JP2015094431A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高地走行時などでダウンシフト時の回転同期制御を行う場合、運転者に違和感を与えることがない自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】第1締結要素を解放するとともに第2締結要素を締結することでダウンシフトを行う自動変速機の制御装置において、ダウンシフトを行う際に、エンジンの回転数を、ダウンシフト前の回転数からダウンシフト後の回転数に向けて上昇させるようにするエンジン回転数上昇制御手段(20、10)と、エンジン回転数上昇制御を伴うダウンシフトを行う際に、エンジン回転数が上昇しづらい状況である場合には、エンジン回転数が上昇しやすい状況であると場合よりも第2締結要素の締結力を大きくするように制御する締結力増加制御手段(20、30)と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載された自動変速機にあって、多段の変速段間で自動変速を行う際の違和感を低減することが可能な自動変速機の制御装置に関する。
従来、このような変速ショックを低減するようにした自動変速機の制御装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この特許文献1に記載の自動変速機の制御装置は、ダウンシフト中にアクセルペダルが所定操作量まで戻されたことを検知したときは、解放側の締結要素の締結容量を低下させて現在進行中のダウンシフトを継続し、エンジンの回転数をダウンシフト後の変速段に応じたエンジン回転数に維持させるようにして、回転同期制御を維持するようにしている。
特開2010−2039号公報
しかしながら、上記従来の自動変速機の制御装置にあっては、以下の問題を有する。
すなわち、上記回転同期制御は、通常の低・中高度での走行時では所望どおり変速ショックを低減させることが可能だが、高高度(高地)での走行時になると空気が薄くなるため、同じアクセルペダルの踏み込み量であっても、低・中高度での走行時と高高度での走行時とではエンジンの出力が異なってしまい、後者の場合は前者の場合よりエンジン出力が小さくなってしまう。
このような状態で、変速時に切り替わる締結要素(クラッチやブレーキなど)の締結圧を低・中高度での走行時の場合と同じように制御すると、高地走行時にダウンシフト時間が長引いてしまい、この結果、運転者に違和感を与えてしまうといった問題がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、その目的は、たとえば高地走行時のようにエンジン回転数が上昇しづらい状況でダウンシフト時の回転同期制御を行う場合にあっても、運転者に違和感を与えることがない自動変速機の制御装置を提供することにある。
この目的のため本発明による自動変速機の制御装置は、
第1締結要素を解放するとともに第2締結要素を締結することでダウンシフトを行う自動変速機の制御装置において、
ダウンシフトを行う際に、エンジンの回転数を、ダウンシフト前の回転数からダウンシフト後の回転数に向けて上昇させるようにするエンジン回転数上昇制御手段と、
このエンジン回転数上昇制御手段によるエンジン回転数上昇制御を伴うダウンシフトを行う際に、エンジン回転数が上昇しづらい状況である場合には、エンジン回転数が上昇しやすい状況であると場合よりも第2締結要素の締結力を大きくするように制御する締結力増加制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
好ましくは、締結力増加制御手段が、エンジン回転数が上昇しづらい状況であるほど、締結力が大きくなるように制御することを特徴とする。
好ましくは、締結力増加制御手段が、ダウンシフトの開始から所定時間経過後にエンジン回転数が所定のエンジン回転数まで上昇していない場合には、締結力が大きくなるように制御することを特徴とする
好ましくは、締結力増加制御手段が、ダウンシフトの開始から所定時間経過時のギア比と変速後のギア比との乖離が大きいほど、締結力が大きくなるように制御することを、特徴とする。
