JP2015091969A - 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂層、回路基板および半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、樹脂層、回路基板および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基材に含浸させたときに基材との密着性に優れた樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物、かかる樹脂組成物を用いて製造された信頼性の高いプリプレグ、樹脂層および回路基板、およびかかる回路基板を備えた信頼性の高い半導体装置を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、基材に含浸させることでシート状のプリプレグを形成するために用いるものであり、シアネート樹脂とエポキシ樹脂とを含むものである。そして、この樹脂組成物は、その硬化物について、シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による散乱プロファイルを取得したとき、散乱プロファイルが、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内に少なくとも1つの特異点構造を有しているという特徴を有するものである。また、フェノール樹脂および硬化促進剤の少なくとも一方を含むのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂層、回路基板および半導体装置に関するものである。
電子機器には、電気回路等を形成した回路基板が多く使用されている。この回路基板を製造する場合、通常、ガラス繊維基材等の繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸・乾燥し、半硬化状態にしたプリプレグとよばれる部材が用いられる。このプリプレグ1枚以上と銅箔等とを重ねて加熱、加圧することで、銅張積層板や、これに回路を形成してなる回路基板を製造することができる。
例えば、特許文献1には、ガラス繊維等を用いた基板に、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含むワニスを含浸させ、乾燥させてなるプリプレグが開示されている。
近年、電子機器の信頼性に対する要求の高まりから、回路基板についてもプレッシャークッカー試験(PCT)や高度加速ストレス試験(HAST)を行い、過酷な環境に対する信頼性を保証することが求められている。
しかしながら、かかる信頼性試験において、プリプレグから製造された回路基板の基材と熱硬化性樹脂との界面に発生する剥離(グレージング)が問題になっている。このような剥離が生じると、回路基板において例えば銅箔が剥がれ易くなったり、耐熱性の低下や誘電率の不安定化等を招くこととなる。
特開2004−216784号公報
本発明の目的は、基材に含浸させたときに基材との密着性に優れた樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物、かかる樹脂組成物を用いて製造された信頼性の高いプリプレグ、樹脂層および回路基板、およびかかる回路基板を備えた信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) シアネート樹脂、エポキシ樹脂、および、四級ホスホニウム系化合物からなる硬化促進剤を含有し、
硬化物について、シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による散乱プロファイルを取得したとき、前記散乱プロファイルは、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内に少なくとも1つの曲率の特異点構造を有していることを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記硬化促進剤の含有率は、前記シアネート樹脂と前記エポキシ樹脂の合計に対して0.1〜5質量%である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記散乱プロファイルにおける散乱強度I(q)に散乱ベクトルqの2乗を掛けた指標I(q)・qを、前記散乱ベクトルqに対してプロットして前記指標のプロファイルを得たとき、前記指標のプロファイルは散乱ベクトルqの前記範囲内に少なくとも1つの極大点を有しており、
前記特異点構造に対応する散乱ベクトルqの大きさは、前記極大点に対応する散乱ベクトルqの大きさから特定されるものである上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 当該樹脂組成物は、その硬化物が平均粒径15nm以上の粒子状の凝集体を含むものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 当該樹脂組成物中における前記シアネート樹脂の含有率は、20〜70質量%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 当該樹脂組成物中における前記エポキシ樹脂の含有率は、20〜70質量%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 当該樹脂組成物は、その硬化物について赤外分光分析を行ったとき、トリアジン環、イソシアヌレート環およびオキサゾリジノン環に帰属される吸収が検出されるものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物を層状に成形し、硬化させてなることを特徴とする樹脂層。
(9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
(10) 上記(8)に記載の樹脂層および上記(9)に記載のプリプレグの少なくとも一方を備えることを特徴とする回路基板。
(11) 上記(10)に記載の回路基板を備えることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、基材に含浸させ、硬化させたとき、基材との密着性に優れた樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物が得られる。
