以下、図面を用いて、本発明の錠剤供給システム(図1)について説明する。
図1は、供給された錠剤を包装する包装装置5と錠剤を取り出して包装装置5(以下、分包装置とも称する)に供給する錠剤供給装置10(以下、錠剤取出装置とも称する)と、手撒き投入部1401と、散薬投入部103を含む錠剤供給システム(以下、錠剤取出システムとも称する)を示す図である。錠剤供給装置10には、複数の錠剤取出ユニット1が搭載されており、この錠剤取出ユニット1により錠剤シートから錠剤が取り出される。このような錠剤取出ユニット1は、情報処理装置300や包装装置5に設けられたタッチパネル式のディスプレイ501等から分包条件を入力されることで、錠剤の取出動作を行うことができる。
図2(a)は、図1の一部領域を拡大して示す図である。さらに、図2(b)は、錠剤シートを錠剤取出ユニット1に投入するための投入口203の部分を拡大した図である。
錠剤シート51は、プラスチック等からなる錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が1錠ずつ錠剤収容部に封入されたものである。錠剤シート51は、一般的にPTPシート(press through pack)と呼ばれている(以下錠剤シートのことをPTPシートとも称する)。このようなPTPシートは錠剤の種類によって、シートの幅や長さ、錠剤の数などが異なっており、様々なものが流通している。
錠剤供給装置10には複数の錠剤取出ユニット1(錠剤取出部)が収納されている。錠剤取出ユニット1は、本発明の錠剤取出装置の適用例である。錠剤取出ユニット1は、幅方向(左右方向)に6つが並べられ、この6つの錠剤取出ユニット1からなる組が上下に3段に配置されている。すなわち、錠剤取出ユニット1は、左右6列、上下3段に配列されている。このように錠剤供給装置10は錠剤取出ユニット1を複数備えているが、錠剤取出ユニット1の数は1でもよい。
103は、散薬投入部であり、包装装置5で分包する散薬を投入する部分である。散薬投入部103に投入された散薬は、投薬1回分ごとに分けられ、これを後述するメインホッパー505に投入することで、1回分ずつに分包される。10は、錠剤供給装置であり、1または複数の錠剤取出ユニット1と、錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を供給する錠剤供給ユニット400とを備えている。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1により錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して、錠剤供給ユニット400の供給経路を経て、包装装置5に供給する。錠剤供給装置10は、図1に示す通り、複数の錠剤取出ユニット1を備えている。さらに錠剤供給装置10は、1又は複数の錠剤を、それぞれ錠剤収容部に封入された錠剤シート(PTPシート)から錠剤を取り出して供給する。
1401は、ユーザによって手撒きされた錠剤が投入される手撒き投入部である。手撒き投入部1401から投入された錠剤も、包装装置5に供給され分包されることになる。包装装置5は、錠剤供給装置10から供給された錠剤と手撒き投入部1401から供給された錠剤とを1つの分包として包装することもできるし、別々に分包することもできる。
図3は、錠剤供給システムのハードウェア構成の一例についてブロック図を用いて説明する。ここでは、情報処理装置300のCPU30と、包装装置5のCPU51と、錠剤供給装置10のCPU11とがそれぞれ連携して、包装装置5が制御する各装置(各ユニット)、及び、錠剤供給装置10が制御する各装置(各ユニット)の各種動作を制御している一例を示している。しかし1つのCPUが、錠剤供給システムの全ての各装置を制御する構成でも構わない。また、ここでは錠剤供給装置10にCPUが1つ設けられている状態を図示しているが、錠剤取出ユニット1ごとにCPUを設けてもよいし、錠剤取出ユニット1の段ごとにCPUを設けてもよい。
まず情報処理装置300のハードウェア構成について説明する。情報処理装置300のCPU30は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御することができる。また、ROM31あるいは外部メモリ36には、CPU30の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM33は、CPU30の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU30は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM33にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、CPU30は、キーボードや不図示のマウス等の入力端末35からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ501等の表示器への表示を制御することもでき、さらに、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ36へのアクセスを制御することもできる。
またI/F32は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、本実施形態においては包装装置5のI/F50と通信可能に接続されている。
