JP2015100379A - ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法 - Google Patents

ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥に時間のかかるインクを用いて描画する場合であっても、インクの混色等による画像の乱れや色滲みを防止しつつ、できるだけ短時間で描画を完了させることのできるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法を提供する。【解決手段】爪の表面の描画部により描画を施す描画対象領域の少なくとも一部は複数の単位領域に分割されていて、複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの単位領域と接するように配置されており、互いに接している2つの単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、特定の単位領域に接している単位領域の全てが、少なくとも、インクが塗布されて当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであるときに、この特定の単位領域に描画を施す。【選択図】図5

Description

本発明は、ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法に関するものである。
従来、印刷ヘッドからインクを噴射して爪にネイルデザインを印刷するインクジェット方式のネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなネイルプリント装置を用いれば、自宅で簡易にネイルプリントを施すことができる。
特表2003−534083号公報
しかしながら、インクジェット方式のネイルプリント装置では、市販のマニキュア液に使用されるような粒径の大きな色材等を含むインク等を印刷ヘッドから吐出させることが難しく、印刷できる絵柄が制限されてしまったり、美しい仕上がりとならなかったりするという問題がある。
この点、ペン等の筆記具を装着した描画ヘッドを備え、筆記具の先端部を用紙(対象物)に当接させて描画を行うプロッタ方式のプリント装置を用いた場合には、使用できるインクの種類が限定されず、爪にネイルサロンで施術されるのと同様のネイルプリントを施すことが可能となる。
しかし、多色のインクを使ってプロットすることにより描画するプリント装置では、先に描いたインクが乾燥する前に、当該描画済み領域に接した領域に違う色のインクでプロットすると、領域間の境界でインクが混ざり合って画像が乱れたり、色が滲んだりして美しい仕上がりとならないことがある。
特に、爪にネイルプリントを施す場合は、インクが爪に吸収されることがないため、紙に描画する場合よりもインクの乾燥に長い時間を要する。
このため、上記のようなインクの混色等による画像の乱れや色滲みが発生し易いという問題があり、画像の乱れや色滲みを回避しようとすると、インクが乾燥するのを待って次の色を描画しなければならず、印刷に時間を要してしまう。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、乾燥に時間のかかるインクを用いて描画する場合であっても、インクの混色等による画像の乱れや色滲みを防止しつつ、できるだけ短時間で描画を完了させることのできるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、
画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施す描画部と、
前記描画部を制御する描画制御部と、
を備え、
前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
前記描画制御部は、前記複数の単位領域における特定の単位領域に対して、該特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すように制御することを特徴としている。
また、本発明のネイルプリント装置の印刷方法は、
画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施すネイルプリント装置の印刷方法であって、
前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、前記複数の単位領域における互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
前記各単位領域ごとに、当該単位領域に前記描画を施すか否かを判断し、前記複数の単位領域における特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すことを特徴としている。
本発明によれば、乾燥に時間のかかるインクを用いて描画する場合であっても、インクの混色等による画像の乱れや色滲みを防止しつつ、できるだけ短時間で描画を完了させることができる。
本実施形態におけるネイルプリント装置の正面図である。 図1に示すネイルプリント装置の一部を断面にして内部構造を示した側面図である。 図1におけるIII−III線に沿う断面図である。 描画状態における筆記具キャリッジ及びこれに支持された筆記具を拡大した図であり、(a)は、筆記具キャリッジ及び筆記具の側面図であり、(b)は、(a)の筆記具キャリッジ及び筆記具を矢視b方向から見た上面図であり、(c)は、(a)の筆記具キャリッジ及び筆記具を矢視c方向から見た正面図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置によって描画可能なネイルデザインの一例を示す図である。 図6のネイルデザインに対応するエリアNoテーブルの一例を示す図である。 図6のネイルデザインに対応する乾燥時間テーブルの一例を示す図である。 図6のネイルデザインに対応する周囲関連テーブルの一例を示す図である。 図6のネイルデザインに対応する描画管理テーブルの一例を示す図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の印刷処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係るネイルプリント装置の印刷処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係るネイルプリント装置のフローチャートである。 本実施形態に係るネイルプリント装置によって描画可能なネイルデザインの一例を示す図である。 図14のネイルデザインに対応するエリアNoテーブルの一例を示す図である。 図14のネイルデザインに対応する乾燥時間テーブルの一例を示す図である。 図14のネイルデザインに対応する周囲関連テーブルの一例を示す図である。 図14のネイルデザインに対応する描画管理テーブルの一例を示す図である。 本実施形態におけるネイルプリント装置の一変形例の正面図である。 図19に示すネイルプリント装置の一部を断面にして内部構造を示した側面図である。
図1から図18を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置1の一実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、ネイルプリント装置の正面図であり、図2は図1に示すネイルプリント装置の一部を断面にして内部構造を示した側面図である。
図1及び図2に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10と、を備えている。なお、図1及び図2において、ケース本体を二点鎖線で示している。
ケース本体2の前面上部一端には、後述する描画部40のペン等の筆記具41を交換するために開閉可能に構成された筆記具交換用蓋部23が設けられている。筆記具交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図2に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
さらに、ケース本体2の一側面(本実施形態では、図1において左側面)であって後述する筆記具慣書部61に対応する位置には、筆記具慣書部61に載置される被描画媒体(図示せず)を入れ替え可能な媒体挿出口24が形成されている。
ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図5参照)が設置されている。
操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。
また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。
表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部26の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、例えば、指先等でタッチパネル表面にタッチすることにより各種選択や指示を行うことができる。指以外でも例えばスタイラスペンや、先の尖った棒状の筆記具等によって表示部26の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。
装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12と、を備えている。
まず、下部機枠11について説明する。
下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。
側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。
図2に示すように、背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。
この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図2参照)となっている。X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40(図6参照)が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。
また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。
この下部機枠11には、指固定部30が一体的に設けられている。
図3を参照して、指固定部30について説明する。
図3は図1に示されたIII−III線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。
指固定部30は、描画を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32と、から構成されている。
指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中央部に配置されている。また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。
例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、図3に示すように、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。
指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116a、両側が仕切り31a、奥側が仕切り31cによって区画されている。指載置部116aは、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)をXY平面上に載置するものである。
また、指受入部31の上側は天井部31dによって区画されている。天井部31dには、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓31eが形成されている。
また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31f(図1参照)が立設されている。また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31gが立設されている。
ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。
なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。突出部116bは、手前側に向かうにつれてその厚さが漸減し、奥側に向かうにつれて漸増するテーパー部となっていてもよいし、突出部116bの厚さが、隔壁116の奥側の窪みに対して全体が厚い構造になっていてもよい。隔壁116の前端部に突出部116bが形成されていることにより、非印刷指U2が指退避部32に挿入された際、描画済みの指の爪Tと隔壁116との間に空間が確保され、爪Tが隔壁116の下面に接触して装置側にインクが付着したり、爪Tに描画された絵柄が擦れて損なわれたりするのを防止することができる。
図4(a)及び図4(b)に示すように、隔壁116の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1において左側)には、後述する印刷ヘッド42による描画可能範囲内に、後述する筆記具41の慣らし書きをするための筆記具慣書部61が設けられている。なお、筆記具慣書部61は、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなる高さに設けられていることが好ましい。
筆記具慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された図示しない被描画媒体が載置されるようになっている。
筆記具慣書部61に載置される被描画媒体は、ペン先412を慣らすことができるものであればよく、例えば紙片である。
筆記具慣書部61は、ペン先412が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止するために、爪Tに画像データによる描画を開始する前に被描画媒体の上に筆記具41を下ろして「○」や「∞」等の所定の図形を描画して慣らし書きを行い、ペン先412の状態を良好にするためのものである。慣らし書きを行う際に描画する所定の図形は特に限定されないが、インクを無駄に使いすぎないよう、「○」や「∞」等の単純な図形であることが好ましい。「○」や「∞」等の慣らし書きは、筆記具慣書部61の範囲内で毎回少しずつずらしながら書くようにすることが好ましい。なお、被描画媒体のほぼ全面に書いてしまったときには、表示部26に「紙を交換して下さい」等の被描画媒体の交換を促す表示画面を表示させるようにする。この場合、ユーザが媒体挿出口24から被描画媒体を取り出して新しいものと交換することにより新しい被描画媒体に慣らし書きができる状態となる。もし、被描画媒体がロール紙である場合は、描画スペースが無くなったときには、ロール紙から被描画媒体を繰り出し、新しい描画面に慣らし書きを行えるようにする。
また、本実施例ではゴム製の筆記具キャップ62が筆記具慣書部61の前方(指挿入方向の手前側)に設置されている。筆記具キャップ62は、描画部40に装着される筆記具41に対応する数(本実施形態では4つ)だけ設けられており、描画部40に筆記具41を装着後であって描画を行っていないとき(非描画時)には、筆記具41は筆記具キャップ62に収容される。筆記具キャップ62等が配置されている領域は、非描画時に、筆記具41が待機しているホームスペースとなっている。
すなわち、非描画時には、筆記具41を筆記具キャップ62の真上に筆記具41を移動させ後、後述するソレノイド440(図4参照)によって筆記具41を下降させ、ペン先412を筆記具キャップ62内に収容する。このようにすることにより、非描画時におけるペン先412の乾燥を防止できるようになっている。なお、筆記具キャップ62の形状等は図示例に限定されず、例えば、描画部40に装着される全ての筆記具41のペン先412を受け入れることのできる長尺な溝状の筆記具キャップ等であってもよい。
なお、本実施形態では、このように、筆記具キャップ62が筆記具慣書部61の傍に設けられているので、描画を開始するときには、筆記具41を上昇させてすぐ傍の筆記具慣書部61で慣らし書きを行い、描画を開始することができる。このため、筆記具41の移動等にかかる時間を最小限に抑えることができ、迅速な描画動作を行うことができる。
描画部40は、複数種類のインクを用いてネイルデザインの画像データに基づき爪に描画を施すものであり、筆記具41を備える印刷ヘッド42、印刷ヘッド42を支持するユニット支持部材44、印刷ヘッド42をX方向(図1におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、印刷ヘッド42をY方向(図2におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。
本実施形態において、印刷ヘッド42は、それぞれ1本ずつ筆記具41を保持する筆記具キャリッジ43を4つ備えている。
筆記具41は、爪Tの表面にインクを塗布して描画を施すものである。
図4(a)から図4(c)は、筆記具キャリッジ43及びこれに支持された筆記具41を拡大した図であり、描画を行っているときの状態(描画状態)を示している。
図4(a)は、筆記具キャリッジ43及び筆記具41の側面図であり、図4(b)は、図4(a)の筆記具キャリッジ43及び筆記具41を矢視b方向から見た上面図であり、図4(c)は、図4(a)の筆記具キャリッジ43及び筆記具41を矢視c方向から見た正面図である。
図4(a)〜図4(c)に示すように、各筆記具キャリッジ43に保持される筆記具41は、ペン軸部411の先端側にペン先412が設けられたものである。ペン軸部411の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。ペン軸部411の内部に収容されるインクは、粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用、トップコート用やマニキュア等も用いることが出来る。
ペン軸部411の他端側には、ペン軸部411よりも外側に張り出した鍔部413が形成された蓋部414が取り付けられている。ペン軸部411及び蓋部414を形成する材料は特に限定されないが、筆記具41を量産するために適した樹脂等で形成されていることが好ましい。
本実施形態において、蓋部414の上部には、手やピンセット等でつまみ易いようにつまみ部415が設けられており、さらに、このつまみ部415には磁石に吸着するように小さな鉄片416が埋設、貼着等により設けられている。
筆記具41は、例えばペン先412を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部411内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先412がボールペンタイプとなったペンである。なお、筆記具41は、ボールペンタイプのものに限定されず、例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。また、ペン先412の太さも各種のものを用意することができる。
各筆記具キャリッジ43に保持される筆記具41は、同じタイプのペン先412を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先412を有する筆記具であってもよい。
筆記具41は後述するように筆記具キャリッジ43の筆記具保持部437d及び筆記具ホルダ431に上方から挿通するだけで保持されているため、ケース本体2に設けられている筆記具交換用蓋部23を開けて、例えば手やピンセットでつまみ部415を摘む、若しくは、図示しない棒状部材の先に磁石を取り付けたものをつまみ部415に近づけて鉄片416を磁石に吸着させて引き上げる等の手法により、簡易に交換が可能である。このため、ユーザは、各筆記具キャリッジ43に装着する筆記具41を、描画したいネイルデザインに応じてペン先412の種類やインクの種類の異なる筆記具41に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。
なお、本実施形態では、筆記具41を保持する筆記具キャリッジ43が装置の幅方向(左右方向、図1におけるX方向)に4つ並んでいるため、ペン先412の位置がX方向(装置の左右方向)にずれているが、このずれは描画動作における1ステップの整数倍になっており、描画に使われる筆記具41に応じて当該ずれている分のステップ数だけ補正して描画を行うため、4つの筆記具41は、同じ位置に描画を行うことができるようになっている。
各筆記具キャリッジ43には、筆記具41をほぼ垂直に保持する筆記具ホルダ431と、筆記具41を上下移動させるための筆記具上下機構432が設けられている。
筆記具ホルダ431は、内部にペン先412及びペン軸部411が挿通され、筆記具41を保持する筒状の部分である。
筆記具上下機構432は、プランジャ434とコイル部435で構成されるソレノイド440と、ソレノイド440のプランジャ434の移動端側に取り付けられたピン436と、このピン436を介してプランジャ434と連結されている筆記具上下レバー437と、筆記具上下レバー437が上昇しすぎるのを抑制するストッパ438と、を備えている。
ソレノイド440は、銅線等が巻回されたコイル部435の中で可動式のプランジャ434がピストンのように往復運動をする仕組みとなっている。プランジャ434は、ばね433によって前方(図2、図4(a)における右側方向)に付勢されており、ソレノイド440は、このばね433の付勢力に抗してプランジャ434を後方(図2、図4(a)における左側方向)に吸引するプル型のソレノイドである。なお、ソレノイド440は、プル型に限定されず、プッシュ型に構成されたものでもよい。
筆記具上下レバー437は、図4(a)に示すように、短アーム437aと長アーム437bとがほぼ直角に交わるL字状の部材であり、短アーム437aの先端側にピン436に係止される長孔437cが形成されている。また、長アーム437bの先端側には、筆記具41が挿通される筆記具保持部437dが設けられている。筆記具保持部437dは、筆記具41のペン軸部411及びペン先412の径よりも大きく、筆記具41の鍔部413の径よりも小さい内径を有するリング状に形成されており、ペン軸部411及びペン先412を挿通させるとともに鍔部413を下側から支持するように係止している。
筆記具上下レバー437における短アーム437aと長アーム437bとの交点には、筆記具キャリッジ43側から回転軸439が挿通されている。
本実施形態において、ソレノイド440が駆動されている状態では、図4(a)に示すように、ばね433の付勢力に抗してプランジャ434が後方に引かれた状態となり、プランジャ434のピン436に係止されている筆記具上下レバー437は長アーム437bがほぼ水平となる位置で保持される。この状態において、筆記具41のペン先は、筆記具キャリッジ43の筆記具ホルダ431よりも下方に下りた状態となり、爪Tの表面や被描画媒体と接触可能な描画状態となる。また、ソレノイド440が開放された状態では、ばね433の付勢力によってプランジャ434が前方に突出する。このとき、プランジャ434のピン436に係止されている筆記具上下レバー437は回転軸439を支点として上方向(反時計方向)に回動し、長アーム437bがストッパ438に当接して止まる。これにより、筆記具41の鍔部413が、筆記具上下レバー437によって上方向に跳ね上げられる(図2参照)。この状態において、筆記具41のペン先は、筆記具キャリッジ43の筆記具ホルダ431よりも上方に上がった状態となり、爪Tの表面や被描画媒体と接触しない非描画状態となる。
このように、ソレノイド440のプランジャ434を前後移動させる力は、回転軸439及びこれを支点として回動する筆記具上下レバー437によって筆記具41を上下移動させる力に変換される。
なお、筆記具41は、筆記具キャリッジ43の筆記具ホルダ431に挿通されて保持されているのみであり、筆記具上下レバー437等に固定されていないため、自重によって下方に付勢されている。これにより、筆記具41は、鍔部413が筆記具保持部437dの上面に接触する位置まで、筆記具ホルダ431に沿って自由に下降できるとともに、爪Tの表面や被描画媒体に突き当たると、ペン先412が爪Tの表面や被描画媒体に押し当てられるようになっている。
すなわち、爪Tに筆記具41で描画する場合、ペン先412は、爪Tの表面形状(表面の起伏等)に追従して(爪Tの曲面や高さに合わせて)、印刷指U1が載置されているXY平面に直交するZ方向(すなわち上下方向)に自由に移動可能に構成されている。
