JP2015099864A - 薄膜圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

薄膜圧電アクチュエータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱環境下での反りおよびハンドリング時の衝撃による薄ウェハ基板の破損を十分に低減し、ウェットエッチング時の薄ウェハ基板へのパーティクル付着を低減する製造方法を提供する。【解決手段】薄膜圧電アクチュエータの製造方法は、研削、研磨された薄ウェハ基板2の一方の面にフィルム基板10を貼り付ける工程と、フィルム基板10を貼り付けた状態で、薄ウェハ基板2の他方の面に、半導体加工プロセスにより圧電素子7をパターニング形成する工程とを有する。フィルム基板10は、粘着層を介して積層される2層以上のフィルムを有している。このうち、最内層のフィルム12は、熱収縮率が3%以下で、かつ、剛性を有している。最外層のフィルム14は、最外層のフィルムよりも薄ウェハ基板2側に位置するフィルム12を、半導体加工プロセスに含まれるウェットエッチング時に使用する薬品から保護する耐薬品性を有している。【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜圧電アクチュエータの製造方法に関するものである。
従来から、液体インクを吐出する複数のチャネルを有するインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタが知られている。用紙や布などの記録メディアに対してインクジェットヘッドを相対的に移動させながら、インクの吐出を制御することにより、記録メディアに対して二次元の画像を出力することができる。インクの吐出は、圧力式のアクチュエータ(圧電式、静電式、熱変形など)を利用したり、熱によって管内のインクに気泡を発生させることで行うことができる。中でも、圧電式のアクチュエータは、出力が大きい、変調が可能、応答性が高い、インクを選ばない、などの利点を有しており、近年よく利用されている。
圧電式のアクチュエータには、バルク状の圧電体を用いたものと、薄膜の圧電体(圧電薄膜)を用いたものとがある。前者は出力が大きいため、大きな液滴を吐出することができるが、大型でコストが高い。これに対して、後者は出力が小さいため、液滴量は大きくできないが、小型でコストが低い。高解像度(小液滴で良い)で小型、低コストのプリンタを実現するには、圧電薄膜を用いてアクチュエータを構成することが適していると言える。
アクチュエータに圧電薄膜を用いたインクジェットヘッドでは、厚さ数ミクロンのシリコン薄肉(振動板)上に、上部電極と下部電極とで圧電薄膜を挟んだ構造の圧電素子が形成される。この圧電素子にkHzオーダーの高周波の電界を印加し、圧電薄膜が逆圧電効果により振動板の面内方向に伸縮することで振動板が変位する。これにより、振動板に接する圧力室の堆積が変化し、圧力室内のインクを吐出することが可能となる。
上記の圧電薄膜は、シリコン基板上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的成膜法、スパッタ法やイオンプレーティング法といった物理的な方法、ゾルゲル法などの液相成長、などの成膜プロセスを用いて形成される。圧電薄膜の材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)と呼ばれる鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、酸素(O)からなるペロブスカイト構造の結晶を用いることが多い。
アクチュエータにおけるシリコン基板の一方の面側には、圧電薄膜および電極(上部電極、下部電極)が形成され、他方の面側には、インク流路および圧力室などの機能部が形成される。これらは、フォトリソグラフィーなどの半導体プロセス技術を用いた高精度な加工プロセスによりそれぞれ形成される。シリコン基板における圧力室の上壁をなす部分は、上述した振動板を構成する。
このとき、直径6インチや直径8インチといった比較的大きなシリコンウェハ上に複数の圧電素子を高密度に配置し、複数のアクチュエータを一括して形成した後、シリコンウェハを分割して個片化すれば、アクチュエータを個別に製造する枚葉製造に比べて、コストを大幅に低減することができる。
ところで、一般のアクチュエータの製造においては、半導体ウェハ上で圧電薄膜層の成膜、電極層の成膜、およびこれらのパターニングが行われるが、成膜およびパターニングが行われるまでは、ハンドリング性の確保および割れ防止などの点から、半導体ウェハは一定の厚さを有している。そして、成膜およびパターニングの後、半導体ウェハの裏面に機械研削を施し、半導体ウェハを所定の厚さまで薄型化する工程、さらに薄型化した半導体ウェハを切断によりチップ化する工程が行われる。
