によりBET法で測定された比表面積(以下、単に比表面積と記載)を指し、この比表面積はカーボンブラックの表面積に対応しており、比表面積が大きいほど分散剤を必要とする量も多くなる。pHはカーボンブラック表面の官能基や含有不純物の影響を受けて変化する。
<ポリビニルアルコール>
本発明では、分散剤としてポリビニルアルコールを用いる。すなわちポリビニルアルコールをバインダーとしてではなく分散剤として使用する。本発明で用いるポリビニルアルコールの製造方法については特に制限はないが、以下、ポリ酢酸ビニルを原料とし、これをけん化することによって得られたポリビニルアルコールについて記述する。
一般に、ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合させて得られたポリ酢酸ビニルを原料とし、このポリ酢酸ビニルをけん化して、アセチル基を水酸基に置換することによって得られる。この合成プロセスのために、ポリビニルアルコールはアセチル基と水酸基を有し、その比率はけん化度として表される。
なお、本発明におけるけん化度とは、ポリビニルアルコール中に含まれる一般式(A)で表される繰り返し単位の割合(モル%)を表す。例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得たポリビニルアルコールの場合、ポリビニルアルコール中に含まれるビニルアルコール骨格に由来した水酸基数を、酢酸ビニル骨格に由来したアセチル基数とビニルアルコール骨格に由来した水酸基数の和で除した値を意味する。
本発明で使用するポリビニルアルコールは、ポリビニルエステル、特にポリ酢酸ビニルをけん化することによって得られるポリビニルアルコールが主に使用されるが、これに限定されない。また、けん化度は50〜95mol%のものが好ましく、55〜92mol%のものがより好ましく、55〜85mol%のものがさらに好ましく、60〜85mol%のものが特に好ましく使用される。上記けん化度のポリビニルアルコールであれば、各種の市販品、合成品を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
また、上記けん化度の範囲内であれば、水酸基、酢酸基以外の官能基として、例えば、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、イソシアネート基を導入されたものや、各種の塩によって変性されたもの、その他アニオンあるいはカチオン変性されたもの、不飽和変性されたもの、アルデヒド類によってアセタール変性(ブチラール変性、アセトアセタール変性、ホルマール変性等)されたもの、ジオール構造を導入されたものなども、本発明で使用するけん化度が50〜95mol%であるポリビニルアルコールの範囲に含まれ、これらは、単独もしくは2種類以上併せて使用することができる。
分散剤としてのポリビニルアルコールは、平均重合度が50〜4000のものが好ましく、100〜3000のものがより好ましく、100〜2000のものが特に好ましく、100〜1500のものがさらに好ましい。上記重合度のポリビニルアルコールであれば、各種の市販品、合成品を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
けん化度が50mol%より小さいものは、NMPに対する溶解性は非常に良好だが、カーボンブラックに対する吸着性が乏しいために分散には有効ではないと考えられ、また、けん化度が95mol%より大きいものは、NMPに対してほとんど溶解、膨潤しないことから、たとえカーボンブラックに吸着されたとしても、NMP側に高分子鎖を伸ばすことが出来ず、そのために効果的に立体反発出来ないものと推察される。これに対して、けん化度が50〜95mol%のものは、NMPに対する溶解、または膨潤性と、カーボンブラックに対する吸着性や吸着後の立体反発効果の兼合いが良好であることから、分散剤として特に有効に機能するものと考えられる。
上記けん化度範囲に含まれる市販のポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレポバール(クラレ社製ポリビニルアルコール)や、ゴーセノール(日本合成化学工業社製ポリビニルアルコール)、デンカポバール(電気化学工業社製)、J−ポバール(日本酢ビ・ポバール社製)などの商品名で、種々のグレードを市場より入手することが出来る。
より具体的には、クラレポバールPVA−403(けん化度78.5〜81.5mol%、平均重合度300、JIS K6726に準ずる液温20℃における4%水溶液粘度2.8〜3.3mPa・s)、クラレポバールPVA−505(けん化度72.5〜74.5mol%、平均重合度500、4%水溶液粘度4.2〜5.0mPa・s)、クラレポバールL−8、クラレポバールL−9、クラレポバールL−9−78、クラレポバールL−10、クラレポバールC−506、クラレポバールKL−506、ゴーセノールKL−03(同78.5〜82.0mol%、平均重合度500以下、4%水溶液粘度2.8〜3.4mPa・s)、KL−05(同78.5〜82.0mol%、平均重合度1000以下、4%水溶液粘度4.0〜5.0mPa・s)、NK−05R(同71.0〜75.0mol%、平均重合度1000以下、4%水溶液粘度4.5〜5.5mPa・s)、KP−08R(同71.0〜73.5mol%、平均重合度1000以下、4%水溶液粘度6.0〜8.0mPa・s)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<顔料誘導体>
まず、本発明において使用する顔料誘導体について説明する。本発明において使用する顔料誘導体は、酸性または塩基性の官能基を有する有機色素誘導体、または、酸性または塩基性の官能基を有するトリアジン誘導体である。
<酸性顔料誘導体>
酸性顔料誘導体の中でも、とりわけ、下記一般式(1)で示される酸性官能基を有するトリアジン誘導体、または一般式(4)で示される酸性官能基を有する有機色素誘導体が好ましい。まず、一般式(1)で示される酸性官能基を有するトリアジン誘導体について説明する。
一般式(1)
Figure 2015101615

