JP2015093000A - 医療用x線測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】骨密度測定装置等の医療用X測定装置において、照射シーケンスあるいは画素列を注目組織に適合させるようにする。特に、注目組織内により多くの有効画素が設定されるようにする。【解決手段】低エネルギーXを用いて被検体に対してプリスキャンが実行され、これにより被検体内の注目組織の境界282が検出される。その境界282の位置に基づいて本スキャンにおけるスキャン条件が定められる。その場合においては、注目組織の幅W1内により多くの有効画素が設定されるように、照射シーケンス264,274が定められる。照射シーケンス264,274は、助走部分266,276と、実行部分268,278と、オーバーラン部分270,280と、により構成される。助走部分266,276での走査速度等が可変設定される。【選択図】図26
Description
本発明は医療用X線測定装置に関し、特に、X線照射等の制御に関する。
医療用X線測定装置として、X線組織診断装置、X線撮影装置、X線CT装置等が知られている。以下においては、X線組織診断装置の一種である骨密度測定装置をとりあげ、それについて説明する。
骨密度測定装置は、一般に、二重エネルギーX線吸収法(DEXA法)に基づいて被検体内の骨について骨密度を測定及び演算する装置である(特許文献1及び特許文献2を参照)。骨密度測定装置においては、例えば、ペンシルビーム状のX線が機械的に2次元走査され、それと並行して被検者を透過したX線が検出される。より詳しくは、ビーム走査を行いながら、低エネルギーX線及び高エネルギーX線が交互に照射され、これにより、機械走査方向に交互に並んだ低エネルギーX線検出値(以下「L検出値」という。)及び高エネルギーX線検出値(以下「H検出値」という。)が取得される。
従来の骨密度測定装置においては、複数のL検出値及び複数のH検出値からなる2次元検出値アレイに対して、2次元画素アレイが固定的に設定されている。つまり、照射シーケンスは対象骨の位置や形状にかかわらず一定である。画素アレイを構成する各画素は、先に取得されたL検出値及び後に取得されたH検出値からなり、あるいは、先に取得されたH検出値及び後に取得されたL検出値からなる。画素単位で、それを構成するL検出値及びH検出値に基づいて、骨密度(単位面積当たりの骨塩量)が演算される。従来、骨密度測定装置の中には、2次元の広がりを有するファンビームや三次元の広がりを有するコーンビームを照射する装置がある。
従来の骨密度測定装置においては、所定の照射シーケンスに従ってX線の照射及びX線の検出が実行されている。その結果として、画素列あるいは画素列集合としての画素アレイが構成される。各画素は、上記のように、先に取得されたL検出値(又はH検出値)及び後に取得されたH検出値(又はL検出値)により構成される。個々の画素内において、2つの検出値の取得座標は、厳密には、互いに一致していない。機械走査速度やエネルギー切替周期にも依るが、それらの座標間に例えば1cmの差がある。それ故、画素内部に骨と軟組織との間の境界が含まれる場合、当該画素について演算される骨密度あるいは骨密度に基づいて判定される組織種別が正確な値ではなくなってしまうおそれがある。その問題を回避するために、骨領域内における境界(輪郭)付近の画素を演算対象から一律に除外すると、骨密度演算範囲が小さくなってしまう。つまり、計測に利用できる有効画素数が少なくなってしまう。マウスやラット等の小動物の骨は非常に小さいので、それに対して演算範囲を設定する場合、その演算範囲をできるだけ大きくしたいとの要請があるが、上記の一律除外はそのような要請に反する結果を招くものである。
対象骨の位置や形状に適合した照射シーケンスを設定した上で、その実行により検出値列を効率的に取得することが望まれる。以上指摘した問題は骨密度測定装置以外の医療用X線測定装置においても生じ得る問題である。
本発明の目的は、医療用X線測定装置において、照射シーケンスあるいは画素列を注目組織に適合させることにある。あるいは、本発明の目的は、注目組織内により多くの画素を設定できるようにすることにある。
本発明は、プリスキャンモードにおいて、被検体を透過するX線ビームの走査を制御してプリスキャン画像が取得されるようにするプリスキャン制御手段と、前記プリスキャン画像を解析して前記被検体内における注目組織を検出する検出手段と、本スキャンモードにおいて前記被検体を透過するX線ビームの走査を制御して本スキャン画像が取得されるようにする手段であって、前記注目組織に基づいてX線照射シーケンスを適応的に設定する本スキャン制御手段と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、本スキャンに先立ってプリスキャンが実行され、プリスキャンの成果として注目組織が検出される。その場合、望ましくは、注目組織の輪郭(境界)が検出される。本スキャンモードの実行時においては、検出された注目組織に基づいてX線照射シーケンスが適応的に設定される。すなわち、従来においてはX線照射シーケンスが固定的に設定されていたが、上記構成によれば、本スキャンモードにおいて、注目組織に応じてそれに相応しいX線照射シーケンスを設定することが可能である。特に望ましくは、X線照射シーケンスが複数の区間からなる区間列として構成されている場合、そこに含まれる基準区間(特に、その開始タイミング又はその終了タイミング)が注目組織境界に応じて可変設定される。これによれば注目組織の内部に有効画素(有効な検出値を有する画素)をより多く設定することが可能となる。例えば、DEXA法が適用される場合、注目組織内に骨密度演算対象となる画素をより多く設定することが可能となる。望ましくは、プリスキャン画像は2次元検出値アレイであり、あるいは、2次元検出値分布を表す画像である。望ましくは、本スキャン画像は、2次元検出値アレイであり、あるいは、2次元検出値分布を表す画像である。その画像は例えば骨密度画像である。
被曝低減の観点から、プリスキャンモードにおいては、プリスキャン画像上において注目組織を特定できる限りにおいて、低いエネルギーをもったX線を照射するのが望ましい。また、注目組織がカバーされる限りにおいて、プリスキャン範囲を狭く又はプリスキャン経路を短くするのが望ましい。本スキャンモードでは、上記DEXA法に従って、2種類のX線が交互に照射されるのが望ましい。プリスキャンモードではそのような交互照射は基本的に不要である。なお、プリスキャン画像は1次元画像又は2次元画像であり、本スキャン画像も1次元画像又は2次元画像である。プリスキャンモード及び本スキャンモードで照射されるX線のビームは望ましくはペンシルビームであるが、2次元に広がるファンビーム又は3次元に広がるコーンビーム等であってもよい。
望ましくは、前記検出手段は、前記注目組織の輪郭を検出し、前記本スキャン制御手段は、前記注目組織の輪郭の位置に応じて前記X線照射シーケンスを適応的に設定する。望ましくは、被検体はマウス等の小動物であり、注目組織は小動物中の特定骨である。骨以外の脂肪等を注目組織とすることも可能である。
望ましくは、前記本スキャンモードにおけるX線照射シーケンスは複数の時間的区間からなる区間列として構成され、前記各区間は、低エネルギーX線及び高エネルギーX線の内の一方が照射される一方の区間部分と、低エネルギーX線及び高エネルギーX線の内の他方が照射される他方の区間部分と、により構成され、前記本スキャン制御手段は、前記輪郭の位置に応じて前記X線照射シーケンスに含まれる基準区間のタイミングを可変設定する。基準区間は、注目組織内に設定される区間列における最初の区間又は最後の区間である。そのような基準区間を輪郭に近付けることにより、注目組織内における有効画素数を増大できる。
望ましくは、前記本スキャン制御手段は、前記X線照射シーケンスにおける助走部分において、X線ビームの移動速度、及び、X線エネルギー切替周期の少なくとも1つを可変する。プリスキャンにより注目組織の輪郭の位置が既知となっているため、例えば、輪郭を超えた以降において適正な画素列を設定できるように助走期間を使って各種動作の調整を図るものである。
