JP2015095383A - 発光装置 - Google Patents

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安寿 稲田
和幸 山江
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和幸 山江
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享 橋谷
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拓 平澤
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Abstract

【課題】光の取り出し効率の高い発光装置を提供する。【解決手段】発光装置は、第1の電極層13、第2の電極層11、および第1の電極層13と第2の電極層11との間に設けられた発光層12を有する発光素子110と、1次元回折素子を有する光取り出し層120とを備える。第1の電極層13は、光透過性を有し、発光層12と光取り出し層120との間に位置している。発光層12における発光分子の電気双極子は、発光層12の厚さ方向に垂直な第1の方向に配向している。1次元回折素子の方向は、前記第1の方向と同一である。【選択図】図1

Description

本願は、発光装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と称する。)として、透明基板の表面に形成された透明電極(陽極)上に、ホール輸送層、有機発光層、電子輸送層、反射電極(陰極)が順に積層されたものが知られている。陽極と陰極との間に電圧を印加することにより、有機発光層から光が発生する。発生した光は、透明電極および透明基板を透過して外部に取り出される。
有機EL素子は、自発光型の素子であること、比較的高い効率の発光特性を有すること、各種の色調で発光可能であることといった特徴を有する。このため、表示装置(例えばフラットパネルディスプレイ)における発光体や、光源(例えば液晶表示装置用のバックライトや照明)への活用が期待されており、一部のものはすでに実用化されている。これらの用途に有機EL素子を応用するために、より高効率・長寿命・高輝度の優れた特性を有する有機EL素子の開発が望まれている。
有機EL素子の効率を支配する要因は、主に、電気−光変換効率、駆動電圧、光取り出し効率の3つである。
電気−光変換効率については、最近のいわゆる燐光材料の登場により、外部量子効率が20%を超えるものが報告されている。この値は、内部量子効率に換算するとほぼ100%に相当すると考えられる。すなわち、電気−光変換効率がほぼ限界値に到達した例が実験的に確認されたといえる。
駆動電圧については、エネルギーギャップに相当する電圧の10〜20%増し程度の電圧で比較的高い輝度の発光を行う素子が得られるようになってきている。言い換えると、駆動電圧の低減による有機EL素子の効率向上の余地はさほど大きくない。
したがって、電気−光変換効率および駆動電圧の2つの要因の改善による有機EL素子の効率の向上はあまり期待できない。
一方、有機EL素子の光取り出し効率は、発光パターンや内部の層構造によって多少変動するが、一般に20〜30%程度であり、改善の余地が大きい。光取り出し効率がこのように低くなる理由として、光が発生する部位およびその周辺部を構成する材料が、高屈折率性および光吸光性などの特性を有することが挙げられる。このため、屈折率の異なる界面での全反射や材料による光の吸収が生じ、発光が観測される外界へ有効に光が伝播できないという問題が発生する。また、発光層が電極に近いために、発光のエネルギーの一部が電極表面における表面プラズモンに吸収され、エネルギーのロスが生じる。これらの結果、有機EL素子では、活用できない光が全発光量の70〜80%を占める。このため、光取り出し効率の向上による有機EL素子の効率向上への期待は、非常に大きい。
このような背景のもと、非特許文献1〜4には、有機EL素子の内部で発生する光のうち水平方向(基板面に平行な方向)に配向した電気双極子(以下、単に「双極子」と呼ぶことがある。)からの放射光を相対的に増やすことによって全反射する光の成分を減らし、かつ金属電極のプラズモンロスを抑制する技術が開示されている。これにより、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。
S. -Y. Kim et al., "Organic Light-Emitting Diodes with 30% External Quantum Efficiency Based on a Horizontally Oriented Emitter," Adv. Funct. Mater. 2013, DOI:10.1002/adfm.201300104 (2013). T. Ogiwara et al., "Efficiency Improvement of Fluorescent Blue Device by Molecular Orientation of Blue Dopant," SID 2013 Digest, pp. 515 (2013). T. D. Schmidt et al., "Non-isotropic Emitter Orientation in Organic Light-Emitting Diodes," SID 2013 Digest, pp. 604 (2013). J. Frischeisen, D. Yokoyama et al., Org. Electron. 12, 809-817 (2011)
しかしながら、上述した従来の技術によっても、光の取り出し効率はまだ低く、さらなる効率の向上が求められる。本願の実施形態は、光の取り出し効率を高めることができる発光装置を提供する。
上記課題を解決するために、本願の実施形態における発光装置は、第1の電極層、第2の電極層、および前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた発光層を有する発光素子と、1次元回折素子を有する光取り出し層とを備える。前記第1の電極層は、光透過性を有し、前記発光層と前記光取り出し層との間に位置している。前記発光層における発光分子の遷移モーメントは、前記発光層の厚さ方向に垂直な第1の方向に配向している。前記1次元回折素子の方向は、前記第1の方向と同一である。
本発明の一態様に係る発光装置によれば、従来よりも光の取り出し効率を高めることができる。