例えば、爪Tの高さの低い部分(例えば爪Tの幅方向の両端部等)に描画する場合には、筆記具41は、鍔部413が筆記具保持部437dの上面に接触する位置近くまで下降し、爪Tの高さの高い部分(例えば、爪Tの幅方向の中央部等)に描画する場合には、筆記具41は、爪Tの高さに追従して上昇し、鍔部413が筆記具保持部437dの上面から離間する。
筆記具41の重量は数グラム〜数十グラムと極めて軽量であるため、ペン先412が爪Tに突き当たってもユーザが痛みを感じることはなく、また自重により筆記具41の筆圧は確保されるため爪Tの上等にネイルデザインを描くことができる。
本実施形態では、この筆記具上下機構432を構成する部材のうち、回転軸439及びストッパ438は、ステンレス等の金属で形成されており、それ以外の部材は、樹脂等の軽量で磁石に反応しない材料で形成されている。なお、筆記具上下機構432を構成する部材の材料は、ここに例示したものに限定されない。
また、本実施形態では、筆記具41を上下させるためのアクチュエータとしてソレノイド440を用いているが、筆記具41を上下させるためのアクチュエータは、ソレノイド440に限定されない。筆記具41は軽量であるため、ソレノイドの他、各種小型の駆動装置により筆記具41を上下させるためのアクチュエータを構成することができる。
印刷ヘッド42を支持するユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、印刷ヘッド42がX方向(図1におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動するようになっている。
また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、印刷ヘッド42がY方向(図2におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。
なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。本実施形態のX方向移動モータ46及びY方向移動モータ48としては、1パルス送られるごとに所定量ずつ移動するステップモータが適用される。
本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、爪Tに描画を施す筆記具41を備える印刷ヘッド42をX方向及びY方向に駆動するヘッド駆動部49(図5参照)が構成されている。
描画部40における筆記具41を上下移動させるためのソレノイド440、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部814(図5参照)に接続され、該描画制御部814によって制御されるようになっている。
図1及び図2に示すように、撮影部50は、上部機枠12に設けられている。
すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の中央部下面には、撮像装置としてのカメラ51が2つ設置されている。カメラ51は、例えば200万画素程度以上の画素を有するものであることが好ましい。
カメラ51は、指受入部31内に挿入されている印刷指U1の爪Tを撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪Tの画像を含む指画像)を得るものである。
本実施形態では、2つのカメラ51は、指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの幅方向にほぼ並んで設けられている。2つのカメラ51のうち、一方のカメラ51は、指受入部31の底面に対向して設けられており、爪Tを真上から撮影するものである。また、他方のカメラ51は、指受入部31の底面に対して僅かに傾けて配置されており、爪Tを斜め上方向から撮影するものである。
また、基板13には、カメラ51を囲むように白色LED等の照明灯(照明装置)52が設置されている。照明灯52は、カメラ51による撮影の際に、印刷指U1の爪Tを照明するものである。撮影部50は、このカメラ51及び照明灯52を備えて構成されている。
この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図5参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。
撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。
本実施形態では、撮像装置としての2つのカメラ51によって少なくとも2つの異なった位置・角度から爪Tを撮影することができ、少なくとも2枚の爪画像が取得される。
そして、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部512が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)の他、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(以下「爪Tの傾斜角度」又は「爪曲率」という。)や爪Tの垂直位置等の爪情報を検出できるようになっている。すなわち、例えば、爪Tの真上からの画像と、爪Tの斜め上方向からの画像と、を取り込むことにより、爪Tの輪郭だけでなく、位置、爪Tの表面の傾斜角度を正確に検出することができる。
なお、撮像装置として2つのカメラ51を備え、爪Tの傾斜角度又は爪曲率を検出できるように構成することは必須の構成ではなく、爪Tを上方向のみから撮影して爪Tの輪郭(爪Tの形状)を爪情報として検出するようにしてもよい。
また、制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。
図5は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置80は、図5に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報が記憶される爪情報記憶領域822、爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823、及び各種データテーブルを記憶するテーブル記憶領域824が設けられている。
図6は本実施形態においてネイルデザイン記憶領域823に記憶されている画像データによるネイルデザインの一例を示す図である。
本実施形態において、ネイルデザインは、印刷指U1の爪Tの表面を描画部40により描画すべき描画対象領域とし、この描画対象領域の少なくとも一部が複数の単位領域arに分割されるように構成されている。ここで、各単位領域arは同一種類のインクで描画される領域であり、各単位領域arは複数の単位領域arの何れかと互いに接するように構成されている。
ここで、各単位領域arには、それぞれエリア番号(以下において「エリアNo」という。)が予め付与されている。
図6では、描画対象領域が、18個の単位領域ar(すなわち、図6において、ar1からar18)に分割されている場合を例示している。
図6において、単位領域ar1,ar15、単位領域ar2,ar4,ar16、単位領域ar3,ar11,ar13、単位領域ar5,ar10,ar12、単位領域ar6,ar14、単位領域ar7,ar8,ar17、単位領域ar9,ar18、がそれぞれ同じ種類のインク(同じ色)で描画される領域となっている。上記のように、同じ種類のインクで描画される領域であっても、分離されている場合には、異なる単位領域arとして分割される。画像データは、更に、各単位領域arに対して、各単位領域arに塗布されるインクの乾燥に要する乾燥時間の情報を有している。
本実施形態において、テーブル記憶領域824には、エリアNoテーブル825、乾燥時間テーブル826、周囲関連テーブル827、描画管理テーブル828が格納されている。
図7は、図6に示す描画データに基づく印刷を行う場合のエリアNoテーブル825の一例を示す図であり、図8は、乾燥時間テーブル826の一例を示す図であり、図9は、周囲関連テーブル827の一例を示す図であり、図10は、描画管理テーブル828の一例を示す図である。
図7に示すように、エリアNoテーブル825には、各単位領域arのエリアNoと、各エリアNoの単位領域arに描画される画像の描画データとが対応付けられている。
なお、ここでは各単位領域arのエリアNoが、各単位領域arに描画される画像の画像データ(本実施形態ではネイルデザイン記憶領域823に記憶されているネイルデザインの18個の単位領域arごとの画像データ)自体とは別個の記憶領域に保存されている例を示したが、各単位領域arの画像データの先頭や末尾等にエリアNoを配置してもよい。
本実施形態では、後述する描画制御部814による描画制御処理が行われる場合に、描画制御部814は、エリアNoの数の小さいものから順(すなわち、図6であればエリアNo1から18の順)に、各単位領域arへの描画の可否をチェックするようになっている。
また、乾燥時間テーブル826には、図8に示すように、各単位領域arと、各単位領域arに塗布されるインクの乾燥に要するとして設定されている乾燥時間とが対応付けられている。
例えば、図8では、エリアNo1の単位領域ar(図6において単位領域ar1)及びこれと同じインクで描画されるエリアNo15の単位領域arでは乾燥時間が10秒と設定されており、エリアNo9の単位領域ar及びこれと同じインクで描画されるエリアNo18の単位領域arでは乾燥時間が9秒と設定されている。
なお、インクはその組成や粘度等によって乾きやすさに差異がある。このため、単位領域arごとの乾燥時間は、当該単位領域arに塗布されるインクの種類(色)による乾きやすさ等の違いが考慮されて設定されている。
周囲関連テーブル827は、図9に示すように、画像データに基づいて、各単位領域arに接している単位領域arを関連付けるものである。図9では、各単位領域arのエリアNo1から18を縦軸にとって、各エリアNoの横の、当該単位領域arに接する単位領域arのエリアNoのところに、互いに接している領域であることを示す○印を設定している。
例えば、図6に示す画像データを印刷する場合、エリアNo1の単位領域ar(図6において単位領域ar1)には、エリアNo2,4,5の単位領域arが接しているため、図9では、エリアNo1の横のエリアNo2,4,5の欄に、互いに接している領域であることを示す○印が設定されている。
描画管理テーブル828は、図10に示すように、各エリアNoの単位領域arについて、描画終了状況を示す描画終了フラグ及び描画可否状況を示す描画イネーブルフラグが関連付けられたものである。ここで、描画終了フラグは、描画が終了していないとき0とされ、描画が終了したときに1とされる。また、描画イネーブルフラグは、描画することができる状態であるとき0とされ、描画することができない状態であるときには0以外とされる。
すなわち、描画が終了していない初期状態の単位領域arでは、描画終了状況を示す描画終了フラグは0とされ、描画が終了すると描画終了状況を示す描画終了フラグは1とされる。
また、描画可能な状況にある初期状態の単位領域arでは、描画イネーブルフラグは0とされ、当該単位領域arに接している単位領域arの描画か開始されるときに描画イネーブルフラグの値がインクリメントされて、「+1」だけ加算される。描画イネーブルフラグの値は、単位領域arの周囲の描画状況に応じて随時変動し、当該単位領域arに接し既に描画された単位領域arについてインクの乾燥に必要な時間が経過すると「−1」だけ減算される。そして、この描画イネーブルフラグの値が「0」の場合のみ当該単位領域arへの描画が許可される。
例えば、エリアNo2の単位領域ar(図6において単位領域ar2)について見た場合、単位領域ar2には、単位領域ar1,3,5,6,7,12が接している。このうち、単位領域ar1及びar3に既に描画が行われているが、単位領域ar1及びar3のインクの乾燥に必要な時間が経過していない場合には、単位領域ar2の描画イネーブルフラグの値は2とされる。そして、例えば単位領域ar1についてインクの乾燥に必要な時間が経過すると、エリアNo2の単位領域ar2の描画イネーブルフラグの値は「−1」だけ減算され、この描画イネーブルの値は、「1」となる。
制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、描画制御部814、表示制御部815等を備えている。これら撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、描画制御部814、表示制御部815等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
