JP2015098543A - 艶消し遮熱塗料組成物及び該組成物を用いた塗膜形成方法 - Google Patents

艶消し遮熱塗料組成物及び該組成物を用いた塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】仕上がり性、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れた艶消し塗膜を形成可能な艶消し遮熱塗料組成物、該組成物を用いた艶消し遮熱塗膜の形成方法、並びに該形成方法により遮熱塗膜が形成された塗装物品を提供すること。
【解決手段】チタン白及び樹脂(Z)を含む多孔質粒子(A)と、樹脂(B)とを含む艶消し遮熱塗料組成物であって、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準としてチタン白が2.0〜45.0質量%の範囲内であり、樹脂(B)の質量を基準として多孔質粒子(A)を5〜30質量%含むことを特徴とする艶消し遮熱塗料組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、仕上がり性、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れた艶消し塗膜を得ることが可能な艶消し遮熱塗料組成物、該組成物による艶消し遮熱塗膜の形成方法、並びに該形成方法により遮熱塗膜が形成された塗装物品に関する。
従来から平均粒子径が数μm〜50μm程度のシリカ粒子、セラミック粒子、ポリマービーズ、中空樹脂粒子などの艶消し剤を配合した艶消し塗料組成物が知られている。
一方、省エネの観点から近年遮熱性と断熱性の高い塗膜への要望が高まってきている。上記シリカ粒子やポリマービーズは塗料用艶消し剤として多く使用することによって光の反射率が増大するものの、塗膜の遮熱性の向上への寄与は小さく、また、断熱性の向上への寄与はほとんどない。
特許文献1及び2にはホウ化ケイ素セラミックのバブル粒子を用いた高い日射反射率(遮熱性)と断熱性とを有する艶消し塗料組成物が開示されている。しかし、この塗料組成物から得られる塗膜は下地の隠蔽性に劣り、上記バブル粒子の含有量が多いと、塗料の貯蔵安定性が低下する、或いは得られた塗膜が劣化しやすくなるという問題があった。
高い艶消し効果を与える中空樹脂粒子を添加した塗料組成物が特許文献3に記載されている。このような中空樹脂粒子は、得られる塗膜の断熱性の向上に対して該粒子内部の空気層の寄与が期待できるものの、該塗膜は下地の隠蔽性に劣り、有機溶剤を含む塗料に適用した場合、該塗料の貯蔵安定性に劣ることがあった。
多孔質炭酸カルシウムとチタン白を含む特許文献4に記載された塗料組成物は、高い光反射率と低光沢とを両立する塗膜を目的とするものであるが、艶消し効果をより高めるためには上記多孔質炭酸カルシウムの粒子径を大きくするか、その濃度を高める必要があった。しかし、粒子径を大きくすると塗膜の光反射率や隠蔽性が低下し、濃度を高くすると耐水性等の塗膜性能が低下することがあり、特に塗膜の屋外適性に劣ることがあった。
特開平11−323197号公報 特開2004−010903号公報 特開2010−31161号公報 特開2012−92289号公報
本発明の目的は、チタン白及び樹脂(Z)を含む平均粒子径が1〜50μmの多孔質粒子(A)と、樹脂(B)とを含む、仕上がり性、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れた艶消し塗膜を形成可能な艶消し遮熱塗料組成物、該組成物を用いた艶消し遮熱塗膜の形成方法、並びに該形成方法により遮熱塗膜が形成された塗装物品を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の項からなる。
項1.チタン白及び樹脂(Z)を含む平均粒子径が1〜50μmの多孔質粒子(A)と、樹脂(B)とを含む艶消し遮熱塗料組成物であって、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として上記チタン白が2.0〜45.0質量%の範囲内であり、樹脂(B)の質量を基準として多孔質粒子(A)を5〜30質量%含むことを特徴とする艶消し遮熱塗料組成物。
