JP2013245960A - 乳がん患者手術治療後の予後判定方法 - Google Patents

乳がん患者手術治療後の予後判定方法 Download PDF

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Masaru Muraoka
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達夫 村上
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菊也 加藤
Yasutoshi Miyamoto
泰豪 宮本
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Abstract

【課題】精度よく乳がん患者手術治療後の予後を判定できるバイオマーカーを用いた、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法や乳がん患者手術治療後の予後判定用キットを提供すること。
【解決手段】10種類のバイオマーカータンパク質(GP2_HUMAN、MFAP4_HUMAN、COEA1_HUMAN、TRYB1_HUMAN、ABCA8_HUMAN、CBG_HUMAN、KERA_HUMAN、OMD_HUMAN、PI15_HUMAN、及びPTX3_HUMAN)や、4種類のバイオマーカーリン酸化タンパク質におけるアミノ酸残基(CCR1_HUMANの352番目のセリン残基、PDS5A_HUMANの1208番目のスレオニン残基、LMO7_HUMANの417番目のセリン残基、LMO7_HUMANの417番目のセリン残基、ALG3_HUMANの13番目のセリン残基)などのアミノ酸残基のリン酸化をバイオマーカーとして用いることにより、精度よく乳がん患者手術治療後の予後を判定することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法や予後判定用キットに関する。
がんは、心筋梗塞や脳梗塞に代表される血管系疾患とともに、成人の死亡原因を二分する疾患である。例えば、乳がん罹患率は、日本人では欧米諸国に比べて低いが、近年では増加傾向にあり、1998年には胃がんの罹患率を抜いて女性罹患率の第1位となった。最近の報告である2007年の厚生労働省統計によれば、乳がんの年間罹患数は6万人を超えている。
乳がん患者の外科的手術(根治手術)後の臨床経過によると、術後短期間で再発するケースから、術後10年以上にわたって無再発で生存するケースまで様々ある。現在臨床では、リンパ節転移の有無、腫瘍径、ステージ、ホルモンレセプターの有無、年齢などを考慮して、乳がん患者手術治療後の予後を予測し、治療方針が決められている(非特許文献1、2)。しかし、かかる方法は非常に煩雑であることから、より簡便に予後を予測できる方法が望まれている。
病理学診断は、がん治療の予後の経過を判定する上で重要であり、この診断の中心となるのは免疫組織学染色法である。例えば、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、Ki−67などに特異的な抗体を用いた免疫組織学染色法により、luminal A(ローリスク群)とluminal B(ハイリスク群)とに分類し、乳がん再発リスクの判断を行う検査方法が用いられている。しかし、かかる方法は検出感度に問題があり、また定量性が乏しいため病理医の目視診断によって行われているのが現状である。
最近、乳がん患者手術治療後の予後予測検査法としてMammaPrint(登録商標)やOncotype-DX(登録商標)といった原発巣をDNAマイクロアレイ解析する方法が開発されている。MammaPrintやOncotype-DXを用いることにより、複数(それぞれ70種類と21種類)の遺伝子群の発現パターンを解析し、再発の危険性が高いハイリスク群と低いローリスク群とに精度よく分類することができるが、検査料が高額なために、臨床の現場では普及していないのが現状である。このため、精度よく乳がん患者手術治療後の予後を判定できるバイオマーカーの探索が急務とされていた。
New Eng.J.Med.,326,p.1756−1761,1992 Breast diseases,Lippincott,Philadelphia,p.327−346,1987
本発明の課題は、精度よく乳がん患者手術治療後の予後を判定できるバイオマーカーを用いた、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法や乳がん患者手術治療後の予後判定用キットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けている。その過程において、MammaPrintによる予後リスク判定によりハイリスク(予後不良の可能性が高い)群及びローリスク(予後不良の可能性が低い)群と判別された、乳がん患者手術治療後の被験者由来の乳房組織試料を用いて、LTQ-Orbitrap Velos質量分析計を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析を行った。その結果、ハイリスク群とローリスク群とでタンパク質の発現レベル及びリン酸化レベルの異なるものを探索したところ、5122種類のタンパク質、3041のリン酸化タンパク質、及び9267のリン酸化ペプチドをバイオマーカー候補因子として同定した。さらに、これらの中から有意差検定等による二次選別を行い、TSQ Vantage質量分析計を用いたselected reaction monitoring(SRM)/Multiple Reaction Monitoring(MRM)法により相対定量プロテオミクス解析を行ったところ、23種類のタンパク質(GP2_HUMAN、MFAP4_HUMAN、COEA1_HUMAN、TRYB1_HUMAN、ABCA8_HUMAN、CBG_HUMAN、KERA_HUMAN、OMD_HUMAN、PI15_HUMAN、AACT_HUMAN、APOD_HUMAN、SAMP_HUMAN、LUM_HUMAN、FBLN1_HUMAN、A1AT_HUMAN、FBLN5_HUMAN、ZA2G_HUMAN、CO8A1_HUMAN、ADA22_HUMAN、PIP_HUMAN、STC2_HUMAN、PTX3_HUMAN、及びITB8_HUMAN)を選定し、これらの中から乳がんとの関係が報告されていない10種類のタンパク質(GP2_HUMAN、MFAP4_HUMAN、COEA1_HUMAN、TRYB1_HUMAN、ABCA8_HUMAN、CBG_HUMAN、KERA_HUMAN、OMD_HUMAN、PI15_HUMAN、及びPTX3_HUMAN)を見いだした。
また、12〜14種類のタンパク質における12種類のアミノ酸残基(CCR1_HUMANの352番目のセリン残基、PDS5A_HUMANの1208番目のスレオニン残基、LMO7_HUMANの417番目のセリン残基、ALG3_HUMANの13番目のセリン残基、SHRM3_HUMANの439番目のセリン残基、3種類のCDK[CDK1_HUMAN、CDK2_HUMAN、及びCDK3_HUMAN]のいずれかにおける14番目のスレオニン残基、3種類のCDK[CDK1_HUMAN、CDK2_HUMAN、及びCDK3_HUMAN]のいずれかにおける15番目のチロシン残基、MX1_HUMANの4番目のセリン残基、RL23A_HUMANの43番目のセリン残基、MCM2_HUMANの139番目のセリン残基、MUC1_HUMANの1227番目のセリン残基、MPZL1_HUMANの263番目のチロシン残基)のリン酸化が、精度よく乳がん患者手術治療後の予後を判定できるバイオマーカーとなり得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の減少、及び/又は[Bグループ]におけるタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の増加を検出することを特徴とする、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法に関する。
[Aグループ]
GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
[Bグループ]
PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