また、本実施形態では、制御部81には乾燥告知タイマ83が接続されている。乾燥告知タイマ83には、単位領域arごとの描画の終了時に、図8の乾燥時間テーブルに基づいて当該単位領域arに対応するエリアNoに該当する乾燥時間の設定値(図8の乾燥時間テーブルに規定されているインクの乾燥に必要な乾燥時間)がセットされて経過時間のカウントを開始する。そして、乾燥告知タイマ83は、カウントした経過時間が当該単位領域arのインクの乾燥に要する乾燥時間に達したときに、制御部81に乾燥時間終了信号を出力して、これを制御部81に告知するようになっている。
例えば、単位領域ar1の描画を行い、これが終了すると、その終了した時点において、当該単位領域ar1のインクの乾燥に必要な乾燥時間「10秒」が乾燥告知タイマ83にセットされ、乾燥告知タイマ83が描画終了時からの経過時間のカウントを開始する。そして、10秒が経過すると、乾燥告知タイマ83から乾燥時間終了信号が制御部81に出力されて、所定の乾燥時間「10秒」が経過した旨が制御部81に告知される。
制御部81は、乾燥告知タイマ83によって所定の乾燥時間が経過した旨が告知されると、当該単位領域arに接する単位領域arについて前述の描画管理テーブルに設定された描画イネーブルの値を「−1」だけ減算する。
例えば、単位領域ar1について、乾燥告知タイマ83により所定の乾燥時間が経過した旨が告知されると、当該単位領域arに接する単位領域arエリアNo2,4,5の描画イネーブルの値が「−1」される。
撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御してカメラ51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像(以下「爪画像」という。)を撮影させるものである。
本実施形態では、撮影制御部511は、2つのカメラ51によって異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から少なくとも2枚の爪画像を取得させる。
撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82に記憶されてもよい。
爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。
ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)である。なお、爪Tの傾斜角度(爪曲率)とは、爪Tの幅方向における水平面(すなわち、印刷指U1が載置されている指載置部116aのXY平面)に対する角度をいう。
具体的には、爪情報検出部812は、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像から、爪Tの輪郭(形状や大きさ)、位置を検出し、この輪郭をx,y座標等で表される情報として取得する。爪情報検出部812は、例えば、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像から爪Tとそれ以外の指部分との色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出するものである。なお、爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
また、爪情報検出部812は、2つのカメラ51によって撮影された少なくとも2つの爪画像に基づいて、爪Tについて爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出する傾斜角度検出部として機能する。
爪情報検出部812は、例えば2つのカメラ51によって異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から撮影された2つの爪画像からユーザの爪Tについて傾斜角度(爪曲率)を検出する。なお、爪情報検出部812が爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
なお、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて、少なくとも爪Tの輪郭(爪形状)を検出すればよく、上記爪情報の全てを取得しなくてもよい。
描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、印刷ヘッド42により印刷指U1の爪Tに描画される描画用のデータを生成する。
具体的には、描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等による合せ込み処理を行い、爪Tに描画を施すためのデータを生成する。なお、爪情報検出部812が爪Tの傾斜角度(爪曲率)についても爪情報として取得している場合には、描画データ生成部813は、爪Tの傾斜角度(爪曲率)に応じて、ネイルデザインの画像データの曲面補正を行う。
描画制御部814は、描画データ生成部813によって生成された描画データを描画部40に出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画部40のソレノイド440、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御する制御部である。
本実施形態では、描画制御部814は、単位領域arごとに描画を行うように描画部40の描画動作を制御する。
具体的には、描画制御部814は、既描画の単位領域arであって乾燥告知タイマ83により乾燥時間が経過していると告知されている単位領域ar、又は未描画の単位領域ar、のみに接している単位領域arについて描画を行うように、描画部40の描画動作を制御するようになっている。
表示制御部815は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。本実施形態では、表示制御部815は、例えばネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、爪Tを含む印刷指U1を撮影した爪画像等、各種の画面を表示部26に表示させるようになっている。
次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び印刷方法について説明する。
このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。
表示制御部815は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる。ユーザは操作部25の操作釦251等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される。
ネイルデザインが選択されると、制御部81は、制御部81は、印刷指U1を指受入部31に挿入するよう促す指示画面を表示部26に表示させる。ユーザは、この指示に従って印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。
例えば、図3では、左手の薬指が印刷指U1として指受入部31に挿入され、その他の指が非印刷指U2として指退避部32に挿入されている例を示している。
描画スイッチから指示が入力されると、描画動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明灯52により印刷指U1を照明しながらカメラ51により印刷指U1を撮影させる。これにより、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像(爪画像)が、撮影部50によって取得される。
次に、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)等の爪情報を検出する。
爪情報検出部812により爪Tの輪郭(爪形状)等の爪情報が検出されると、これらの爪情報に基づいて、描画データ生成部813が、ネイルデザインの画像データの爪Tへの合せ込み処理を行う。また、描画データ生成部813は、これら爪情報に基づいて、適宜ネイルデザインの画像データにつき曲面補正等を行う。これにより描画データが生成される。
また、描画制御部814は、爪Tへの描画開始前に、描画部40を筆記具慣書部61に移動させて、筆記具41を保持する筆記具キャリッジ43のソレノイド440を駆動させ、筆記具41を描画可能状態とする。そして、被描画媒体に「○」や「∞」等の所定の図形を描く慣らし書きを行う。なお、慣らし書きは、選択されたネイルデザインを描画するのに必要な筆記具41についてのみ行ってもよいし、全ての筆記具41について行ってもよい。
描画データが生成され、慣らし書きも完了すると、描画制御部814は、描画データを描画部40に出力し、描画に必要な筆記具41を保持する筆記具キャリッジ43のソレノイド440を駆動させて当該筆記具41を描画可能状態とするとともに、描画データに基づいて印刷ヘッド42をXY方向に適宜移動させて爪Tにネイルデザインの描画を行わせる。このとき、筆記具41は自重により爪Tの表面に押し当てられ、爪Tの表面形状に追従して上下動しながら描画を行う。
ここで、図11から図18を参照しつつ、本実施形態のネイルプリント装置1に特有の描画処理について詳細に説明する。
なお、以下においては、図14に示す花柄のネイルデザインを爪Tに描画する場合を例として説明する。図14に示す花柄は、全て異なる種類のインクによって描画される9個の単位領域ar(すなわち、単位領域arNo1から単位領域arNo9)で構成されている。
図15は、当該花柄のネイルデザインについてのエリアNoテーブル825の一例であり、図16は、当該花柄のネイルデザインについての乾燥時間テーブル826の一例である。また、図17は、当該花柄のネイルデザインについての周囲関連テーブル827の一例であり、図18は、当該花柄のネイルデザインについての描画管理テーブル828の一例である。
本実施形態では、ネイルデザインの描画において、描画制御部814は、エリアNo1から9の順に描画の可否を確認し、描画可能な単位領域arから順次描画を行う。
このため、図11に示すように、描画制御部814は、まずエリアNo1をチェック対象としてセットし(ステップS1)、描画管理テーブル828からエリアNo1についての描画終了フラグを確認する(ステップS2)。
このとき図18に示すように、エリアNo1の描画終了フラグは”0”であるので、引き続き描画制御部814は、描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
図18に示すように、エリアNo1の描画イネーブルフラグは”0”であるので、描画制御部814は当該エリアNo1の単位領域arについて描画可能と判断する。描画制御部814は周囲関連テーブルを参照して、当該単位領域ar1に接する単位領域arのエリアNo2,5,6を取得し(ステップS4)、描画管理テーブルにおけるエリアNo2,5,6の描画イネーブルフラグの値をインクリメント(+1)する(ステップS5)。
そして、描画制御部814は、エリアNo1の単位領域arについて、描画部40による描画を開始させる(ステップS6)。
描画制御部814は、当該エリアNo1の単位領域arについて描画が終了したか否か判断し(ステップS7)、描画が終了していないと判断すると(ステップS7;NO)、終了するまでステップS6に戻って描画処理を行う。他方、当該エリアNo1の単位領域arについて描画が終了したと判断すると(ステップS7;YES)、図12に示すように、当該エリアNo1の描画終了フラグを”1”とする(ステップS8)。また、乾燥時間テーブル826からエリアNo1の乾燥時間の設定値“10”を取得し(ステップS9)、乾燥告知タイマ83に10秒をセットして、乾燥告知タイマ83をスタートさせる(ステップS10)。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを2とする(ステップS11)。
ここで、乾燥告知タイマ83が設定される場合の乾燥告知処理について、図13を参照しつつ説明する。乾燥告知処理は、乾燥告知タイマ83が設定される度に行われる割り込み処理である。
図13に示すように、描画制御部814が乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると(ステップS21)、乾燥告知タイマ83は、設定された値(上記の例では設定値“10”)をカウントし、カウントが終了すると、乾燥時間終了信号として、IRQ(Interrupt ReQuest)を制御部81に出力する。
