JP2015090817A - 有機発光素子、有機発光素子の製造方法、表示装置および照明装置 - Google Patents

有機発光素子、有機発光素子の製造方法、表示装置および照明装置 Download PDF

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【課題】有機発光素子等において光の取り出し効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】有機発光素子10は、陽極層12と、誘電体層13と、陽極層12および誘電体層13を貫通して形成される穴部17と、透光性導電層14と、発光層15aを含む有機半導体層15と、陰極層16と、を備え、誘電体層13は、透光性導電層14および有機半導体層15より屈折率が低く、透光性導電層14は、導電率が10-10S/cm〜10-1S/cmの範囲であり、有機半導体層15のうち最も基板11側に位置する最下点151が、穴部17内の深さ方向において、誘電体層13と陽極層12との界面から、誘電体層13の膜厚の2/3の距離だけ誘電体層13内に入った第1の位置P1と、誘電体層13の膜厚の1/3の距離だけ陽極層12内に入った第2の位置P2との間に存在することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、表示装置や照明装置に用いられる有機発光素子等に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極との間に発光材料を含む有機化合物層が挟まれた構造を有し、低い駆動電圧で高輝度の発光が得られることから、ディスプレイや照明などの電気光学装置への応用が期待されている。そして、このような有機発光素子については、更なる高効率化を目的として、光を外部へ取り出す光取り出し技術の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、有機発光素子において、有機発光材料の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折領域を設け、有機発光材料から発せられた導波モードの光を、この低屈折率領域にて屈折させて有機発光素子の外部に取り出す技術が開示されている。
特表2010−524153号公報
ところで、有機発光素子において、有機発光材料の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率領域を設けた場合であっても、有機発光素子における発光層の位置によっては、有機発光材料から出射された光が低屈折率領域内に入射せずに、十分な光の取り出し効率の向上という効果が得られない場合があった。
本発明は、有機発光素子等において光の取り出し効率を向上させることを目的とする。
かくして本発明の有機発光素子は、基板上に形成される第1電極層と、前記第1電極層上に形成される誘電体層と、前記第1電極層および前記誘電体層を貫通して形成される穴部と、少なくとも前記穴部の底面全体と側面とに沿って形成されるとともに、前記第1電極層と電気的に接して形成される透光性導電層と、発光層を含み、前記透光性導電層上に形成される有機半導体層と、前記有機半導体層上に形成される第2電極層と、を備え、前記誘電体層は、前記透光性導電層および前記有機半導体層より屈折率が低く、前記透光性導電層は、導電率が10−10S/cm〜10−1S/cmの範囲であり、前記有機半導体層のうち最も前記基板側に位置する最下点が、前記穴部内の深さ方向において、前記誘電体層と前記第1電極層との界面から、当該誘電体層の膜厚の2/3の距離だけ当該誘電体層内に入った位置と、当該誘電体層の膜厚の1/3の距離だけ当該第1電極層内に入った位置との間に存在することを特徴とする。
ここで、前記透光性導電層と前記有機半導体層との界面は、前記穴部が形成される位置において前記基板側に凹む形状をなすことが好ましい。
また、前記穴部は、平面視で円形状であり、前記基板面内の少なくとも1方向に複数の当該穴部が周期的に配置されており、前記誘電体層の上面において、当該穴部の直径(D)と当該穴部の間隔(A)との比(D:A)を1:Xで表すとき、Xは0〜1の範囲であることが好ましい。
さらに、前記透光性導電層は、導電率が10−7S/cm〜10−3S/cmの範囲であることが好ましい。
さらにまた、前記透光性導電層は、前記穴部の内部のみに形成されていることが好ましい。
また、前記有機半導体層と前記第2電極層との間に、発光層を含む有機半導体層を更に1層以上備え、隣接する前記有機半導体層間に電荷発生層が挿入されていることが好ましい。
また、本発明の有機発光素子の製造方法は、基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、前記第1電極層上に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層および前記第1電極層を貫通する穴部を形成する穴部形成工程と、導電率が10-10S/cm〜10-1S/cmの範囲であり、少なくとも前記穴部の内部に形成されるとともに前記第1電極層と電気的に接する透光性導電層を形成する透光性導電層形成工程と、発光層を含む有機半導体層を、当該発光層の少なくとも一部が前記穴部内部に入り込むように、前記透光性導電層上に形成する有機半導体層形成工程と、前記有機半導体層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを備え、前記誘電体層は、前記透光性導電層および前記有機半導体層より屈折率が低く、前記透光性導電層の上面のうち最も前記基板側に位置する最下点が、前記穴部内の深さ方向において、前記誘電体層と前記第1電極層との界面から、当該誘電体層の膜厚の2/3の距離だけ当該誘電体層内に入った位置と、当該誘電体層の膜厚の1/3の距離だけ当該第1電極層内に入った位置との間に存在するように形成されることを特徴とする。
ここで、前記誘電体層の上面部分のみに撥液処理を施す撥液工程を更に備え、前記透光性導電層形成工程では、前記撥液処理が施されていない前記穴部の内部のみに前記透光性導電層を形成することが好ましい。
また、本発明の表示装置は、上記の有機発光素子を備える。
また、本発明の照明装置は、上記の有機発光素子を備える。
