JP2015093284A - レーザピーニング方法及びレーザピーニング装置 - Google Patents

レーザピーニング方法及びレーザピーニング装置 Download PDF

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孝之 林
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裕喜 比江嶋
道春 太田
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道春 太田
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明広 岡本
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Abstract

【課題】簡便且つ確実にレーザピーニングを行い得るレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置を提供する。
【解決手段】第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光Aを物体16の表面に照射しながら、第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光Bを物体の表面のうちの第1のレーザ光Aが照射されている箇所に照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザピーニング方法及びレーザピーニング装置に関する。
鉄鋼材料等の表面改質法の一つとして、ショットピーニングが知られている。
ショットピーニングは、鋼球やセラミックス等から成る投射材を物体の表面に高速で打ち込むことにより、物体の表面に塑性変形を生じさせる技術である。ショットピーニングを行うことにより、物体の表面を硬化させることが可能である。また、ショットピーニングを行うことにより、物体の表面に圧縮の残留応力が付与されるため、物体の疲労強度の改善や応力腐食割れの防止等を図ることができる。
しかしながら、ショットピーニングでは、投射材を物体に叩き付けるため、物体に不純物が混入してしまう場合がある。
一方、近時では、レーザピーニング技術が提案されている。レーザピーニングでは、投射材を物体に叩き付ける代わりに、パルスレーザ光を物体に照射する。物体の表面にパルスレーザ光を照射すると、物体の表面に高圧プラズマが瞬間的に発生し、かかる高圧プラズマが膨張する際に物体の表面に衝撃が加わる。高圧プラズマが膨張する際に物体に加わる衝撃により、物体の表面に塑性変形が生じ、これにより、ピーニング効果を得ることができる。レーザピーニングには、例えばナノ秒レーザが用いられている(非特許文献1)。
特許第3373638号公報
"フェムト秒レーザピーニング機構解明のための材料学的アプローチ"、[online]、平成22年、財団法人若狭湾エネルギー研究センター、公募型共同研究報告書、[平成25年10月9日検索]、インターネット(URL:http://www.werc.or.jp/support/josei_seika/img/tokubetsu09.pdf) Hitoshi Nakano et al., "Femtosecond and Nanosecond Laser Peening of Stainless Steel," Journal of Laser Micro / Nanoengineering, 2010, Vol. 5 Issue 2, p175.
しかしながら、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、ナノ秒レーザの照射によって生ずるプラズマを閉じ込めるための媒質が必要である。ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、プラズマを閉じ込めるための媒質を用いないと、十分に高い衝撃を物体に加えることが困難なためである。このため、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、ピーニングの対象となる物体を水中等に配した状態で、ピーニングを行わざるを得なかった。
本発明の目的は、簡便且つ確実にレーザピーニングを行い得るレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を物体の表面に照射しながら、前記第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を前記物体の前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に照射する、レーザピーニング方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、前記第1のレーザ光源から出射される前記第1のレーザ光を物体の表面に照射させながら、前記物体の前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に、前記第2のレーザ光源から出射される前記第2のレーザ光を照射させる制御部とを有するレーザピーニング装置が提供される。
本発明の更に他の観点によれば、第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を表面に照射しながら、前記第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に照射することにより、レーザピーニングが行われた物体が提供される。
本発明によれば、第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を物体の表面に照射しながら、第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を照射する。このため、第2のレーザ光によりアブレーションが生じるのを、第1のレーザ光の照射により抑制することができる。このため、本発明によれば、簡便且つ確実にピーニングを行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザピーニング装置を示す概略図である。 図2は、レーザ光のパワーとレーザ光のパルスエネルギーとレーザ光のレーザ強度との関係を示す図である。 図3は、フェムト秒レーザ光の波形及びナノ秒レーザ光の波形を概念的に示すタイムチャートである。 図4は、フェムト秒レーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングとナノ秒レーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングとの関係を示すグラフである。 図5は、ナノ秒レーザ光の照射スポットとフェムト秒レーザ光の照射スポットとの関係を示す図である。 図6は、硬度試験の結果を示すグラフである。 図7は、本発明の第2実施形態によるレーザピーニング装置を示す概略図である。 図8は、本発明の第2実施形態によるレーザピーニング装置の光源の構成を示す図である。
