JP2015096950A - 光散乱組成物、光散乱複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含む、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、マトリックス樹脂組成物と、を含有し、前記光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下である光散乱組成物、前記光散乱組成物を硬化してなる光散乱複合体12及びその製造方法である。
【選択図】図1
Description
指向性の強い光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)等の光半導体発光装置が挙げられ、例えば、光を拡散し得る散乱部位が備えられている。
ここで、同出願の光散乱組成物が光散乱をおこす原因は、光散乱組成物中に含まれる光散乱粒子により生じるレイリー散乱が主要因であると推測される。このため、光散乱粒子の散乱特性、言い換えれば光散乱粒子の状態が変化しない限り、光散乱組成物における光散乱能は光散乱粒子の含有量増加に比例して増加し、よって光半導体発光装置の輝度も光散乱粒子の含有量に比例して向上すると予想される。しかしながら、本発明者等が更に研究を進めた結果、光散乱粒子の含有量を一定値以下に減らすことにより、光の透過性及び散乱性に優れることを見出し、本発明に想到した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[2] 上記[1]に記載の光散乱組成物を硬化してなる光散乱複合体。
[3] 前記光散乱粒子の少なくとも一部が会合粒子を形成しており、前記会合粒子を含む粒子の平均二次粒子径が前記平均一次粒子径より大きくかつ1000nm以下である上記[2]に記載の光散乱複合体。
[4] アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含む、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、マトリックス樹脂組成物と、を含有し、前記光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下である光散乱組成物を硬化してなる光散乱複合体の製造方法であって、当該光散乱組成物の硬化時において、単分散状態の光散乱粒子の少なくとも一部を会合させて、マトリックス樹脂中で会合粒子を形成する光散乱複合体の製造方法。
本発明の光散乱組成物は、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含む、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、未硬化のマトリックス樹脂組成物と、を含有し、光散乱粒子の含有量が、光散乱組成物全量に対して0.01質量%以上かつ10質量%以下である。
本発明の光散乱組成物は、本発明の効果を損なわない限度において、溶剤、界面活性剤、分散剤、安定化剤、酸化防止剤等を更に含有していてもよい。
本発明における光散乱粒子は、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含み、平均一次粒子径が3nm以上かつ50nm以下である。光散乱粒子は、更に、当該表面修飾材料以外の成分、例えば、界面活性剤、有機酸等により表面処理された無機酸化物粒子や、更には有機樹脂からなる粒子等を含むものであってもよいが、当該表面修飾材料で表面修飾された無機酸化物粒子からなることが好ましい。
一方、特定の波長に吸収を有する材質を用いて光散乱粒子を形成することにより、光散乱複合体に波長特性を付与することもできる。また、無機酸化物粒子の屈折率を選択することで、光散乱性や光透過性等の調節を行うこともできる。
ここで、光散乱粒子の平均一次粒子径が3nm未満の場合、青色ないしは近紫外の発光光成分に対する散乱特性が不十分となるために、青色ないしは近紫外の発光色成分がそのまま(散乱せずに)外部に放射される。このため、蛍光体への入射光量が低下して蛍光体により波長変換された光成分の光量も増加しないため、白色光半導体発光装置の輝度向上が図れない。更には、近年問題となっている青色光による生理的影響が発生しやすくなる。一方、平均一次粒子径が50nmを超えると、青色ないしは近紫外の発光光成分は十分に散乱されるが、それだけでなく、蛍光体層で波長変換された変換光成分も散乱されて白色光半導体発光装置から放射されにくくなるため、やはり輝度が低下する。
すなわち、本発明の光散乱複合体を白色光半導体発光装置に適用した場合においても、光散乱粒子の平均一次粒子径が3nm以上かつ50nm以下であれば、白色光半導体発光装置の輝度向上と青色ないしは近紫外の発光色成分の低減を図ることができ、好適に用いることができる。
この会合粒子と非会合の単分散粒子とを含む全粒子の平均粒子径、すなわち平均二次粒子径は前記平均一次粒子径より大きくかつ1000nm以下であることが好ましく、50nmより大きくかつ1000nm以下であればより好ましく、80nm以上かつ1000nm以下であればさらに好ましく、100nm以上かつ800nm以下であれば最も好ましい。平均二次粒子径が平均一次粒子径と同一では、会合粒子が形成していないことになり、会合粒子を形成させる効果が得られないことがある。また、平均二次粒子径が50nm以下では、全粒子が単分散粒子の場合との差異が少ないために、会合粒子を形成させる効果を得ることができない可能性が高い。一方1000nmを超えると、粒子としての散乱能が強くなりすぎるために、光散乱複合体に入射した光が光散乱複合体内に閉じ込められてしまい、光散乱複合体を設ける効果が得られないことがある。
ここで、光散乱粒子をマトリックス樹脂中に分散させるには、光散乱粒子表面とマトリックス樹脂との界面親和性を確保する必要がある。このため、光散乱粒子を構成する非修飾粒子の表面は、マトリックス樹脂の構造と相性の良い構造の表面修飾材料によって被覆されることが好ましい。
具体的には、マトリックス樹脂を形成するための樹脂モノマーないしはオリゴマーであり、液状の未硬化体であるマトリックス樹脂組成物がマトリックス樹脂を形成する際に、樹脂モノマーないしはオリゴマー同士の重合に用いられる反応基を、表面修飾材料にも有させればよい。ここで、マトリックス樹脂組成物であるシリコーン系の封止材は、反応基としてH−Si基、アルケニル基、及びアルコキシ基の少なくとも1つを有することが好ましい。従って、表面修飾材料には、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた一つ以上の官能基を有する表面修飾材料を用い、この表面修飾材料により光散乱粒子の表面を修飾する。
一方、表面修飾量が1質量%未満では、表面修飾材料とマトリックス樹脂組成物間での官能基の結合点が不足するために、光散乱粒子がマトリックス樹脂組成物に対して良好に分散することが難しく、たとえ分散していたとしても、光散乱複合体が硬化する過程で光散乱粒子がマトリックス樹脂相から分離して凝集するために、光散乱複合体の光透過性低下や硬度低下が発生する虞がある。
また、表面修飾量が50質量%を超えた場合、表面修飾材料とマトリックス樹脂組成物間での官能基との結合点が多いことから、光散乱粒子はマトリックス樹脂組成物に対しては一次粒子の状態が維持された単分散状態での均一な分散が可能となるだけでなく、光散乱複合体が硬化する過程でも光散乱粒子の単分散が維持されて部分的な会合が発生しないことがある。このため、光散乱変換層や光散乱層おける会合粒子の形成による光散乱能の向上(より少量の光散乱粒子で十分な散乱能を有する効果)が期待できなくなる。なお、表面修飾量が50質量%を超えかつ80質量%以下の範囲では、会合粒子形成による効果は期待しにくくなるものの、光散乱粒子とマトリックス樹脂間の結合状態は良好に保たれており、光散乱複合体としての特性は維持される。一方、表面修飾量が80質量%を超えると、表面修飾材料とマトリックス樹脂組成物間での官能基の結合点が多くなり過ぎ、硬化体が脆くなってクラックが発生する虞がある。