また、本発明によれば、基材と樹脂との密着性に優れた信頼性の高いプリプレグ、および、基材との密着性に優れた樹脂層が得られる。
また、本発明によれば、導電層が剥がれ難く、かつ耐熱性が高く、誘電率が安定な回路基板が得られる。
また、本発明によれば、信頼性の高い半導体装置が得られる。
横軸(常用対数軸)に散乱ベクトルqの大きさをとり、縦軸(常用対数軸、任意単位)に散乱強度I(q)をとって、散乱X線の検出結果をプロットして得られた散乱プロファイルである。 図1に示す結果について、横軸(常用対数軸)に散乱ベクトルqの大きさをとり、縦軸(常用対数軸、任意単位)に散乱強度I(q)と散乱ベクトルqの2乗との積からなる指標をとり、散乱X線の検出結果をプロットして得られたプロファイルである。 本発明のプリプレグの実施形態を示す縦断面図である。 本発明の樹脂層の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の半導体装置および本発明の回路基板の実施形態を示す縦断面図である。 サンプルNo.1A〜6Aについての散乱プロファイルである。 サンプルNo.7A〜11Aについての散乱プロファイルである。 サンプルNo.28Bで得られた回路基板の切断面のSEMによる観察像である。
以下、本発明の樹脂組成物、プリプレグ、樹脂層、回路基板および半導体装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、基材に含浸させることでシート状のプリプレグを形成するために用いるものであり、シアネート樹脂とエポキシ樹脂とを含むものである。そして、この樹脂組成物は、その硬化物について、シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による散乱プロファイルを取得したとき、散乱プロファイルが、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内に少なくとも1つの特異点構造を有しているという特徴を有するものである。
また、本発明の樹脂層は、上述の樹脂組成物を基材上に成膜し、固化させてなるものであり、本発明のプリプレグは、上述の樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。
また、本発明の回路基板は、上述の樹脂層およびプリプレグの少なくとも一方を備えるものであり、本発明の半導体装置は、この回路基板を備えてなるものである。
<樹脂組成物>
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂を必須成分として含むものである。
本発明に用いられるシアネート樹脂としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ノボラック型シアネート樹脂が好ましく用いられる。ノボラック型シアネート樹脂は、基材との密着性が特に良好であるとともに、架橋密度の増加により耐熱性を向上させることができる。
ノボラック型シアネート樹脂は、例えばノボラック型フェノール樹脂と、塩化シアン、臭化シアン等の化合物とを反応させることにより調製される。なお、本発明では、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
ここで、ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものが用いられる。
Figure 2015091969
[式中、nは任意の整数]
なお、上記一般式(I)中のnは、好ましくは1〜12程度とされ、より好ましくは2〜8程度とされる。
また、シアネート樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないものの、500〜4,500程度であるのが好ましく、600〜3,000程度であるのがより好ましい。なお、重量平均分子量が上記下限値未満であると、樹脂組成物の硬化物の機械的強度が低下するおそれがある。一方、上記上限値を超えると、樹脂組成物の硬化速度が速くなり過ぎるため、保存性が低下するおそれがある。
なお、本発明の樹脂組成物が含むシアネート樹脂としては、上述したシアネート樹脂をプレポリマー化したものも用いることができる。すなわち、シアネート樹脂を単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
ここでプレポリマーとは、通常、上記シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
また、プレポリマーとしては、3量化率が20〜50質量%であるものが好ましく用いられる。なお、この3量化率は、例えば赤外分光分析装置を用いて求めることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20〜70質量%程度であるのが好ましく、30〜60質量%程度であるのがより好ましい。これにより、シアネート樹脂が有する上記特性を効果的に発現させることができる。
なお、シアネート樹脂の含有量が上記下限値未満であると、樹脂組成物の基材に対する密着性が低下するとともに、耐熱性が低下するおそれがある。一方、上記上限値を超えると、架橋密度が高くなり自由体積が増えるため、耐湿性が低下する場合がある。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。アリールアルキレン型エポキシ樹脂は、基材との密着性が特に良好であるとともに、耐湿性、耐熱性に優れている。
ここで、アリールアルキレン型エポキシ樹脂は、繰り返し単位中に少なくとも1つのアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂のことをいう。具体的には、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(II)で示されるものが用いられる。
Figure 2015091969
[式中、nは任意の整数]
なお、上記一般式(II)中のnは、好ましくは1〜12程度とされ、より好ましくは2〜8程度とされる。nの値が前記下限値より小さい場合、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が結晶化し易くなり、溶媒に対する溶解性が低下するため、樹脂組成物の取り扱いが困難になるおそれがある。一方、nの値が前記上限値より大きい場合、樹脂組成物の流動性が低下し、基材に対する密着性が低下するとともに、成形不良が発生するおそれがある。