実施の形態1における有機EL素子100の概略構成を示す断面図である。 凹凸構造の一例を模式的に示す図である。 周期的なパターンを有する凹凸構造の例を模式的に示す図である。 2次元的に凹凸構造を有する光取り出し構造を示す図である。 実施の形態1における単位構造の幅(または周期)に対する光取り出し効率の依存性を示すグラフである。 ランダム配向における単位構造の幅(または周期)に対する光取り出し効率の依存性を示すグラフである。 発光層12におけるx方向に配向した双極子の割合と光取り出し効率との関係を計算した結果を示すグラフである。 1次元ランダム構造および1次元周期構造のそれぞれについて、凹凸構造の高さに対する光取り出し効率の依存性を示すグラフである。 (a)、(b)は、y方向の幅がwの単位構造(凹部または凸部)をy方向にランダムに並べた構造(ランダム構造)、およびy方向に同種の単位構造が所定の回数以上連続しないように並べた構造(制限付きランダム構造)をそれぞれ示す上面図である。 凹凸パターンを示す関数をフーリエ変換し、空間周波数成分の分布を抽出した結果を示す図である。 単位構造をy方向にランダムに並べた凹凸構造と、ランダム性に制限を加えて並べた凹凸構造のそれぞれについて、光取り出し効率を計算した結果を示すグラフである。 図9(b)に示す制限されたランダムパターンにさらにy方向に延びるスリットが所定の間隔Wxごとに形成された構造を示す図である。 所定の間隔Wxごとに凹凸の配列がy方向にずれた制限付きランダム構造を示す図である。 所定の間隔Wxごとにy方向に凹凸の配列がずれた周期構造を示す図である。 光取り出し層120の凹凸構造が3段階の高さを有する構成例を示す図である。 実施の形態2における発光装置200を示す断面図である。 凹凸の単位構造をランダムに並べた構成と、ランダム性に制限を加えて並べた構成と、周期的に並べた構成のそれぞれについて、光取り出し効率を計算した結果を示すグラフである。 1次元回折素子の第1の例を示す図である。 1次元回折素子の第2の例を示す図である。 1次元回折素子の第3の例を示す図である。 1次元回折素子の第4の例を示す図である。 1次元回折素子の第5の例を示す図である。 発光層から生じた光がどの層に分布するかを計算した結果を示すグラフである。 発光分子の双極子が基板面(透明基板14の表面)に水平な方向(xy面内の方向)に配向している場合と、垂直な方向(z方向)に配向している場合のそれぞれにおける放射光のイメージを示す図である。 (a)は発光分子の双極子が基板面に対して垂直な方向(z方向)に配向している場合における光の分布を計算した結果を示すグラフであり、(b)は発光分子の双極子が基板面に平行な方向(x方向またはy方向)に配向している場合における光の分布を計算した結果を示すグラフである。 (a)は双極子の向きがx方向である場合における光の放射方向の分布を示す図であり、(b)は双極子の向きがy方向である場合における光の放射方向の分布を示す図であり、(c)は双極子の向きがz方向である場合における光の放射方向の分布を示す図であり、(d)は双極子の向きがxy面内のランダムな方向である場合における光の放射方向の分布を示す図である。 双極子の配向度を測定する測定系の一例を示す図である。 双極子の配向度を測定する測定系の他の例を示す図である。
具体的な実施形態を説明する前に、まず、本開示の基礎となった知見を説明する。
従来の一般的な有機EL素子では、有機発光層の屈折率が1.7〜2.0程度であり、透明基板の屈折率が約1.5であるため、有機発光層と透明基板との界面で全反射が生じる。また、金属電極(反射電極)と発光層との間に積層されるキャリア輸送層の材料として、移動度が十分に高く、かつ信頼性の高いものがないために、キャリア輸送層はあまり厚くできない。よって、金属電極と発光層との間の距離が数10nm〜200nm程度に制約されてしまう。このため、発光のエネルギーの一部が金属電極表面における表面プラズモンポラリトン(以下、単に「表面プラズモン」または「プラズモン」と称することがある。)に吸収され、エネルギーのロスが生じることとなる。
これらのロスを見積もるために、本発明者らは、有機発光層の屈折率が1.8、透明基板の屈折率が1.5の有機EL素子において、発光層から生じた光がどの層に分布するかを計算した。
図19は、この計算結果を示すグラフである。このグラフは、電極と発光点との距離の変化に対して光の分布がどのように変化するかの一例を示している。具体的には、表面プラズモンに吸収される光、有機発光層に留まる光、透明基板に留まる光、および外部の空気層に取り出される光の割合が、電極と発光点との距離に依存してどのように変化するかを示している。図19に示される例では、発光点の位置が電極から約200nm以下の場合、プラズモンによる光のロスが大きいことがわかる。また、屈折率が異なる2つの層の界面(空気層と透明基板との界面、および透明基板と有機発光層との界面)における全反射によって有機発光層や透明基板に光が閉じ込められていることがわかる。素子外部(空気)へ出て行く光の割合が発光点の位置によって変化するのは、発光する際に電極から反射された光と発光点から直接出て行く光との干渉の効果が発光点の位置によって異なるからである。
これらのロスを低減するために、有機発光層の内部で発生する光のうち水平方向(発光層の厚さ方向に垂直な方向)に配向する双極子からの放射光を相対的に増やすことが有効である。これにより、全反射成分を減らし、かつ金属電極におけるプラズモンロスを抑制し得るので、光取り出し効率を高めることができる。たとえば非特許文献1に記載されているように、水平方向に双極子が配向する発光分子を用いることによって効率を高める方法がある。具体的には、発光層の材料として、TCTA:B3PYMPM:Ir(ppy)2(acac)を採用することで発光分子の双極子が水平方向に配向した素子を作成でき、光取り出し効率が高められることが開示されている。ここで「分子の双極子がある方向に配向している」とは、有機EL素子の発光層で発生する電気双極子(遷移モーメント)の振動方向がその方向に偏在していることを意味する。通常の有機EL素子では、水平方向および垂直方向(発光層の厚さ方向)に振動する双極子が偏在することなくほぼ均等に出現する(この状態を「ランダム配向」と表現する)。すなわち、全体的に分子の双極子が水平方向に配向しているということは、水平方向に振動する電気双極子からの放射光が垂直方向に振動する電気双極子からの放射光よりも多く存在する(たとえば存在比が2:1、3:1になる)ことを意味している。非特許文献1では、双極子の振動方向を水平方向に配向させることにより、通常のランダム配向に比べて光取り出し効率が向上することを実験(約30%の光取り出し効率)およびシミュレーション(水平配向率100%で最大46%の光取り出し効率)で示している。なお、ランダム配向の場合は光取り出し効率がおおむね20〜30%になる。非特許文献1によれば、仮にすべての双極子の振動方向が水平方向になった場合、光取り出し効率は40〜50%に改善する。これは、水平方向に振動する双極子から放射される光については、屈折率の異なる2つの層の界面に比較的小さい入射角度で入射する光、すなわち、全反射が起こらない方向に放射される光が相対的に多いためである。逆に、垂直方向に振動する双極子から放射される光は入射角度の大きい光が多く、ほとんどの光が屈折率界面で全反射する。
図20は、発光分子の双極子が透明基板14の表面に平行な任意の方向に配向している場合と、垂直な方向(z方向)に配向している場合のそれぞれにおける放射光のイメージを示す図である。図示される有機EL素子(発光装置)では、透明基板14、透明電極13、有機発光層12、および反射電極11が順に積層されている。図20に示されるように、水平方向に配向する電気双極子から放射される光の多くは、相対的に小さい入射角で透明電極13に入射する。一方、垂直方向に配向する電気双極子から放射される光は、相対的に大きい入射角で透明電極13に入射する。反射電極11が金属の場合、主に垂直方向に配向する双極子から放射される光が表面プラズモンと結合するため、光のロスが生じる。これに対し、水平配向の双極子から放射される光は表面プラズモンとあまり結合しないため、光のロスは少ない。
このような分子配向の効果を見積もるため、本発明者らは、発光分子の双極子が基板面に対して垂直な方向(z方向)に配向している場合と、水平な方向(xy面内の方向)に配向している場合のそれぞれについて、光の分布を計算した。