次に、包装装置5のハードウェア構成について説明する。包装装置5のCPU51は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM52にはCPU51の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM53は、CPU51が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU51は、タッチパネル式のディスプレイ501に対して表示制御したり、ディスプレイ501のタッチパネル機能を入力端末502としてユーザから情報の入力を受け付けたり、プリンタ706に印刷指示を出したりすることもできる。さらにCPU51は、包装装置5の散薬投入部103から投入された散薬を1包に包装する際に動作させる散薬分包機構55を制御したり、ユーザから手撒き投入部1401に手撒きされた錠剤を包装する際に動作させる手撒き投入機構56を制御したりすることができる。そして包装装置5と錠剤供給装置10とは、包装装置5のI/O54と錠剤供給装置10のI/O12とで通信可能に接続されている。
次に、錠剤供給装置10のハードウェア構成について説明する。錠剤供給装置10のCPU11は、バスに接続されている各デバイスを統括的に制御することができる。ROM14にはCPU11の制御ブログラムや各種制御プログラムが記憶されている。RAM13は、CPU11が動作するためのシステムワークメモリとして機能する。CPU11は、さらに錠剤取出機構15における取出動作を制御したり、錠剤シートを搬送する搬送機構16を制御したり、錠剤シート検出センサ2401からの信号にユニット排出部シート検出センサ2201()からの信号に基づいて他の構成を制御することもできる。
このようなハードウェア構成においては、以下のように錠剤取出を行うように制御することができる。まず包装装置5のCPU51が、錠剤供給装置10のCPU11に対して、錠剤の取出動作命令を送信する。そして、錠剤供給装置10のCPU11が、当該取出動作命令に従って、錠剤取出機構15や搬送機構16を制御して錠剤取出動作を行わせることができる。また、錠剤供給装置10のCPU11は、包装装置5のCPU50に対して、錠剤取出動作の状況を示す動作情報を送信することもできる。
次に、図4を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
図4は、錠剤取出ユニット1の内部構造を示す図である。なお、図4は、錠剤取出ユニット1が2つ並んで配置されている例を示している。
錠剤取出ユニット1は、錠剤収容部510が重力方向に関して上側に来るような状態で複数の錠剤シート51を積層させて投入可能な投入口203(錠剤シート保持部)と、錠剤シート51を搬送する搬送機構16と、搬送機構16により搬送された錠剤シート51が載置される載置台と、載置台上の錠剤シート51の錠剤収容部の側から押圧して錠剤を取り出す押出し機構(錠剤取出機構15)とを有している。すなわち載置台上が除包位置(取出位置)として用いられる。錠剤シート51は、錠剤を収容する錠剤収容部510を有するシート本体の下面に、アルミニウム等からなる金属箔などを用いた封止シートを設けることによって錠剤が錠剤収容部に密封されている。さらに錠剤シート51は、シート部上に凸状の錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて2列に並んだ形態である。各列をなす複数の錠剤収容部は錠剤シート51の長さ方向に沿って並んでいる。
なお、錠剤シート51としては、シート部上に錠剤収容部が2列に並んだ形態のものに限らず、錠剤収容部が錠剤シート51の長さ方向に1列に並んだ形態や、錠剤収容部が幅方向に間隔をおいて3列以上の複数列に並んだ形態も可能である。
ここで、さらに、図5を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。図5は、錠剤取出ユニット1の内部構造(断面)を示す図であり、錠剤取出ユニット1を右側面から見た図である。具体的には投入口203にセットされた錠剤シートを、錠剤の除包位置(錠剤の取出位置)まで搬送を行った際の図である。
錠剤取出ユニット1は、錠剤シートを搬送する錠剤シート搬送機構16(搬送機構)と、錠剤シートが載置される載置台18と、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出機構15(押出し機構)とを備えている。39は、下部ローラである。
錠剤シート搬送機構16は、錠剤シート51を進行方向に向け搬送するものであって、進行方向に沿って互いに間隔をおいて複数設けられた下部ローラ39と、進行方向に沿って互いに間隔をおいて設けられた上部ローラとを備えている。
下部ローラ39は、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、錠剤シート部の重力方向に関して下面側に当接して錠剤シート51に進行方法への力を加えることができる。そして上部ローラは、駆動源(不図示)により回転駆動可能であり、PTPシート部の重力方向に関して上面に当接して錠剤シート51に進行方向への力を加えることができる。
上部ローラおよび下部ローラの幅方向に関する配置位置は、2列の錠剤収容部の間に相当する位置であるため、上部ローラと下部ローラとは錠剤シートを搬送する際に錠剤収容部510に当接することはない。つまり、下部ローラ39と上部ローラとは、錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シートを進行方向(錠剤取出装置の後方方向)に搬送できる。さらに、下部ローラ39と上部ローラは錠剤シート部を上下から挟み込んで錠剤シート51を進行方向とは逆の方向にも搬送できる。
24は、導入シュートである。導入シュート24は、載置台の下面側に設けられており、錠剤シート51から取り出された錠剤を、後述する錠剤導入路401に導くものである。すなわち、導入シュート24は、載置台の下面側に排出口を有しており、錠剤シート51から取り出された錠剤はその排出口を通り、後述する錠剤導入路401に落ちていく。なお、この導入シュート24は、錠剤取出ホッパーとも言う。