また、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないものの、5,000〜100,000程度であるのが好ましく、8,000〜80,000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満である場合、樹脂組成物の硬化物にタック性が生じるおそれがある。一方、重量平均分子量が前記上限値を超える場合、樹脂組成物の基材に対する密着性が低下するとともに、耐熱性が低下するおそれがある。
本発明の樹脂組成物において、上記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20〜70質量%程度であるのが好ましく、30〜60質量%程度であるのがより好ましい。これにより、耐湿性および耐熱性が向上し、それに伴って基材に対する密着性が向上する。
また、樹脂組成物中において、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の比率は、特に限定されないものの、1:9〜8:2程度であるのが好ましく、2:8〜7:3程度であるのがより好ましい。シアネート樹脂とエポキシ樹脂の比率を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の基材に対する密着性がより向上する。
本発明の樹脂組成物は、上述したシアネート樹脂およびエポキシ樹脂に加え、必要に応じてフェノール樹脂を含有していてもよい。フェノール樹脂を含むことにより、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋が促進され、樹脂組成物の硬化物の機械的強度を高めることができる。
本発明に用いられるフェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、アリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましく用いられる。アリールアルキレン型フェノール樹脂を用いることにより、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋が最適化され、樹脂組成物の基材に対する密着性を特に高めることができる。
ここで、アリールアルキレン型フェノール樹脂は、繰り返し単位中に少なくとも1つのアリールアルキレン基を有するフェノール樹脂のことをいう。具体的には、キシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂が好ましく用いられる。ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂としては、例えば下記一般式(III)で示されるものが用いられる。
Figure 2015091969
[式中、nは任意の整数]
なお、上記一般式(III)中のnは、好ましくは1〜12程度とされ、より好ましくは2〜8程度とされる。nの値が前記下限値より小さい場合、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋性が低下するおそれがある。一方、nの値が上記上限値より大きい場合、樹脂組成物の流動性が低下し、基材に対する密着性が低下するとともに、成形不良が発生するおそれがある。
また、フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないものの、400〜18,000程度であるのが好ましく、500〜15,000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満である場合、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋性が低下するおそれがある。一方、重量平均分子量が前記上限値より大きい場合、シアネート樹脂やエポキシ樹脂との相溶性が低下し、均一な樹脂組成物および硬化物が得られないおそれがある。
本発明の樹脂組成物において、上記フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の0.5〜20質量%程度であるのが好ましく、1〜15質量%程度であるのがより好ましい。フェノール樹脂の含有量を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の基材に対する密着性が特に向上する。
また、樹脂組成物中において、シアネート樹脂とフェノール樹脂の比率は、特に限定されないものの、98:2〜50:50程度であるのが好ましく、90:10〜60:40程度であるのがより好ましい。シアネート樹脂に対するフェノール樹脂の比率を前記範囲内とすることにより、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋が最適化され、樹脂組成物の基材に対する密着性を特に高めることができる。
本発明の樹脂組成物は、フェノール樹脂に代えて、またはフェノール樹脂とともに、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤を含むことにより、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋が促進され、樹脂組成物の硬化物の機械的強度を高めることができる。
本発明に用いられる硬化促進剤としては、例えば、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2Pz)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドルキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンのような各種イミダゾール化合物、トリフェニルホスフィンのような三級リン系化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)のような四級ホスホニウム系化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のようなジアザビシクロアルケン系化合物、トリエチレンジアミンのような三級アミン類等が挙げられる。
