JP2015100350A - シュードモナス用簡易培地 - Google Patents

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修平 細川
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Abstract

【課題】被検液をシート状培地に接種して培養するだけで簡便かつ正確にシュードモナス属細菌のコロニーを検出できる簡易培地の提供。
【解決手段】(A)陽イオン界面活性剤、(B)酸化還元指示薬、(C)水溶性高分子及び(D)グルコースを含有する培地組成物を繊維質吸水性シートに担持又は積層してなるシュードモナス用簡易培地。
【選択図】なし

Description

本発明は、感染症や汚染の原因菌であるシュードモナス属細菌検出用の簡易培地及びそれを用いた検出方法に関する。
シュードモナス属細菌の中には、緑膿菌のように日和見感染の原因菌となることや、液状薬(目薬など)などへの汚染、水を代表とする飲料水関係の汚染があることから、医療機関、製薬企業、飲料企業等においては、検出が必要である。シュードモナス用の培地としては、(1)陽イオン界面活性剤であるセトリミドを選択剤とした寒天培地(ピオシアニン検出用シュードモナル寒天培地)、(2)セトリミドとナリジクス酸を選択剤とした寒天培地(Pseudomonas Selective Agar Base)、(3)セトリミド、フシジン及びセファロリジンを選択剤とした寒天培地(シュードモナス寒天基礎培地)が知られている(非特許文献1〜3)。
ピオシアニン検出用シュードモナス寒天培地「ダイゴ」パンフレット(和光純薬工業株式会社) Pseudomonas Selective Agarパンフレット(関東化学株式会社)(MERCK) シュードモナス寒天基礎培地パンフレット(関東化学株式会社)
しかしながら、従来の寒天培地その他のシュードモナス検出法では、操作が煩雑である、多くの実験器具が必要である、長時間を要する等の問題があった。
従って、本発明の課題は、簡便な操作で正確にシュードモナス属細菌を検出できる手段を提供することにある。
そこで、本発明者は、従来の寒天培地成分を繊維質吸水性シートに担持又は積層してシュードモナス用簡易培地の作製を試みた。しかしながら、従来の寒天培地成分をシートに担持させた培地に被検液を接種して培養してもシュードモナスの発育が十分認められず、検出可能な簡易培地を得ることはできなかった。そしてさらに、検討を続けた結果、選択剤である陽イオン界面活性剤及びゲル化剤である水溶性高分子に加えて、酸化還元指示薬とグルコースを繊維質吸水性シートに担持又は積層することにより、シュードモナス属細菌が選択的に着色されたコロニーとして検出できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕(A)陽イオン界面活性剤、(B)酸化還元指示薬、(C)水溶性高分子及び(D)グルコースを含有する培地組成物を繊維質吸水性シートに担持又は積層してなるシュードモナス用簡易培地。
〔2〕検出時の濃度として成分(A)を0.1〜1g/L、成分(B)を0.01〜0.1g/L、成分(C)を30〜100g/L、成分(D)を0.1〜1g/L含有する〔1〕記載のシュードモナス用簡易培地。
〔3〕成分(A)が、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩又はピリジニウム塩である〔1〕又は〔2〕記載のシュードモナス用簡易培地。
〔4〕成分(B)が、テトラゾリウム塩である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシュードモナス用簡易培地。
〔5〕成分(C)が、天然ゲル化剤又は合成ゲル化剤である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシュードモナス用簡易培地。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の簡易培地に被検液を接種して培養し、そこに形成されるコロニーを検出することを特徴とするシュードモナス属細菌の検出方法。
本発明の簡易培地を用いれば、被検液を培地に滴下して培養するだけでシュードモナス属細菌のコロニーが着色コロニーとして検出できるため、簡便かつ正確にシュードモナス属細菌が検出できる。
本発明のシュードモナス用簡易培地は、(A)陽イオン界面活性剤、(B)酸化還元指示薬、(C)水溶性高分子及び(D)グルコースを含有する培地組成物を繊維質吸水性シートに担持又は積層したことを特徴とする。