[X1は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X3−Y−X4−を表し、X2及びX4は、それぞれ独立に、−NH−または−O−を表し、X3は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、Yは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Zは、−SO3M、−COOM、−P(O)(−OM)2または−O−P(O)(−OM)2を表し、Mは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、Qは、−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1または−X2−Y−Zを表し、R2は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す。nは、1〜4の整数を表す。R1は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または、下記一般式(2)で表される基を表す。]
一般式(2)
Figure 2015101615
[X5は、−NH−または−O−を表し、X6及びX7は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−または−CH2NHCOCH2NH−を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または−Y−Zを表し、Y及びZは、一般式(1)におけるY及びZと同義である。]
上記において、R1、R3、R4における有機色素残基としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、アントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の残基が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素の残基が、分散性に優れた効果を発揮するため好ましい。
また、上記において、R1、R3、R4における複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン等の複素環残基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン等の芳香族環残基が挙げられる。とりわけ、S、N、Oのヘテロ原子のいずれかを含む複素環残基が、分散性に優れた効果を発揮するため好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)のYは、置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表すが、炭素数20以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましい。特に好ましい態様としては、置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
2における置換基を有してもよいアルキル基および置換基を有してもよいアルケニル基の好ましい態様は、炭素数20以下のものである。更に好ましくは、炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。ここで、置換基を有するアルキル基および置換基を有するアルケニル基とは、アルキル基またはアルケニル基の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン基、水酸基、メルカプト基等に置換されたものを挙げることができる。
Mは、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素イオン(プロトン)、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。また、分散剤の構造(一分子)中にMを2つ以上有する場合、Mは、プロトン、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれか一種のみでも良いし、二種以上の組み合わせでも良い。
金属カチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等の金属のカチオンが挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(3)で示される構造を有する単一化合物または、混合物である。
一般式(3)
Figure 2015101615

[R5、R6、R7、R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。]
5、R6、R7、R8は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。また、R5、R6、R7、R8が炭素原子を有する場合、炭素数は1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
4級アンモニウムカチオンの具体例としては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、ステアリルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
次いで、一般式(4)で示される酸性官能基を有する有機色素誘導体について説明する。
一般式(4)
Figure 2015101615

[X8は、直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、−X9−Y−または−X9−Y−X10−を表し、X9は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、X10は、−NH−または−O−を表し、Yは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Zは、−SO3M、−COOM、−P(O)(−OM)2または−O−P(O)(−OM)2を表し、Mは1〜3価のカチオンの一当量を表し、R9は、有機色素残基を表し、nは、1〜4の整数を表す。]
9の有機色素残基としては、上記R1、R3、R4における有機色素残基と同義である。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素の残基が、分散性に優れた効果を発揮するため好ましい。
一般式(4)におけるMは、一般式(1)におけるMと同義である。
本発明において使用する酸性顔料誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特公昭39−28884号公報、特公昭45−11026号公報、特公昭45−29755号公報、特公昭64−5070号公報、特開2004−217842号公報等に記載されている方法で合成することができる。
<塩基性顔料誘導体>
塩基性顔料誘導体の中でも、とりわけ、下記一般式(101)で示される塩基性官能基を有するトリアジン誘導体、または一般式(106)で示される塩基性官能基を有する有機色素誘導体が好ましい。まず、一般式(101)で示される塩基性官能基を有するトリアジン誘導体について説明する。
一般式(101)
Figure 2015101615

101は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X102−Y1−X103−を表し、X102は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、X103は、−NH−または−O−を表し、Y1は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
Pは、一般式(102)、一般式(103)または一般式(104)のいずれかで示される基を表す。
101は、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基、−X101−R101または一般式(102)、一般式(103)もしくは一般式(104)のいずれかで示される基を表す。
102は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(102)
Figure 2015101615


一般式(103)
Figure 2015101615


一般式(104)
Figure 2015101615

104は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−または−X105−Y1−X106−を表す。X105は、−NH−または−O−を表し、X106は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−または−CH2−を表す。
1は、1〜10の整数を表す。
103およびR104は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または複素環残基を表し、R103とR104が結合して環を形成しても良い。
105、R106、R107およびR108は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
109は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
oは、1〜4の整数を表す。
101は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基または下記一般式(105)で示される基を表す。
一般式(105)
Figure 2015101615

Tは、−X108−R110またはW1を表し、Uは、−X109−R111またはW2を表す。
1およびW2は、それぞれ独立に、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基または一般式(102)、一般式(103)もしくは一般式(104)のいずれかで示される基を表す。
107は、−NH−または−O−を表し、X108およびX109は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−または−CH2NHCOCH2NH−を表す。
110およびR111は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基または置換基を有していてもよい芳香族環残基を表す。
一般式(101)のR101および一般式(105)のR110、R111における有機色素残基としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素等の残基が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
一般式(101)のR101および一般式(105)のR110、R111における複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、トリアジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、アクリドン等の残基が挙げられる。これらの複素環残基および芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
103およびR104は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または複素環残基を表し、R103とR104が結合して環を形成しても良い。とりわけ、水素原子であることが、電池内での金属析出を抑える効果が高いと思われ好ましい。
一般式(101)および一般式(105)のY1は、炭素数20以下の置換基を有してもよいアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表すが、好ましくは、置換基を有してもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
次いで、一般式(106)で示される塩基性官能基を有する有機色素誘導体について説明する。
一般式(106)
Figure 2015101615


101は、下記一般式(107)、一般式(108)または一般式(109)で示される基である。mは、1〜4の整数を表す。
一般式(107)
Figure 2015101615


