JP2015092192A - 膀胱癌の診断 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロテオーム解析技術を用いて尿、血清と組織と多角的にアプローチして、膀胱癌に対する新規腫瘍マーカーを探索することにより、有効な膀胱癌の診断方法を提供する。
【解決手段】被験者から得た生体試料中の膀胱癌細胞の検出において、下記(a)、または(b)のポリペプチドを腫瘍マーカーとして使用することを特徴とする、該ポリペプチドの使用方法:(a)配列番号2〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(b)配列番号2〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a)と同等の抗体産生能を有するかまたは(a)に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
【選択図】図3C

Description

本発明は、膀胱癌診断のための腫瘍マーカーおよび膀胱癌の診断用試薬に関する。
膀胱癌の初発症状は無症候性血尿で認められることが多く、診断法として主に尿細胞診、膀胱鏡検査が行われている。尿細胞診は進行性癌や低分化癌の検出率は良好であるが、表在性癌や高分化癌での有効性は満足のいくのもではない。一方、膀胱鏡検査は進行癌のみではなく、表在性癌や高分化癌の検出にも優れ確定診断に重要である反面、侵襲度が高く、身体負担を伴う検査である。また、表在性癌は高率に再発をきたし、治療後も定期的な膀胱鏡検査を含む経過観察が必要となる。さらに、進行性膀胱癌では特異的マーカーは存在せず、従来通り画像診断により経過観察が行われているのが現状である。近年、膀胱癌に対する尿中腫瘍マーカーとしてBTA (bladder tumor antigen) やNMP22 (nuclear matrix protein 22) が用いられるようになったが、表在性癌の検出に用いられるのみであり、また、尿細胞診の診断率を超える有効性は認められておらず、膀胱癌に対する種々の新規腫瘍マーカーの開発が望まれている。
本発明は、プロテオーム解析技術を用いて尿、血清と組織と多角的にアプローチして、膀胱癌に対する新規腫瘍マーカーを探索することにより、有効な膀胱癌の診断方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、膀胱癌に対する新規腫瘍マーカーの探索において、一般的なプロテオーム解析に用いられている二次元電気泳動(two−dimensional gel electrophoresis, 2−DE)法ではなく、一次元目の等電点電気泳動(iso electric focusing, IEF)にアガロースゲルを用いる二次元電気泳動法、すなわち、アガロース二次元電気泳動(アガロース2−DE)法を用いた。この手法を用いることにより、従来困難であった微量にしか存在しない蛋白質や高分子量タンパク質の解析が可能となり、その結果、Gene Bank データベースに登録された蛋白質の中から新たに膀胱癌のマーカーとなるポリペプチドを見出すことができた。本発明は、かかる研究成果に基づきなされたものである。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)被験者から得た生体試料中の膀胱癌細胞の検出において、下記(a)、または(b)のポリペプチドを腫瘍マーカーとして使用することを特徴とする、該ポリペプチドの使用方法:
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a)と同等の抗体産生能を有するかまたは(a)に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
(2)腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に前記ポリペプチドを検出することである、上記(1)記載の方法。
(3)前記ポリペプチドの検出が、前記ポリペプチドに対する特異的抗体を用いた検出である、上記(2)記載の方法。
(4)腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に、前記ポリペプチドに対する特異的抗体を検出することである、上記(1)記載の方法。
(5)前記抗体の検出が、前記ポリペプチドを用いた検出である、上記(4)記載の方法。
(6)腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドまたはその部分配列を有するヌクレオチド断片を検出することである、上記(1)記載の方法。
(7)前記検出が、配列番号10に記載のヌクレオチド配列に基づいて作製したプローブおよび/またはプライマーにより行う、上記(6)記載の方法。
(8)生体試料が、尿、血清または組織である、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法。
(9)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対する特異的抗体を含有する、膀胱癌の診断用試薬。
(10)下記(a)、または(b)を含む、膀胱癌マーカーポリペプチドに対する特異的抗体製造用組成物:
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する抗体の産生を誘導するポリペプチド。
(11)下記(a)、または(b)を含む、膀胱癌の診断用試薬:
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