項2.多孔質粒子(A)が平均粒子径10〜300nmの範囲内の粒子が凝集して形成されたものであり、多孔質粒子(A)の見掛け密度が0.5〜1.3g/cm3の範囲内であることを特徴とする項1に記載の艶消し遮熱塗料組成物。
項3.樹脂(Z)が、不飽和基及び酸基を有する樹脂(a)、アミノ基を有する化合物(b)並びにラジカル重合性不飽和モノマー(c)を反応させてなるものである項1又は2に記載の艶消し遮熱塗料組成物。
項4.項1〜3の何れか一項に記載の艶消し遮熱塗料組成物を乾燥膜厚が20〜70μmの範囲内となるように塗装することを特徴とする艶消し遮熱塗膜の形成方法。
項5.チタン白を含むプライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に項1〜3の何れか一項に記載の艶消し遮熱塗料組成物を塗装して成る艶消し遮熱複層塗膜の形成方法であって、上記プライマー塗膜の白色度(L値)が80〜98の範囲内であることを特徴とする艶消し遮熱塗膜の形成方法。
項6.項4又は5に記載の遮熱塗膜の形成方法により遮熱塗膜が形成された塗装物品。
本発明の艶消し遮熱塗料組成物は、仕上がり性、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れた艶消し遮熱塗膜を形成可能なものであり、また、もうひとつの発明である該塗料組成物を用いた塗装方法は、建築物の外壁や屋根、鋼構造物などの表面に上記の優れた性能の艶消し遮熱塗膜を形成するために特に有用である。
本発明の艶消し遮熱塗料組成物(以下、「遮熱塗料組成物」と記すことがある)は、チタン白及び樹脂(Z)を含む平均粒子径が1〜50μmの多孔質粒子(A)と、樹脂(B)とを含む艶消し遮熱塗料組成物であって、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として上記チタン白が2.0〜45.0質量%の範囲内であり、樹脂(B)の質量を基準として多孔質粒子(A)を5〜30質量%含むことを特徴とする。
多孔質粒子(A)
多孔質粒子(A)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができ、例えば、特開昭50−29691号公報やWO2004/029116号公報等に記載された方法を挙げることができる。
多孔質粒子(A)に含まれる樹脂(Z)は、特に限定されるものではないが、不飽和基及び酸基を有する樹脂(a)[本明細書において「樹脂(a)」と記すことあり]、アミノ基を有する化合物(b)並びにラジカル重合性不飽和モノマー(c)を反応させて得られる樹脂であることが、該粒子の製造が容易な点で好ましい。
多孔質粒子(A)の製造方法は、具体的には、樹脂(a)、アミノ基を有する化合物(b)、ラジカル重合性不飽和モノマー(c)並びにチタン白を含む混合物(M)を、水性分散樹脂(d)を含む水性媒体中で分散し、得られた水性分散液にラジカル重合開始剤(e)を添加してラジカル重合反応を含む反応を行うことによって、チタン白及び樹脂(Z)を含む多孔質粒子(A)を水性媒体中の分散粒子として得る方法を挙げることができる。上記反応においてアミノ基を有する化合物(b)は、樹脂(a)が有する不飽和基と、付加反応することが好ましい。得られた多孔質粒子(A)は水性媒体中に分散した状態のものを用いるか、又は揮発成分を除去して得られた粉体状のものを用いることによって、本発明の遮熱塗料組成物を得ることができる。
多孔質粒子(A)の製造方法は上記方法に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合性不飽和モノマー(c)を2分割して、その一方のモノマー(c1)は混合物(M)に含め、水性分散樹脂(d)を含む水性媒体中で混合物(M)を分散し、得られた水性分散液にラジカル重合開始剤(e1)を添加して重合反応を行い、次いで他方のモノマー(c2)とラジカル重合開始剤(e2)とを添加して重合反応を行う工程を経るなど、適宜変更してもよい。
上記多孔質粒子(A)の製造における上記ラジカル重合反応は、常温〜90℃の温度で30分〜12時間程度で行うことができる。
なお、本明細書において、上記「水性媒体」とは水、または水と有機溶媒とを混合した媒体であって水を50質量%以上含む媒体のことを意味する。