本発明の自動変速機の制御装置にあっては、ダウンシフトを行う際に、エンジンの回転数を、ダウンシフト前の回転数からダウンシフト後の回転数に向けて上昇させるようにするとともに、回転数上昇制御を伴うダウンシフトを行う際に、エンジン回転数が上昇しづらい状況である場合には、エンジン回転数が上昇しやすい状況である場合よりも第2締結要素の締結力を大きくするように制御するようにしたので、たとえば高地走行時などのようにエンジン回転数が上昇しづらい状況である場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのを抑制でき、その結果、運転者に違和感を与えるのをなくすことができる。
また、エンジン回転数が上昇しづらい状況であるほど、締結力が大きくなるように制御するようにしたので、このような状況の場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのを抑制して違和感をさらに抑制することができる。
また、ダウンシフトの開始から所定時間経過後にエンジン回転数が所定のエンジン回転数まで上昇していない場合には、締結力が大きくなるように制御するようにしたので、回転同期ダウンシフト開始後に狙いのエンジントルクが出ずにエンジン回転数の上昇が遅くなった場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのを抑制して違和感をさらに抑制することができる。
また、ダウンシフトの開始から所定時間経過時のギア比と変速後のギア比との乖離が大きいほど、締結力が大きくなるように制御するようにしたので、ギア比の乖離が大きい場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのを抑制して違和感をさらに抑制することができる。
本発明の実施例1の制御装置と、この制御装置が適用される自動変速機のパワートレーンを模式的に示す図である。 図1の自動変速機で用いられる締結要素の各変速段における作動状態を示す作動表を示す図である。 図1の自動変速機で用いられる油圧制御装置のうち本発明に関わる部分を示す図である。 図1の制御装置で実行される回転同期制御を伴うダウンシフト制御のフローチャートを示す図である。 図4のフローチャートに沿って回転同期制御を伴うダウンシフト制御を実行した場合の、エンジン回転数、解放側指示油圧、締結側指示油圧等の時間的変化を表した一例のタイムチャートを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
まず、実施例1の制御装置、およびこれが適用される自動変速機について、図1を参照しながら説明する。なお、これらの構成は、本出願人の出願に係る上記特許文献1に記載のものと同じである。
すなわち、図1に示すように、自動変速機のパワートレーン(中心回転軸の上半部のみを模式的に示す)は、エンジンEgの出力軸に接続されたロックアップ機構LUC付きトルクコンバータTCに接続され、このトルクコンバータTCとオイルポンプOPとを駆動する。
また、自動変速機は,第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2、第3の遊星ギアG3、および第4遊星ギアG4からなる4セットのシングルピニオンタイプの遊星歯車セットを備えている。
第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1、第1リングギアR1、第1ピニオンP1、および第1ピニオンキャリアPC1を有し、第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2、第2リングギアR2、第2ピニオンP2、および第2ピニオンキャリアPC2を有し、第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3、第3リングギアR3、第3ピニオンP3、および第3ピニオンキャリアPC3を有し、第4遊星ギアG4は、第4サンギアS4、第4リングギアR4、第4ピニオンP4、および第4ピニオンキャリアPC4を有する。