圧電薄膜層がパターニングされた後の圧電薄膜は、機械的ダメージに弱く、圧電薄膜層の成膜およびパターニングの後に半導体ウェハを機械研削すると、圧電薄膜のエッジが剥離しやすくなって、特性が劣化しやすくなる。このため、圧電薄膜をパターニング形成する前に、先に半導体ウェハを研削、研磨して薄型化しておき、薄型ウェハのままでパターニング、エッチングなどのプロセス処理を行うことが、圧電薄膜の特性劣化を抑制できる点で望ましいと言える。
一方、大型化、薄型化した半導体ウェハは、加工中のハンドリングにおいて割れやすい。そこで、薄型化した半導体ウェハ(薄ウェハ)のハンドリング性を向上させるために、薄ウェハを支持基板(補強板)に貼り付けて用いることがある。薄ウェハを補強板に貼り付ける際には、真空チャンバ内において、ワックスを塗布した薄ウェハと、エアチャックした補強板とを向かい合わせて、互いに離反させた状態に配置し、薄ウェハを加熱してワックスに粘着力を持たせた上で薄ウェハを補強板に貼り付けるウェハ貼付装置(マウンター)が用いられる。また、ワックスを除去し、薄ウェハを支持基板から剥離する装置(デマウンター)も用いられる。しかし、貼り付けにワックスを用いる場合、製造過程での酸系エッチング時にワックスが溶け出し、コンタミネーション(汚染物質)による製品不良の原因となる。また、素子の生産数がそれほど多くない場合、上記装置に必要とされる大幅な設備投資が難しい場合もある。
ワックスを用いずに半導体ウェハに貼り付けることができ、また剥離も可能な支持基板としては、例えば特許文献1に開示された再剥離型粘着シートがある。この再剥離型粘着シートは、基材フィルムと粘着剤層との間に、少なくとも1層の中間層を有している。中間層は、23℃における貯蔵弾性率(G’)が3.0×104〜1.0×108Paであり、かつ200℃における貯蔵弾性率(G’)が1.0×103〜8.0×104Paである。このような中間層により、基材フィルムの熱収縮応力を緩和することができるため、加熱環境下におかれた場合でも半導体ウェハの反りを低減して、半導体ウェハの割れを低減できるというものである。
特開2005−53998号公報(請求項1、段落〔0005〕、〔0008〕、〔0020〕、図1等参照)
ところが、薄ウェハに貼り付けるシートが、弾性のある材料を含む場合、ハンドリング時に薄ウェハに衝撃が加わると、薄ウェハが撓んでしまい、薄ウェハが割れてしまう可能性がある。この点、特許文献1の再剥離型粘着シートには、弾性のある中間層が含まれているため、衝撃による薄ウェハの割れを低減する点では不十分であった。
また、特許文献1の再剥離型粘着シートでは、基材フィルムに、強酸性の薬品に浸食される材料(例えばポリエチレンテレフタレート)が含まれているが、この基材フィルムが耐薬品性を有する層で保護されていないため、強酸性の薬品を用いてエッチング処理(ウェットエッチング)を行うと、薬品によって基材フィルムが浸食され、浸食された成分が薬品中に浮遊して薄ウェハ表面に付着し(パーティクル付着)、コンタミネーションによる製品不良の原因となってしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、加熱環境下での反りおよびハンドリング時の衝撃による薄ウェハ(薄ウェハ基板)の破損を十分に低減できるとともに、ウェットエッチング時の薄ウェハ基板へのパーティクル付着を低減できる薄膜圧電アクチュエータの製造方法を提供することにある。
本発明の一側面に係る薄膜圧電アクチュエータの製造方法は、研削、研磨された薄ウェハ基板の一方の面にフィルム基板を貼り付ける工程と、前記フィルム基板を貼り付けた状態で、前記薄ウェハ基板の他方の面に、半導体加工プロセスにより圧電素子をパターニング形成する工程とを有し、前記半導体加工プロセスは、前記薄ウェハ基板の前記他方の面に成膜される圧電薄膜層の上に、レジストを加熱環境下でパターニングする工程と、パターニングされた前記レジストをマスクとして、前記圧電薄膜層をウェットエッチングによってパターニングする工程とを含み、前記フィルム基板は、粘着層を介して積層される2層以上のフィルムを有しており、前記フィルム基板における前記粘着層以外の前記2層以上のフィルムのうち、貼り付け時に前記薄ウェハ基板に最も近い位置にある最内層のフィルムは、熱収縮率が3%以下で、かつ、剛性を有しており、貼り付け時に前記薄ウェハ基板から最も離れた位置にある最外層のフィルムは、該最外層のフィルムよりも前記薄ウェハ基板側に位置するフィルムを、前記ウェットエッチング時に使用する薬品から保護する耐薬品性を有している。