図21(a)、(b)は、この計算結果を示すグラフである。図21(a)に示されるように、分子の双極子がz方向に配向している場合、プラズモンと結合する光の割合が著しく高いことがわかる。これは、z方向に配向した双極子から放射される光の振動方向は、電極表面における縦波であるプラズモンの振動方向と一致するためである。一方、図21(b)に示されるように、分子の双極子がx方向(あるいはy方向)を向いている場合、プラズモンと結合する光の割合は比較的小さい。これは、水平方向に配向した双極子から放射される光の振動方向がプラズモンの振動方向と一致しないためである。
図21の計算結果について、もう一つ特筆すべき点は、分子の双極子がx方向(あるいはy方向)を向いている場合、空気へ出て行く光の割合が、分子の双極子がz方向を向いている場合よりも大きいことである。これは、光の放射方向の偏りが、発光分子の双極子の配向の偏りに起因して生じるためである。
図22は、双極子の向きと、光の放射方向との関係を計算した結果を示している。図22では、放射方向に対する光の強度を、発光点を原点、z方向を基準としたときのx方向への角度を横軸、z方向を基準としたときのy方向への角度を縦軸とする座標で表示している。図中において、色が濃いほど光強度が高いことを示している。図22(a)、(b)、(d)に示されるように、双極子の向きが水平方向(x方向、y方向、またはx成分とy成分とが混在した方向)の場合は、比較的小さい入射角度で界面に入射する光が多く放射されることがわかる。一方、図22(c)に示されるように、双極子がz方向に配向している場合は、界面への入射角度が大きくなる方向(図中の周辺部)へ強く光が出ていることがわかる。よって、入射角度が小さくなる方向へ多くの光が出る水平配向の双極子の方が、臨界角を超えて界面に入射する光が少ないため、全反射による光のロスが少ない。
以上のように、分子の双極子を水平方向に配向するように制御することにより、表面プラズモンによる光のロスを低減でき、かつ全反射ロスを減らすことができる。しかしながら、図21(b)に示されているように、双極子を水平方向に配向したとしても、依然として、透明基板や有機発光層に多くの光が閉じ込められていることがわかる。このような光を外部に取り出すためには、例えば散乱構造や光学構造を組み合わせることが考えられる。しかしながら、分子の双極子が水平方向に配向している場合は、光の放射パターンが従来とは異なるため、従来の散乱構造や光学構造を組み合わせることが有効であるとは限らない。
そこで、本願の実施形態では、発光分子の双極子が水平方向のある1方向に偏っている場合において有効な光取り出し構造が用いられる。これにより、有機EL素子の光取り出し効率を向上させることができる。
本願の実施形態の概要は以下のとおりである。
本願の一態様における発光装置は、第1の電極層、第2の電極層、および前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた発光層を有する発光素子と、1次元回折素子を有する光取り出し層とを備える。前記第1の電極層は、光透過性を有し、前記発光層と前記光取り出し層との間に位置している。前記発光層における発光分子の遷移モーメントは、前記発光層の厚さ方向に垂直な第1の方向に配向しており、前記1次元回折素子の方向は、前記第1の方向と同一である。
ある実施形態において、前記1次元回折素子は、前記第1の方向に光路長が変化せず、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に光路長が変化する構造を有している。
ある実施形態において、前記発光分子の前記電気双極子の前記第1の方向における配向度は、55%以上である。
ある実施形態において、前記光取り出し層は、相対的に屈折率の低い低屈折率層と、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層とを有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層との界面は、前記第1の方向に平坦で、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に凹凸形状を有している。
ある実施形態において、前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向にランダムに配列された構造を有している。
ある実施形態において、前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に配列された構造を有し、前記複数の凹部および前記複数の凸部からなる凹凸パターンの前記第2の方向における空間周波数成分のうち、1/(2w)よりも小さい成分が、前記複数の凹部および前記複数の凸部をランダムに並べた場合と比較して抑制されている。
ある実施形態において、前記凹凸パターンは、予め定められた個数以上の凹部または凸部が前記第2の方向に連続しないように構成されている。
ある実施形態において、前記発光層から生じる光の平均波長をλとするとき、w<3.7λを満足する。
ある実施形態において、前記発光層から生じる光の平均波長をλとするとき、w<5.6λを満足する。
ある実施形態において、前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に周期的に配列された構造を有している。
ある実施形態において、前記発光層から生じる光の平均波長をλ、前記複数の凹部および前記複数の凸部の配列の周期をp、前記光取り出し層の光出射側の物質の屈折率をnとするとき、0.37λ/n<p<11λ/nを満足する。
ある実施形態において、透光性基板をさらに備え、前記光取り出し層は、前記第1の電極層と前記透光性基板との間に形成されている。
ある実施形態において、透光性基板をさらに備え、前記光取り出し層は、前記透光性基板における前記発光素子とは反対側の表面に設けられている。
ある実施形態において、前記1次元回折素子を第1の1次元回折素子とし、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な方向を第2の方向とするとき、前記光取り出し層は、前記第1の方向において前記第1の1次元回折素子に隣接する第2の1次元回折素子を有し、前記第1の1次元回折素子および前記第2の1次元回折素子は、前記第2の方向にずれて配置され、前記第1の1次元回折素子および前記第2の1次元回折素子の前記第1の方向における長さは、前記発光層から生じる光の平均波長λの5倍以上である。
(実施の形態)
以下、本願のより具体的な実施の形態を説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施の形態における有機EL素子(発光装置)100の概略構成を示す断面図である。本実施の形態の有機EL素子100は、発光素子110と、発光素子110を支持する透明基板14と、発光素子110から生じ、透明基板14を透過した光を効率よく取り出す光取り出し層120とを備える。発光素子110は、光反射性を有する反射電極11と、光透過性を有する透明電極13と、これらの間に形成された有機発光層12とを有している。光取り出し層120は、透明基板14の表面に設けられている。図1に示されるように、反射電極11、有機発光層12、透明電極13、透明基板14、光取り出し層120は、この順に積層されている。有機発光層12に含まれる発光分子の電気双極子の方向は、有機発光層12の面と水平なある1方向(以下の説明ではx方向とする。)に偏っている。また、光取り出し層120は、y方向には厚さが変化するが、x方向には厚さが変化せず一様である1次元回折素子を有している。