望ましくは、前記本スキャンモードにおいては、低エネルギーX線及び前記低エネエルギーX線よりも高いエネルギーをもった高エネルギーX線が交互に照射され、前記プリスキャンモードにおいては、少なくとも前記高エネルギーよりも低いエネルギーをもったプリスキャン用X線が照射される。この構成によればプリスキャンでの被曝低減を図れる。
望ましくは、前記プリスキャン用X線は、前記低エネルギーと同等又はそれより低いエネエルギーを有する。この構成によればプリスキャンでの被曝低減をより図れる。
望ましくは、 前記プリスキャンモードにおいて、第1方向における位置を順次異ならせながら前記第1方向における各位置で前記第1方向に直交する第2方向へX線ビームが走査され、前記第1方向における各位置で前記第2方向へX線ビームを走査する場合に、前記注意目組織の輪郭に基づいてX線ビーム走査範囲が設定される。この構成によれば、第1方向(例えばY方向)の各位置で、第2方向(例えばX方向)にビーム走査を行う場合において、ビーム走査の開始位置を注目組織の輪郭に応じて定めることができる。その場合、無駄な走査や照射を除外又は軽減できる。第1方向におけるn番目の位置のスキャン条件を設定する場合に、第1方向におけるN−1番目の位置でのスキャンで特定された輪郭の位置を参照するのが望ましい。
望ましくは、前記注目組織は骨であり、前記本スキャン画像は骨密度画像である。
本発明によれば、医療用X線測定装置において、照射シーケンスあるいは画素列を注目組織に適合させることができる。あるいは、注目組織内により多くの画素(例えば骨密度演算単位)を設定することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)骨密度測定装置の第1例(装置構成、境界判定及び画素アレイの事後設定についての説明)
図1には、骨密度測定装置の第1例が概念図として示されている。骨密度測定装置は医療用X線測定装置であり、被検体に対してX線を照射することにより骨密度画像を形成する装置である。骨密度は一般に単位面積当たりの骨塩量である。本実施形態においては、DEXA法に基づいて骨密度が測定及び演算されている。
図1には、骨密度測定装置の第1例が概念図として示されている。骨密度測定装置は医療用X線測定装置であり、被検体に対してX線を照射することにより骨密度画像を形成する装置である。骨密度は一般に単位面積当たりの骨塩量である。本実施形態においては、DEXA法に基づいて骨密度が測定及び演算されている。
図1において、骨密度測定装置は、大別して、測定ユニット10及び演算制御ユニット12からなる。測定ユニット10は、例えば、X線管理区域内に設置される。演算制御ユニット12は、例えば、情報処理装置により構成される。
最初に、測定ユニット10について説明する。図1に示すように、撮影台14の天板14A上に被検体16が載せられている。被検体16は、測定対象となる骨16Aを有している。その骨16Aは、例えば、腰椎、大腿骨等である。測定ユニット10は、下部18と上部20とを有している。下部18について説明すると、天板14Aの下方には発生器24が水平運動可能に設けられている。発生器24はX線を発生するX線発生管26を有している。発生器24の上側には、図1に示す例において、フィルタユニット28が設けられている。フィルタユニット28と共にシャッタユニットが設けられてもよい。X線発生管26に対しては高電圧源30から電圧が供給されている。具体的には、X線発生管26に対して、制御信号31に従ったタイミングで、低電圧及び高電圧が交互に印加されている。これによって、X線発生管26において、低エネルギーX線及び高エネルギーX線が交互に生じる。図示されていないコリメータ及びフィルタユニット28の作用により、図1に示す構成例において、2次元ビームとしてのファンビーム32が形成されている。ファンビーム32は、下方から上方へ広がるビームであり、すなわち面状のビームである。フィルタユニット28は、回転駆動されるフィルタ板を備え、そのフィルタ板は低エネルギーX線用フィルタ部材及び高エネルギーX線用フィルタ部材を備えている。X線の種類に応じて、それに対応する適切なフィルタがX線通過経路上に挿入される。フィルタユニット28は後述する制御部44によって制御されている。
下部18は走査機構22を有している。その動作は制御部44によって制御されている。本実施形態においては、発生器24を含む下部可動体と、後述する検出器34を含む上部可動体とがともにX方向すなわち図1において紙面垂直方向に機械的に走査されている。そのような機械的走査は走査機構22によって行われている。ファンビーム32をX方向に走査することにより、角錐状の照射領域が形成される。ちなみに、Y方向はファンビームの広がり方向であり、Z方向はX線の照射方向、より詳しくはファンビーム中心線が向く方向である。X線発生を上部で行い、X線検出を下部で行うようにしてもよい。
上部20について説明すると、上部20は検出器34を有している。検出器34は、ファンビーム32の広がり方向つまりY方向に沿って設けられた複数の検出セル(センサ)を有する。各検出セルは個別的にX線の検出を行うものである。例えば約500個の検出セルが1次元配列されている。よって、それらによってY方向すなわちファンビームの広がり方向に並んだ複数の検出値からなる検出値列が取得される。X方向の各位置においてX線の照射を順次行うことにより、X方向の各位置において検出値列が取得される。ただし、上述したように低エネルギーX線及び高エネルギーX線が交互に照射されるため、低エネルギーX線検出値列(L検出値列)及び高エネルギーX線検出値列(H検出値列)が交互に取得されることになる。
ファンビーム32のX方向の機械走査に伴い、検出器34がX方向に機械走査される。ファンビームに代えてペンシルビームを利用することも可能である。この場合においてはペンシルビームが2次元的にジグザグスキャンされる。また、幅の狭いファンビームを2次元的にジグザグスキャンさせるようにしてもよい。更に、コーンビームを利用することも可能である。
なお、図1に示す構成例においては、撮影台14と下部18は互いに別体に構成されている。ただし、それらを一体化するようにしてもよい。
次に、容器の演算制御ユニット12について説明する。演算制御ユニット12は上述したように情報処理装置、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。演算制御ユニット12は、測定ユニット10の制御を行うと共に、測定ユニット10によって取得されたデータを処理するものである。演算制御ユニット12が実行する各処理は図1に示す構成例においてソフトウェアの機能として実現されている。図1においては、各処理がブロックとして示されている。
データメモリ36には、複数の検出値列が格納される。それらによって2次元検出値アレイが構成される。2次元検出値アレイは、X方向に沿って交互に配置された複数のL検出値列と複数のH検出値列とからなる。90度見方を変えると、2次元検出値アレイにおいて、Y方向に沿って並んだ複数の検出値列を観念し得る。その場合における個々の検出値列は、X方向に並んだ複数の検出値からなり、具体的には、X方向に交互に配置された複数のL検出値及び複数のH検出値からなるものである。そのような検出値列に対して複数の画素が定義される。検出値列及び画素列については後に詳述する。
境界判定部38は、2次元検出値アレイに基づいて境界を判定するモジュールである。画素アレイ設定部42は、境界判定部38の判定結果に基づいて、つまり判定された境界に基づいて、2次元検出値アレイに対して2次元画素アレイを定義又は設定するモジュールである。境界判定部38及び画素アレイ設定部42の作用については後に詳述する。
骨密度演算部40は、画素アレイ設定部42によって設定された2次元画素アレイを構成する各画素毎に、具体的には骨領域内に属する各有効画素毎に、骨密度を演算するモジュールである。その場合においては、各画素を構成する一対の検出値(L検出値及びH検出値)が参照される。本実施形態においては、上述したようにDEXA法に従って骨密度が演算されている。当該方式を実現するために、骨密度演算に際しては、X線ビーム経路上に被検体を挿入しない状態において別途測定された測定結果が利用される。すなわち、被検体に対する測定に先立って、被検体による減弱を受けていない状態でのX線強度が計測される。これは被検体を挿入した状態における入射X線強度とみなせるものである。