研削、研磨された薄ウェハ基板の一方の面にフィルム基板を貼り付けた状態で、他方の面に圧電素子が半導体加工プロセスによりパターニング形成される。上記のフィルム基板は、粘着層を介して積層される2層以上のフィルムを有している。このうち、最内層のフィルムは、熱収縮率が3%以下であるので、半導体加工プロセスにおける加熱環境下において、最外層のフィルムが熱収縮しようとしても、最内層のフィルムによってその収縮が十分に抑えられるため、フィルム基板が貼り付けられた薄ウェハ基板の反りを十分に低減できる。また、最内層のフィルムは剛性を有しているため、薄ウェハ基板のハンドリング時に衝撃が加わった場合でも、薄ウェハ基板が撓むのを十分に低減できる。したがって、薄ウェハ基板の加熱環境下での反りおよびハンドリング時の衝撃による破損を十分に低減することができる。
また、最外層のフィルムは、それ自体が耐薬品性を有しており、半導体加工プロセスのウェットエッチング時に使用する薬品から、該最外層のフィルムよりも内側の(薄ウェハ基板側の)フィルムを保護するので、ウェットエッチング時に内側のフィルムが上記薬品で浸食されるのを低減できる。これにより、浸食成分が薄ウェハ基板の表面に付着するパーティクル付着を低減することができる。
前記最内層のフィルムのヤング率は、2.4GPa〜4.5GPaであることが望ましい。ヤング率が2.4GPa以上と高いため、最内層のフィルムに剛性を確実に持たせることができる。また、ヤング率が4.5GPa以下に抑えられているため、圧電素子をパターニング形成した後に、フィルム基板を剥離する場合でも、その剥離が容易となる。
前記最内層のフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド66、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンのいずれかを含んでいてもよい。この場合、熱収縮率が3%以下で、かつ、剛性を有する最内層のフィルムを容易に実現できる。
前記最外層のフィルムは、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、メチルペンテン樹脂、白金、金、ニッケルのいずれかを含んでいてもよい。この場合、耐薬品性を有する最外層のフィルムを容易に実現できる。
上述した製造方法は、ウェハを研削、研磨して前記薄ウェハ基板を作製する工程と、前記フィルム基板を貼り付ける前に、前記薄ウェハ基板上に前記圧電薄膜層を成膜する工程とを有していてもよい。圧電薄膜層の成膜前に、先にウェハを研削、研磨して薄ウェハ基板を作製しておくことにより、研削時の機械的なダメージによる圧電薄膜の特性劣化を確実に回避することができる。
上述した製造方法は、ウェハ上に前記圧電薄膜層を成膜する工程と、その後、前記ウェハにおける前記圧電薄膜層の成膜側とは反対側の面を研削、研磨して前記薄ウェハ基板を作製する工程とを有していてもよい。ウェハ上に圧電薄膜層を成膜してからウェハを研削、研磨して薄ウェハ基板を作製すると、圧電薄膜層のエッジが機械的な研削時のダメージによって剥離しやすくなる。しかし、この部分(圧電薄膜層のエッジ)はその後の圧電薄膜層のパターニングによって除去される可能性が高い。したがって、圧電薄膜層を成膜してからウェハを薄型化する手法であっても、圧電薄膜の特性劣化を回避しながら、薄膜圧電アクチュエータを製造することは可能である。
前記レジストを加熱環境下でパターニングする工程は、前記レジストを加熱環境下で塗布する工程および加熱環境下で現像する工程を含んでいてもよい。このように加熱環境下でレジストの塗布および現像を行う場合でも、フィルム基板の最内層のフィルムの熱収縮率が十分に小さいため、薄ウェハ基板の反りを十分に低減して、薄ウェハ基板の破損を十分に低減することができる。
前記半導体加工プロセスは、前記薄ウェハ基板上に、前記圧電薄膜層のパターニングによって形成される圧電薄膜を覆うように電極層を形成する工程と、前記電極層の上に、別のレジストを加熱環境下でパターニングする工程と、パターニングされた前記別のレジストをマスクとして、前記電極層をエッチングによってパターニングする工程とを含んでいてもよい。圧電薄膜を覆う電極層の上に、加熱環境下で別のレジストをパターニングし、電極層をエッチングしてパターニングする場合でも、フィルム基板の最内層のフィルムの熱収縮率が十分に小さいため、薄ウェハ基板の反りを十分に低減して、薄ウェハ基板の破損を十分に低減することができる。
上記の製造方法によれば、加熱環境下での反りおよびハンドリング時の衝撃による薄ウェハ基板の破損を十分に低減できるとともに、ウェットエッチング時の薄ウェハ基板へのパーティクル付着を低減できる。
本発明の実施の一形態に係る薄膜圧電アクチュエータの概略の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。 上記薄膜圧電アクチュエータの製造時に薄ウェハ基板に貼り付けられるフィルム基板の断面図である。 上記薄膜圧電アクチュエータの製造方法に係る製造工程を示す断面図である。 上記製造方法に係る製造工程を示す断面図である。 上記製造方法に係る製造工程を示す断面図である。 上記薄膜圧電アクチュエータの他の製造方法に係る製造工程を示す断面図である。