本明細書における「1次元回折素子」は、光路長が相対的に長い第1の部分(「凸部」と呼ぶ。)と光路長が相対的に短い第2の部分(「凹部」と呼ぶ。)との間隔が一定である一般的な回折格子に限定されず、凸部と凹部との間隔が一定ではない回折素子も含む。また、必ずしも物理的な凹凸形状を有している必要はなく、屈折率差を利用して光の回折を生じさせるように構成されていればよい。1次元回折素子の方向は、有機発光層12における発光分子の電気双極子の方向と同一である。ここで「1次元回折素子の方向」とは、1次元回折素子を構成する個々の単位構造(本実施形態では複数の凹部および凸部の各々)における長手方向を意味する。「1次元回折素子の方向が発光分子の電気双極子の方向と同一」とは、両者が厳密に同一である場合のみならず、実質的に同一と認められる範囲内において角度を有していてもよい。本明細書において、これらの2つの方向のなす角度の絶対値が15度よりも小さければ、両者の方向は同一であるものとする。1次元回折素子を用いることにより、臨界角を超えた入射角度で入射した光の一部を外部に取り出すことができる。
反射電極11は、発光層12に電子を注入するための電極(陰極)である。反射電極11と透明電極13との間に所定の電圧が印加されると、反射電極11から発光層12へ電子が注入される。反射電極11の材料としては、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)や、これらを主成分とした合金などを用いることができる。これらの金属を組み合わせて積層することによって反射電極11を構成してもよい。また、これらの金属に接するように酸化インジウム錫(ITO)やPEDOT:PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの透明導電性材料を積層させることによって反射電極11を構成してもよい。
透明電極13は、発光層12にホールを注入するための電極(陽極)である。透明電極13は、仕事関数の比較的大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物などの材料から構成され得る。透明電極13の材料としては、例えばITO、酸化錫、酸化亜鉛、IZO(登録商標)、ヨウ化銅などの無機化合物、PEDOT、ポリアニリンなどの導電性高分子、任意のアクセプタなどでドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。
透明電極13は、透明基板14上に、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法などによって薄膜として形成することができる。透明電極13のシート抵抗は、例えば数百Ω/□以下に設定され、ある例では100Ω/□以下に設定され得る。透明電極13の膜厚は、例えば500nm以下であり、ある例では10−200nmの範囲で設定され得る。透明電極13を薄くするほど光の透過率が向上するが、シート抵抗が膜厚に反比例して増加するため、シート抵抗が増加する。その結果、有機ELの大面積化の際に、高電圧化の問題や、電圧降下による電流密度の不均一化に伴う輝度の不均一化の問題が発生し得る。このトレードオフを回避するため、メタルなどの補助配線(グリッド)を透明電極13上に形成してもよい。補助配線の材料としては導電性に優れたものが使用され得る。例えば、Ag,Cu,Au,Al,Rh,Ru,Ni,Mo,Cr,Pdやこれらの合金(AlMo、AgPdCuなど)や金属積層(MoAlMo)を用いることができる。この際、メタルグリッドが遮光材料として働かないように、グリッド部に電流が流れるのを防ぐ絶縁処理を施してもよい。また、拡散した光がグリッドに吸収されることを防ぐため、反射率の高い金属をグリッドに用いてもよい。本実施形態では、透明電極13を陽極、反射電極11を陰極としているが、これらの電極の極性は逆であってもよい。
発光層12は、透明電極13および反射電極11から注入される電子およびホールの再結合によって光を発生する材料から形成される。発光層12は、例えば、低分子または高分子の発光材料で、電気双極子の方向を特定の方向に配向させることが可能な任意の材料および工法によって形成され得る。例えば、低分子系の材料としてTCTA:B3PYMAPM:Ir(ppy)2(acac)のような材料を用いたり、蒸着プロセスを工夫したりすることによって発光分子の電気双極子がx方向に配向した膜を形成してもよい。また、高分子系の材料の場合は、塗布する方向や、塗布した後に基板を延伸することにより、発光分子の電気双極子の向きを一方向に揃えてもよい。さらに、分子の配向に異方性がある材料によって形成された基板上に発光分子の膜を形成することによって分子の方向を制御してもよい。
分子が特定の方向に配向していることは、屈折率の異方性を測定することによって確認できる。例えば、x方向に分子が配向している場合は、x方向の屈折率nxは、y方向やz方向の屈折率とは異なる。したがって、分光エリプソメトリーなどの方法を用いてx方向の屈折率nxが、y方向の屈折率nyおよびz方向の屈折率nzとは異なることを確認することによってx方向に双極子が配向していることを確認できる。さらに別の方法として、発光パターンや偏光を観測することでも、双極子がx方向に配向したかどうかを確認できる。例えば、xy面内の方向に配向した双極子から放射される光は、75%がs偏光(電場成分が入射面に垂直な偏光)、25%がp偏光(電場成分が入射面に平行な偏光)であるため、偏光状態の測定によって双極子の配向を確認できる。また、x方向の双極子とy方向の双極子とでは光の放射パターンが異なるため、放射パターンを観測することでも、双極子がx方向に配向しているかどうかを確認することができる。
後述するように、発光層においてx方向に配向した双極子の割合が約55%以上であれば、高い光取り出し効果を得ることができる。以下、このような配向度を測定する具体的な方法の一例を説明する。
図23Aに測定系の模式図を示す。光取り出し層120が設けられていない発光装置の発光強度の入射角度依存性の測定結果をシミュレーション結果と比較することにより、配向度を調べることができる。シミュレーションの方法としては、例えば、転送行列法によって計算することができる。このような計算は、例えば、CYBERNET社のsetfos等を用いて行うことができる。
また、図23Bに示すように、発光装置の透明基板14の表面に十分大きな半球レンズ19を配置して、発光強度の入射角度依存性を測定しても良い。このような配置にすれば、基板表面での全反射を防ぐことができ、基板内の光の分布を測定することができる。この結果を、上記と同様にシミュレーション結果と比較しても良い。
図1には示されていないが、発光層12の両側には、電子輸送層およびホール輸送層が設けられていてもよい。電子輸送層は反射電極11(陰極)側に配置され、ホール輸送層は透明電極13(陽極)側に配置される。なお、反射電極11を陽極とする場合には、電子輸送層は透明電極13側に配置され、ホール輸送層は反射電極11側に配置される。