(12)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対する特異的抗体を検出するための、上記(11)記載の診断用試薬。
(13)下記(i)、(ii)、(iii) のいずれかを含む、膀胱癌診断用核酸プローブ:
(i)配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
(ii)配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片;
(iii) 配列番号10に記載のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチドまたはヌクレオチド断片。
(14)被検者から得た生体試料と、上記(13)記載の膀胱癌診断用核酸プローブとを接触させることを含む、上記(6)記載の方法。
(15)被検者から得た生体試料に含まれるポリヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅することを含む、上記(6)記載の方法。
(16)配列番号10に記載のヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片、及び配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片を含む、膀胱癌診断用プライマー。
(17)上記(13)に記載の膀胱癌診断用核酸プローブを含む、膀胱癌診断用キット。
(18)上記(16)に記載の膀胱癌診断用プライマーを含む、膀胱癌診断用キット。
(19)下記(a)、または(b)のポリペプチドからなる膀胱癌の腫瘍マーカー:
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a)と同等の抗体産生能を有するかまたは(a)に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
本発明により、膀胱癌に対する7種類のポリペプチドからなる新規腫瘍マーカーが提供されるので、これらの腫瘍マーカーを用いることにより膀胱癌の診断が容易となる。また、これらのポリペプチドおよびその特異的抗体を用いた治療薬を提供すると共に、膀胱癌発症のメカニズムの解明に利用して新たな治療薬の開発を行うこともできる。さらに、本発明は治療薬の有効性の判定や、再発時における早期診断および予後予見の判断にも有用である。
膀胱癌より抽出したタンパク質および正常膀胱粘膜より抽出したタンパク質のアガロース二次元電気泳動図である。 膀胱癌および正常膀胱粘膜での高分子タンパク質の分布を示す図である。 ウエスタンブロッティング法による選択タンパク質の発現確認を示す図である。 ウエスタンブロッティング法による選択タンパク質の発現確認を示す図である。 ウエスタンブロッティング法による選択タンパク質の発現確認を示す図である。 病理標本を用いた免疫組織学的検討を示す写真である。 抗SMC3抗体による膀胱正常部組織と膀胱癌部の免疫組織化学染色の結果を示す写真である。 抗SMC3抗体による尿細胞診の結果を示す写真である。 ウエスタンブロッティング法による尿中のSMC3の発現を示す図である。
腫瘍マーカーとして使用するポリペプチド
本発明は、膀胱癌に対する新規腫瘍マーカーとして、(a) 配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(b) 配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a) と同等の抗体産生能を有するかまたは(a) に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド、または、(c) 上記(a) または(b) のポリペプチドのアミノ酸配列の部分配列を有し、かつ(a) と同等の抗体産生能を有するかまたは(a) に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチドを使用することを特徴とする。
これらのポリペプチドが膀胱癌の腫瘍マーカーであることは以下のようにして本発明者らにより確認された。
(1)膀胱移行上皮癌10例において膀胱癌組織および膀胱正常組織を採取し、これよりタンパク質抽出液を調製した。
(2)アガロース二次元電気泳動(アガロース2−DE) 法により、これまで解析されていない高分子領域 (97.4kDa以上) のタンパク質について、膀胱癌組織と膀胱正常組織における発現を二次元電気泳動パターンにおいて比較した。最も違いの見られた1例における癌組織と正常組織の高分子領域に認められたタンパク質スポット (図1参照) をすべて切り出し、質量分析により同定した。同定されたタンパク質を比較し、癌部にのみ同定されたタンパク質を文献により詳細に検討した結果、後出の表1に示す7種類のタンパク質を膀胱癌の新規腫瘍マーカー候補とした。
(3)上記で腫瘍マーカー候補とした7種類のタンパク質について、膀胱癌組織10例と膀胱正常組織10例における発現量を比較検討した。具体的には、各タンパク質に対する抗体を用意し、ウエスタンブロッティング法による確認実験を行い、これらの7種類のタンパク質について膀胱癌組織における発現の増加が確認された (図3A)。
また、膀胱癌患者尿と健常者尿での尿中タンパク質存在量を比較すると、structura maintenace of chromosomes protein 3 (SMC3)が増加していることが判明した (図3C)。
さらに、現在確立されている6種類の膀胱癌細胞株(RT4, 5637, T24, EJ, MTB2, TCCSUP)においてマーカー候補タンパク質の発現を検討した結果、上記7種類のタンパク質の発現が確認された。