表面修飾量は、より好ましくは3質量%以上かつ50質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上かつ40質量%以下である。
光散乱組成物中の光散乱粒子の含有量が0.01質量%未満では、この光散乱組成物を硬化して得られる光散乱複合体中光散乱粒子の量が少なすぎて、光散乱効果が得られない。一方、光散乱組成物中の光散乱粒子の含有量が10質量%を超えると、特に会合粒子が形成した場合において光散乱粒子の量が多すぎるために散乱が過大になり、光散乱複合体に入射した光が光散乱複合体内に閉じ込められてしまい、光散乱複合体を設ける効果が得られない。すなわち、光散乱組成物中の光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下であることで、散乱性と光透過性とのバランスが良い光散乱複合体を得ることができる。
このような光散乱組成物から得られる光散乱複合体を白色光半導体発光装置に適用すれば、白色光半導体発光素子からの光取出効率が向上することでさらに高輝度の光半導体発光装置とすることができる。
マトリックス樹脂組成物は、光散乱組成物が硬化して光散乱複合体となったときに、光散乱粒子を包含するマトリックス樹脂を構成する樹脂モノマーないしはオリゴマー等の液状のマトリックス樹脂未硬化体である。
ここで光散乱複合体に適用されるマトリックス樹脂は、本発明の光散乱複合体が使用される波長域において光吸収が無い材質であれば特に限定はされないが、基本的に光学材料であるので、光に対する耐性(耐光性)を有するものであることが好ましい。また既述のように、本発明の光散乱複合体は白色光半導体発光装置に好適に使用できるが、この場合には可視光域(光半導体発光素子として近紫外光半導体発光素子を用いる場合には近紫外光域〜可視光域)において透明であって、光半導体発光装置の信頼性(要求される各種性能、例えば、耐久性)を損なわないものであることが好ましい。更に、光半導体発光素子の高出力化及び照明用途への適用を考慮した場合には、従来から光半導体発光素子封止材として用いられている樹脂を用いることが好ましい。特に光散乱複合体の耐久性の観点から、マトリックス樹脂は、シリコーン系の封止材を用いることが好ましく、例えば、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、有機変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
従って、マトリックス樹脂組成物は、ジメチルシリコーン樹脂の樹脂モノマー若しくはオリゴマー、メチルフェニルシリコーン樹脂の樹脂モノマー若しくはオリゴマー、フェニルシリコーン樹脂の樹脂モノマー若しくはオリゴマー、有機変性シリコーン樹脂の樹脂モノマー若しくはオリゴマー等のシリコーン系樹脂の樹脂モノマー若しくはオリゴマーを含有することが好ましい。
光散乱複合体のマトリックス樹脂としてシリコーン樹脂を用いる場合は、液状の未硬化体である各シリコーン樹脂組成物を、例えば、付加型反応、縮合型反応、ラジカル重合反応等によって重合硬化させることで得ることができる。
光散乱粒子を均一にマトリックス樹脂中に分散させるには、光散乱粒子表面とマトリックス樹脂との界面親和性を確保することが好ましい。本発明においては、前記の通り、表面修飾材料の構造をマトリックス樹脂の構造と相性の良いものとしている。すなわち、マトリックス樹脂組成物として、反応基としてH−Si基、アルケニル基、及びアルコキシ基の少なくとも1つを有するシリコーン系の封止材を選択することが好ましく、従って、表面修飾材料には、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた一つ以上の官能基を有する表面修飾材料を用いこととしている。
表面修飾材料のアルケニル基は、マトリックス樹脂組成物中のH−Si基と反応することにより架橋する。表面修飾材料のH−Si基は、マトリックス樹脂組成物中のアルケニル基と反応することにより架橋する。表面修飾材料のアルコキシ基は、マトリックス樹脂組成物中のアルコキシ基と加水分解を経て縮合する。このような結合により、マトリックス樹脂と表面修飾材料とが一体化することから、マトリックス樹脂組成物が硬化しマトリックス樹脂を形成する過程で光散乱粒子が相分離することなく、全体としての分散状態を維持してマトリックス樹脂中に固定化でき、また、これらの層の緻密性を向上させることができる。
また、光散乱組成物中のマトリックス樹脂組成物の含有量は、光散乱組成物中の光散乱粒子の含有量を除いた残部であることが好ましい。
光散乱組成物は、上記のようにして表面修飾された無機酸化物粒子を含む光散乱粒子とマトリックス樹脂とを混合することにより得られる。散乱性の観点から、光散乱粒子は、マトリックス樹脂中に均一に分散していることが好ましい。
光散乱粒子をバインダー中に均一に分散させる方法としては、光散乱粒子とバインダーとを二軸混錬機等の機械的方法によって混合して分散させる方法や、光散乱粒子を有機溶媒中に分散させた分散液とバインダーを混合した後、有機溶媒を乾燥除去する方法がある。
上記のような透過率を得るには、光散乱粒子の粒径面修飾材料以外の公知量を調整すればよい。
本発明の光散乱複合体は、本発明の光散乱組成物を硬化してなる。
従って、本発明の光散乱複合体は、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含み、平均一次粒径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、マトリックス樹脂と、を含有し、光散乱粒子の含有量が、光散乱複合体全量に対して0.01質量%以上かつ10質量%以下である。
マトリックス樹脂は、光散乱組成物が含有するマトリックス樹脂組成物が硬化して得られる樹脂であり、好ましくは透明の樹脂である。マトリックス樹脂組成物の内容及び好ましい態様は、光散乱組成物が含有するマトリックス樹脂組成物の内容及び好ましい態様と同様である。
本発明の光散乱複合体は、散乱性の観点から、光散乱粒子は、少なくともその一部が会合粒子を形成した状態で、マトリックス樹脂中に全体として均一に分散していることが好ましい。この会合粒子と非会合の単分散粒子とを含む全粒子の平均粒子径、すなわち平均二次粒子径は平均一次粒子径より大きくかつ1000nm以下であることが好ましく、50nmより大きくかつ1000nm以下であればより好ましく、80nm以上かつ1000nm以下であればさらに好ましく、100nm以上かつ800nm以下であれば最も好ましい。平均二次粒子径が平均一次粒子径と同一では、会合粒子が形成していないことになり、会合粒子を形成させる効果が得られないことがある。また、平均二次粒子径が50nm以下では、全粒子が単分散粒子の場合との差異が少ないために、会合粒子を形成させる効果を得ることができない可能性が高い。一方1000nmを超えると、粒子としての散乱能が強くなりすぎるために、光散乱複合体に入射した光が光散乱複合体内に閉じ込められてしまい、光散乱複合体を設ける効果が得られないことがある。
またこの会合粒子は、光散乱組成物の状態では形成されておらず、光散乱組成物が硬化して光散乱複合体となる段階において、形成されることが好ましい。