〔薄膜圧電アクチュエータの構成〕
図1は、本実施形態の薄膜圧電アクチュエータ(以下、単にアクチュエータまたはチップとも称する)の概略の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。本実施形態の薄膜圧電アクチュエータ1は、薄ウェハ基板2上に、熱酸化膜3、下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6をこの順で積層して構成されている。
薄ウェハ基板2は、シリコン(Si)またはSOI(Silicon on Insulator)基板からなるウェハを研削、研磨して薄型化したものであり、その厚さは例えば150μmである。この薄ウェハ基板2には、インクを収容するための圧力室2aが形成されている。そして、薄ウェハ基板2において圧力室2aの上壁をなす部分が、振動板2bを構成している。熱酸化膜3は、薄ウェハ基板2の保護および絶縁の目的で形成されている。下部電極4、圧電薄膜5および上部電極6は、圧電素子7を構成している。
下部電極4および上部電極6に、図示しない駆動回路から駆動信号(駆動電圧)が供給されると、圧電薄膜5が、下部電極4と上部電極6との電位差に応じて、厚さ方向に垂直な方向(薄ウェハ基板2の面に平行な方向)に伸縮する。そして、圧電薄膜5と振動板2bとの長さの違いにより、振動板2bに曲率が生じ、振動板2bが厚さ方向に変位(湾曲、振動)する。
したがって、圧力室2a内にインクを収容しておけば、上述した振動板2bの振動により、圧力室2a内のインクに圧力波が伝搬され、圧力室2a内のインクが吐出孔(図示せず)からインク滴として外部に吐出される。
〔薄膜圧電アクチュエータの製造時に用いるフィルム基板について〕
次に、薄膜圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する前に、その製造時に用いるフィルム基板について説明する。
図2は、薄膜圧電アクチュエータ1の製造時に用いるフィルム基板10の断面図である。フィルム基板10は、粘着層を介して積層される2層以上のフィルムを有しており、本実施形態では、薄ウェハ基板2への貼り付け側から、粘着層11、第1のフィルム12、粘着層13、第2のフィルム14をこの順で積層して構成されている。
粘着層11・13を構成する粘着剤としては、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を用いることができる。特に、フィルム基板10が加熱環境に置かれる場合は、耐熱性などの観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
第1のフィルム12は、薄ウェハ基板2への貼り付け時に、粘着層11を除いて薄ウェハ基板2に最も近い位置にある最内層のフィルムである。この第1のフィルム12の熱収縮率は3%以下である。なお、上記の熱収縮率は、例えば130℃で10分程度の熱環境下での値であり、第1のフィルム12を搬送しながら製膜するときの搬送方向であるMD方向(Machine Direction)および幅手方向であるTD方向(Transverse Direction)のいずれについても3%以下である。
また、第1のフィルム12は、剛性を有している。第1のフィルム12の剛性は、薄ウェハ基板2を支持するために高いほうが好ましいが、高すぎると薄ウェハ基板2からフィルム基板10を剥離することが困難となる。このことから、第1のフィルム12の剛性を示すヤング率は、2.4GPa〜4.5GPaに設定されることが望ましい。
上記の熱収縮率および剛性をともに満足するような第1のフィルム12の材料としては、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(アクリル)、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のいずれかを使用することにより、上記特性を有する第1のフィルム12を容易にかつ確実に実現することができる。
第1のフィルム12の厚さは、材質の種類に応じて適宜決定されればよいが、例えば50〜220μm程度、好ましくは70〜200μm程度である。
第2のフィルム14は、薄ウェハ基板2への貼り付け時に、薄ウェハ基板2から最も離れた位置にある最外層のフィルムである。この第2のフィルム14は、後述する薄膜圧電アクチュエータ1の製造過程で(特に半導体加工プロセスのウェットエッチング時に)使用する薬品から、第1のフィルム12を(浸食されないように)保護する耐薬品性(耐酸性)を有している。上記の薬品には、弗酸、硝酸、過酸化水素水などが含まれる。