樹脂(a)は、不飽和基及び酸基を有している樹脂であれば、公知のものを使用することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン系樹脂などの樹脂に公知の方法により不飽和基及び酸基を導入した樹脂を使用することができる。多孔質粒子の安定性と製造容易性の観点から樹脂(a)として不飽和基及び酸基を有するポリエステル樹脂が好適に使用できる。なお、本明細書において、不飽和基及び酸基を有する上記ポリエステル樹脂を「ポリエステル系樹脂(a´)」と記すことがある。
樹脂(a)の有する酸基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等を挙げることができ、特にカルボン酸基が製造の容易性の点から好適である。樹脂(a)の酸価は、5〜50mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂(a´)は、従来から公知の方法により製造することができ、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸との反応物等の不飽和多塩基酸を1種又は2種以上含む多塩基酸と、多価アルコールとをエステル化反応せしめることにより製造することができる。
ポリエステル系樹脂(a´)の製造において、上記不飽和多塩基酸といっしょに用いることのできる、その他の多塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等の多塩基酸を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
前記多価アルコールは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)キシレンなどの2価アルコール;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,3−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ポリエステル系樹脂(a´)は、必要に応じて1価のカルボン酸化合物やアルコール化合物を、前記多塩基酸や多価アルコールといっしょに用いて、製造してもよい。
ポリエステル系樹脂(a´)は、公知の方法で製造することができ、前記多塩基酸、多価アルコールおよび必要に応じてその他の成分を混合し、溶媒存在下または無溶媒で120〜300℃の温度に加熱し、通常2時間〜24時間縮合反応させることによって製造することができる。
ポリエステル系樹脂(a´)を得るための前記以外の製造方法としては、カルボキシル基、水酸基等の官能基を有するポリエステル樹脂と、上記官能基と反応して化学結合を形成することが可能な官能基を有する不飽和化合物とを反応せしめて不飽和基を有するポリエステル系樹脂(a´)を得る方法を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂(a´)は、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として20〜80質量%の範囲内で用いることが好ましい。
アミノ基を有する化合物(b)としては、例えば、モルホリン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等の1価アミン化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン等の多価アミン化合物を挙げることができる。アミノ基を有する化合物(b)は、樹脂(a)の質量を基準として、0.5〜10.0質量%の範囲内で用いることが好ましい。
前記チタン白は、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として2.0〜45.0質量%、好ましくは4.0〜40.0質量%の範囲内で用いることができる。チタン白が2.0質量%よりも少ないと得られる塗膜の隠蔽性と遮熱性が不十分になることがある。また、チタン白が45.0質量%よりも多いと多孔質粒子(A)の製造が困難になることがある。
前記チタン白の平均粒子径は、塗膜の隠蔽性の点から0.1〜0.4μmの範囲内であることが好ましい。また塗膜の耐候性の点からルチルタイプを選択することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和モノマー(c)は、公知のものを使用することができ、例えば、スチレン;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のラジカル重合性不飽和基を1分子中に2個以上有するモノマー等を挙げることができる。これらのモノマーは1種又は2種以上を用いてもよい。