すなわち、マトリックス樹脂組成物中の光散乱粒子は単分散(一次粒子)の状態であり、マトリックス樹脂が硬化するにつれて、光散乱粒子が極微小の領域で局所的な相分離を起こして会合粒子を形成することが好ましい。また、この局所的な相分離はマトリックス樹脂組成物(光散乱組成物)内の全体で発生するとともに、各会合粒子が相互に結合することなく局所的な領域内で保持されることが好ましい。
このような形態で会合粒子が形成されることにより、本発明の光散乱複合体は、含まれる光散乱粒子の量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下,より好ましくは1質量%以下といった少量であっても、高い光散乱性を発現することができる。
本発明の光散乱複合体は、溶液状の光散乱組成物を基板上に塗布したり、型に入れた後、硬化して成型された成型体であってもよいし、光散乱組成物を、押出機等を用いて溶融混練した後、金型に注入し、冷却して得られた成型体であってもよい。また、本発明の光散乱複合体は、本発明の光散乱組成物を硬化して得られる板状体を積層した積層体であってもよい。
また、以上の説明においては、マトリックス樹脂組成物を「マトリックス樹脂を形成するための樹脂モノマーないしはオリゴマー」とし、マトリックス樹脂の形成は組成物の重合硬化で行われることを基本としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、マトリックス樹脂組成物が溶媒可溶性樹脂と溶媒により形成され、マトリックス樹脂の形成は溶媒の除去(乾燥)で行われてもよい。この場合、酸化物粒子の表面修飾材料としては、その一部が溶媒可溶性を示す材料を選択することが好ましい。
光半導体発光装置は、光半導体発光素子と、蛍光体粒子と、光散乱粒子及びマトリックス樹脂を含有する光散乱複合体と、を有し、白色光を発する光半導体発光装置であって、(A)前記光散乱複合体が前記蛍光体粒子を含むことで光散乱変換層を形成しており、前記光散乱変換層における前記光散乱粒子の含有量が10質量%以下であり、その光散乱粒子が、アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾され、前記光半導体発光素子の発光波長領域において光の吸収の無い材質からなり、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の粒子である光半導体発光装置(以下、「光半導体発光装置A」という)、又は、(B)前記蛍光体粒子を含む層により光変換層が形成され、前記光変換層上に、前記光散乱複合体からなる光散乱層が設けられてなり、前記光散乱層における前記光散乱粒子の含有量が10質量%以下であり、その光散乱粒子が、光半導体発光装置Aと同様の粒子である光半導体発光装置(以下、「光半導体発光装置B」という)である。
なお以下に示す本発明の説明において、単に、「光半導体発光装置」という場合は、「光半導体発光装置A」及び「光半導体発光装置B」の両者を指す。
また、本発明においては、「光半導体発光装置A」と「光半導体発光装置B」を組み合わせた構造であってもよい。すなわち、光散乱複合体が前記蛍光体粒子を含むことで光散乱変換層を形成し、この光散乱変換層上に、光散乱複合体からなる光散乱層が設けられたものでもよい。
しかし、光半導体発光装置は、本発明の光散乱組成物を用いて作製されることで、白色光とともに発せられる青色光成分を低減させ、輝度を向上させることができる。また、青色光成分が低減されることで、演色性をも向上させることができる。
また、各種光半導体発光素子、各種蛍光体を封止するための封止樹脂等も公知のものを使用することができる。
なお、以下の説明においては、上記光半導体発光素子と蛍光体との組み合わせにおいて使用される半導体発光素子で発光される各発光波長を有する光のことを、光半導体発光素子の「発光色成分」と称する場合がある。また、当該発光色成分が蛍光体に照射されることにより蛍光体が発する光、すなわち発光色成分が蛍光体により波長変換された光のことを、蛍光体からの「変換光成分」と称する場合がある。
まず、光半導体発光装置Aの第1の態様は、図1に示すように基板の凹部に光半導体発光素子10が配置され、これを覆うように、光散乱粒子及びマトリックス樹脂を含有する光散乱複合体12中に蛍光体粒子13を含有させた光散乱変換層14が設けられている。このとき、光散乱粒子はマトリックス樹脂中に均一に存在していてもよいが、外部空気相界面(外部空気層との界面)18側により多く存在することが好ましい。外部空気相界面18の表面形状は、特に制約はなく、平坦状、凸状、及び凹状のいずれでもよい。
このような態様とすることで、光変換層16を透過した青色光成分の多くを、光散乱層17により散乱させて光変換層16へ戻すことができるので、白色光とともに発せられる青色光成分を低減させ、輝度をより向上させることができる。
各層中の光散乱粒子の含有量が10質量%を超えると、特に会合粒子が形成した場合において光散乱粒子の量が多すぎるために散乱が過大になり、光半導体発光素子からの発光色成分のみならず蛍光体からの変換光成分も外部空気相に出にくくなり、光半導体発光装置の輝度が低下してしまう。一方、各層中の光散乱粒子の含有量が0.01質量%未満では、光散乱粒子の量が少なすぎて光散乱効果が得られず、光半導体発光装置の輝度向上が図れない。すなわち、各層中の光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下であることで、各層において、光半導体発光素子からの発光色成分の光散乱性と、発光色成分と変換光成分を合わせての光透過性とのバランスが良く、高輝度の光半導体発光装置とすることができる。
更に、各層中の光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下であることで青色光の散乱率が特に高くなる。すなわち、波長460nmの光において、積分透過率の値が、直線透過率の値よりも特に大きくなる。これにより、光半導体発光装置における青色光の低減と輝度向上を図ることができる。
例えば、本発明の光散乱組成物を光変換層の上に塗布又は注入し、次いで硬化して、光散乱複合体からなる光散乱層を形成することで、光半導体発光装置Bが作製される。あるいは光散乱組成物中に蛍光体粒子を混合し、光半導体発光素子の上に塗布又は注入し、次いで硬化して、蛍光体を含む光散乱複合体からなる光散乱変換層を形成することで、光半導体発光装置Aが作製される。本発明の光散乱組成物の硬化には、例えば、付加型反応、縮合型反応、ラジカル重合反応等による重合硬化反応を挙げることができる。この重合反応は、加熱、光照射等の外部エネルギーの付与、触媒(重合剤)の添加等により行うことができる。
会合粒子の形成は、前記の通り、光散乱粒子における表面修飾量を50質量%以下と少なめとし、マトリックス樹脂(組成物)と光散乱粒子間の親和性を抑えることで、相対的に光散乱粒子同士の結合力を強めることで達成できる。また、光散乱組成物の硬化速度を遅くし、硬化途中の光散乱組成物中で光散乱粒子が移動できる状態を維持することにより、光散乱粒子同士の凝集力及び/又はマトリックス樹脂における他成分の排斥力を使用して、光散乱粒子の会合度を高めてもよい。
なお、平均二次粒子径の測定方法であるが、光散乱複合体が硬化物であるために、動的光散乱法による測定は困難である。このため、例えば、光散乱複合体の薄片化試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、個別に存在している光散乱粒子についてはその粒子径をそのまま二次粒子径とし、一方、複数個の光散乱粒子が重なって見える部分はその全体をもって会合粒子と判断し、会合粒子全体の粒子径を二次粒子径として、平均二次粒子径を求めることとする。