耐薬品性を有する第2のフィルム14の材料としては、特に制限なく使用することができる。例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素樹脂、メチルペンテン樹脂(TPX)、金属箔(白金(Pt)、金(Au)、ニッケル(Ni)など)のいずれかを使用することにより、耐薬品性を有する第2のフィルム14を容易にかつ確実に実現することができる。上記のフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)を使用することができる。
第2のフィルム14の厚みは、材質の種類に応じて適宜決定されればよいが、例えば10〜100μm程度、好ましくは20〜50μm程度である。
フィルム基板10は、粘着層11付きの第1のフィルム12と、粘着層13付きの第2のフィルム14とを貼り合わせて構成されてもよく、両面に粘着層11・13が付いた第1のフィルム12と第2のフィルム14とを貼り合わせて構成されてもよい。また、粘着層11付きの第1のフィルム12の薄ウェハ基板2への貼り付けと、粘着層13付きの第2のフィルム14の第1のフィルム12への貼り付けとによって、薄ウェハ基板2へのフィルム基板10の貼り付けを実現してもよい。
また、フィルム基板10は、粘着層を介して3層以上のフィルムが積層された構成であってもよい。この場合、粘着層を除く上記3層以上のフィルムのうち、フィルム基板10を薄ウェハ基板2に貼り付けた状態で、薄ウェハ基板2に最も近い位置にある最内層フィルムが、上記した第1のフィルム12と同様の特性を有し、薄ウェハ基板2から最も離れた位置にある最外層のフィルムが、上記した第2のフィルム14と同様の特性を有していればよい。この場合、最外層のフィルムは、第1のフィルム12のみならず、該最外層のフィルムよりも内側(薄ウェハ基板2側)に位置する全てのフィルム(粘着層を除く)を、半導体加工プロセスのウェットエッチング時に使用する薬品から保護する耐薬品性を有することになる。
〔薄膜圧電アクチュエータの製造方法〕
次に、薄膜圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する。図3〜図5は、薄膜圧電アクチュエータ1の製造工程を示す断面図である。薄膜圧電アクチュエータ1は、大まかに以下の工程を経て製造される。なお、(5)〜(9)の工程は、薄ウェハ基板2の一方の面にフィルム基板10を貼り付けた状態で、薄ウェハ基板2の他方の面に、半導体加工プロセスにより圧電素子7をパターニング形成する工程に対応する。
(1)基板準備工程
(2)下部電極形成工程
(3)圧電薄膜層形成工程
(4)フィルム基板貼り付け工程
(5)第1のレジスト塗布工程
(6)圧電薄膜パターニング工程
(7)上部電極層形成工程
(8)第2のレジスト塗布工程
(9)上部電極パターニング工程
(10)フィルム基板剥離工程
(11)第3のレジスト塗布工程
(12)圧力室形成工程
(13)ノズル基板接合工程
以下、上記(1)〜(13)の各工程の詳細について説明する。
(1)基板準備工程
薄ウェハ基板2を用意する。この工程では、厚みのあるウェハを研削、研磨し、薄ウェハ基板2を作製して用意してもよいし、予め研削、研磨した薄ウェハ基板2を用意するだけでもよい。薄ウェハ基板2の材料は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に多く利用されている結晶シリコンであり、ここでは、SiO2からなる酸化膜2dを介して2枚のSi基板2c・2eが接合されたSOI構造のものを用いる。薄ウェハ基板2は、所定の厚み(例えば150μm)に仕上げてある。なお、研削、研磨を行う前のSi基板2cの厚さは例えば600μmである。また、酸化膜2dの厚さは例えば0.5μmであり、Si基板2eの厚さは例えば5μmであるが、これらの厚さは研削、研磨の前後で変わらない。
薄ウェハ基板2のSi基板2eの上には、さらにSiO2からなる熱酸化膜3が形成されている。この熱酸化膜3は、薄ウェハ基板2の表面を熱酸化することによって形成される。熱酸化膜3の厚さは例えば0.1μmである。
(2)下部電極形成工程
熱酸化膜3の表面にチタン(Ti)の層と白金(Pt)の層とをスパッタによって順に成膜し、下部電極4を形成する。Ti層は、Pt層と熱酸化膜3との密着性を向上させるために設けられた密着層であり、例えば膜厚10nm程度である。なお、密着層は、酸化チタン(TiOx)の層で構成されてもよい。Pt層は、自己配向性を有しており、薄ウェハ基板2に対して(111)方向に配向している。Pt層の厚さは、例えば100nm程度である。なお、下部電極層4aは、Ti(例えば厚さ20nm)、Pt(例えば厚さ100nm)、Ti(例えば厚さ10nm)の3層で構成されていてもよい。