ラジカル重合性不飽和モノマー(c)は、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として、5〜50質量%の範囲内で用いることが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
水性分散樹脂(d)は、前記混合物(M)を水性媒体中で粒子状に安定に分散させるために使用する。水性分散樹脂(d)は、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシアルキルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリルアミド系ポリマー、ポリエチレングリコール、ゼラチン、デンプン、ポリアルギン酸、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー等の水に溶解または分散可能な樹脂を挙げることができ、これらは1種または2種以上を用いることができる。水性分散樹脂(d)は必要に応じて、公知の中和剤と併用して用いることができる。水性分散樹脂(d)は、混合物(M)の質量を基準として、0.1〜20質量%の範囲内で使用することが好ましい。また、上記水性媒体中における水性分散樹脂(d)の濃度は、0.1〜40質量%の範囲内であることが混合物(M)の安定な分散状態を維持する点で好ましい。
ラジカル重合開始剤(e)は、公知の化合物を使用することができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の無機過酸化物等を挙げることができる。さらに、上記過酸化物の重合開始剤は、必要に応じて硫酸第一鉄、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素、エリソルビン酸、酒石酸、糖類等の公知の還元剤を1種又は2種以上を添加して、レドックス開始剤として使用してもよい。
多孔質粒子(A)は、該粒子内部が架橋構造を有していることが本発明の艶消し塗料組成物の貯蔵安定性の観点から好ましい。上記架橋構造を得るために、多孔質粒子(A)の製造において、アミノ基を有する化合物(b)として1分子中に1級又は2級アミノ基を2個以上有する多価アミン化合物を使用したり、ラジカル重合性不飽和モノマー(c)として1分子中にラジカル重合性不飽和基を2個以上有するモノマーを使用してもよい。
前記混合物(M)は、上記成分以外のその他成分として公知の有機溶媒;大豆油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、オレイン酸等の飽和又は不飽和脂肪酸類;大豆油、亜麻仁油等の油類;石油樹脂、アルキド樹脂等を含んでもよい。
混合物(M)の調整に際して、前記チタン白は、樹脂(a)と混合して分散機により分散したものを用いてもよいが、樹脂(a)以外の公知の顔料分散樹脂や顔料分散剤と前記チタン白とを混合して分散機により分散し、ペースト状にしたものを用いても良い。上記分散は、有機溶媒、水、ラジカル重合性不飽和モノマー(c)等を前記チタン白と一緒に混合して行ってもよい。
前記製造方法により製造された多孔質粒子(A)は、平均粒子径10〜300nmの範囲内の粒子が凝集して形成されたものであり(図1の多孔質粒子内部壁面の電子顕微鏡写真を参照)、多孔質粒子内部には球状の孔が多数存在する(図2の多孔質粒子断面の電子顕微鏡写真を参照)。このような構造のために多孔質粒子(A)は機械的強度や化学的安定性に優れており、本発明の遮熱塗料組成物中において該粒子内部の空隙を安定に維持し、塗膜中においても隠蔽力、艶消し効果、遮熱及び断熱性などの機能を発揮できるものと考えられる。
なお、本明細書における多孔質粒子(A)の固形分質量とは、例えば、前記製造方法により多孔質粒子(A)が製造され、水性媒体中に分散した分散液として得られた場合、上記分散液を約2グラム秤量してブリキ皿等の開放容器に入れ、105℃で3時間加熱乾燥した場合の不揮発分の百分率(固形分%)を求め、その値を用いて不揮発分の質量に換算した値を意味する。