また本発明は、(2)タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする上記(1)記載の方法に関する。
上記本発明の判定方法には医師による診断行為は含まれず、また上記判定方法のその他の態様としては、乳がん患者手術治療後の予後を判定(予測)するためのデータを収集する方法を挙げることができる。
また本発明は、(3)以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質に特異的に結合する抗体、若しくは[Bグループ]におけるタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする乳がん患者手術治療後の予後判定用キットに関する。
[Aグループ]
GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
[Bグループ]
PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
また本発明は、(4)タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする上記(3)記載のキットに関する。
さらに本発明は、(5)以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現、及び/又は[Bグループ]におけるタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現を検出するためのプライマー対若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする乳がん患者手術治療後の予後判定用キットに関する。
[Aグループ]
GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
[Bグループ]
PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
また本発明は、(6)タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする上記(5)記載のキットに関する。
また乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法の他の実施の形態として、〔1〕以下の[Cグループ]におけるタンパク質のアミノ酸残基から少なくとも1つ以上のアミノ酸残基のリン酸化レベルの増加、及び/又は[Dグループ]におけるタンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルの減少を検出することを特徴とする、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法を挙げることができる。
[Cグループ]
CCR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P32246)の352番目のセリン残基
PDS5A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q29RF7−1)の1208番目のスレオニン残基
LMO7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8WWI1−3)の417番目のセリン残基
ALG3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92685)の13番目のセリン残基
SHRM3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF72−1)の439番目のセリン残基
CDK1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P06493)、CDK2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P24941)、及びCDK3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q00526)のいずれかにおける14番目のスレオニン残基
CDK1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P06493)、CDK2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P24941)、及びCDK3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q00526)のいずれかにおける15番目のチロシン残基
MX1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P20591)の4番目のセリン残基
RL23A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P62750)の43番目のセリン残基
MCM2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P49736)の139番目のセリン残基
MUC1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P15941−1)の1227番目のセリン残基
[Dグループ]
MPZL1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95297−1)の263番目のチロシン残基
また上記の他の実施の形態として、〔2〕アミノ酸残基が、[Cグループ]に含まれる以下の[C’グループ]から選択されることを特徴とする上記〔1〕に記載の方法を挙げることができる。
[C’グループ]
CCR1_HUMANの352番目のセリン残基
PDS5A_HUMANの1208番目のスレオニン残基
LMO7_HUMANの417番目のセリン残基
ALG3_HUMANの13番目のセリン残基
そしてまた上記の他の実施の形態として、〔3〕以下の[Cグループ]におけるタンパク質のアミノ酸残基から少なくとも1つ以上のアミノ酸残基のリン酸化を特異的に検出する抗体、若しくは[Dグループ]におけるタンパク質のアミノ酸残基のリン酸化を特異的に検出する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする乳がん患者手術治療後の予後判定用キットを挙げることができる。
[Cグループ]
CCR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P32246)の352番目のセリン残基
PDS5A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q29RF7−1)の1208番目のスレオニン残基
LMO7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8WWI1−3)の417番目のセリン残基
ALG3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92685)の13番目のセリン残基
SHRM3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF72−1)の439番目のセリン残基
CDK1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P06493)、CDK2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P24941)、及びCDK3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q00526)のいずれかにおける14番目のスレオニン残基
CDK1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P06493)、CDK2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P24941)、及びCDK3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q00526)のいずれかにおける15番目のチロシン残基