錠剤取出ユニット1は、載置台18上に錠剤シート51を搭載した状態で、錠剤取出機構15の押出し機構で錠剤を押し出すことで錠剤の取出動作を行う。また、錠剤取出ユニット1は、載置台18上の錠剤シート51の錠剤収容部を押圧する速度を変更させる変更機構をさらに有している。そして錠剤取出ユニットの所定の動作で錠剤が取り出せなかった場合には、押出し機構の押出し速度を通常の速度より高速に変更して錠剤収容部の押圧を行い、取出動作の継続(リトライ)を行う。またリトライの際には、錠剤収容部の押圧を再度行う前に1度目の載置台18上の押圧位置から所定の距離だけ搬送手段で錠剤シート51を搬送させ、この状態で押出し機構を用いて錠剤収容部を押圧する。このような状態でリトライ動作を行うことにより、1度の取出動作で錠剤が取り出されなかったとしても、確実に錠剤を取り出すことができる。
次に、押出し機構の詳細について説明する。押出し機構は、錠剤収容部の中央付近を押圧する内側押圧体83と、内側押圧体83を取り囲むように設けられ、中央付近よりも外側の部分を押圧する外側押圧体84とを含んで設けられている。この内側押圧体83と外側押圧体84とが独立して動作することでPTPシートの錠剤収容部を押圧し、PTPシートから錠剤を取り出す。具体的には押出し機構は、内側押圧体83よりも先に外側押圧体84により錠剤収容部を押圧する。
内側押圧体83の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が狭くなるように設けられている。そのため、内側押圧体83を錠剤を取り出すために下降させると、錠剤シートの錠剤収容部の面よりも重力方向に関して下側に至るまで先端が到達し、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が下側に突き出ることになる。一方、外側押圧体84の先端は、錠剤取出ユニットに搭載されることが想定されるほとんどの錠剤シート51の錠剤収容部よりも面積が広いので、錠剤を取り出すために下降させても、錠剤シート51の金属箔に開いた穴から先端が突き出ることはない。すなわち、外側押圧体84を用いて最初に錠剤シート51の錠剤収容部を押し潰し、その後内側押圧体83で錠剤を確実に押し出すというように用いられる。
また、錠剤取出機構15(押出し機構)は、外側押圧体84を昇降させる第1昇降機構と、内側押圧体83を昇降させる第2昇降機構も有しており、これらを動作させることにより、押圧体で錠剤を押し出すことができる。
第1昇降機構は、外側押圧体84が取り付けられた第1昇降体93と、回転駆動して第1昇降体93を昇降させるカム94と、第1昇降体93を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第1昇降体93は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に外側押圧体84が取り付けられている。カム94は、外側押圧体84の昇降動作を考慮して設計された形状の板状体であり、駆動機構によって回転駆動する軸部に固定されている。
カム94は、第1昇降体93の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第1昇降体93を押圧することによって高さ位置を調整し、これによって外側押圧体84の高さ位置を調整する(外側押圧体84の昇降動作を行う)ことができる。第1昇降機構は、カムの回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、外側押圧体84の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
第2昇降機構は、内側押圧体83が取り付けられた第2昇降体98と、回転駆動して第2昇降体98を昇降させるカム99と、第2昇降体98を上昇方向に付勢する付勢部材(ばね)とを備えている。
第2昇降体98は、前後方向にわたって延在する柱状体であり、前端部に内側押圧体83が取り付けられている。カム99は、第2昇降体98の上面側に設けられ、軸部の回転に伴って回転駆動し、第2昇降体98を押圧して高さ位置を調整し、これによって内側押圧体83の高さ位置を調整する(内側押圧体83の昇降動作を行う)ことができる。第2昇降機構は、カム99の回転動作のタイミング、カムの形状、軸部に対するカムの固定位置などの設定によって、内側押圧体83の昇降動作のタイミングや変位量を任意に設定できる。
このため、カム94とカム99は、それぞれ第1昇降体と第2昇降体に対して互いに独立に動作可能であり、内側押圧体83と外側押圧体84は、互いに独立に昇降動作させることができる。
錠剤取出機構15における2つのカムの回転動作のタイミング等は、錠剤位置検出機構の検出部からの信号に基づいて定めることができる。具体的には、検出された錠剤収容部の位置に合わせて内側押圧体83と外側押圧体84を動作させることができる。
錠剤取出ユニット1は、PTPシートの錠剤収容部の押圧をする前に、押圧される錠剤収容部の長さや押圧される錠剤収容部の位置を検出することができる検出機構17をさらに有している。そして錠剤供給装置は、検出した錠剤収容部の長さや錠剤収容部の位置に応じて押圧に最適な搬送方向に関する位置を算出し、当該位置とするために必要な搬送距離を算出することもできる。つまり搬送機構16(下部ローラ39、上部ローラ)は、搬送距離により載置台18上の錠剤収容部が押圧するために必要な最適位置に錠剤シートを搬送することができる。
次に、図6を用いて、錠剤供給装置10の内部構造について説明する。図6は、錠剤供給装置10を背面側(裏側)から見た図である。
204は、光学センサ(ビームセンサ)等で設けられた、落下物を検出する検出機構である。除包された錠剤が導入シュート24内を落下する際、除包された錠剤がセンサ上を通過し光の一部を遮光することになる。このビームセンサの光の一部が遮光され、光量が変化した状態をON状態とし、遮光されておらず光量が変化しない状態をOFF状態とする。このON/OFF状態を用いて落下物の有無の判定を行うことができる。さらに錠剤落下検出機構は、光学センサ204と錠剤の通過をカウントする落下錠剤カウンタとを有する。すなわち錠剤供給装置10には、検出機構で錠剤の通過を検出可能となるように設けられており、押圧により錠剤収容部から錠剤が取り出されたか否かを判定することができる。