一般式(108)
Figure 2015101615


一般式(109)
Figure 2015101615

24は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−または−X25−Y2−X26−を表す。X25は、−NH−または−O−を表し、X26は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−または−CH2−を表す。Y2は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
2は、1〜10の整数を表す。
23およびR24は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基または複素環残基を表し、R23とR24が結合して環を形成しても良い。とりわけ、水素原子であることが、電池内での金属析出を抑える効果が高いと思われ好ましい。
25、R26、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
29は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表す。
22は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基を表す。
22における有機色素残基としては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素の残基が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
また、R22における複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、アクリドン等の残基が挙げられる。これらの複素環残基および芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)、およびフェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
一般式(102)〜(104)および一般式(107)〜(109)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではないが、特開昭54−62227号公報、特開昭56−118462号公報、特開昭56−166266号公報、特開昭60−88185号公報、特開昭63−305173号公報、特開平3−2676号公報、特開平11−199796号公報等に記載されている方法で合成することができる。
例えば、本発明の塩基性官能基を有する有機色素誘導体は、有機色素、複素環化合物(例えば、アクリドン)または芳香族環化合物(例えば、アントラキノン)に式(110)〜式(113)で示される置換基を導入した後、これら置換機とアミン成分(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等)を反応させることによって、合成することができる。

式(110) −SO2Cl
式(111) −COCl
式(112) −CH2NHCOCH2Cl
式(113) −CH2Cl

また、例えば、式(110)で示される置換基を導入する場合には、有機色素、複素環化合物(例えば、アクリドン)または芳香族環化合物(例えば、アントラキノン)をクロロスルホン酸に溶解して、塩化チオニル等の塩素化剤を反応させるが、このときの反応温度、反応時間等の条件により、有機色素、複素環化合物(例えば、アクリドン)または芳香族環化合物(例えば、アントラキノン)に導入する式(110)で示される置換基数をコントロールすることができる。
また、式(111)で示される置換基を導入する場合には、まずカルボキシル基を有する有機色素、複素環化合物(例えば、アクリドン)または芳香族環化合物(例えば、アントラキノン)を公知の方法で合成した後、ベンゼン等の芳香族溶媒中で塩化チオニル等の塩素化剤を反応させる方法等が挙げられる。
式(110)〜式(113)で示される置換基とアミン成分との反応時には、式(110)〜式(113)で示される置換基の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換することがある。その場合、式(110)で示される置換基はスルホン酸基となり、式(111)で示される置換基はカルボン酸基となるが、いずれも遊離酸のままでもよく、また、1〜3価の金属もしくは、上記のアミンと塩を形成していてもよい。
また、有機色素がアゾ系色素である場合は、式(107)〜式(109)または、下記一般式(114)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系有機色素誘導体を製造することもできる。
一般式(114)
Figure 2015101615