図1に示す構成例においては、境界判定が上述したように2次元検出値アレイに基づいて実行されている。この場合において、各検出値は各検出セルの出力値である。ただし、境界判定が減衰量(減衰値)に基づいて実行されてもよく、またそれらに相当する他のデータに基づいて実行されてもよい。
骨密度は、RL− α・RHに比例する値として計算される。ここで、RL=ln(IOL/IL) , RH=ln(IOH/IH) , α= RL / RHである。但し、各値は以下のとおりである。αは軟組織領域(骨領域以外)で計測される係数である。
IOL:低エネルギーX線の入射強度
IOH:高エネルギーX線の入射強度
IL:低エネルギーX線の出射強度(骨と軟部組織が存在する領域での検出値)
IH:高エネルギーX線の出射強度(骨と軟部組織が存在する領域での検出値)
IOL:低エネルギーX線の入射強度
IOH:高エネルギーX線の入射強度
IL:低エネルギーX線の出射強度(骨と軟部組織が存在する領域での検出値)
IH:高エネルギーX線の出射強度(骨と軟部組織が存在する領域での検出値)
上述したL検出値及びH検出値は例えばIL及びIHである。但し、それらに相当する値、例えば、RL及びRHを用いることも可能である。
図1において、制御部44は骨密度測定の制御を実行するモジュールである。また、制御部44は、演算範囲(関心領域)内で平均骨密度の演算を行う機能、等を有している。ちなみに、演算範囲は骨密度演算部40又は制御部44により設定される。入力部46は検査者において操作されるものである。表示部48は骨密度画像等が表示されるディスプレイである。
図2には、2次元検出値アレイ50に対して設定される2次元画素アレイ62が示されている。まず2次元検出値アレイ50について説明する。2次元検出値アレイ50は、X方向に並んだ複数の検出値列52,54により構成される。個々の検出値列52は、Y方向に並んだ複数のL検出値56により構成される。個々の検出値列54は、Y方向に並んだ複数のH検出値58により構成される。すなわち、低エネルギーX線の照射と高エネルギーX線の照射とを繰り返し行いながら、ファンビームをX方向に走査することにより、L検出値列52とH検出値列54とが交互に取得され、その結果として、2次元検出値アレイ50が構成される。
別の見方をすると、2次元検出値アレイはY方向に並んだ複数の検出値列60によって構成されるものである。その場合、個々の検出値列60は、X方向に交互に並んだ複数のL検出値及び複数のH検出値からなる。このような2次元検出値アレイ50に対して、図1に示した骨密度測定装置によれば、検出値列60毎に、そこに含まれる境界の位置に応じて、画素列64を適応的に設定することが可能である。すなわち、後に説明するように個々の検出列60毎に、第1画素列パターン及び第2画素列パターンの中から、境界の位置に適合する画素列パターンを選択することが可能である。
各画素列64は、X方向に並ぶ複数の画素63により構成される。各画素63は、L検出値及びH検出値により構成される。すなわち、検出値ペアにより構成される。ただし、ペア種類として2つがある。すなわち、X方向の正の向きにおいて先に存在するL検出値とその直後に存在するH検出値とからなるLHペアと、同じくX方向の正の向きにおいて先に存在するH検出値とその直後に存在するL検出値とからなるHLペアと、がある。第1の画素列パターンは密に連結した複数のLHペアによって構成される。第2の画素列パターンは密に連結したHLペアによって構成される。図1に示した構成例によれば、個々の画素列60毎に、境界の位置に応じて、第1の画素列パターン又は第2の画素列パターンを選択することが可能である。その具体的な内容については後に詳述するが、画素列60毎に画素列パターンを適応的に選択すれば、対象骨の形態に応じて最適な2次元検出値アレイ50を構成することが可能である。
ちなみに、境界判定にあたって、本実施形態においては検出セルの出力値が利用されているが、上述したように減衰量等に基づいて境界の判定が行われてもよい。図2に示した例においては、単一の画素列60毎に画素列パターンが選択されていたが、複数の画素列を単位として画素列パターンが選択されてもよい。いずれにしても、画素列パターンの選択という手法を適用することにより、従来よりも骨密度演算の対象となる有効画素数を増大でき、あるいは、測定の精度や再現性を従来よりも向上することが可能である。
図3には、ファンビームの機械走査が概念的に示されている。符号34は検出器を示しており、それはY方向に並んだ複数の検出セル34aにより構成される。そのような検出器34が対象骨66を横切るようにX方向に機械的に走査されると、矩形のスキャンエリア65が構成される。
図4にはペンシルビームの機械走査が示されている。符号68がペンシルビームを模式的に表している。そのようなペンシルビーム68が対象骨70に対して2次元的にスキャンされる。符号72はその場合におけるジグザグスキャン経路を表している。ジグザグスキャン経路72は、X方向正向きのスキャンに相当する経路部分72−1と、Y方向正向きのスキャンに相当する経路部分72−2と、X方向負向きのスキャンに相当する経路部分72−3と、Y方向正向きのスキャンに相当する経路部分72−4と、を有する。もっとも、図4の構成において、例えば、X方向が主走査方向に対応し、Y方向が副走査方向に対応する。もっとも、ジグザグスキャン経路72を90度回転させるようにしてもよい。
次に、図5乃至図8を用いて、境界判定方法について説明する。
図5には、境界判定の第1例が示されている。図5において、左から右への方向がX方向の正の向きに対応している。(A)には1つの選択候補としての第1画素列パターンが示されており、(B)はもう1つの選択候補としての第2画素列パターンを示している。(C)はX方向に沿って並んだ複数の検出値からなる検出値列を示しており、それは具体的には交互に並んだ複数のL検出値56と複数のH検出値58とからなる。(D)は隣接検出値ペアを単位とした境界の判定を表している。(D)に示されるように、検出値列に対しては、互いに半分ずつ重複した関係をもって複数の検出値ペアが多重的に設定されている。境界判定条件については後に図6を用いて説明する。
図5に示す例においては、L検出値56に基づく組織種別の判定結果と、H検出値58に基づく組織種別の判定結果とが互いに突き合わされ、それらが一致した場合に「境界無し」が判定されており、それらが不一致である場合に「境界有り」が判定されている。
具体的には、符号74で示した判定ブロックにおいて、境界無しが判定されており、符号76で示した判定ブロックにおいて、境界有り78が判定されている。従来においては画素単位で境界が判定されていたが、図5に示す手法では、結果として検出値単位で境界を判定することが可能である。つまり、従来よりも二倍の分解能で境界の有無を判定することが可能である。境界有りが判定された場合(符号78)、それ以後の判定プロセスを省略するようにしてもよい。もちろん、それ以後の判定プロセスを実行して、次の境界を判定するようにしてもよい。
境界有りが判定された場合(符号78)、それに基づいて各種の処理を実現することが可能である。例えば、判定された境界に基づいて骨領域を認定した上で(符号80)、認定された骨領域に対して画像処理や計測を実行するようにしてもよい(符号82)。あるいは、判定された境界に基づいて、骨密度演算のための画素列の設定を行うようにしてもよい(符号84)。そのような画素列に従って画素毎に骨密度が演算され、それらに基づき、骨密度画像が構成されてもよい(符号86)。上記のように、図5に示した構成例によれば、判定された境界の位置に基づいて、2つの画素列パターンの内で最適な画素列パターンを選択し得る。2つの画素列パターンは半画素分だけ互いにX方向にシフトした関係にある。画素列パターンの選択により、骨領域に属する有効画素数の増大を図れる。
図6には、図5に示した境界判定方法における判定条件が例示されている。符号88は、L検出値に基づく判定結果を示しており、符号90はH検出値に基づく判定結果を示している。符号92は総合的な判定結果を示している。符号94及び96で示すように、2つの個別判定結果が互いに一致する場合、総合的判定においては2つの個別判定結果がそのまま採用される。一方、2つの個別判定結果が不一致となる場合、符号98で示すように、境界が判定される。すなわち境界有りが判定される。