上述したように、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、ピーニングの対象となる物体を水中等に配した状態で、ピーニングを行わざるを得なかった。また、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、単に水中等でピーニングを行わざるをえないというだけではなく、プラズマによって生ずる気泡を除去しなければならない場合もあった。また、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、ピーニングの対象となる物体の表面に別の膜を成膜し、ピーニング後において、かかる膜を除去しなければならない場合もあった。また、ナノ秒レーザを用いたピーニングにおいては、物体の表面に凹凸が生じる場合もあった。
一方、フェムト秒レーザ等を用いてピーニングを行うことも考えられるが、フェムト秒レーザを用いてピーニングを行う場合には、物体の表面においてアブレーションが生じる。物体の表面においてアブレーションが生じると、物体の表面が削られてしまうこととなるため、十分なピーニング効果を得ることは困難である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態によるレーザピーニング装置を示す概略図である。図1において、各構成要素間の接続は実線で示されており、レーザ光の光路は破線で示されている。
本実施形態によるレーザピーニング装置2は、第1のレーザ光Aを発するレーザ光源10と、第2のレーザ光Bを発するレーザ光源12と、本実施形態によるレーザピーニング装置全体の制御を司る制御部14とを有している。また、本実施形態によるレーザピーニング装置2は、ピーニングの対象となる物体(被処理物)16が載置されるステージ18を更に有している。
本実施形態によるレーザピーニング装置は、物体16の表面にパルスレーザビームを照射することにより、ピーニングを行うものである。パルスレーザビームを用いてピーニングを行う手法は、レーザピーニングとも称される。
制御部14は、種々の演算、制御、判別等の処理を実行するCPU(図示せず)を有している。また、制御部14は、CPUによって実行される様々な制御プログラム等を格納するROM(図示せず)等を有している。また、制御部14は、CPUが処理中のデータや入力データ等を一時的に格納するRAM(図示せず)等を有している。
制御部14には、所定の指令やデータなどをユーザが入力するための入力操作部46が接続されている。かかる入力操作部46としては、例えばキーボードや各種スイッチ等が用いられる。
制御部14には、種々の表示を行うための表示部48が接続されている。表示部48には、例えば、本実施形態によるレーザピーニング装置2の動作状態、ステージ18の状態、CCDカメラ50により取得された画像等が表示される。表示部48としては、例えば液晶ディスプレイ等が用いられる。
レーザ光源10は、第1のレーザ光Aを発するものである。ここでは、第1のレーザ光Aとして、ナノ秒レーザ光が用いられている。ナノ秒レーザ光とは、パルス幅(レーザパルスの時間幅)がナノ秒(ns:10−9秒)のオーダーのパルスレーザ光、即ち、パルス幅が1ns以上、1μs未満のパルスレーザ光のことである。レーザ光源10からは、パルス幅がナノ秒のオーダーのパルスレーザビームAが出射される。本実施形態では、レーザ光源10として、例えば、中心波長1050nm程度、パルス幅10ns程度のレーザ発振器が用いられている。
なお、ここでは、ナノ秒レーザ光Aのパルス幅を10ns程度とする場合を例に説明したが、ナノ秒レーザ光Aのパルス幅は10ns程度に限定されるものではない。ナノ秒レーザ光Aのパルス幅は、例えば1ns〜800nsの範囲内で適宜設定することができる。ただし、十分なピーニング効果を得る観点からは、ナノ秒レーザ光Aのパルス幅は、1ns〜500nsの範囲内とすることが好ましく、10ns〜100nsの範囲内とすることが更に好ましい。また、レーザ光源10の中心波長も、1050nm程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
レーザ光源12は、第2のレーザ光Bを発するものである。ここでは、第2のレーザ光Bとして、フェムト秒レーザ光が用いられている。フェムト秒レーザ光とは、一般的には、パルス幅がフェムト秒(fs:10−15秒)オーダーのパルスレーザ光、即ち、パルス幅が1fs以上、1ps未満のパルスレーザ光のことである。レーザ光源12からは、パルス幅がフェムト秒のオーダーのパルスレーザビームBが出射される。本実施形態では、レーザ光源12として、例えば、中心波長1045nm程度、パルス幅800fs程度のレーザ発振器が用いられている。
なお、ここでは、第2のレーザ光Bのパルス幅を800fs程度とする場合を例に説明したが、第2のレーザ光Bのパルス幅は800fs程度に限定されるものではない。第2のレーザ光Bのパルス幅は、例えば10fs〜10psの範囲内で適宜設定することができる。ただし、十分なピーニング効果を得る観点からは、第2のレーザ光Bのパルス幅は、50fs〜5psとすることが好ましく、300fs〜2psとすることが更に好ましい。このように、第2のレーザ光Bのパルス幅は、厳密にフェムト秒のオーダーに限定されるものではなく、ピコ秒のオーダーであってもよい。本願の明細書及び特許請求の範囲において、フェムト秒レーザ光とは、パルス幅がフェムト秒であるレーザ光に限定されるものではなく、パルス幅が数十ピコ秒以下であるピコ秒レーザ光をも含むものとする。また、レーザ光源12の中心波長も、1045nm程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
フェムト秒レーザ光Bのパルス幅はフェムト秒のオーダーであり、ナノ秒レーザ光Aのパルス幅はナノ秒のオーダーであるため、フェムト秒レーザ光Bのパルス幅は、ナノ秒レーザ光Aのパルス幅より狭い。また、レーザ光源12から発せられるフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、レーザ光源10から発せられるナノ秒レーザ光Aのレーザ強度より強い。
なお、レーザ強度Iは、Eをパルスエネルギー、Sを照射スポットの面積、tをパルス幅とすると、以下のような式(1)により表される。
I = E/St ・・・ (1)