電子輸送層は、電子輸送性を有する化合物の群から適宜選定することができる。この種の化合物としては、例えば、電子輸送性材料として知られるAlq3のような金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、またはオキサジアゾール誘導体等のヘテロ環を有する化合物などが挙げられる。但し、これらの材料に限定されるものではなく、一般に知られる任意の電子輸送性材料を用いることが可能である。
ホール輸送層は、正孔輸送性を有する化合物の群から適宜選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、またはTNBなどを代表例とするトリアリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができる。但し、これらの材料に限定されるものではなく、一般に知られる任意の正孔輸送性材料を用いることができる。このように、反射電極11と透明電極13との間には、発光層12以外にも、電子輸送層やホール輸送層等の他の層が設けられ得る。以下の説明では、反射電極11と透明電極13との間の層全体をまとめて「有機EL層」と呼ぶことがある。
有機EL層の構造は、上述の例に限らず、種々の構造を採用することができる。例えば、ホール輸送層と発光層12との積層構造や、発光層12と電子輸送層との積層構造を採用してもよい。陽極とホール輸送層との間にホール注入層を介在させてもよいし、陰極と電子輸送層との間に電子注入層を介在させてもよい。また、発光層12は、単層構造に限らず、多層構造を有していてもよい。例えば、所望の発光色が白色である場合には、発光層12中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよい。青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。さらに、陽極と陰極とで挟んで電圧を印加すれば発光する素子からなる層を1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層した構造(電気的に直列接続されたマルチユニット構造)を採用してもよい。
透明基板14は、透明電極13、発光層12、反射電極11を支持するための部材である。透明基板14の材料としては、例えばガラスや樹脂等の透明材料を用いることができる。透明基板14の屈折率は、例えば1.45〜1.65程度であるが、屈折率が1.65以上の高屈折率基板を用いてもよいし、屈折率が1.45よりも小さい低屈折率基板を用いてもよい。
光取り出し層120は、透明基板14の表面に接するように設けられた透光性の層である。光取り出し層120は、基材とその表面の凹凸構造を有している。凹凸構造は、例えばy方向には凹部と凸部とがランダムに並び、x方向には平坦である1次元回折素子を構成している。基材および凹凸構造は、透明基板14と同程度の屈折率の材質から構成され得る。基材および凹凸構造の材質は同じでもよいし、異なっていてもよい。
図2は、本実施形態における凹凸構造の一例を模式的に示す図である。この凹凸構造は、y方向の一辺の長さ(幅)wの直方体形状の単位構造(高低差hの凹部または凸部)をy方向にランダムに並べたものに相当する。すなわち、各々がwの自然数倍の幅をもつ凹部および凸部がy方向に配列された構造を有している。このような凹凸構造を設けることにより、入射光を回折させることができる。なお、後述するように、凹凸構造のパターンを完全にランダムにするのではなく、y方向について同じ種類の単位構造が連続して所定回数以上出現しないように、ランダム性を抑制した構造を採用してもよい。また、凹凸構造のパターンとして、図3に示されるような周期的なパターンを採用してもよい。周期的なパターンでは、y方向に凹凸構造が周期的に並ぶ。以下の説明では、この周期をp(=2w)とする。これらの各構成を採用した場合の光取り出し効率については後述する。
発光層12で発生した光の一部は、透明基板14を経て、光取り出し層120に入射する。このとき、臨界角を超える入射角で入射した光は、本来全反射するが、光取り出し層120の回折作用により、その一部は空気層の側に取り出される。空気層の屈折率は、約1.0である。光取り出し層120によって取り出されなかった光は、反射により、角度を変えて発光層12の方に向かうが、その後反射電極11で反射するため、再度光取り出し層120に入射する。一方、発光層12で発生した光の一部は、電極11で反射した後、透明基板14を透過して光取り出し層120に入射する。このように、光取り出し層120を設けることにより、多重反射を繰り返しながら光を外部に取り出すことができる。
なお、光が取り出されるまでに材料による光の吸収が生じると効率の低下を招くため、本実施形態における反射電極11、発光層12、透明電極13には光吸収性の低い材料が用いられ得る。
[2.各構成要素の詳細および分析]
以下、有機EL素子100の各構成要素の詳細および本実施形態の構成に至るまでの分析結果を説明する。
[2−1.有機発光層12における発光の分析]
有機発光層12に含まれる発光分子の双極子の方向は、有機発光層12の面と水平なある方向(x方向)に偏っている。このような場合の分子からの発光パターンは、図22を参照して説明したとおりである。図22(a)に示されるように、双極子の向きがx方向である発光分子からは、角度の浅い正面方向にy方向を中心に多くの光が出ていることがわかる。また、このとき分子からの発光はx方向に偏光している。
[2−2.光取り出し層120の分析]
発光層12で発生した光は、透明基板14を通過した後、光取り出し層120に到達する。光取り出し層120は、透明基板14を直接加工することによって形成してもよいが、光取り出し構造が設けられたフィルムを貼ることによって形成することもできる。
本発明者らは、光取り出し層120の例として、まず、図2に示すようなy方向にはランダムな凹凸状であるが、x方向には平坦である1次元回折素子による光取り出し形状を検討した。また、図3に示すようなy方向には周期的な凹凸であるが、x方向には平坦である1次元回折素子による光取り出し形状に関しても検討した。このような構成にすることで、x方向に傾いて入射する光に対しては凹凸構造がない場合と同程度の効果しか得られないが、y方向に傾いて入射する光に対しては、2次元的に凹凸がある場合(図4)よりも高い取り出し効率が得られることが期待できる。よって、発光分子の双極子がx方向に配向している場合において、y方向に凹凸を有する1次元回折素子を組み合わせることにより、高い光取り出し効率が得られると考えられる。また、y方向に凹凸を有する1次元回折素子により、x方向に配向した双極子から偏光発光した光の偏光状態を維持したまま、光を取り出すことができるため、偏光発光する有機EL素子を提供することもできる。これにより、偏光発光する面光源が実現し、液晶用のバックライトや偏光照明などに応用することができる。
[2−3.発光装置の分析]
これらの光取り出し構造の全反射抑制効果を検証するために、図2、図3に示す各構造の光透過率を計算し、図22の発光パターンと組み合わせたときの光取り出し効率の計算を行った。図5は、その計算結果を示している。ここで、光取り出し層120の屈折率は1.5、凹凸構造の厚さhは0.6μmとし、波長540nmの光について、各単位構造のy方向における幅w(周期構造の場合は周期p)を様々に変えて光取り出し効率を計算した。図5において、図2に示す構造を用いた場合の結果を「1D random」、図3に示す構造を用いた場合の結果を「1D periodic」と表している。本計算では、比較のため、図4に示すような2次元の周期的な凹凸構造を光取り出し層120の代わりに用いた場合(2D Periodic)、および光取り出し構造を設けなかった場合(flat)についても同様の計算を行った。
