JP2015098440A - 貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚に貼付した際に、十分な粘着性を有しながら風合いが良く低皮膚刺激性であり、かつアリピプラゾールの皮膚透過性が良好で、十分な経皮吸収性を示す貼付剤を提供すること。【解決手段】支持体上に薬物を保持する粘着層が形成された貼付剤において、前記粘着層を、熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して300重量部を超える液状成分、アリピプラゾールおよび有機酸を含み、かつ、粘着付与剤を含む場合は、粘着層におけるその含有量が10重量%以下であるものとする。【選択図】図1

Description

本発明はアリピプラゾールを含有する貼付剤に関するものである。さらに詳しくは、アリピプラゾールの皮膚透過性が高く、経皮吸収性の良好な貼付剤に関する。
薬物の経皮吸収を図る場合、薬物を粘着基剤等に配合して貼付剤とすることが行なわれている。近年では、貼付剤中に多量の水を構成成分として含有するパップ剤よりも、より粘着性に優れたテープ剤が使用されることが多い。このテープ剤の粘着基剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の親油性粘着基剤が使用される。中でもゴム系の粘着基剤は、他の粘着基剤に比較して添加剤の配合が容易であるため、広く用いられている(特許文献1〜3)。
しかし、ゴム系の粘着基剤を用いた貼付剤においても、充分な薬物の放出性が確保できない、あるいは貼付剤に通常添加されている粘着付与剤に起因する皮膚刺激が発生する等の問題が指摘されていた。
ところで、統合失調症は、思考と知覚の根本的、特徴的な歪曲、不適切で鈍麻した感情によって特徴づけられる精神障害であり、妄想、幻覚、偏執などの陽性症状、および社会的引きこもりや感情鈍麻といった陰性症状を特徴とする。統合失調症の兆候は、概して16歳から25歳の間に発現し、世界中で100人に1人の割合で発症する。アルツハイマー病、多発性硬化症、インシュリン依存性糖尿病および筋ジストロフィーよりも多く見られる疾患である。早期受診および治療により、回復または症状の著しい改善が見られ、さらに、早期の治療的介入により、費用のかかる入院を避けることができることなどが知られている。
統合失調症の治療に有効な薬剤として、アリピプラゾール、すなわち、7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]ブトキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル又は7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]ブトキシ}−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノンが知られている。アリピプラゾールは、他の抗精神病薬と比較して有意な特異的作用を有していることから、現在、統合失調症治療薬として、広く用いられている。
このアリピプラゾールは、従来、経口的に投与され、錠剤、散剤、液剤などの剤形で上市されている。しかしながら、統合失調症患者において症状が進んだ場合には、薬剤を経口的に服用することが困難となる場合がある。したがって、アリピプラゾール等の抗精神病薬を経口投与以外の方法で投与することが要望されている。
そこで、アリピプラゾールの新たな投与方法の開拓が試みられ、経口投与のルート以外に硬膏剤の形態における経皮治療吸収システム(TTS)が試みられている(特許文献4)。しかしながら、具体的な効果については全く記載がなく、経皮吸収製剤の特徴が明確ではなかった。
また、アリピプラゾールを含む塩基性薬物とポリビニルピロリドンを主成分とする共重合体を含有する経皮吸収製剤が言及されているが、具体的な実施例はなく、リスペリドンのみが記載されている(特許文献5)
特開2001−302502号公報 特開平9−291028号公報 特開平10−316559号公報 特表2004−529891号公報 特開2007−217313号公報
本発明の目的は、十分な粘着性を有しながら低皮膚刺激性であり、かつアリピプラゾールの皮膚透過性が良好で、十分な経皮吸収性を示す貼付剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意研究を重ねた結果、粘着基剤として、熱可塑性エラストマーと該エラストマーに対して多量の液状成分を用いることで、粘着付与剤を含有させなくても、十分な粘着性を有しつつ皮膚刺激性を低減することができ、かつアリピプラゾールおよび有機酸を含有させた場合に、良好な皮膚透過性が見られ、十分な経皮吸収性を示すアリピプラゾールの貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(11)に関する。
(1)支持体上に薬物を保持する粘着層が形成された貼付剤であって、前記粘着層は、熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して300重量部を超える液状成分、アリピプラゾールおよび有機酸を含み、かつ、粘着付与剤を含んでいてもよく、その粘着層中における含有量が10重量%以下である、貼付剤。
(2)液状成分として、不揮発性炭化水素油、液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、上記(1)に記載の貼付剤。
(3)液状成分として、不揮発性炭化水素油と、不揮発性炭化水素油以外の液状成分とを含有する、上記(1)に記載の貼付剤。
(4)不揮発性炭化水素油が流動パラフィンである、上記(2)または(3)に記載の貼付剤。