本発明の光半導体発光装置は、その優れた特性を生かして各用途に利用することができる。本発明の効果が特に顕著に認められるものとしては、これを具備する各種の照明器具及び表示装置である。
照明器具としては、室内灯、室外灯等の一般照明装置が挙げられる。その他、携帯電話、OA機器等の電子機器のスイッチ部の照明にも適用できる。
(表面修飾粒子分散液中の表面修飾粒子における表面修飾量)
表面修飾粒子の表面修飾量は、熱重量分析による測定を基に算出した。試料粉は、表面修飾粒子分散液を遠心分離して表面修飾粒子を取り出し、エバポレータで分散媒を乾燥除去して作製した。得られた試料を熱重量分析し、115℃から500℃までの重量減少量を測定した。なお,115℃未満の重量減少は残留していた分散媒(トルエン)に起因するものとした。得られた(115℃から500℃までの)重量減少量と、表面修飾材料中の揮発成分(C、H、O、及びN)と不揮発成分(Si)の含有量を基に、表面修飾量を算出した。
光散乱組成物の透過率は、光散乱組成物を0.5mmの薄層石英セルに挟んだものを試料とし、分光光度計(V−570、日本分光社製)にて積分球を用いて測定した。波長(λ)460nmにおける透過率が40%以上かつ95%以下、波長(λ)550nmにおける透過率が80%以上を「○」、波長(λ)460nmにおける透過率が40%以上かつ95%以下、波長(λ)550nmにおける透過率が50%以上かつ80%未満を「△」とし、この範囲から外れるものを「×」とした。
なお、分光光度計の反射板の代わりにこの光散乱組成物を挟んだ薄層石英セルを設置し、積分球に戻った反射スペクトルを測定した結果、短波長側での透過率の低下が反射率の増大に対応していたことから、粒子による光の吸収は起こっておらず、粒子による後方散乱が起こっていることを確認した。
光散乱複合体の透過率は、厚さ1mmの基板状に成形した光散乱複合体を試料とし、分光光度計(V−570、日本分光社製)にて積分球測定および直線測定を行い、波長460nmにおける各透過率の差(積分透過率−直線透過率)が40ポイント以上である場合を青色光の散乱性が良好であるとして「○」、25ポイント以上かつ40ポイント未満である場合を「△」とし、この範囲から外れるものを「×」とした。
光散乱粒子の平均一次粒子径は、X線回折によって得られるシェラー径とした。
光散乱複合体中の光散乱粒子の平均二次粒子径は、光散乱複合体を薄片化したものを試料とし、電解放出型透過電子顕微鏡(JEM−2100F、日本電子社製)で観察し、粒子径を測定することで行った。
ここで、個別に(会合せずに)存在している光散乱粒子については、その粒子自体をもって二次粒子とし、その粒子径を二次粒子径とした。また、複数個の光散乱粒子が重なって見える部分はその全体をもって二次粒子(会合粒子)とし、二次粒子と判断された部分全体の粒子径を二次粒子径とした。このようにして測定した二次粒子径の内50個の粒子の値を無作為に選び出し、その平均値を光散乱複合体中の光散乱粒子の平均二次粒子径とした。
光半導体発光装置の発光スペクトルを、分光測光装置(PMA−12、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。ここでは、波長400nmから480nmの発光スペクトルピーク面積をaとし、波長480nmから波長800nmの発光スペクトルピーク面積をbとして、a/bの値により評価した。光散乱粒子を含有しない比較例1及び2を基準とし、実施例1〜4、6〜9、及び比較例3〜4においては、a/bの値が比較例1のa/bの0.9倍以上かつこれ未満のものを「○」、比較例1のa/bの0.6倍以上かつ0.9倍未満のものを「△」とし、比較例1のa/bの0.6倍未満のものを「×」とした。実施例5及び比較例5においては、比較例2のa/b値と比較した。
光半導体発光装置の輝度を、輝度計(LS−110、コニカミノルタセンシング社製)を用いて測定した。光散乱粒子を含有しない比較例1及び2を基準とし、実施例1〜4、6〜9、及び比較例3〜4において、輝度が比較例1の輝度より大きいものを「○」、比較例1の輝度の0.8倍以上かつこれと同値のものを「△」、比較例1の輝度の0.8倍未満のものを「×」とした。実施例5及び比較例5においては、比較例2の輝度と比較した。
光散乱粒子を構成する非修飾粒子として、次のジルコニア粒子1〜5及びシリカ粒子を作製した。
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615gを純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水344gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調製した。
このスラリーに、硫酸ナトリウム300gを5Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加えて混合物を得た。このときの硫酸ナトリウムの添加量は、ジルコニウム塩溶液中のジルコニウムイオンのジルコニア換算値に対して30質量%であった。
この混合物を、乾燥器を用いて、大気中、130℃にて24時間乾燥させ、固形物を得た。この固形物を自動乳鉢で粉砕した後、電気炉を用いて、大気中、520℃にて1時間焼成した。
次いで、この焼成物を純水中に投入し、攪拌してスラリー状とした後、遠心分離器を用いて洗浄を行い、添加した硫酸ナトリウムを十分に除去した後、乾燥器にて乾燥させ、平均一次粒径5.5nmのジルコニア粒子1を得た。
ジルコニア粒子1の作製における電気炉での焼成温度を520℃から550℃にした以外はジルコニア粒子1と同様にして平均一次粒子径が7.8nmのジルコニア粒子2を作製した。
ジルコニア粒子1の作製における電気炉での焼成温度を520℃から500℃にした以外はジルコニア粒子1と同様にして平均一次粒子径が2.1nmのジルコニア粒子3を作製した。
ジルコニア粒子1の作製における電気炉での焼成温度を520℃から620℃にした以外はジルコニア粒子1と同様にして平均一次粒径が21.1nmのジルコニア粒子4を作製した。
ジルコニア粒子1の作製における電気炉での焼成温度を520℃から660℃にした以外はジルコニア粒子1と同様にして平均一次粒径が48nmのジルコニア粒子5を作製した。
シリカゾル(日産化学工業製 スノーテックスOS)含有のシリカ粒子をそのまま使用した。なお、X線回折測定はゾル状態ではできないこと、また単にゾルを乾燥固化したものでは測定時の取り扱いが不便なことから、実際の測定は後述のシリカ粒子含有乾燥粉体で行った。平均一次粒子径は9.5nmであった。
(表面修飾ジルコニア分散液1の作製)
10gのジルコニア粒子1に、トルエン86g、及びメトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジン(信越化学工業社製KR9218)2gを加えて、混合し、ビーズミルで5時間撹拌して、表面修飾処理を行った後、ビーズを除去した。次いで、アルケニル基(ビニル基)基含有修飾材料としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM1003)を2g添加し、130℃にて6時間還流下で修飾及び分散を行い、表面修飾ジルコニア分散液1を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子1の質量に対して40質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液1は透明であった。