本発明によれば、有機発光素子等において光の取り出し効率を向上させることが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。 本実施の形態の有機発光素子における有機半導体層の位置を説明するための図である。 本実施の形態が適用される穴部の形状を詳細に説明するための図である。 (a)(b)は、穴部を周期的に配置した場合における典型的な配置の例を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。 従来技術の有機発光素子における光取り出しについて説明した図である。 本実施の形態の有機発光素子において光取り出しに関わる屈折率の界面の近傍における構造を示した図である。 マルチスタック構造を有する有機発光素子の一例を示した部分断面図である。 (a)〜(f)は、本実施の形態が適用される有機発光素子の製造方法について説明した図である。 本実施の形態における有機発光素子を用いた表示装置の一例を説明した図である。 本実施の形態における有機発光素子を備える照明装置の一例を説明した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態の有機発光素子においては、上側電極と下側電極とは、いずれが陽極であっても陰極であってもよい。また、少なくともいずれかの電極が透光性であればよい。
(第1の実施形態:下側電極が透光性の陽極層である有機発光素子)
(有機発光素子)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。なお実際の有機発光素子10は、この構造が図中横方向に繰り返された形態を採る。
図1に示した有機発光素子10は、基板11と、基板11上に形成され正孔を注入するための第1電極層としての陽極層12と、電子を注入するための第2電極層としての陰極層16と、陽極層12と陰極層16の間に形成される誘電体層13とが積層された構造を採る。ここで、陽極層12は透光性であり、基板11側から光が取り出される(光線L1、L2)。
また有機発光素子10は、誘電体層13および陽極層12を貫通して形成される穴部17を有する。誘電体層13および陽極層12を貫通する穴部17は、誘電体層13に形成される部分に誘電体層穴部内側面13aを有し、陽極層12に形成される部分に陽極層穴部内側面12aを有する。さらに、有機発光素子10は、透光性導電層14と、有機半導体層15とを有する。透光性導電層14は、穴部17の内部に形成されるとともに、陽極層12と電気的に接して形成される。有機半導体層15は、発光層15aを含み、透光性導電層14上に形成されるとともに、穴部17内部に少なくとも一部が入り込むように形成される。このとき、穴部17内に形成される発光層15aの部分は、穴部17の深さ方向において、穴部17の内側面のうち誘電体層穴部内側面13aと同じ深さに位置するように形成される。
有機発光素子10は、有機半導体層15の発光層15aが発光を行なうことにより発光面を形成する。また本実施の形態では、透光性導電層14および有機半導体層15は、穴部17の位置において形成されるだけでなく、誘電体層13上に延在して形成されてもよい。この場合、陰極層16は有機半導体層15の全面にわたって、有機半導体層15上に位置するように形成される。なお本実施の形態において、「穴部17の位置」および「穴部17が形成される位置」と言った場合、上記各層が積層される上側から見た穴部17の位置のことを意味するものとする。
(基板)
基板11は、陽極層12、誘電体層13、透光性導電層14、有機半導体層15および陰極層16を形成する支持体となるものである。基板11には、有機発光素子10に要求される機械的強度を満たす材料が用いられる。
基板11の材料としては、有機発光素子10の基板11側から光を取り出すために、発光層15aから出る光に対して光透過性であることが必要である。具体的な材料としては、サファイアガラス、ソーダガラス、石英ガラス等のガラス類;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンナフタレート等の透明樹脂;窒化アルミ等の金属窒化物、アルミナ等の透明金属酸化物等が挙げられる。なお基板11として、上記透明樹脂からなる樹脂フィルム等を使用する場合は、水、酸素などのガスに対するガス透過性が低いことが好ましい。ガス透過性が高い樹脂フィルム等を使用する場合は、光の透過性を損なわない範囲でガスの透過を抑制するバリア性薄膜を形成することが好ましい。
基板11の厚さは、要求される機械的強度にもよるが、好ましくは、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.25mm〜2mmである。
(陽極層)
陽極層12は、陰極層16との間に電圧を印加することにより、有機半導体層15に正孔を注入する。第1の実施形態では基板11側から光を取り出すため、陽極層12の材料としては発光層15aから出る光に対して光透過性であることが必要である。また、陽極層12は、基板11上に沿って面状に形成され、上面が微細な凹凸などを極力含まない平滑面であることが好ましい。陽極層12に使用される材料としては、電気伝導性を有するものであることが必要である。また、仕事関数が高く、具体的には仕事関数が4.5eV以上であることが好ましい。加えて、アルカリ性水溶液に対し、電気抵抗が顕著に変化しないことが好ましい。なお、陽極層12の仕事関数は、例えば、紫外線光電子分光分析法により測定することができる。
このような条件を満たす材料として、透光性の導電性金属酸化物が使用できる。具体的な化合物としては、例えば、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、GZO(ガリウム酸化亜鉛)、AZO(アルミニウム酸化亜鉛)、IGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)、AGZO(酸化アルミニウムガリウム亜鉛)等が挙げられる。陽極層12の厚さは、例えば、50nm〜2μmで形成することができる。以下の説明においては、陽極層12の厚さ(膜厚)をt1とする。
(誘電体層)
誘電体層13は、有機半導体層15から発した光を透光性導電層14と誘電体層13との界面において屈折させることで外部に取り出されやすくするためのものである。そのため誘電体層13は、透光性導電層14および有機半導体層15より屈折率が低いことが必要である。より具体的には、誘電体層13の屈折率は、透光性導電層14および有機半導体層15の屈折率より0.1以上低いことが好ましく、0.2以上低いことがより好ましく、0.3以上低いことがより一層好ましい。
そして誘電体層13の屈折率を透光性導電層14および有機半導体層15の屈折率より低くすることで、有機半導体層15から発した光(誘電体層13および穴部17のない従来構造の有機発光素子では内部で全反射を起こし外部に取り出されない光)は、例えば誘電体層穴部内側面13aに入射して、より基板11の法線方向寄りの角度に屈折する。その結果、誘電体層13を設けない場合に比較して、陽極層12や基板11に達した光は、陽極層12と基板11の界面、および基板11の外表面において全反射を生じにくくなる。そのため、誘電体層13を設けることにより、有機半導体層15から発した光を基板11側から、より多く取り出すことができ、光の取り出し効率が向上する。なお、本実施の形態の有機発光素子10において有機半導体層15から発した光の挙動については、後段にて詳細に説明する。