描画制御部814は、乾燥告知タイマ83によるカウントが終了したか否か、すなわち、乾燥告知タイマ83からIRQが出力されたか否かを判断しており(ステップS22)、乾燥告知タイマ83からIRQが発生していない場合(ステップS22;NO)には、IRQが発生するまで判断処理を繰り返す。
乾燥告知タイマ83からIRQが出力され、乾燥告知タイマ83によるカウントが終了したと判断すると(ステップS22;YES)、描画制御部814は、描画管理テーブル828において、該当するエリアNoの描画イネーブルの値を「−1」だけ減算する(ステップS23)。これにより、乾燥告知処理が終了する。
図12に戻って、描画制御部814は、次のチェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを2とする(ステップS11)と、全ての描画領域について描画処理が終了しているか否か、すなわち、次のチェック対象として設定されたエリアNoが、最終エリア番号+1になったか否かを判断する(ステップS12)。そして、最終エリア番号+1になったと判断した場合(ステップS12;YES)、すなわち、上記の例では、エリアNoが10(9+1)になった場合には、さらに、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっているか否かを判断する(ステップS13)。そして、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっていると判断した場合(ステップS13;YES)には、描画処理を終了する。
これに対して、次のチェック対象として設定されたエリアNo(ここではエリアNo2)が、最終エリア番号+1(ここでは「10」)になっていないと判断した場合(ステップS12;NO)には、図11のステップS2に戻って、当該次のチェック対象として設定されたエリアNoの単位領域ar(ここでは、エリアNo2の単位領域ar)について処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo2の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo2の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo2について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。エリアNo1の乾燥時間10秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo2の描画イネーブルフラグは”1”であるので、描画制御部814は当該エリアNo2の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを3とする(ステップS11)。そして、エリアNo3について、ステップS12の判断を行い、エリアNo3は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo3の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo3の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo3について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo3は未描画の単位領域arのみに接している単位領域arであるので、エリアNo3の描画イネーブルフラグは”0”であり(ステップS3;YES)、描画制御部814は当該エリアNo3の単位領域arについて描画可能と判断する。描画制御部814は周囲関連テーブルを参照して、当該単位領域ar3に接する単位領域arのエリアNo2,4,6を取得し(ステップS4)、描画管理テーブルにおけるエリアNo2,4,6の描画イネーブルフラグの値をインクリメント(+1)する(ステップS5)。
そして、描画制御部814は、エリアNo3の単位領域arについて描画部40による描画を開始させる(ステップS6)。
描画制御部814は、当該エリアNo3の単位領域arについて描画が終了したか否か判断し(ステップS7)、描画が終了していないと判断すると(ステップS7;NO)、終了するまでステップS6に戻って描画処理を行う。他方、当該エリアNo3の単位領域arについて描画が終了したと判断すると(ステップS7;YES)、当該エリアNo3の描画終了フラグを”1”とする(ステップS8)。また、乾燥時間テーブル826からエリアNo3の設定値“12”を取得し(ステップS9)、乾燥告知タイマ83に12秒をセットして、乾燥告知タイマ83をスタートさせる(ステップS10)。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを4とする(ステップS11)。そして、エリアNo4について、ステップS12の判断を行い、エリアNo4は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo4の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo4の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo4について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo4はエリアNo3に接している単位領域arであり、エリアNo3の乾燥時間12秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo4の描画イネーブルフラグは”1”であるので、描画制御部814は当該エリアNo4の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを5とする(ステップS11)。そして、エリアNo5について、ステップS12の判断を行い、エリアNo5は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo5の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo5の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo5について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo5はエリアNo1に接している単位領域arであり、エリアNo1の乾燥時間10秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo5の描画イネーブルフラグは”1”であるので、描画制御部814は当該エリアNo5の単位領域arについて描画不可と判断する。
他方、エリアNo1の乾燥時間10秒が経過していれば(ステップS3;YES)、エリアNo5の描画イネーブルフラグは”1”から「−1」減じられて、”0”となるので、描画制御部814は当該エリアNo5の単位領域arについて描画可能と判断する。
エリアNo1について描画した後、描画制御部814が当該エリアNo5について描画処理の可否を判断するまでには、ある程度時間が経過するため、この間に10秒が経過していれば、エリアNo5の描画イネーブルフラグは”0”となっていることが考えられ、描画処理可能な状態となる。すなわち、エリアNo5について描画可能か否かは、エリアNo3の単位領域ar3についての描画処理に要した時間の長短に左右される。
本実施形態では、No3の単位領域ar3についての描画処理に要した時間が10秒を超え、描画制御部814が当該エリアNo5について描画処理の可否を判断した時点で、エリアNo1の単位領域arのインクの乾燥に要する乾燥時間を経過したと乾燥告知タイマ83によって告知されている場合を例とする。
この場合には、エリアNo5の描画イネーブルフラグは”0”となっており、描画制御部814は当該エリアNo5の単位領域arについて描画可能と判断する。
この場合、描画制御部814は周囲関連テーブルを参照して、当該単位領域ar5に接する単位領域arのエリアNo1,4,6,7を取得し(ステップS4)、描画管理テーブルにおけるエリアNo1,4,6,7の描画イネーブルフラグの値をインクリメント(+1)する(ステップS5)。なお、エリアNo1については既に描画処理が終了しているため、描画イネーブルフラグの値をインクリメントしないとしてもよい。
そして、描画制御部814は、エリアNo5の単位領域arについて描画部40による描画を開始させる(ステップS6)。
描画制御部814は、当該エリアNo5の単位領域arについて描画が終了したか否か判断し(ステップS7)、描画が終了していないと判断すると(ステップS7;NO)、終了するまでステップS6に戻って描画処理を行う。他方、当該エリアNo5の単位領域arについて描画が終了したと判断すると(ステップS7;YES)、当該エリアNo5の描画終了フラグを”1”とする(ステップS8)。また、乾燥時間テーブル826からエリアNo5の設定値“5”を取得し(ステップS9)、乾燥告知タイマ83に5秒をセットして、乾燥告知タイマ83をスタートさせる(ステップS10)。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを6とする(ステップS11)。そして、エリアNo6について、ステップS12の判断を行い、エリアNo6は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo6の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo6の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo6について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo6はエリアNo1〜5に接している単位領域arであり、例えばエリアNo1及びエリアNo3に既に描画が行われている場合には、エリアNo1の乾燥時間10秒及びリアNo3の乾燥時間12秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo6の描画イネーブルフラグは”2”であるので、描画制御部814は当該エリアNo6の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを7とする(ステップS11)。そして、エリアNo7について、ステップS12の判断を行い、エリアNo7は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
上記時点においてエリアNo6の描画イネーブルフラグは、エリアNo1,3,5の描画終了時に加算されるために、最大で“3”となる可能性がある。ただし、エリアNo5の描画時間が12秒より長い場合はエリアNo3の描画終了時に立てた描画イネーブルフラグも“−1”されるために、No6の描画イネーブルフラグは“2”ではなく“1”になっている。エリアNo5の描画時間が12秒より短い場合はエリアNo6の描画イネーブルフラグは“2”である。ここでは、エリアNo5の描画終了時に立てた描画イネーブルフラグがあるため、どちらにしても描画イネーブルフラグは“0”とならず、描画制御部814は、当該エリアNo6の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを7とする(ステップS11)。そして、エリアNo7について、ステップS12の判断を行い、エリアNo7は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、描画制御部814は、同様に以下の処理を繰り返す。