(5)不揮発性炭化水素油以外の液状成分として、液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、上記(3)に記載の貼付剤。
(6)不揮発性炭化水素油以外の液状成分として、液状の界面活性剤の1種または2種以上と、エステル系溶媒の1種または2種以上と、アルコール系溶媒の1種又は2種以上とを含有する、上記(3)に記載の貼付剤。
(7)液状の界面活性剤が液状のソルビタン脂肪酸エステルである、上記(2)または(5)に記載の貼付剤。
(8)粘着層中の液状成分含有量が60重量%以上である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の貼付剤。
(9)熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の貼付剤。
(10)スチレン系ブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体よりなる群から選択される1種又は2種以上である、上記(9)に記載の貼付剤。
(11)粘着層中に粘着付与剤を含まない、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の貼付剤。
本発明の貼付剤は、皮膚に貼付した際に十分な粘着性を有しながら、皮膚刺激性が低減され、アリピプラゾールの皮膚透過性も良好で、経皮吸収性に優れる。
本発明の実施例に係る貼付剤におけるアリピプラゾールの皮膚透過性を示すグラフである。
本発明の貼付剤は、支持体上に薬物を保持する粘着層が形成されてなり、前記粘着層は、熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して300重量部を超える液状成分、およびアリピプラゾールおよび有機酸を含み、かつ、粘着付与剤を含んでいてもよく、その粘着層中における含有量が10重量%以下であることを特徴とする。
本発明において用いる「熱可塑性エラストマー」とは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタン系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系など、各種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。このうち、本発明の目的である十分な粘着性付与と皮膚刺激性の低減を両立させる観点から、スチレン系熱可塑性エラストマー、特に、スチレン系ブロック共重合体が好ましく用いられる。
スチレン系ブロック共重体として、具体的には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。なお、前記において、「エチレン/ブチレン」はエチレンおよびブチレンの共重合体ブロックを示し、「エチレン/プロピレン」はエチレンおよびプロピレンの共重合体ブロックを示す。これら、スチレン系ブロック共重合体は、1種のみを用いても、2種以上を組合せて用いてもよい。
上記スチレン系ブロック共重合体のうち、粘着性および低皮膚刺激性の両立のほか、貼付剤用製品の入手性や取り扱い性の観点から、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体よりなる群から選択される1種または2種以上が特に好ましく用いられる。
本発明の目的には、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体としては、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%〜60重量%であるものが好ましく、10重量%〜50重量%であるものがより好ましい。また、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が20,000〜500,000であるものが好ましく、30,000〜300,000であるものがより好ましい。また、スチレン−イソプレンブロック共重合体としては、共重合体におけるスチレン含有量が5重量%〜50重量%であるものが好ましく、10重量%〜40重量%であるものがより好ましい。また、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が10,000〜500,000であるものが好ましく、20,000〜300,000であるものがより好ましい。
かかるスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体またはスチレン−イソプレンブロック共重合体としては、自体公知の方法により製造した共重合体を用いることもできるが、上記の特性を満たす市販の製品、たとえば「KRATON D」(KRATON POLYMERS社製)、「JSR SIS」(JSR社製)等を用いることもできる。
本発明において「液状成分」とは、常温で液体であり、かつ、製造および保存時ならびに貼付時には揮発せず、粘着層中に残留するものであって、貼付剤に可塑剤もしくは軟化剤、アリピプラゾールの分散剤および/または経皮吸収促進剤として添加されるものをいう。従って、前記液状成分は、常温より低い温度において融点を有し、沸点が好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上の物質である。また、本発明においては、あ
Figure 2015098440
における粘度が0.01mPa・s〜1,000,000mPa・sのものをいう。
本発明において「液状成分」としては、不揮発性の炭化水素類、液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒等が挙げられる。