10gの表面修飾ジルコニア分散液1に対して、フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)158.6g(A液31.7g、B液126.9g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾ジルコニア粒子とフェニルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物1を得た。得られた光散乱組成物1はほぼ透明であった。この光散乱組成物1の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱組成物1を深さ1mmの凹状の型に流し込み、150℃で2時間加熱硬化させて、厚さ1mmの光散乱複合体1を作製した。得られた光散乱複合体1の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
15gの光散乱組成物1に、10gの黄色蛍光体(Genelite製 GLD(Y)−550A)を添加し、その後、蛍光体含有光散乱組成物1を自公転式ミキサーで混合・脱泡し、蛍光体含有光散乱組成物1を得た。次いで、未封止の青色光半導体発光素子を備えたパッケージの発光素子上に、蛍光体含有光散乱組成物1を滴下した。さらに蛍光体を含有しない光散乱組成物1を、蛍光体含有光散乱組成物1上に蛍光体含有光散乱組成物1と同量滴下した後、150℃で2時間加熱し、光散乱組成物1を硬化させた。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例1の光半導体発光装置1を作製した。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置1の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(光散乱組成物2の作製)
実施例2の表面修飾ジルコニア分散液としては、実施例1の表面修飾ジルコニア分散液1をそのまま使用した。
光散乱組成物の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1の量を100g、フェニルシリコーン樹脂(OE−6330)の量を146g(A液29.2g、B液116.8g)とした他は実施例1と同様にして、光散乱組成物2を作製した。得られた光散乱組成物2はほぼ透明であった。この光散乱組成物2の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物2を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体2を作製した。得られた光散乱複合体2の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物2を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置2を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例2の光半導体発光装置2を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置2の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液3の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、ジルコニア粒子1に代えてジルコニア粒子2を用い、アルケニル基含有修飾材料に代えてH−Si基含有修飾材料であるメチルジクロロシラン(信越化学工業社製 LS−50)を用いたこと、またビーズミルの撹拌時間を5時間とし、還流時間を3時間に変更した他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液3を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子2の質量に対して40質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとメチルジクロロシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液3は透明であった。
光散乱組成物1の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1に代えて表面修飾ジルコニア分散液3を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱組成物3を作製した。得られた光散乱組成物3はほぼ透明であった。この光散乱組成物3の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物3を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体3を作製した。得られた光散乱複合体3の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物3を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置3を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例3の光半導体発光装置3を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置3の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液4の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、アルケニル基含有修飾材料に代えてアルコキシ基含有修飾材料であるテトラエトキシシラン(信越化学工業社製 KBE−04)を用い、ビーズミルの撹拌時間を5時間とし、還流時間を3時間に変更した他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液4を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子1の質量に対して40質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとテトラエトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液4は透明であった。
光散乱組成物の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1に代えて表面修飾ジルコニア分散液4を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱組成物4を作製した。得られた光散乱組成物4はほぼ透明であった。この光散乱組成物4の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物4を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体4を作製した。得られた光散乱複合体4の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物4を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置4を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例4の光半導体発光装置4を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置4の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾シリカ分散液の作製)