図5の結果が示すように、光取り出し構造がないフラットな場合と比較して、2次元の回折格子を用いた場合の光取り出し効率の改善効果はほとんどない。これに対して、1次元のランダム構造や1次元の周期構造を用いた場合、光取り出し効率の改善効果が大きいことがわかる。特に、1次元のランダム構造の場合、単位構造の幅が約2μmよりも小さい場合にフラットな構成を用いた場合よりも効果が高い。1次元の周期構造の場合は、周期が約200nm〜6μmの場合にフラットな構成を用いた場合よりも効果が大きい。
1次元の周期構造の場合、波長によって光の回折角度が異なるので、入射する光の分布によっては、見る角度によって色が異なる色むらが発生する場合がある。よって、白色の発光装置に関しては、1次元のランダム構造の方が色むらの影響を抑えることができる。
本発明者らは、さらに、発光分子の双極子がx方向に配向していることの有効性を検証するために、発光分子の双極子の方向がランダムである場合の光取り出し効率を計算した。
図6は、この計算結果を示すグラフである。図6に示されるように、発光分子の双極子の方向がランダムである場合、2次元の凹凸構造を用いた場合の方が光取り出し効率が高く、1次元の光取り出し構造を用いた場合、光取り出し効率の改善効果が小さい。しかしながら、図5の結果と比較すると、双極子がx方向に配向した発光層に光取り出し構造を組み合わせた方がはるかに取り出し効率が高いことがわかる。
本発明者らはまた、x方向に配向した双極子の割合に応じて光取り出し効率がどのように変化するかを分析した。
図7は、発光層12におけるx方向に配向した双極子の割合と光取り出し効率との関係を計算した結果を示している。ここでは、w=0.6μmの1次元ランダム構造、周期2μmの1次元周期構造、および周期0.6μmの2次元周期構造を用いた場合のそれぞれについて計算を行った。図7に示されるように、発光層においてx方向に配向した双極子の割合が約55%以上のときに、2次元周期構造を用いた場合よりも1次元ランダム構造または1次元周期構造を用いた場合の方が効率が高くなることがわかった。
[3.凹凸構造の変形例]
[3−1.凹凸構造の高さ]
本発明者らは、さらに、1次元凹凸構造の高さ(凹部と凸部との高低差)に対する光取り出し効率の依存性を計算によって求めた。なお、計算はCYBERNET社のDiffractModを用いて行った。
図8は、1次元ランダム構造および1次元周期構造のそれぞれについて、凹凸構造の高さに対する光取り出し効率の依存性を示している。本計算において、1次元ランダム構造では単位構造の幅wを0.6μm、1次元周期構造では周期を2μmとして計算した。図8に示すように、本計算の条件では、高さが0.5μm〜1.5μmの範囲にあるとき、光取り出し効率が特に高くなることがわかった。
[3−2.凹凸パターンの変形例1]
続いて、凹凸構造の変形例を説明する。本実施形態の光取り出し層120は、前述のように、図2、図3に示されている構造に限らず、多様な構造を採用し得る。例えば、凹凸構造のランダム性を制限した構造を採用し得る。ここで、「ランダム性を制限した構造」とは、完全にランダムな構造ではなく、1つの方向について同じ種類の単位構造が連続して所定回数以上出現しないようにランダム性が抑制された構造を意味する。以下、図9を参照しながら、凹凸構造のランダム性の考え方を説明する。
図9(a)、図9(b)は、y方向の幅がwの単位構造(凹部または凸部)をy方向にランダムに並べた構造(ランダム構造)、およびy方向に同種の単位構造が所定の回数以上連続しないように並べた構造(制限付きランダム構造)をそれぞれ示す上面図である。幅wの単位構造をランダムに並べた場合と、ランダム性に制限を加えて並べた場合とでは、図9に示すように、生成されるパターンが異なる。図9(b)では、一例として、幅wの単位構造が連続して3回以上並ばないような制約下で、単位構造をランダムにy方向に並べている。
これらの構造を分析するために、凹凸パターンを、2値の値(例えば、凹部を−1、凸部を1とする2値の値)をもつy座標の関数と考え、その関数をフーリエ変換し、空間周波数成分の分布を抽出した。図10はその結果を示している。図10のグラフでは、空間周波数の逆数をwで規格化した値を横軸にとっている。図10に示される分布は、構造の典型的な大きさの分布と解釈できる。両構造とも幅wの単位構造を並べているため、wよりも小さい成分は存在しない。ランダムに並べたパターンは、大きな構造の成分(低周波成分)をより多く含んでいる一方で、制限付きランダムパターンは成分のピークが2w〜3w付近にあり、これよりも大きい成分が、ランダムに並べたパターンに比べて抑制されていると考えることができる。言い換えれば、1/(2w)よりも小さい空間周波数の成分が、ランダムに並べたパターンに比べて抑制されている。特に、1/(10w)よりも小さい空間周波数の成分が著しく抑制されている。大きな構造の成分は光取り出し効率の向上に寄与しないので、完全にランダムなパターンを用いた場合よりも制限付きランダムパターンを用いた方がより高い取り出し効率が得られると考えられる。
このような効果を検証するために、本発明者らは、単位構造をy方向にランダムに並べた凹凸構造と、ランダム性に制限を加えて並べた凹凸構造のそれぞれについて、光取り出し効率を計算した。図11は、この計算の結果を示すグラフである。図11に示されるように、制限付きランダムパターンを用いた場合の方が完全なランダムパターンを用いた場合よりも高い光取り出し効率が得られていることがわかる。
[3−3.凹凸パターンの変形例2]
光取り出し層120は、また、図12〜図14に示される構造を有していてもよい。図12は、図9(b)に示す制限されたランダムパターンにさらにy方向に延びるスリットが所定の間隔Wxごとに形成された構造を示している。図13は、所定の間隔Wxごとに凹凸の配列がy方向にずれた制限付きランダム構造を示している。図14は、所定の間隔Wxごとにy方向に凹凸の配列がずれた周期構造を示している。
1次元の凹凸構造を無機材料を用いて作製する方法として、一般的には切削や半導体プロセスといった方法があるが、このようにして作製すると比較的コストが高くなる。一方、ナノインプリントを利用すると、凹凸構造を有するシートを低コストで作製することができる。しかしながら、1次元の構造をナノインプリントで作製することを考えると、インプリント時に樹脂の流れがx方向のみに制限されてしまうので、樹脂がモールドに充填されず空気が混入してしまい、その部分のパターンが転写されない。また、余った樹脂が残留してしまい、残膜の厚さにむらができてしまう課題もある。この残膜の厚さのむらがμmのオーダーである場合、光の干渉が生じるため、むらが外部から見えてしまう。このため、残膜の厚さにむらができることは好ましくない。
このようなことを防ぐために、図12に示すように、光取り出し効率に影響のないピッチでy方向にスリットを入れた構成を採用してもよい。このような構成を採用することにより、インプリント時に余った樹脂がy方向にも流れることが可能になり、残膜の厚さが比較的均一になる。一般的に、波長の5倍を超える程度のサイズの構造については、ほとんど回折の効果が無視できる。このため、波長の5倍以上の間隔でy方向にスリットを入れても光取り出し効率にはほとんど影響しない。このようなスリットは周期的に設けてもよいし、ランダムに設けてもよい。