誘電体層13は、陽極層12と陰極層16とを所定の間隔にて分離して絶縁するため、有機半導体層15に電圧を印加して発光させることができる。このため誘電体層13は高抵抗率材料であることが必要で、電気抵抗率が10Ωcm以上、好ましくは1012Ωcm以上であることが要求される。具体的な材料としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウムなどの金属フッ化物が挙げられるが、他にポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、パリレン等の高分子化合物、ポリフェニルシルセスキオキサン(Poly(phenylsilsesquioxane))等の塗布型シリコーン、スピンオングラス(SOG)も使用可能である。
ここで、短絡・電流リークを生じにくい有機発光素子10を再現よく製造するためには、誘電体層13の厚さは厚いほど好ましいが、一方で有機発光素子10全体の厚さを抑えるために誘電体層13の厚さは、1μmを越えないことが好ましい。また、陽極層12と陰極層16との間隔が狭い方が、発光のために必要な電圧が低くて済むので、この観点からは誘電体層13は薄い方がより好ましい。但し、薄すぎると有機発光素子10を駆動するための電圧に対し、絶縁耐圧が十分でなくなるおそれがある。ここで絶縁耐圧については、穴部17が形成されない誘電体層13を直接陽極層12と陰極層16とで挟んだ状態で、定格の駆動電圧を印加した場合に、陽極層12と陰極層16の間に流れる電流密度が、0.1mA/cm以下であることが好ましく、0.01mA/cm以下であることがより好ましい。また有機発光素子10の定格の駆動電圧より、2V高い電圧に耐えることが好ましいため、例えば、定格の駆動電圧が5Vである場合は、誘電体層13の両面に接して形成した陽極と陰極の間に約7Vの電圧を印加した場合に上記の電流密度を満たすことが必要である。これを満たす誘電体層13の厚さは、上限としては、750nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがより一層好ましい。また下限としては15nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることがより一層好ましい。なお、以下の説明においては、誘電体層13の厚さ(膜厚)をt2とする。
(透光性導電層)
透光性導電層14は従来技術の有機発光素子構造においては必ずしも形成されてはいない。これに対し、本発明の有機発光素子10において透光性導電層14は必須のものであり、次に挙げる3つの役割を担っている。
(i)有機半導体層15に電圧を印加するための実質的な下側電極(基板側の電極)として機能し、穴部17内の有機半導体層15の広い範囲に通電して発光させること
(ii)穴部17内に形成する透光性導電層14の膜厚を調整することにより、穴部17の深さ方向における発光層15aの位置を光取り出し効率が高い位置に設定すること
(iii)穴部17内に透光性導電層14を凹面状に形成することにより、この上に形成する有機半導体層15の膜厚を均一にすること
透光性導電層14は、有機半導体層15の発光層15aにおいて発せられる光に対し、透過性を有するとともに導電性を有する。また、更に有機半導体層15への正孔の注入障壁を下げて正孔の注入効率を上げる機能を有することが好ましい。
このような条件を満たすために透光性導電層14に使用される材料は、例えば、導電性高分子材料等を用いることができる。さらに具体的には、銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合物(PEDOT:PSS)、導電性フルオロカーボンなどが挙げられる。また、陽極層12に使用できる材料として挙げた透光性の導電性金属酸化物も使用できる。
本実施の形態では、透光性導電層14は、陽極層12と電気的に接して形成される。ここで、透光性導電層14は有機半導体層15に比べて高い導電率を有しており、素子として有機半導体層15に電圧を印加する機能に着目すると、この透光性導電層14が実質的な陽極として機能している。
本実施の形態では、透光性導電層14の導電率は、1×10−10S/cm以上1×10−1S/cm以下の範囲となっている。透光性導電層14の導電率は、1×10−7S/cm以上1×10−3S/cm以下の範囲であることが好ましく、1×10−6S/cm以上1×10−4S/cm以下の範囲であることがより好ましい。
なお、透光性導電層14の導電率は、上述した導電性高分子材料の種類、導電性高分子材料に添加するドーパントの種類や添加量等を選択することで、変化させることができる。
ここで、透光性導電層14の導電率が1×10−10S/cm未満の場合には、駆動電圧が上昇し、電力効率が低下するおそれがある。
また、透光性導電層14の導電率が1×10−1S/cmよりも高い場合には、駆動電圧は低下するものの、透光性導電層14が穴部17の外の誘電体層13上にも形成される場合には、透光性導電層14を介して穴部17の外側に位置する有機半導体層15まで通電しやすくなるため、有機半導体層15が穴部17の外側においても発光しやすくなる。そして、穴部17の外側に位置する発光層15aから放射された光は、誘電体層穴部内側面13aに入射しにくいため、誘電体層13による光取り出し効率の向上という効果は得られにくい。
透光性導電層14の屈折率は有機半導体層15の屈折率との差が0.1以下であることが好ましい。これにより、透光性導電層14は電気的には実質的な陽極として機能するが、光学的には屈折率が有機半導体層15とほぼ同じであるため、屈折率の観点からは有機半導体層15と一体の層として機能する。そして、この一体の層と誘電体層13が高屈折率/低屈折率の界面を形成し、光取り出し効率の向上に寄与する。一方、透光性導電層14と有機半導体層15の屈折率の差が0.1より大きいと、両層の間に新たな屈折率の界面ができる。この場合、この余分な界面を経由して誘電体層13に入射する光は上記一体の層と誘電体層13の間の高屈折率/低屈折率の界面で十分な光取り出し効果が得られない。
さらに本実施の形態の透光性導電層14は、穴部17の内部に形成される。そして特に、透光性導電層14が穴部17の底面に沿って形成された場合は、透光性導電層14を設けない場合に対して、発光が起こる箇所を穴部17内において相対的に上部にすることができる。すなわち、穴部17の底面に透光性導電層14が配置されるため、穴部17の底面近傍では発光が生じず、透光性導電層14のさらに上部に形成される有機半導体層15の発光層15aにおいて発光が生じる。そして、穴部17内の発光層15aを誘電体層穴部内側面13aの側方に位置させることにより、誘電体層穴部内側面13aに低入射角で入射する光が増加する。これらの光は、光の進行方向が基板11の法線寄りに変化するため、陽極層12と基板11との界面、および基板11の外表面において全反射されにくくなり、外部に取り出される光が増加する。一方、透光性導電層14が形成されず、穴部17の底面近傍で発光が生じた場合は、基板11面に平行な水平に近い角度で進み外部に取り出されにくい光は陽極層穴部内側面12aに入射されやすくなり、誘電体層穴部内側面13aには有効に入射しないため、光取り出し効率の向上の程度は小さい。