(4)上記ウエスタンブロッティング法により癌組織において有意に発現量の増加が確認されたタンパク質について、免疫化学染色により発現の確認を行った(図4)。7種類のタンパク質全てが癌組織で高発現していることを確認した。
以上のように、表1に示す7種類のタンパク質、即ち、Nueroblast differentiation−associated protein(AHNAK)、Plectin 1、Epiplakin、Eukaryotic translation initiation factor 3 subunit 10(EIF3)、Vigilin、Structural maintenance of chromosomes protein 3(SMC3)、Ras GTPase−activating−like protein(IQGAP1)が癌組織中において発現が増加しているので、これらのタンパク質は膀胱癌に対する腫瘍マーカーとなりうる。これらのタンパク質は、タンパク質データベースであるUniProtKB/Swiss Protにそれぞれ、アクセッシション番号Q09666、Q15149、P58107、Q14152、Q00341、Q9UQE7、P46940として登録されており、アミノ酸配列は、それぞれ配列番号1〜7に示す通りである。これらのタンパク質と膀胱癌との関連はこれまで全く知られておらず、本発明者らによって初めて見出されたものである。
腫瘍マーカーとしての使用
配列番号1〜7のいずれかに示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号1〜7のいずれかに示すアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはこれらのポリペプチドの部分配列を有するポリペプチドは、腫瘍マーカーとして膀胱癌の診断に用いることができる。本願明細書において、腫瘍マーカーとしての使用とは以下のような態様を含む。
(1)生体試料中での上記ポリペプチドの発現を検出または発現量を測定する。
(2)生体試料中における上記ポリペプチドに対する特異的抗体の存在を検出または測定する。
(3)上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を有するポリペプチドまたはその部分配列を有するヌクレオチド断片の存在を検出または測定する。
生体試料中での上記ポリペプチドの発現を検出または発現量を測定して膀胱癌の診断を行うには、例えば、このポリペプチドに対する特異的抗体を作製して、特異的抗体を使用したウエスタンブロット法、固相酵素免疫検定法(ELIZA) 、免疫組織学的染色法などの免疫学的方法によりポリペプチドの発現の有無または発現の程度を測定する。
ウエスタンブロット法は、例えばポリペプチドを含有する生体試料液をアクリルアミドゲル電気泳動によりポリペプチドを分離し、これをメンブランに転写し、ポリペプチドを認識しうる抗体 (一次抗体) と反応させ、生成する免疫複合体を標識した二次抗体を用いて検出する方法である。生成した免疫複合体と結合した標識二次抗体の標識量を測定することにより、存在するポリペプチドの量を測定できる。
免疫組織学的染色法は、スライドガラス上に固定された組織切片や細胞などを、抗体と反応させて免疫複合体を生成させ、これと結合した標識二次抗体により検出するものであり、組織や細胞における対象ポリペプチドの発現部位を解析するのに有効である。
使用する特異的抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、特異的抗体は既知の抗体作製方法によって得ることができる。ポリクローナル抗体の場合、配列番号1〜7のいずれかのアミノ酸配列またはその一部のアミノ酸配列に基づいて作製した合成ペプチドをマウスなどの非ヒト動物に免疫し、この動物の血清などから産生された抗体を常法により得る。モノクローナル抗体の作製も常法により行うことができる。例えば、配列番号1〜7のいずれかのアミノ酸配列またはその一部のアミノ酸配列に基づいて作製した合成ペプチドをマウスなどの非ヒト動物に免疫し、脾臓などに含まれる抗体産生細胞を採取し、骨髄腫細胞と融合させて得たハイブリドーマ細胞より製造することができる。
抗体の作製に使用するポリペプチドとしては、配列番号1〜7のいずれかに示すアミノ酸配列を有するポリペプチドの他、1または複数のアミノ酸が欠失、置換、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、配列番号1〜7のいずれかに示すアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する抗体を産生しうるポリペプチド、また、これらのポリペプチドのアミノ酸配列の一部を有するポリペプチド断片で同様の抗体産生能をもつものであってもよい。このようなポリペプチド断片は、膀胱癌マーカーポリペプチドに対する抗体産生を誘導することができれば、その長さは特に制限されないが、通常、少なくとも15アミノ酸残基、好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基、特に好ましくは、少なくとも25アミノ酸残基を含むものである。
使用するポリペプチドまたはポリペプチド断片は、配列番号1〜7のアミノ酸配列の情報に基づいて化学的に合成しても、また配列番号8〜14に示す遺伝子の配列情報に基づいて既知の遺伝子工学的手段によって製造してもよい。
上記ポリペプチドまたはポリペプチド断片は、抗体誘導に好ましい成分と組み合わせて抗体製造用組成物とすることができる。抗体産生に際しては、産生能を高めるために、例えば完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントなどのアジュバントを使用してもよい。