101は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−または−X102−Y1−X103−を表し、X102は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−または−NHSO2−を表し、X103はそれぞれ独立に−NH−または−O−を表し、Y1は炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
Pは、一般式(102)、(103)または、一般式(104)のいずれかで示される置換基を表す。
101は、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基、−X101−R101または、一般式(102)、(103)もしくは、一般式(104)のいずれかで示される置換基を表す。
102は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または、置換基を有してもよいアルケニル基もしくは、置換基を有してもよいアリール基を表す。
また、本発明の塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に式(107)〜式(109)または、一般式(114)で示される置換基を形成するアミン成分(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等)を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
本発明で使用する顔料誘導体は、酸性または塩基性の官能基を有する有機色素誘導体、または、酸性または塩基性の官能基を有するトリアジン誘導体であることが好ましく、酸性または塩基性の官能基を有するトリアジン誘導体であることがより好ましく、酸性の官能基を有するトリアジン誘導体であることさらに好ましく、アゾ結合を有さず、かつ酸性の官能基を有するトリアジン誘導体であることが特に好ましい。
上記顔料誘導体は、1種または2種以上を任意の割合で混合して使用しても良い。
本発明において、顔料誘導体は主に分散剤として機能するとともに、電池性能を向上させるに適した電極膜状態を作り出すための役割も担っているものと考えられる。
<N−メチル−2−ピロリドン>
NMPは、リチウムイオン二次電池の電極製造に用いられている。本発明では、ポリビニルアルコールおよび顔料誘導体の分散剤としての性能、電池性能を損なわない範囲で、他の溶剤を1種類以上併用しても良いが、本発明の想定する産業上の利用可能性から、NMPを単独で用いることが好ましい。
<カーボンブラック分散液の製造方法>
本発明の分散液は、ポリビニルアルコールと顔料誘導体とを分散剤として用いてカーボンブラックをNMP中に分散したものである。この場合、分散剤とカーボンブラックを同時、または順次添加し、混合することで、分散剤をカーボンブラックに作用(吸着)させつつ分散する。但し、カーボンブラック分散液の製造をより容易に行うためには、分散剤をNMP中に溶解、膨潤、または分散させ、その後、液中にカーボンブラックを添加し、混合することで分散剤をカーボンブラックに作用(吸着)させることが、より好ましい。また、カーボンブラック以外の粉体として、例えば二次電池用電極活物質等を添加して、電極合材液として使用する場合、NMP中に分散剤とカーボンブラックと電極活物質とを同時に仕込み分散処理を行っても良い。
分散装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、乾式処理により、カーボンブラックを分散剤で表面処理した後、分散液を製造する場合について説明する。NMP中に、下記乾式処理により得たカーボンブラックとポリビニルアルコールと顔料誘導体の混合物を添加、混合する事により、カーボンブラック分散液を得ることが出来る。
本発明における乾式処理は、常温もしくは加熱下で乾式処理装置により、カーボンブラックおよびポリビニルアルコールと顔料誘導体の混合、粉砕等を行いながら、カーボンブラック表面に上記分散剤を作用(吸着)させるものである。但し、カーボンブラック表面に上記分散剤が完全に吸着されている必要はなく、ある程度均質に混合出来ていれば、実用上は問題無い場合もある。使用する装置は、特に限定されるものではく、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、アトライター、振動ミル等のメディア型分散機、ニーダー、ローラーミル、石臼式ミル、プラネタリーミキサー、フェンシェルミキサー、ハイブリダイザー((株)奈良機械製作所)、メカノマイクロス((株)奈良機械製作所)、メカノフュージョンシステムAMS(ホソカワミクロン(株))等の分散・混錬機が使用できるが、コンタミ等を考慮し、メディアレスの分散・混錬機を使用するのがより好ましい。
また、このとき処理物がゲル状にならない範囲で有機溶剤を添加してもよい。溶剤の添加によるポリビニルアルコールおよび顔料誘導体の濡れ、または(一部)溶解、およびカーボンブラックの上記分散剤に対する濡れが向上することで、カーボンブラックと上記分散剤間相互作用の促進が期待される。このとき用いる溶剤は特に限定されるものではないが、NMP以外を使用する場合は処理後に乾燥することが望ましい。また、有機溶剤の添加量は用いる材料により異なるが、上記分散剤の添加量に対して0.5〜100重量%である。さらに、必要に応じて窒素ガスなどを流すことで、乾式処理装置内部を脱酸素雰囲気として処理を行っても良い。
乾式処理時間は、用いる装置によって、また希望とする混練度に応じて任意に設定できる。これらの乾式処理を行うことにより、粉状もしくは塊状の処理物を得ることができる。得られた処理物については、その後さらに、乾燥、粉砕しても良い。
本発明において、カーボンブラックに対する分散剤としてのポリビニルアルコールおよび顔料誘導体の添加量は、カーボンブラック100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、0.5重量部以上、40重量部以下が好ましく、0.5重量部以上、20重量部以下がより好ましく、1重量部以上、15重量部以下がさらに好ましく、1重量部以上、10重量部以下がさらに好ましく、1重量部以上、8重量部以下が特に好ましい。
本発明において、カーボンブラックに対する分散剤としてのポリビニルアルコールの添加量は、カーボンブラック100重量部に対して、0.1重量部以上、20重量部以下が好ましく、0.15重量部以上、10重量部以下がより好ましく、0.2重量部以上、8重量部以下がさらに好ましく、0.2重量部以上、4重量部以下がさらに好ましく、0.4重量部以上、4重量部以下が特に好ましい。
本発明において、分散剤中におけるポリビニルアルコールの比率は、分散剤100重量部に対して、10重量部以上90重量部以下が好ましく、20重量部以上80重量部以下がより好ましく、25重量部以上75重量部以下が特に好ましい。
カーボンブラック分散液における分散剤の添加量は、添加するカーボンブラックの比表面積やカーボンブラック粒子の分散後の平均粒子径、カーボンブラックへの分散剤の吸着量等により決定される。
上記のような比率で配合することにより、本発明が解決しようとする課題であるカーボンブラック分散液の低粘度化が可能となり、高濃度で分散性と貯蔵安定性に優れた分散液を得ることが容易となる。
<活物質>
本発明の分散液を電池電極合材層に用いる場合は、さらに、正極活物質または負極活物質を含有させることができる。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。
例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、LiXFe23、LiXFe34、LiXWO2、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することもできる。
これらの活物質は、平均粒子径が0.05〜100μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜50μmの範囲内である。本明細書でいう活物質の平均粒子径とは、活物質を電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
<電極>
本発明の正極活物質または負極活物質を含有するカーボンブラック分散液を、集電体上に塗工・乾燥することで、電池電極合材層を形成し、電極を得ることができる。
(集電体)
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
集電体上に合材スラリーや下地層形成用組成物を塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。電極合材層の厚みは、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。
<二次電池>
正極もしくは負極の少なくとも一方に上記の電極を用い、二次電池を得ることができる。二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池において、従来から知られている電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
(電解液)
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶媒に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるが、これらに限定されない。
非水系の溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
(セパレーター)
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びこれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(電池構造・構成)
本発明の組成物を用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
本発明では、上記課題に支障を及ぼさない範囲で、塗膜物性等の調整等の目的で、従来公知の分散剤や樹脂、添加剤等を併用しても良い。
そのような分散剤としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂やポリビニルピロリドン樹脂、低分子量の界面活性剤等が挙げられる。また樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレンブタジエンゴムなどの各種ゴム、リグニン、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、セルロース系樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルエーテル、キチン類、キトサン類、デンプン等が挙げられる。また添加剤としては、リン化合物、硫黄化合物、有機酸、アミン化合物やアミド化合物、有機エステル、各種シラン系やチタン系、アルミニウム系のカップリング剤等が挙げられる。これらの従来公知の分散剤や樹脂、添加剤等は、単独または2種類以上併用して用いることが出来る。
<カーボンブラック分散液の用途>
本発明のカーボンブラック分散液の利用分野としては、特に制限はないが、遮光性、導電性、耐久性、漆黒性等が要求される分野、例えば、グラビアインキ、オフセットインキ、磁気記録媒体用バックコート、静電トナー、インクジェット、自動車塗料、繊維・プラスチック形成材料、電池用電極、電子写真用シームレスベルトにおいて、安定かつ均一な組成物を提供し得るものである。中でも、NMPを使用すること、ポリフッ化ビニリデンやポリイミド前駆体などと相溶すること、および形成される塗膜や成型物の強度、柔軟性が良好なことから、リチウムイオン二次電池用電極、電気二重層キャパシタ用電極、リチウムイオンキャパシタ用電極、電子写真用シームレスベルトなどに好適に用いられる。
本発明のカーボンブラック分散液を用いて、更にはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のバインダーを添加してリチウムイオン二次電池用電極や電気二重層キャパシタ用電極、リチウムイオンキャパシタ用電極のプライマー層、更にコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物、黒鉛、活性炭、グラファイト、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの正極活物質や負極活物質を添加してリチウムイオン二次電池用電極や電気二重層キャパシタ用電極、リチウムイオンキャパシタ用電極の電極層を製造することができる。また、電子写真用シームレスベルトは、導電材としての本発明のカーボンブラック分散液、ポリイミド、ポリアミドイミド等およびその前駆体を成分として用いて、従来公知の方法によって製造することができる。
以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例中、部は重量部を、%は重量%を、それぞれ表す。
実施例及び比較例で使用したカーボンブラック(「CB」と略記することがある)、ポリビニルアルコール(「PVA」と略記することがある)、有機色素誘導体またはトリアジン誘導体(「顔料誘導体」と略記することがある)、バインダー、電極活物質等を以下に示す。また、各表には、各原料の組成のみを記載しているが、特に記載の無い残りの成分は、全てN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
<カーボンブラック>
・#30(三菱化学社製):ファーネスブラック、平均一次粒子径30nm、比表面積74m2/g、以下#30と略記する。
・#5(三菱化学社製):ファーネスブラック、平均一次粒子径76nm、比表面積29m2/g、以下#5と略記する。
・MA77(三菱化学社製):酸化処理カーボンブラック、平均一次粒子径23nm、比表面積130m2/g、以下MA77と略記する。
・デンカブラックHS−100(電気化学工業社製):アセチレンブラック、平均一次粒子径48nm、比表面積39m2/g、以下HS−100と略記する。
・デンカブラック粒状品(電気化学工業社製):アセチレンブラック、平均一次粒子径35nm、比表面積69m2/g、以下粒状品と略記する。
・EC−300J(アクゾ社製):ケッチェンブラック、平均一次粒子径40nm、比表面積800m2/g、以下300Jと略記する。
(カーボンブラックの平均一次粒子径の測定方法)
カーボンブラックの平均一次粒子径(MV)は、以下に示す方法により測定(算出)した。カーボンブラックの粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂型分散剤としてDisperbyk−161を少量添加し、超音波洗浄機の水浴中で1分間分散処理して測定用試料を調製した。この試料を測定用ターゲットに塗布、乾燥し、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製透過型電子顕微鏡H−7650)により、100個以上のカーボンブラックの一次粒子が観察出来る写真を撮影した。撮影された画像にて、カーボンブラック粒子の任意の100個を選び、その一次粒子の短軸径と長軸径の平均値を粒子径(d)とし、次いで個々のカーボンブラックを、求めた粒子径(d)を有する球とみなして、それぞれの粒子の体積(V)を求め、この作業を100個のカーボンブラック粒子について行い、そこから下記式(201)を用いて算出した。