図7及び図8を用いて境界判定の第2例について説明する。図7において、(A)には1つの選択候補としての第1画素列パターンが示されており、(B)にはもう1つの選択候補としての第2画素列パターンが示されている。(C)には検出値列が示されている。(D)には境界判定方法が模式的に示されている。
境界判定に先立って、隣接検出値ペア56,58に基づいて骨密度が演算される(符号88)。この場合、軟組織については骨密度に相当する値が演算される。符号90で示すブロックにおいては、隣接検出値ペアを構成する個々の検出値56,58に基づいて組織種別が判定される。また、骨密度に基づいて組織種別が判定される。そして、3つの個別的な判定結果を相互に突き合わせることにより、最終的に組織種別が判定される。判定条件については後に図8を用いて説明する。図7に示す例では、3つの個別判定結果に基づいて、軟組織、骨及び境界の中のいずれかの種別が判定されている。境界が判定された場合、その境界が判定された位置に基づいて、骨領域が認定され(符号98)、骨領域に対して画像処理等が実行される(符号100)。
図8には、図7に示した境界判定方法における判定条件が示されている。符号102はL検出値に基づく判定結果を示しており、符号104はH検出値に基づく判定結果を示しており、符号106は骨密度に基づく判定結果を示している。更に、符号108は総合的な判定結果を示している。符号110で示すように、3つの個別的な判定結果102,104,106がいずれも骨である場合、符号108で示す総合的判定において、骨が判定される。一方、それ以外の場合においては、骨以外であることすなわち軟組織が判定される(符号112参照)。もっとも、3つの個別判定結果がいずれも軟組織を示す場合に軟組織を総合的に判定し、それ以外においては真偽不明を判定する等の各種のバリエーションが考えられる。骨密度演算の目的や要求する精度等に応じて判定条件を定めるのが望ましい。
以上のように、多重的に設定される複数の検出値ペアに基づいて境界を判定することにより、非重複関係をもって設定される複数の画素に基づく境界の判定に比べて、二倍の分解能を実現することが可能である。
(2)画素アレイの設定例の説明
次に、図9乃至図17を用いて2次元画素アレイの設定方法について説明する。図9乃至図12には境界の位置に応じた画素列の設定例が示されている。まず図9を用いて第1例について説明する。
次に、図9乃至図17を用いて2次元画素アレイの設定方法について説明する。図9乃至図12には境界の位置に応じた画素列の設定例が示されている。まず図9を用いて第1例について説明する。
図9において、(A)は区間信号を示している。図9において横方向がX方向に対応している。区間信号において、シンボル“L”は低エネルギーX線照射期間を表しており、シンボル“H”は高エネルギーX線照射期間を表している。(B)は組織種別を表しており、すなわちX方向に存在する組織の内容を示している。ここにおいて、軟組織と骨との間に実境界110が存在している。その実境界110はH区間からL区間へ切り替わる地点(立ち下がり点)に一致している。
(C)にはL検出値の並びが示されている。それらは軟組織と骨とを弁別するための閾値112と比較される。閾値112よりもL検出値が大きければ軟組織と判定され、小さければ骨と判定される。(D)はH検出値の並びを示している。それらは閾値114と比較される。閾値114よりも大きなH検出値については軟組織が判定され、それよりも小さなH検出値については骨が判定される。
X方向に沿って評価対象として複数の検出値ペアが定義される。その中で検出値ペア116に着目すると、X方向正向きで先に(上流側に)存在するH検出値118については軟組織が判定されており、一方、その直後に(下流側に)存在するL検出値120については骨が判定されている。この結果、2つの個別判定結果が不一致となり、2つの検出値間における境界の存在が判定される。それを表したものが(E)である。すなわち、そこには、個々の判定結果が示されており、最初において軟組織122が判定された上で、そこから骨124へ切り替わる地点として、境界(区間間境界)126が判定されている。そして、(F)で示すように境界126の位置に応じて、いずれかの画素列パターンが選択され、それが設定される。
具体的には、第1画素列パターン及び第2画素列パターンの中から、骨領域内に属する有効画素ができるだけ多くなるように、特定の画素列パターンが選択される。図9に示す例では、(F)に示すように、複数のLHペアからなる第1画素列パターンが選択されている。図9に示す例において、仮に、複数のHLペアからなる第2画素列パターンを選択してしまうと、特定画素の丁度真ん中の位置に実境界110を存在させてしまうことになる。これに対して、図9に示した例では、実境界110の位置を基準として第1画素列パターンが設定されているので、有効画素数を増大できる。
第1画素列パターンが設定されると、(G)に示すように、その画素列を構成する各画素ごとに骨密度が演算される。軟組織においては骨密度値に相当する演算値が求められるが、それは平均骨密度の演算等において無視される。なお、符号128は組織種別を判別する閾値を示しており、それを上回った値についてだけ骨が判定される。もっとも、図9に示す例では、個々の検出値を基礎として総合的判定を行えるので、骨密度に基づく組織種別の判定は必ずしも行う必要はない。ちなみに、図9等において示すL検出値の並び及びH検出値の並びは説明用の例示である。
図10には、第2例が示されている。なお、図9に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図10に示す例では、(B)で表すように、軟組織と骨との間の実境界130が上記立ち下がり点よりも若干L期間内に入り込んでいる。このような場合において、(C)及び(D)で示す検出値列に着目すると、特に、検出値ペア132に着目すると、H検出値134については軟組織が判定されており、L検出値136については骨が判定されている。その結果、(E)で示すように立ち下がり点に相当する位置に境界(区間間境界)142が判定されている。つまり、それよりも上流側において軟組織138が判定されており、それよりも下流側において骨140が判定されている。この結果、(F)で示すように、図9に示した第1例と同様、第1画素列パターンが選択され、それが設定されている。もっとも、(G)に示されている骨密度列において、画素nに着目すると、その骨密度は、図9に示した画素nについての骨密度よりも若干下がっている。その下降の大きさに応じて、例外的処理を適用するようにしてもよい。
図11には、第3例が示されている。図11において、図9に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。この第3例においては、(B)で示すように、実境界132が、L区間の後半(立ち下がり点から離れた地点であり、次の立ち上がり点に近い地点)に存在している。(C)及び(D)で示される検出値列において、特に検出値ペア134に着目すると、符号136で示すL検出値については、軟組織が判定されており、符号138で示すH検出値については、骨が判定されている。すなわち、2つの個別判定結果が互いに不一致となり、それにより総合判定の結果として境界が判定される。この場合、(E)に示すように、区間信号((A)参照)における立ち上がり点に一致する地点で、境界144が判定される。それ以前において軟組織140が判定され、それ以降において骨142が判定される。図9及び図10に示した第1例及び第2例との対比において、実境界132の位置がX方向正の向きへよりシフトした結果、最終的に判定された境界144の位置が検出値1個分すなわち半画素分だけシフトしている。