(3)圧電薄膜層形成工程
下部電極4上に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電薄膜層5aをスパッタ法により600℃の温度で成膜する。圧電薄膜層5aの厚さは、例えば4〜5μmである。このとき、PZTを構成するZrとTiの比は、MPB(Morphotropic Phase Boundary)組成を構成する52:48付近であることが望ましい。また、圧電薄膜層5aを構成するPZT膜は、高い圧電特性が得られるペロブスカイト層の(100)に配向した1軸配向膜であることが望ましい。
なお、圧電薄膜層5aと下部電極4との間に、圧電薄膜層5aの結晶配向性を制御するためのバッファ層を形成してもよい。バッファ層としては、ペロブスカイト型のチタン酸ランタン鉛(PLT)や、酸化ストロンチウムルテニウム(SRO)、酸化ストロンチウムチタン(STO)等があり、基板面(積層面)に対して平行な(100)方向に配向していることが望ましい。これにより、(100)配向のPZT膜の成長を容易にでき、(100)配向のPZT膜をより安定して得ることができる。このようにして形成される圧電薄膜層5aは、圧電定数d31において、−180pm/Vと非常に高い値が得られる。
(4)フィルム基板貼り付け工程
第1のフィルム12として、熱収縮率が3%以下で剛性を有するPET製の粘着層付きフィルム(日東電工製 NBD−3190K)を用い、これをローラーで薄ウェハ基板2における圧電薄膜層5aの成膜側とは反対側の面に貼り付け、その後、上記フィルムをカッターで薄ウェハ基板2よりも1mm大きいサイズにカットした。次に、第2のフィルム14として、耐薬品性(耐強酸性)を有するポリプロピレン製の粘着層付きフィルム(スミロン製 EC−7995)を用い、これをPETフィルムの上からローラーで貼り付け、その後、上記フィルムをカッターで薄ウェハ基板2よりも1mm大きいサイズにカットした。これにより、図2と同様の構成のフィルム基材10が薄ウェハ基板2に貼り付けられたことになる。なお、図3および図4では、便宜上、図2の粘着層11・13に相当する粘着層の図示を省略している。
ローラーを用いてフィルムを貼り付けることにより、フィルムとその貼り付け面との間に気泡を巻き込まずにフィルムを貼り付けることができる。例えば、特開2004−266183号公報では、基板の端部からローラー等で押圧しながらフィルム基板を貼り付ける方法が開示されており、特開2001−210701号公報では、真空雰囲気下でフィルム基板を貼り付ける方法が開示されているが、これらの方法は本実施形態でのフィルムの貼り付けに適している。
また、フィルムの余分な部分(薄ウェハ基板2からはみ出た部分)は、上記のようにカッターなどでカットすればよいが、薄ウェハ基板2よりも数ミリ程度大きい形状にフィルムをカットすることにより、薄ウェハ基板2の側面に力が加わったときに、薄ウェハ基板2に直接力が伝わらないので、薄ウェハ基板2の破損に対して効果的である。なお、予め薄ウェハ基板2の大きさに合わせてフィルムをカットしておき、これを薄ウェハ基板2に貼り付けてもよい。
(5)第1のレジスト塗布工程
薄ウェハ基板2の圧電薄膜層5a上に、感光性樹脂材料からなる第1のレジスト21をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、現像し、パターニングする。つまり、第1のレジスト21の不要な部分をエッチングで除去し、必要な圧電薄膜5の形状を転写する。このときの第1のレジスト21の塗布および現像は、130℃、10分程度の加熱環境下で行われる。
(6)圧電薄膜パターニング工程
パターニングされた第1のレジスト21をマスクとし、弗酸、硝酸、過酸化水素水等の混合エッチング液(薬品)を用いて、圧電薄膜層5aをウェットエッチングによってパターニングし、不要な部分を除去する。これにより、PZTからなる圧電薄膜5のパターンが形成される。
(7)上部電極層形成工程
薄ウェハ基板2上に、圧電薄膜5を覆うように上部電極層6aをスパッタ法により形成する。上部電極層6aは、Ti層と金(Au)の層とを積層して構成される。Ti層は、圧電薄膜5とAu層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.01μmであり、Au層の厚さは例えば0.2μmである。
(8)第2のレジスト塗布工程
上部電極層6aの上に、感光性樹脂材料からなる第2のレジスト22をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、現像し、パターニングする。つまり、第2のレジスト22の不要な部分をエッチングで除去し、必要な上部電極6の形状を転写する。このときの第2のレジスト22の塗布および現像は、130℃、10分程度の加熱環境下で行われる。