他にも、インプリント時に余った残膜の厚さを均一にするための構成として、図13または図14のような構成を採用してもよい。これらは、ある間隔Wxでy方向の位置ずれを導入することによって生成される凹凸パターンである。このような構成であれば、面内で凹凸が比較的均一に存在することになるので、残膜の厚さを比較的均一にすることができると考えられる。このような位置ずれを波長の5倍以上の間隔で導入すれば、光取り出し効率にはほとんど影響しない。このような位置ずれは周期的に導入してもよいし、ランダムに導入してもよい。
図12〜14に示す構造は、複数の1次元回折素子がx方向に配列された構造であると考えることができる。図12に示す構造では、複数の1次元回折素子のy方向における位置はずれておらず、図13、図14に示す構造では、複数の1次元回折素子のy方向における位置はずれている。言い換えれば、図13、図14に示す光取り出し層は、x方向において第1の1次元回折素子に隣接する第2の1次元回折素子を有し、第1の1次元回折素子および第2の1次元回折素子は、y方向にずれて配置されている。第1の1次元回折素子および第2の1次元回折素子のx方向における長さWxは、例えば発光層12から生じる光の平均波長λの5倍以上に設定され得る。
なお、本明細書において「平均波長」とは、発光スペクトルにおいて、その波長よりも長い波長の光の強度和と、その波長よりも短い波長の光の強度和とが等しくなる波長として定義される。
[3−4.凹凸パターンの変形例3]
光取り出し層120の凹凸構造の高低差(高さ)は、2段階である必要はなく、3段階以上であってもよい。図15は、光取り出し層120の凹凸構造が3段階の高さを有する構成例を示す発光装置100の断面図である。凹凸構造では、凸部を通過する光の位相と凹部を通過する光の位相との間に差が生じる。この効果は、高さが3段階以上の凹凸構造であっても同様に生じる。この場合、透過した光の平均位相差は、複数の単位構造の平均高さで決定される。従って、この場合においても、透過した光に十分な平均位相差を与えられるので、光取り出し効率を向上させることができる。ここで、凹凸構造の高さは、予め定めたいくつかの高さから選択された構成に限らず、ランダムに定めてもよい。
各々の断面形状における角の部分をアール状に構成することもできる。実際、切削加工および半導体プロセス等によりミクロンオーダーの構造を加工する際、角の部分がアール状に加工される場合がある、或いは、段差の部分が斜面状に加工される場合がある。凹凸構造を加工する際に、これらの要因が生じた場合であっても、上述したランダムパターンの性質が失われない限り、角の部分がアール状に加工された構造であってもよい。
(実施の形態2)
図16は、実施の形態2に係る発光装置200を示す断面図である。図16に示すように、本実施の形態の発光装置200では、光取り出し層120が透明基板14と透明電極13との間に設けられている。光取り出し層120は、相対的に低い屈折率の材料からなる低屈折率層121と、相対的に高い屈折率の材料からなる高屈折率層122とを有する。低屈折率層121は透明基板14に接するように形成され、高屈折率層122は低屈折率層に接するように形成されている。低屈折率層と高屈折率層の界面は、実施の形態1で示したものと同様の1次元の凹凸構造を有し、「1次元回折素子」を構成している。
低屈折率層121の屈折率は、例えば1.3〜1.65であり、高屈折率層122の屈折率は、低屈折率層121の屈折率よりも高く、発光層12の材料の屈折率と同等以上であり得る。低屈折率層121の材料としては、例えばガラスや樹脂やポーラス材料を用いることができる。高屈折率層122の材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)、TiO2(酸化チタン)、SiN(窒化シリコン)、Ta25(五酸化タンタル)、ZrO2(ジルコニア)および樹脂等を用いることができる。
透明基板14と有機発光層12との間に光取り出し層120を設けることにより、光が有機発光層12から透明基板14へと伝播する際の全反射ロスを低減することができ、光取り出し効率を高めることができる。
本実施形態における光取り出し効率向上の効果を検証するために、本発明者らは、凹凸の単位構造をランダムに並べた構成と、ランダム性に制限を加えて並べた構成と、周期的に並べた構成のそれぞれについて、光取り出し効率を計算した。
図17は、その計算結果を示すグラフである。ここで、凹凸構造の厚さhを0.6μm、発光波長を540nm、有機発光層12および高屈折率層122の屈折率を1.8、低屈折率層121および透明基板14の屈折率を1.5とした。そして、各単位構造のy方向における幅w(周期構造の場合は周期p)を様々に変えて有機発光層12から透明基板14へと透過する光の取り出し効率を計算した。図17において、凹凸の単位構造をランダムに並べた場合の結果を「1D random」、ランダム性に制限を加えて並べた場合の結果を「1D restricted random」、周期的に並べた場合の結果を「1D periodic」と表している。本計算でも、図5に示す計算と同様、比較のため、図4に示すような2次元の周期的な凹凸構造を用いた場合(2D periodic)、および光取り出し構造を設けなかった場合(flat)についても同様の計算を行った。
図17の結果が示すように、光取り出し構造がないフラットな構成を採用した場合と比較して、2次元の回折格子を用いた場合の光取り出し効率の改善効果はほとんどない。これに対し、1次元の構造を用いた場合、光取り出し効率の改善効果が大きいことがわかる。特に、1次元のランダム構造や1次元の制限されたランダム構造では、単位構造の幅wが約2〜3μm以下であれば、光取り出し構造がない場合よりも光取り出し効率が高くなる。また、単純なランダム構造よりも制限されたランダム構造の方が高い光取り出し効率が得られた。1次元周期構造を採用する場合は、周期が約100nm〜約4μmであれば比較的光取り出し効率が高くなることがわかる。
以上の結果を実施の形態1における結果と比較すると、光取り出し層120における単位構造の好ましい幅(w)または周期(p)は、以下の表1のようにまとめられる。
Figure 2015095383
ランダム構造は、様々な大きさの構造成分(凹部または凸部)を有しているため、光が入射する前後の物質の屈折率の影響をあまり受けない。一方、周期的な回折格子は、光が入射する前後の物質(特に出射側)の屈折率によって回折角度が変化するため、高い光取り出し効率が得られる周期の範囲もこれらの物質の屈折率によって変化する。光取り出し層120の位置が、透明基板14(屈折率:約1.5と空気(屈折率:約1.0)との間に設けられているときと、発光層12(屈折率:約1.8)と空気(屈折率:約1.5)との間に設けられているときとで、好ましい周期の範囲がおよそ1.5倍変化している。よって、一般化すれば、出射側の屈折率をnとすると、好ましい周期pの範囲は200nm/n〜6μm/nとなる。
さらに、光の取出しは光の回折現象に基づいているので、これらの範囲は波長に比例する。上記の実施形態における計算は全て波長540nmの光について計算を行っている。よって、ランダム構造を採用する場合、平均波長をλとして、w<3.7λ(=2μm/540nm)が望ましく、制限付きランダム構造を採用する場合、w<5.6(≒3μm/540nm)が望ましく、周期構造を採用する場合は0.37λ/n<p<11λ/nが望ましい。