図12には第4例が示されている。図12においても、図9等に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。この第4例においては、(B)に示すように立ち上がり点の位置に境界146が存在している。(C)及び(D)に示す検出値列において、特に検出値ペア148に着目すると、L検出値150については軟組織が判定されており、H検出値152については骨が判定されている。すなわち、そこにおいて2つの個別判定結果に不一致が生じ、その結果として、境界160が判定されている。判定された境界160は、(A)における立ち上がり点に一致している。
以上のように、上記手法によれば、半画素を単位として境界を検出することができ、それに基づいて画素パターンを適切に設定することが可能である。例えば、注目組織である特定骨内に、より多くの計測用画素(有効画素)を設定することが可能である。特に計測対象が小さいような場合に、計測精度を向上することが可能である。
図13には、比較例としての2次元画素アレイ164が示されている。この2次元画素アレイ164は、2次元検出値アレイ50に対して設定されたものである。2次元検出値アレイ50は、上述したように、X方向に並ぶ複数の検出値列により構成される。それらは、複数のL検出値列52と複数のH検出値列54とからなる。2次元検出値アレイ50に対して別の見方をすると、2次元検出値アレイ50は、Y方向に並ぶ複数の検出値列の60の集合体であり、その場合における個々の検出値列60はX方向に交互に並ぶ複数のL検出値及び複数のH検出値からなる。ちなみに、符号34は検出器を表している。
以上のような2次元検出値アレイ50に対して従来においては画一的に2次元画素アレイ164が設定されている。境界162の位置及び形状にかかわらず、一律に個々の画素を設定すると、有効画素168の個数を増大することができない。ちなみに、符号166は無効画像すなわち骨領域内の画素とは認識されない画素を示している。
以上のような状況において、上述した画素パターンの適応的選択法を適用することにより、図14に示すような2次元画素アレイ166を設定することが可能である。なお、図14において、図13に示した構成と同一の構成には同一符号を付してある。2次元画素アレイ166は、Y方向に並ぶ複数の検出値列170,172により構成されている。そこにおいて、画素列170は、第1画素列パターンを有する画素列であり、画素列172は、第2画素パターンを有する画素列である。第1画素パターンは、複数のLHペアの集合体であり、第2画素パターンは、複数のHLペアの集合体である。Y方向における各位置の画素列ごとに、X方向における境界162の位置に応じて、2つの画素列パターンの中から適切な画素列パターンが選択される。これにより、骨領域内における有効画素168の個数を増大することが可能である。これにより計測の精度を高められる。
図15には、補間処理及びリサンプリング処理が示されている。(A)はパターン設定後の2次元画素アレイ166が示されている。それに基づく直接的な計測あるいは直接的な画像処理が困難である場合、2次元画素アレイ166に対して符号174で示すような補間処理及びリサンプリング処理を適用するのが望ましい。このような処理結果が(B)に示す2次元画素アレイ176である。それは両方向に規則性をもったアレイである。
図16には、後側の境界178に基づく2次元画素アレイ180の設定が示されている。符号182で示すハッチが付された各ブロックは骨領域に属する有効画素を示している。Y方向の各位置において、X方向における、後側の境界178の位置に応じて、適切な画素列パターンが選択される。すなわち、骨領域内に属する有効画素数がより多くなるように、画素パターンが選択される。なお、図17に示されるように、前後2つの境界182,184内において有効画素がより多くなるように2次元画素アレイ186を定めるようにしてもよい。
(3)骨密度測定装置の第2例(プレスキャン、境界判定、照射シーケンスの適応的設定及び画素アレイの事前設定についての説明)
図18には、骨密度測定装置の第2例が示されている。なお、図1に示した第1例で説明した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図18には、骨密度測定装置の第2例が示されている。なお、図1に示した第1例で説明した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図18に示す第2例において、骨密度測定装置は大別して計測ユニット188と演算制御ユニット190とにより構成されている。測定ユニット188は、下部192と上部194とを有する。下部192は発生器196を有している。発生器196はX線発生管198を有する。また、発生器196の上側にはフィルタユニット200が設けられている。フィルタユニット200と共にシャッタユニットを設けるのが望ましい。この第2例においてはペンシルビーム203が生成されている。ペンシルビーム203はX方向及びY方向に機械的に走査される。そのための機構が走査機構22である。
上部194は2次元的に走査される検出器202を有している。それはペンシルビーム203を受けるものである。走査機構22は、下部可動体と共に、検出器202を備える上部可動体を機械的に走査する。
2次元データメモリ36内には、後に説明する本スキャンの実行により取得された2次元検出値アレイが格納される。この第2例においては、本スキャンに先立ってプリスキャンが実行されている。そのスキャン結果であるプリスキャンデータが境界判定部204に送られている。このプリスキャンデータも2次元検出値アレイを構成する。境界判定部204は、プリスキャンデータに基づいて軟組織と骨との間の境界を判定する。その判定結果が制御部206に出力されている。
制御部206は、プリスキャンを制御する機能及び本スキャンを制御する機能を有しており、それらの機能が図18において、プリスキャン制御部208及び本スキャン制御部210として示されている。
図18に示された構成例において、プリスキャン実行時においては、低エネルギーX線が用いられ、対象物全体がペンシルビームによって2次元的に走査される。これにより、2次元検出値アレイがプリスキャンデータとして取得される。そのプリスキャンデータを解析することにより、骨の輪郭すなわち境界が事前に判定され、その判定された位置に基づいて本スキャンの実行条件が定められる。すなわち、骨領域内に有効画素ができるだけ多く属するように、本スキャン条件が定められる。これについては後に詳述する。
以上のように定められた本スキャン条件にしたがって、本スキャンが実行されると、2次元データメモリ36内に複数のL検出値及び複数のH検出値からなる2次元検出値アレイが格納されることになる。そこで、骨密度演算部40は、既に設定されている2次元画素アレイを構成する各画素ごとに、具体的には骨領域内の画素ごとに、当該画素を構成する検出値ペアに基づいて骨密度を演算する。
図18に示した第2例においては、第1例とは異なり、プリスキャンによって境界を判定し、それに基づいて本スキャン条件つまり照射シーケンスあるいは2次元画素アレイを適応的に設定している。これについて以下に具体的に説明する。
図19には、プリスキャンの一例が示されている。符号212は、スキャンエリアを示しており、そのエリアはペンシルビームを走査可能な最大の領域である。プリスキャンに当たっては、対象骨214が有する輪郭214Aの形状に応じて、スキャン経路216が適応的に定められる。具体的に説明すると、最初に、符号216−1で示されるように、ペンシルビームがX方向正側へスキャンされ、そのスキャン過程において、エッジ検出手法を利用して境界(輪郭)214Aの位置が特定される。境界214Aが検出された場合、符号216−2で示すように、ペンシルビームがX方向負側へ動かされる。その場合において、予め定められた距離だけ移動が行われる。その後、符号216−3で示すように、Y方向正側へ所定距離だけペンシルビームが動かされる。その地点から符号216−4で示すように、X方向正側へ再びペンシルビームが動かされる。そのスキャン過程において、エッジ検出が並行して実行され、対象骨214の境界214Aの位置が特定される。以上のような、一連の部分的走査を繰り返すと、結果として、図19に示すようなスキャン経路216が構成されることになる。