(9)上部電極パターニング工程
パターニングされた第2のレジスト22をマスクとし、反応性イオンエッチングによって上部電極層6aをパターニングし、不要な部分を除去する。これにより、上部電極6のパターンが形成されるとともに、下部電極4、圧電薄膜5、上部電極6からなる圧電素子7が形成される。
(10)フィルム基板剥離工程
薄ウェハ基板2からフィルム基板10を剥離する。ここでは、薄ウェハ基板2に対して圧電素子7側の全てのパターンが形成された後にフィルム基板10を剥離しているが、各レイヤーの成膜ごとにフィルム基板10を貼り替えてもよい。
(11)第3のレジスト塗布工程
薄ウェハ基板2の裏面(フィルム基板10を剥離した側の面)に感光性樹脂材料としての第3のレジスト23をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、現像し、エッチングで不要な部分を除去することにより、圧力室2aの形状を転写する。
(12)圧力室形成工程
第3のレジスト23をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて薄ウェハ基板2(特にSi基板2c)の除去加工を行い、圧力室2aおよび振動板2bを形成する。その後、第3のレジスト23を除去することにより、薄膜圧電アクチュエータ1が完成する。
(13)ノズル基板接着工程
インクの吐出孔となるノズル孔31aを有するノズル基板31を別途作製しておき、このノズル基板31を接着剤等によって薄ウェハ基板2と接合する。これにより、薄膜圧電アクチュエータ1を有するインクジェットヘッド1aが完成する。
以上のように、本実施形態では、薄ウェハ基板2の一方の面にフィルム基板10を貼り付けた状態で、薄ウェハ2の他方の面に、圧電素子7が半導体加工プロセスによりパターニング形成される。このとき、フィルム基板10の最も薄ウェハ基板2側に位置する第1のフィルム12は、熱収縮率が3%以下であるので、半導体加工プロセスにおける加熱環境下(例えば第1のレジスト21の塗布、現像時)において、第2のフィルム14が熱収縮しようとしても、第1のフィルム12によってその収縮が十分に抑えられる。これにより、加熱環境下における薄ウェハ基板2の反りを十分に低減できる。また、第1のフィルム12は剛性を有しているため、薄ウェハ基板2のハンドリング時に衝撃が加わった場合でも、薄ウェハ基板2が撓むのを十分に低減できる。したがって、薄ウェハ基板2の加熱環境下での反りおよびハンドリング時の衝撃による破損(割れ)を十分に低減することができる。
また、フィルム基材の第2のフィルム14は、耐薬品性を有して第1のフィルム12を保護しているため、半導体加工プロセスのウェットエッチング時(圧電薄膜層5aのウェットエッチング時)に使用する薬品によって第1のフィルム12が浸食されるのを低減できる。これにより、浸食成分が薄ウェハ基板2の表面に付着する、いわゆるパーティクル付着を低減することができ、コンタミネーションによる製品不良が生じるのを低減することができる。
また、圧電薄膜層5aの成膜前に、先にウェハを研削、研磨して薄ウェハ基板2を作製しておくことにより、研削時の機械的なダメージによって圧電薄膜5のエッジが剥離して特性が劣化するのを確実に回避することができる。
また、第1のレジスト21を加熱環境下で塗布、現像する場合でも、フィルム基板10の第1のフィルム12の熱収縮率が十分に小さいため、薄ウェハ基板2の反りを十分に低減して、薄ウェハ基板2の破損を十分に低減することができる。
また、圧電薄膜5を覆う上部電極層6aの上に、加熱環境下で第2のレジスト22を塗布、現像してパターニングし、第2のレジスト22をマスクとして上部電極層6aをエッチングしてパターニングする場合でも、フィルム基板10の第1のフィルム12の熱収縮率が十分に小さいため、加熱環境下での薄ウェハ基板2の反りを十分に低減して、薄ウェハ基板2の破損を十分に低減することができる。
〔薄膜圧電アクチュエータの他の製造方法〕
図6は、薄膜圧電アクチュエータ1の他の製造方法に係る製造工程の一部を示す断面図である。同図に示すように、研削、研磨する前のウェハ2’の一方の面上に、熱酸化膜3、下部電極4、圧電薄膜層5aをこの順で形成し(工程(1)、(2a)、(2b)参照)、その後、ウェハ2’の他方の面、すなわち、圧電薄膜層5aの成膜側とは反対側の面を研削、研磨して薄ウェハ基板2を作製するようにしてもよい(工程(3)参照)。なお、その後の工程は、図3の(4)以降の工程と同様である。