また、本実施形態の透光性導電層14は、穴部17の底面全体のみならず誘電体層穴部内側面13aに沿って形成されることが好ましい。言い換えると、透光性導電層14の上面が、穴部17が形成される位置において陽極層12側に凹む形状をなすことが好ましい。透光性導電層14が穴部17の誘電体層穴部内側面13aの上にも形成されると、誘電体層穴部内側面13aに近い位置にある有機半導体層15にも電流が供給され、この部分にある発光層15aにおいても発光が起こる。すなわち、穴部17内の広い領域で発光が起こるため、誘電体層穴部内側面13aに入射する光が多くなり、光取り出し効率が向上する。また、電流が局所的に流れることを抑制できるため、有機発光素子10の耐久性が向上する。
そしてこの透光性導電層14の上面の形状はゆるやかに曲率が変化する凹曲面であることが更に好ましい。この形状により、この上に形成する有機半導体層15の膜厚は均一になる。従って、発光が均一に起こり、発光領域が広がるため、輝度が向上する。また、電流が局所に集中せず均一に流れるため、耐久性も向上する。詳しくは後述するように、透光性導電層14は塗布法で成膜して形成することができる。塗布法で透光性導電層14を形成する場合、透光性導電層14の上面を凹曲面形状とすることはより容易であり、そのため有機発光素子10の製造がより容易になる。
なお本実施の形態では、透光性導電層14は、穴部17の内部のみに形成され、誘電体層13上には形成されていなくてもよい。透光性導電層14が穴部17内のみに形成される場合には、穴部17内に位置する有機半導体層15に優先的に電流が流れることになり、穴部17内の有機半導体層15において優先的に発光が起こる。この結果、誘電体層穴部内側面13aにより多くの光を入射させることが可能になり、光取り出し効率が向上する。
(有機半導体層)
有機半導体層15は、発光層15aを含む1層または積層された複数の有機化合物からなる層からなり、透光性導電層14上に形成される。
そしてこの際に有機半導体層15は、穴部17内部に少なくとも一部が入り込むように形成される。このようにすることで、有機半導体層15のうち発光する領域がより確実に穴部17内に存在することになる。この結果、発光層15aから発した光のうち、基板11面に平行な水平に近い方向に進み、外部に取り出されにくい光を、誘電体層穴部内側面13aにより多く入射させることができる。この結果、有機発光素子10の光取り出し効率が向上する。
図2は、本実施の形態の有機発光素子10における有機半導体層15の位置を説明するための図である。
本実施の形態の有機発光素子10では、有機半導体層15のうち最も基板11側に位置する部分(以下、有機半導体層15の最下点151と呼ぶ)が、穴部17内において、予め定められた第1の位置P1と第2の位置P2との間の領域(図2において斜線で示す領域)に存在するように形成される。
ここで、第1の位置P1は、図2に示すように、陽極層12と誘電体層13との界面から誘電体層13の膜厚t2の2/3の距離だけ誘電体層13側へ入った位置である。また、第2の位置P2は、図2に示すように、陽極層12と誘電体層13との界面から誘電体層13の膜厚t2の1/3の距離だけ陽極層12側へ入った位置である。
なお、本実施の形態において「最下点151が第1の位置P1と第2の位置P2との間に位置する」とは、最下点151が第1の位置P1に位置する場合、および最下点151が第2の位置P2に位置する場合も含むものとする。
例えば、誘電体層13の膜厚t2を150nmとすると、第1の位置P1は、陽極層12と誘電体層13との界面から誘電体層13へ100nm入った位置となる。また、第2の位置P2は、陽極層12と誘電体層13との界面から陽極層12へ50nm入った位置となる。
また有機半導体層15は、穴部17が形成される位置において均一な厚さで形成されることが好ましい。これにより穴部17の位置において、より均一に発光層15aで発光を生じさせることができる。つまり有機半導体層15の膜厚が、穴部17が形成される位置において不均一であると、膜厚が厚い部分より薄い部分の方に電流が流れやすいため、この部分においてより発光が生じやすく、発光が不均一になる。また、この場合、電流が局所的に集中し、発熱が生じるため、有機半導体層15の劣化が生じやすく、有機発光素子10の耐久性が低下する。一方、有機半導体層15の膜厚が、穴部17が形成される位置において均一な厚さであると、電流も均一に流れるため、発光も均一になる。そしてこの場合、電流が局所的に流れることがないため、有機発光素子10の耐久性を向上させることができる。また穴部17内に発光領域が広く分布するため、誘電体層穴部内側面13aに入射する光が多くなり、光取り出し効率が向上する。
そしてそのために有機半導体層15の厚さのばらつきについては、穴部17が形成される位置において、(膜厚の最小値)/(膜厚の最大値)≧0.7であることが好ましい。本実施の形態において、有機半導体層15の厚さが均一であるとは、膜厚のばらつきがこの範囲内になることを意味する。
なお本実施の形態において、有機半導体層15の膜厚や有機半導体層15の最下点151の位置の測定は、有機発光素子10の縦断面サンプルのSEM写真を撮影することにより行うことができる。ここで、測定を行う断面は、穴部17を平面視でほぼ2等分する断面とする。尚、穴部17の平面形状が矩形の場合は、角部を横切らず、辺をできるだけ垂直に横切る断面とする。
有機半導体層15に含まれる発光層15aは、陽極層12と陰極層16との間に電圧を印加することで発光する発光材料を含む。発光材料としては、低分子化合物(非高分子化合物)及び高分子化合物のいずれも使用することができる。本実施の形態では、発光材料として、リン光発光性有機化合物および金属錯体を使用することが好ましい。金属錯体の中にはリン光性を示すものもあり、かかる金属錯体も好ましく用いられる。本実施の形態においては、特にシクロメタル化錯体を用いることが発光効率向上の観点から非常に望ましい。シクロメタル化錯体としては、例えば、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等の配位子を有するIr、PdおよびPt等の錯体が挙げられるが、イリジウム(Ir)錯体が特に好ましい。シクロメタル化錯体は、シクロメタル化錯体を形成するのに必要な配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。なお、シクロメタル化錯体には、三重項励起子から発光する化合物も含まれ、発光効率向上の観点から好ましい。
また、発光性高分子化合物としては、MEH−PPVなどのポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系の高分子化合物、低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー、等が挙げられる。発光性高分子化合物と発光性低分子化合物(非高分子化合物)とを併用することもできる。