図4に示したように、スキャンエリアの全体にわたって一律にジグザグスキャン経路を設定すると、境界214Aの特定にあたって長時間を要することになるが、図19に示す手法によれば、境界214Aの位置に応じてスキャン範囲を絞り込むことが可能であるので、プリスキャン時間を短縮化できるという利点を得られる。もっとも、対象骨214における両側の輪郭を特定する場合や、複雑な形状をもった骨の輪郭を特定する場合には、図4に示したようなジグザグスキャンによって対象骨全体の境界を特定するようにしてもよい。
以上のように境界が特定されると、Y方向における各位置において、X方向における境界の位置に応じて画素列が定められる。その場合、骨領域内で画素列が最適化されるように画素列全体が調整される。画素列の設定方法について以下に具体例を用いて説明する。
図20には、第1設定例が示されている。符号218は軟組織を示しており、符号220は骨を示している。それらの間に境界222が存在している。符号228は上述した2次元検出値アレイを示しており、符号230は2次元画素アレイを示している。
図20に示されるように、Y方向の各位置において、X方向に沿った画素列を定義するにあたり、境界222の内側につまり骨領域内にできる限り多くの有効画素が設定されるように、画素列が設定される。符号224は本スキャンにおけるX方向正側へのスキャンを示しており、符号226は本スキャンにおけるX方向負側へのスキャンを示している。いずれの場合においても、境界222を基準として画素列が定義されている。図20において、紙面上側の4つの画素列はいずれも第1画素列パターンによって構成されており、紙面下側の3つの画素列はいずれも第2画素列パターンによって構成されている。図20に示した第1例においては、Y方向に並ぶ複数の画素列間において、L区間及びH区間の並びが一致している。この第1設定例によれば、本スキャンにおいて、Y方向の各位置における照射シーケンスをかなり簡素化できるという利点を得られる。
図21には、第2設定例が示されている。なお、図20に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。このことは後に説明する図22及び図23においても同様である。
図21において、2次元検出値アレイ232に対して2次元画素アレイ234が設定されている。2次元画素アレイ234は、Y方向に並んだ複数の画素列からなる。この第2設定例においては、上側の4つの画素列がいずれも第1画素列パターンによって構成されており、下側の3つの画素列も第1画素列パターンによって構成されている。すなわち、Y方向の各位置において、境界222に基づいて、骨領域内にL区間及びH区間の並びを設定する場合に、境界222の右側(X方向正側)に最初にL区間が設定されるように照射シーケンスが定められている。但し、Y方向の各位置において、少なくとも骨領域内では、区間ピッチが揃っている。このような第2設定例を採用する場合、画素列パターンの選択手法は必ずしも不要となる。その点において照射制御を簡素化できる。
図22には第3設定例が示されている。2次元検出値アレイ236に対して、2次元画素アレイ238が設定されている。この第3設定例においては、Y方向の各位置において、境界222の位置に応じて照射シーケンスがきめ細かく調整されており、すなわちY方向に沿って見た場合に複数の画素列がX方向において不揃いとなっている。逆に言えば、Y方向の各位置において境界222に有効画素列の先頭画素が近接するように各照射シーケンスつまり各画素列が事前に設定されている。プリスキャンの実行結果に基づき境界222を事前に検出することにより、このようなきめ細やかな制御を実現できる。
図23には、第4設定例が示されている。2次元検出値アレイ242に対して、2次元画素例244が設定されている。この第4設定例においては、2つの境界222,240に基づいて2次元画素アレイ244が設定されている。具体的には、224で示すX方向正側のスキャンに関しては、境界222を基準として画素列が設定されており、それとは反対側のX方向負側へのスキャン226に関しては、境界240を基準として画素列が設定されている。
以上の設定例、特に図22及び図23に示した設定例では、X方向におけるスキャンに際して、境界の位置に応じて、照射シーケンスが動的に可変設定される。特に、必要に応じて、走査速度及び照射期間(区間長)が可変設定される。これについては後に図26に基づいて説明する。
図24には、フィルタユニットに設けられるフィルタ板246が示されている。境界に基づく照射シーケンスの調整のためには、低速でフィルタ板を回転させるのが望ましい。図24に示す例では、フィルタ板246が9個の低エネルギーX線用フィルタ部材248と9個の高エネルギーX線用フィルタ部材250とにより構成されている。それらの2種類のフィルタ部材248,250は円周方向に沿って交互に配列されている。このように多数のフィルタ板を設ければフィルタ板の回転速度を引き下げることが可能であり、回転速度の調整がし易くなる。図24においては、円形のフィルタ板が示されていたが、ドラム状のフィルタ板を設けるようにしてもよい。
図25には、本スキャンにおけるスキャン経路の一例が示されている。スキャンエリア254内には対象骨255が存在している。対象骨255の両側の輪郭がプリスキャンにより特定された場合、それに基づいて本スキャンの経路を設定するようにしてもよい。その一例が符号258で示されている。符号256はペンシルビームを表している。
スキャン経路258は、X方向正側へのスキャンに相当する経路部分258−1を有する。その経路部分258−1は、X方向負側の境界から所定距離にX方向負側へ下がった位置を始点とし、X方向正側の境界からX方向正側に所定距離を隔たった位置を終点とするものである。経路部分258−1の終点からY方向正側へ所定距離にわたってペンシルビームがスキャンされる。それが経路部分258−2で表されている。その後、X方向負側へペンシルビームが動かされる。その場合においても対象骨255におけるX方向の両側の境界に基づき、スキャンの始点と終点が定められる。符号258−4は、経路部分258−3に続く、Y方向正側へのスキャンにおける経路部分を表している。以上のような一連のプロセスが対象骨255の全体をカバーするように繰り返し実行される。このような本スキャン経路の設定によれば、本スキャン時間を短くすることが可能である。もっとも、対象骨内において適正に画素列を設定するために、対象骨の手前側に一定の助走期間が必要な場合、そのような助走期間のために対象骨の両側にマージンを設定すればよい。
図26には、本スキャンにおける照射シーケンスが示されている。これは、Y方向の特定の位置において実行されるX方向スキャンを規定するものである。符号260は対象骨の断面を表している。その幅がW1で表されている。W2がX方向における本スキャン範囲を示している。その範囲W2はY方向の各位置において異なり得る。ちなみにW3はスキャンエリアの最大幅を表している。
(A)は、シャッタユニットの動作を表している。シャッタユニットは必要に応じて設けられるものである。シャッタが閉状態にある場合、X線が被検体の手前側で遮蔽され、被検体の被曝が低減される。シャッタが開状態にある場合、X線が被検体を透過する。(B)は、正方向正側へのスキャン262を表している。その場合における照射シーケンスが符号264で表されている。(C)にはX方向負側へのスキャン272を表している。その場合における照射シーケンスが符号274で表されている。
(B)に示すように、この例においては、対象骨260における一方側(図において左側)の境界282が基準となっており、それに対して有効画素列における先頭区間すなわち基準区間R1が適正に設定されるように、すなわち骨領域内であって境界262に近い位置に基準区間R1が設定されるように、照射シーケンス264が定められている。照射シーケンスは、具体的には、助走部分266、実効部分268及びオーバーラン部分270とからなる。助走部分は手前側の助走区間に相当し、実効部分268が測定区間に相当し、オーバーラン部分270が奥側のオーバーラン区間に相当している。助走部分266において、走査機構やフィルタユニット等を制御することにより、具体的には、駆動源をなすステッピングモータのパルス数の制御等を行うことにより、骨領域内において、安定かつ適正な照射シーケンスを実現できる。