不揮発性の炭化水素類としては、炭素数20〜40程度の鎖式飽和炭化水素または炭素数20〜40程度の鎖式不飽和炭化水素が好ましく、たとえば流動パラフィン、スクアレン、スクアラン、プリスタン等が挙げられる。なかでも流動パラフィンがより好ましい。流動パラフィンは、無色無臭の液状の炭素数20以上のアルカンの混合物であるが、本発明においては、日本薬局方、米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。
「液状の界面活性剤」とは、常温で液状の界面活性剤をいう。
かかる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(10)モノラウレート等の常温で液状のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(6〜60)ソルビットテトラオレエート等の常温で液状のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート等の常温で液状のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等の常温で液状のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノオレエート、ポリオキシエチレン(3〜10)ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン(5〜20)硬化ヒマシ油等の常温で液状のグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(2〜9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2〜7)オレイルエーテル等の常温で液状のポリオキシエチレン高級脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレン(2〜15)ノニルフェニルエーテル等の常温で液状のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プルロニックL−31、プルロニックL−44等の常温で液状のポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体などの常温で液状のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
これらのうち、経皮吸収性を高める上で、常温で液状のソルビタン脂肪酸エステルがより好ましく、ソルビタンモノラウレートが特に好ましい。
本発明において、粘着層における界面活性剤の含有量としては、粘着層の総重量に対し好ましくは0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
エステル系溶媒としては、たとえば長鎖脂肪酸と一価の脂肪族アルコールとのエステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、多価カルボン酸と一価の脂肪族アルコールとのエステル、炭酸エステル等が挙げられる。
長鎖脂肪酸と一価の脂肪族アルコールとのエステルとしては、炭素数12〜20の長鎖飽和脂肪酸と炭素数1〜20の一価の脂肪族アルコールとの常温で液状のエステルが好ましく、たとえばミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の常温で液状のミリスチン酸エステル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル等の常温で液状のパルミチン酸エステル、ステアリン酸イソプロピル等の常温で液状のステアリン酸エステルなどが挙げられる。また、炭素数12〜20の長鎖不飽和脂肪酸と炭素数1〜20の一価の脂肪族アルコールとのエステルも好ましく用いることができ、たとえばオレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル等の常温で液状のオレイン酸エステル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル等の常温で液状のリノール酸エステルなどを挙げることができる。
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸等の炭素数6〜12程度の脂肪酸と、グリセリンよりなるトリグリセリドであり、本発明においては、常温で液状のカプリル酸トリグリセリド、カプリル酸およびカプリン酸のトリグリセリド混合物、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸のトリグリセリド混合物等を用いることができる。また、これらを多く含む常温で液状の油脂を用いることもできる。かかる油脂としては、落花生油、オリーブ油、ヒマシ油等を挙げることができる。
なお、本発明においては、常温で液状の中鎖脂肪酸トリグリセリド、または常温で液状の中鎖脂肪酸トリグリセリド含有油脂として、医薬品用として市販されている製品を用いることもできる。
多価カルボン酸と一価の脂肪族アルコールとのエステルとしては、たとえば、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル等の常温で液状のアジピン酸ジエステル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチルドデシル等の常温で液状のセバシン酸ジエステルなど、炭素数2〜12のジカルボン酸と、炭素数1〜20の一価の脂肪族アルコールとの常温で液状のジエステルを挙げることができる。