発光層15aは発光材料とともにホスト材料を含み、ホスト材料中に発光材料が分散されていることもある。このようなホスト材料は電荷輸送性を有していることが好ましく、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物であることが好ましい。
ここで有機半導体層15は、透光性導電層14から正孔を受け取り発光層15aへ輸送するための正孔輸送層を含んでいてもよい。正孔輸送層は、透光性導電層14と発光層15aの間に配される。
このような正孔輸送層を形成する正孔輸送材料としては、公知の材料を使用することができ、例えば、TPD(N,N'−ジメチル−N,N'−(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'ジアミン)、α−NPD(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4,4',4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾール、上記トリフェニルアミン誘導体に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物などが挙げられる。上記正孔輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる正孔輸送材料を積層して用いてもよい。正孔輸送層の厚さは、正孔輸送層の導電性などに依存するため、一概に限定できないが、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
また有機半導体層15は、陰極層16から電子を受け取り、発光層15aへ輸送するための電子輸送層を含んでいてもよい。電子輸送層は、陰極層16と発光層15aの間に配される。
このような電子輸送層に用いることができる材料としては、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などが挙げられる。更に具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン、バソキュプロイン(略称:BCP)、トリフェニルビスイミダゾール(BPBI)、2,2',2"−(1,3,5−Benzenetriyl)tris[1−phenyl−1H−benzimidazole](略称:TPBI)、3,3'−[5'−[4−(3−Pyridinyl)phenyl][1,1':3',1"−terphenyl]−4,4"−diyl]bispyridine(略称:TPyTPB)、4,4'−[5'−[3−(4−Pyridinyl)phenyl][1,1':3',1"−terphenyl]−3,3"−diyl]bispyridine(略称:m4TPyTPB)、3,3'−[5'−[3−(3−Pyridinyl)phenyl][1,1':3',1"−terphenyl]−3,3"−diyl]bispyridine(略称:mTPyTPB)、2,2'−[5'−[3−(2−Pyridinyl)phenyl][1,1':3',1"−terphenyl]−3,3"−diyl]bispyridine(略称:m2TPyTPB)、3−[4−[Bis(2,4,6−trimethylphenyl)boryl]−3,5−dimethylphenyl]pyridin(略称:Py211B)、などを挙げることができる。この中でも、TPBI、TPyTPB、m4TPyTPB、mTPyTPB、m2TPyTPB、Py211Bをより好ましく用いることができる。
さらに有機半導体層15は、上記電子輸送層と発光層15aの間に、正孔ブロック層が設けられていてもよい。この正孔ブロック層を設けることで、正孔が発光層15aを通過することを抑え、発光層15a内で正孔と電子とを効率よく再結合させることができる。
上記正孔ブロック層を形成するために、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料が用いられる。
(陰極層)
陰極層16は、陽極層12との間に電圧を印加することにより、有機半導体層15に電子を注入する。陰極層16は、有機半導体層15とともに、発光領域の全面にわたって連続的に形成されている。
陰極層16に使用される材料としては、陽極層12と同様に電気伝導性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、仕事関数が低く、かつ化学的に安定なものが好ましい。仕事関数は、化学的安定性を考慮すると2.9eV以下であることが好ましい。具体的には、Al、MgAg合金、AlLiやAlCaなどのAlとアルカリ金属の合金等の材料を例示することができる。陰極層16の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。本実施の形態の有機発光素子10の場合は、有機半導体層15から発した光を基板11側から取り出す。そのため陰極層16は、不透明材料により形成されていてもよい。更に、光を基板11側のみから取り出す場合は、陰極層16の材料は発光層15aから出る光に対して反射性の材料であることが好ましい。陰極層16に光反射性の材料を用いた場合、発光層15aから発して陰極層16側へ向かう光が陰極層16の表面で反射して基板11側から取り出されるため、光取り出し効率が向上する。この場合、陰極層16に用いる材料の反射率が高いほど光取り出し効率が向上する。この観点からは、陰極層16の材料としてAl、Ag、Pt、Rh、およびこれらの合金を用いることが好ましい。
また、陰極層16から有機半導体層15への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、図示しない陰極バッファ層を、陰極層16に隣接して設けてもよい。
陰極バッファ層は、陰極層16より仕事関数の低い金属材料などが好適に用いられる。例えば、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba、Ca、Mg)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)、あるいはこれら金属のフッ化物、塩化物、酸化物から選ばれる単体あるいは2つ以上の混合物を使用することができる。陰極バッファ層の厚さは0.05nm〜50nmが好ましく、0.1nm〜20nmがより好ましく、0.5nm〜10nmがより一層好ましい。
(穴部)
穴部17は、有機半導体層15から発した光を取り出すためのものであり、本実施の形態では、誘電体層13および陽極層12を貫通するように形成する。このように穴部17を設けることにより有機半導体層15から発せられた光は、主に穴部17の内部および誘電体層13を伝搬し、基板11側および陰極層16の側から取り出すことができる。