なお、上記遊星ギアにおいて第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とは、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3とで連結された、4つの回転要素からなる第1遊星ギヤセットGS1を構成し、同様に、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とは、第2連結メンバM2で連結されて、5つの回転要素からなる第2遊星ギヤセットGS2を構成する。
また、トルクコンバータTCから遊星ギアへの入力は、入力軸Inputから行われ、遊星ギアからの出力は出力軸Outputから取り出される。
自動変速機は、上記遊星ギアの接続関係を変更するため、9個の摩擦締結要素を備えている、すなわち、インプットクラッチC1、ダイレクトクラッチC2、H&LRクラッチC3、フロントブレーキB1、ローブレーキB2、2346ブレーキB3、リバースブレーキB4、第1ワンウェイクラッチF1、および第2ワンウェイクラッチF2を設けてある。
これらの締結要素の作動は、図2に示す締結表に基づいて行う。この締結表において○印は、その締結要素が締結状態となることを、(○)印はエンジンブレーキが作動するレンジ位置が選択されているとき、その締結要素が締結状態となることを、無印はその締結要素が解放状態であることを、それぞれ示している。
一方、制御系としては、エンジンEngを制御するエンジンコントローラ (ECU)10と、自動変速機の締結要素へ供給・排除する油圧を制御するコントロールバルブユニット(CVU)30と、このCVU30を制御する自動変速機コントローラ(ATCU)20と、を備えている。ここで、ECU10とATCU20とは、本発明のエンジン回転数上昇制御手段を構成し、ATCU20とCVU30とは、本発明の締結力増加制御手段を構成する。
ECU10には、アクセルペダル操作量を検出するアクセルペダル操作量センサ(APOセンサ)1、エンジン回転速度検出センサ2等が接続され、これら等からの検出信号に基づき、エンジン回転数やエンジントルクを制御する。
ATCU20には第1キャリヤPC1の回転速度を検出する第1タービン回転速度センサ3、第1リングギアR1の回転速度を検出する第2タービン回転速度センサ4、出力軸回転速度センサ5、インヒビタスイッチ6、高度センサ7等が接続され、これらの信号(車速Vspなど)やECU10側から受けたアクセルペダル操作量APOに基づいて最適な変速段を選択し、CVU30に制御信号を送る。
なお、高度センサ7としては、本実施例では、全地球測位衛星システム(GPS)を用い、検出した自車の現位置に基づいて、記憶したマップ情報からそのときの高度情報を得る。
CVU30は、多数のバルブやソレノイドを有し、ATCU20から受けた制御信号に基づいて、油圧作動の締結要素(クラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B4)へオイルポンプOPから供給されてきた油圧を調圧して供給したり、あるいは供給していた油圧を抜いたりする。
以上の構成の詳細やこの作動については、上記特許文献1にて説明してあるので、ここではそれらの説明を省略する。
CVU30のうち、本発明に関係する部分の油圧回路図を図3に示す。
したがって、ここでは、主に、ローブレーキB2、インプットクラッチC1、H&LRクラッチC3及び2346ブレーキB3へ供給する油圧回路について説明する。
CVU30は、オイルポンプOP、ライン圧を調圧するプレッシャレギュレータ弁31、及び各締結要素への供給路を切り換えるマニュアルバルブ32を備える。オイルポンプOPの吐出圧は、ソレノイドSOLにて制御されるプレッシャレギュレータ弁31のドレンポートの開度に応じて調圧されてライン圧となる。ライン圧は、マニュアルバルブ32において切り換えられる油路に従って各締結要素等へと供給される。
ローブレーキB2は、それぞれ交互に配列された複数の第1摩擦板33と第2摩擦板34とがピストン35、36の押圧力によって圧接されることで摩擦締結する。ピストン35、36は、受圧面積の小さい第1ピストン35と受圧面積の大きい第2ピストン36とが一体的に形成される。これにより、第1ピストン35に油圧を作用させる第1油圧室37及び第2ピストン36に油圧を作用させる第2油圧室38には、それぞれ独立して油圧が供給可能され、締結する各変速段に応じて選択される第1ピストン35及び第2ピストン36のうちのいずれか、あるいは両方がそれぞれ受ける油圧と受圧面積との積で決まる押圧力となり、そのときのローブレーキB2の締結容量となる。