つまり取出動作を行っても錠剤の通過が検出されない場合には、押出し機構による錠剤収容部の押圧動作を継続(リトライ)させる。これにより、確実に錠剤の取り出しを行うことができる。一方、取出動作後に錠剤の通過が検出されない場合には、取出動作後に押出し機構による錠剤収容部の押圧動作を継続(リトライ)しない。
401は、錠剤導入路(通過経路)である。錠剤導入路401は、導入シュート24と導通しており、錠剤シートから取り出され落下した錠剤を導入シュート24から第1集積ホッパーに中継する。
次に、図7を用いて、錠剤供給ユニット400の内部構造について説明する。第1集積ホッパー402は、錠剤取出ユニット1により、PTPシートから取り出された錠剤が導入シュート24を落下して通り、そして、導入シュート24から錠剤導入路401を通り、該錠剤が集積される部分である。すなわち、錠剤導入路401は、第1集積ホッパー402と直接、導通している。
第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402で集積された錠剤をさらに集積する。すなわち、第2集積ホッパー501は、第1集積ホッパー402と導通している。
つまり第1集積ホッパー402に落ちてきた錠剤50は、第2集積ホッパー501に落ちて集積される。
第1の送り出し機構502は、第2集積ホッパーに集積された錠剤50を第3の集積ホッパーに移動させる。第3集積ホッパー503は、第1の送り出し機構502により送り出(移動)された錠剤を集積する。そして第2の送り出し機構504が、第3集積ホッパーに集積された錠剤をメインホッパー505に移動させる。そしてメインホッパー505は、第2の送り出し機構504により送り出(移動)された錠剤(1回分)を集積し、包装シート(分包紙)の中に集積した錠剤を投入する。
錠剤が取り出された後の錠剤シートは、後述する錠剤シートの排出経路を通過して、錠剤シートの回収ボックス2103に回収される。回収ボックス2103には、複数の錠剤取出ユニット1で除包動作が行われた後の錠剤シートが集約される。このように、1か所の回収ボックスに回収することにより、分包作業を完了して錠剤が取出された後の錠剤シートの状態と、錠剤を包装した包装シートとの状態とを比較して行う監査を行う際に、容易に錠剤シートを回収することができる。
次に、図8、図9を用いて、包装ユニット701の内部構造について説明する。
図8は、包装ユニット701の内部構造を示す図である。図9は、図8に示す包装ユニット701の内部構造の一部(703、704、705)を拡大した図である。
包装ユニット701は、包装装置5内のユニットである。702は、包装シートが連なるロール紙(分包紙がロール状になっている紙)を包装機構に送り出すロール紙送出機構である。703は、メインホッパー505内に集積された錠剤(1回分の錠剤)が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。そして704では、メインホッパー505内に集積された錠剤が包装シートの中に投入され、当該包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する(包装機構)。すなわち、包装機構703と、包装機構704とで、包装シートを加熱し溶着することにより、包装シートの中に投入された錠剤を、包装シートの中に封入する。
705は、連なるロール紙を1包毎の包装シート(1つの包み802)に分断するための分断用ミシン目801を包装シートに形成する分断機構である。706はプリンタであり、包装シートに、日付、患者データ、エラー情報を印字することができる(印字機構)。
このような図8及び図9に示す包装ユニットにより、投薬1回分の錠剤または散薬を包装シートに分包することができる。なお包装シートとしては、表面に熱溶着可能な樹脂材をコーティングした紙のみならず、中身を視認することができる透明なフィルム材を用いることもできる。
次に、図10を用いて、錠剤取出ユニット1の内部構造について説明する。
901は、錠剤シートの投入口203のカバーである。カバー901を開けることにより、錠剤シート51を投入口203に入れることが出来るようになる。
また、図10に示す24は、導入シュートであり、既に、図5などを用いて説明しているため、ここでは説明を省略する。
次に、図11を用いて、錠剤供給装置10について説明する。図11は、錠剤供給装置10を正面から見た図である。図11に示す1は、図1にも示している通り、錠剤取出ユニットである。錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから取り出された錠剤は、導入シュート24を通り、そして、錠剤導入路401を通り、第1集積ホッパー402に落ちていく。
次に、図12を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。図12は、錠剤供給装置10を横(正面から見て右側)から見た図である。図11でも説明したが、錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから取り出された錠剤は、導入シュート24、錠剤導入路を通り、第1集積ホッパー402内に落ちてくる。
そして、第1集積ホッパー402を通った錠剤は、第2集積ホッパー501を通り、第1の送り出し機構502に送られる。第1の送り出し機構は、第1の中継ユニットである。
そして、第1の送り出し機構502は、錠剤を第3集積ホッパー503に送り、第3集積ホッパー503は、第2の送り出し機構504に錠剤を送る。第2の送り出し機構504は、第2の中継ユニットである。第2の送り出し機構504は、第2の送り出し機構504に送られた錠剤を、メインホッパー505に送る。