また、腫瘍マーカーとしての使用とは、配列番号1〜7のいずれかに示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、または、その一部のアミノ酸配列を有するペプチドを使用して、生体試料中にそれらに対する特異的抗体を検出することも含む。
膀胱癌マーカーポリペプチドに対する特異的抗体を検出するためには、以下の(a)、(b)または(c)などが使用できる。
(a)配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド;
(c)上記(a)または(b)のポリペプチドのアミノ酸配列の部分配列を有し、かつ配列番号1〜7のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド断片。
使用するポリペプチドまたはポリペプチド断片は、配列番号1〜7のアミノ酸配列の情報に基づいて化学的に合成しても、また配列番号8〜14に示す遺伝子の配列情報に基づいて既知の遺伝子工学的手段によって製造してもよい。
また、腫瘍マーカーとしての使用には、上記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、またはその部分配列を有するヌクレオチド断片を検出する方法も挙げられる。このような検出には、配列番号8 〜14に記載のヌクレオチド配列に基づいて作成したプローブやプライマー、またはそれらを組み合わせて用いることができる。
使用するプローブとしては、下記(i)、(ii)、(iii)などが挙げられる:
(i)配列番号8〜14のいずれかに記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
(ii)配列番号8〜14のいずれかに記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片;
(iii)配列番号8〜14のいずれかに記載のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチドまたはヌクレオチド断片。
これらのプローブを用いて、被検者から得た検体、例えば、血液、尿、組織から調製した生体試料において、膀胱癌マーカーポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出することができる。
また、生体試料に含まれるポリヌクレオチドについて、特定のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)での増幅の有無をみることによっても、膀胱癌マーカーポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在を検出しうる。
プライマーについては、例えば、配列番号8〜14のいずれかに記載のヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片をフォワードプライマーとし、配列番号8〜14のいずれかに記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片をリバースプライマーとして使用できる。
膀胱癌の診断
配列番号1〜7のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチドなどを、腫瘍マーカーとして膀胱癌の診断に用いるには、腫瘍が疑われる被検者の組織、尿、血清などの生体試料を採取し、上記のようにして生体試料中のこれらのポリペプチド、特異的抗体、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの検出または測定を行うことにより、膀胱癌の判定を行う。検出または測定は、各ポリペプチドやポリヌクレオチドをそれぞれ単独で、あるいはそれらを組み合わせて行うことができる。
抗体を用いた膀胱癌の判定では、本発明において確認された7種類のタンパク質の抗体を1種またはそれらを組み合わせることで、実際の臨床検体、即ち、組織、血清や尿検体でのタンパク質の存在量の増加をELIZA 法や免疫染色法を用いて検出し、正常組織、健常者の尿や血清と比較して、上記ポリペプチドの発現が増加している場合に膀胱癌の可能性があると判定する。
実施例2および3では、本発明において確認された7種類のポリペプチドの抗体を用い、膀胱全摘除術症例10例の病理標本を用いて、膀胱癌組織に反応することを確認している。実際の臨床検体を用い7種類とも癌組織と反応性を認め、診断での有用性を確認している。さらにSMC3に関しては尿検体にて存在量の増加の確認をしており、診断での有用性を確認している。
膀胱癌診断試薬
本発明の膀胱癌診断試薬は、配列番号1〜7のいずれかのアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する特異的抗体を含有するものであり、この抗体は検出方法に応じてこの分野で既知の標識物質や方法により標識されていてもよい。また、本発明の膀胱癌診断用試薬は、配列番号1〜7のいずれかのアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチド、またはその部分配列を有するポリペプチド断片を含有するものであってもよい。
診断用試薬は、必要に応じて免疫反応用ウェル、染色剤、検出用の酵素標識抗体、洗浄液、抗体希釈液、検体希釈液、酵素基質、酵素基質液希釈液などと組み合わせてキットとしてもよい。
また、本発明の腫瘍マーカーは、膀胱癌の判定に用いる以外に、膀胱癌治療薬の有効性の判定、再発時における早期診断および予後予見の判断にも利用できる。
