JP2015091220A - 細胞計数装置、細胞計数システム、細胞計数方法及び細胞計数プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】培養容器に封入された培養液中の細胞を計数する細胞計数装置であって、撮像された画像の中で細胞が表われている可能性のある部分を細胞候補として抽出する細胞候補抽出手段252と、抽出した細胞候補の大きさに関する情報を大きさ情報として算出する大きさ情報算出手段253と、算出された大きさ情報が細胞の大きさよりも大きいものと判断したときに、当該細胞候補を、細胞の計数対象から除外する計数対象除外手段254と、除外されなかった細胞候補を細胞として特定し、当該細胞の数を計数する細胞計数手段255とを備えた細胞計数装置。
【選択図】図7
Description
このような細胞培養においては、細胞の増殖に併せて、培養液における細胞の密度を適正な範囲に維持することが必要である。
このため、細胞培養においては、培養中に細胞密度を把握するため、適宜、培養容器内における培養液中の細胞数を計測する必要があった。
例えば、培養容器の一部を撮像し、この撮像した画像において細胞が表れている部分を細胞オブジェクトとして自動的に抽出し、この抽出した細胞オブジェクトの数を細胞の数としてカウントして表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術を用いることにより、培養液中の細胞の数を自動的に計測することができる。
例えば、培養容器の一部を撮像して得られた画像には、その培養容器に封入された培養液や、この培養液中に浮遊する細胞が映し出される。
ただし、その画像に対して所定の画像処理を行った結果、何らかの要因で、その画像上に黒い点が表れることがある。
この黒い点は、細胞ではないので、この黒い点も一緒に細胞としてカウントされることがないようにしなければならない。
このため、同技術においては、その黒い点の大きさが細胞よりも小さいことに着目し、画像処理を行う際に、細胞よりも小さい面積あるいは長さで表れている部分をノイズとして除去していた。
これらは、ガラス、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂などを材料として形成された硬質の容器である。このため、表面に傷がつきにくい。
ただし、培養容器には、これら硬質の容器だけでなく、例えば、ポリオレフィンなどの軟包材を材料として形成された袋状(バッグ型)の培養バッグもある。
培養バッグは、可撓性及び柔軟性に富んだ軟包材を材料として形成されていることから、表面に傷がつきやすい。
特に、培養バッグは、表面にローラーを押し当てて転がすなどして中の培養液を攪拌する場合や、インキュベータから出し入れする場合、クリーンベンチで培養液の追加を行う場合などがあり、これらの状況下で表面に傷が付いたり異物が付着したりすることがある。
そうすると、それら傷等は、ノイズとして除去されないことから、細胞として計数されてしまう。このため、計数値が実際の細胞の数よりも多くなってしまうので、計数値の誤差が大きくなる。その結果、このような場合は、正確性が欠如した計数値が算出されることとなる。
図1に示すように、細胞計数システム1は、画像取得装置10と、細胞計数装置20とを備えている。
画像取得装置10は、袋状の容器2(図2参照)に封入された培養液m内の細胞cを撮像し、この細胞cの画像を取得するための装置である。
この容器2は、軟包材を材料として、袋状(バッグ型)に形成されている。このように、容器2の材料として軟包材を用いることで、容器2に可撓性及び柔軟性を付与することができる。軟包材としては、例えば、特開2004−323077号公報(加圧抽出形の袋状容器)に記載されているものなどを用いることができる。
また、容器2は、細胞培養に必要なガス透過性を有しており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。このような条件を満たす培養容器の材料としては、例えばポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム等を挙げることができる。
筐体11は、直方体状に形成された中空の箱体であって、上面部分には、ほぼ矩形状で平板の載置台12が取り付けられている。この載置台12の上面には、容器2が載置される。
また、押さえ板13の下側面(載置台12の上面に対向する面)のうち透光孔131の周縁には溝が形成されており、この溝には、透明で平板状の透明部材132が嵌合されている。
透明部材132は、透光孔131の下部を閉塞する。また、透明部材132の下面は、押さえ板13の下面と同一面となっており、容器2を押圧する。
この透明部材132には、例えば、ガラス板やアクリル板などを用いることができる。
回動手段14は、載置台12の端部に固定された基部142と、ほぼ矩形板状の回動板141と、この回動板141を基部142に軸支する棒状の回動軸143と、回動板141の上面に取り付けられたハンドル144とを有している。
ハンドル144は、回動板141を回動させるときに計測者が把持する部材である。このハンドル144を持ちながら、回動軸143の中心軸を中心として回動板141を回動させると、この回動板141の下面側に取り付けられた押さえ板13が、載置台12の上面に載置された容器2に対向して配置される。そして、容器2の上面に押さえ板13を接触させ、さらに容器2を押さえ込む方向に回動手段14の回動板141を回動させつつ押さえ板13を押さえ込むと、この押さえ板13は、容器2を凹状に窪ませる。