シリカゾル(日産化学工業製 スノーテックスOS)50gにヘキサン酸5gを溶解させたメタノール溶液50gを混合撹拌し、得られたスラリーをエバポレータで溶媒を乾燥除去してシリカ粒子乾燥粉体を得た。得られたシリカ粒子含有乾燥粉体10gをトルエン80gに混合した。次いで、片末端エポキシ変性シリコーン(信越化学工業社製、X−22−173DX)を5gとアルケニル基(ビニル基)含有修飾材料としてビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM1003)を5g加え、130℃にて6時間還流下で表面修飾及び分散を行った。得られたシリカ分散液100gにメタノールを100g投入し、得られた沈降物を回収し、乾燥した。この表面修飾シリカ粒子における表面修飾材料による表面修飾量は、シリカ粒子の質量に対して80質量%であり、片末端エポキシ変性シリコーンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。次いで、この表面修飾シリカ粒子を、トルエン中に18質量%(シリカ粒子として10質量%)となるよう加えて再分散させ、表面修飾シリカ分散液を作製した。
得られた表面修飾シリカ分散液は透明であった。
作製した表面修飾シリカ分散液10gに対して、ジメチルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6336、屈折率1.41、A液/B液配合比=1/1)158.2g(A液79.1g、B液79.1g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾シリカ粒子とジメチルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物5を得た。得られた光散乱組成物5はほぼ透明であった。この光散乱組成物5の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物5を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体5を作製した。得られた光散乱複合体5の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物5を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置5を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例5の光半導体発光装置5を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置5の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液6の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、トルエンの使用量を89g、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンの使用量を0.5g、アルケニル基(ビニル基)含有修飾材料としてのビニルトリメトキシシランの使用量を0.5gに変更した他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液6を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子1の質量に対して10質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液6は透明であった。
2gの表面修飾ジルコニア分散液6に対して、フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)159.78g(A液31.96g、B液127.82g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾ジルコニア粒子とフェニルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物6を作製した。得られた光散乱組成物1はほぼ透明であった。この光散乱組成物6の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物6を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体6を作製した。得られた光散乱複合体6の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物6を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置6を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例6の光半導体発光装置3を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.1質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置6の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(光散乱組成物7の作製)
実施例7の表面修飾ジルコニア分散液としては、実施例1の表面修飾ジルコニア分散液1をそのまま使用した。
10gの表面修飾ジルコニア分散液1に対して、フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)48.6g(A液9.7g、B液38.9g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾ジルコニア粒子とフェニルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物7を作製した。得られた光散乱組成物7はほぼ透明であった。この光散乱組成物7の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物7を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体7を作製した。得られた光散乱複合体7の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)15g(A液3g、B液12g)に、黄色蛍光体(Genelite製 GLD(Y)−550A)を10g加え、その後、自公転式ミキサーで混合・脱泡し、蛍光体含有組成物7を得た。
次いで、未封止の青色光半導体発光素子を備えたパッケージの発光素子上に、蛍光体含有組成物7を滴下した後、150℃で30分間加熱し、蛍光体含有組成物7を硬化した。次いで、光散乱組成物7を、硬化後の蛍光体含有組成物7上に滴下した後、150℃で90分間加熱し、光散乱組成物1を硬化させると共に、蛍光体含有組成物7を完全に硬化させた。これにより、光半導体発光素子上に、蛍光体を含有する光変換層が形成され、その上に光散乱粒子を含有する光散乱層が形成された、実施例7の光半導体発光装置7を作製した。