レーザ光源10及びレーザ光源12は、制御部14により制御される。レーザ光源10から出射されるナノ秒レーザ光Aのパルス幅及びレーザ光源12から出射されるフェムト秒レーザ光Bのパルス幅は、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。なお、ユーザにより入力された各種の設定情報等は、制御部14に設けられた記憶部(図示せず)内に適宜記憶される。制御部14は、レーザ光源10から出射されるナノ秒レーザ光Aが物体16に照射されている状態で、レーザ光源12から出射されるフェムト秒レーザ光Bが物体16に照射されるように、レーザ光源10及びレーザ光源12を制御する。レーザ光源10から出射されるナノ秒レーザ光Aのタイミングとレーザ光源12から出射されるフェムト秒レーザ光Bのタイミングは、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。制御部14は、予め設定された繰り返し周波数でレーザ光源10からナノ秒レーザ光Aのパルスを出射させる。また、制御部14は、予め設定された繰り返し周波数でレーザ光源12からフェムト秒レーザ光Bのパルスを出射させる。ナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数及びフェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数は、いずれも例えば1MHzとする。ナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数及びフェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数は、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。
ナノ秒レーザ光Aを発するレーザ光源10の後段には、ナノ秒レーザ光Aの偏光方向を制御する1/2波長板20が設けられている。1/2波長板20の後段には、ナノ秒レーザ光Aの出力を調整する偏向ビームスプリッタ22が設けられている。1/2波長板20は、回転させることによりレーザ光の偏向方向を変更することができる光学素子である。偏光ビームスプリッタ22は、入射光の偏向成分を分岐することができる光学素子である。1/2波長板20を回転することによりレーザ光の偏光方向を変更すると、偏光ビームスプリッタ22において分岐される偏向成分の割合が変化する。1/2波長板20の回転角を適宜調整することにより、偏向ビームスプリッタ22から出射されるナノ秒レーザ光Aのパワーを適宜調整することができる。1/2波長板20と偏向ビームスプリッタ22とが相俟って出力減衰器24が構成されている。このように、レーザ光源10から出射されるナノ秒レーザ光Aのレーザ強度は、出力減衰器24により調整し得るようになっている。ナノ秒レーザ光Aのレーザ強度は、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。出力減衰器24により調整されたナノ秒レーザ光Aのレーザ強度は、例えば、5×10W/cm程度とする。図2は、レーザ光のパワーとレーザ光のパルスエネルギーとレーザ光のレーザ強度との関係を示す図である。図2は、ナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数及びフェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数が、それぞれ1MHzである場合を例に示している。レーザ強度が5×10W/cm程度のナノ秒レーザ光Aのパルスエネルギーは、図2から分かるように、50μJ程度である。ナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数が1MHzの場合には、パルスエネルギーが50J程度のナノ秒レーザ光Aのパワーは、図2から分かるように、50W程度である。
なお、ここでは、1/2波長板20と偏光ビームスプリッタ22とにより構成される出力減衰器24を用いてナノ秒レーザ光Aのレーザ強度を調整する場合を例に説明したが、ナノ秒レーザ光Aのレーザ強度を調整する手段はこれに限定されるものではない。任意の調整手段を用いてナノ秒レーザ光Aのレーザ強度を適宜調整し得る。
フェムト秒レーザ光Bを発するレーザ光源12の後段には、フェムト秒レーザ光Bの偏光方向を制御する1/2波長板26が設けられている。1/2波長板26の後段には、フェムト秒レーザ光Bの出力を調整する偏向ビームスプリッタ28が設けられている。1/2波長板26を回転することによりレーザ光の偏光方向を変更すると、偏光ビームスプリッタ28において分岐される偏向成分の割合が変化する。1/2波長板26の回転角を適宜調整することにより、偏向ビームスプリッタ28から出射されるフェムト秒レーザ光Bのパワーを適宜調整することができる。1/2波長板26と偏向ビームスプリッタ28とが相俟って出力減衰器30が構成されている。このように、レーザ光源12から出射されるフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、出力減衰器30により調整し得るようになっている。フェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、ナノ秒レーザ光Aのレーザ強度と同様に、入力操作部46を介してユーザが適宜設定し得る。出力減衰器30により調整されたフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、例えば、6.25×1010W/cm〜2.50×1011W/cm程度とする。なお、6.25×1010W/cm〜2.50×1011W/cm程度のレーザ強度のフェムト秒レーザ光Bのパルスエネルギーは、図2から分かるように、0.05μJ〜0.2μJ程度である。フェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数が1MHzの場合には、パルスエネルギーが0.05μJ〜0.2μJ程度のフェムト秒レーザ光Bのパワーは、図2から分かるように、0.05W〜0.2W程度である。
なお、ここでは、1/2波長板26と偏光ビームスプリッタ28とにより構成される出力減衰器30を用いてフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度を調整する場合を例に説明したが、フェムト秒レーザ光Bのレーザ強度を調整する手段はこれに限定されるものではない。任意の調整手段を用いてフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度を適宜調整し得る。
このように、本実施形態では、第1のナノ秒レーザ光Aのレーザ強度とフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度とを、それぞれ独立に設定し得るようになっている。
出力減衰器24の後段には、ナノ秒レーザ光Aの光路を変更するミラー32が設けられている。レーザ光源10から出射され、出力減衰器24により減衰されたナノ秒レーザ光Aは、ミラー32により反射され、出力減衰器30の後段に設けられたビームスプリッタ34に導入されるようになっている。ビームスプリッタ34は、合波や分波を行い得る光学素子である。本実施形態では、ナノ秒レーザ光Aとフェムト秒レーザ光Bとを合波するためにビームスプリッタ34が用いられる。出力減衰器24により減衰され、ミラー32により反射され、ビームスプリッタ34に導入されるナノ秒レーザ光Aと、出力減衰器30により減衰され、ビームスプリッタ34に導入されるフェムト秒レーザ光Bとが、ビームスプリッタ34により合波される。ビームスプリッタ34により合波された後において、ナノ秒レーザ光Aのビーム軸とフェムト秒レーザ光Bのビーム軸とが一致するように、ミラー32やビームスプリッタ34等の位置や角度等が適宜調整されている。