多孔質粒子(A)の粒子径や該粒子内部の空隙の量は、多孔質粒子(A)の製造工程における前記各成分の組成、各工程におる分散力、分散時間等により制御が可能であるため、目的に応じて上記要因を適宜調整することができる。
なお、本明細書において多孔質粒子(A)の見掛け密度は、日本粉体工業技術協会規格 SAP 02−82(1982年)に準じて測定した値である。また、多孔質粒子(A)の見掛け密度は、揮発成分を除去して得られた乾燥多孔質粒子(A)の見掛け密度である。
多孔質粒子(A)の見掛け密度は、0.5〜1.3g/cm、好ましくは1.1〜0.6g/cm、さらに好ましくは0.9〜0.7g/cmの範囲内である。上記見掛け密度が、0.5g/cmよりも小さいと多孔質粒子(A)の機械的強度が低くなることがあり、1.3g/cmよりも大きいと、塗膜の艶消し性や遮熱性が不十分になることがある。
多孔質粒子(A)の平均粒子径は1〜50μm、好ましくは2〜30μmの範囲内である。上記平均粒子径が1μmよりも小さいと艶消し効果が不十分になることがあり、50μmよりも大きいと遮熱性が劣ることがある。
なお、チタン白及び多孔質粒子(A)の平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300(商品名、日機装社製)を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。また、多孔質粒子(A)を構成する平均粒子径が約10〜300nmの範囲内の微小粒子の平均粒子径の値は、電子顕微鏡観察により得られた値である。
樹脂(B)
樹脂(B)は、塗料分野で通常使用できる塗膜形成能を有する樹脂である限り特に制限なく使用することができ、代表例として、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂;これら2種以上の樹脂を公知の方法により結合させてなる変性樹脂等の1種又は2種以上の混合樹脂を挙げることができる。また、樹脂(B)は、塗料分野で公知の官能基を1種又は2種以上を有してもよい。
艶消し遮熱塗料組成物
本発明の艶消し遮熱塗料組成物は、多孔質粒子(A)と樹脂(B)とを含む艶消し遮熱塗料組成物であって、樹脂(B)の質量を基準として多孔質粒子(A)を固形分質量で5〜30質量%含み、さらに必要に応じて、塗料組成物に使用される公知の硬化剤、顔料、分散剤、添加剤、溶媒等を含むことができる。
多孔質粒子(A)が5質量%よりも少ないと得られる塗膜の艶消し性や遮熱効果が不十分なことがあり、30質量%よりも多いと艶消しおよび遮熱効果が飽和して、塗料の原材料コストが高くなることがある。
上記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物を挙げることができ、適宜選択して用いることができる。
本発明の艶消し遮熱塗料組成物は、多孔質粒子(A)と樹脂(B)とを上記質量の範囲内で含んでいる限り、水性塗料、溶剤型塗料、粉体塗料、無溶剤塗料等の何れの塗料形態の組成物であってもよい。
艶消し遮熱塗膜の形成方法
本発明の艶消し遮熱塗料組成物は、ローラー塗装、刷毛塗装、流し塗装、ロールコーター塗装、ディップ塗装、電着塗装、静電塗装、スプレー塗装等の公知の方法により被塗物に塗装することができる。本発明の遮熱塗料組成物を上塗り塗料組成物として使用した場合、得られた塗膜の乾燥膜厚が20〜70μmの範囲内において安定した塗膜品質を得ることができる。
一般にローラー塗装においては、得られる塗膜の膜厚はバラツキを生じ易く、膜厚差による塗膜光沢のバラツキ(艶ムラ)が生じ易くなる。また刷毛塗装とローラー塗装が重なる部位やタッチアップ部位などにおいて、仕上がり性の違いが目立ちやすくなる。本発明においては乾燥膜厚が20〜70μmの範囲内となるように塗装することにより、上記の艶ムラやタッチアップ部位等の仕上がり性の差異が生じ難く、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れ、同時に仕上がり性にも優れた艶消し遮熱塗膜を形成することができる。上記乾燥膜厚が20μm未満の場合、艶消し効果にはあまり影響はないものの、下地隠蔽性、遮熱性が不足することがある。上記乾燥膜厚が70μmよりも厚い場合は、安価なガラスバルーンやシラスバルーンなどを適用した、同等の断熱性を有する従来技術による塗膜に比べて、高コストになることがある。