膀胱癌治療薬
本発明において確認された7種類のタンパク質はいずれも膀胱癌病理組織で確認されているため、7種類のタンパク質の抗体を1種または複数組み合わせることにより、膀胱癌特異的に癌の縮小や消失を得られる可能性がある。即ち、分子標的薬としての役割を担う可能性がある。さらに、7種類のタンパク質と既存の化学療法剤や放射線療法との組み合わせを行うことで、相乗的に治療効果を得られる可能性がある。
膀胱癌のプロテオーム解析
(腫瘍マーカーとして使用できるポリペプチドの同定)
(1)使用する膀胱癌組織および正常組織
膀胱移行上皮癌10例を膀胱全摘出術施行時に切除し、同時に肉眼的に正常と考えられる膀胱粘膜を膀胱正常組織として採取した。また、同定したタンパク質の確認実験で使用する膀胱正常組織として、限局性前立腺癌の診断で、前立腺全摘出術を施行した際に切除した膀胱組織を採取した。
組織の採取後、生理的食塩水でよく洗浄し、血液成分を取り除いた後、速やかに液体窒素で凍結させ、使用するまで −80℃で保存した。
(2)組織試料の調製
テフロン(登録商標)ガラスホモジナイザーを用いて凍結した組織約20mgを、質量の30倍量タンパク抽出液で処理してタンパク質を抽出した。ホモジナイズ後、直径0.35−0.50mmのガラスビーズ(As One Corporation, Osaka, Japan)の存在下ですばやく攪拌した。このホモジェネートは112,000xg、20分間の超遠心により脂質、膜成分を分離し、上清をタンパク質抽出液として使用した。
(3)アガロース二次元電気泳動
一次元目の等電点電気泳動(IEF)のゲルは、長さ180mm、直径3.4mmのガラス管を用いて作成し、二次元目のSDS−PAGEは195×120×1.5mmの大きさのものを作成した。アガロース二次元電気泳動(アガロース 2−DE)の特性を活かすために、2種類の濃度のSDS−PAGE gelを目的に応じて作成した。すなわち、低分子量(low molecular mass,LMM )タンパク質の分離を目的とした12%均一ゲルと高分子量(high molecular mass,HMM)タンパク質の分離を目的とした6-10%濃度勾配ゲルである。二次元目のSDS−PAGEはLaemmliの方法によって行った。
尿では10mlの尿を脱塩・濃縮して得られた200μl中にタンパク質800μg相当を含有するタンパク質抽出液をIEFゲルのアルカリ側に入れ、1M尿素、0.25Mチオ尿素溶液をその上から注入した。組織では、100μL、タンパク質1.0mg相当のタンパク質抽出液をIEFゲルのアルカリ側に入れ、4M尿素、1Mチオ尿素溶液をその上から注入した。
一次元目IEFは4℃下で700V、20時間の泳動で行った。一次元目の泳動後、長さ300mm、直径5mmのガラス管にゲルを移し、10%TCA 、5%スルホサリチル酸溶液で1時間還流してタンパク質を固定し、1時間蒸留水で洗浄した。固定したIEFゲルは二次元目のSDS−PAGEゲルの上端に設置し1%agarで隙間を埋めた。SDS泳動バッファー(2%SDS,10%glycerol,5%2−mercaptoethanol,0.02%bromophenol blue,0.05M Tris−HCl pH6.5)をIEFゲル上に注入し、40mAで1時間、その後80mAで二次元目の泳動を行った。泳動が終了したゲルはCBB R−350(PhastGel Blue R,GE Healthcare,Little Chalfont,UK)で染色した。
(4)質量分析解析
2−DEゲルから切り出したタンパクスポットを、50%v/vアセトニトリルで脱色した後に100%アセトニトリルで脱水、乾燥させた。0.5ng/μLトリプシン(Roche Diagnostics,Mannheim,Germany)、50mM NHHCObuffer(pH8.0)で37℃24時間タンパク質のゲル内消化を行った。この消化産物ペプチドを50mM Tris−HCl(pH9.0)と70%アセトニトリル溶液で溶出させた。ゲル内消化後のペプチド混合物を液体クロマトグラフィー質量分析計[液体クロマトグラフィー:Nanospace SI−2,(Shiseido Fine Chemicals,Tokyo,Japan)質量分析計:LCQ−DECA(Thermo Finnigan,San Jose,CA,USA)]により分析した。
(5)タンパク質の同定
上記に記した質量分析計によって得られた各トリプシン消化ペプチドのMSスペクトルとタンデムMSスペクトル(MS/MSスペクトル)を質量分析計に装備されているタンパク質同定用プログラム(SEQUEST Search Ver2.0, http://fields.scripps.edu/sequest/index.html)を用いて、Sequence Tag法によりデータベース検索を行った。このプログラムは、測定で得たMSスペクトル、MS/MSスペクトルと、データベース上の各タンパク質を理論的に酵素消化して得られるMSスペクトル、MS/MSスペクトルを比較する。その結果として一致度合いの高いタンパク質を選び出し、可能性に応じて一致度合いの評点(Score)を付ける。本研究では、タンパク質のScoreが70以上のものを同定されたタンパク質とした。また、Scoreが70未満の場合は、信憑性の高いMS/MSスペクトルが2つ以上観測されていることを確認し、同定されていると判断した。この基準は一般的な質量分析計の同定基準以上のものであり、十分に信頼できるものである。
(6)結果
(6−1)高分子量タンパク質領域のアガロース二次元電気泳動ゲル地図とタンパク質の同定