この状態において、容器2は、載置台12と押さえ板13との間に挟み込まれた状態となる(図4(iii)参照)。
そして、回動手段14には、ロック機構(図示せず)が設けられており、押さえ板13が容器2を押さえ込んで凹状に窪ませた状態を維持する。
また、回動板141と押さえ板13との間には圧縮ばね134が嵌合されており、押さえ板13が容器2を押さえ込むときに、圧縮ばね134による付勢によっても、その押さえ板13が容器2を押さえ込むようになっている。
厚み設定部材133は、押さえ板13の下面からさらに下方へ突出した状態で接合されており、この厚み設定部材133の下面は、透明部材132が嵌合されている押さえ板13の下面よりもさらに下方に位置している。
この押さえ板13を容器2の上面から下方に押さえ込んだとき、図4(iii)に示すように、厚み設定部材133の下方では、容器2の上側フィルム21と下側フィルム22が接触又は近接した状態となるが、厚み設定部材133が接合されていない押さえ板13の下面の下方では、容器2の上側フィルム21と下側フィルム22が接触せず、これら上側フィルム21と下側フィルム22との間に培養液mが留まった状態となる。
ただし、この部分は、押さえ板13により上方からある程度押さえ込まれているため、この部分の培養液mの厚みである液厚t1(この部分における上側フィルム21と下側フィルム22との間の距離)は、押さえ板13により押さえ込まれていない状態の培養液mの液厚t0(図4(i)参照)よりも薄くなっている。
この撮像手段15は、筐体11の内部に配置されており、容器2内の細胞cを、この容器2の下方から撮像する。
この撮像手段15は、後述するように移動手段18によって筐体11の内部を一定方向に往復移動可能となっているが、この撮像手段15が容器2を押さえている押さえ板13の下方に位置するときの当該撮像手段15の直上には、載置台12に穿設された透光孔121が位置するようになっている。
載置台12の上面のうち透光孔121の周縁には溝が形成されており、この溝には、ほぼ透明で平板状の透明部材122が嵌合されている。
透明部材122は、透光孔121の上部を閉塞している。また、この透明部材122の上面は、載置台12の上面と同一面となっている。
この透明部材122には、例えば、ガラス板やアクリル板などを用いることができる。
この昇降手段16は、撮像手段15の焦点合わせに用いられる。計測者は、細胞計測装置20の表示手段24(後述)に表示された細胞cの画像を見ながら、ダイヤル161を回転させることにより、その細胞cに対する撮像手段15の焦点を合わせることができる。
なお、ネジの送りは手動に限らず、電動送りであってもよい。電動送りの場合は、撮像手段15の焦点合わせを自動的に行うことが可能な自動焦点調整(オートフォーカス)をさらに備えることができる。
この照明手段17は、後述するように移動手段18によって移動可能となっているが、この照明手段17が容器2を押さえ込んでいる押さえ板13の上方に位置しているとき、集光レンズ171で集光された光は、回動手段14の回動板141に穿設された透光孔145と押さえ板13の透光孔131とを通り、押さえ板13の透明部材132を透過し、この押さえ板13の透光孔131に対向している容器2の当該部分である測定可能範囲(図4(iii)参照)に対して照射される。これにより、撮像手段15による細胞cの撮像に必要な明るさが提供される。
また、照明手段17には、光源から放射される光の明るさを調整するための明るさ調整つまみ172と、この明るさ調整つまみ172により調整された範囲で光源に流れる電流又は光源に印加される電圧を調整するサイリスタなどの調整部品(図示せず)が配置されている。
また、移動手段18には、図3に示すように、板状のステージ181が備えられており、このステージ181には、昇降手段16を介して撮像手段15が載置されるとともに、Γの字状に形成されたアーム部材173の下端が取り付けられている。そして、このアーム部材173の上部先端部分には、照明手段17が配置されている。
これにより、移動手段18は、そのステージ181を移動させることにより、撮像手段15と照明手段17とを一度に同じ方向へ移動させることができるようになっている。
撮像範囲は、図5に示すように、容器2の測定可能範囲内における一定の範囲であり、撮像手段15が一回の撮像によって画像を取得する範囲である。
撮像範囲は、測定可能範囲内に複数あり、撮像手段15は、移動手段18による移動に伴って、それら複数の撮像範囲を順に撮像する。
なお、図5においては、撮像範囲が、測定可能範囲内に20箇所設定してある。これら複数の撮像範囲は、隣同士が接触していてもよく、あるいは、離間していてもよい。また、それら複数の撮像範囲は、一部が重なっていてもよい。
撮像手段15は、撮像した画像を画像データとして細胞計数装置20へ送信する。
通信手段21は、画像取得装置10から送信されてきた画像データを受信する画像データ取得手段として機能する。
記憶手段22は、細胞計数装置20の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータなどを記憶する。また、記憶手段22は、通信手段21で受信された画像データを記憶する。
入力操作手段23は、キーボードやマウスなどで構成されており、計測者による操作によって所定の命令や各種情報等を入力する。
表示手段24は、液晶ディスプレイなどで構成されており、画像データにもとづく画像や所定のデータなどを表示する。
この細胞計数処理を実行するに際して、制御手段25は、次の処理を実行する。