なお、上記乾燥膜厚の範囲の艶消し遮熱塗膜を得るために、本発明の遮熱塗料組成物を1回塗りの塗装で仕上げてもよいし、2回塗り以上の塗装で仕上げてもよい。
また、チタン白を含むプライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に本発明の艶消し遮熱塗料組成物を塗装して複層塗膜を形成してもよい。上記プライマー塗膜の白色度(L値)が80〜98の範囲内であれば、本発明の艶消し遮熱塗料組成物により形成された上塗り塗膜の乾燥膜厚が5〜20μm未満の範囲内の場合においても、遮熱性に優れ、同時に仕上がり性に優れた艶消し複層塗膜を得ることができる。また、上記複層塗膜に断熱性が必要な場合は、公知の多孔質粒子、例えば、安価なガラスバルーン、シラスバルーン、中空ガラスビーズ等を含む断熱塗料組成物を上記プライマー塗料組成物として塗装し、本発明の艶消し遮熱塗料組成物を上塗りとして塗装することにより、仕上がり性、遮熱性、断熱性に優れた艶消し複層塗膜をコスト面で安価に施工することが可能となる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
多孔質粒子(A)の製造例
(製造例1) 多孔質粒子(A1)の製造
表1の段階1〜4に記した各配合(表中の数値は質量部を意味する)を下記のように調整した。
段階1 チタン白 0.60部を、不飽和基及び酸基を有するポリエステル樹脂(注1) 10.60部と、スチレン 10.90部といっしょに混合し、容器内でディスパーを用いて分散した。次いで内容物を攪拌しながら及びジエチレントリアミン 0.21部を添加し、内容物の温度を約30℃に制御しながら、2時間攪拌を続けて混合物1を得た。
段階2 10質量%ポリビニルアルコール水溶液 13.30部と、2.5質量%ヒドロキシエチルセルロース水溶液 10.50部と、水 53.40部と、ジエチレントリアミン0.06部とを攪拌しながら混合し、混合物2を得た。
上記混合物2に、上記混合物1を攪拌しながら添加し、所望の粒子径が得られるまで激しく攪拌し、混合物3を得た。
段階3 混合物3を攪拌しながら、硫酸第一鉄 0.01部を添加し、次いでクメンヒドロペルオキシド 0.12部を添加した。内容物の温度を約50℃に保ちながら攪拌を行い、混合物4を得た。
段階4 スラオフ72N(日本エンバイロケミカルズ社製の防腐剤) 0.35部を混合物4に加えて多孔質粒子(A1)の水分散体を得た。
上記水分散体の固形分は24質量%、上記水分散体の揮発成分を除去(注2)した後に得られた乾燥多孔質粒子(A1)の見掛け密度(注3)は、0.86g/cm、粒子径は5.6μmであった。
(注1)不飽和基及び酸基を有するポリエステル樹脂の製造
撹拌機、温度計、精留塔および水分離器を装備した反応容器に、無水マレイン酸 35部、無水フタル酸 20部、1,3−プロパンジオール 45部をエステル化触媒のジブチル錫オキサイド(0.02部)の存在下で230℃に加熱し、1時間保った後、キシレンを加え、同温度で約2時間キシレンを還流させながら水を留去して不飽和基及び酸基を有するポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂の数平均分子量は約2000であり、酸価は18mgKOH/gであった。このポリエステル樹脂を製造例1〜7において使用した。なお、本明細書において重量平均分子量又は数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー株式会社社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
(注2)揮発成分の除去方法
乾燥多孔質粒子(A1)は、スプレードライヤー「ADL311S」(ヤマト科学製)を用いて、次の条件下にて乾燥して得た。供給速度:14ml/min,噴霧圧:0.15MPa,風量:0.3m/min,入口温度:150℃、出口温度60℃
(注3)見掛け密度の測定方法