(A)陽イオン界面活性剤は、シュードモナス属細菌以外の細菌を増殖させず、シュードモナス属細菌の発育を阻害しない目的で添加する選択剤である。陽イオン界面活性剤としてはシュードモナス属細菌の選択性を有していればよく、第4級アンモニウム塩型、アルキルアミン塩型又はピリジニウム塩型が挙げられる。第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化セチルトリメチルアンモニウム(セトリミド)、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルアミン塩型陽イオン界面活性剤としては、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩等が挙げられる。ピリジニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、塩化ブチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。これらの陽イオン界面活性剤のうち、シュードモナス選択性の点から第4級アンモニウム塩型がより好ましい。これらの陽イオン界面活性剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)陽イオン界面活性剤は、簡易培地中に検出時の濃度が0.1〜1g/Lになるように含有するのが、シュードモナス属細菌の選択性の点で好ましい。より好ましい検出時濃度は0.1〜0.8g/Lであり、より好ましい検出時濃度は0.1〜0.6g/Lである。ここで、検出時の濃度とは、簡易培地に所定量の被検液を添加したときの濃度である。
(B)酸化還元指示薬は、簡易培地上に選択的に増殖したシュードモナス属細菌を所望の色のコロニーに発色させるために用いられる。酸化還元指示薬としては、テトラゾリウム塩が好ましい。テトラゾリウム塩型酸化還元指示薬としては、例えばTTC(2,3,5-triphenyl-2H-tetrazolium chloride)、MTT(3-(4,5-di-methylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide, yellow tetrazole)、XTT (2,3-bis-(2-methoxy-4-nitro-5-sulfophenyl)-2H-tetrazolium-5-carboxanilide)、MTS (3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)-2H-tetrazolium)、WST (Water soluble Tetrazolium salts)、Blue Tetrazolium Chloride、Nitro Blue Tetrazolium、Tetrazolium Violet、2,3,5-Triphenyltetrazolium Bromide、2,3,5-Triphenyltetrazolium Iodide などが挙げられ、特にTTCが好ましい。
(B)酸化還元指示薬は、簡易培地中に検出時の濃度が0.01〜0.1g/Lになるように含有するのが、シュードモナス属細菌のコロニーを選択的で検出しやすい色に発色させる点で好ましい。より好ましい検出時濃度は、0.02〜0.08g/Lであり、さらに好ましくは0.02〜0.07g/Lである。
(C)水溶性高分子としては、被検液が簡易培地である繊維状吸水性シートに滴下されたとき、被検液をゲル化して繊維状吸水性シート中に留めておく作用をする。かかる点から、水溶性高分子としては、ゲル化能を有するもの(ゲル化剤)であるのが好ましい。かかるゲル化剤としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、タマリンドガム等の増粘多糖類;ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロース類等が挙げられる。このうち、増粘多糖類及びカルボキシメチルセルロースが好ましく、さらにキサンタンガムが好ましい。(C)水溶性高分子は、繊維状吸水性シート中に担持させる点から、平均粒径500μm以下、特に0.5〜50μmの粉体を使用するのが好ましい。
(C)水溶性高分子は、簡易培地中に検出時の濃度が30〜100g/Lになるように含有するのが、被検液の拡散性、ゲル化して被検菌が保持されて増殖を容易にする点から好ましい。より好ましい検出時濃度は40〜80g/Lであり、さらに好ましくは50〜70g/Lである。
(D)グルコースは、シュードモナス属細菌の発育を促し、コロニーを形成させるために必要である。グルコースは、簡易培地中に検出時の濃度が0.1〜1g/Lとなるように含有するのが好ましく、0.2〜0.8g/L、さらには0.2〜0.7g/Lとなるように含有するのが好ましい。