なお、光変換層における黄色蛍光体の含有量は20質量%であり、光散乱層における光散乱粒子の含有量は2質量%であった。また、得られた光散乱層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置7の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液8の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、ジルコニア粒子1に代えてジルコニア粒子4を用いた他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液8を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子4の質量に対して40質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液8は、やや白濁した透明であった。
光散乱組成物の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1に代えて表面修飾ジルコニア分散液8を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱組成物8を作製した。得られた光散乱組成物8は、やや白濁しており半透明であった。この光散乱組成物8の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物8を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体8を作製した。得られた光散乱複合体8の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物8を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置8を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例8の光半導体発光装置8を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置8の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液9の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、ジルコニア粒子1に代えてジルコニア粒子5を用い、トルエンの使用量を87g、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンの使用量を1.5g、アルケニル基(ビニル基)含有修飾材料としてのビニルトリメトキシシランの使用量を1.5gに変更した他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液9を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子1の質量に対して30質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液9はやや白濁した透明であった。
4gの表面修飾ジルコニア分散液9に対して、フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)159.48g(A液31.90g、B液127.58g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾ジルコニア粒子とフェニルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物9を作製した。得られた光散乱組成物9はほぼ透明であった。この光散乱組成物9の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物9を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体9を作製した。得られた光散乱複合体9の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物9を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置9を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、実施例9の光半導体発光装置9を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.2質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置9の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(マトリックス樹脂の評価)
比較例1及び2は、マトリックス樹脂中に光散乱粒子を含有させていない。そこで、光散乱複合体に代えてマトリックス樹脂自体の透過率を、光散乱複合体と同様に測定し評価した。
比較例1では、フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)7.6g(A液1.5g、B液6.1g)を自公転式ミキサーで混合、脱泡した後、得られた組成物を、各実施例の光散乱組成物と同様に測定し評価した。また、得られた組成物を深さ1mmの凹状の型に流し込み、150℃で2時間加熱硬化させて、厚さ1mmのマトリックス樹脂硬化体を作製し、このマトリックス樹脂硬化体を、実施例の光散乱複合体と同様に測定し評価した。結果を下記表1に示す。
フェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6330、屈折率1.53、A液/B液配合比=1/4)7.6g(A液1.5g、B液6.1g)に、黄色蛍光体(Genelite製 GLD(Y)−550A)を1g加え、その後、自公転式ミキサーで混合、脱泡した。次いで未封止の青色光半導体発光素子を備えたパッケージの発光素子上に蛍光体含有フェニルシリコーン樹脂組成物を滴下し、さらに蛍光体を含有していない当該フェニルシリコーン樹脂組成物を滴下し、150℃で2時間、加熱硬化させた。これにより、光半導体発光素子上に、蛍光体を含有する光変換層が形成された、比較例1の光半導体発光装置101を作製した。
なお、光変換層における黄色蛍光体の含有量は11.3質量%であった。また、得られた光変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置101の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
フェニルシリコーン樹脂の代わりにジメチルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6336、屈折率1.41 A液/B液配合比=1/1)を用いた他は比較例1と同様にして、マトリックス樹脂硬化体の透過率を測定し評価した。結果を下記表1に示す。
[比較例2]
光半導体発光装置の作製において、フェニルシリコーン樹脂に代えてジメチルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6336、屈折率1.41 A液/B液配合比=1/1)7.6g(A液3.8g、B液3.8g)を用いた他は比較例1と同様にして、光半導体発光装置102を作製した。