炭酸エステルとしては、炭酸と炭素数2〜10のジオールとの環状炭酸エステル、たとえば炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン等が挙げられ、炭酸プロピレンが好ましい。
上記のエステル系溶媒のなかでも、ミリスチン酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド混合物、セバシン酸エステル、炭酸エステルが好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸およびカプリン酸のトリグリセリド混合物、セバシン酸ジエチル、炭酸プロピレンがより好ましい。
アルコール系溶媒としては、たとえば、ラウリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の炭素数12〜20程度の常温で液状の高級飽和脂肪族アルコール;オレイルアルコール等の炭素数12〜20程度の常温で液状の高級不飽和脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、分子量100〜600程度のポリエチレングリコール等の常温で液状の多価アルコールなどが挙げられる。
なかでも、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の常温で液状の多価アルコールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、分子量100〜600程度のポリエチレングリコール等の常温で液状のジオールがより好ましい。
アミド系溶媒としては、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン;ε−カプロラクタム等のカプロラクタム;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド等のアルカンアミド;ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のホスホルアミドなどが挙げられる。
上記アミド系溶媒のうち、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
本発明の貼付剤においては、液状成分として不揮発性炭化水素油、特に流動パラフィンを含むことが好ましいが、アリピプラゾールの皮膚透過性を考慮すると、不揮発性炭化水素油は他の液状成分とともに含有されることが好ましい。流動パラフィン等不揮発性炭化水素油の粘着層中の含有量としては、通常12重量%〜92.5重量%、好ましくは15重量%〜90重量%、より好ましくは20重量%〜80重量%である。また、液状成分の総重量中の不揮発性炭化水素油の含有量は、好ましくは20重量%〜97重量%、より好ましくは30重量%〜90重量%である。
アリピプラゾールの粘着層中の分散性や経皮吸収性を高める観点からは、液状成分として、好ましくは流動パラフィン等の不揮発性炭化水素油とともに、液状の界面活性剤、エステル系溶媒およびアルコール系溶媒よりなる群から選択される1種または2種以上を含有させることが好ましい。なかでも、液状の界面活性剤の1種または2種以上と、エステル系溶媒の1種または2種以上と、アルコール系溶媒の1種または2種以上を併用して含有させることが、経皮吸収性を向上させる点から好ましい。
液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒よりなる群から選択される1種または2種以上の含有量としては、これらの総量で、液状成分の総重量に対し、好ましくは3重量%〜80重量%、より好ましくは10重量%〜70重量%であり、粘着層の総重量に対し好ましくは2重量%〜75重量%、より好ましくは7重量%〜65重量%である。
上記の通り、本発明の貼付剤は、上記した液状成分を、熱可塑性エラストマー100重量部に対して、総量で300重量部を超えて含有する。熱可塑性エラストマー100重量部に対する液状成分の含有量が300重量部以下であると十分な粘着性が得られないが、熱可塑性エラストマーに対する液状成分の含有量が多くなり過ぎると、一般的に粘着層の形状維持が困難となる。従って、液状成分の含有量の上限は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し、通常1500重量部を超えることはない。なお、熱可塑性エラストマー100重量部に対する液状成分の含有量は、好ましくは、320重量部〜1000重量部、より好ましくは340重量部〜700重量部である。
一方、粘着層における熱可塑性エラストマーの含有量が少な過ぎると、粘着層の形状の維持が困難となり、多過ぎると粘着性が不十分となる。従って、本発明の貼付剤の粘着層中における熱可塑性エラストマー含有量は、通常5重量%〜30重量%であり、好ましくは8重量%〜28重量%、より好ましくは10重量%〜25重量%である。また、粘着層中における上記液状成分の含有量としては、通常60重量%〜95重量%、好ましくは65重量%〜92重量%、より好ましくは70重量%〜90重量%、特に好ましくは75重量%〜85重量%である。
本発明の貼付剤においては、上記のような含有量および含有量比にて熱可塑性エラストマーと液状成分を含有させて粘着層とすることにより、良好な粘着性を発揮させることができるが、粘着層には、必要に応じて粘着付与剤を含有させてもよい。
ここで粘着付与剤は、通常貼付剤の分野で粘着性を付与するために汎用される樹脂であって、たとえばロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられる。