これらの中でも、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヒドロキシアルキル基およびシアノアルキル基の中から選ばれる官能基を2個以上有しているイミダゾール化合物、および、四級ホスホニウム系化合物が好ましく用いられ、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、および、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレートがより好ましく用いられる。これらのイミダゾール化合物を用いることにより、シアネート樹脂およびエポキシ樹脂の架橋が最適化され、樹脂組成物の基材に対する密着性を特に高めることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計に対して、0.1〜5質量%程度であるのが好ましく、0.3〜3質量%程度であるのがより好ましい。硬化促進剤の含有量を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の基材に対する密着性が特に向上する。
なお、本発明の樹脂組成物は、以上に説明した成分のほか、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤等の添加剤を含有していてもよい。
ところで、上述したような各成分を含む本発明の樹脂組成物は、その硬化物についてシンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による解析を行ったとき、特徴的な構造を有する散乱プロファイルを示すものである。
小角X線散乱による散乱プロファイルは、試料にX線を照射し、その散乱X線の位置や強度を検出器で検出することにより取得される。そして、測定された散乱強度I(q)を散乱ベクトルqに対してプロットすることにより散乱プロファイルが得られる。
この散乱プロファイルは、試料の微細組織を反映した情報を含んでいる。具体的には、試料中の粒子や凝集体の平均粒径や平均粒子間距離等の情報を含んでいる。このため、散乱プロファイルを解析することで、これらの情報を取得することができる。
また、シンクロトロン放射光は、電子シンクロトロンに伴ってシンクロトロン放射される光である。シンクロトロン放射光は、単色、高輝度、指向性が高い等の特徴を有する様々な波長の電磁波を含んでおり、X線領域についても単色、高輝度、指向性の高いX線を含んでいる。このため、このX線を用いることで、X線管等を用いた通常のX線を用いた場合に比べて、より多くの情報を含んだ散乱プロファイルを取得することができる。
このようなシンクロトロン放射光は、例えば、高輝度光科学研究センターのSPring−8、高エネルギー加速器研究機構のPFリング、分子科学研究所のUVSOR、広島大学放射光科学研究センターのHiSOR等の各放射光施設において利用することができる。
本発明者は、従来の回路基板等において発生していた基材からの剥離といった課題を解決する樹脂組成物の条件について鋭意検討を重ねた。そして、上述したような各成分を含む樹脂組成物の硬化物について、シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による散乱プロファイルを取得したとき、この散乱プロファイルが、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内に少なくとも1つの特異点構造を有している場合、回路基板に生じる上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
図1に示す散乱プロファイルは、横軸(常用対数軸)に散乱ベクトルqの大きさをとり、縦軸(常用対数軸、任意単位)に散乱強度I(q)をとって、散乱X線の検出結果をプロットして得られたものである。この散乱プロファイルでは、横軸の0.02〜1[nm−1]の位置に、1つの特異点構造が存在している。
散乱プロファイルが、上述したような特異点構造を有しているということは、樹脂組成物の硬化物中に、この特異点構造に応じた凝集体が存在していることを示している。
したがって、樹脂組成物の硬化物中にこのような凝集体が存在していることにより、基材と樹脂組成物の硬化物との密着性が向上し、回路基板等において基材と樹脂硬化物との界面における剥離を確実に防止することができる。前述した凝集体がこのような効果を奏する理由は明らかになっていないものの、推察される理由の1つとしては、シアネート樹脂の中でエポキシ樹脂が一定の大きさの凝集体を形成することで、系全体がエラストマー的な振る舞いを示すためであると考えられる。すなわち、樹脂硬化物がエラストマー的に振る舞うことで、例えば回路基板に大きな応力が発生したり、過酷な環境下に置かれた場合でも、基材に対する樹脂硬化物の形状追従性が高まった結果、剥離の発生が防止されると考えられる。
とはいえ、単に凝集体を含んでいれば前述した課題を解決できるわけではなく、凝集体の大きさや離間距離をはじめ、凝集体の組成、密度、形状等も課題の解決に対して複雑に関与していると考えられる。このため、これら多くの因子について、統一的に最適化がなされなければ、課題の解決は困難である。
本発明は、かかる問題点についても解決可能なものであり、散乱プロファイルが、特定の範囲内に前述した特異点構造を有しているものであれば、この樹脂組成物が前記課題を解決し得るということを、容易かつ確実に特定することが可能である。
したがって、回路基板用の樹脂組成物を調製するにあたっては、凝集体の各種因子についてそれぞれ考慮することなく、散乱プロファイルが上記特異点構造を有するか否かを評価することのみで、信頼性の高い回路基板用の樹脂組成物が得られる。すなわち、かかる樹脂組成物は、その製造が容易であるという効果も有している。
ところで、特異点構造とは、散乱プロファイルにおいて上に凸の曲率が最も大きい点(例えば図1の点A)である。すなわち、点Aは、その前後の領域に比べて、上に凸の曲率が大きくなっている特異点である。
本発明では、この特異点構造が、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の位置に存在していることを特徴としている。すなわち、特異点構造の位置は、凝集体の構造に関する情報を含んでおり、それが前記範囲内であれば、上記課題を解決することができるのである。