図3は、本実施の形態が適用される穴部17の形状を詳細に説明するための図である。なお、この例において穴部17は平面視で円形状を有しており、図3は、穴部17を平面視で二等分に切断した場合の断面図となっている。この例において、図3に示すように、穴部17における上面(誘電体層13の上面)での直径をDとする。なお、以下の説明において、穴部17における上面での直径Dを、単に穴部17の直径Dと呼ぶことがある。
穴部17の形状は、特に限定されることはないが、形状制御が行いやすいという観点から例えば円柱形状または四角柱などの多角柱形状、あるいはストライプ形状とすることが好ましい。これらの形状では、誘電体層13の面内における形状が、誘電体層13の厚み方向で変化してもよく、あるいは形状の大きさが変化してもよい。即ち、例えば円錐形状、角錐形状、円錐台形状、角錐台形状などであってもよい。穴部17の形状を適宜選択することにより、有機半導体層15で発光した光を外部へ取り出す際の配光分布などを制御することができる。
穴部17の大きさが大きいと、穴部17内で発光した光は、直接あるいは陰極層16表面や誘電体層13表面で反射しながら進んで誘電体層13の側面13aに入射するまでに、有機半導体層15または透光性導電層14に吸収されて減衰する。このような有機半導体層15または透光性導電層14による吸収損失を小さくするために、穴部17の大きさは、基板11の法線方向から見た場合、すなわち平面視で最大幅が3μm以下であることが好ましい。ここで、最大幅とは穴部17の平面図形に接してこれを挟む平行な2直線間の距離の最大値である。また、穴部17の大きさは、平面視で最大幅が1μm以下であることが更に好ましい。
また、図1に示した例では、誘電体層穴部内側面13aは、基板11面に対して垂直に形成されており、この場合の誘電体層穴部内側面13aの傾斜角(誘電体層穴部内側面13aの基板11平面に対する角度で、穴部17の内側の角度)は90°である。ただし傾斜角は、これに限られるものではなく、図3に示すように、90°以下としてもよい。すなわち、傾斜角は、誘電体層13に使用する材料等によって適宜変化させることで、有機半導体層15で発光した光を外部へ取り出す効率を高くすることができる。なお、誘電体層穴部内側面13aの傾斜角は、45°以上であることが好ましく、60°以上であることがさらに好ましい。
さらに、有機発光素子10を構成する各層が積層される上側から見た穴部17の配置は、特に限定されるものではなく、規則的であっても、不規則であってもよいが、穴部17は、基板11面内の少なくとも一方向に周期的に配置されることが好ましい。
図4(a)(b)は、穴部17を周期的に配置した場合における典型的な配置の例を示した図である。穴部17の典型的な配置の例としては、図4(a)に示すように各穴部17が繰り返し単位を正方形として配列する正方格子配置や、図4(b)に示すように各穴部17が、繰り返し単位を正三角形または正六角形として配置する六方格子配置が挙げられる。また、その他の配置としては、長方格子、平面斜方格子(平行四辺形格子)、面心長方格子、ハニカム格子等の平面格子パターンが挙げられる。
図4(a)(b)に示すように、穴部17を周期的に配置した場合に、隣接する穴部17間の最短距離をAとすると、穴部17間の最短距離Aは、穴部17の直径D以下であることが好ましい。すなわち、穴部17の直径Dと穴部17間の最短距離Aとの比(D:A)を、1:Xで表すと、Xは0以上1以下の範囲(0≦X≦1)であることが好ましい。また、この場合、有機発光素子10の光取り出し効率を向上させる観点で、Xは、0.15以上0.70以下の範囲(0.15≦X≦0.70)であることがより好ましい。
ここで、穴部17同士の最短距離Aは、0であってもよい。この場合、隣接する穴部17同士が、少なくとも誘電体層13の上面側において接続された状態となる。
(第2の実施形態:上側電極が透光性の陰極層である有機発光素子)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。なお、実際の有機発光素子10は、図5に示した構造が図中横方向に繰り返された形態を採る。
図1〜図4で説明した第1の実施形態に係る有機発光素子10は、透光性の陽極層12が基板11に接して設けられ、基板11側から光を取り出す構造である。これに対し、第2の実施形態に係る有機発光素子10は、基板11と反対側の陰極層16が透光性であり、基板11と反対側から光を取り出す(光線L3、L4)点が第1の実施形態と異なっている。
透光性の陰極層16の材料としては、前述の第1の実施形態の陽極層12に使用可能な透光性の導電性金属酸化物を用いることができる。
また、透光性の陰極層16と有機半導体層15との間に図示しない陰極バッファ層を形成し、有機半導体層15への電子注入効率を向上させることが好ましい。陰極バッファ層に適用可能な材料としては、例えば、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba、Ca、Mg)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)、あるいはこれら金属のフッ化物、塩化物、酸化物から選ばれる単体あるいは2つ以上の混合物等が挙げられる。陰極バッファ層の膜厚は、透過損失を抑えるために10nm以下とすることが好ましい。
本実施形態のように、有機発光素子10の基板11側から光を取り出す必要がない場合は、基板11の材料としては、発光光に対して透光性を有するもの(前述の第1の実施形態の基板11に使用可能な材料)には限られず、不透明なものも使用できる。具体的には、シリコン(Si)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、もしくはニオブ(Nb)の単体、またはこれらの合金、あるいはステンレス等も使用することができる。
特に、光を基板11とは反対側のみから取り出す場合は、基板11の材料は発光光に対して反射性の材料であることが好ましい。基板11に光反射性の材料を用いた場合、発光層15aから発して穴部17を通過して基板11側へ向かう光が、基板11の表面で反射して基板11の反対側から取り出されるため、有機発光素子10の光取り出し効率が向上する。この場合、基板11に用いる材料の反射率が高いほど光取り出し効率が向上する。反射性の基板11に適用可能な材料としては、Al、Ag、Mo、W、Ni、Cr等の高反射率の金属、NiP、NiB、CrP、CrB等の高反射率のアモルファス合金、NiAl等の高反射率の微結晶合金等が挙げられる。
同様に、陽極層12に用いられる材料も、有機発光素子10の基板11側から光を取り出す必要がない場合は、発光光に対して透光性を有するもの(前述の第1の実施形態の陽極層12に使用可能な材料)には限られず、不透明なものも使用できる。