しかし、皮膚刺激性を低減する等の観点から、本発明では、粘着層における粘着付与剤の含有量は、粘着層の総重量に対し10重量%以下とする。該含有量は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下であり、粘着付与剤を含まないことが最も好ましい。なお、粘着付与剤の含有量は、熱可塑性エラストマーおよび液状成分の種類、含有量、およびその含有量比に応じて調整される。
本発明の貼付剤において、アリピプラゾールは、有機酸とともに用いられる。
本発明で言う「有機酸」とは、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、有機スルホン酸等のことを言う。脂肪族モノカルボン酸としては、例えば酢酸、酪酸、ヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の炭素数が2〜7の短鎖脂肪酸、例えばオクタン酸、デカン酸等の炭素数8〜11の中鎖脂肪酸、例えばミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の炭素数12以上の長鎖脂肪酸、例えばグリコール酸、乳酸、メトキシ酢酸、マンデル酸、レブリン酸、3−ヒドロキシ酪酸等の水酸基やアルコキシ基、アシル基で置換された短鎖脂肪酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばセバシン酸、アジピン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマール酸等を挙げることができる。
芳香族カルボン酸としては、例えば安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、桂皮酸等の置換又は無置換の芳香族カルボン酸を挙げることができる。有機スルホン酸としては、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メンティルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸を挙げることができる。
好ましい有機酸としては、有機酸のlogPの値が、−1.5〜2.5、好ましくは、脂肪族モノカルボン酸として−1.5〜0であるものを挙げることができ、例えばグリコール酸、乳酸、メトキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、マンデル酸、レブリン酸等の水酸基やアルコキシ基、アシル基で置換された短鎖脂肪酸、例えば安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸等のベンゼンカルボン酸を挙げることができる。より好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、logPの値が−1.1〜−0.7である乳酸、メトキシ酢酸、グリコール酸を挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸やセバシン酸のような,logPの値が−0.2〜2.5の範囲にある、置換又は無置換の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。より好ましくは0〜2.5の範囲の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
芳香族カルボン酸としては、例えば安息香酸やサリチル酸のようにlogPの値が1.5〜2.5の範囲にあるものを挙げることができる。より好ましいものとしては、安息香酸やサリチル酸を挙げることができる。
有機スルホン酸としては、logPの値が−0.5〜1の範囲にあるものを挙げることができる。
貼付剤中のアリピプラゾールの含有量は、特に限定されないが、粘着層における分散性および経皮吸収性を考慮すれば、粘着層の総重量に対し、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜8重量%である。有機酸の添加量としては、通常、アリピプラゾールを1として、0.5倍モル量〜5倍モル量、好ましくは等モル〜3倍モル量である。
本発明の貼付剤を形成する粘着層においては、任意成分として、賦形剤、粘稠剤、抗酸化剤、着香剤、着色剤、常温で固形の界面活性剤等の一般的な添加剤を含有させてもよい。
本発明において用いられる賦形剤としては、たとえば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール等の合成水溶性高分子;乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;カオリン、酸化チタン等の顔料などが挙げられる。
本発明において用いられる抗酸化剤としては、たとえば、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
本発明において用いられる着香剤としては、d−カンフル、dl−カンフル、シンナムアルデヒド、ハッカ油、dl−メントール、l−メントール等が挙げられる。
本発明において用いられる着色剤としては、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明において用いられる常温で固形の界面活性剤としては、コレステロール、グリセリンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル等が挙げられる。
本発明の貼付剤は、上記の構成からなる粘着層を支持体上に展延して調製される。