なお、特異点構造の位置が前記下限値を下回る場合、あるいは、前記上限値を上回る場合、凝集体の各種因子が統一的に最適化されないことから、上記課題を解決することができない。
また、前記範囲内に存在する特異点構造の数は、特に限定されないが、例えば1〜3個程度とされる。
一方、特異点構造の位置は、前述したように散乱プロファイルの上に凸の曲率の変化の様子から特定することが可能であるが、散乱強度I(q)のプロット方法を変えることで、特異点構造の位置をより明確に特定することができる。
図2に示すプロファイルは、図1に示す結果について、横軸(常用対数軸)に散乱ベクトルqの大きさをとり、縦軸(常用対数軸、任意単位)に散乱強度I(q)と散乱ベクトルqの2乗との積からなる指標をとり、散乱X線の検出結果をプロットして得られたものである。このプロファイルは、上記特異点構造とほぼ同じ位置に、極大点(局所的な最大値をとる点、例えば図2の点B)を有する。このため、極大点であれば、その位置は明確であり、この位置をもって特異点構造の位置とすれば、特異点構造の位置を容易かつ正確に特定することができる。このようなプロット方法を用いることで、仮に散乱プロファイルにおける特異点構造の位置が不明瞭な場合でも、位置の特定が容易かつ正確に行えるという利点がある。
また、特異点構造の位置から、凝集体の平均粒径を見積もることができる。
具体的には、特異点構造の位置(特異点構造に対応する散乱ベクトルqの大きさ)をq[nm−1]とすると、凝集体の平均粒径[nm]は、2π/qで見積もられる。
このようにして見積もられた凝集体の平均粒径は、できるだけ大きければ、前記課題を解決する上で有効である。例えば、15nm以上であるのが好ましく、20nm以上であるのがより好ましく、25nm以上であるのがさらに好ましく、30nm以上であるのが特に好ましい。凝集体の平均粒径が前記範囲内であれば、基材と樹脂硬化物との密着性が特に高まる。その結果、例えば回路基板に大きな応力が発生したり、過酷な環境下に置かれた場合でも、基材と樹脂硬化物との界面における剥離が確実に防止され、信頼性の高い回路基板が得られる。
一方、上限値は特に設定されないが、密着性以外の特性とのバランスを考慮したとき、好ましくは100nm以下とされ、より好ましくは80nm以下とされる。
なお、上述したような凝集体の平均粒径は、例えば透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡等による直接観察では、正確に測定することが困難である。これは、上記顕微鏡では、観察像のコントラストに基づいて凝集体の存在を推定し、粒径を計測しているが、凝集体の組成や密度等によっては、凝集体の輪郭が明確にならず、正確な計測ができないことによる。
これに対し、本発明によれば、凝集体によるX線の散乱を利用して凝集体の構造を特定しているため、樹脂組成物の構造を特定する上で各種因子の影響を受け難く、それゆえ上記課題を解決し得る樹脂組成物を確実に提供することができる。
ここで、散乱プロファイルにおける特異点構造の有無や特異点構造の位置は、例えば、(1)シアネート樹脂とエポキシ樹脂の比率、(2)シアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計に対するそれ以外の成分の割合、(3)樹脂組成物の硬化条件等を適宜設定することによって調整される。以下、(1)〜(3)について順次説明する。
(1)樹脂組成物中のシアネート樹脂とエポキシ樹脂の比率を変えることで、特異点構造の有無および特異点構造の位置を調整することができる。
具体的には、シアネート樹脂とエポキシ樹脂の比率を前記範囲内とすることで、散乱プロファイルはより明確な特異点構造を有するものとなり、さらに前記範囲内でエポキシ樹脂に対するシアネート樹脂の割合を低下させることで、特異点構造の位置を散乱ベクトルqが小さくなる方向に移動させることができる。反対に、エポキシ樹脂に対するシアネート樹脂の割合を増加させることで、特異点構造の位置を散乱ベクトルqが大きくなる方向に移動させることができる。その結果、樹脂組成物の硬化物における凝集体の平均粒径も変化させることができ、それに応じて硬化物の特性を制御することが可能になる。
(2)樹脂組成物中のシアネート樹脂とエポキシ樹脂の合計に対するそれ以外の成分の割合を変えることで、特異点構造の有無および特異点構造の位置を調整することができる。
具体的には、樹脂組成物中にシアネート樹脂とエポキシ樹脂以外の成分を含む場合、その成分の割合を前記範囲内とすることで、散乱プロファイルはより明確な特異点構造を有するものとなり、さらに前記範囲内でシアネート樹脂とエポキシ樹脂以外の成分の割合を増加させることで、特異点構造の位置を散乱ベクトルqが大きくなる方向に移動させることができる。その結果、樹脂組成物の硬化物における凝集体の平均粒径も変化させることができ、それに応じて硬化物の特性を制御することが可能になる。
なお、このような傾向は一律ではなく、シアネート樹脂とエポキシ樹脂以外の成分の含有量が3〜10質量%にあるとき、特異点構造に対応する散乱ベクトルqの大きさを最も小さくすることができ、したがって、凝集体の平均粒径を最も大きくすることができる。
(3)樹脂組成物の硬化条件を変えることで、特異点構造の有無および特異点構造の位置を調整することができる。
具体的には、樹脂組成物を150〜250℃の温度で加熱し、硬化させることで、硬化物の散乱プロファイルはより明確な特異点構造を有するものとなり、さらに前記範囲内で加熱温度を高くしたり加熱時間を長くしたりすることにより、特異点構造の位置を散乱ベクトルqが大きくなる方向に移動させることができる。その結果、樹脂組成物の硬化物における凝集体の平均粒径も変化させることができ、それに応じて硬化物の特性を制御することが可能になる。
また、加熱時間は、特に限定されないが、0.5〜10時間程度であるのが好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。
以上のような(1)〜(3)の設定事項は、それぞれ単独に設定されてもよく、2つ以上が重複して設定されてもよい。また、これらの設定事項のうち、散乱プロファイルの特異点構造の発現に及ぼす影響の大きさという観点からは、(2)の設定事項を優先的に設定するのが好ましく、次いで(1)の設定事項を設定するのが好ましく、次いで(3)の設定事項を設定するのが好ましい。すなわち、特に(2)の設定事項を適宜調整することにより、前述した特異点構造を有する散乱プロファイルを示す樹脂組成物の硬化物が確実に得られることとなる。