特に、光を基板11とは反対側のみから取り出す場合は、基板11側にある陽極層12の材料は、発光層15aから出る光に対して反射性の材料であることが好ましい。陽極層12に光反射性の材料を用いた場合、発光層15aから発して陽極層12側へ向かう光が陽極層12の表面で反射して、基板11の反対側から取り出されるため、有機発光素子10の光取り出し効率が向上する。この場合、陽極層12に用いる材料の反射率が高いほど光取り出し効率が向上する。反射性の陽極層12に適用可能な材料としては、前述の反射性の基板11に適用可能な材料が挙げられる。
また、反射性の陽極層12と有機半導体層15との間に図示しない陽極バッファ層を形成し、有機半導体層15への正孔注入効率を向上させることが好ましい。陽極バッファ層に適用可能な材料としては、例えば、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、GZO(ガリウム酸化亜鉛)、AZO(アルミニウム酸化亜鉛)、IGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)、AGZO(酸化アルミニウムガリウム亜鉛)等が挙げられる。
本例の有機発光素子10におけるその他の構成要素の説明は、図1に示した第1の実施形態に係る有機発光素子10の説明と同じである。
(第3の実施形態:上側電極が透光性の陽極層である有機発光素子)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。なお、実際の有機発光素子10は、図6に示した構造が図中横方向に繰り返された形態を採る。
図6に示す第3の実施形態に係る有機発光素子10の構造は、第1の実施形態に係る有機発光素子10(図1参照)における透光性の陽極層12の位置と陰極層16の位置とを入れ替えた構造で、上側の透光性の陽極層12から発光光が出射する(光線L5、L6)。また、本実施形態では、穴部17は、誘電体層13および陰極層16を貫通するように形成される。
本実施形態における透光性導電層14は、有機半導体層15の発光層15aにおいて発せられる光に対し、透過性を有するとともに導電性を有する。また、更に有機半導体層15への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる機能を有することが好ましい。このような条件を満たすために透光性導電層14に使用される材料としては、例えば、n型ドーピングされた導電性高分子等を用いることができる。n型ドーピングされた導電性高分子の具体的な化合物としては、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。また、n型ドーピングされた導電性高分子は塗布成膜が可能なため、穴部17が形成される位置において、有機半導体層15と透光性導電層14との界面を基板11側に凹む曲面形状とすることが容易である。
本実施形態においても、第2の実施形態の場合と同様に、有機発光素子10の基板11側から光を取り出す必要がない場合には、基板11の材料としては、可視光に対して透明であるものには限られず、不透明なものも使用できる。この場合の基板11の具体的な材料についても、第2の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。
また、特に光を基板11とは反対側のみから取り出す場合についても、第2の実施形態の場合と同様に、基板11の材料として発光光に対して反射性を有する材料を用いることが好ましい。この場合の基板11の具体的な材料についても、第2の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。
陰極層16の材料としては、第1の実施形態で挙げた材料を使用することが好ましい。陰極層16の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。
また、更に光を基板11と反対側のみから取り出す場合も、第1の実施形態の場合と同様に、陰極層16の材料は発光層15aから出る光に対して反射性の材料であることが好ましい。この場合に陰極層16として用いることができる具体的な材料についても、前述の第1の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。
本実施形態の有機発光素子10におけるその他の構成要素の説明は、図1に示した第1の実施形態に係る有機発光素子10の説明と同じである。
(第4の実施形態:下側電極が透光性の陰極層である有機発光素子)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る有機発光素子の一例を説明した部分断面図である。なお、実際の有機発光素子10は、図7に示した構造が図中横方向に繰り返された形態を採る。
本実施形態の有機発光素子10は、陰極層16が透光性であり、基板11側から発光光が出射する(光線L7、L8)点以外は、上述した第3の実施形態の有機発光素子10(図6参照)と同様の構造を有する。
透光性の陰極層16の材料としては、第2の実施形態の場合と同様に、前述の第1の実施形態の陽極層12に使用可能な透光性の導電性金属酸化物を用いることができる。
また、第3の実施形態の場合と同様に、透光性の陰極層16と有機半導体層15との間に図示しない陰極バッファ層を形成し、有機半導体層15への電子注入効率を向上させることが好ましい。陰極バッファ層の具体的な材料としては、第3の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。陰極バッファ層の膜厚は、透過損失を抑えるために10nm以下とすることが好ましい。
基板11の材料としては、第1の実施形態の場合と同様に、有機発光素子10の基板11側から光を取り出すために、発光層15aから出る光に対して光透過性であることが必要である。基板11の具体的な材料としては、第1の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。
基板11の厚さは、要求される機械的強度にもよるが、好ましくは、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.25mm〜2mmである。
更に、光を基板11側のみから取り出す場合は、基板11と反対側にある陽極層12の材料は、発光層15aから出る光に対して反射性の材料であることが好ましい。陽極層12に反射性の材料を用いた場合、発光層15aから発して陽極層12側へ向かう光が陽極層12の表面で反射して基板11側から取り出されるため、光取り出し効率が向上する。この場合、陽極層12に用いる材料の反射率が高いほど光取り出し効率が向上する。反射性の陽極層12に適用可能な材料としては、Al、Ag、Mo、W、Ni、Cr等の高反射率の金属、NiP、NiB、CrP、CrB等の高反射率のアモルファス合金、NiAl等の高反射率の微結晶合金等が挙げられる。
また、第2の実施形態の場合と同様に、反射性の陽極層12と有機半導体層15との間に図示しない陽極バッファ層を形成して、有機半導体層15への正孔注入効率を向上させることが好ましい。陽極バッファ層の具体的な材料としては、第2の実施形態で挙げたものと同じ材料を用いることができる。