式(201) MV=Σ(V・d)/Σ(V)
<一般式(A)を含有する樹脂>
<ポリビニルアルコール>
・クラレポバール PVA−505(クラレ社製): ポリビニルアルコール、けん化度73mol%、平均重合度500、以下PVA−505と略記する。
・クラレポバール PVA−105(クラレ社製): ポリビニルアルコール、けん化度98mol%、平均重合度500、以下PVA−105と略記する。
・クラレポバール LM−20(クラレ社製): ポリビニルアルコール、けん化度40mol%、平均重合度200、以下LM−20と略記する。
・合成品1:ポリビニルアルコール、けん化度55mol%、平均重合度約500。
・合成品2:ポリビニルアルコール、けん化度60mol%、平均重合度約500。
・合成品3:アミノ基変性ポリビニルアルコール、けん化度76mol%、変性基量10mol%、平均重合度約500。
・合成品4:ポリビニルアルコール、けん化度85mol%、平均重合度約500。
・合成品5:ポリビニルアルコール、けん化度92mol%、平均重合度約100。
・合成品6:ポリビニルアルコール、けん化度72mol%、平均重合度約100。
・合成品7:ポリビニルアルコール、けん化度70mol%、平均重合度約1500。
尚、上記合成品1から合成品7は、業界公知の方法により、ポリ酢酸ビニルを水酸化ナトリウムでけん化することで得たものである。
<ポリビニルアセタール>
・エスレックBH−3(積水化学工業社製): ポリビニルブチラール樹脂、水酸基34mol%、ブチラール化度65mol%、計算分子量110000。以下BH−3と略記する。
・エスレックKS−1(積水化学工業社製): ポリビニルアセトアセタール樹脂、水酸基25mol%、アセタール化度74mol%、計算分子量27000。以下KS−1と略記する。
・ビニレックH(JNC社製): ポリビニルホルマール樹脂、水酸基約13mol%、平均分子量73000。以下ビニレックと略記する。
尚、ポリビニルアセタールの重合体鎖中に含まれる水酸基(mol%)は、ポリビニルアセタールの重合体鎖中に含まれる一般式(A)で表される繰り返し単位のモル比率を表す。
<酸性顔料誘導体>
酸性官能基を有する有機色素誘導体の構造を表1に示した。
Figure 2015101615
酸性官能基を有するトリアジン誘導体の構造を表2に示した。
Figure 2015101615