MX1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P20591)の4番目のセリン残基
RL23A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P62750)の43番目のセリン残基
MCM2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P49736)の139番目のセリン残基
MUC1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P15941−1)の1227番目のセリン残基
[Dグループ]
MPZL1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95297−1)の263番目のチロシン残基
さらに上記の他の実施の形態として、〔4〕アミノ酸残基が、[Cグループ]に含まれる以下の[C’グループ]から選択されることを特徴とする上記〔3〕に記載のキットを挙げることができる。
[C’グループ]
CCR1_HUMANの352番目のセリン残基
PDS5A_HUMANの1208番目のスレオニン残基
LMO7_HUMANの417番目のセリン残基
ALG3_HUMANの13番目のセリン残基
本発明によると、乳がん患者手術治療後の予後を精度よく判定(予測)することが可能となり、乳がん患者手術治療後の治療方針を決定することができる。
MammaPrintにより分類されたハイリスク群(High risk)とローリスク群(Low risk)を用いて、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量プロテオミクス解析を行い、本発明のバイオマーカータンパク質を同定した結果を示す図である。縦軸の領域比(Area ratio)は、質量分析計で定量されたMSスペクトルの内部標準に対するピーク比を示す。横棒はそれぞれの群での平均値を表す。●は各検体を示す。 MammaPrintにより分類されたハイリスク群(High risk)とローリスク群(Low risk)を用いて、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量プロテオミクス解析を行い、本発明のバイオマーカータンパク質を同定した結果を示す図である。縦軸の領域比(Area ratio)は、質量分析計で定量されたMSスペクトルの内部標準に対するピーク比を示す。横棒はそれぞれの群での平均値を表す。●は各検体を示す。 MammaPrintにより分類されたハイリスク群(High risk)とローリスク群(Low risk)を用いて、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量プロテオミクス解析を行い、本発明のバイオマーカーリン酸化タンパク質を同定した結果を示す図である。縦軸は、質量分析計で定量されたMSスペクトルの内部標準に対するピーク比を示す。横棒はそれぞれの群での平均値を表す。●は各検体を示す。 MammaPrintにより分類されたハイリスク群(High risk)とローリスク群(Low risk)を用いて、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量プロテオミクス解析を行い、本発明のバイオマーカーリン酸化タンパク質を同定した結果を示す図である。縦軸は、質量分析計で定量されたMSスペクトルの内部標準に対するピーク比を示す。横棒はそれぞれの群での平均値を表す。●は各検体を示す。 MammaPrintにより分類されたハイリスク群(9検体)とローリスク群(9検体)における、本発明の2種類のバイオマーカータンパク質(MFAP4_HUMAN及びGP2_HUMAN)の発現を、ウェスタンブロッティング法を用いて解析した結果を示す図である。MFAP4_HUMAN及びGP2_HUMANの結果は、それぞれ図5A及びBに示す。また、各レーン(計9レーン)は、各検体におけるバイオマーカータンパク質の発現量を示す。 MammaPrintにより分類されたハイリスク群(12検体)とローリスク群(12検体)における、本発明のバイオマーカータンパク質(GP2_HUMAN)の発現を、免疫組織学染色法を用いて解析した結果を示す図である。右図において、縦軸は、抗GP2_HUMAN抗体による染色レベルを基にした陽性染色スコア(Positive staining score)を0、及び+1〜+3で示す。なお、右図における●は、各検体を示す。また、左図にはハイリスク群で陽性染色スコアが0で顕微鏡倍率200倍(上段)、顕微鏡倍率400倍(下段)であった乳房組織試料を、またローリスク群で陽性染色スコアが+3で顕微鏡倍率200倍(上段)、顕微鏡倍率400倍(下段)であった乳房組織試料の代表的な顕微鏡観察結果を示す。
本発明の乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法としては、例えば、手術による乳がん治療が施された被験者(乳がん患者)から採取された判定用試料中の、上記[Aグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質の発現の減少又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはその逆転写物(cDNA)の発現の減少、及び/又は、上記[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質の発現の増加又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の増加を検出する方法(以下、「本件方法1」という)であれば特に制限されず、また、本発明の乳がん患者手術治療後の予後判定用キットとしては、上記[Aグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質に特異的に結合する抗体、及び/又は上記[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質に特異的に結合する抗体、あるいはそれらの標識物を備えるキット(以下、「本件キット1」という)や、上記[Aグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現、及び/又は上記[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現を検出するためのプライマー対若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えるキット(以下、「本件キット2」という)であれば特に制限されず、上記バイオマーカータンパク質としては、[Aグループ]に属するGP2_HUMANやMFAP4_HUMANを好適に例示することができる。
上記他の態様の乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法としては、例えば、手術による乳がん治療が施された被験者(乳がん患者)から採取された判定用試料中の、上記[Cグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルの増加、及び/又は上記[Dグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルの減少を検出する方法(以下、「本件方法2」という)を挙げることができ、また、他の態様の乳がん患者手術治療後の予後判定用キットとしては、上記[Cグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化を特異的に検出できる抗体、及び/又は上記[Dグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化を特異的に検出できる抗体、又はそれらの標識物を備えるキット(以下、「本件キット3」という)を挙げることができ、上記バイオマーカーリン酸化タンパク質としては、上記[Cグループ]に属する上記[C’グループ]から選択されるものが好ましい。
本件方法1や本件方法2における判定用試料としては、乳房組織由来の組織、細胞、器官等の非液性試料や、血液、唾液等の液性試料を例示することができる。例えば、上記乳房組織は、被験者より採取された後に、凍結処理が施された凍結組織であっても、病理組織学的処理が施された病理組織であってもよく、かかる病理組織としては、ホルマリン固定組織や、ホルマリン固定パラフィン包埋組織等を例示することができる。