以上の実施形態では、光取り出し層120における凸部および凹部の各々は、単一の材料によって構成されているが、そのような構成に限定されない。光取り出し層120は、相対的に光路長の長い部分(凸部)と、相対的に光路長の短い部分(凹部)とを有し、それらによって光の回折が生じるように構成されていればよい。例えば、相対的に光路長の長い部分、および相対的に光路長の短い部分の少なくとも一方が、屈折率の異なる複数の材料が積層された構造を有していてもよい。そのような構成であっても、2つの領域を通過する光の間に位相差が生じるため、光を回折させることができる。本明細書では、そのような構成も「1次元回折素子」に含まれる。
以下、図18A〜図18Eを参照しながら、1次元回折素子のいくつかの例を説明する。
図18Aは、実施の形態1、2で用いている1次元回折素子と同様の構成を示している。この構成例では、相対的に屈折率の高い高屈折率材料122が凸部を、相対的に屈折率の低い低屈折率材料121が凹部を構成している。実施の形態1のように、光取り出し層120が発光装置の透明基板14の表面に設けられる場合、低屈折率材料121は空気であり得る。
図18Bは、図18Aの構成におけるz方向の位置関係を逆転させた構成例を示している。図18Cは、高屈折率材料122と低屈折率材料121とによって形成される凹凸構造がz方向に二重に形成された構造を示している。このように、高屈折率材料122および低屈折率材料121の位置関係が逆転していたり、凹凸構造が多重形成された構成であっても、回折の効果が得られるため、1次元回折素子として用いることができる。
図18Dは、低屈折率材料121の内部に高屈折率材料122が埋め込まれた構造を示している。図18Eは、逆に、高屈折率材料122の内部に低屈折率材料121が埋め込まれた構造を示している。このような構成においても、回折を生じさせることができるため、1次元回折素子として機能し得る。
以上のように、1次元回折素子は、2つの領域を通過する光の間に位相差を生じさせるように構成されていれば、その構成は任意である。
本開示の発光装置は、例えばフラットパネルディスプレイ、液晶表示装置用バックライト、照明用光源等に適用することができる。また、本開示の光取り出し層は、上記の発光装置に適用することができる。
11 反射電極
12 有機発光層
13 透明電極
14 透明基板
100 実施の形態1の発光装置
110 発光素子
120 光取り出し層
121 低屈折率層(低屈折率材料)
122 高屈折率層(高屈折率材料)
200 実施の形態2の発光装置

Claims (14)

  1. 第1の電極層、第2の電極層、および前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられた発光層を有する発光素子と、
    1次元回折素子を有する光取り出し層と、
    を備え、
    前記第1の電極層は、光透過性を有し、前記発光層と前記光取り出し層との間に位置しており、
    前記発光層における発光分子の遷移モーメントは、前記発光層の厚さ方向に垂直な第1の方向に配向しており、 前記1次元回折素子の方向は、前記第1の方向と同一である、
    発光装置。
  2. 前記1次元回折素子は、前記第1の方向に光路長が変化せず、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に光路長が変化する構造を有している、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光分子の前記電気双極子の前記第1の方向における配向度は、55%以上である、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記光取り出し層は、相対的に屈折率の低い低屈折率層と、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層とを有し、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層との界面は、前記第1の方向に平坦で、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に凹凸形状を有している、
    請求項1から3のいずれかに記載の発光装置。
  5. 前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向にランダムに配列された構造を有している、請求項1から4のいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に配列された構造を有し、
    前記複数の凹部および前記複数の凸部からなる凹凸パターンの前記第2の方向における空間周波数成分のうち、1/(2w)よりも小さい成分が、前記複数の凹部および前記複数の凸部をランダムに並べた場合と比較して抑制されている、
    請求項1から4のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記凹凸パターンは、予め定められた個数以上の凹部または凸部が前記第2の方向に連続しないように構成されている、請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記発光層から生じる光の平均波長をλとするとき、
    w<3.7λ
    を満足する、請求項5に記載の発光装置。
  9. 前記発光層から生じる光の平均波長をλとするとき、
    w<5.6λ
    を満足する、請求項6または7に記載の発光装置。
  10. 前記1次元回折素子は、各々が前記第1の方向に延びる幅wの複数の凹部および複数の凸部が前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な第2の方向に周期的に配列された構造を有している、請求項1から4のいずれかに記載の発光装置。
  11. 前記発光層から生じる光の平均波長をλ、前記複数の凹部および前記複数の凸部の配列の周期をp、前記光取り出し層の光出射側の物質の屈折率をnとするとき、
    0.37λ/n<p<11λ/n
    を満足する、請求項9に記載の発光装置。
  12. 透光性基板をさらに備え、
    前記光取り出し層は、前記第1の電極層と前記透光性基板との間に形成されている、
    請求項1から10のいずれかに記載の発光装置。
  13. 透光性基板をさらに備え、
    前記光取り出し層は、前記透光性基板における前記発光素子とは反対側の表面に設けられている、
    請求項1から10のいずれかに記載の発光装置。
  14. 前記1次元回折素子を第1の1次元回折素子とし、前記第1の方向および前記発光層の厚さ方向の両方に垂直な方向を第2の方向とするとき、
    前記光取り出し層は、前記第1の方向において前記第1の1次元回折素子に隣接する第2の1次元回折素子を有し、
    前記第1の1次元回折素子および前記第2の1次元回折素子は、前記第2の方向にずれて配置され、
    前記第1の1次元回折素子および前記第2の1次元回折素子の前記第1の方向における長さは、前記発光層から生じる光の平均波長λの5倍以上である、
    請求項1から12のいずれかに記載の発光装置。
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