(1)容器の皺の検出
(2)細胞候補の抽出
(3)傷、異物の除外
(4)細胞の計数
これらの処理について、以下、順に説明する。
制御手段25は、画像取得装置10の撮像手段15により画像が取得された容器2上の撮像範囲にこの容器2の皺があることを検出する皺検出手段251(図7参照)として機能する。
この容器2の皺の検出は、画像の輝度値を用いて行われる。具体的には、次の手順で行われる。
制御手段25は、画像の区画であるピクセルごとに、輝度値を算出する。
輝度値は、1ピクセルごとの色のデータを、0〜255の数値で表したものである。
次いで、制御手段25は、記憶手段22から基準値を取り出し、この基準値と算出した平均輝度とを比較する。そして、平均輝度が基準値よりも低いか否かを判断する。
判断の結果、平均輝度が基準値よりも低いときは、当該画像が取得された撮像範囲内に皺が無いものと判断し、この画像を細胞cの計数に使用する。
一方、平均輝度が基準値よりも高いときは、当該画像が取得された撮像範囲内に皺があるものと判断し、この画像については、細胞cの計数に使用する画像から除外する。
画像取得装置10の載置台12の上面に容器2が載置されると、撮像手段15が、その容器2内の細胞cを撮像する。撮像により取得された画像は、細胞計数装置20の表示手段24に表示される。これにより、計測者は、その画像を目視することができる。
計測者は、この画像に細胞cが鮮明に映し出されるように、画像取得装置10のダイヤル161を回して撮像手段15の焦点を合わせるとともに、照明手段17の明るさ調整つまみ172を回して、この照明手段17から容器2に照射される光の明るさを調整する。
ここで、撮像手段15の焦点合わせは、撮像手段15の焦点すなわちピントを細胞cに合わせるために行うものであり、照射光の明るさの調整は、表示手段24に表示された画像の全体の輝度値を調整して、細胞cが鮮明に映し出されるようにするために行うものである。
調整が完了すると、撮像手段15は、当該一つの撮像範囲と他の複数の撮像範囲を順番に一つ一つ撮像していき、これらの静止画像を取得する。このとき、当該一つの撮像範囲について調整された撮像手段15の焦点と照明手段17からの光の明るさは、他の複数の撮像範囲を撮像する際にもそのまま維持され適用される。
ただし、それら他の複数の撮像範囲のうちのいずれかの撮像範囲において、容器2の表面に皺があるような場合には、この撮像範囲を撮像した画像の輝度値が高くなり、この画像に映し出されている細胞cが不鮮明となる。
容器2の上面に押さえ板13が載置され、さらにこの押さえ板13により容器2が押し込まれた状態にあるとき、この押さえ板13の下面の下方における培養液mの液厚は、押さえ板13により押さえ込まれていない状態の容器2内の培養液mの液厚t0(図4(i)参照)の半分以下の厚み、すなわち、図4(iii)に示す液厚t1となる。
この液厚t1は、容器2の測定可能範囲内に皺がない場合の液厚である。
これに対し、その測定可能範囲における複数の撮像範囲のうちのいずれかの撮像範囲に皺があった場合、この部分の培養液mの液厚は、液厚t1よりもさらに薄くなる。具体的に、この部分の液厚は、図8に示すように、液厚t2となる。
ただし、照明手段17からの光の明るさは、複数の撮像範囲のうちの一の撮像範囲において調整されるものであり、この撮像範囲を撮像して得られた画像の輝度値は、最適な値に調整されたものとなっている。そして、この撮像範囲における培養液mの液厚は、液厚t1であるものと想定される。
これに対し、液厚が液厚t2である箇所では、透過光が、液厚t1である箇所に比べて多くなる。そうすると、撮像手段15に入射する光の量が多くなるので、この撮像手段15により撮像された画像の輝度値が高くなる。
しかも、制御手段25は、画像に映し出された細胞cを適切に抽出するために、この画像に対して二値化処理などの画像処理を行うが、二値化処理などは輝度値にもとづいて行うものであり、この輝度値が培養液mと細胞cとの間で近い値になっていると、細胞cの輪郭が黒として選択されない可能性が高くなり、この細胞cを適切に抽出することができなくなる。
なお、平均輝度と比較される基準値は、例えば、画像において細胞cが不鮮明となる可能性のある輝度、あるいは、二値化処理を行うときの閾値又はこの閾値に近い値などを用いることができる。ただし、この基準値は、これらの値に限るものではなく、細胞計数処理を実行するためのプログラムを開発する者、又は、当該プログラムを起動させて細胞cの計数を行う計測者などが、任意の数値を選択して設定することができる。
制御手段25は、輝度が基準値以下である画像に対して、輝度の調整を行い、この画像において暗い部分(輝度値が小さいピクセル)を強調する処理を行う。この強調処理は、この後に行う細胞候補の抽出において、細胞cの輪郭を繋ぎやすくするために行うものである。
ここで、画像には培養液mと細胞cが映し出されるが、培養液mは、透明性を有するために輝度値が高くなるのに対し、細胞cは、その表面で光が透過しにくくなるため、輪郭に沿って輝度値が低くなる。このため、この画像に対して二値化処理を行うと、培養液mが映し出されている部分では白くなり、細胞cが映し出されている部分では、その輪郭部分が黒くなる。
具体的に、制御手段25は、二値化処理を行った画像の中から黒を示すピクセルの座標を算出し、これら黒を示すピクセルの中から隣接するピクセル同士を繋ぎ合わせる。そして、一つの繋がりとなった複数のピクセルを一つの細胞cの候補として抽出する。これにより、制御手段25は、画像の中で細胞cが表われている可能性のある部分を、細胞cの候補として抽出することができる。