エリアNo7は、描画終了フラグが“0” であるため(ステップS2;YES)、描画制御部814は、エリアNo7について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo7はエリアNo5,8,9に接している単位領域arであり、エリアNo5に既に描画が行われているため、エリアNo7の描画イネーブルフラグは“1”となっている。描画制御部814による描画可否判断時において、エリアNo5の乾燥時間が経過してこの描画イネーブルフラグが“0”となっていれば描画可能であるが、描画制御部814による描画可否判断は瞬時に行われ、描画制御部814による描画可否判断時にエリアNo5についての描画終了から5秒以上経過していることはない。このため、エリアNo7の描画イネーブルフラグは”1”のままであり、描画制御部814は当該エリアNo7の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを8とする(ステップS11)。そして、エリアNo8について、ステップS12の判断を行い、エリアNo8は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo8の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo8の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo8について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo8はエリアNo7に接している単位領域arであり、エリアNo7はこの時点において未描画であるため、エリアNo8の描画イネーブルフラグは“0”となっている。このため、描画制御部814は、当該エリアNo8の単位領域arについて描画可能と判断して、エリアNo8の単位領域arに接するエリアNo7の描画イネーブルフラグを“1” とし(ステップS5)、エリアNo8の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo8の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo8の乾燥時間11をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを9とする(ステップS11)。そして、エリアNo9について、ステップS12の判断を行い、エリアNo9は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo9の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。上記例において、エリアNo9の単位領域arは未描画であるため、描画終了フラグは”0”である(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo9について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo9はエリアNo7に接している単位領域arであり、エリアNo7はこの時点において未描画であるため、エリアNo9の描画イネーブルフラグは“0”となっている。このため、描画制御部814は、当該エリアNo9の単位領域arについて描画可能と判断して、エリアNo9の単位領域arに接するエリアNo7の描画イネーブルフラグの値をインクリメント(+1)(これにより、エリアNo7の描画イネーブルフラグは“2”となる。)し(ステップS5)、エリアNo9の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo9の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo9の乾燥時間11をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを10とする(ステップS11)。描画制御部814は、全ての描画領域について描画処理が終了しているか否か、すなわち、次のチェック対象として設定されたエリアNoが、最終エリア番号+1になったか否かを判断する(ステップS12)。そして、最終エリア番号+1になったと判断した場合(ステップS12;YES)、すなわち、上記の例では、エリアNoが10(9+1)になった場合には、さらに、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっているか否かを判断する(ステップS13)。上記例では、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっていないため(ステップS13;NO)、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoとして再びエリアNo1とし(ステップS1)、ステップS1以下の処理を繰り返す。
すなわち、まず、エリアNo1については、既に描画されており、描画終了フラグが“1”となっているため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを2とする。そして、エリアNo2について、ステップS12の判断を行い、エリアNo2は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
上記例では、エリアNo2については、未描画であるため、描画終了フラグが“0”となっている(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo2について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo2はエリアNo1,3,6に接している単位領域arであり、エリアNo1,3には既に描画が行われている。この場合には、エリアNo1の乾燥時間10秒及びエリアNo3の乾燥時間12秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo2の描画イネーブルフラグは”2”であるので、描画制御部814は当該エリアNo2の単位領域arについて描画不可と判断する。
しかし、ここでは、エリアNo5,8,9を描画している間にエリアNo1,3について設定された乾燥告知タイマ83から乾燥時間の経過が告知された(タイマ−IRQが発生した)ものと仮定する。この場合、エリアNo2の描画イネーブルフラグは“0”となっており、描画制御部814は当該エリアNo2の単位領域arについて描画可能と判断する。
描画制御部814は、当該エリアNo2の単位領域arについて描画可能と判断すると、エリアNo2の単位領域arに接するエリアNo1,3,6の描画イネーブルフラグを「+1」し(ステップS5)、エリアNo2の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo2の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo2の乾燥時間8をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを3とする(ステップS11)。
エリアNo3については、既に描画されており、描画終了フラグが“1”となっているため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを4とする。そして、エリアNo4について、ステップS12の判断を行い、エリアNo4は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
上記例では、エリアNo4については、未描画であるため、描画終了フラグが“0”となっている(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo4について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo4はエリアNo3,5,6に接している単位領域arであり、エリアNo3,5には既に描画が行われている。この場合には、エリアNo3の乾燥時間12秒及びエリアNo5の乾燥時間5秒が経過していなければ(ステップS3;NO)、エリアNo4の描画イネーブルフラグは”2”であるので、描画制御部814は当該エリアNo2の単位領域arについて描画不可と判断する。
しかし、ここでは、他のエリアNoの単位領域arを描画している間にエリアNo1,3について設定された乾燥告知タイマ83から乾燥時間の経過が告知された(タイマ−IRQが発生した)ものと仮定する。この場合、エリアNo4の描画イネーブルフラグは“0”となっており、描画制御部814は当該エリアNo4の単位領域arについて描画可能と判断する。
描画制御部814は、当該エリアNo4の単位領域arについて描画可能と判断すると、エリアNo4の単位領域arに接するエリアNo3,5,6の描画イネーブルフラグを「+1」し(ステップS5)、エリアNo4の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo4の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo4の乾燥時間8をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを5とする(ステップS11)。そして、エリアNo5について、ステップS12の判断を行い、エリアNo5は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
すなわち、描画制御部814は、エリアNo5の単位領域arについて描画終了フラグが”0”であるか否かを判断する(ステップS2)。エリアNo5については、既に描画されており、描画終了フラグが“1”となっているため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを6とする。そして、エリアNo6について、ステップS12の判断を行い、エリアNo6は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
上記例では、エリアNo6については、未描画であるため、描画終了フラグが“0”となっている(ステップS2;YES)。そこで、描画制御部814は、さらに、エリアNo6について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。この点、エリアNo6はエリアNo1,2,3,4,5に接している単位領域arである。これらエリアNo1,2,3,4,5には既に描画が行われており、エリアNo6の描画イネーブルフラグは最大で“5”となる可能性がある。他の単位領域arの描画処理を行ううちに、エリアNo6に接するエリアNo1,2,3,4,5のインクの乾燥も進み、順次乾燥告知タイマ83から乾燥時間の経過が告知されて、エリアNo6の描画イネーブルフラグは減っていくが、描画制御部814がエリアNo6についての描画処理の可否を判断する時点において、この直前に描画されたエリアNo4の乾燥時間が経過していることは考えにくく、少なくともエリアNo6の描画イネーブルフラグは“1”である。このため、描画制御部814は当該エリアNo6の単位領域arについて描画不可と判断する。
そして、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを7とする(ステップS11)。そして、エリアNo7について、ステップS12の判断を行い、エリアNo7は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、描画制御部814は、同様に以下の処理を繰り返す。
エリアNo7は、描画終了フラグが“0” であるため(ステップS2;YES)、描画制御部814は、エリアNo7について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo7はエリアNo5,8,9に接している単位領域arであり、エリアNo5,8,9に既に描画が行われているため、エリアNo7の描画イネーブルフラグは最大で“3”となる。
しかし、ここでは、他のエリアNoの単位領域arを描画している間にエリアNo5,8,9について設定された乾燥告知タイマ83から乾燥時間の経過が告知された(タイマ−IRQが発生した)ものと仮定する。この場合、エリアNo7の描画イネーブルフラグは“0”となっており、描画制御部814は当該エリアNo7の単位領域arについて描画可能と判断する。
描画制御部814は、当該エリアNo7の単位領域arについて描画可能と判断すると、エリアNo7の単位領域arに接するエリアNo5,8,9の描画イネーブルフラグを「+1」し(ステップS5)、エリアNo7の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo7の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo7の乾燥時間8をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを8とする(ステップS11)。そして、エリアNo8について、ステップS12の判断を行い、エリアNo8は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