本発明の乳がん患者手術治療後の予後とは、乳がん治療手術が施された、乳がん発症患者、乳がん再発患者、乳がん転移患者などの乳がん患者(被験者)の、治療後の生存期間や回復期間(乳がん再発や乳房以外の他の臓器への転移が認められない期間)を意味する。なお、本発明の乳がん患者における乳がんには、遺伝性のものも孤発性のものも含まれる。
本件方法1において、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Aグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して減少している場合、及び/又は、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して増加している場合、被験者における乳がん手術治療後の予後が悪い(予後不良)と評価(予測)することができ、また、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Aグループ]におけるバイオマーカータンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して減少していない場合、及び/又は、上記[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して増加していない場合、被験者における乳がん手術治療後の予後が良い(予後良好)と評価(予測)することができる。
また、本件方法2において、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Cグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルが、対照試料におけるリン酸化レベルと比較して増加している場合、及び/又は、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Dグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルが、対照試料におけるリン酸化レベルと比較して減少している場合、被験者における乳がん手術治療後の予後が悪い(予後不良)と評価(予測)することができ、また、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Cグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルが、対照試料におけるリン酸化レベルと比較して増加していない場合、及び/又は、被験者から採取された判定用試料中の、上記[Dグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基のリン酸化レベルが、対照試料におけるリン酸化レベルと比較して減少していない場合、被験者における乳がん手術治療後の予後が良い(予後良好)と評価(予測)することができる。
上記対照試料としては、健常者やMammaPrint、Oncotype-DX等の乳がん患者手術治療後の予後予測検査法により予後が良いと評価された被験者由来の組織、細胞、血液、唾液などの試料の他、医師等当業者が通常用いる基準に照らして明らかにがん化していないと判断される組織、細胞、器官等の非液性試料や血液、唾液等の液性試料を例示することができる。また、これら対照試料は、採取された後に、判定用試料と同様の処理が施された対照試料であることが好ましい。
本件方法1や本件方法2を用いて、被験者における乳がん手術治療後の予後が悪いと評価した場合の、治療後の生存期間や回復期間は、長くとも5年以内、例えば、4年以内、3年以内、2年以内、1年以内の期間である。また、被験者における乳がん手術治療後の予後が良いと評価した場合の、治療後の生存期間や回復期間は、少なくとも5年以上、例えば、6年以上、7年以上、8年以上、10年以上の期間である。
本件方法1において、バイオマーカータンパク質の発現の減少又は増加を検出する方法としては、上記[Aグループ]及び[Bグループ]におけるバイオマーカータンパク質(以下、これらを総称して「本件バイオマーカータンパク質」という)の一部又は全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドを検出する質量分析法や、本件バイオマーカータンパク質を特異的に認識する抗体を用いた免疫学的測定法を挙げることができる。なお、本件バイオマーカータンパク質のアミノ酸配列情報は、本件バイオマーカータンパク質のUniProtKBアクセッション番号を基に、EBI(http://www.ebi.ac.uk/IPI/IPIhelp.html)のデータベースで検索することにより得ることができる。
本件方法2において、アミノ酸残基のリン酸化レベルの増加又は減少を検出する方法としては、上記[Cグループ]及び[Dグループ]におけるバイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基(以下、これらを総称して「本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基」という)のリン酸化を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基がリン酸化したペプチドとして検出する質量分析法や、本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基がリン酸化したペプチドを特異的に認識する抗体を用いた免疫学的測定法を挙げることができる。なお、本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸配列情報は、本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のUniProtKBアクセッション番号を基に、EBI(http://www.ebi.ac.uk/IPI/IPIhelp.html)のデータベースで検索することにより得ることができる。
上記免疫学的測定法としては、免疫組織化学染色法、ELISA法、EIA法、RIA法、ウェスタンブロッティング法等を好適に例示することができる。また、上記質量分析法とは、ペプチド試料を、イオン源を用いて気体状のイオンとし(イオン化)、分析部において、真空中で運動させ電磁気力を用いて、あるいは飛行時間差によりイオン化したペプチド試料を質量電荷比に応じて分離し、検出できる質量分析計を用いた測定方法のことをいい、イオン源を用いてイオン化する方法としては、EI法、CI法、FD法、FAB法、MALDI法、ESI法などの方法を適宜選択することができ、また、分析部において、イオン化したペプチド試料を分離する方法としては、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間(TOF)型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型などの分離方法を適宜選択することができる。また、2以上の質量分析法を組み合わせたタンデム型質量分析(MS/MS)やトリプル四重極型質量分析を利用することができる。また、サンプルがリン酸化したペプチドを含む試料の場合、質量分析計へのサンプル導入前に、サンプルを鉄イオン固定化アフィニティークロマトグラフィー(Fe-IMAC)を用いて濃縮することができる。また、液体クロマトグラフ(LC)やHPLCにより、本件バイオマーカータンパク質や本件バイオマーカーリン酸化タンパク質を構成するペプチドを分離・精製してサンプルとすることができる。また、検出部やデータ処理方法も適宜選択することができる。なお、質量分析法を用いて本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドや本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基がリン酸化したペプチドを質量分析法で検出・定量する場合、かかるペプチドと同一のアミノ酸配列からなる、濃度が既知の安定同位体で標識したペプチドを内部標準とすることができる。かかる安定同位体標識ペプチドとしては、検出する本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドや本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基がリン酸化したペプチドにおけるアミノ酸の1個以上が、15N,13C,18O,及びHのいずれか1以上を含む安定同位体標識ペプチドであれば、アミノ酸の種類、位置、数などは適宜選択することができ、かかる安定同位体標識ペプチドは、安定同位元素により標識されたアミノ酸を用いてF−moc法(Amblard., et al. Methods Mol Biol.298:3-24(2005))等の適当な手段で化学合成することができるが、iTRAQ(登録商標)試薬、ICAT(登録商標)試薬、ICPL(登録商標)試薬、NBS(登録商標)試薬などの標識試薬を用いて作製することもできる。