<塩基性顔料誘導体>
塩基性官能基を有する有機色素誘導体の構造を表3に示した。
Figure 2015101615

塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の構造を表4に示した。
Figure 2015101615
<バインダー>
・KFポリマーW1100(クレハ社製):ポリフッ化ビニリデン、以下、PVDFと略記する。
・KFポリマーW7300(クレハ社製):ポリフッ化ビニリデン、以下、#7300と略記する。
<その他化合物>
・1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、以下、D−01と略記する。
<活物質>
・HLC−22(本荘ケミカル社製):正極活物質コバルト酸リチウム(LiCoO2)、平均粒子径6.6μm、比表面積0.62m2/g、以下、LCOと略記する。
・人造黒鉛:負極活物質、平均粒子径18μm、以下、黒鉛と略記する。
<カーボンブラック分散液の評価>
実施例、比較例で得られたカーボンブラック分散液の評価は、粘度、分散後平均粒子径を測定することにより行った。
粘度値の測定は、B型粘度計(東機産業社製「BL」)を用いて、分散液温度25℃、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、分散液をヘラで充分に撹拌した後、直ちに行った。測定に使用したローターは、粘度値が100mPa・s未満の場合はNo.1を、100以上500mPa・s未満の場合はNo.2を、500以上2000mPa・s未満の場合はNo.3を、2000以上10000mPa・s未満の場合はNo.4のものをそれぞれ用いた。得られた粘度値が10000mPa・s以上の場合については、「>10000」と記載したが、これは評価に用いたB型粘度計では評価不可能なほどに高粘度であったことを表す。低粘度であるほど分散性が良好であり、高粘度であるほど分散性が不良である。貯蔵安定性の評価は、カーボンブラック分散液を60℃にて、10日間静置して保存した後の、粘度値の変化から評価した。変化の少ないものほど安定性が良好であることを示す。
また、分散後平均粒子径の測定は、カーボンブラック分散液をNMPにより適切な濃度に希釈した後に、超音波処理を施した液を測定サンプルとして用い、動的光散乱法方式の粒度分布計(日機装社製「ナノトラックUPA−EX」、光源波長780nm)を用いて平均粒子径(D50値)を測定することにより行った。各種測定条件は、上記方法によりNMP希釈した分散液のローディングインデックス値を0.7以上1.3以下に、粒子条件を、吸収性粒子、粒子形状非球形、密度1.80とし、溶媒条件を、溶媒屈折率1.47、液温20℃における溶媒粘度1.80mPa・s、液温25℃における溶媒粘度1.65mPa・sと設定し、得られたメジアン径をD50値として表記した。測定結果は、液温25℃のNMP溶剤についてバックグラウンド値を測定した後、上記方法にて調製した液温25℃のサンプルを測定容器に充填し、上記測定条件にて測定を行うことにより得た。
同じカーボンブラックを使用して同じ分散処理をした場合、D50値が小さいほど分散性が良好であり、大きいほど分散性が不良であることを示す。貯蔵安定性の評価は、カーボンブラック分散液を60℃にて、10日間静置して保存した後のD50値の変化から評価した。変化の少ないものほど安定性が良好であることを示す。
<メディア分散によるカーボンブラック分散液の調製>
(けん化度の異なるポリビニルアルコールを用いたカーボンブラック分散液)
[実施例1−1〜実施例1−3]
表5に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPと各種ポリビニルアルコールと各種顔料誘導体とを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、1.25mmφジルコニアビーズをメディアとして、ペイントコンディショナーで2時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも低粘度かつD50値が小さく、貯蔵安定性も良好であった。
Figure 2015101615
<バインダーを含むカーボンブラック分散液の調製>
(けん化度の異なるポリビニルアルコールを用いたカーボンブラック分散液)
[実施例2−1〜実施例2−8、実施例2−14〜実施例2−15]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPと各種ポリビニルアルコールと各種顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。また、ポリビニルアルコールの変性の有無は、分散剤としての性能には大きな影響を与えないことが明らかとなった。
[実施例2−16]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと顔料誘導体とを仕込み、充分に混合溶解した。次いで、カーボンブラックとPVDFとを均質に混合した粉体混合品を調製し、これを事前に調製した分散剤のNMP溶液に添加した。その後、ホモジナイザーで1時間分散し、カーボンブラック分散液を得た。粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。
[実施例2−17〜実施例2−18]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶に実施例1−2のカーボンブラック分散液を65部、PVDFを6部または#7300を3部、NMPを29部または32部加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。
[実施例2−19〜実施例2−20]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと顔料誘導体と#7300を仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。
[比較例2−1〜比較例2−10]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPと、各種ポリビニルアルコールまたは各種ポリビニルアセタール樹脂と、各種顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。
しかし、得られた分散液は、顔料誘導体の種類によらずいずれも高粘度な状態であり、カーボンブラックおよびバインダー濃度のさらなる向上はできないことが明らかとなった。
さらに、比較例2−1〜比較例2−2、および比較例2−6〜比較例2−7では、いずれも著しく高粘度な状態であり、かつD50値が大きいことから、カーボンブラックを十分に分散する事が出来ていないことがわかった。また、これらの結果から、けん化度が50mol%未満または95mol%を越えるポリビニルアルコールと、顔料誘導体とを、合わせて分散剤として使用した場合には、所望とする高濃度かつ低粘度のカーボンブラック分散液を得る事ができないことが明らかとなった。
表6より、NMPに溶解、または分散可能な樹脂をバインダーとして用いた場合、得られるカーボンブラック分散液の性状は、表5のバインダーを添加せずに分散液を調製した場合と同様に、高濃度かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好な分散液を得られることが分かる。
(種類の異なるカーボンブラックを用いたカーボンブラック分散液)
[実施例2−9〜実施例2−13]
表6に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、各種カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。
Figure 2015101615
(種類の異なる顔料誘導体を用いたカーボンブラック分散液)
[実施例3−1〜実施例3−20]
表7に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと各種顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。また、これらの中でも、トリアジン誘導体を用いた場合に特に良好な分散液を得ることができることが分かった。
[比較例3−1]
表7に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸(D−01)とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。得られた液は著しく高粘度な状態であり、かつD50値が大きいことから、カーボンブラックを十分に分散する事が出来ていないことがわかった。
Figure 2015101615
(ポリビニルアルコール含有量の異なるカーボンブラック分散液)
[実施例4−1〜実施例4−9]
表8に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと各種顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。いずれも粗大粒子がなく、かつ低粘度であり、貯蔵安定性も良好であった。
[比較例4−1]
表8に示す組成に従い、ガラス瓶にNMPとポリビニルアルコールと顔料誘導体とPVDFを仕込み、充分に混合溶解、または混合分散した後、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで1時間分散し、各カーボンブラック分散液を得た。得られた液は著しく高粘度な状態であり、かつD50値が大きいことから、カーボンブラックを十分に分散する事が出来ていないことがわかった。
Figure 2015101615
<正極活物質または負極活物質を含むカーボンブラック分散液の調製>
[実施例5−1〜実施例5−23]