ローブレーキB2の油圧回路は、ローブレーキB2に供給される油圧を調圧する調圧弁39、第1油圧室37への油圧供給油路を開閉する第1切換弁40及び第2油圧室38への油圧供給油路を開閉する第2切換弁41を備える。
なお、調圧弁39はリニアソレノイド50の作動量に応じて弁開度が制御される。第1切換弁40は、ON/OFFソレノイド51に入力される信号圧に応じて、調圧弁39と第1油圧室37との間を連通状態とすると共にインプットクラッチC1の油圧室とドレンポートとを連通状態とする第1の位置と、調圧弁39と第1油圧室37との間を非連通状態とし、第1油圧室37をドレンポートと連通させると共にインプットクラッチC1の油圧室と調圧弁41とを連通状態とする第2の位置とのいずれかに切り換える。
ここで、ソレノイド51はインプットクラッチC1に油圧が発生している間(油圧指令を行っている間)はOFFとし、インプットクラッチC1の油圧指令がゼロであるときには、ONとして制御している。
第2切換弁41は、インプットクラッチC1及びダイレクトクラッチC2へ供給される油圧を信号圧にして、調圧弁39と第2油圧室38との間が、インプットクラッチC1及びダイレクトクラッチC2へ油圧が供給されていないときは連通状態とする第1の位置、インプットクラッチC1又はダイレクトクラッチC2へ油圧が供給されているときは非連通状態とする第2の位置とのいずれかになるよう切り替わる。
同様に、インプットクラッチC1、H&LRクラッチC3及び2346ブレーキB3の油圧回路は、各締結要素に供給される油圧を調圧する調圧弁42、43、43、44と、この各調圧弁の弁開度を制御するリニアソレノイド52、53、54を有する。
マニュアルバルブ32からローブレーキB2の油圧回路へ供給されたライン圧は、調圧弁39において調圧されてローブレーキ作動油圧となる。ローブレーキ作動油圧は、第1切換弁40及び第2切換弁41のいずれもが第2の位置になったときは供給されず、第1切換弁40及び第2切換弁41の一方が第1の位置になっているとき、第1の位置となっている方の切換弁を介して第1油圧室37又は第2油圧室38へ供給され、第1切換弁40及び第2切換弁41の両方が第1の位置となっているとき第1油圧室37及び第2油圧室38に供給される。
すなわち、図2の締結表に示すように、ローブレーキB2は1速〜3速のみにおいて締結されるが、変速段によってローブレーキB2の最適な締結容量は異なる。そこで、上記1速〜3速のうち、1速及び2速のときはトルク比(分担トルク)が大きいので、第1摩擦板33と第2摩擦板34との間により大きな締結容量が必要であり、第1切換弁40及び第2切換弁41がいずれも第1の位置となる。3速のときは、トルク比が相対的に小さいので、第1摩擦板33と第2摩擦板34との間に大きな締結容量を必要とせず、第1切換弁40のみが第1の位置となり、第2切換弁41は第2の位置となるよう制御される。
このような自動変速機において、例えば4速から3速へのダウンシフト変速に際しては、締結されていたインプットクラッチC1を開放するとともに、ローブレーキB2を締結する。ここで、解放側のインプットクラッチC1は、本発明の第1締結要素に相当し、締結側のローブレーキB2は、本発明の第2締結要素に相当する。
この両締結要素の掛け換えにあってインプットクラッチC1とローブレーキB2が同時に締結されると、インターロック等を生じて車両に急激な減速Gが発生したり、長期間になると最悪、部品を損傷したりする。そこで、第1及び第2切換弁40、41によりインプットクラッチC1とローブレーキB2の同時締結を回避している。
一方、ATCU20は、第1タービン回転速度センサ3、第2タービン回転速度センサ4、出力軸回転速度センサ5、インヒビタスイッチ6、APOセンサ1などからそれぞれ検出信号を受けて、CVU30のソレノイド50〜54などを制御している。たとえば、車速とアクセルペダル操作量に基づいてATCU20内に記憶した変速線マップを用いて変速段を決定する。