次に、図13を用いて、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤がどのように、導入シュート24、錠剤導入路401、第1集積ホッパー402を通るかについて説明する。
図13は、図11に示した錠剤供給装置10の一部を抜粋した図である。すなわち、図11に示す錠剤取出ユニット1を2段分削除した図が、図13である。図13に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。また、図13に示す通り、第1集積ホッパー402の左側の導管、及び真ん中の導管の幅は、直径が78mmである。
次に、図14を用いて、錠剤供給装置10の錠剤供給ユニット400が備える各構成について説明する。図14は、錠剤供給装置10の内部を横(正面から見て右側)から見た図である。図14に示す点線の矢印1201は、錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤の移動経路を示している。また錠剤供給ユニット400には、図14に示すように第1の段と第2の段と第3の段とが重力方向に関して重なるように設けられている。各段には、錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出ユニット1、錠剤導入路401、及び導入シュート24が設けられている。
最上段(第1の段)の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第1の段の導入シュート24、中段(第2の段)の錠剤導入路401、下段(第3の段)の錠剤導入路401を通過して第1の傾斜部1401に至る。また、第2の段の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第2の段の導入シュート24、第3の段の錠剤導入路401を通過して第1の傾斜部1401に至る。また、第3の段の錠剤取出ユニット1から取り出された錠剤は、第3の段の導入シュート24を通過して第1の傾斜部1401に至る。
最上段(第1の段)の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1301までの距離は、約460mmである。そして中段(第2の段)の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第1の傾斜部1301までの距離は、約265mmである。
また、第1集積ホッパー402の長さは、約362mmである。すなわち、最下段の錠剤取出ユニット1の導入シュート24の出口から、第2集積ホッパー501までの距離は、約362mmである。各段の錠剤取出ユニット1で、錠剤シートから錠剤が取り出されると、錠剤は、導入シュート24を通り、導入シュート24の出口から、錠剤導入路401を通り、そして、第1集積ホッパー402に入り、第2集積ホッパー501に集積される。
この時、錠剤供給装置10全体の分包時間を短縮させることを考慮すると、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口から、まっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めることが考えられる。しかし最上段の錠剤取出ユニット1で取り出された錠剤を、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口からまっすぐ下に垂直落下させ、第2集積ホッパー下部に収めると約876mmもある。そのため、錠剤が割れたり、欠けたりして破損してしまう可能性が高くなる。また、錠剤シートから取り出される薬が、カプセルの場合は凹んだりして変形をしてしまう可能性が高くなる。
錠剤供給装置10は、錠剤取出ユニット1が複数積み上げられて使用できるようになっている。そのため、特に最上段の錠剤取出ユニット1から錠剤が落下する場合には、導入シュート24(錠剤取出ホッパー)出口から第2集積ホッパーまでの距離が非常に長くなり、錠剤シートから取り出される錠剤、又はカプセルが、破損してしまう可能性が高くなってしまう。
そこで、第1集積ホッパー402の上部に、分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第1の傾斜部1301を設ける。すなわち、第1集積ホッパー402の上部の一部をオフセットさせる。具体的には重力方向から約32°の傾斜を有する第1の傾斜部1301としている。
また、第2集積ホッパー501においても、第1集積ホッパー402から第2集積ホッパー501の下部にダイレクトに錠剤が到達しないように、第2集積ホッパー501も分包時間を余りロスしない程度に錠剤をバウンドさせる第2の傾斜部1302を設けている。
具体的には、第2の傾斜部1302は、水平方向より約40°の傾斜としている。
なお上述の第1の傾斜部1301及び第2の傾斜部1302の角度は一例であり、落下してくる錠剤がバウントして(落下スピードを落として)、その後の経路に移動可能な角度(次の供給部に落下により供給可能な角度の傾斜)であれば、どのような角度でもよい。
このように第1集積ホッパー402に第1の傾斜部1301、第2集積ホッパー501に第2の傾斜部1302を備えることで、錠剤取出ユニット1の導入シュート24出口から、第2集積ホッパー501の下部までダイレクトに錠剤が落下することを防止できる。これにより錠剤の落下向きを変えることができ、錠剤が破損や変形しない程度のクッションを与えることができる。その結果、落下してくる錠剤が第2集積ホッパー501の下部に到達した時の衝撃を和らげることができ、錠剤が破損、変形する可能性を低減させることが出来るようになる。