この点、エリアNo8については、既に描画されており、描画終了フラグが“1”となっているため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを9とする。そして、エリアNo9について、ステップS12の判断を行い、エリアNo9は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
そして、エリアNo9についても、既に描画されており、描画終了フラグが“1”となっているため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを10とする。そして、エリアNo10について、ステップS12の判断を行う。エリアNo10は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっているため、描画制御部814は、さらに、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっているか否かを判断する(ステップS13)。上記例では、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっていないため(ステップS13;NO)、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを再び1とし(ステップS1)、ステップS1以下の処理を繰り返す。
すなわち、再度、エリアNo1から順に描画終了フラグを確認する。エリアNo1の描画終了フラグは“1”であるため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを2とする。エリアNo2の描画終了フラグも“1”であるため、ステップS11に進み、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoを3とする。このように順次エリア番号を繰り上げながら判断を繰り返していき、描画終了フラグは“0”であるエリア番号があれば、これについてさらに描画イネーブルフラグを確認する。
本実施形態では、この時点で、エリアNo6のみ描画終了フラグは“0”であるため(ステップS2;YES)、描画制御部814は、エリアNo6について描画イネーブルフラグを確認する(ステップS3)。
この点、エリアNo6はエリアNo1,2,3,4,5に接している単位領域arであり、エリアNo1,2,3,4,5に既に描画が行われているため、エリアNo6の描画イネーブルフラグは最大で“5”となる。
しかし、ここでは、他のエリアNoの単位領域arを描画している間にエリアNo1,2,3,4,5について設定された乾燥告知タイマ83から乾燥時間の経過が告知された(タイマ−IRQが発生した)ものと仮定する。この場合、エリアNo6の描画イネーブルフラグは“0”となっており、描画制御部814は当該エリアNo6の単位領域arについて描画可能と判断する。
描画制御部814は、当該エリアNo6の単位領域arについて描画可能と判断すると、エリアNo6の単位領域arに接するエリアNo1,2,3,4,5の描画イネーブルフラグを「+1」し(ステップS5)、エリアNo6の単位領域arについて描画処理を行う(ステップS6)。描画処理が終了すると(ステップS7;YES)、エリアNo6の描画終了フラグを“1”とする(ステップS8)。また、乾燥告知タイマ83にエリアNo6の乾燥時間7をセットし、経過時間のカウントをスタートさせる。
乾燥告知タイマ83に乾燥時間を設定してスタートさせると、描画制御部814は、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoを7とする(ステップS11)。そして、エリアNo7について、ステップS12の判断を行い、エリアNo7は、最終エリア番号+1(すなわち「10」)になっていないため、ステップS2に戻って、同様に以下の処理を繰り返す。
同様の判断をエリアNo8及びエリアNo9についても行い、チェック対象のエリアNoに+1して、チェック対象のエリアNoが10となると、描画制御部814は、さらに、全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっているか否かを判断する(ステップS13)。上記例では、この時点で全ての単位領域arについて描画終了フラグが”1”になっているため(ステップS13;YES)、描画制御部814は、全ての単位領域arについて描画処理が完了したと判断し、描画処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、既描画の単位領域arであって乾燥時間が経過していると告知されている単位領域ar、又は未描画の単位領域ar、のみに接している単位領域arについて描画を行うようになっている。これにより、異なるインクによって印刷された領域の境界部分においてインクが混色するのを防止することができ、高精細なネイルプリントを行うことができる。
また、描画制御部814が、随時インクの混色を生じない領域を判断しながら、次の描画領域を決めていくため、インクの乾燥を待つ待機時間を極力短くすることができ、印刷の品質を保ちつつ、迅速な印刷処理を実現することができる。
描画部40による単位領域arごとの描画の終了時に経過時間のカウントを開始し経過時間が当該単位領域arのインクの乾燥に要する乾燥時間に達したときにこれを告知する乾燥告知タイマを備え、既乾燥の単位領域arは、乾燥告知タイマにより乾燥時間が経過していると告知されている単位領域arである。このように、乾燥告知タイマ83により描画終了からの経過時間をカウントし、乾燥時間の経過を告知させることで、確実に乾燥時間の経過したものだけを既乾燥の単位領域arと扱うことができ、描画可能な単位領域arの判断を正確に行うことができる。
また、描画部49は、先端部が爪Tの表面に接触して描画を施す描画具41を備えている。このため、透け感のない描画が可能であり市販のマニキュア液に使用されるような粒径の大きな色材やラメ等を含むインクや粘度の高いインク等も用いて描画を行うことができ、例えばインクジェット方式のプリント装置の場合よりもネイルプリント装置1において使用可能なインクの種類の自由度が広がる。そして、このようなインクを用いる場合、インクが乾きにくく乾燥に時間がかかるとともに、接して塗布されたインク同士で混色を生じやすくなる。この点、本実施形態のように、既描画の単位領域arであって乾燥時間が経過していると告知されている単位領域ar、又は未描画の単位領域ar、のみに隣接している単位領域arについて描画を行うようにすることで、インクの混色等による画像の乱れを防止しつつ、効率よく迅速に描画動作を行うことが可能となる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、描画部40の構成は、上記各実施形態に示したものに限定されない。
図19及び図20に、本実施形態とは異なる構成の描画部7を搭載したネイルプリント装置の一例を示す。
図19は、ネイルプリント装置1の装置本体の正面図であり、図20は、図19に示すネイルプリント装置の一部を断面にして内部構造を示した側面図である。
図19及び図20に示すように、描画部7の描画ヘッド70は、複数(例えば8つ)の筆記具71を保持可能な回転式の筆記具キャリッジ72、筆記具キャリッジ72を回転させるキャリッジ回転機構73、筆記具キャリッジ72に保持された筆記具71を上下移動させるための筆記具上下機構74を備えている。
この場合、図19に示すように、ケース本体2の一側面であって後述する描画ヘッド70に対応する位置には、筆記具71の取り出し、交換を行うために開閉可能に構成された筆記具交換用蓋部23が設けられている。筆記具交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図19に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。
本実施形態の筆記具キャリッジ72は、円筒状に形成され、筆記具71を保持する筆記具保持部721が、筆記具キャリッジ72の周方向に沿って複数(例えば8つ)配置されている。なお、筆記具71及びこれを保持する筆記具保持部721の数は特に限定されず、8つよりも多くてもよいし、これより少なくてもよい。多くの筆記具保持部721を備え、複数本の筆記具71を保持するほど、より複数のインクを用いた複雑なネイルデザインを描画することが可能となる。
なお、全ての筆記具保持部721に筆記具71が保持されている必要はなく、一部のみに筆記具71が保持されていてもよい。
筆記具キャリッジ72は、例えば、ステップモータにより構成されたキャリッジ回転機構73により、所定量ずつ回転可能に構成されており、描画に用いる筆記具71が選択されると、当該筆記具71が筆記具上下機構74の下方に位置するように筆記具キャリッジ72を回転させる。
筆記具上下機構74は、ソレノイド等により構成されており、描画時において筆記具上下機構74の下方に配置された筆記具71を爪Tの表面に接触する位置まで押し下げるようになっている。これにより、筆記具71は、ペン先が爪Tの表面に適度な力で押圧され、描画可能な状態となる。
なお、筆記具キャリッジ72を回転させるキャリッジ回転機構の構成、筆記具71を押し下げる筆記具上下機構の構成等は、ここに例示したものに限定されない。例えば、キャリッジ回転機構は、ラチェット機構とソレノイド等で構成されていてもよい。
上記構成のネイルプリント装置には、前述のように、複数種類(本実施形態では最大8種類)の筆記具71を同時に保持させて描画を行うことができる。このため、例えば、7色のインクを必要とするレインボー柄や、段階的に濃さの異なる複数のインクを必要とするグラデーション柄、各種の色を用いたアーガイル柄等、多色を必要とする複雑かつ繊細なデザインでも簡易に描画することができる。
また、本実施形態では、描画制御部814が、全ての単位領域arへの描画が完了するまで全てのエリアNoについて、順次各単位領域arについて描画可否の判断を繰り返す場合を例示したが、描画制御部814による判断の手法はここに例示したものに限定されない。
例えば、描画終了フラグが“1”となったエリアNoについては、判断対象から順次除外していくようにしてもよい。
また、インクの乾燥時間やインクが塗布される単位領域arの面積、当該単位領域arが隣接する他の単位領域arの数等を考慮して、最もインクの乾燥待ちの時間を短くして効率よく描画できるように、描画制御部814による各単位領域arについての描画可否の判断の順序を設定してもよい。
また、本実施形態では、筆記具41を上下移動させる筆記具上下機構としてソレノイドを用いた構成を例示しているが、筆記具上下機構の構成はこれに限定されない。例えば、ステップモータ、DCモータ、モータ及びボールネジ等により構成してもよい。
また、本実施形態では、印刷ヘッド42を移動させるためのX方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47を、ステップモータであるX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとの組み合わせにより構成する例を示したが、印刷ヘッド42を移動させるための構成はこれに限定されない。
X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、印刷ヘッド42を前後左右に随意に動かせるものであればよく、例えば、従来の安価なプリンタ等に用いられているようなシャフトやガイドとワイヤーで構成された機構を用いた構成でもよいし、サーボモータ等を用いた構成でもよい。
また、本実施形態では、筆記具の慣書用に紙片である被描画媒体を用いる場合を例示したが、被描画媒体は紙に限定されない。また、被描画媒体はロール状のものを用いてもよい。この場合には、自動又は手動により被描画媒体を送り出すとともに巻き取る媒体送り機構を設ける。また、被描画媒体はロール状のものである場合には、媒体挿出口24に代えてロール状の被描画媒体を着脱するための媒体着脱口を設ける。