ところで、本発明の樹脂組成物は、その硬化物が、トリアジン環、イソシアヌレート環およびオキサゾリジノン環の少なくとも1つを含むものであるのが好ましく、これら全てを含むものであるのがより好ましい。これらの化学構造は、その特有の環状構造等から、凝集体の形成に大きな影響を及ぼしていると考えられる。このため、かかる化学構造を含む樹脂組成物の硬化物は、前記課題を解決する上で有用なものである。
上述したような化学構造は、例えば、樹脂組成物の硬化物に対して赤外分光分析を行い、特定の波数の吸収の有無を評価することにより、その存在が特定される。
具体的には、トリアジン環による吸収は、主に波数1564cm−1近傍に認められるため、その有無を評価することで、トリアジン環の有無を特定することができる。
また、イソシアヌレート環による吸収は、主に波数1692cm−1近傍に認められ、オキサゾリジノン環による吸収は、主に波数1759cm−1近傍に認められる。
したがって、硬化物に対して赤外分光分析を行い、上述したような吸収が認められる場合、かかる硬化物は、前記課題を解決し得るものであるといえる。
なお、これらの化学構造は、樹脂組成物が硬化する過程で形成されるものであり、硬化が進むにつれて、トリアジン環→イソシアヌレート環→オキサゾリジノン環の順に変化すると考えられる。したがって、赤外分光分析において各化学構造の存在比を定量化することにより、硬化の進度を評価する指標として用いることも可能である。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を基材に含浸させ、シート状に成形されてなるものである。本発明によれば、基材と樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生し難く、信頼性の高い回路基板等を製造可能なプリプレグが得られる。
図3は、本発明のプリプレグの実施形態を示す縦断面図である。
図3に示すプリプレグ1は、シート状基材11と樹脂組成物12とで構成されている。
このうち、シート状基材11としては、例えば、ガラス織布、ガラス不繊布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙(パルプ)、アラミド、ポリエステル、フッ素樹脂等の有機繊維からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。なお、これらの基材は、単独で用いることも、複数種を混合または積層して用いることもできる。
また、これらの基材の中でも、有機繊維で構成される不織布が好ましく用いられる。このような不織布をシート状基材11として用いることにより、プリプレグ1またはプリプレグ1を用いて製造された回路基板等において、レーザービア加工性を高めることができる。
また、ガラス繊維基材の中でも開繊加工されたものが好ましく用いられる。開繊加工を施すことにより、レーザービア加工性をより高めることができる。なお、開繊加工とは、縦糸および横糸ともに、隣り合う糸同士が実質的に隙間なく配列されたものをいう。
次いで、プリプレグ1の製造方法について説明する。
プリプレグ1の製造には、本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解してなる樹脂ワニスを調製し、これをシート状基材11に含浸させ、その後乾燥させることにより行われる。
樹脂ワニスに用いられる溶媒は、本発明の樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
樹脂ワニスにおける固形分の割合は、特に限定されないが、40〜80質量%程度であるのが好ましく、50〜70質量%程度であるのがより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性をより高めることができる。
樹脂ワニスをシート状基材11に含浸させる方法は、例えば、シート状基材11を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより樹脂ワニスをシート状基材11に塗布する方法、スプレーにより樹脂ワニスをシート状基材11に吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、シート状基材11を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましく用いられる。この方法によれば、シート状基材11に対する樹脂ワニスの含浸性を向上することができる。なお、シート状基材11を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
樹脂ワニスを含浸させたシート状基材11については、樹脂ワニスを加熱硬化させることでプリプレグとすることもできるが、樹脂ワニスを乾燥させるものの未硬化の状態でプリプレグとすることもでき、さらには、硬化と未硬化との間の状態(半硬化の状態)でプリプレグとすることもできる。
この場合、プリプレグ中における樹脂組成物の反応率は、特に限定されないが、30%以下であるのが好ましく、0.1〜20%程度であるのがより好ましい。これにより、上述の効果に加え、プリプレグにおいて粉の発生を防止することができる。
なお、この反応率は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。すなわち、未反応の樹脂組成物と、プリプレグ中における樹脂組成物の双方について、DSCの反応による発熱ピークの面積を測定し、その測定結果を次式(A)に代入することにより求めることができる。なお、測定は昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下で行われる。
反応率(%)=(1−プリプレグ中における樹脂組成物の反応ピークの面積/未反応の樹脂組成物の反応ピーク面積)×100 (A)
なお、未硬化または半硬化の状態にあるプリプレグは、金属箔と積層された後、硬化されることにより、例えば銅張積層板のような回路用積層板とすることができる。
<樹脂層>
本発明の樹脂層は、本発明の樹脂組成物を基材上に成膜し、硬化させてなるものである。本発明によれば、基材との界面に剥離が発生し難く、信頼性の高い回路基板等を製造可能な樹脂層が得られる。
図4は、本発明の樹脂層の実施形態を示す縦断面図である。