第1の傾斜部は、錠剤取出装置から落下してきた錠剤が接触する位置に設けられており、第2の傾斜部は、第1の傾斜部に接触した錠剤がさらに落下して接触する位置に設けられている。
また、第1の傾斜部1301、第2の傾斜部1302に、ゴムなどの、衝撃を吸収する材料(衝撃吸収材)を更に設けることにより、錠剤の衝撃をさらに抑えることが可能となる。
図15は、包装装置5を上面から見た図である。
1401は、ユーザによる手撒きにより錠剤を包装装置5に投入するための手撒き投入部である。
1402は、手撒き投入部1401内の、1回分の錠剤をセットする錠剤マスであり、1402は、4番目のマスを示している。
包装装置5には、図15の1401に示すように、1回分の錠剤(1つに包装する錠剤)をセットする錠剤マスが、複数設けられている。1403は、錠剤マスにセットされた錠剤(3錠)を示している。
501は、タッチパネル式のディスプレイであり、各種表示を行う表示部であると共に、ユーザによる各種操作を受け付ける部分である。
ユーザが手巻きにより1回分の錠剤を各錠剤マスにセットして、当該錠剤マスにセットされた錠剤の分包を行う場合、各錠剤マスにセットされた錠剤を、1番の錠剤マスにセットされた錠剤から順番に、分包する。図15に示すように、手撒き錠剤部1401は、3行15列の計45個の錠剤マス1402を有している。
図16は、手撒き錠剤部1401の断面図の一例を示す図である。1501は、手撒き錠剤部1401の底面にあるシャッターである。シャッター1501は、開いた状態での開口部を広く確保するために、2枚のシャッターが重なった構造となっている。シャッター1501が左方向へ開くことによって、各錠剤マスにセットされている錠剤が下方向へ落下する。
図17は、包装装置5の内部の錠剤スライド部1601、スライド枠1602の構造である。錠剤スライド部1601は、分包動作が始まる前の段階では、手撒き錠剤部1401の直下に配置されている。図17に示す通り、錠剤スライド部1601は、スライド枠1602を有している。
各スライド枠1602は、上部に位置する各錠剤マスと、それぞれ対になるような形状で構成されており、分包動作が始まる前の段階では、各スライド枠1602は、上部に位置する各錠剤マスと、それぞれ対になるよう配置されている。
錠剤スライド部1601は、シャッター1501が開くことにより錠剤マスからスライド枠1602に落下した錠剤を、左方向へスライドして搬送するためのものである。錠剤スライド部1601を左方向にスライドして搬送する動力源としてモータを備えており、当該モータにより錠剤スライド部1601を左方向にスライドして搬送することが可能となる。
図18は、分包動作が始まる前の段階における、錠剤マス1402、シャッター1501、錠剤スライド部1601のスライド枠1602の位置関係を示した図である。図18に示すように、分包動作が始まる前の段階では、錠剤マス1402の真下に錠剤スライド部のスライド枠1602が位置している。
錠剤スライド部1601のスライド枠1602は、底面を有していない。そのため、シャッター1501が開くことにより錠剤マスからスライド枠1602に落下した錠剤は、錠剤スライド部1601を支持している台を底面として保持される。
図19は、錠剤スライド部1601を支持する台の一例を示す図である。図19に示すように、錠剤スライド部1601を支持する台の左側に、錠剤を堰き止めるフタ1801、1802、1803を有している。1801は、錠剤スライド部1601の奥の行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタAである。1802は、錠剤スライド部1601の中央行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタBである。1803は、錠剤スライド部1601の手前の行のスライド枠内の錠剤を堰き止めるフタCである。
図20は、第3集積ホッパーの右側面から見た錠剤スライド部1601を支持する台の、錠剤を堰き止めるフタ1801、1802、1803と、第3集積ホッパー503の断面図の一例である。図20に示すように、錠剤を堰き止めるフタ(錠剤堰き止めフタ)1801、1802、1803を、それぞれ独立して開閉することができる。
各錠剤堰き止めフタ1801、1802、1803のいずれかを開閉することにより、錠剤スライド部1601の各行のスライド枠内の錠剤を、選択的に第3集積ホッパー503に落下させることができる。各錠剤堰き止めフタ1801、1802、1803の開閉は、不図示のモータにより個々に行われる。なお、図20は、フタA(1801)、及びフタB(1802)が閉じた状態、フタC(1803)が開いた状態を示している。
図15に示すように、手撒き錠剤部1401は、多数の錠剤マス1402を有している。1包に包装する錠剤が、錠剤マス1402の1マスに対応しており、包装する包数に応じて、予め、錠剤マス1402の番号順に、1包に包装する錠剤を錠剤マス1402にセット(投入)しておく。
包装動作を開始すると、図16に示すように、各錠剤マス1402の底面にある全てのシャッター1501が開き、図17に示す錠剤スライド部1601の対応する各スライド枠1602に、各錠剤マス1402内の錠剤がそれぞれ落下する。錠剤が、各スライド枠1602に落下した後、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。すなわち、スライド枠1602内に錠剤のあるスライド枠1602のうち、最も左側のスライド枠1602の位置が、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)の位置に来るまで、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。
そして、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)を、それぞれ包装動作ごとの包装の番号順に、開けて閉じることにより、1マス分ずつの錠剤を、第3集積ホッパー503に落下させることができる。