(C)に示す逆方向へのスキャン272においても、実効部分278において安定した照射シーケンスが形成されるように、助走部分276において、走査速度やフィルタ回転速度、等が調整される。この例でも、実効部分278の後にオーバーラン部分280が設けられている。スキャン272においては、境界282を基準として、それに最も近い基準区間(最終区間)R2が適正に定められるように、実効部分278における照射シーケンスが定められている。ちなみに、図26に示した例では、往路スキャン262及び復路272の間で、時間軸上、L区間とH区間とが一致している。これは図20に示した設定例に対応するものである。もちろん、図26に示した状況下で、図21乃至図23に示した設定例に対応する照射シーケンスが適用されてもよい。
以上のように、図18乃至図26に示した第2構成例によれば、プリスキャンによって対象骨の境界を特定した上で、それに基づいて本スキャン条件(つまり骨密度演算用画素列)を事前に定めることができるという利点が得られる。プリスキャン分だけ被検体に対する被曝が増大してしまうものの、本スキャンエリアを削減できれば、本スキャンでの被曝量の低減を行うことが可能である。また、予め境界を特定した上で、本スキャン条件をきめ細かく設定できるという利点が得られる。
(4)骨密度測定装置の第3例(境界判定及び検出値置換についての説明)
次に、骨密度測定装置の第3例について図27乃至図34を用いて説明する。なお、図27に示した構成において、図1に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、骨密度測定装置の第3例について図27乃至図34を用いて説明する。なお、図27に示した構成において、図1に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図27において、データメモリ36には2次元検出値アレイが格納される。境界判定部286は、2次元検出値アレイに基づいて対称骨についての境界を判定するモジュールである。その判定手法は、基本的に、図5乃至図12等において説明した手法であるが、この境界判定部286は、特に検出値ごとに境界含有の有無を判定している。例えば、図6に示した判定条件において、符号98で示したような場合(つまり2つの個別判定値が不一致となるような場合)に、境界含有が判定される。また、図8に示す判定条件において、複数の個別判定結果が分かれるような場合に、境界含有を判定するようにしてもよい。
骨密度演算部288は、2次元検出値アレイに対して、画一的に2次元画素アレイを設定した上で、画素毎に骨密度を演算するモジュールである。もっとも、骨密度の演算に先立って前処理が適用されており、その機能が図27において前処理部290として示されている。この前処理は、後に説明するように、境界を含有するとみなされた検出値を他の検出値に置き換えるものである。これにより、見かけ上、骨領域内における有効画素数の増大を図れる。例えば、実験用小動物の大腿骨についての平均骨密度測定にあたっては、大腿骨それ自体が小さく、それに対して有効な画素数を十分に確保できない場合が多い。そのような場合には、骨領域内に完全に属する画素の他、不完全に属している画素をも演算対象とすれば、平均骨密度の精度又は信頼性を高められる。そこで、そのような不完全画素に対して一定の修正あるいは補正を適用して、それを準完全画素にするために、後述する置換処理が実行されている。
以下に、前処理部について詳述する。
図28には、前処理部290の具体的な構成例が示されている。対象特定部296は、2次元検出値アレイ298に基づき、判定条件300に従って、置換対象とすべき検出値を特定するものである。演算部302は、置換対象と一定の関係を有する1又は複数の検出値に基づいて、置換対象に代入する置換値を演算するものである。ただし、置換値の演算を行うことなく、検出値を単にコピーするようにしてもよい。置換実行部304は、置換対象に対して、それについて用意された検出値を代入する処理を実行する。
図29には判定条件が具体的に例示されている。置換対象は、符号316及び318で示される2条件が満たされる場合に特定される。具体的には、符号316で示されている条件は現在注目している「検出値ペアの内で一方の検出値が骨領域内に属している」という条件である。符号318で示されている条件は現在注目している「検出値ペアの内で他方の検出値が境界を含有している」という条件である。これらの2つの条件が満たされる場合、符号320で示されるように、境界を含有する他方の検出値が置換対象であるとして判定され、その他方の検出値が補正される。すなわち、それに対して置換処理が施される。更に置換処理を実行するか否かの判断に際しては他方の検出値の大きさを考慮してもよい。置換処理の具体的例については幾つかの手法が考えられ、それらについては後に図32乃至図34を用いて説明する。
図30には比較例が示されている。符号322は骨領域を示しており、符号324は2次元検出値アレイを示している。それに対しては従来同様に2次元画素アレイ326が設定されている。この場合において、破線で示す検出値ペアが有効画素である。符号328,330で示される検出値ペアや符号332,334で示す検出値ペアについては有効画素とはみなされていない。それらは一方の検出値が境界322を含有しているためである。
図31には、図27に示した骨密度測定装置において実行される置換処理の代表例が示されている。図30に示した状況を前提として、図31で示すように、検出値328,332が置換対象であると判定され、それらに対しては、同種であって最近傍の有効検出値が338がコピーされている(符号340,342参照)。すなわち、それらに対して置換処理が施されている。これにより、図31に示すように、2つの有効画素を増やすことが可能となる。この例では、3つのL13が生じている。このような処理を必要な置換対象に対して適用することにより前処理後の2次元画素アレイ336が構成される。置換した検出値は、骨領域内に属し、かつ、最近傍の値であるから、それを置換対象の値とみなしても、それほど誤差は生じないと考えられる。置換対象とペアを組む検出値は有効検出値であり、置換処理はそのような有効検出値を活かす手法とも言える。このような置換処理によれば、有効画素数が増大するので、その意味において計測の信頼性を高められる。
ちなみに、図31に示した例において、検出値L11を置換対象とし、それに対して上記置換処理を適用してもよい。また、検出値L15を置換対象とし、それに対して上記置換処理を適用してもよい。もっとも、境界含有が判定された検出値のすべてを置換対象とするのではなく、検出値が所定条件を満たす場合にだけ、置換処理を施すようにしてもよい。
次に、置換処理の具体例を図32乃至図34を用いて説明する。
図32には第1例が示されている。(A)には2次元検出値アレイ344が示されている。符号350は境界を表している。(B)には置換対象の特定条件及び置換処理内容が示されている。この例では、図29に示した置換条件を前提として、符号400で示すように、境界を含有している検出値が所定値以下である場合、すなわち骨領域内である可能性が高いとみなせる場合において、当該検出値が置換対象であると判断されている。そして、符号402で示されるように、その置換対象に対して、骨領域内であって同種かつ最近傍の検出値がコピーされている(符号354参照)。具体的には、検出値ペア346,348が1つの画素を構成している場合において、検出値346が置換対象であると特定された場合、それに対して最も近いかつ同種の有効画素値354が参照され、それが置換対象にコピーされている。
図33には第2例が示されている。(A)には2次元検出値アレイ344が示され、そこにおいては境界350が存在している。(B)には置換対象の特定条件及び置換処理内容が示されている。符号404で示されているように、図29に示した条件を前提として、境界を含有し、かつ所定値以下の検出値346が置換対象として特定される。そして、符号406で示されるように、骨領域内において、置換対象を基準として近傍検出値群が特定され、それに基づいて補間値(外挿値)を演算することにより、その補間値が置換対象346に代入される。そのような処理が符号358で示されている。