図4に示す樹脂層2は、導電層22が設けられたシート状基材21上に、導電層22を覆うように設けられている。この樹脂層2は、絶縁性を有していることから、導電層22を電気的に絶縁するとともに、外力やコンタミネーション等から導電層22を保護している。
シート状基材21としては、例えば、前述したシート状基材11を構成する各種基材の他、各種有機基板、各種セラミックス基板等が挙げられる。
また、導電層22としては、例えば、銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金、鉄または鉄系合金、ニッケルまたはニッケル系合金等が挙げられる。
樹脂層2の平均厚さは、特に限定されないが、10〜100μm程度であるのが好ましく、20〜80μm程度であるのがより好ましい。
次いで、樹脂層2の製造方法について説明する。
樹脂層2の製造には、前述した樹脂ワニスを導電層22上に塗布し、その後硬化させることにより行われる。
樹脂ワニスの硬化条件としては、例えば加熱温度が150〜250℃程度、加熱時間が0.5〜10時間程度とされる。また、好ましくは加熱温度が170〜220℃程度、加熱時間が1〜5時間程度とされる。
<半導体装置および回路基板>
本発明の回路基板は、上述したプリプレグおよび樹脂層の少なくとも一方を備えるものである。本発明によれば、基材と樹脂硬化物との界面に剥離が発生し難く、信頼性の高い回路基板が得られる。
また、本発明の半導体装置は、本発明の回路基板とその上に搭載された半導体素子とを有するものである。
図5は、本発明の半導体装置および本発明の回路基板の実施形態を示す縦断面図である。
図5に示す半導体装置4は、回路基板3とその上に搭載された半導体素子41と、回路基板3の下面に接合されたはんだボール42とを有するものである。
このうち、回路基板3は、プリプレグ(本発明のプリプレグ)から得られる絶縁基板31と、絶縁基板31の上面および下面にそれぞれ3層ずつ積層された樹脂層(本発明の樹脂層)2と、絶縁基板31と樹脂層2との間、樹脂層2同士の間および樹脂層2上下面に設けられた回路パターン32と、絶縁基板31および樹脂層2を貫通し、回路パターン32に接続された導電性のバンプ33とを有している。すなわち、回路基板3は、多層プリント配線板で構成されている。
また、半導体素子41は、回路基板3の上面に設けられた回路パターン32(ランド)と電気的に接続するよう搭載される。
一方、回路基板3の下面に設けられた回路パターン32(ランド)にはBGA用のはんだボール42が接合されている。
このような半導体装置4では、絶縁基板31における基材と樹脂硬化物との剥離や、絶縁基板31と樹脂層2との界面や樹脂層2と回路パターン32との界面の剥離が防止される。これにより、例えば回路基板3に大きな応力が発生したり、過酷な環境下に置かれた場合でも、不具合の発生を確実に防止し得る半導体装置4が得られる。
次いで、回路基板3の製造方法について説明する。
まず、金属箔に樹脂ワニスを塗布し、これを乾燥させることで樹脂付き金属箔を製造する。
次いで、樹脂付き金属箔の金属箔に、各種パターニング法(フォトリソグラフィおよびエッチング等)により電気回路を形成する。
次いで、樹脂付き金属箔およびプリプレグに、レーザー加工等によりビア孔を形成し、このビア孔に金めっき処理等を施すことで、バンプが形成される。
次いで、プリプレグの両面に3層ずつの樹脂付き金属箔を積層し、平板プレス装置等を用いて加熱加圧成形する。これにより、樹脂ワニスが硬化して、回路基板3が得られる。
なお、加熱加圧成形における加熱条件は、前述した硬化条件と同様である。また、加圧条件としては、例えば、圧力1〜4MPa程度とされる。
以上、本発明の樹脂組成物、プリプレグ、樹脂層、回路基板および半導体装置について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば回路基板や半導体装置には、任意の構成物が付加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.評価用サンプルの製造
(サンプルNo.1A)
表1に示す成分の樹脂組成物を平均厚さ100μmの層状に成形し、これを130℃で30分間加熱した(プリベーク)。
次いで、得られた層状の樹脂組成物を200℃で2時間加熱し、評価用のサンプルを得た。
(サンプルNo.2A〜No.29A)
表1に示す成分の樹脂組成物を用い、かつ表1に示す硬化条件で加熱するようにした以外は、それぞれサンプルNo.1Aと同様にして評価用のサンプルを得た。
2.評価用サンプルの評価
得られた評価用サンプルについて、それぞれ以下の測定条件により小角X線散乱(SAXS)測定を行い、散乱プロファイルを得た。なお、小角X線散乱測定は、放射光施設で発生させたシンクロトロン放射光X線を用いて行った。
<小角X線散乱測定の条件(シンクロトロン放射光X線)>
X線源 :高輝度光科学研究センター SPring-8 兵庫県ビームラインBL08B2
カメラ :イメージングプレート
カメラ長 :6199mm
X線波長 :1.5Å
ビーム径 :500μm×500nm
測定時間 :180秒/1検体
そして、散乱プロファイルについて特異点構造の有無を評価するとともに、特異点構造の位置が散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内にあるか否かを評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2015091969
表1から明らかなように、一部の評価用サンプルには、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の特定範囲内に特異点構造が認められた。
なお、代表的に、サンプルNo.1A〜6Aについての散乱プロファイルを図6に、サンプルNo.7A〜11Aについての散乱プロファイルを図7にそれぞれ示す。図6、7からも、特異点構造の存在が認められる。
また、各評価用サンプルについて、シンクロトロン放射光X線に代えて、回転Cu陰極のX線管から発生させたX線を用い、以下の測定条件により小角X線散乱測定を行った。
<小角X線散乱測定の条件(回転Cu陰極特性X線)>
X線源 :回転Cu陰極
検出器 :X線回折装置((株)リガク社製、Ultima IV)
X線波長 :1.5418Å
X線エネルギー :8.04keV
その結果、散乱プロファイルは取得できたものの、いずれの評価用サンプルについても特異点構造の有無が確認できなかった。