なお、図9は、二値化処理を行った画像において抽出された細胞cの候補を模式的に円「○」で示した図である。
また、制御手段25は、ラベリング処理によって付したシリアル番号と、画像上の細胞cの候補の座標とを関連付け、細胞候補リストとして、記憶手段22に記憶させる。
そして、制御手段25は、そのピクセル数のカウント値と所定の閾値とを比較し、そのカウント値が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する。
判断の結果、そのカウント値が所定の閾値よりも大きいときは、そのカウント値がカウントされた細胞cの候補を、そのまま細胞cの候補として存続させる。
一方、そのカウント値が所定の閾値よりも小さいときは、そのカウント値がカウントされた細胞cの候補を、細胞候補リストから除外する。
このような処理を行う理由は、次による。二値化処理を行った後の画像においては、培養液mが白色で表示され、細胞cの輪郭が黒色で表示される。ただし、二値化処理を行った結果、白色で表示されている培養液mの中に、細胞c以外のものとして黒色の点が表示されることがある。また、細胞cの形状によっては、この細胞cの一部が独立し、黒色の点として表示されることがある。
これらのうち、細胞c以外のものとして表示された黒色の点は、細胞cではないので、細胞cとして計数すべきでない。また、細胞cの一部が独立して表示された黒色の点は、細胞cの一部であるが、この黒色の点についても計数するとダブルカウントとなってしまうので、細胞cとして計数すべきでない。
そこで、これら黒色の点については、細胞cの候補ではないものとして、細胞候補リストから除外することとした。その方法として、黒色の点を構成しているピクセルの数が実際の細胞cを表している細胞cの候補を構成するピクセルの数よりも少ないことに着目し、細胞候補リストに挙げられた細胞cの候補の中から、ピクセル数が所定の閾値よりも少ない細胞cの候補については、細胞候補リストから除外する方法を用いることとした。
制御手段25は、図10に示すように、抽出した細胞cの候補の一つ一つを矩形の領域sで囲む処理を実行する。
領域sは、画像上に描かれる矩形の区域であって、四つの辺のそれぞれに細胞cが内接するような位置及び大きさで形成される。
領域sを特定するための四つの辺である領域枠fは、当該画像の縦方向に平行な線である領域縦線faと、当該画像の横方向に平行な線である領域横線fbとによって構成されており、二本の領域縦線faと二本の領域横線fbとによって長方形又は正方形のいずれかの形状で形成される。
領域枠fは、四つの辺のそれぞれに細胞cが内接していることから、二本の領域縦線faの間隔すなわち領域横線fbの長さが、細胞cの横方向の長さを表し、二本の領域横線fbの間隔すなわち領域縦線faの長さが、細胞cの縦方向の長さを表している。
画像には、本来、培養液mと細胞cのみが映し出されているはずであるが、例えば、容器2上の撮像範囲内に傷や異物が付いていた場合には、図12(i)、(ii)に示すように、それら傷や異物が画像に映し出される。
傷や異物は、細胞cではないため、細胞cの数をカウントする際には、対象外とする必要がある。
ところが、二値化処理を行った後の画像においては、それら傷や異物が、細胞cと同じように黒く残ってしまう。そうすると、これら傷や異物も、細胞cとともに、細胞cの候補として抽出され、細胞数の計数の対象とされてしまう。これでは、細胞数を正確に計数することができない。
そこで、画像に映し出された傷や異物については、細胞cの候補から除外することとした。その方法として、傷や異物が細胞cよりも大きいことに着目し、領域sの大きさが本来の細胞cの大きさよりも大きいことを示す数値であるときは、この領域sで囲まれた細胞cの候補を傷又は異物であるとして、その候補から除外することとした。
ここで、大きさ情報には、長短比と、領域sの面積とを挙げることができる。
長短比は、領域枠fの領域縦線faの長さと領域横線fbの長さとの比である。具体的には、領域縦線faの長さと領域横線fbの長さの大きい方を小さい方で除算して得られた商として算出することができる。
制御手段25は、細胞cの候補ごとにその長短比を算出すると、この長短比と閾値とを比較し、その長短比が閾値よりも小さい数値であるか否かを判断する。そして、長短比が閾値よりも小さい数値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cであると判断する。一方、長短比が閾値よりも大きい値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cではなく傷又は異物であると判断する。
領域sで囲まれたものが細胞cの場合、細胞cは、比較的丸いので、長短比は、1に近い数値となる。
これに対し、領域sで囲まれたものが傷の場合、傷は、通常細長いので、長短比は、大きい数値となる。
また、領域sで囲まれたものが異物の場合、異物は、いびつな形をしていることが多いので、長短比は、1よりも大きい数値となる。
このように、長短比は、細胞cについては1に近い数値となるのに対し、傷や異物については1よりも大きい数値となる。
そこで、閾値として1よりも大きい数値(例えば、2.5など)を設定しておき、この閾値と長短比とを比較する。そして、長短比が閾値よりも大きい値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cではなく傷又は異物であると判断することができる。