ビームスプリッタ34の後段には、ガルバノスキャナ36が配されている。ガルバノスキャナ36は、ミラーの角度を適宜変化させることによりレーザ光を高速で走査することができる光学機器である。ガルバノスキャナ36に導入されるナノ秒レーザ光Aやフェムト秒レーザ光Bは、ガルバノスキャナ36のミラー38により反射されて、Fθ(F−Theta)レンズ40に導入されるようになっている。Fθレンズは、レーザ走査に用いられるレンズであり、回転ミラーで等角度走査されたレーザビームを結像面上で等速走査させる機能を有するレンズである。ガルバノスキャナ36とFθレンズ40とが相俟って、ナノ秒レーザ光Aやフェムト秒レーザ光Bの2次元走査する走査光学系42が構成されている。走査光学系42は、制御部14により適宜制御される。
Fθレンズ40の下方には、ステージ18が位置している。ステージ18上には、ピーニングの対象となる物体16が載置される。ステージ18には、ステージ18を駆動するためのステージ駆動部44が接続されている。制御部14は、ステージ駆動部44を介してステージ18を駆動する。ステージ18は、XY軸ステージであってもよいし、XYZ軸ステージであってもよいし、XYZθ軸ステージであってもよい。
このように、本実施形態では、ナノ秒レーザ光Aとフェムト秒レーザ光Bとを同一点に集光させ、同一点に集光させたナノ秒レーザ光A及びフェムト秒レーザ光Bを走査し得るようになっている。
本実施形態によるレーザピーニング装置は、ピーニングの対象となる物体16を液体中に配することなく、ピーニングを行い得る。物体16の周囲の雰囲気は、例えば大気(空気)とする。
ピーニングの対象となる物体16の材料としては、例えば金属等を挙げることができる。ここでは、物体16の材料を、例えばアルミニウム合金とする。
なお、ピーニングの対象となる物体16の材料は、アルミニウム合金に限定されるものではない。例えば、ピーニングの対象となる物体16の材料は、鉄合金、鉄、ステンレス鋼等であってもよい。また、ピーニングの対象となる物体16の材料が、半導体やセラミック等であってもよい。
ピーニングの対象となる物体16としては、例えばピストン等を挙げることができる。
なお、ピーニングの対象となる物体16は、ピストンに限定されるものではない。ピーニングを行うことを要する様々な物体16に適用可能である。ピーニングの対象となる物体16が、例えば、電子部品の接点等であってもよい。
ステージ18の上方には、CCDカメラ50が設けられている。CCDカメラ50により取得される画像は、制御部14に入力されるようになっている。制御部14は、CCDカメラ50により取得される画像を用いて、ピーニングの対象となる物体16の位置決め等を行う。
このように、本実施形態では、ピーニングの対象となる物体16にナノ秒レーザ光Aを照射しながら、物体16のうちのナノ秒レーザ光Aが照射されている箇所にフェムト秒レーザ光Bを照射することにより、ピーニングを行う。本実施形態において、ナノ秒レーザ光Aを照射しながら、フェムト秒レーザ光Bを照射することによりピーニングを行うのは、以下のような理由によるものである。
即ち、大気中でナノ秒レーザ光を単に物体16の表面に照射した場合には、プラズマを閉じ込めるための媒質が存在しないため、物体16の表面に十分な衝撃を与えることは困難である。一方、フェムト秒レーザ光を物体16の表面に単に照射した場合には、フェムト秒レーザ光のレーザ強度が比較的小さい場合であってもプラズマが生じ、物体16の表面においてアブレーションが生じる。アブレーションが生じた場合には、物体16の表面が削り取られることとなるため、十分なピーニング効果を得ることは困難である。従って、フェムト秒レーザ光を物体16の表面に単に照射した場合には、物体16の表面を十分に硬化等させることは困難である。
これに対し、ナノ秒レーザ光Aを照射しながら、適度なレーザ強度のフェムト秒レーザ光Bを照射した場合には、物体16の表面においてアブレーションが生じるのを、ナノ秒レーザ光Aの照射により抑制することができる。このため、ナノ秒レーザ光Aを照射しながら、適度なレーザ強度のフェムト秒レーザ光Bを照射した場合には、十分なピーニング効果が得られる。このような理由により、本実施形態では、ナノ秒レーザ光Aを照射しながら、適度なレーザ強度のフェムト秒レーザ光Bを照射することにより、ピーニングを行うようにしている。なお、ナノ秒レーザ光Aを照射しながら、適度なレーザ強度のフェムト秒レーザ光Bを照射すると、物体16の表面を十分に硬化等させ得るということは、本願発明者らが初めて見いだしたものである。
なお、物体16に照射するフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度が比較的強い場合には、フェムト秒レーザ光Bによって生じるアブレーションをナノ秒レーザ光Aの照射によって十分に抑制することは困難である。このため、物体16に照射するフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度が比較的強い場合には、ナノ秒レーザ光Aを物体16に照射しているにもかかわらず、物体16の表面においてアブレーションが生じてしまう。物体16の表面においてアブレーションが生じた場合には、物体16の表面が削り取られることとなるため、十分なピーニング効果を得ることは困難である。このような理由により、本実施形態では、物体16に照射されるフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度を適度に設定している。
物体16に照射するフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、フェムト秒レーザ光Bのみを照射した際にはアブレーションが生じるが、ナノ秒レーザ光Aを照射しながらフェムト秒レーザ光Bを照射した際にはアブレーションが生じない範囲内のレーザ強度とすることが好ましい。フェムト秒レーザ光Bのレーザ強度をこのような範囲に設定するのは、以下のような理由によるものである。
即ち、フェムト秒レーザ光Bのみを照射した場合にアブレーションが生じないような弱いレーザ強度でフェムト秒レーザ光Bを照射した場合には、物体16の表面に十分な衝撃を加えることができず、十分なピーニング効果を得ることが困難である。一方、ナノ秒レーザ光Aを照射しているにもかかわらずアブレーションが生じてしまうような強いレーザ強度でフェムト秒レーザ光Bを照射した場合には、アブレーションを抑制することができないため、十分なピーニング効果を得ることは困難である。従って、フェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は、フェムト秒レーザ光Bのみを照射した際にはアブレーションが生じるが、ナノ秒レーザ光Aを照射しながらフェムト秒レーザ光Bを照射した際にはアブレーションが生じない範囲内とすることが好ましい。