本発明において「支持体」としては、特に限定されず、汎用のものが使用できる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の伸縮性又は非伸縮性の織布、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等のフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタン等の発泡性支持体が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、複数種が積層されたものを使用してもよい。さらに、支持体に静電気が蓄積することを防止するため、支持体を構成する前記織布、不織布、フィルム等に帯電防止剤を含有させてもよい。また、粘着層との良好な投錨性を得るため、支持体として不織布もしくは織布、またはこれらとフィルムの積層体を用いることができる。支持体の厚さは、フィルムについては通常10μm〜100μm、好ましくは15μm〜50μmであり、織布、不織布、発泡性支持体等の多孔性シートについては通常50μm〜2,000μm、好ましくは100μm〜1,000μmである。
また、本発明の貼付剤は、貼付剤の分野において一般的な剥離ライナーを備えることもできる。剥離ライナーとしては、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アルミフィルム、発泡ポリエチレンフィルム又は発泡ポリプロピレンフィルム等、もしくは前記のうち2種以上の積層物を用いることができ、さらにこれらにシリコーン加工したものやフッ素樹脂加工したもの、エンボス加工を施したものなどを用いることもできる。該剥離ライナーの厚さは、通常10μm〜200μm、好ましくは15μm〜150μmである。
本発明の貼付剤は、たとえば、熱可塑性エラストマー、アリピプラゾールおよび有機酸をそれぞれ液状成分に溶解して、トルエン等の溶媒に溶解または分散させて、粘着層形成用の塗液を調製し、得られた塗液を支持体に塗布し、次いで乾燥させることによって製造することができる。剥離ライナーを用いる場合には、粘着層に剥離ライナーを圧着して、積層することができる。あるいは、前記塗液を剥離ライナー上に塗布し、乾燥して剥離ライナーの表面に粘着層を形成させ、その後支持体を粘着層上に圧着して貼り合わせてもよい。粘着層形成用の塗液の塗布は、たとえば、ロールコーター、ダイコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の慣用のコーターを用いて行うことができる。また、前記塗液の乾燥は加熱下、たとえば40〜150℃程度の温度で行うことが好ましい。乾燥後のアリピプラゾールを含有する粘着層は、好ましくは_10g/m〜1000g/mであり、より好ましくは20g/m〜800g/mである。
以下実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜2]アリピプラゾールを含有する貼付剤の調製
表1に示す処方に従って、粘着層を構成する各成分を秤取した。まず、流動パラフィン(「KAYDOL」、Sonneborn社製)にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(「JSR SIS5002」、JSR社製)を加え、粘着層成分の全含有量100重量部に対し、60.0重量部のトルエンに溶解する。前記溶解液に対し、アリピプラゾールおよび有機酸をその他の液状成分に溶解して加えて混合攪拌し、粘着層形成用の塗液を調製した。
上記塗液を、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー)に塗布し、乾燥後の粘着層重量が500g/mとなるように調整した。80℃のオーブンにて60分乾燥後、該粘着層の表面に、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(支持体)をラミネートし、15cm×30cmの大きさに裁断して、目的の貼付剤を得た。
Figure 2015098440
[比較例1]
表1の実施例2の処方において、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体に替えて、市販の架橋カルボキシル官能性アクリル系粘着剤(「Durotak 87−2194」、ヘンケル社製、固形分含有量=40重量%)を、固形分含有量が表1の熱可塑性エラストマー含有量と同じになるように秤取して流動パラフィンを添加し、アリピプラゾールおよび有機酸をその他の液状成分に溶解して加えて混合攪拌し、粘着層形成用の塗液を調製した。
該塗液をシリコーン処理したPET製フィルム(剥離ライナー)に塗布し、乾燥後の粘着層重量が100g/mとなるように調整し、80℃のオーブンにて60分乾燥したが、硬化せず、貼付剤は得られなかった。
[試験例1]in vitro皮膚透過性試験
特許文献7に記載された方法に準じて、Wister系雄性ラット(5週齢)の腹部抽出皮膚を縦型フランツ拡散セルに装着した。実施例1〜3の各貼付剤をそれぞれ直径1.0cmの円形に打ち抜いて試料とし、拡散セルのラット皮膚上に貼付した(n=3)。レセプター層には10容量%エタノール生理食塩水を用いて、経時的にレセプター溶液中のアリピプラゾール含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。HPLCの定量条件を以下に示す。
<HPLC条件>
HPLCシステム:高速液体クロマトグラム(LC2010C)株式会社島津製作所製
カラム:ODS、4.6mmφ×15cm、5μm
カラム温度:40℃、
移動層:0.1重量%リン酸水溶液/メタノール/アセトニトリル/SDS=4/1/5/0.01、
検出波長:254nm、
流量:0.7mL/min.