そして、細胞cではないと判断された細胞cの候補については、細胞候補リストに挙げられている細胞cの候補の中から除外する。
これにより、それら傷や異物を細胞cの計数の対象から除外することができ、細胞cの計数の結果を正確なものとすることができる。
ただし、長短比の算出の仕方は、これに限るものではなく、例えば、領域縦線faの長さを領域横線fbの長さで除算して得られた商、又は、領域横線fbの長さを領域縦線faの長さで除算して得られた商を用いてもよい。
これら「例えば」として挙げた算出の仕方を用いた場合、画像における傷や異物の向きにより、算出した長短比が1よりも小さい数値となることがある。すなわち、領域横線fbの長さを領域縦線faの長さで除算して得られた商を長短比とする場合において、画像上の傷の向きが横長のときは、商が1よりも大きくなるが、その傷の向きが縦長のときは、商が1よりも小さくなる。ここで、このようにして長短比が算出された領域s内の細胞候補は、細胞cではなく傷であるため、いずれの長短比が算出されたときでも、細胞cの候補から除外する必要がある。そこで、閾値として、1よりも大きい方の閾値(例えば、2.5など)と、1よりも小さい方の閾値(例えば、2.5に対応する0.4など)の二つを設定しておくようにする。そして、長短比が前者の閾値よりも大きい場合だけでなく、長短比が後者の閾値より小さい場合にも、この領域sで囲まれた細胞cの候補を細胞候補リストから除外するようにする。これにより、画像上の傷や異物の向きが横長と縦長のいずれの場合であっても、当該傷等を細胞候補から除外することができる。
制御手段25は、細胞cの候補ごとに領域sの面積を算出すると、この面積と閾値とを比較し、領域sの面積が閾値よりも小さい値であるか否かを判断する。そして、領域sの面積が閾値よりも小さい値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cであると判断する。一方、領域sの面積が閾値よりも大きい値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cではなく傷又は異物であると判断する。
容器2の表面に形成された傷は、細胞cに比べて面積が大きくなることが多い。
また、容器2の表面に付着する異物には、体積が細胞cよりも大きいものが多い。
これら傷や異物が画像に映し出されたとき、これら傷や異物の面積は、細胞cの面積よりも大きいものとなる。
そこで、細胞cの面積よりも大きい面積を閾値として設定しておき、この閾値と領域sの面積とを比較する。そして、領域sの面積が閾値よりも大きい値であるときは、この領域sで囲まれたものが細胞cではなく傷又は異物であると判断することができる。
そして、細胞cではないと判断された細胞cの候補については、細胞候補リストに挙げられている細胞cの候補の中から除外する。
これにより、それら傷や異物を細胞cの計数の対象から除外することができ、細胞cの計数の結果を正確なものとすることができる。
なお、このように傷や異物を細胞候補リストから除外した場合、制御手段25は、表示手段24に表示された画像において、除外した傷や異物に付されていた領域枠fを消去する処理を行うことができる(図13、図14参照)。
ただし、容器2の表面に付いた傷は、画像上、どのような向きで映し出されるかわからない。例えば、図12(i)及び図13(i)においては、傷が画像の横方向に向かって伸びる方向に表れている。このような場合、この傷を囲んだ領域枠fの長短比が非常に大きい数値となるので、大きさ情報として長短比を用いることにより、この傷を細胞cの候補から除外することができる。
ところが、その傷が画像の右上から左下に向かって斜め方向に伸びている場合、この傷を囲んだ領域枠fの長短比は、1に近い数値となる。そうすると、大きさ情報として長短比を用いた場合には、この傷を細胞cの候補から除外することができなくなる。
そこで、大きさ情報として長短比とともに領域sの面積を併用する。これにより、上記の傷については、この傷を囲んだ領域sの面積が、細胞cを囲んだ領域sの面積よりも非常に大きなものとなる。よって、この傷を細胞cの候補から確実に除外することができる。
異物は、通常いびつな形状をしているため、大きさ情報として長短比を用いることにより、この異物を細胞cの候補から除外することができる。
ところが、異物の中には丸いものも存在する。そうすると、大きさ情報として長短比を用いた場合には、この異物を細胞cの候補から除外することができなくなる。
そこで、大きさ情報として長短比とともに領域sの面積を併用する。異物は、通常、細胞cよりも面積が大きい。このため、大きさ情報として領域sの面積を用いることにより、この異物を細胞cの候補から確実に除外することができる。
制御手段25は、領域sで囲んだ細胞cの候補の中から傷や異物を除外し、この除外した後の細胞cの候補にもとづいて、細胞cの数を計数する細胞計数手段255(図7参照)として機能する。
具体的に、制御手段25は、記憶手段22に記憶されている細胞候補リストを参照し、傷や異物が除外された後の細胞候補リストに挙げられている細胞cの候補の数を、その画像に映し出されている細胞cの数として算出する。
制御手段25は、算出した細胞cの数を、表示手段24に表示させることができる。また、その細胞cの数を、細胞計数装置20に接続されたプリンターなどを用いて印字出力させることもできる。
さらに、制御手段25は、複数の画像のそれぞれについて細胞cの数を算出すると、これら算出した細胞cの数にもとづいて、容器2内の細胞cの密度を算出することができる。