図34には第3例が示されている。(A)において、符号344は2次元検出値アレイを示しており、符号350は境界を示している。符号346は置換対象として特定された検出値である。すなわち、(B)における符号408で示すように、図29で示した条件を前提として、境界を含有し、かつ所定値以下の検出値として、置換対象が特定される。その上で、符号410で示されるように、骨領域内において置換対象の近傍検出値群が特定され、それらに基づく重み付け加算処理により置換値が演算される。そして、その置換値が置換対象に代入される。それが符号362で示されている。
以上のように、特定の検出値に対して置換処理を施すことにより、つまり前処理を適用することにより、骨領域内に存在する有効画素数を見かけ上増大することができ、その結果、例えば平均骨密度を演算する場合において、その演算精度を高められるという利点が得られる。
(5)2倍の解像度を有する骨密度画像
図35には、2倍の解像度を有する骨密度画像の生成方法が示されている。2次元検出値アレイ366に対して2次元画素値アレイ364が設定されている。2次元画素値アレイ364は、X方向において半画素分単位で設定された複数の画素からなるものである。例えば、n番目の画素368とn+1番目の画素370とに着目した場合、それらの間では半画素分が重複しており、その結果として、画素密度がX方向に倍増されている。
図35には、2倍の解像度を有する骨密度画像の生成方法が示されている。2次元検出値アレイ366に対して2次元画素値アレイ364が設定されている。2次元画素値アレイ364は、X方向において半画素分単位で設定された複数の画素からなるものである。例えば、n番目の画素368とn+1番目の画素370とに着目した場合、それらの間では半画素分が重複しており、その結果として、画素密度がX方向に倍増されている。
上記の各構成例においては骨密度測定装置が示されていたが、以上説明した原理を脂肪計測等に適用することも可能である。被検体としては、人体及び人体以外の動物が考えられる。特に、小動物の測定にあたっては有効画素数を増大できない場合が多いため、上記手法を適用するのが望ましい。
10 測定ユニット、12 演算制御ユニット、14 撮影台、16 被検体、18 下部、20 上部、22 走査機構、24 発生器、34 検出器、36 データメモリ、38 境界判定部、40 骨密度演算部、42 画素アレイ設定部、44 制御部。
従来の骨密度測定装置においては、所定の照射シーケンスに従ってX線の照射及びX線の検出が実行されている。その結果として、画素列あるいは画素列集合としての画素アレイが構成される。各画素は、上記のように、先に取得されたL検出値(又はH検出値)及び後に取得されたH検出値(又はL検出値)により構成される。個々の画素内において、2つの検出値の取得座標は、厳密には、互いに一致していない。機械走査速度やエネルギー切替周期にも依るが、それらの座標間に一定の差がある。それ故、画素内部に骨と軟組織との間の境界が含まれる場合、当該画素について演算される骨密度あるいは骨密度に基づいて判定される組織種別が正確な値ではなくなってしまうおそれがある。その問題を回避するために、骨領域内における境界(輪郭)付近の画素を演算対象から一律に除外すると、骨密度演算範囲が小さくなってしまう。つまり、計測に利用できる有効画素数が少なくなってしまう。マウスやラット等の小動物の骨は非常に小さいので、それに対して演算範囲を設定する場合、その演算範囲をできるだけ大きくしたいとの要請があるが、上記の一律除外はそのような要請に反する結果を招くものである。
Claims (8)
- プリスキャンモードにおいて、被検体を透過するX線ビームの走査を制御してプリスキャン画像が取得されるようにするプリスキャン制御手段と、
前記プリスキャン画像を解析して前記被検体内における注目組織を検出する検出手段と、
本スキャンモードにおいて前記被検体を透過するX線ビームの走査を制御して本スキャン画像が取得されるようにする手段であって、前記注目組織に基づいてX線照射シーケンスを適応的に設定する本スキャン制御手段と、
を含むことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記検出手段は、前記注目組織の輪郭を検出し、
前記本スキャン制御手段は、前記注目組織の輪郭の位置に応じて前記X線照射シーケンスを適応的に設定する、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記本スキャンモードにおけるX線照射シーケンスは複数の時間的区間からなる区間列として構成され、
前記各区間は、低エネルギーX線及び高エネルギーX線の内の一方が照射される一方の区間部分と、低エネルギーX線及び高エネルギーX線の内の他方が照射される他方の区間部分と、により構成され、
前記本スキャン制御手段は、前記輪郭の位置に応じて前記X線照射シーケンスに含まれる基準区間のタイミングを可変設定する、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項3記載の装置において、
前記本スキャン制御手段は、前記X線照射シーケンスにおける助走部分において、X線ビームの移動速度、及び、X線エネルギー切替周期の少なくとも1つを可変する、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記本スキャンモードにおいては、低エネルギーX線及び前記低エネエルギーX線よりも高いエネルギーをもった高エネルギーX線が交互に照射され、
前記プリスキャンモードにおいては、少なくとも前記高エネルギーよりも低いエネルギーをもったプリスキャン用X線が照射される、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項5記載の装置において、
前記プリスキャン用X線は、前記低エネルギーと同等又はそれより低いエネエルギーを有する、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記プリスキャンモードにおいて、第1方向における位置を順次異ならせながら前記第1方向における各位置で前記第1方向に直交する第2方向へX線ビームが走査され、
前記第1方向における各位置で前記第2方向へX線ビームを走査する場合に、前記注意目組織の輪郭に基づいてX線ビーム走査範囲が設定される、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記注目組織は骨であり、
前記本スキャン画像は骨密度画像である、
ことを特徴とする医療用X線測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013233239A JP2015093000A (ja) | 2013-11-11 | 2013-11-11 | 医療用x線測定装置 |
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JP2013233239A JP2015093000A (ja) | 2013-11-11 | 2013-11-11 | 医療用x線測定装置 |
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JP2013233239A Pending JP2015093000A (ja) | 2013-11-11 | 2013-11-11 | 医療用x線測定装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108475423A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-08-31 | 唯盼健康科技有限公司 | 量化图像的方法 |
JP2020116295A (ja) * | 2019-01-28 | 2020-08-06 | 株式会社日立製作所 | 医療用x線測定装置及びプログラム |
-
2013
- 2013-11-11 JP JP2013233239A patent/JP2015093000A/ja active Pending
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