本発明の簡易培地中には、さらに他の栄養成分及び前記成分をシート中に保持させるための接着剤を含有させるのが好ましい。他の栄養成分としては、ペプトン、マグネシウム塩、硫酸塩、グリセリン等が挙げられる。ペプトンは、検出時の濃度として10〜40g/L、さらに10〜30g/L含有させるのが好ましい。マグネシウム塩としては、塩化マグネシウムが好ましく、その含有量は検出時の濃度として0.5〜5g/L、さらに0.8〜2g/Lが好ましい。硫酸塩としては硫酸カリウムが好ましく、その含有量は検出時の濃度として2〜20g/L、さらに5〜20g/Lが好ましい。グリセリンは、検出時の濃度として2〜20g/L、さらに5〜20g/Lが好ましい。
接着剤としては、水及びアルコールに可溶な高分子であればよく、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ニトロ-セルロース、アセチルセルロース、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられ、特にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が好ましい。
これらの成分を含有する培地組成物は、繊維質吸水性シート中に含まれていればよく、予め組成物としてから添加する必要はない。
これらの培地成分を担持又は積層するためのシートは、繊維質吸水性シートである。繊維質吸水性シートは、接種された被検液が毛細管現象により容易に拡散することが必要であり、例えばレーヨン不織布に代表される合成繊維不織布、コットン不織布に代表される天然繊維不織布などが挙げられる。これらのシートの形状は特に限定されず、正方形、長方形、円形などの何れの形であってもよい。またその大きさも特に制限されないが、微生物の簡易検出用の場合には長径1〜15cmのものが好ましい。また、網目の大きさが15〜100メッシュ、特に20〜50メッシュで、厚さが10〜1000μm、特に50〜600μmのものが好ましい。
このような繊維質吸水性シートは防水性平板に載置されているのが好ましく、かかる防水性平板としては、プラスチック、ガラスなどの防水性の材質のものであれば何れでもかまわないが、外部からの観察のため透明のものが好ましい。
本発明の簡易培地は、前記成分(A)〜(D)を含有する培地成分を、繊維状吸水性シートに担持または積層させることにより製造される。例えば、前記成分(A)〜(D)、並びに(E)水およびアルコールに可溶な接着剤を含有する培地成分を、(C)ゲル化剤より大きいメッシュを有する繊維状吸水性シートに担持させることにより製造することが出来る。具体的には、まず、(A)〜(E)の培地成分をアルコールに添加してアルコール懸濁液を調製する。アルコールとしては、例えばエタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
アルコール懸濁液を、防水性平板上に載置した繊維質吸水性シートに注下、噴霧、塗布などによって含浸させる。含浸させるアルコール懸濁液は、上記濃度のものをシート1cm3当たり0.5〜2mlとするのが好ましい。その後乾燥してアルコールを蒸発除去することにより、培地成分が担持された繊維質吸水性シートが防水性平板に積層固着されるが、この乾燥に際しては、アルコールの急速な蒸発を抑制しつつ乾燥を行うための手段としては特に限定されるものではないが、例えばアルコールの蒸気圧の高い雰囲気中で乾燥を行う、低温で乾燥を行う等の方法が挙げられる。
また、本発明の簡易培地は、例えば前記成分(A)〜(E)を含有する培地成分を、防水性平板の表面の少なくとも一部に被覆し、その被覆面の少なくとも一部に繊維状吸水性シートを積層させることによっても製造することが出来る。
すなわち、まず、前記と同様に培地組成物を調製し、これを防水性平板に均一に塗抹した後、乾燥して被覆を形成し、次いで、この被覆表面に繊維状吸水性シートを積層することにより、本発明の簡易培地を得ることができる。
本発明の簡易培地は、汚染及び乾燥を防止するために、その表面をフィルムで覆うか、容器に収納するのが好ましい。特に、防水性平板として容器一体型の防水性容器を用い、これに培地成分を担持させた繊維質吸水性シートを積層固着させるのが好ましい。
このようにして製造された本発明の簡易培地は、エチレンオキサイドガス等のガス、γ線、電子線等、好ましくはγ線によって滅菌するのが好ましい。好ましい滅菌方法としては、アルミ包材等、ガスバリヤー性と遮光性を兼ね備えた包材で包装した後、γ線、電子線等の放射線照射を行う方法が挙げられ、特にこの包装の際に簡易培地と共に乾燥剤を封入しておくことが最も好ましい。このような方法で滅菌処理を行うことにより、簡易培地の製造の全工程を無菌状態に管理する必要がなくなり、かつ滅菌後の微生物の混入や光及び湿気による培地の経時変化を抑制することが可能となる。