本発明者らは、アガロース 2−DE法を用いることで、今まで解析されていない高分子領域(97.4kDa以上)に焦点をあてた。すなわち、6−10%グラディエントゲルを用いて10例の膀胱癌組織と同一人物から得た膀胱正常粘膜における高分子量タンパク質の発現量を比較した。得られた二次元電気泳動パターンは、癌と正常部ではそのパターンが大きく異なった。そのため、最も違いが認められた1症例 (TCC,pT2,Grade ii)の癌部と正常粘膜における高分子領域(97.4kDa以上)に認められたタンパク質スポットをすべて切り出し、同定した(図1)。癌部からは73スポット切り出し、56スポット、53種類のタンパク質を同定し、正常粘膜からは48スポット切り出し、34スポット、33種類のタンパク質を同定した。同定されたタンパク質を比較し、癌部でのみ同定されたタンパク質を文献的に詳細に検討した結果、表1に示す7種類のタンパク質を新規腫瘍マーカー候補とした。
Figure 2015092192
(a):図1に示す2−DEゲル(A)におけるタンパク質スポットから抽出された各タンパク質に付した番号
(b):CS analyzer 2.0により算出した2−DEゲルにおけるタンパク質の位置から得られた実験的分子量(MM)
(c):アミノ酸配列から算出した理論的分子量(MM)およびpI
(d):SEQUEST score、候補のSEQUEST検索での最も高いスコア
(e):sequence coverage、候補タンパク質のアミノ酸配列のMS/MS解析により確認されたペプチドの一致率
(f):number of peptides matched by MS/MS sequence、MS/MSデータを与えるSEQUEST検索でのタンパク質配列に用いた断片数
(6−2)癌と正常組織におけるタンパク質発現の変化
癌と正常部で同定されたタンパク質をHuman protein reference Database(http://www.hprd.org/)によりsubcellular locationとBiology processの2つ項目で分類した。その結果を図2に示す。高分子領域では癌で核内タンパクが増え、機能分類としても転写・翻訳に関連した働きをもつタンパク質が大きく増加することが確認された。
腫瘍マーカー候補タンパク質のウエスタンブロッティング法による確認
膀胱癌組織で発現が増加を示した上記7種類のタンパク質についてウエスタンブロッティング法による確認実験を行った。ウエスタンブロッティング法で使用するAHNAK、SMC3、plectin−1、IQGAP1に対する特異的抗体は市販の抗体を使用した。即ち、AHNAK抗体はABNOVA(Thaipei,Thaiwan)から、抗SMC3抗体はCELL Signaling Technology(Danvers,USA)、抗plectin−1抗体はBender MedSystems(Vienna,Austria)、抗IQGAP1抗体はBD Bioscience(Franklin Lakes,USA)より購入し, それぞれ1:1000の希釈倍率で使用した。また、抗体が市販されていないEpiplakin、EIF−3、Vigilinについては、理論的なアミノ酸配列をもとに作成した合成ペプチドからマウスポリクローン性抗体を作成し、それぞれ1:1000の希釈倍率で使用した。キャリブレーションにはウサギ抗ヒトアクチン抗体(Cell Signaling Technology,Danvers,MA,USA)を1:1000の希釈倍率で使用した。
タンパク質抽出液を10−20%SDS−PAGEゲル(DRC,Tokyo,Japan)で展開し、PVDF膜に転写した。転写の終了したPVDF膜はBlock Ace(大日本製薬、大阪)でブロッキングを行い、2%normal swine serum (Dako Cytomation,Denmark)/TBSを抗体希釈バッファーとして使用してウエスタンブロットを行った。HRP標識二次抗体は1:1000で希釈して使用し、検出にはImmobilon Western detection regents(Millipore,Billerica,USA)による化学発光を用いた。
(結果)
前立腺癌患者の手術時に切除した膀胱正常粘膜10例と膀胱癌組織10例における発現量を比較検討したところ、腫瘍マーカー候補とした7種類のタンパク質はすべて膀胱癌組織で発現の増加を確認した(図3A)。膀胱癌患者尿(尿細胞診 ClassV)と健常者尿での尿中タンパク存在量を比較したところ、SMC3が癌患者尿で存在量が増加していることを確認した(図3B)。また、現在確立されている6種類の膀胱癌細胞株、すなわちRT4,5637,T24,EJ,MTB2,TCCSUPにおけるマーカー候補タンパク質の発現比較を行い、発現を確認した。AHNAKにおいては、RT4,5637,EJと比較しT24,MTB2,TCCSUPで発現量が強く増加しているのが確認された(図3C )。
免疫組織化学染色による確認
ウエスタンブロッティング法で癌組織において有意に発現量の増加が確認されたタンパク質について免疫組織化学染色による検討を行った。ヒト膀胱正常組織、同病変部組織アレイ(Folio Biosciences,Columbus,OH,USA)を恒温室にて55℃、20分間加温した。標本を脱パラフィン処理し、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0 )に切片を浸し、5分間3回マイクロウエーブ処理して抗原性を賦活化した。その後、3%過酸化水素水にて10分間放置し内因性ペルオキシダーゼを阻止し、PBS(Tween20含有) にて洗浄した。次いで、正常ヤギ血清(Vector Laboratories Inc.,U.S.A 、1:20)を滴下し、室温で15分間放置後、抗AHNAK抗体(ABNOVA,Thaipei,Thaiwan,1:1000)、抗SMC3抗体(CELL Signaling Technology,Danvers,USA,1:400 )、抗Plectin−1抗体(Bender MedSystems,Vienna,Austria,1:200)、抗IQGAP1抗体(BD Bioscience,Franklin Lakes,USA)、抗Epiplakin抗体、抗EIF−3抗体、抗Vigilin抗体を切片上に滴下し、4℃にて一晩(16時間) 反応させた。PBS(Tween20含有)にて洗浄後、Dako ChemMate ENVISIONキット/HRP(DAB)ポリマー試薬(Dako Cytomation,Denmark)を切片上に滴下し、室温で30分間反応させた。