また、本実施形態では、描画データ生成部813が、ネイルデザインの画像データについて曲面補正を行い、描画データを生成する場合を例としたが、描画データ生成部813が描画データを生成することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、描画データを別途生成せずに、描画制御部814において、ネイルデザインの画像データをLUT(Lookup Table)等により適宜変換しつつ印刷ヘッドに出力して爪形状に合った描画を行うように描画制御を行ってもよい。
また、本実施形態では、爪情報として爪Tの形状を検出し、これに基づいて描画データを生成する場合を例としたが、爪形状を検出することは本発明の必須の構成要素ではない。例えば、爪Tの中程にワンポイント柄を描画する場合のように、描画を行う上で爪Tの輪郭を抽出することが必須でない場合であれば、正確に爪Tの形状を認識する必要はなく、爪形状の検出を行うことなく描画を行うことができる。
また、撮像装置は、静止画を撮影するカメラ51に限定されず、動画を撮影可能なものであってもよい。この場合、カメラによって動画を撮影し、撮影された動画から、爪Tの上面の画像を適宜切り出して、爪情報の検出に用いる。
また、本実施形態では、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823が制御装置80の記憶部82内に設けられている場合を例としたが、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823は制御装置80の記憶部82に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。
また、本実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次描画を行うネイルプリント装置1を例としたが、複数本の指に対して同時に描画を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。
例えば、筆記具の稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1に同時に描画を施すことも可能となる。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施す描画部と、
前記描画部を制御する描画制御部と、
を備え、
前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
前記描画制御部は、前記複数の単位領域における特定の単位領域に対して、該特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すように制御することを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記各単位領域に対して、当該単位領域に塗布される前記インクの乾燥に要する乾燥時間が予め設定されていて、前記各単位領域における前記描画部による前記描画の終了時からの経過時間をカウントし、該経過時間が当該単位領域に設定されている前記乾燥時間に達したときにこれを告知する信号を前記描画制御部に出力する乾燥告知タイマを備え、
前記描画制御部は、前記乾燥告知タイマにより前記告知がされている前記単位領域を前記既乾燥の単位領域と判断することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記複数の単位領域の各々には、互いに異なるエリア番号が予め付されており、
互いに接している前記各単位領域の前記エリア番号の情報を周囲関連情報として有し、
前記描画制御部は、前記周囲関連情報に基づいて、前記特定の単位領域に接している前記単位領域の前記エリア番号を取得し、取得した前記エリア番号の前記単位領域について、前記既乾燥の単位領域又は前記未描画の単位領域であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記描画制御部は、前記各単位領域を、前記エリア番号の順に、前記特定の単位領域に順次設定し、前記特定の単位領域に接している前記単位領域が、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了していない未乾燥の単位領域を含んでいると判断したとき、当該特定の単位領域には前記描画を施さないように制御することを特徴とする請求項3に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記描画部は、先端部が前記爪の表面に接触して前記描画を施す描画具を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施すネイルプリント装置の印刷方法であって、
前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、前記複数の単位領域における互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
前記各単位領域ごとに、当該単位領域に前記描画を施すか否かを判断し、前記複数の単位領域における特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すことを特徴とするネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項7>
前記各単位領域に対して、当該単位領域に塗布される前記インクの乾燥に要する乾燥時間が予め設定されていて、
前記各単位領域における前記描画の終了時からの経過時間をカウントし、
前記経過時間が当該単位領域に設定されている前記乾燥時間に達したときに、これを告知する信号を出力させ、
前記告知がされている前記単位領域を前記既乾燥の前記単位領域と判断することを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項8>
前記複数の単位領域の各々には、互いに異なるエリア番号が予め付されており、
互いに接している前記各単位領域の前記エリア番号の情報を周囲関連情報として有し、
前記周囲関連情報に基づいて、前記特定の単位領域に接している前記単位領域の前記エリア番号を取得し、
取得した前記エリア番号の前記単位領域について、前記既乾燥の単位領域又は前記未描画の単位領域であるか否かを判断することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
<請求項9>
前記各単位領域を、前記エリア番号の順に、前記特定の単位領域に順次設定し、
前記特定の単位領域に接している前記単位領域が、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了していない未乾燥の単位領域を含んでいると判断したとき、当該特定の単位領域には前記描画を施さないことを特徴とする請求項8に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
1 ネイルプリント装置
40 描画部
41 筆記具
46 X方向移動モータ
48 Y方向移動モータ
49 ヘッド駆動部
50 撮影部
81 制御部
82 記憶部
811 撮影制御部
812 爪情報検出部
813 描画データ生成部
814 描画制御部
823 デザイン画像記憶領域
824 テーブル記憶領域
825 エリアNoテーブル
826 乾燥時間テーブル
827 周囲関連テーブル
828 描画管理テーブル
T 爪
U1 印刷指
U2 非印刷指

Claims (9)

  1. 画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施す描画部と、
    前記描画部を制御する描画制御部と、
    を備え、
    前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
    前記描画制御部は、前記複数の単位領域における特定の単位領域に対して、該特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すように制御することを特徴とするネイルプリント装置。
  2. 前記各単位領域に対して、当該単位領域に塗布される前記インクの乾燥に要する乾燥時間が予め設定されていて、前記各単位領域における前記描画部による前記描画の終了時からの経過時間をカウントし、該経過時間が当該単位領域に設定されている前記乾燥時間に達したときにこれを告知する信号を前記描画制御部に出力する乾燥告知タイマを備え、
    前記描画制御部は、前記乾燥告知タイマにより前記告知がされている前記単位領域を前記既乾燥の単位領域と判断することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
  3. 前記複数の単位領域の各々には、互いに異なるエリア番号が予め付されており、
    互いに接している前記各単位領域の前記エリア番号の情報を周囲関連情報として有し、
    前記描画制御部は、前記周囲関連情報に基づいて、前記特定の単位領域に接している前記単位領域の前記エリア番号を取得し、取得した前記エリア番号の前記単位領域について、前記既乾燥の単位領域又は前記未描画の単位領域であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
  4. 前記描画制御部は、前記各単位領域を、前記エリア番号の順に、前記特定の単位領域に順次設定し、前記特定の単位領域に接している前記単位領域が、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了していない未乾燥の単位領域を含んでいると判断したとき、当該特定の単位領域には前記描画を施さないように制御することを特徴とする請求項3に記載のネイルプリント装置。
  5. 前記描画部は、先端部が前記爪の表面に接触して前記描画を施す描画具を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  6. 画像データに基づいて爪の表面の複数の単位領域に分割された描画対象領域に複数種類のインクを塗布して描画を施すネイルプリント装置の印刷方法であって、
    前記複数の単位領域の各々は、少なくとも1つの前記単位領域と接するように配置されていて、前記複数の単位領域における互いに接している2つの前記単位領域の各々は互いに異なる種類のインクで描画される領域であり、
    前記各単位領域ごとに、当該単位領域に前記描画を施すか否かを判断し、前記複数の単位領域における特定の単位領域に接している前記単位領域の全てが、少なくとも、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了している既乾燥の単位領域、又は、前記インクが塗布されていない未描画の単位領域、の何れかであると判断したときに、前記特定の単位領域に前記描画を施すことを特徴とするネイルプリント装置の印刷方法。
  7. 前記各単位領域に対して、当該単位領域に塗布される前記インクの乾燥に要する乾燥時間が予め設定されていて、
    前記各単位領域における前記描画の終了時からの経過時間をカウントし、
    前記経過時間が当該単位領域に設定されている前記乾燥時間に達したときに、これを告知する信号を出力させ、
    前記告知がされている前記単位領域を前記既乾燥の前記単位領域と判断することを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
  8. 前記複数の単位領域の各々には、互いに異なるエリア番号が予め付されており、
    互いに接している前記各単位領域の前記エリア番号の情報を周囲関連情報として有し、
    前記周囲関連情報に基づいて、前記特定の単位領域に接している前記単位領域の前記エリア番号を取得し、
    取得した前記エリア番号の前記単位領域について、前記既乾燥の単位領域又は前記未描画の単位領域であるか否かを判断することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
  9. 前記各単位領域を、前記エリア番号の順に、前記特定の単位領域に順次設定し、
    前記特定の単位領域に接している前記単位領域が、前記インクが塗布され且つ当該インクの乾燥が終了していない未乾燥の単位領域を含んでいると判断したとき、当該特定の単位領域には前記描画を施さないことを特徴とする請求項8に記載のネイルプリント装置の印刷方法。
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