本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現の減少若しくは増加を検出する方法としては、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの一部若しくは全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、判定用試料中の細胞における全RNAを抽出・精製し、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNAに相補的な塩基配列からなるプローブを用いたノーザンブロッティング法で検出する方法や、判定用試料中の細胞における全RNAを抽出・精製し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成した後、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAを特異的に増幅するプライマー対を用いた、競合的PCR法、リアルタイムPCR法等の定量PCR法で検出する方法や、判定用試料中の細胞における全RNAを精製し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成した後、ビオチン(biotin)やジゴキシゲニン(digoxigenin)などでcDNAをラベルし、蛍光物質が標識されたビオチンに対する親和性の高いアビジン(avidin)やジゴキシゲニンを認識する抗体などで間接的にcDNAを標識した後、ガラス、シリコン、プラスチックなどのハイブリダイゼーションに使用可能な支持体上に固定化された、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAに相補的な塩基配列からなるプローブを用いたマイクロアレイで検出する方法等を挙げることができる。
本件キット1や本件キット3における抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体などの抗体であってもよく、また、この中には、F(ab’)、Fab、diabody、Fv、ScFv、Sc(Fv)などの抗体の一部からなる抗体断片も含まれる。また、上記本件キット1や本件キット3には、本件バイオマーカータンパク質や本件バイオマーカーリン酸化タンパク質のアミノ酸残基に結合した本件キット1や本件キット3における抗体を検出するための、蛍光物質、酵素等の標識物質をコンジュゲートした2次抗体を含めることや、本件キット1や本件キット3における抗体とは異なるエピトープと反応する少なくとも1種類の抗体を含めることができる。また、本件キット1や本件キット3には、必要と目的に応じた緩衝液、pH調製剤、反応容器等をさらに備えたものであってもよい。
本件キット2におけるプライマー対としては、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAの上流及び下流の配列の一部とアニーリングしうる相補的なプライマー対であれば、プライマー配列の長さ、かかるcDNAとアニーリングする部位、増幅するcDNAの長さ等は、DNAの増幅効率や特異性を考慮して適宜選択することができる。例えば、プライマー配列の長さとしては、15〜30塩基を選択することができ、また、増幅するcDNAの長さとしては、100〜300塩基を選択することができる。なお、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNAやcDNAの配列情報は、本件バイオマーカータンパク質のUniProtKBアクセッション番号を基に、EBI(http://www.ebi.ac.uk/IPI/IPIhelp.html)のデータベースで検索し、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)のデータベースにリンクすることにより得ることができる。
本件キット2におけるプローブとしては、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの一部若しくは全部がハイブリダイゼーションするプローブであれば、プローブの長さ、かかるスプライシングバリアントとハイブリダイズする部位等は、ハイブリダイゼーションの効率や特異性を考慮して適宜選択することができる。
本件キット1や本件キット3における抗体や、本件キット2におけるプライマー対やプローブの標識物における標識物質としては、例えばビオチン、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein;GFP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horse Radish Peroxidase;HRP)、32Pなどを具体的に挙げることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.大規模膜タンパク質プロテオーム解析によるバイオマーカー候補タンパク質の探索
乳がんの予後を予測できるバイオマーカーを探索するために、MammaPrintで分類されたハイリスク群及びローリスク群を用いて解析を進めた。MammaPrintにより分類された、ハイリスク群(9検体)とローリスク群(9検体)の計18症例の乳がん組織をホモジュナイザーで破砕処理し、低速遠心で核や未破砕の細胞を除いた後、超高速遠心処理を行い、得られた沈殿物を膜タンパク質画分として単離した。ハイリスク群及びローリスク群における各検体由来の膜タンパク質画分を、それぞれの群の中で混合させた後、界面活性剤(デオキシコール酸及びラウロイルサルコシン酸)を含む溶液でタンパク質の可溶化処理を行い、トリプシンによるタンパク質の消化処理を行った後、相間移動溶解法(PTS法)を用いて溶液中の界面活性剤を除き、ペプチドの抽出を行った。iTRAQ試薬(エービーサイエックス)を用いて各群のペプチドをそれぞれ異なる同位体標識体でラベルした後、SCXカラム(アジレント・テクノロジーズ社)により分画を行い、LTQ-Orbitrap Velos質量分析計(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析により、タンパク質の定量・同定を行った。その結果、ハイリスク群及びローリスク群で発現するタンパク質として、829種類の膜タンパク質、340種類の細胞外タンパク質を含む計5122種類のタンパク質が同定された。このうち、ハイリスク群とローリスク群間で2倍以上の発現の差が認められた61種類の膜タンパク質や細胞外タンパク質をバイオマーカー候補タンパク質とした。
[参考例1]
2.大規模リン酸化タンパク質プロテオーム解析によるバイオマーカー候補リン酸化タンパク質の探索