上記(注2)の条件にて得られた乾燥多孔質粒子の見掛け密度を日本粉体工業技術協会規格 SAP 02−82(1982年)に準じて測定した。即ち、250mlのメスシリンダーに流動パラフィンを約150ml入れ、液面を測定する(x ml)。上記多孔質粒子を約20g秤量したもの(z g)をゆっくり加え、メスシリンダーを軽く振とうして粒子試料全体を流動パラフィンで濡らしてから経時(流動パラフィンで粒子試料全体を濡らした時間を0分として、例えば、1分後、5分後、15分後、・・・60分後)におけるパラフィンの液面を測定する。測定時間と液面との関係を図にプロットして、時間0分における液面を外挿法により求め(y ml)、そのときの計算上の密度[z/(y−x)](g/ml)を見掛け密度とする。
(製造例2)〜(製造例7)
製造例1と同様にして、表1に記した段階1〜4の配合に従って多孔質粒子(A2)〜(A7)を製造した。得られた粒子の水分散体の固形分、見掛け密度および粒子径を表1に記した。
Figure 2015098543
樹脂(B)の製造例
(製造例8) アクリル樹脂(B1)の製造例
還流冷却器、撹拌器、温度計、滴下ロートを装備した反応容器に脱イオン水28.5部、「Newcol 707SF」(日本乳化剤社製、商品名、アニオン性乳化剤、固形分30%)0.12部を加え、80℃に保った。下記組成をエマルション化してなるプレエマルションを4時間にわたって滴下した。
脱イオン水 36.1部
スチレン 15部
メチルメタクリレート 46部
n−ブチルアクリレート 18.5部
2−エチルヘキシルアクリレート 18.5部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 1.0部
アクリル酸 1.0部
30%Newcol707SF 6.6部
過硫酸アンモニウム 0.2部
滴下終了後、さらに2.5時間80℃に保持した。その後脱イオン水を加えながら40℃以下に温度を下げ、アンモニア水でpH7〜8に調整し、固形分濃度50%のアクリル樹脂(B1)のエマルションを得た。
水性の艶消し遮熱塗料組成物の製造
(実施例1)
攪拌混合容器に、水 14.5部、市販の赤錆色ペースト「NS BROWN C522」(山陽色素社製、赤色酸化鉄50重量%含有) 18.4部、アクリル樹脂(B1)のエマルション 200部(固形分100部)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート 10.5部、消泡剤「SNデフォーマーA63」(サンノプコ社製) 0.8部、粘度調整剤「プライマルSCT275」(ダウコーニング社製) 0.5部、製造例2で得た固形分24質量%の多孔質粒子(A2)の水分散体 20.8部(固形分5部)を添加し、ディスパーにより攪拌して、水性の艶消し遮熱塗料組成物(P1)を得た。
(実施例2〜8及び比較例1〜3)
実施例1の多孔質粒子(A2)を、表2に示した多孔質粒子の種類及び量(表中の数値は固形分質量を意味する)に変更する以外は、実施例1と同様にして、水性塗料組成物(P2)〜(P11)を得た。比較例3は、艶調整のための粒子を含まない場合である。
Figure 2015098543
(注4)シリカ粉:含水非晶質二酸化珪素粉体、平均粒子径4μm、比重2.15
溶剤型の艶消し遮熱塗料組成物の製造
(実施例9)
「SDホルス1000」(関西ペイント社製合成樹脂調合ペイントJIS K 5516 1種、日本塗料工業会色票番号07−40Pの固形分100部に対して、揮発成分を除去して粉末状にした多孔質粒子(A2)10部を混合して、ディスパーにて攪拌混合して溶剤型の艶消し遮熱塗料組成物(P12)を製造した。なお、粉末状の多孔質粒子(A2)は、前記(注2)に記した同様の方法により得たものを使用した。
(比較例4、5)
実施例9において、多孔質粒子(A2)の代わりにシリカ粉(注4) 10部を用いた以外は同様にして溶剤型の艶消し塗料組成物(P13)を製造し、比較例4とした。艶調整剤を含まない場合の塗料を(P14)として比較例5に記した。
評価・試験
上記実施例1〜8及び比較例1、2で得た各水性塗料組成物を用いて、下記の各試験に応じた塗装板を作成し評価した。結果を表2に記す。溶剤型塗料に関する実施例9及び比較例4、5は、評価結果を表3に記す。
Figure 2015098543
(隠蔽率試験)
塗膜の隠蔽率(%)は、JIS K 5600 4−1の方法B(隠ぺい率試験紙)に準じ、試験片(各試験用塗料組成物を乾燥膜厚が25μmになるようにドクターブレードで隠ぺい率試験紙上に塗装し、3日間室温で乾燥)の白地(YW)及び黒地(YB)上の箇所を無作為に夫々4箇所選び、その箇所の三刺激値を測定し、平均の三刺激値YW及びYBを計算することによって求められる。かかる計算によって得られるYB/YWを100分率で算出した値を隠ぺい率とする。