ここで、それらのATCU20の制御のうち、本発明が関係する回転同期制御を行うダウンシフト制御について説明する。ダウンシフトには、種々の原因に基づいたダウンシフトがあるが、本実施例では走行中に運転者のセレクトレバー操作により行われるマニュアルダウンシフトの場合を例にとって図4のフローチャートを用いて説明する。
なお、この制御における、エンジン回転数、エンジン回転同期制御フラグ、ギア比、解放側指示圧、締結側指示圧のそれぞれの時間的変化を、それぞれ図5のタイムチャートに示す。
まず、ステップS1では、回転同期制御を伴うダウンシフト指令が出力されたのか否かを判定する。
この判定は、車速信号、アクセル操作量信号、現在の変速段位置、インヒビタスイッチ6などに基づいて行われる。
ステップS1で判定結果が、YESであればステップS2に進み、NOであれば回転同期制御を行うことなく、最初のステップへ戻る。
なお、本実施例では、上述のように、運転者がシフトダウン横行位置へセレクトレバーを動かしたマニュアル操作を、インヒビタスイッチ6が検出してダウンシフト指令が出された場合につき、説明する。
ステップS2では、高度センサから自車の現在の高度を検出する。続いて、ステップS3に進む。
ステップS3では、締結すべき締結要素への油圧室へ供給するように指示する締結側指示油圧の信号(プリチャージ制御の信号)、解放すべき締結要素の油圧室から油を抜くように指示する解放側指示油圧の信号、またエンジンEgの回転数が変速後の回転数となるようにエンジンの回転数を上昇させるエンジン回転同期制御フラグ信号をそれぞれ出力する。続いて、ステップS4に進む。
ステップS4では、上記締結側指示油圧の増加勾配を、ステップS2で検出した高度の高さに応じて設定する。なお、それらの関係は、マップとして予めATCU20内に記憶されている。
続いて、ステップS5に進む。
ステップS5では、変速開始から所定時間経過していないか、を判定する。なお、この所定時間は、高度が高高度でなく低地での平地走行中である場合に締結側指示油圧を増大開始させる時間である。判定結果が、YESであればステップS6に進み、NOであればステップS8に進む。
ステップS6では、第1タービン回転速度センサ3で検出したタービン回転速度、第2タービン回転速度センサ4、出力軸回転速度センサ5で検出した各タービン回転速度と出力回転速度とから変化していくギア比を随時算出し、この算出したギア比が所定のギア比に到達したか否かを判定する。なお、この所定のギア比は、変速後のギア比に到達する直前のギア比である。判定結果が、YESであればステップS7に進み、NOであればステップS5に戻る。
ステップS7では、締結側の締結要素へ供給する油圧を最高圧まで立ち上げて、締結側の締結要素を完全に締結させる完全締結処理を行う。続いて、本制御の最初に戻る。
一方、ステップS8では、算出したギア比が所定のギア比に到達したか否かを判定する。判定結果が、YESであればステップS7に進み、NOであればステップS9に進む。
ステップS9では、締結側指示油圧の増加勾配を、所定時間経過後のギア比と変速後のギア比との乖離に応じた勾配に設定する。なお、この勾配は、高度に基づき設定する勾配とは別に設定し、乖離が大きくなるほどその勾配が大きくなるように設定する。
続いて、ステップS8に戻る。
以上が、回転同期制御を伴うダウンシフト制御のフローであるが、このときのギア比や油圧等の時間的変化の一例を図5に基づいて説明する。
なお、図5にあっては、本実施例の回転同期制御を備えた、高地走行時のダウンシフト制御を実線で示し、低中高度での平地走行中で所定時間経過してもエンジン回転数が上昇しない場合のダウンシフト制御を一点鎖線で示し、本実施例の回転同期制御を備えない、高地走行時のダウンシフト制御を破線にて示す。
時刻t1にダウンシフト指令がATCU20から出されると(ステップS1)、エンジン回転同期制御フラグが立ち上がり(たとえば1の値にする)ECU10へ出力され、エンジンの回転数が変速後の回転数なるようにエンジン回転数を上昇させる制御を行う。また、解放側締結要素の油圧室が油圧ゼロとなるように解放側指示油圧信号をCVU30へ出力するとともに、締結側締結要素の油圧室への油圧のプリチャージを開始するように締結側指示油圧信号をCVU30へ出力する(ステップS3)。このプリチャージでは、時刻t1から短時間内は若干高めの油圧として締結側の締結要素のピストンが静止摩擦に打ち勝って動くようにし、このすぐ後により低い一定の油圧となるような信号を出力する。