さらに、タンパク質のリン酸化に着目したバイオマーカーの探索を進めた。MammaPrintにより分類された、ハイリスク群(6検体)とローリスク群(6検体)の計12症例の乳がん組織は、トリプシンで消化後、PTS法で界面活性剤を除き、Feイオン固定化アフィニティークロマトグラフィー (Fe−IMAC)法を用いてリン酸化ペプチドの濃縮を行った。その後、4plex iTRAQ試薬(エービーサイエックス)を用いた安定同位体標識体によるラベルは、以下の手順にしたがって行った。すなわち、12検体のうち、任意の4検体ずつを、それぞれiTRAQ115試薬、iTRAQ116試薬、及びiTRAQ117試薬で標識し、かかる3種類の試薬で標識したものからなるセットを計4セット用意した。なお、12検体由来のリン酸化したペプチド(リン酸化ペプチド)を等量ずつ混合したもの(プールサンプル)をiTRAQ114試薬で標識し、iTRAQ114で標識したプールサンプルを内部コントロールとして用いた。上記4セットそれぞれに内部コントロールを加えた後、SCXカラム(アジレント・テクノロジーズ社)により分画を行い、LTQ-Orbitrap XL又はVelos質量分析計(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析により、タンパク質の定量・同定を行った。その結果、ハイリスク群及びローリスク群で発現するリン酸化タンパク質として、3041のリン酸化タンパク質、9267のリン酸化ペプチドが同定された。このうち、ハイリスク群とローリスク群間で2倍以上のリン酸化レベルの差が認められ、有意差(p<0.1)を有し、かつ4セット中少なくとも3セットで同定されたものとして、117種類のリン酸化タンパク質及び133種類のリン酸化ペプチドが同定された。このうちのリン酸化タンパク質の中から、両群間で特にリン酸化レベルの差が大きいものとして4種類、また、タンパク質レベルで乳がんの予後不良に関与することが報告されているものとして12〜16種類、さらに細胞膜タンパク質をリン酸化するタンパク質として3種類の、計19〜23種類のリン酸化タンパク質をバイオマーカー候補リン酸化タンパク質とした。
3.SRM/MRM法を用いたバイオマーカータンパク質の同定
実施例1に記載の方法により同定した61種類のバイオマーカー候補タンパク質の中から、乳がんの予後を予測できるバイオマーカーを、トリプル四重極型質量分析計を用いたSRM/MRM法により探索した。まず、SRM/MRM法が実施可能なタンパク質として、61種類のバイオマーカー候補タンパク質の中から49種類のタンパク質を選抜した。このうち、ローリスク群よりもハイリスク群でタンパク質の発現が増加するバイオマーカー候補タンパク質は、表1に示すとおり15種類あり、またそれらタンパク質のUniProtIDは以下のとおりである。
PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)、TRPA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75762)、KKLC1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5H943)、F18B1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9NYZ1)、TTYH1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H313)、MANBL_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9NQG1)、CO2A1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P02458)、S26A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P50443)、ITB8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26012)、FOLR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P15328)、PROM1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43490)、LAT1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q01650)、TRPV4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9HBA0)、MOT1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P53985)、ABCB6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9NP58)。
また、残りの34種類のバイオマーカー候補タンパク質は、表2に示すとおりローリスク群よりもハイリスク群でタンパク質の発現が減少するタンパク質であり、またそれらタンパク質のUniProtIDは以下のとおりである。
FBLN5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9UBX5)、ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)、AACT_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P01011)、PLTP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55058)、HTRA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92743)、LUM_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P51884)、LAT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9UHI5)、FBLN1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P23142)、COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)、ADA22_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9P0K1)、GPNMB_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14956)、MMP19_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99542)、CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)、ASPN_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BXN1)、KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)、TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)、CXL13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43927)、OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)、PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)、STC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O76061)、MYP0_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P25189)、MIME_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P20774)、CTL4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q53GD3)、CO8A1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P27658)、NEC1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P29120)、A1AT_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P01009)、SAMP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P02743)、MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)、ZA2G_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P25311)、GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)、SCG1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P05060)、CBPB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P15086)、APOD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P05090)、PIP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P12273)。