表9に示す組成に従い、実施例2−1〜実施例2−6、実施例2−11、実施例3−1、実施例3−6〜実施例3−10、実施例3−16〜実施例3−17、実施例4−1〜実施例4−7、および実施例4−9で得たバインダーを含有するカーボンブラック分散液に対し、正極活物質であるLCOを仕込み、ディスパーにより充分に混合し、各混合液を得た。用いたカーボンブラック分散液が低粘度であるために、LCOを多量に添加することができ、また、得られた混合液も低粘度な状態であった。
[実施例5−24]
表9に示す組成に従い、HS−100を2.7部、PVDFを1.25部、ポリビニルアルコールを0.011部、顔料誘導体を0.043部、およびLCOを63部、均質に混合した粉体混合品を調製後、NMP32.996部に対して粉体混合品全量の半分を添加し、プラネタリーミキサーにて30分間処理を行った。次いで、残った粉体混合品の半分を添加してプラネタリーミキサーにて30分間処理し、その後、残った粉体混合品を全て添加してプラネタリーミキサーにて1時間処理することにより、正極活物質であるLCOを含有したカーボンブラック分散液を得た。得られた液は、実施例5−23の場合と同様、低粘度な状態であった。
[実施例5−25〜実施例5−28]
表9に示す組成に従い、実施例2−2〜実施例2−5で得た、バインダーを含有するカーボンブラック分散液に対し、負極活物質である黒鉛を仕込み、ディスパーにより充分に混合し、各混合液を得た。用いたカーボンブラック分散液が低粘度であるために、黒鉛を多量に添加することができ、また、得られた混合液も低粘度な状態であった。
[比較例5−1〜比較例5−5]
表9に示す組成に従い、比較例2−3、比較例2−5、比較例2−8、比較例2−10、および比較例4−1で得た、バインダーを含有するカーボンブラック分散液に対し、正極活物質であるLCOを仕込み、ディスパーにより充分に混合し、各混合液を得た。いずれも、用いたカーボンブラック分散液の粘度値が高いことから、実施例5−1〜実施例5−23と比較して、LCOを添加した際の粘度値の上昇が大きく、また、安定性評価試験における粘度の上昇幅も大きかった。
[比較例5−6〜比較例5−8]
表9に示す組成に従い、比較例2−8、比較例2−10、および比較例4−1で得た、バインダーを含有するカーボンブラック分散液に対し、負極活物質である黒鉛を仕込み、ディスパーにより充分に混合し、各混合液を得た。いずれも、用いたカーボンブラック分散液の粘度値が高いことから、実施例5−25〜実施例5−28と比較して、黒鉛を添加した際の粘度値の上昇が大きく、また、安定性評価試験における粘度の上昇幅も大きかった。
Figure 2015101615
<電池電極合材層の作製>
上記の各実施例、比較例で得られた正極活物質または負極活物質を含むカーボンブラック分散液を電池電極合材液として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレードを用いて塗工した後、減圧下120℃で30分間乾燥し、乾燥後膜厚100μmの塗膜(電池電極合材層)を作製した。
得られた電池電極合材層の評価は、表面抵抗と塗膜外観により行った。表面抵抗の測定にはロレスタ−GP(三菱化学アナリテック社製)を用い、JIS K7194に準じて測定した。
表面抵抗は、数値の小さい程、良好であることを示す。測定不可の場合は数値無し(−)とした。また、塗膜外観は、目視で、○:問題なし(良好)、△:斑模様あり(可)、×:粗粒の筋引きあり(極めて不良)、とした。
[実施例6−1〜実施例6−21、比較例6−1〜比較例6−3]
正極合材液として、実施例5−1〜実施例5−6、実施例5−8〜実施例5−14、実施例5−16〜実施例5−23、比較例5−2、および比較例5−4〜比較例5−5で得た電池電極合材液を使用して、正極合材層(電池電極合材層)を作製した。評価結果を表10に示した。
[実施例6−22〜実施例6−24、比較例6−4〜比較例6−5]
負極合材液としては、実施例5−25〜実施例5−26、実施例5−28、および比較例5−7〜比較例5−8で得た電池電極合材液を使用して、負極合材層(電池電極合材層)を作製した。評価結果を表10に示した。
表10より、実施例6−1〜実施例6−24の電池電極合材層は、比較例6−1〜比較例6−5の電池電極合材層と比較して塗膜外観が良好であり、さらに、塗膜の表面抵抗が優れていることが明らかとなった。比較例6−1〜比較例6−5では、使用した電極合材液の粘度が高すぎるために塗工が困難であり、さらに、比較例6−3および比較例6−5では、多量に含まれる分散剤が絶縁成分として機能した結果、表面抵抗値が高くなったものと考えられる。
Figure 2015101615
<リチウムイオン二次電池正極評価用セルの組み立て>
[実施例7−1〜実施例7−21、比較例7−1〜比較例7−3]
先に調製した電池電極合材液(実施例5−1〜実施例5−6、実施例5−8〜実施例5−14、実施例5−16〜実施例5−23、比較例5−2、および比較例5−4〜比較例5−5の正極合材液)を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧下120℃で加熱乾燥した後、ローラープレス機にて圧延処理し、厚さ100μmの正極合材層を作製した。これを直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極および対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製#2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容量比1:1で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝泉社製HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立ては、アルゴンガス置換したグローブボックス内で行った。
<リチウムイオン二次電池負極評価用セルの組み立て>
[実施例7−22〜実施例7−24、比較例7−4〜比較例7−5]
先に調製した電池電極合材液(実施例5−25〜実施例5−26、実施例5−28、および比較例5−7〜比較例5−8の負極合材液)を、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧下120℃で加熱乾燥した後、ローラープレス機にて圧延処理し、厚さ100μmの負極合材層を作製した。これを直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極および対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製#2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容量比1:1で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝泉社製HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立ては、アルゴンガス置換したグローブボックス内で行った。
<リチウムイオン二次電池正極特性評価>
作製した正極評価用セルを40℃で、充放電装置(北斗電工社製SM−8)を使用して、充電レート1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で、放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計50サイクル行い、充放電を行った。アルゴンガス置換したグローブボックス内で評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観(50サイクル後の塗膜外観)を目視にて確認した。塗膜外観の評価基準は、集電体からの剥がれが認められず外観に全く変化が無い場合を○(極めて良好)、剥がれてはいないが外観に変化が認められる場合を△(良好)、部分的に合材が集電体より剥がれが認められる場合を×(不良)とした。また、容量維持率は、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の百分率であり、数値が100%に近いものほど良好であることを示す。集電体からの塗膜の剥離やショート等により正常な充放電曲線が得られず、容量が求められなかった場合は数値無し(−)とした。評価結果を表11に示した。
<リチウムイオン二次電池負極特性評価>
作製した負極評価用セルを40℃で、充放電装置(北斗電工社製SM−8)を使用して、充電レート1.0Cの定電流定電圧充電(下限電圧0.5V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で電圧が1.5Vになるまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計50サイクル行い、充放電サイクルを行った。アルゴンガス置換したグローブボックス内で評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観(50サイクル後の塗膜外観)について、正極特性評価と同じ基準で評価した。評価結果を表11に示した。
表11より、本発明の電極を使用した実施例7−1〜実施例7−21および実施例7−22〜実施例7−24は、比較例7−1〜比較例7−3および比較例7−4〜比較例7−5と比較して、塗膜外観が良好であり、かつ、集電体からの剥がれも無く、密着性も良好であった。さらに、50サイクル後の容量維持率についても、良好な結果であった。
表11より、実施例7−1〜実施例7−24は50サイクルの充放電サイクル後も、塗膜外観が良好で、かつ容量維持率も良好であることが判明した。一方、比較例7−1〜比較例7−5は、良好な塗膜を得ることが出来なかったため、正極特性および負極特性を評価することが出来なかった。
Figure 2015101615