そして、スライド枠1602内の1列分の錠剤を第3集積ホッパー503に落とし終えると、錠剤スライド部1601を次の列まで再び移動する。すなわち、スライド枠1602内に錠剤のあるスライド枠1602のうち、最も左側のスライド枠1602の1つ右側のスライド枠1602の列が、フタA(1801)、フタB(1802)、フタC(1803)の位置に来るように、再度、錠剤スライド部1601を左方向に移動する。これを繰り返すことにより、各錠剤マス1402にセット(投入)された錠剤を、それぞれ1回分ずつ分包することが可能となる。
なお、図20に示すように、堰き止めフタ(1801、1802、1803)は、第3集積ホッパー503の上部に配置しており、堰き止めフタ(1801、1802、1803)が開くことで、第3集積ホッパー503に、スライド枠1602内に存在しているフタの上の錠剤を、落下させることが可能となる。
次に、図21〜24を用いて、錠剤が取り出された錠剤シートの排出動作について説明を行う。錠剤が取り出された後の錠剤シートは、搬送機構16によって錠剤取出位置から錠剤供給装置の後ろ側に向かって搬送されることで、錠剤取出位置から排出される。図21に示すように、最上段(第1の段)から排出された錠剤シートは、錠剤シートの排出経路2101a、2101b、2101cを通過し、さらに錠剤シートの排出経路2102を通過して図7に示すような錠剤シート回収ボックス2103に回収される。
このような排出経路は、重力方向に積層された複数の錠剤取出ユニット1に対して共通に設けられており、中段(第2の段)の錠剤取出ユニットから排出された錠剤シートは、排出経路2101b、2101cを通過し、さらに錠剤シートの排出経路2102を通過して錠剤シート回収ボックス2103に回収される。そして下段(第3の段の)の錠剤取出ユニットから排出された錠剤シートは、排出経路2101cを通過し、さらに錠剤シートの排出経路2102を通過して錠剤シート回収ボックス2103に回収される。そして、このような排出経路は、重力方向に積層された複数の錠剤取出ユニットのセットごとに設けられており、最終的に全ての錠剤シートが錠剤シート回収ボックス2103に集まるように設けられている。錠剤シートの回収ボックス2103に回収された錠剤シートは錠剤供給装置の正面側からユーザが回収することができるように、錠剤供給装置の正面に回収ボックス2103にアクセスするための扉が設けられている。
図22は、錠剤取出ユニット1から錠剤シートが排出される様子を図示したものである。錠剤取出ユニット1から排出された錠剤シート51はシート排出ガイド2104にガイドされた状態で搬送され、ユニット排出部を経由して錠剤シートの排出経路2101に排出されることになる。シート排出ガイドは、錠剤取出ユニット1から搬送された錠剤シート51を排出部に排出する際に、錠剤シートを下方向に倒しこむために両サイドをガイドすることができ、錠剤シート51の幅に合わせて幅方向に移動可能に設けられている。また、錠剤取出ユニット1の錠剤取出位置の下流側には、ユニット排出部シート検出センサ2201(排出検出センサ)が設けられており、ユニット排出部からの排出が完了したかについて検出することができる。このような検出センサ2201としては、反射型の光学センサを用いることができ、光の反射量(光量の変化)を検出して錠剤シートの排出を判断することができる。なお検出センサ2201としては、錠剤シートの排出を検出できればよく、反射型の光学センサのみならず透過型の光センサや超音波式のセンサを用いてもよい。
図24は、錠剤供給装置の錠剤取出ユニットの組を分解した模式図である。錠剤シートの排出経路2101と、錠剤シートの排出経路2102との間には、それぞれ錠剤シート検出センサ2401(通過検出センサ)が設けられており、錠剤シートの通過したかどうかについて検出が行えるように設けられている。このような錠剤シート検出センサ2401は図24に示すように排出経路ごとに設けられており、各経路における錠剤シートの通過したかどうかについて検出することができる。このような検出センサ2401としては、具体的には発光部と受光部とからなる透過型の光学センサを用いることができ、光の遮断(光量の変化)を検出して錠剤シートの通過を判断することができる。なお検出センサ2401としては、錠剤シートの通過を検出できればよく、透過型の光学センサのみならず反射型の光センサや超音波式のセンサを用いてもよい。
図23は、錠剤シート51が排出経路内に引っかかって詰まっている状態を説明するための図である。錠剤シート51(a)は、錠剤取出ユニット1から排出された錠剤シート51が錠剤排出経路に正常に落下する状態を示している。正常に排出された場合には、このように排出部から押し出され、ユニット排出部シート検出センサ2201のセンサ状態で錠剤シートが検出されなくなるため、錠剤取出ユニット1から正常に排出されたと判断される。
錠剤シート51(b)は、シート排出ガイド2104から錠剤シート51の両サイドが外れてしまい、下方向に錠剤シートが排出されず、上方向に向いてしまっている状態を示している。このような状態になると、排出経路の奥に突き当たってしまい、搬送できず、錠剤取出ユニット1の外へ排出できず詰りが発生してしまう。また、このような状態が続くと上段から排出された排出シートも引っかかってしまい、回収ボックス2103には回収されないことになってしまう。このような場合には、ユニット排出シート検出センサ2201で錠剤シートが検出され続けることになるため、錠剤取出ユニット1から正常に排出できなかったと判断し、その旨をユーザに通知させることで詰りを解消するように促すことができる。