次に、本実施形態の細胞計数システム1を用いて容器2内の細胞cの数を計数する方法である細胞計数方法の手順について、図15を参照して説明する。
また、押さえ板13及び回動板141は、回動手段14の基部142を中心として上方に起き上がった状態とされる。
この容器2は、細胞cの培養を行うために、室内温度を一定に保つ機能を有するインキュベータ(図示せず)の中に載置されている。
計測者は、取り出した容器2を、画像取得装置10の載置台12の上面上に載置する(S11)。
この状態で、計測者は、自身の手により、あるいは、ローラーなどを用いて、容器2の上面を上下動させるなどして、培養液mを攪拌する(S12)。この攪拌は、所定回数、例えば、50回程度行うようにすることができる。
続いて、計測者は、画像取得装置10と細胞計数装置20の電源を投入する(電源をONにする)。これにより、照明手段17からは、光が放射され、この光が、集光レンズ171で集光され、回動板141の透光孔145、押さえ板13の透光孔131及び透明部材132を通って、容器2内の培養液mに照射される。
撮像により取得された画像は、画像データとして、撮像手段15から細胞計数装置20へ送信される。
制御手段25は、その画像データにもとづく容器2の画像を、表示手段24に表示させる。
計測者は、細胞計数装置20の表示手段24に表示された画像を目視により確認する(S14)。
静置している間、計測者は、細胞計数装置20の表示手段24に表示された画像が、容器2の培養液m中の細胞cを鮮明に映し出しているか否かを確認する。この確認において、画像が細胞cを鮮明に映し出していないとき、計測者は、画像取得装置10のダイヤル161をまわすことにより、その画像に細胞cが鮮明に映し出されるように、撮像手段15を上下に移動させて、この撮像手段15の焦点を調整する。
また、計測者は、容器2を静置している間、細胞計数装置20の表示手段24に表示された画像を目視しながら、照明手段17による照明の程度を確認する。そして、この照明手段17による照明の程度が適切な明るさでないとき、計測者は、照明手段17の明るさ調整つまみ172をまわすことにより、照明の程度を調整する。
その後、計測者は、画像取得装置10の載置台12から容器2を取り出し、インキュベータの内部にこの容器2を収納する(S17)。
これにより、細胞数の計数が終了する。
画像取得装置10の撮像手段15は、容器2の静置(図15のS15)が終了した後、この容器2に封入された培養液m内の細胞cを撮像する。
このとき、撮像手段15は、容器2の測定可能範囲内における複数の撮像範囲に対して一つ一つ順番に撮像を行い、この撮像により取得した画像を、画像データとして細胞計数装置20へ送信する。
制御手段25は、複数の画像データの中から一の画像データを記憶手段22から取り出す(S20)。
制御手段25は、この取り出した画像データにもとづいて、この画像データが示す画像の輝度値を算出する(S21)。このとき、制御手段25は、画像の区画であるピクセルごとに輝度値を算出し、画像におけるすべてのピクセルについて輝度値を算出すると、これらすべてのピクセルの輝度値の平均を当該画像の平均輝度として算出する。
判断の結果、平均輝度が基準値を超過しているときは、この画像については、S24以降の処理を実行せず、細胞数の計数を行うための画像から除外する(S23)。
この処理を行なうことにより、容器2の表面に皺があったために、画像の輝度が高くなり、細胞cが不明瞭となった画像を、細胞数の計数を行うための画像から除外することができる。
そして、S23の処理を実行した場合、制御手段25は、新たな画像データを記憶手段22から取り出し、この画像データに対してS21以降の処理を実行する。
次いで、制御手段25は、その画像について暗い部分を強調するように画像処理を施す(S25)。
続いて、制御手段25は、その画像に対して二値化処理を行う(S26)。
そして、制御手段25は、二値化処理を行った画像の中から黒を示すピクセルの座標を算出し、これら黒を示すピクセルの中から隣接するピクセル同士を繋ぎ合わせ、一つの繋がりとなった複数のピクセルを一つの細胞cの候補として抽出する。
このようにして、画像上、細胞cの候補をすべて抽出すると、制御手段25は、抽出した細胞cの候補の一つ一つに対してシリアル番号を付していくラベリング処理を行う(S27)。
そして、制御手段25は、細胞cの候補の一つ一つに対して、領域枠fの長短比を算出する(S30)。
また、制御手段25は、記憶手段22から閾値を取り出し、この閾値と領域枠fの長短比とを比較し、長短比が閾値よりも小さい値であるか否かを判断する(S31)。
判断の結果、長短比が閾値よりも大きい値であるときは、制御手段25は、この領域sで囲まれたものが細胞cではないもの、例えば、容器2の表面の傷又は異物であると判断する。そして、この領域sにより囲まれた細胞cの候補を細胞候補リストから除外する(S32)。これにより、それら傷や異物を、細胞cの計数の対象から除外することができる。
一方、長短比が閾値よりも小さい値であるときは、制御手段25は、この領域sで囲まれたものを細胞cの候補として残しておく。
そして、制御手段25は、記憶手段22から閾値を取り出し、この閾値と領域sの面積とを比較し、領域sの面積が閾値以下であるか否かを判断する(S34)。
判断の結果、領域sの面積が閾値よりも大きい値であるときは、制御手段25は、この領域sで囲まれたものが細胞cではないもの、例えば、容器2の表面の傷又は異物であると判断する。そして、この領域sにより囲まれた細胞cの候補を細胞候補リストから除外する(S35)。これにより、それら傷や異物を、細胞cの計数の対象から除外することができる。