図3は、フェムト秒レーザ光の波形及びナノ秒レーザ光の波形を概念的に示すタイムチャートである。図3に示すように、ナノ秒レーザ光Aが照射されている状態でフェムト秒レーザ光Bが照射される。また、図3に示すように、フェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数及びナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数は、互いに等しく設定される。
図4は、フェムト秒レーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングとナノ秒レーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングとの関係を示すグラフである。
本実施形態では、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1を、ナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2より早く設定する。ここでは、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2との差Δtは、例えば3ns程度とする。制御部14は、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1がナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2よりも所望の時間Δtだけ早くなるように、レーザ光源10,12を制御する。フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2との差Δtは、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。
フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1は、ナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2に対して過度に早くないことが好ましい。即ち、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2との差Δtが過度に大きくないことが好ましい。フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1が、ナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2に対して過度に早いと、アブレーションの抑止効果が十分に発現していない段階で、フェムト秒レーザ光Bが照射されることとなる。そうすると、アブレーションが生じてしまい、十分なピーニング効果が得られない虞がある。従って、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1は、ナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2に対して過度に早くないことが好ましい。
フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2とが同じであってもよい。フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2とが一致している場合にも、物体16の表面にナノ秒レーザ光Aが照射されている状態で、フェムト秒レーザ光Bが照射される。従って、フェムト秒レーザ光Bのパルス波形がピークとなるタイミングt1とナノ秒レーザ光Aのパルス波形がピークとなるタイミングt2とが同じである場合にも、アブレーションを抑制することは可能であり、十分なピーニング効果を得ることが可能である。
なお、本実施形態では、ガルバノスキャナ36を含む走査光学系42を用いてナノ秒レーザ光A及びフェムト秒レーザ光Bを走査する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ミラー(図示せず)と集光レンズ(図示せず)とを用いてナノ秒レーザ光A及びフェムト秒レーザ光Bを物体16に照射するようにしてもよい。
物体16に対するレーザ光の走査を開始する前には、物体16の位置が所定の位置に設定される。制御部14は、ステージ制御部44を介してステージ18を適宜制御し、走査光学系42によるレーザ光の走査が可能な範囲内に物体16を位置させる。
物体16に対するレーザ光の走査は、走査光学系42を制御することにより行われる。走査光学系42に対する制御は、例えば制御部14により行われる。走査光学系42は、ガルバノスキャナ36のミラー38を適宜回転させることにより、レーザ光の走査を行う。
レーザ光の走査速度は、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。レーザ光の走査速度は、例えば1500mm/s程度とする。
ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径及びフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径は、ユーザが入力操作部46を介して適宜設定し得る。ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径及びフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径は、ステージ18の上面の法線方向にステージ18を上下させることにより調整し得る。
図5は、ナノ秒レーザ光の照射スポットとフェムト秒レーザ光の照射スポットとの関係を示す図である。
図5(a)は、ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径とフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径とが等しい場合を示している。図5(a)に示すように、ナノ秒レーザ光Aの照射スポット47の径とフェムト秒レーザ光Bの照射スポット49の径とが等しくてもよい。ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径とフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径とが等しい場合には、フェムト秒レーザ光Bの照射範囲とナノ秒レーザ光Aの照射範囲とは一致する。
図5(b)は、ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径がフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径より大きい場合を示している。図5(b)に示すように、ナノ秒レーザ光Aの照射スポット47の径がフェムト秒レーザ光Bの照射スポット49の径より大きくてもよい。ナノ秒レーザ光Aの照射スポットの径がフェムト秒レーザ光Bの照射スポットの径より大きい場合には、フェムト秒レーザ光Bの照射範囲はナノ秒レーザ光Aの照射範囲の内側に位置する。