続いて、これら選抜したタンパク質のアミノ酸配列情報を基に、SRM/MRM法で特異的に検出されるペプチドを推定し、かかるペプチドと同じアミノ酸配列からなる安定同位体標識ペプチドをグライナーバイオ-ワンから購入し、内部標準ペプチドとして用いた。上記実施例1に記載に方法により上記49種類のバイオマーカー候補タンパク質由来の膜タンパク質画分を単離し、内部標準ペプチドを混合した後、トリプシンによるタンパク質の消化処理を行い、PTS法を用いて溶液中の界面活性剤を除き、ペプチドの抽出を行った後、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量解析を行った。その結果、ハイリスク群及びローリスク群で統計学的な有意差(p<0.05、Wilcoxon test)を有する23種類のタンパク質(MFAP4_HUMAN、AACT_HUMAN、APOD_HUMAN、SAMP_HUMAN、LUM_HUMAN、FBLN1_HUMAN、A1AT_HUMAN、COEA1_HUMAN、FBLN5_HUMAN、ZA2G_HUMAN、TRYB1_HUMAN、CO8A1_HUMAN、ADA22_HUMAN、PIP_HUMAN、ITB8_HUMAN、STC2_HUMAN、PTX3_HUMAN、ABCA8_HUMAN、GP2_HUMAN、CBG_HUMAN、KERA_HUMAN、OMD_HUMAN、及びPI15_HUMAN)を、バイオマーカータンパク質として同定することができた(図1及び2)。
[参考例2]
4.SRM/MRM法を用いたバイオマーカーリン酸化タンパク質とそのリン酸化部位の同定
参考例1に記載の方法により同定した19〜23種類のバイオマーカー候補リン酸化タンパク質の中から、乳がんの予後を予測できるバイオマーカーを、三連四重極型質量分析計を用いたSRM/MRM法により探索した。まず、SRM/MRM法が実施可能なタンパク質として、19種類のバイオマーカー候補リン酸化タンパク質の中から表3に記載の15〜19種類のバイオマーカー候補リン酸化タンパク質を選抜した。このうち、ローリスク群よりもハイリスク群でタンパク質のリン酸化レベルが減少する5種類のタンパク質におけるUniProtIDとそのリン酸化部位は以下のとおりである。
RL23A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P62750)の43番目のセリン残基、K2C8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P05787)の291番目のセリン残基、SHRM3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF72−1)の439番目のセリン残基、MPZL1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95297−1)の263番目のチロシン残基、PKP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99959−1)の151番目のセリン残基。
また、ローリスク群よりもハイリスク群でタンパク質のリン酸化レベルが増加する10〜14種類のタンパク質におけるUniProtIDとそのリン酸化部位は以下のとおりである。
3種類のCDK(CDK1_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号P06493]、CDK2_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号P24941]、及びCDK3_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号Q00526])のいずれかにおける14番目のスレオニン(T)残基、MCM2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P49736)の139番目のセリン(S)残基、PDS5A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q29RF7−1)の1208番目のスレオニン残基、3種類のCDK(CDK1_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号P06493]、CDK2_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号P24941]、及びCDK3_HUMAN[UniProtKBアクセッション番号Q00526])のいずれかにおける15番目のチロシン(Y)残基、MX1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P20591)の4番目のセリン残基、MUC1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P15941−1)の1227番目のセリン残基、LMO7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8WWI1−3)の417番目のセリン残基、ALG3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92685)の13番目のセリン残基、CCR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P32246)の352番目のセリン残基、INADL_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NI35−1)の645番目のセリン残基。
続いて、これら選抜したバイオマーカー候補リン酸化タンパク質を検出するリン酸化ペプチドと同じアミノ酸配列からなり、かつ同じアミノ酸残基にリン酸化修飾した安定同位体標識ペプチドをグライナーバイオ-ワンから購入し、SRM/MRM法における内部標準リン酸化ペプチドとして用いた。上記参考例1に記載に方法により上記15〜19種類のバイオマーカー候補リン酸化タンパク質由来のリン酸化タンパク質精製物を単離した後、内部標準リン酸化ペプチドを混合し、PTS法を用いて溶液中の界面活性剤を除き、ペプチドの抽出を行った後、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM/MRM法により相対定量解析を行った。その結果、4種類のタンパク質におけるリン酸化部位(PDS5A_HUMANの1208番目のスレオニン残基、LMO7_HUMANの417番目のセリン残基、ALG3_HUMANの13番目のセリン残基、及びCCR1_HUMANの352番目のセリン残基)が、ハイリスク群及びローリスク群の両群間で統計学的な有意差(p<0.05、T-test)を有することが明らかとなった(図3)。また、8〜12種類のタンパク質におけるリン酸化部位(RL23A_HUMANの43番目のセリン残基、SHRM3_HUMANの439番目のセリン残基、MPZL1_HUMANの263番目のチロシン残基、3種類のCDK(CDK1_HUMAN、CDK2_HUMAN、及びCDK3_HUMAN)のいずれかにおける14番目のスレオニン残基、MCM2_HUMANの139番目のセリン残基、3種類のCDK(CDK1_HUMAN、CDK2_HUMAN、及びCDK3_HUMAN)のいずれかにおける15番目のチロシン残基、MX1_HUMANの4番目のセリン残基、及びMUC1_HUMANの1227番目のセリン残基)は、ハイリスク群及びローリスク群の両群間で有意差を有する傾向(p<0.2、T-test)が認められた(図4)。
5.ウェスタンブロッティング法や免疫組織学染色法による検証