一方、領域sの面積が閾値以下であるときは、制御手段25は、この領域sで囲まれたものが細胞cであるものと判断する。
判断の結果、S20〜S36までの処理を行っていない画像データがあるときは、制御手段25は、記憶手段22から当該画像データを取り出して、S20〜S36までの処理を実行する。
一方、S20〜S36までの処理を行っていない画像データがないときは、制御手段25は、各画像ごとに計数した細胞cの数の平均を算出する。また、制御手段25は、各画像ごとに計数した細胞cの数にもとづいて、容器2内の細胞cの密度を算出する(S38)。算出した平均及び密度は、記憶手段22に記憶される。
制御手段25は、これらS20〜S38の各処理を実行し、この実行が完了すると、細胞計数処理を終了する。
特に、制御手段25は、皺検出手段251として機能することにより、容器2の表面に皺があるために細胞cが不鮮明となっている画像については、細胞cの計数に用いる画像から除外する。
また、制御手段25は、大きさ情報算出手段253及び計数対象除外手段254として機能することにより、画像に映し出された傷や異物等を細胞cの候補から除外する。
これらの機能を実行することにより、制御手段25は、細胞cが不鮮明な画像を計数対象の画像から除外でき、画像に表れた傷や異物等を細胞cの候補から除外することができるので、細胞cが鮮明に映し出された画像を用いて、この画像内の細胞cの数を正確に計数でき、この計数の結果にもとづいて、容器2内の細胞cの密度や、容器2内の全細胞数を高精度で算出することが可能となる。
これらのうち、画像取得装置10には、200万画素CCDカメラと位相差光学系の顕微鏡を撮像手段15として搭載した。
対物レンズ151には、倍率が10倍のものを使用した。
照明手段17には、赤色LED照明を使用した。
培養液mは、株式会社細胞科学研究所の免疫細胞療法研究用無血清培養液(IL−2 700 IU/ml)を使用した。
細胞cは、Cell Applications,Inc.のヒト末梢血単核細胞HMNC−PBを使用した。
容器2に封入する培養液mの量は、1Lとした。
そして、培養液m中の細胞cの密度は、1.75×106[cells/ml]とした。
そして、図15に示したフローチャートの手順にしたがって、画像取得装置10を用いて容器2内の細胞cを撮像し、図16に示したフローチャートの手順にしたがって、その撮像した画像を細胞計数装置20の表示手段24に表示させるとともに、その画像に映し出されている細胞cの数を計数した。
1回の撮像範囲(図5参照)は、0.65mm×0.5mmとした。
図17は、各撮像範囲ごとに取得した画像を用いて細胞cの数を計数した結果等を示す図表である。
詳細に説明すると、図17の「番号」は、撮像範囲ごとに撮像した画像のそれぞれに付したシリアル番号を示している。
「傷除去なし」は、図16に示すS22〜S23の各処理(基準値よりも輝度値が高い画像を除外する処理。以下、高輝度画像除外処理という)と、図16に示すS29〜S35の各処理(領域の大きい細胞候補を除外する処理。以下、大領域除外処理という)とを、実行しなかった場合における、画像ごとの細胞cの計数値を示している。
「傷除去あり」は、高輝度画像除外処理と大領域除外処理とを実行した場合における、画像ごとの細胞cの計数値を示している。
「目視計数」は、細胞計数装置20の表示手段24に表示された画像を、計測者が、目視により細胞cの数を計数した結果を示している。
「標準偏差」は、「傷除去なし」と「傷除去あり」と「目視計数」のそれぞれにおける細胞cの計数結果の散らばり具合を数値化して示している。
「誤差(%)」は、「目視計数」の「平均」に対する「傷除去なし」の「平均」の誤差と、「目視計数」の「平均」に対する「傷除去あり」の「平均」の誤差を、それぞれ百分率で示している。具体的な計算方法を挙げると、前者の誤差は、「傷除去なし」の「平均」と「目視計数」の「平均」との差を「目視計数」の「平均」で除算して100を乗算した数値であり、後者の誤差は、「傷除去あり」の「平均」と「目視計数」の「平均」との差を「目視計数」の「平均」で除算して100を乗算した数値である。
図18は、図17に示す「傷除去なし」の「平均」と「傷除去あり」の「平均」を棒グラフで示すとともに、「目視計数」の「平均」を点線で示したものである。
1番〜3番の画像に映し出されている細胞cの数は、「傷除去なし」の欄に示すように、「70」、「53」、「10」といった数値となっている。これら「70」等の数値は、「目視計数」の「平均」に示されている「124」という数値、すなわち、一つの画像に本来映し出されるべき細胞cの数よりも非常に少ない数値となっている。これは、1番〜3番の画像が撮像された容器2上に皺があったために、これらの画像の輝度値が基準値よりも高くなっており、細胞cが不鮮明となってしまっているからであると考えられる。
そして、それら1番〜3番の画像を含む20枚の画像を用いて細胞cを計数した結果を示す「傷除去なし」の「平均」と、それら1番〜3番の画像を除外して細胞cを計数した結果を示す「傷除去あり」の「平均」とを比較したとき、前者は、「目視計数」の「平均」よりも少ない数値となっているのに対し、後者は、「目視計数」の「平均」に近い数値となっている。
したがって、高輝度画像除外処理を行ったことにより、細胞cの数をより正確に計数できることが、この実施例の計測結果から明らかにすることができた。
そして、「傷除去なし」の「平均」と「傷除去あり」の「平均」とを比較すると、後者の方が、「目視計数」の「平均」に近い数値となっている。