なお、光変換層における黄色蛍光体の含有量は11.3質量%であった。また、得られた光変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置102の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液103の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、ジルコニア粒子1に代えてジルコニア粒子3を用いた他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液103を作製した。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子3の質量に対して40質量%であり、メトキシ基含有メチルフェニルシリコーンレジンとビニルトリメトキシシランとの質量比は1対1であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液103は透明であった。
光散乱組成物の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1に代えて表面修飾ジルコニア分散液103を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱組成物103を作製した。得られた光散乱組成物103は透明であった。この光散乱組成物103の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物103を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体103を作製した。得られた光散乱複合体103の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物103を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置103を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、比較例3の光半導体発光装置103を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置103の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(表面修飾ジルコニア分散液104の作製)
表面修飾ジルコニア分散液の作製において、アルケニル基含有修飾材料に代えて飽和脂肪酸であるステアリン酸を用いたこと、またビーズミルの撹拌時間を5時間に変更した他は実施例1と同様にして、表面修飾ジルコニア分散液104を作製した。なお、ステアリン酸は飽和脂肪酸であり、そのカルボキシル基はジルコニア粒子との結合に使用されてしまうから、ジルコニア粒子結合後のステアリン酸はアルキル基しか有しておらず、アルケニル基、H−Si基、アルコキシ基のいずれも有していない。
表面修飾材料による表面修飾量は、ジルコニア粒子1の質量に対して40質量%であった。また、得られた表面修飾ジルコニア分散液104は透明であった。
光散乱組成物の作製において、表面修飾ジルコニア分散液1に代えて表面修飾ジルコニア分散液104を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱組成物104を作製した。得られた光散乱組成物104は、やや白濁しており半透明であった。この光散乱組成物104の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光散乱複合体の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物104を用いた他は実施例1と同様にして、光散乱複合体104を作製した。得られた光散乱複合体104の透過率を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物104を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置104を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、比較例4の光半導体発光装置104を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は0.5質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置104の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
(光散乱組成物105の作製)
比較例105の表面修飾シリカ分散液としては、実施例5の表面修飾シリカ分散液をそのまま使用した。
この表面修飾シリカ分散液200gに対して、ジメチルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製 OE−6336、屈折率1.41、A液/B液配合比=1/1)88g(A液44g、B液44g)を加え、撹拌した。その後、混合物から減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾シリカ粒子とジメチルシリコーン樹脂とを含有した光散乱組成物105を得た。得られた光散乱組成物105はほぼ透明であった。この光散乱組成物105の透過率を前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
光半導体発光装置の作製において、光散乱組成物1に代えて光散乱組成物105を用いた他は実施例1と同様にして、光半導体発光装置105を作製した。これにより、光半導体発光素子上に、光散乱粒子と蛍光体とを含むと共に、蛍光体粒子を光半導体発光素子の近傍に存在させた光散乱変換層が形成された、比較例5の光半導体発光装置105を得た。
なお、光散乱変換層における光散乱粒子の含有量は20質量%、黄色蛍光体の含有量は20質量%であった。また、得られた光散乱変換層は外部空気層に対して凸状であった。
得られた光半導体発光装置105の発光スペクトル及び輝度を、前記の通り測定し評価した。結果を下記表1に示す。
11 封止樹脂層
12 光散乱複合体
13 蛍光体粒子
14 光散乱変換層
15 マトリックス材
16 光変換層
17 光散乱層
18 外部空気相界面
Claims (4)
- アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含む、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、マトリックス樹脂組成物と、を含有し、前記光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下である光散乱組成物。
- 請求項1に記載の光散乱組成物を硬化してなる光散乱複合体。
- 前記光散乱粒子の少なくとも一部が会合粒子を形成しており、前記会合粒子を含む粒子の平均二次粒子径が前記平均一次粒子径より大きくかつ1000nm以下である請求項2に記載の光散乱複合体。
- アルケニル基、H−Si基、及びアルコキシ基から選ばれた1つ以上の官能基を有する表面修飾材料によって表面修飾された無機酸化物粒子を含む、平均一次粒子径3nm以上かつ50nm以下の光散乱粒子と、マトリックス樹脂組成物と、を含有し、前記光散乱粒子の含有量が0.01質量%以上かつ10質量%以下である光散乱組成物を硬化してなる光散乱複合体の製造方法であって、当該光散乱組成物の硬化時において、単分散状態の光散乱粒子の少なくとも一部を会合させて、マトリックス樹脂中で会合粒子を形成する光散乱複合体の製造方法。
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