上記皮膚透過性試験において、貼付24時間後のアリピプラゾールの透過量を求め、図1に示した。図1より、本発明の実施例1〜2の各貼付剤は、アリピプラゾールの皮膚透過性に優れることが示された。
[試験例2]in vivo経皮吸収性試験
実施例3の貼付剤を4cm×6cmにカットして試料とし、slc/HWY系雄性ヘアレスラット(7週齢)5匹の背部に貼付した。貼付後、3、6、9、24、48および72時間後に頸静脈より採血し、遠心分離して血漿を得た。得られた血漿中のリスペリドン濃度を、液体クロマトグラフィー−タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)にて測定した。LC−MS/MSの測定条件は以下の通りである。
<HPLC条件>
HPLCシステム:高速液体クロマトグラム(1200Series) Agilent Technologies社製
分析カラム:Atlantis dc18、2.1mmI.D.×150mm、5μm
カラム温度:40℃
移動層:1%酢酸/アセトニトリル溶液
流量:0.2mL/min
<MS/MS条件>
タンデム質量分析計:API4000、AB Sciex Pte社製
インターフェース:Turbo−V spray
イオン化法:ESI、正イオンモード
測定イオン:リスペリドン 448.5 285.2
上記経皮吸収性試験の結果を図2に示す。図2より、アリピプラゾールは皮膚に貼付後速やかに経皮吸収され、血液中に移行することが示された。
[試験例3]皮膚一次刺激性試験
実施例3の貼付剤を2.5cm×2.5cmにカットして試料とし、電気バリカンで除毛した白色雄性家兎(Kbs:NZW)の背部に24時間閉塞貼付した。試料を剥離した後、1、24、48および72時間経過後に、Draize.J.H.らの方法(J.Pharmacol.Exp.Ther.82:377〜390参照)により皮膚の状態を評価し、一次刺激指数P.I.I.値を算出した。その結果、P.I.I.値は1.9で、弱い皮膚刺激性が認められるとの評価であり、貼付剤としては、許容されるレベルであることが明らかとなった。
本発明によれば、皮膚に貼付した際に十分な粘着性を有しながら皮膚刺激性が低く、アリピプラゾールの皮膚透過性も良好で、経皮吸収性に優れる貼付剤を提供することができる。従って、経口以外の経路で投与される新たな統合失調症治療薬として利用し得るアリピプラゾール含有製剤を提供することができる。
本発明の実施例に係る貼付剤におけるアリピプラゾールの皮膚透過性を示すグラフである。 本発明の実施例に係る貼付剤の経皮吸収性を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 支持体上に薬物を保持する粘着層が形成された貼付剤であって、前記粘着層は、熱可塑性エラストマー、該エラストマー100重量部に対して300重量部を超える液状成分、アリピプラゾールおよび有機酸を含み、かつ、粘着付与剤を含んでいてもよく、その粘着層中における含有量が10重量%以下である、貼付剤。
  2. 液状成分として、不揮発性炭化水素油、液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1に記載の貼付剤。
  3. 液状成分として、不揮発性炭化水素油と、不揮発性炭化水素油以外の液状成分とを含有する、請求項1に記載の貼付剤。
  4. 不揮発性炭化水素油が流動パラフィンである、請求項2または3に記載の貼付剤。
  5. 不揮発性炭化水素油以外の液状成分として、液状の界面活性剤、エステル系溶媒、アルコール系溶媒よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、請求項3に記載の貼付剤。
  6. 不揮発性炭化水素油以外の液状成分として、液状の界面活性剤の1種または2種以上と、エステル系溶媒の1種または2種以上と、アルコール系溶媒の1種又は2種以上とを含有する、請求項3に記載の貼付剤。
  7. 液状の界面活性剤が液状のソルビタン脂肪酸エステルである、請求項2または請求項5に記載の貼付剤。
  8. 粘着層中の液状成分含有量が60重量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の貼付剤。
  9. 熱可塑性エラストマーがスチレン系ブロック共重合体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の貼付剤。
  10. スチレン系ブロック共重合体が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック共重合体よりなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項9に記載の貼付剤。
  11. 粘着層中に粘着付与剤を含まない、請求項1〜10のいずれか1項に記載の貼付剤。
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