本発明の簡易培地を用いて微生物を検出するには、被検体から調製した被検液を当該培地表面に接種する。そうすると、被検液がメッシュ間の立体的な空洞部の毛細管現象によって容易に拡散し、それに続いて膨潤ゲル化が起こって、被検液中の微生物は捕捉され、自由移動が抑制され、培養によってコロニーが形成される。従って、培地形成面を観察すれば、形成したコロニーが容易に観察できる。試料を定量的に簡易培地へ接種すれば、培養後出現したコロニーを計測することにより、容易にかつ精度よく菌数を算定することができる。被検液の滴下量は1ml程度でよい。
なお、被検液の接種は通常ピペット等により一定量を接種する方法が採用されるが、水分の多い個体へスタンプする方法や試料液へ浸す方法でもよい。また、被検液接種後の培養は、静置して行っても、また輸送期間中に行ってもよい。培養は、30〜35℃で24〜48時間静置するのみでよい。
本発明の簡易培地を用いて検出することができる微生物は、シュードモナス属の細菌および類似菌で、例えば、Pseudomonas aeruginosa 、P. fluorescens、P.syringae、P.putida等が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
試験例1 市販のシュードモナス用寒天培地を用いたシュードモナス用簡易培地作製および評価
市販培地としてNAC寒天培地(栄研化学)、Cetrimid寒天培地(日水製薬)、Pseudosel agar (BBL)を供試しシュードモナス用簡易培地を作製した。アルコール1000mlにHPC 1gを添加し、HPCが完全に溶解するまでマグネチックスターラーで攪拌し、溶解後グリセリン10mlを添加しよく攪拌し、キサンタンガム10gと各培地1000ml組成分を添加し、よく混合した。攪拌しながら、不織布をいれたミニシャーレに、培地成分1mlを分注し、室温で乾燥させ、アルコール成分を取り除いた。ここで、NAC寒天培地は、セトリミド及びナリジクス酸を含有する培地;Cetrimide寒天培地は、セトリミドを含有する培地;Pseudosel Agarはセトリミドを含有する培地である。
供試菌株として、Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275、Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027、Escherichia coli NBRC 3972 (ATCC 8739)、Staphylococcus aureus ATCC 6538の4株を用いた。菌株をトリプトソイブイヨン(TSB:日水製薬)で35℃、24時間培養後、滅菌生理食塩水で10-8まで希釈し、その1mlを接種した。対照として、繊維質吸水性シートに培地成分を担持した簡易培地コンパクトドライTC(日水製薬)へ1ml接種した。簡易培地の対照として、従来通り作製した各種寒天平板培地へ0.1ml接種し、平板塗抹した。35℃、24時間培養後発育の有無を判定した。
表1に示したとおり、従来通り作製した寒天平板培地では、シュードモナスの発育を認めたがシュードモナス用簡易培地ではシュードモナスの発育を認めなかった。
Figure 2015100350
試験例2 シュードモナス用培地における酸化還元指示薬添加の検討
シュードモナス用簡易培地では、シュードモナスのコロニーが白で培地が白であるため、コロニーの識別が難しい。そこで、酸化還元指示薬による発色により、シュードモナス用コロニーの識別を容易にすることを目的として酸化還元指示薬添加の検討を行った。結果を表2〜7に示した。これらの結果から、各酸化還元指示薬の添加はコロニーの発色に有効であった。その適切な濃度を表8に示した。アルコールに対する溶解性や発色性からTTCが良好であった。
Figure 2015100350
Figure 2015100350
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Figure 2015100350
Figure 2015100350
Figure 2015100350
また表8から、酸化還元指示薬の好適な濃度は0.01〜0.1g/Lであり、0.02〜0.08g/Lがより好ましく、0.02〜0.07g/Lが最適であった。
試験例3