ここでは、図5(a)に示すように、ナノ秒レーザ光Aの照射スポット47の径とフェムト秒レーザ光Bの照射スポット49の径とを等しく設定する。ナノ秒レーザ光Aの照射スポット47の径及びフェムト秒レーザ光Bの照射スポット49の径は、それぞれ例えば50μmとする。
レーザ光の走査を行う範囲、即ち、レーザ照射予定範囲は、例えば、物体16が位置している範囲を包含するように設定される。レーザ照射予定範囲は、予め制御部14にプログラムされていてもよいし、レーザ光の走査を開始する際にユーザが入力操作部46を介して設定するようにしてもよい。
物体16に対するレーザ光の走査を開始する際には、例えば、ユーザが入力操作部46を介してレーザ光の走査の開始の指示を行う。
レーザ光の走査の開始の指示が入力されると、制御部14は、レーザ光源10、12からナノ秒レーザ光A及びフェムト秒レーザ光Bを繰り返し出射させつつ、走査光学系42を用いてレーザ光を走査する。レーザ光は、ステージ18上において例えば直線状の軌跡を描くように走査される。直線状の軌跡を描くレーザ光の走査を、平行に複数回行うことにより、レーザ照射予定範囲の全域にレーザ光が照射される。
レーザ光の照射スポットの中心領域は照射強度が比較的強い一方、レーザ光の照射スポットの中心領域を除く領域においては照射強度が比較的弱い。このため、レーザ光により描かれる直線状の軌跡が互いにオーバーラップしないようにレーザ光を走査した場合には、改質の度合いにムラが生じ得る。物体16の表面全体をムラなく改質するためには、レーザ光により描かれる直線状の軌跡が互いに部分的にオーバーラップするように、レーザ光を走査することが好ましい。
なお、レーザ光の軌跡は直線状に限定されるものではなく、例えば円形状であってもよい。
レーザ照射予定範囲の全域へのレーザ光の走査が完了すると、制御部14は、レーザ光源10からのナノ秒レーザ 光Aの出射、レーザ光源12からのフェムト秒レーザ光Bの出射、及び、走査光学系42によるレーザ光の走査を終了させる。
なお、ユーザが入力操作部46を介してレーザ光の走査の終了の指示を行うことにより、レーザ光の走査を終了させるようにしてもよい。
[評価結果]
図6は、硬度試験の結果を示すグラフである。図6において一点鎖線で示された範囲は、レーザ照射を行う前における物体16の硬度の範囲を示している。ピーニングの対象となる物体16としては、アルミニウム合金より成る鋳物を用いた。図6における横軸は、ナノ秒レーザ光Aのパワーを示している。図6における縦軸は、硬度を示している。硬度試験に用いる試験装置としては、ナノインデンターを用いた。硬度試験は、以下のような条件で行った。フェムト秒レーザ光Bの波長は1045nmとした。ナノ秒レーザ光Aの波長は、1050nmとした。フェムト秒レーザ光Bのパルス幅は、800fsとした。ナノ秒レーザ光Aのパルス幅は、10nsとした。ナノ秒レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数及びフェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数は、いずれも1MHzとした。ナノ秒レーザ光Aの照射スポット47の径及びフェムト秒レーザ光Bの照射スポット49の径は、いずれも50μmとした。レーザ光の走査速度は、1500mm/sとした。
図6における+印のプロットは、ナノ秒レーザ光Aのみを物体16に照射した場合を示している。図6からわかるように、ナノ秒レーザ光Aのみを物体16に照射した場合には、レーザ照射の前後において物体16の表面の硬度は殆ど変化しなかった。また、ナノ秒レーザ光Aのパワーを変化させても、ナノ秒レーザ光Aのみを物体16に照射した場合には、レーザ照射の前後において物体16の表面の硬度は殆ど変化しなかった。
図6における×印のプロットは、フェムト秒レーザ光Bのみを物体16に照射した場合を示している。図6から分かるように、フェムト秒レーザ光Bのみを物体16に照射した場合には、レーザ照射の前後において物体16の表面の硬度は殆ど変化しなかった。
図6における●印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが0.05Wである場合を示している。図6における■印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが0.1Wである場合を示している。図6における▲印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが0.2Wである場合を示している。図6から分かるように、フェムト秒レーザ光Bのパワーが0.05W、0.1W、0.2Wの場合には、ナノ秒レーザ光Aのパワーを大きくするに伴って硬度が上昇する傾向がある。
図6における○印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが0.5Wの場合を示している。図6における□印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが1.0Wの場合を示している。図6における△印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが5.0Wの場合を示している。図6における▽印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが10.0Wの場合を示している。図6における◇印のプロットは、物体16に照射したフェムト秒レーザ光Bのパワーが15.0Wの場合を示している。図6から分かるように、フェムト秒レーザ光Bのパワーが0.5W、1.0W、5.0W、10.0W、15.0Wの場合には、レーザ照射の前後において物体16の表面の硬度は殆ど変化しなかった。また、ナノ秒レーザ光Aのパワーを変化させても、フェムト秒レーザ光Bのパワーが0.5W、1.0W、5.0W、10.0W、15.0Wの場合には、レーザ照射の前後において物体16の表面の硬度は殆ど変化しなかった。
これらの結果から、ナノ秒レーザ光Aのみを単に物体16に照射した場合には、物体16の表面を十分に改質させ得ないことが分かる。また、フェムト秒レーザ光Bのみを単に物体16に照射した場合も、物体16の表面を十分に改質させ得ないことが分かる。また、ナノ秒レーザ光Aを照射しながらフェムト秒レーザ光Bを照射した場合であっても、フェムト秒レーザ光Bのパワーが0.5W以上である場合には、物体16の表面を十分に改質させ得ないことが分かる。また、フェムト秒レーザ光Bのパワーは0.05W〜0.2W程度が好ましいことが分かる。また、ナノ秒レーザ光Aのパワーを例えば10W〜50W程度とすることにより、十分な硬度が得られることが分かる。
なお、フェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数が1MHzの場合、図2から分かるように、0.05W〜0.2W程度のパワーのフェムト秒レーザ光Bのパルスエネルギーは0.05〜0.2μJ程度である。また、フェムト秒レーザ光Bのパルスの繰り返し周波数が1MHzの場合、図2から分かるように、0.05W〜0.2W程度のパワーのフェムト秒レーザ光Bのレーザ強度は6.25×1010W/cm〜2.50×1011W/cm程度である。