この解放側締結要素からの油の抜きと締結側締結要素へのプリチャージとにより時刻t1から少し時間が経った時刻t2になると、ギア比の変化が始まりイナーシャフェーズでの変速が開始される。この結果、ギア比が大きくなり始め、エンジンEgの回転数が上昇し始める。
時刻t3になると、締結側締結要素へのプリチャージを完了し、締結側締結要素への指示油圧を検出した高度(ステップS2)に応じた勾配で増加させ、CVU30に出力させる(ステップS4)。したがって、時刻t3以後、締結側指示油圧は徐々に増大していく。このとき、エンジン回転数もギア比も増大し続けている。
時刻t4(所定時間内にある:ステップS6)になると、ギア比が上記所定のギア比に到達する(ステップS6)。そうすると、締結側締結要素の完全締結を開始する(ステップS7)。したがって、締結側締結要素への油圧はそれまでに比べてより高い勾配で最高圧まで増圧する。
このすぐ後の時刻t5になると、ギア比が変速後のギア比に到達する。このとき、エンジン回転同期制御フラグを0としてエンジンEgの回転同期制御も終了させる。
時刻t6で、締結側締結指示圧が最高値まで上げられ、ダウンシフト制御が終了する。
一方、平地走行中で、所定時間(時刻t1から時刻t7までの時間)を経過してもエンジンEgの回転数が所定のエンジン回転数まで上昇しない場合には、時刻t7から締結側指示圧をプリチャージの一定指示圧からギア比に応じた勾配で増加させる(ステップS9)。
この増圧により、その後の時刻t4'にギアが所定のギア比に到達すると(ステップS8)、締結側の指定油圧をさらに大きな勾配で増加させて完全締結を行う(ステップS7)。
そして、時刻t6'に、ダウンシフト制御を終了する。
以上が、本実施例によるエンジンの回転同期制御を伴うダウンシフト制御の一例である。
一方、本発明の高地走行時のダウンシフト制御を備えない場合の高地走行時のダウンシフト制御では、図5に破線で示すように、上記時刻t6'より遅い時刻t4''にギア比が所定のギア比に到達するので、この時点から締結側の指定油圧をさらに大きな勾配で増加させて完全締結を行う。
したがって、ダウンシフト制御が終了するのも、さらに遅い時刻t6''になる
以上の説明から、分かるように、本実施例の自動変速機の制御装置にあっては、以下の効果を得ることができる。
すなわち、ダウンシフトを行う際に、エンジンの回転数を、ダウンシフト前の回転数からダウンシフト後の回転数に向けて上昇させるようにするとともに高地走行時(エンジン回転数が上昇しにくい状況)である場合には、低地走行時(エンジン回転数が上昇しやすい状況)である場合よりも、締結する締結要素の締結要素の締結力をより大きくなるようにしたので、高地走行時にダウンシフトの時間が長引くのを抑制でき、これにより、高地走行時でのダウンシフト時に運転者に違和感を与えないようにすることができる。
また、上記ダウンシフト制御にあっては、高度が高くなるなど、エンジン回転数が上昇しづらい状況になるほど、上記締結力が大きくなるようにした。
これにより、このような状況の場合であっても、最適な制御が可能となり、より違和感をなくすことが可能となる。
また、上記ダウンシフト制御にあっては、ダウンシフトの開始から所定時間経過後に、エンジン回転数が所定のエンジン回転数に上昇していない場合には、上記締結力をより大きくするようにした。
これにより、回転同期ダウンシフトの開始後に目標のエンジントルクが得られずエンジンEgの回転数の上昇が遅くなった場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのを抑制することが可能となる。
また、ダウンシフトの開始から所定時間経過後のギア比と変速後のギア比との乖離が大きいほど、上記締結力が大きくなるようにした。
これにより、ギア比の乖離が大きい場合であっても、ダウンシフトの時間が長引くのをさらに抑制することが可能となる。