錠剤シート51(c)は、上段(若しくは中段)の錠剤取出ユニット1から排出された錠剤シートが下段の錠剤取出ユニット1の排出部に入り込んでしまった状態を示している。このような状況が発生すると、下段の錠剤取出ユニット1から錠剤シート51(d)を排出できないばかりか、その後に排出される上段や中段からの錠剤シートも詰まっていくことなってしまう。この場合には、錠剤シート51(c)がユニット排出シート検出センサ2201で排出が検出されたにもかかわらず、所定時間内に錠剤シート検出センサ2401で検出されないため、詰りが発生していると判断し、その旨をユーザに通知させることで詰りを解消するように促すことができる。具体的には上段では、ユニット排出シート検出センサ2201で排出を検出してから約0.5秒以内に錠剤シート検出センサ2401で錠剤シートが検出されない場合に詰りが発生したと判断させることができる。また、中段では、ユニット排出シート検出センサ2201で排出を検出してから約0.4秒以内に錠剤シート検出センサ2401で錠剤シートが検出されない場合に詰りが発生したと判断させることができる。また、下段では、ユニット排出シート検出センサ2201で排出を検出してから約0.3秒以内に錠剤シート検出センサ2401で錠剤シートが検出されない場合に詰りが発生したと判断させることができる。このように所定時間は、排出経路の長さによって適宜定めることが好ましいが、上段よりもそれより下側の段の時間を短く設定しておくことにより、下側の段からの錠剤シートの排出を確実に検出することができる。
図25は、錠剤取出動作を説明するためのフローチャートである。このような制御は図3に示すような錠剤供給装置10のCPU11等で制御することができる。
S2501では、まず投入口に投入された錠剤シートを取出位置にまで搬送する。その後S2502で錠剤の取出動作を行う。さらに、全ての錠剤の取出が完了した後に、S2503に示す錠剤シートを排出部に搬送し、錠剤シートの排出動作が行われる。
なお錠剤シートの排出動作は、すべての錠剤の取出が完了した場合のみならず、分包作業が全て終了した後に、いくつか錠剤が残っている錠剤シートを排出する場合や、エラーが発生した際に取出位置に保持されている錠剤シートを排出する場合にも行うことが可能である。
錠剤取出位置までの搬送量及び錠剤取出位置から排出部に至るまでの搬送量は錠剤シートの種類ごとに異なるが、別途錠剤シートの錠剤収容部を検出可能な収容部センサを設け、搬送機構による搬送速度と、収容部検出センサのONである期間とOFFである期間とから錠剤シートの搬送方向に関する長さを見積もることでそれぞれ算出することができる。また、収容部検出センサを使用して錠剤シートの搬送方向に関する長さを見積もらなくとも、取出位置よりも上流側に錠剤シートの通過を検出できるセンサを設けて錠剤シートの先端と後端を検出させ、錠剤シートの取出位置までの搬送量や錠剤シートの長さや取出位置から排出部までの搬送量の取得を行ってもよい。
図26は、図25のS2503で示す錠剤シートの排出動作について説明するためのフローチャートである。このような制御は、各錠剤取出ユニット1ごとに行われ、図3に示すような錠剤供給装置10のCPU11等で制御することができる。
S2601では、搬送ローラ等の搬送機構16を用いて錠剤シートの排出を開始する。S2602では、排出動作開始後ユニットシート検出センサで排出完了を検出したか判断する。S2602で排出が完了したと判断されなかった場合には、図23の錠剤シート51(b)に示すように錠剤取出ユニット1の排出部にシートが詰まっている可能性が高いため、S2603に進み、図27(a)に示すような、どのユニットに錠剤シートが詰まっている可能性があるかを表示するように表示制御し、ユーザに対して異常が発生している可能性を通知する。
S2602で排出が完了したと判断された場合には、S2604に進み、錠剤取出ユニット1からの排出が完了してから所定時間以内に錠剤シート検出センサで錠剤シートが通過したかを判断する。S2604で所定時間以内に錠剤シート検出センサで錠剤シートが通過したと判断された場合には、正常に排出動作が完了したといえるため、終了する。一方、S2604で所定時間以内に錠剤シート検出センサで錠剤シートが通過したと判断されなかった場合には、図23の錠剤シート51(c)のように排出経路内で詰まっている可能性が高いため、S2605に進み、図27(b)に示すような、どの排出経路に錠剤シートが詰まっている可能性があるかを表示するように表示制御し、ユーザに対して異常が発生している可能性を通知する。
S2604所定時間は、排出経路の長さによって適宜定めることが好ましいが、上段よりもそれより下側の段の時間を短く設定しておくことにより、下側の段からの錠剤シートの排出を確実に検出することができる。
なお、図25や図26の制御は、錠剤供給装置10のCPU11に限られず、情報処理装置300のCPU30や包装装置5のCPU51で制御してもよい。
以上のように、錠剤取出ユニット1の排出部や排出経路内に錠剤シートが詰まったと想定されるタイミングにユーザに異常の事実を通知させることにより、調剤業務を長時間中断させたり、分包作業が適正に行われかを監査する際に不都合が生じることを防止することができる。
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、前記情報処理装置にインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
このような課題に対し本発明の錠剤取出装置は、複数の錠剤が封入された錠剤シートから錠剤を取り出す錠剤取出手段と、前記錠剤取出手段から錠剤シートの排出動作が完了したことを検出する排出検出手段と、前記錠剤取り出し部から排出された錠剤シートが通過する通過経路と、前記通過経路の先に設けられ、排出された錠剤シートを集約する集約部と、前記通過経路と前記集約部との間に設けられ、排出された錠剤シートの通過を検出する通過検出手段と、前記排出検出手段によって排出動作の完了を検出したにもかかわらず、前記通過検出手段で錠剤シートの通過を検出しない場合には、その旨をユーザに通知するように表示制御する制御手段と、を有することを特徴とする。