(光沢の測定)
上記隠蔽率試験で使用した黒地上に塗装した試験片について60°及び85°光沢をBYKトリグロスメーターにより測定した。60°光沢値よりも85°光沢値の方が高いほど、塗膜に底ツヤ感があり、表面の凹凸や膜厚変動による艶ムラを発生しやすい。
(遮熱性評価)
脱脂したブリキ塗板上に、前記塗料組成物(P1)〜(P14)を乾燥膜厚が25〜30μmとなるようにアプリケータにより塗装し、23℃、50%RHの部屋で3日間乾燥して遮熱性評価用試験板を作成した。1辺が40cmのダンボール箱上部に70mm四方の正方形の穴をあけたものを、室温約25℃の実験室に30分間静置した。上記試験板を、75mm×75mmの大きさに切断して、裏のブリキ面に熱電対のセンサーをセロハンテープで固定した塗板を、 前記穴をふさぐように静置した。40cmの距離から、HALOGEN LIGHT(LPL1500)により塗膜表面に光照射し(約800W/m)、15分後の塗板裏面温度を測定した。測定結果を表2、3に記した。
(実施例10)〜(実施例12)、(比較例6、7)
「アレスクールプライマー」(関西ペイント社製、弱溶剤2液変性エポキシ樹脂系下塗り塗料、チタン白含有)の膜厚30μmの被膜が片面に形成されたブリキ塗板上[塗膜の白色度(L値)=92、「CR−200」(商品名、コニカミノルタ社製、色差計)を用いて測定]に、艶消し遮熱塗料組成物(P2)及びシリカ粉(注4)により艶調整をした塗料組成物(P10)を中毛ローラーにて、表4に記した所定の乾燥膜厚になるように塗装し、室温で16時間後、さらに各々の塗装面の一部に同塗料を25〜30μmになるように塗装(タッチアップ)した。23℃、50%RHの部屋で4日間乾燥後、複層塗膜が形成された塗板を得た。
上記塗板について、タッチアップ塗装部の艶ムラと、前記と同様の方法にて遮熱性とを評価した。結果を表4に示す。
(艶ムラの評価)
◎:全く見た目では判別できない
○:斜めから光を当てなければ、ほとんど判らない
×:斜めから光を当てて見ると艶ムラが明らかに判る
Figure 2015098543
仕上がり性、下地隠蔽性、遮熱性及び断熱性に優れた艶消し塗膜が形成された塗装物品が提供できる。
本発明における多孔質粒子の一例として、多孔質粒子内部壁面の電子顕微鏡写真(写真中の1目盛り=50nm)である。 本発明における多孔質粒子の一例として、多孔質粒子断面の電子顕微鏡写真(写真中の1目盛り=1μm)である。

Claims (6)

  1. チタン白及び樹脂(Z)を含む平均粒子径が1〜50μmの多孔質粒子(A)と、樹脂(B)とを含む艶消し遮熱塗料組成物であって、多孔質粒子(A)の固形分質量を基準として上記チタン白が2.0〜45.0質量%の範囲内であり、樹脂(B)の質量を基準として多孔質粒子(A)を5〜30質量%含むことを特徴とする艶消し遮熱塗料組成物。
  2. 多孔質粒子(A)が平均粒子径10〜300nmの範囲内の粒子が凝集して形成されたものであり、多孔質粒子(A)の見掛け密度が0.5〜1.3g/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の艶消し遮熱塗料組成物。
  3. 樹脂(Z)が、不飽和基及び酸基を有する樹脂(a)、アミノ基を有する化合物(b)並びにラジカル重合性不飽和モノマー(c)を反応させてなるものである請求項1又は2に記載の艶消し遮熱塗料組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の艶消し遮熱塗料組成物を乾燥膜厚が20〜70μmの範囲内となるように塗装することを特徴とする艶消し遮熱塗膜の形成方法。
  5. チタン白を含むプライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に請求項1〜3の何れか一項に記載の艶消し遮熱塗料組成物を塗装して成る艶消し遮熱複層塗膜の形成方法であって、上記プライマー塗膜の白色度(L値)が80〜98の範囲内であることを特徴とする艶消し遮熱塗膜の形成方法。
  6. 請求項4又は5に記載の遮熱塗膜の形成方法により遮熱塗膜が形成された塗装物品。
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