上記実施例2で同定された23種類のバイオマーカータンパク質が、ウェスタンブロッティング法や免疫組織学染色法などのより簡便な解析法においてバイオマーカーとして用いることができるかどうか検討した。上記実施例1に記載に方法により膜タンパク質画分を単離し、SDS−PAGEで膜タンパク質画分に含まれるタンパク質を分離し、PVDF膜に転写させた後、抗MFAP4抗体(Proteintech Group, Inc)を一次抗体とし、HRP標識抗ラビットIgG抗体を二次抗体として用いたウェスタンブロッティング法による解析と、抗GP2抗体(SIGMA- ALDRICH)を一次抗体とし、HRP標識抗ラビットIgG抗体を二次抗体として用いたウェスタンブロッティング法による解析を行った。検出は化学発光検出試薬(Enhanced Chemiluminescence Detection reagents)(GE Healthcare)を用いて行った。その結果、MFAP4(MFAP4_HUMAN)は、ハイリスク群と比べローリスク群でその発現レベルが顕著に増加していることが示された(図5A)。また、GP2(GP2_HUMAN)も同様にハイリスク群と比べローリスク群でその発現レベルが顕著に増加していることが示された(図5B)。さらに免疫組織学染色法による解析は、以下のとおり行った。すなわち、MammaPrintにより分類された、ハイリスク群(12検体)とローリスク群(12検体)の計24症例の乳房組織を、ホルマリンを用いて固定し、アルコールで脱水処理をした後、キシレン処理を行い、高温のパラフィン中に浸しパラフィン包埋を行い、組織試料を作製した。上記24検体の組織試料を3μmの切片にし、キシレンで脱パラフィン処理を行い、アルコール処理を行った後、脱イオン水で洗浄し、抗GP2抗体(SIGMA- ALDRICH)を一次抗体とし、HRP標識抗ラビットIgG抗体を二次抗体として用いた免疫組織学染色法による解析を行った。検出は化学発光検出試薬(DAB)(DAKO)を用いて行った。その結果、免疫組織学染色法においても同様にGP2の発現がハイリスク群と比べローリスク群で顕著に増加していることが示された(図6)。以上の結果は、実施例1及び2に記載の質量分析による解析結果を支持するとともに、MFAP4やGP2などの本発明のバイオマーカーは、ウェスタンブロッティング法や免疫組織学染色法などの簡便な解析においても有用であることを示している。
本発明により、乳がん患者手術治療後の予後予測をすることができるため、術後の治療方針を決定することができる。また、術後の生存期間や回復期間を延ばすことが期待される。

Claims (6)

  1. 以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の減少、及び/又は[Bグループ]におけるタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の増加を検出することを特徴とする、乳がん患者手術治療後の予後を判定する方法。
    [Aグループ]
    GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
    MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
    COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
    TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
    ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
    CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
    KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
    OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
    PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
    [Bグループ]
    PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
  2. タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質に特異的に結合する抗体、若しくは[Bグループ]におけるタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする乳がん患者手術治療後の予後判定用キット。
    [Aグループ]
    GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
    MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
    COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
    TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
    ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
    CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
    KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
    OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
    PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
    [Bグループ]
    PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
  4. タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする請求項3に記載のキット。
  5. 以下の[Aグループ]におけるタンパク質から少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現、及び/又は[Bグループ]におけるタンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現を検出するためのプライマー対若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする乳がん患者手術治療後の予後判定用キット。
    [Aグループ]
    GP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55259)
    MFAP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55083)
    COEA1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q05707)
    TRYB1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q15661)
    ABCA8_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O94911)
    CBG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08185)
    KERA_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O60938)
    OMD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99983)
    PI15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43692)
    [Bグループ]
    PTX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P26022)
  6. タンパク質が、[Aグループ]に含まれるGP2_HUMAN、又はMFAP4_HUMANであることを特徴とする請求項5に記載のキット。
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