3.回路基板の製造
(サンプルNo.1B)
(1)樹脂ワニスの調製
表2に示す樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させた。そして、高速撹拌装置を用いて10分間撹拌し、固形分50質量%の樹脂ワニスを調製した。なお、用いた樹脂組成物は、サンプルNo.1Aの樹脂組成物と同じである。
(2)プリプレグの製造
調製した樹脂ワニスをガラス繊維基材(日東紡績製、WEA−1078S、平均厚さ90μm)に含浸させた後、加熱炉を用いて120℃×2分間加熱し、プリプレグを得た。なお、得られたプリプレグ中の樹脂組成物の反応率は5%であった。
(3)樹脂付き金属箔の製造
調製した樹脂ワニスを、平均厚さ18μmの銅箔に、コーター装置を用い、乾燥後の厚さが60μmとなるよう塗布し、これを130℃で30分間乾燥させ、樹脂付き金属箔を製造した。
(4)回路基板の製造
製造したプリプレグの両面に、それぞれ3枚ずつの樹脂付き金属箔を重ね、これを真空プレス装置を用いて、圧力2MPaで加圧しつつ、温度200℃で1.5時間加熱し、回路基板(多層プリント配線板)を製造した。
(サンプルNo.2B〜No.29B)
表2に示す成分の樹脂組成物を用い、かつ表2に示す硬化条件で加熱するようにした以外は、それぞれサンプルNo.1Bと同様にして回路基板(多層プリント配線板)を製造した。なお、用いた樹脂組成物は、それぞれサンプルNo.2A〜29Aの樹脂組成物および硬化条件と同じである。
4.回路基板の評価
得られた回路基板について、以下の高度加速ストレス試験(HAST)を行った。
<高度加速ストレス試験の条件>
・温度 :120℃
・相対湿度 :85%
・圧力 :1.7気圧(172kPa)
・試験時間 :300時間
次いで、試験後の回路基板をダイヤモンドカッターにより切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で観察した。次いで、観察像から、ガラス繊維基材と樹脂硬化物との界面における剥離の有無を確認した。そして、確認結果を以下の評価基準にしたがって評価した。
<剥離の評価基準>
◎:剥離が全く認められない
○:回路基板の端部に、ガラス繊維の直径1本分程度またはそれ以下の長さの剥離が認められる
△:回路基板の端部以外に、ガラス繊維の直径1本分程度またはそれ以下の長さの剥離が認められる
×:ガラス繊維の直径2本分以上の長さの剥離が認められる
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 2015091969
表2から明らかなように、実施例に相当する樹脂組成物を用いて得られた回路基板では、剥離が全く認められないか、端部にガラス繊維の直径1本分の長さの剥離が認められるに留まった。
これに対し、比較例に相当する樹脂組成物を用いて得られた回路基板では、その多くで、ガラス繊維の直径2本分以上の長さの剥離が認められた。
図8は、サンプルNo.28Bの回路基板の切断面のSEMによる観察像(左:広域図、右:部分拡大図)である。この観察像からは、隣接する5本以上のガラス繊維をつなぐように、基材と樹脂硬化物との剥離に伴う隙間が広がっている様子が認められる。
これに対し、図示しないものの、実施例に相当する樹脂組成物を用いて得られた回路基板では、図8に示すような著しい剥離は認められなかった。
1 プリプレグ
11 シート状基材
12 樹脂組成物
2 樹脂層
21 シート状基材
22 導電層
3 回路基板
31 絶縁基板
32 回路パターン
33 バンプ
4 半導体装置
41 半導体素子
42 はんだボール
A 特異点
B 極大点

Claims (11)

  1. シアネート樹脂、エポキシ樹脂、および、四級ホスホニウム系化合物からなる硬化促進剤を含有し、
    硬化物について、シンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱による散乱プロファイルを取得したとき、前記散乱プロファイルは、散乱ベクトルqの大きさが0.02〜1[nm−1]の範囲内に少なくとも1つの曲率の特異点構造を有していることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記硬化促進剤の含有率は、前記シアネート樹脂と前記エポキシ樹脂の合計に対して0.1〜5質量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記散乱プロファイルにおける散乱強度I(q)に散乱ベクトルqの2乗を掛けた指標I(q)・qを、前記散乱ベクトルqに対してプロットして前記指標のプロファイルを得たとき、前記指標のプロファイルは散乱ベクトルqの前記範囲内に少なくとも1つの極大点を有しており、
    前記特異点構造に対応する散乱ベクトルqの大きさは、前記極大点に対応する散乱ベクトルqの大きさから特定されるものである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 当該樹脂組成物は、その硬化物が平均粒径15nm以上の粒子状の凝集体を含むものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 当該樹脂組成物中における前記シアネート樹脂の含有率は、20〜70質量%である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 当該樹脂組成物中における前記エポキシ樹脂の含有率は、20〜70質量%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 当該樹脂組成物は、その硬化物について赤外分光分析を行ったとき、トリアジン環、イソシアヌレート環およびオキサゾリジノン環に帰属される吸収が検出されるものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を層状に成形し、硬化させてなることを特徴とする樹脂層。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
  10. 請求項8に記載の樹脂層および請求項9に記載のプリプレグの少なくとも一方を備えることを特徴とする回路基板。
  11. 請求項10に記載の回路基板を備えることを特徴とする半導体装置。
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