このように、本実施形態によれば、ナノ秒レーザ光Aを物体の表面に照射しながら、物体の表面のうちのナノ秒レーザ光Aが照射されている箇所にフェムト秒レーザ光Bを照射することにより、ピーニングを行う。フェムト秒レーザ光Bによりアブレーションが生じるのを、ナノ秒レーザ光Aの照射により抑制することができるため、本実施形態によれば、簡便且つ確実に物体の表面を改質することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による第2実施形態によるレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置を図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施形態によるレーザピーニング装置を示す概略図である。図1乃至図6に示す第1実施形態によるレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態によるレーザピーニング方法及びレーザピーニング装置は、単一の発振器から発せられるレーザ光を分岐して用いて、第1のレーザ光Aと第2のレーザ光Bとを生成するものである。
本実施形態によるレーザピーニング装置100は、第1のレーザ光(第1のパルスレーザビーム)Aから所定時間だけ遅延した第2のレーザ光(第2のパルスレーザビーム)Bを空間的に重畳して出射するレーザ光発生装置101を有している。レーザ光発生装置101は、光源102、1/2波長板103、偏光ビームスプリッタ104、ミラー105、遅延回路106、及び、1/2波長板107を有している。
光源102は、フェムト秒レーザ光を発するレーザ光源102aと、ナノ秒レーザを発するレーザ光源102bとを有している。光源102は、ナノ秒レーザAとフェムト秒レーザ光Bとを同期して出射し得る。
レーザ光源102aの後段には、1/2波長板103が設けられている。1/2波長板103の後段には、偏光ビームスプリッタ104が設けられている。本実施形態では、レーザ光源102aから出射されたナノ秒レーザ光Aが、偏光ビームスプリッタ104に対してP偏光で入射するように1/2波長板103は構成されている。従って、レーザ光源102aから出射されたナノ秒レーザ光Aは、1/2波長板103にてP偏光になり、偏光ビームスプリッタ104をそのまま透過する。
レーザ光源102bの後段には、ミラー105、遅延回路106、及び、1/2波長板107がこの順番で設けられている。レーザ光源102bから出射され、ミラー105により反射されたフェムト秒レーザ光Bが、遅延回路106及び1/2波長板107を介して偏光ビームスプリッタ104に入射されるように、ミラー105、遅延回路106及び1/2波長板107が位置決めされている。本実施形態では、レーザ光源102bから出射されたフェムト秒レーザ光Bが、偏光ビームスプリッタ104に対してS偏光で入射するように1/2波長板107が構成されている。従って、1/2波長板107に入射されたフェムト秒レーザ光は、1/2波長板107によりS偏光となり、偏光ビームスプリッタ104により反射されて、偏光ビームスプリッタ104の後段に達する。偏光ビームスプリッタ104は、レーザ光源102aから出射されたナノ秒レーザ光Aとレーザ光源102bから出射されたフェムト秒レーザBとを合波する合波部として機能する。
遅延回路106は、ナノ秒レーザ光Aとフェムト秒レーザ光Bとが同期して出射された場合に、フェムト秒レーザ光Bがナノ秒レーザ光Aに対して所定時間だけ遅延して偏光ビームスプリッタ104に入射されるように構成されている。従って、レーザ光源102aからのナノ秒レーザ光Aの出射とレーザ光源102bからのフェムト秒レーザ光の出射とを同期して行うと、ナノ秒レーザ光Aとフェムト秒レーザ光Bとが所定時間だけずれて偏光ビームスプリッタ104から出射される。すなわち、偏光ビームスプリッタ104からは、ナノ秒レーザ光(ナノ秒レーザパルス)Aから所定時間だけ遅れてフェムト秒レーザ光(フェムト秒レーザパルス)Bが出射される。
偏光ビームスプリッタ104の後段には、ガルバノスキャナ36、Fθレンズ40及びステージ18がこの順番で設けられている。従って、偏光ビームスプリッタ104から出射され、ナノ秒レーザ光Aとフェムト秒レーザ光Bとが合波されて成るレーザ光は、ガルバノスキャナ36のミラー38により反射され、Fθレンズ40を介してステージ18に載置された物体16に入射する。
図8は、本実施形態によるレーザピーニング装置の光源102の構成を示す図である。図8において、レーザ光源102bは、発振器201、パルス間引き器202、分岐カプラ203、ストレッチャ204、予備増幅器205、増幅器206、パルス圧縮器207及びシャッター208を有している。一方、レーザ光源102aは、ストレッチャ209、予備増幅器210、増幅器211及びシャッター212を有している。なお、シャッター208は、パルス圧縮器207から出射されるフェムト秒レーザが照射されても破壊されないように構成されている。また、シャッター212は、増幅器211から出射されるナノ秒レーザが照射されても破壊されないように構成されている。
発振器201は、例えば50MHz、100fsのレーザ光を出射するものである。発振器201の後段には、光ファイバを介してパルス間引き器202が接続されている。パルス間引き器202は、発振器201から発せられる、例えば50MHz、100fsのレーザ光を、例えば1MHz、100fsのレーザ光に変換して出射するものである。パルス間引き器202の後段には、光ファイバを介して分岐カプラ203が接続されている。分岐カプラ203としては、例えば3dBカプラが用いられている。分岐カプラ203の一方の出力端には、光ファイバを介してストレッチャ204が接続されている。また、分岐カプラ203の他方の出力端には、光ファイバを介してストレッチャ209が接続されている。
ストレッチャ204は、分岐カプラ203の一方の出力端から出射された、1MHz、100fsのレーザ光を、1MHz、100psのレーザ光に変換して出射する。ストレッチャ204の後段には、光ファイバを介して予備増幅器205が接続されている。予備増幅器205の後段には、光ファイバを介して増幅器206が接続されている。増幅器206の後段には、光ファイバを介してパルス圧縮器207が接続されている。パルス圧縮器207は、増幅器206から出射されるレーザ光を、例えば1MHz、800fsのレーザ光に変換して出射する。パルス圧縮器207から出射される、例えば1MHz、800fsのレーザ光は、レーザ光源102bの出射端213から出射される。このようにして、レーザ光源102bは、例えば、1MHz,800fsのフェムト秒レーザ光Bを出射することができる。パルス圧縮器207の後段には、矢印方向Pに開閉可能なシャッター208が設けられている。レーザ光源102bは、シャッター208を開閉することにより、フェムト秒レーザ光Bの出射をオン、オフすることができる。なお、シャッター208の開閉は、例えば制御部14により制御される。