PBSで洗浄後、Stable DAB(ファルマ,東京)溶液を切片上に滴下し、3分間発色を行い、マイヤーヘマトキシリン溶液(Wako,大阪)にて核染色し、脱水、透徹、封入をした。
(結果)
組織マイクロアレイ(Folio Biosciences,Columbus,OH,USA)を用いて、免疫組織化学染色による確認実験を行った。vigilin、epiplakin、EIF−3、IQGAP1、SMC3、AHNAKおよびplectin−1の7種類のタンパク質について検討した。その結果、図4において7種類全てのタンパク質が膀胱癌組織において発現していることが確認できた。
SMC3を腫瘍マーカーとして用いた膀胱癌診断
(1)SMC3抗体による膀胱正常組織と膀胱癌部の免疫組織化学染色
図5に示す結果から明らかなように、正常組織における移行上皮細胞の核はほとんどSMC3に対し染色されていないが、癌細胞の核はSMC3に対し濃染されており、癌細胞においてSMC3の発現が有意に上昇していることを確認した。
(2)尿細胞診における利用
尿細胞診は、尿中に存在する細胞片等を遠心分離して集め、腫瘍細胞をPapanicolau染色により判定する腫瘍診断法の一つである。通常、ClassV、ClassIVは陽性、ClassI、ClassIIは陰性と判断される。ただし尿細胞診のみでは膀胱癌と診断できない。
本実施例では、通常の尿細胞診(papanicolau染色)においてClassVが得られ、膀胱癌として診断された患者尿を用い、SMC3による尿細胞診を行う。抗SMC3抗体を用いた免疫組織化学染色の結果、全体の約70%以上の異型細胞の核がSMC3に対し濃染された(図6、矢印は濃染した核を示す)。ClassII症例においても異型細胞の核がSMC3に対し濃染していた(data not shown)。従って、尿細胞診において、SMC3は膀胱癌診断のための有用なマーカーとなりうる。
(3)尿中のSMC3の定量
1.Papanicolau染色における尿細胞診でclassVである10例、2.膀胱癌患者であるが、尿細胞診においては classIIであった10例、3.健常者尿(非膀胱癌患者尿)10例の計30例で、尿中SMC3の存在量をウエスターンブロット法にて比較検討した。classVの症例においては、9例で尿中SMC3の存在量の増加が認められた。また、尿細胞診ではclassIIで正常と判断された症例については、4例において、SMC3の存在量が健常者尿に比較して増加していた(図7)。このことより膀胱癌診断において尿中SMC3を定量することは、尿細胞診の診断率を超える可能性が示唆された。
本明細書で使用する配列番号1〜14は、以下に説明する配列を表す。配列番号1〜7 のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、これまで膀胱癌との関連は知られていなかった。
(配列番号:1)
AHNAKは細胞間橋に局在する高分子量タンパク質として、扁平上皮より分離され、その後の研究で上皮細胞では細胞間橋に発現するが、上皮細胞以外では核内に発現することが確認されている。神経芽細胞腫や肺小細胞癌で発現が抑制されるという報告がある。AHNAKの機能は細胞間接着、腫瘍形成、細胞増殖などに関連すると報告されているが、現段階ではほとんど分かっていない。
Swiss−Prot.accession No:Q09666,Gene Name:AHNAK
(配列番号:2)
Plectinは、元来グリオーマ細胞から抽出された分子量約500kDaのプラキンファミリーに属する細胞内タンパク質である。ヘミデスモゾームに存在しケラチンと結合し細胞を安定化させる働きがあり、自己免疫性水疱症の発症に関連があるとの報告が多い。Plectinには4つのスプライシングフォームが存在し、今回同定されたplectin−1はその一つである。
Swiss−Prot.accession No:Q15149,Gene Name:PLEC1
(配列番号:3)
Epiplakinはデスモゾーム等の構成成分であるプラキンファミリーの一種であり表皮下水疱症の自己抗原として同定されたタンパク質である。癌との関連を示した報告例はない。
Swiss−Prot.accession No:P58107,Gene Name:EPPK1
(配列番号:4)
Eukaryotic translation initiation factor 3はリボゾームにおける翻訳開始に関与するとタンパクであり、多くのサブユニットをもつ。Eukaryotic translation initiation factor 3 subunit 10と異なるサブユニットに関してノックダウンした膀胱癌以外の培養細胞株でその増殖が抑制されるとの報告がある。
Swiss−Prot.accession No:Q14152,Gene Name: EIF3A
(配列番号:5)
VigilinはHDL結合タンパクの一種であり、細胞内のコレステロール量の調節に働くタンパク質である。近年、細胞質だけでなく核内にも存在し、核内のtRNAが細胞質へ移動する機序に関与すると報告されている。