ウェハ2’上に圧電薄膜層5aを成膜してから、ウェハ2’を研削、研磨して薄ウェハ基板2を作製すると、圧電薄膜層5aのエッジが機械的な研削によるダメージを受けて剥離しやすくなる。しかし、この剥離しやすくなったエッジ部分は、その後の圧電薄膜層5aのパターニングによって除去される可能性が高い。したがって、圧電薄膜層5aを成膜してからウェハ2’を研削、研磨して薄型化する手法であっても、(その後の圧電薄膜層5aのパターニングによるエッジの除去によって)圧電薄膜5の特性劣化を回避しながら、薄膜圧電アクチュエータ1を製造することが可能であり、有効である。
なお、以上では、インクジェットヘッドに適用可能な薄膜圧電アクチュエータの製法について説明したが、本実施形態の製法は、圧電素子を用いたデバイスの製造に種々適用することができ、例えば熱センサや超音波センサなどのデバイスの製造にも適用することができる。
本発明は、例えばインクジェットヘッドのアクチュエータや、熱センサ、超音波センサなどのデバイスの製造に利用可能である。
1 薄膜圧電アクチュエータ
2 薄ウェハ基板
2’ ウェハ
5 圧電薄膜
5a 圧電薄膜層
6a 上部電極層
7 圧電素子
10 フィルム基板
11 粘着層
12 第1のフィルム
13 粘着層
14 第2のフィルム
21 第1のレジスト
22 第2のレジスト

Claims (8)

  1. 研削、研磨された薄ウェハ基板の一方の面にフィルム基板を貼り付ける工程と、
    前記フィルム基板を貼り付けた状態で、前記薄ウェハ基板の他方の面に、半導体加工プロセスにより圧電素子をパターニング形成する工程とを有し、
    前記半導体加工プロセスは、
    前記薄ウェハ基板の前記他方の面に成膜される圧電薄膜層の上に、レジストを加熱環境下でパターニングする工程と、
    パターニングされた前記レジストをマスクとして、前記圧電薄膜層をウェットエッチングによってパターニングする工程とを含み、
    前記フィルム基板は、粘着層を介して積層される2層以上のフィルムを有しており、
    前記フィルム基板における前記粘着層以外の前記2層以上のフィルムのうち、
    貼り付け時に前記薄ウェハ基板に最も近い位置にある最内層のフィルムは、熱収縮率が3%以下で、かつ、剛性を有しており、
    貼り付け時に前記薄ウェハ基板から最も離れた位置にある最外層のフィルムは、該最外層のフィルムよりも前記薄ウェハ基板側に位置するフィルムを、前記ウェットエッチング時に使用する薬品から保護する耐薬品性を有していることを特徴とする薄膜圧電アクチュエータの製造方法。
  2. 前記最内層のフィルムのヤング率は、2.4GPa〜4.5GPaであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 前記最内層のフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド66、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜圧電アクチュエータ。
  4. 前記最外層のフィルムは、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、メチルペンテン樹脂、白金、金、ニッケルのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薄膜圧電アクチュエータ。
  5. ウェハを研削、研磨して前記薄ウェハ基板を作製する工程と、
    前記フィルム基板を貼り付ける前に、前記薄ウェハ基板上に前記圧電薄膜層を成膜する工程とを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薄膜圧電アクチュエータ。
  6. ウェハ上に前記圧電薄膜層を成膜する工程と、
    その後、前記ウェハにおける前記圧電薄膜層の成膜側とは反対側の面を研削、研磨して前記薄ウェハ基板を作製する工程とを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薄膜圧電アクチュエータ。
  7. 前記レジストを加熱環境下でパターニングする工程は、前記レジストを加熱環境下で塗布する工程および加熱環境下で現像する工程を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の薄膜圧電アクチュエータ。
  8. 前記半導体加工プロセスは、
    前記薄ウェハ基板上に、前記圧電薄膜層のパターニングによって形成される圧電薄膜を覆うように電極層を形成する工程と、
    前記電極層の上に、別のレジストを加熱環境下でパターニングする工程と、
    パターニングされた前記別のレジストをマスクとして、前記電極層をエッチングによってパターニングする工程とを含んでいることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の薄膜圧電アクチュエータ。
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