シュードモナス用簡易培地の組成を構築するために、キサンタンガムを検討した。ペプトン20、硫酸カリウム10、塩化マグネシウム1.4、TTC(g/1000ml)をHPC加アルコールに懸濁し、これにキサンタンガム量(g/1000ml)を変えてコンパクトドライを作製した(培地No.1:キサンタンガム10g/1000ml、No.2:20g/1000ml、No.3:30g/1000ml、No.4:50g/1000ml、No.5:70g/1000ml、No.6:100g/1000ml)。P.aeruginosa NBRC 13275を接種し発育を確認した。その結果、表9に示したようにキサンタンガムがゲル化剤として良いことを確認した。キサンタンガム量として30〜100g/Lがよく、40〜80g/Lがより好ましく、50〜70g/1000mlが最適であった。
Figure 2015100350
試験例4
シュードモナス用簡易培地の組成を構築するために、ブドウ糖の添加を検討した。基礎培地3.14g、キサンタンガム6g、セトリミド0.03g、グリセリン1ml、TTC 0.005gをHPC加アルコール100mlに懸濁し、ブドウ糖を次の量添加した(g/100ml):0(培地No.1)、0.2(培地No.2)、0.5(培地No.3)、0.7(培地No.4)、1.0(培地No.5)、2.0(培地No.6)、5.0(培地No.7)、10(培地No.8)。P.aeruginosa5株を供試し発育を確認した。その結果、表10に示したようにブドウ糖量の添加が好ましく、その量は0.1〜1g/L、さらに0.2〜0.8g/L、特に0.2〜0.7g/Lが好ましかった。
Figure 2015100350
試験例5
培地組成を検討しシュードモナス用簡易培地の組成を構築した:(g/1000ml)ゲラチンペプトン20、塩化Mg1.4、硫酸カリウム10、セトリミド0.3、ブドウ糖0.5、キサンタンガム(CS)60、HPC 1、グリセリン10、TTC 0.05、pH7.2±0.2。本培地組成で簡易培地を作製し、Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275、Pseudomonas aeruginosa ATCC 9721、Escherichia coli ATCC 11775、Staphylococcus aureus ATCC 6538、Bacillus subtilis ATCC 6633をTSBで35℃、24時間培養後、滅菌生理食塩水で10倍段階希釈し、1mlずつ接種した。35℃、24時間培養後判定した。結果を表11に示した通り、Pseudomonas aeruginosaの2株は発育を認め、他の3株は発育を認めなかった。
Figure 2015100350
試験例6
シュードモナス用簡易培地の性能確認のために19株のシュードモナスとシュードモナス以外のグラム陰性菌とグラム陽性菌10株を接種した。その結果、全ての株で良好な発育を確認した(表12)。抑制性として、Pseudomonas属以外のグラム陰性菌とグラム陽性菌など10株を接種した結果、全ての株で発育を認めなかった(表13)。
Figure 2015100350
Figure 2015100350
試験例7
シュードモナス用簡易培地をγ線滅菌による影響の有無を確認した。γ線目標吸収線量を5kGy〜50kGyで行った。その結果、25kGyまでの線量であれば、性能に影響がないことを認めた(表14)。
Figure 2015100350

Claims (6)

  1. (A)陽イオン界面活性剤、(B)酸化還元指示薬、(C)水溶性高分子及び(D)グルコースを含有する培地組成物を繊維質吸水性シートに担持又は積層してなるシュードモナス用簡易培地。
  2. 検出時の濃度として成分(A)を0.1〜1g/L、成分(B)を0.01〜0.1g/L、成分(C)を30〜100g/L、成分(D)を0.1〜1g/L含有する請求項1記載のシュードモナス用簡易培地。
  3. 成分(A)が、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩又はピリジニウム塩である請求項1又は2記載のシュードモナス用簡易培地。
  4. 成分(B)が、テトラゾリウム塩である請求項1〜3のいずれかに記載のシュードモナス用簡易培地。
  5. 成分(C)が、天然ゲル化剤又は合成ゲル化剤である請求項1〜4のいずれかに記載のシュードモナス用簡易培地。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の簡易培地に被検液を接種して培養し、そこに形成されるコロニーを検出することを特徴とするシュードモナス属細菌の検出方法。
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