Swiss−Prot.accession No:Q00341,Gene Name:HDLBP
(配列番号:6)
Structural maintenance of chromosomes protein 3(SMC3)はchromsomeのコヒーシンに存在し、DNA修復に関与するタンパク質であるが、細胞質に存在するものは基底膜に豊富で分泌性のタンパク質である。
Swiss−Prot.accession No:Q9UQE7,Gene Name:SMC3
(配列番号:7)
Ras GTPase−activating−like protein(IQGAP1)は細胞骨格を構成する分子や細胞接着に関与する分子間で相互に作用するタンパクであり、近年では胃癌の2つの培養細胞株で発現が上昇するとの報告がある。
Swiss−Prot.accession No:P46940,Gene Name:IQGAP1
(配列番号:8〜14)それぞれ、配列番号1〜7の膀胱癌マーカーポリペプチドをコードする遺伝子の配列を示す。

Claims (19)

  1. 被験者から得た生体試料中の膀胱癌細胞の検出において、下記(a)、または(b)のポリペプチドを腫瘍マーカーとして使用することを特徴とする、該ポリペプチドの使用方法:
    (a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a)と同等の抗体産生能を有するかまたは(a)に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
  2. 腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に前記ポリペプチドを検出することである、請求項1記載の方法。
  3. 前記ポリペプチドの検出が、前記ポリペプチドに対する特異的抗体を用いた検出である、請求項2記載の方法。
  4. 腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に、前記ポリペプチドに対する特異的抗体を検出することである、請求項1記載の方法。
  5. 前記抗体の検出が、前記ポリペプチドを用いた検出である、請求項4記載の方法。
  6. 腫瘍マーカーとしての使用が、被検者から得た生体試料中に、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドまたはその部分配列を有するヌクレオチド断片を検出することである、請求項1記載の方法。
  7. 前記検出が、配列番号10に記載のヌクレオチド配列に基づいて作製したプローブおよび/またはプライマーにより行う、請求項6記載の方法。
  8. 生体試料が、尿、血清または組織である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対する特異的抗体を含有する、膀胱癌の診断用試薬。
  10. 下記(a)、または(b)を含む、膀胱癌マーカーポリペプチドに対する特異的抗体製造用組成物:
    (a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する抗体の産生を誘導するポリペプチド。
  11. 下記(a)、または(b)を含む、膀胱癌の診断用試薬:
    (a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
  12. 配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対する特異的抗体を検出するための、請求項11記載の診断用試薬。
  13. 下記(i)、(ii)、(iii) のいずれかを含む、膀胱癌診断用核酸プローブ:
    (i)配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド;
    (ii)配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列を含むヌクレオチド断片;
    (iii) 配列番号10に記載のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、ポリヌクレオチドまたはヌクレオチド断片。
  14. 被検者から得た生体試料と、請求項13記載の膀胱癌診断用核酸プローブとを接触させることを含む、請求項6記載の方法。
  15. 被検者から得た生体試料に含まれるポリヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅することを含む、請求項6記載の方法。
  16. 配列番号10に記載のヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片、及び配列番号10に記載のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列の部分配列からなるヌクレオチド断片を含む、膀胱癌診断用プライマー。
  17. 請求項13に記載の膀胱癌診断用核酸プローブを含む、膀胱癌診断用キット。
  18. 請求項16に記載の膀胱癌診断用プライマーを含む、膀胱癌診断用キット。
  19. 下記(a)、または(b)のポリペプチドからなる膀胱癌の腫瘍マーカー:(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列を有し、かつ(a)と同等の抗体産生能を有するかまたは(a)に対する特異的抗体と反応しうるポリペプチド。
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