Claims (9)

  1. カーボンブラックと、分散剤としての、ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンとを含有するカーボンブラック分散液であって、上記カーボンブラック100重量部に対する上記分散剤としての、ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体、またはポリビニルアルコールおよび有機色素誘導体の合計量が50重量部以下であり、かつ、上記ポリビニルアルコールが、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を重合体鎖中に50〜95mol%含有することを特徴とするカーボンブラック分散液。

    一般式(A)
    Figure 2015101615
  2. 上記分散剤が、上記ポリビニルアルコールおよびトリアジン誘導体であることを特徴とする、請求項1記載のカーボンブラック分散液。
  3. 上記ポリビニルアルコールが、上記一般式(A)で表される繰り返し単位を重合体鎖中に55〜85mol%含有することを特徴とする、請求項1または2記載のカーボンブラック分散液。
  4. ポリビニルアルコールとトリアジン誘導体との合計量、またはポリビニルアルコールと有機色素誘導体との合計量が、カーボンブラック100重量部に対して、0.5重量部以上、40重量部以下であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載のカーボンブラック分散液。
  5. カーボンブラック100重量部に対して、ポリビニルアルコールが0.2重量部以上、20重量部以下であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載のカーボンブラック分散液。
  6. カーボンブラック100重量部に対して、ポリビニルアルコールが0.2重量部以上、8重量部以下であることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載のカーボンブラック分散液。
  7. 請求項1から6いずれか記載のカーボンブラック分散液に、さらに、正極活物質または負極活物質を含有してなる電池用カーボンブラック分散液。
  8. 請求項1〜6いずれか記載のカーボンブラック分散液または請求項7記載の電池用カーボンブラック分散液を塗布してなる電池電極合材層。
  9. 集電体上に正極合材層を有する正極と、集電体上に負極合材層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウムイオン二次電池であって、正極および負極の少なくとも一方が、請求項8記載の電池電極合材層を具備してなるリチウムイオン二次電池。
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