よって、大領域除外処理を行ったことにより、細胞cの数をより正確に計数できることが、この実施例の計測結果から明らかにすることができた。
次に、細胞計数プログラムについて説明する。
上記の実施形態におけるコンピュータ(細胞計数システムにおける画像取得装置及び細胞計数装置)の細胞計数機能(細胞計数方法を実行するための機能)は、記憶手段(例えば、ROMやハードディスクなど)に記憶された細胞計数プログラムにより実現される。
これによって、細胞計数機能は、ソフトウエアである細胞計数プログラムとハードウエア資源であるコンピュータ(画像取得装置及び細胞計数装置)の各構成手段とが協働することにより実現される。
外部記憶装置とは、CD−ROM等の記憶媒体を内蔵し、細胞計数装置に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、フレキシブルディスク,メモリカード,光磁気ディスク等をいう。
さらに、コンピュータで細胞計数プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された細胞計数プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされた細胞計数プログラムも、制御手段により実行され、上記実施形態における画像取得装置及び細胞計数装置の細胞計数機能を実現する。
例えば、上述した実施形態では、画像取得装置の撮像の対象として可撓性を有する培養容器を挙げたが、画像取得装置の撮像の対象は、可撓性を有する培養容器に限るものではなく、硬質の材料を用いて形成された培養容器に収められている培養液及び細胞であってもよい。
10 画像取得装置
20 細胞計数装置
21 通信手段(画像データ取得手段)
22 記憶手段
24 表示手段
25 制御手段
251 皺検出手段
252 細胞候補抽出手段
253 大きさ情報算出手段
254 計数対象除外手段
255 細胞計数手段
2 容器(培養容器)
m 培養液
c 細胞
s 領域
Claims (7)
- 培養容器に封入された培養液中の細胞を計数する細胞計数装置であって、
前記細胞が表われている画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データにもとづいて、前記画像の中で前記細胞が表われている可能性のある部分を細胞候補として抽出する細胞候補抽出手段と、
抽出された前記細胞候補の大きさに関する情報を大きさ情報として算出する大きさ情報算出手段と、
算出された前記大きさ情報が前記細胞の大きさよりも大きいことを示す数値であるときに、当該細胞候補を、細胞の計数対象から除外する計数対象除外手段と、
除外されなかった前記細胞候補を前記細胞として特定し、当該細胞の数を計数する細胞計数手段とを備えた
ことを特徴とする細胞計数装置。 - 前記大きさ情報が、
前記細胞候補を矩形の領域枠で囲んだときの長辺と短辺との比、又は、前記矩形の領域の面積
のうちの一方又は両方である
ことを特徴とする請求項1記載の細胞計数装置。 - 前記画像データにもとづいて前記培養容器の皺を検出する皺検出手段を備え、
前記皺検出手段は、前記皺が検出された画像を、前記細胞の計数に使用する画像から除外する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の細胞計数装置。 - 前記皺検出手段は、
前記画像の平均輝度を算出し、前記平均輝度と基準値とを比較し、前記平均輝度が前記基準値よりも高いときに、前記培養容器に皺があるものとして当該皺を検出する
ことを特徴とする請求項3記載の細胞計数装置。 - 培養液が封入された培養容器を撮像する画像取得装置と、前記培養液中の細胞を計数する細胞計数装置とを備えた細胞計数システムであって、
前記細胞計数装置が、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の細胞計数装置である
ことを特徴とする細胞計数システム。 - 培養容器に封入された培養液中の細胞を計数する細胞計数方法であって、
前記細胞が表われている画像の画像データを取得するステップと、
前記画像データにもとづいて、前記画像の中で前記細胞が表われている可能性のある部分を細胞候補として抽出するステップと、
抽出された前記細胞候補の大きさに関する情報を大きさ情報として算出するステップと、
算出された前記大きさ情報が前記細胞の大きさよりも大きいことを示す数値であるときに、当該細胞候補を、細胞の計数対象から除外するステップと、
除外されなかった前記細胞候補を前記細胞として特定し、当該細胞の数を計数するステップとを有する
ことを特徴とする細胞計数方法。 - 培養容器に封入された培養液中の細胞を計数する処理を細胞計数装置に実行させるための細胞計数プログラムであって、
前記細胞が表われている画像の画像データを取得するステップと、
前記画像データにもとづいて、前記画像の中で前記細胞が表われている可能性のある部分を細胞候補として抽出するステップと、
抽出された前記細胞候補の大きさに関する情報を大きさ情報として算出するステップと、
算出された前記大きさ情報が前記細胞の大きさよりも大きいことを示す数値であるときに、当該細胞候補を、細胞の計数対象から除外するステップと、
除外されなかった前記細胞候補を前記細胞として特定し、当該細胞の数を計数するステップと
を前記細胞計数装置に実行させる
ことを特徴とする細胞計数プログラム。
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