ストレッチャ209は、分岐カプラ203の他方の出力端から出射された、1MHz、100fsのレーザ光を、1MHz、10nsのレーザ光に変換して出射する。ストレッチャ209の後段には、光ファイバを介して予備増幅器210が接続されている。予備増幅器210の後段には、光ファイバを介して増幅器211が接続されている。増幅器211から出射される、例えば1MHz、10nsのレーザ光は、レーザ光源102aの出射端214から出射される。従って、レーザ光源102aは、例えば1MHz、10nsのナノ秒レーザAを出射することができる。増幅器211の後段には、矢印方向Pに開閉可能なシャッター212が設けられている。レーザ光源102aは、シャッター212を開閉することにより、ナノ秒レーザAの出射をオン、オフすることができる。なお、シャッター212の開閉は、例えば制御部14により制御される。
分岐カプラ203の一方の出力端からレーザ光源102bの出射端213までの光路長と、分岐カプラ203の他方の出力端からレーザ光源102aの出射端214までの光路長とは、等しく設定されている。このため、単一の発振器201から出射された単一のレーザ光を分岐して、互いに同期したフェムト秒レーザ及びナノ秒レーザを出射することができる。なお、光路長は、例えば、各構成要素間に設けられる光ファイバの長さや屈折率等を適宜設定することにより調整し得る。
このように、単一の発振器201から発せられるレーザ光を分岐して用いて、第1のレーザ光Aと第2のレーザ光Bとを生成するようにしてもよい。本実施形態においても、ピーニングの対象となる物体16に第1のレーザ光Aを照射しながら、物体16のうちの第1のレーザ光Aが照射されている箇所に第2のレーザ光Bを照射することにより、ピーニングを行い得る。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、第1のレーザ光Aとしてナノ秒レーザ光を用い、第2のレーザ光Bとしてフェムト秒レーザ光を用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1のレーザ光Aと第2のレーザ光Bとが、以下のような関係を満たせばよい。即ち、第2のレーザ光Bのレーザ強度が第1のレーザ光Aのレーザ強度よりも強く、且つ、第2のレーザ光Bのパルス幅が第1のレーザ光Aのパルス幅より狭いという関係を満たせばよい。このような関係を満たせば、第1のレーザ光Aを照射しながら第2のレーザ光Bを照射することにより、第2のレーザ光Bによりアブレーションが生ずるのを、第1のレーザ光Aの照射により抑制することが可能である。例えば、第1のレーザ光Aがピコ秒レーザ光であり、第2のレーザ光Bがフェムト秒レーザ光であってもよい。ピコ秒レーザ光とは、パルス幅がピコ秒(ps:10−12秒)のオーダーのパルスレーザ光、即ち、パルス幅が1ps以上、1ns未満のパルスレーザ光のことである。また、第1のレーザ光Aがナノ秒レーザ光であり、第2のレーザ光Bがピコ秒レーザであってもよい。また、第1のレーザ光Aがマイクロ秒レーザ光であり、第2のレーザ光Bがフェムト秒レーザであってもよい。マイクロ秒レーザ光とは、パルス幅がマイクロ秒(μs:10−6秒)のオーダーのパルスレーザ光、即ち、パルス幅が1μs以上、1ms未満のパルスレーザ光のことである。また、第1のレーザ光Aがマイクロ秒レーザ光であり、第2のレーザ光Bがピコ秒レーザ光であってもよい。
10…レーザ光源
12…レーザ光源
14…制御部
16…物体

Claims (10)

  1. 第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を物体の表面に照射しながら、前記第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を前記物体の前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に照射する、レーザピーニング方法。
  2. 前記第1のレーザ光は、ナノ秒レーザ光であり、
    前記第2のレーザ光は、フェムト秒レーザ光である、請求項1記載のレーザピーニング方法。
  3. 前記物体に照射する前記第2のレーザ光の前記第2のレーザ強度は、前記物体に前記第2のレーザ光を単独で照射した際にはアブレーションが生じ、前記物体に前記第1のレーザ光を照射しながら、前記物体のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に前記第2のレーザ光を照射した際にはアブレーションが生じない範囲内のレーザ強度である、請求項1又は2記載のレーザピーニング方法。
  4. 前記第1のレーザ光及び前記第2のレーザ光の走査する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザピーニング方法。
  5. 前記物体の前記表面における前記第2のレーザ光の照射スポットの範囲は、前記物体の前記表面における前記第1のレーザ光の照射スポットの範囲と同等、又は、前記物体の前記表面における前記第1のレーザ光の照射スポットの範囲の内側である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザピーニング方法。
  6. 前記物体に照射する前記第2のレーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングは、前記物体に照射する前記第1のレーザ光のパルス波形がピークとなるタイミングより早い、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーザピーニング方法。
  7. 第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を出射する第1のレーザ光源と、
    第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を出射する第2のレーザ光源と、
    前記第1のレーザ光源から出射される前記第1のレーザ光を物体の表面に照射させながら、前記物体の前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に、前記第2のレーザ光源から出射される前記第2のレーザ光を照射させる制御部と
    を有するレーザピーニング装置。
  8. 前記第1のレーザ光は、ナノ秒レーザ光であり、
    前記第2のレーザ光は、フェムト秒レーザ光である、請求項7記載のレーザピーニング装置。
  9. 第1のレーザ強度と第1のパルス幅とを有する第1のレーザ光を表面に照射しながら、前記第1のレーザ強度より強い第2のレーザ強度と、前記第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅とを有する第2のレーザ光を前記表面のうちの前記第1のレーザ光が照射されている箇所に照射することにより、レーザピーニングが行われた物体。
  10. 前記第1のレーザ光は、ナノ秒レーザ光であり、
    前記第2のレーザ光は、フェムト秒レーザ光である、請求項9記載の物体。
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