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、高度センサ7としては、本実施例では、GPSを用いたが、これに限られることなく、たとえば気圧センサなどを用いるようにしてもよい。
また、上記実施例では、コースト状態での走行時に運転者のダウンシフト方向へのマニュアル操作により回転同期ダウンシフト制御を開始するようにしたが、これに限られず、アクセルペダルを踏み込んだパワーオン状態でダウンシフトする場合であってもよく、あるいはアクセルペダルの操作量と車速とに基づいてATCU20が変速マップに基づいて自動ダウンシフトする場合などであってもよい。
また、上記実施例では、イナーシャフェーズ中の締結側締結要素の指示油圧を所定勾配で増加させることでその締結力を大きくするようにしたが、たとえば指示油圧を所定量オフセットさせることで締結力を大きくするなど、他のやり方を用いるようにしてもよい。
また、上記実施例では、高度に基づいてエンジン回転数が上昇しづらい状況を判断するようにしたが、発生しているエンジントルクと所定トルク値とを比較してこの大小でエンジン回転数が上昇しづらい状況を判断するようにしてもよい。
また、上記実施例では、所定時間内にエンジン回転数が所定回転数まで上昇していない場合に、所定時間経過時のギア比と変速後のギア比との乖離に基づいて設定する勾配で指示油圧を増加させるようにしたが、この乖離に基づいて指示油圧の増加勾配を補正するようにしてもよい。
また、上記実施例では、エンジン回転数が上昇しづらい状況として高地走行時を挙げたが、これに限定されるものではなく、高度が高くないときにもエンジン回転数が上昇しづらい状況である場合には、上記締結力増加の制御を行うようにしてもよい。
なお、自動変速機や油圧回路は、図1、図3のものに限られないことは言うまでもない。
1 アクセルペダル操作量センサ
2 エンジン回転速度センサ
3 第1タービン回転速度センサ
4 第2タービン回転速度センサ
5 出力軸回転速度センサ
6 インヒビタスイッチ
7 高度センサ
10 エンジンコントローラ
20 変速機コントローラ
30 油圧コントロールバルブ
B1 フロントブレーキ
B2 ローブレーキ
B3 2346ブレーキ
C1 インプットクラッチ
C2 H&LRクラッチ

Claims (4)

  1. 第1締結要素を解放するとともに第2締結要素を締結することでダウンシフトを行う自動変速機の制御装置において、
    前記ダウンシフトを行う際に、前記エンジンの回転数を、前記ダウンシフト前の回転数から前記ダウンシフト後の回転数に向けて上昇させるようにするエンジン回転数上昇制御手段と、
    該エンジン回転数上昇制御手段によるエンジン回転数上昇制御を伴うダウンシフトを行う際に、前記エンジン回転数が上昇しづらい状況である場合には、前記エンジン回転数が上昇しやすい状況である場合よりも前記第2締結要素の締結力を大きくするように制御する締結力増加制御手段と、
    を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記締結力増加制御手段は、前記エンジン回転数が上昇しづらい状況であるほど、前記締結力が大きくなるように制御する、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記締結力増加制御手段は、前記ダウンシフトの開始から所定時間経過後に前記エンジン回転数が所定のエンジン回転数まで上昇していない場合には、前記締結力が大きくなるように制御する、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記締結力増加制御手段は、前記ダウンシフトの開始から所定時間経過時のギア比と変速後のギア比との乖離が大きいほど、前記締結力が大きくなるように制御する、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
JP2013234613A 2013-11-13 2013-11-13 自動変速機の制御装置 Active JP6152593B2 (ja)

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