本例の有機発光素子10におけるその他の構成要素の説明は、図6で説明した第3の実施形態に係る有機発光素子10と同じである。
なお、上述した本発明の有機発光素子10の実施の形態の適用例の説明においては、すべて基板11に隣接する下側電極と基板11から離れた側の上側電極とのいずれか一方が発光層15aからの発光光に対し透光性を有する素子構造を中心に説明したが、両方の電極が透光性を有していて有機発光素子10の上下面の両方から光を取り出す素子構造としてもよい。
(光取り出し効果の説明)
次に本実施の形態の有機発光素子10における誘電体層13による光取り出し効果を図8および図9により説明する。
図8は、従来技術の有機発光素子100の構造を示したものであり、透光性の基板111上に順に透光性の第1電極112、発光層を含む有機層115、反射性の第2電極116が積層された構造を示す。ここで、発光位置Pからの放射角(基板平面の法線に対する角度)の大きさにより光の進行の様子が異なる。放射角が小さいうちは光線L11で示すように外部に取り出される。しかし、放射角が大きくなると先ず基板111の外表面で全反射が起こる(光線L12)。更に放射角が大きくなると透光性の第1電極112と基板111との界面で全反射が起こる(光線L13)。これらの全反射光は、反射性の第2電極116の表面でも反射して導波モードとなり、外部へ取り出されることはない。
これに対し、本実施の形態の有機発光素子10は、陽極層12と誘電体層13とを貫通する複数の穴部17を有する。そして、本実施の形態の有機発光素子10では、前述のように、有機半導体層15の最下点151が、第1の位置P1と第2の位置P2との間に位置するように、有機半導体層15が形成されている。これにより、本実施の形態の有機発光素子10では、有機半導体層15の発光層15aが、穴部17内において誘電体層13の側方に位置する確率が高くなる。
図9に、本実施の形態の有機発光素子10において光取り出しに関わる屈折率の界面の近傍における構造を示す。図9では、有機層115と、誘電体層113および第1電極112の積層体とが、基板111平面に垂直な面(界面112a;図1の陽極層穴部内側面12aに相当、界面113a;図1の誘電体層穴部内側面13aに相当)を介して接している。図9では、例えば、透光性の第1電極112として、有機層115(代表的な屈折率:1.7)よりも高屈折率のITO(代表的な屈折率:1.9)を使用する場合を想定する。
ここで、まず図9において、図1に示したように穴部17内に透光性導電層14が形成されることにより、発光層15aの位置が穴部17内の上部に設定される場合を想定する。すなわち、有機層115と誘電体層113との界面113aの側方における有機層115中に発光位置Qが位置し、この発光位置Qから放射されて界面113aに入射する2つの光線をL12aおよびL13aとする。図9における光線L12aおよび光線L13aは、それぞれ、図8における光線L12および光線L13と放射角が同じである。上述したように、図8の従来構造の有機発光素子100では、光線L12および光線L13は、有機発光素子100の外部には取り出されない。
これに対し、図9に示す例では、光線L12aおよび光線L13aは、有機層115と有機層115よりも屈折率が低い誘電体層113との界面113aに入射することにより、それぞれ基板111平面の法線方向寄りに屈折する。この結果、光線L12aおよび光線L13aは、第1電極112と基板111との界面、および基板111の外表面への入射角が臨界角よりも小さくなるため、これらの界面で全反射することなく外部へ取り出される。
次に、図9において、穴部17内に透光性導電層14が形成されず、発光層15aの位置が穴部17内の下部に設定される場合を想定する。すなわち、有機層115と第1電極112との界面112aの側方における有機層115中に発光位置Rが位置し、この発光位置Rから放射されて界面112aに入射する2つの光線をL12bおよびL13bとする。図9における光線L12bおよび光線L13bは、それぞれ、図8における光線L12およびL13と放射角が同じである。
この場合、光線L12bおよび光線L13bは、有機層115と有機層115よりも屈折率が高い第1電極112との界面112aに入射することにより、それぞれ基板111平面に沿う方向寄りに屈折する。この結果、光線L12bおよび光線L13bは、第1電極112と基板111との界面への入射角が臨界角よりも大きくなるため、この界面で全反射して外部へは取り出されない。
また、本実施の形態では、透光性導電層14の導電率が、1×10−10S/cm以上1×10−1S/cm以下の範囲となっている。これにより、電圧印加時に、透光性導電層14を介して、穴部17内に配置された有機半導体層15の全体に電流が流れやすくなっている。このことにより、電流が発光層15a中を局所的に流れず、発光層15aにおいて電流分布が均一になるため、発光層15aの耐久性が向上する。
(第5の実施形態:マルチスタック構造)
上述した図1等では、基板11、陽極層12、誘電体層13、透光性導電層14、有機半導体層15および陰極層16が順に積層され、正孔輸送層/発光層/電子輸送層からなる発光ユニット(有機半導体層15)を1つ有する所謂シングル構造の有機発光素子10について説明した。
本発明が適用される有機発光素子は、上記シングル構造の有機発光素子10の有機半導体層15と陰極層16との間に、更に1つ以上の発光ユニット(有機半導体層)を備え、隣接する発光ユニット(有機半導体層)間に電荷発生層が挿入されている所謂マルチスタック構造を有していてもよい。図10は、マルチスタック構造を有する有機発光素子の一例を示した部分断面図である。
図10に示す構造は、第1の実施形態の有機発光素子(図1参照)をベースとして、この有機発光素子10における有機半導体層15上に、電荷発生層21を介して第2有機半導体層22と陰極層23とが積層された2段のマルチスタック構造である。本例が適用される有機発光素子20は、基板11、陽極層12、誘電体層13、透光性導電層14および有機半導体層15が順に積層されるとともに、有機半導体層15上に、電荷発生層21、第2有機半導体層22および陰極層23が順に積層された構造を有している。
なお、図10に示した有機発光素子20の基板11、陽極層12、誘電体層13、透光性導電層14および有機半導体層15は、上述した図1と同様の構成を有しており、同様の材料を用いることができる。
(電荷発生層)
電荷発生層21は、有機半導体層15に電子を注入するとともに、第2有機半導体層22に正孔を注入するために設けられ、有機半導体層15とともに、発光領域の全面にわたって連続的に形成されている。
電荷発生とは、ホール輸送材料のHOMO準位から電子を引き抜き、電荷発生材料のLUMO準位に電子を注入する現象である。そのため、電荷発生層21には、一般的に金属酸化物とホール輸送材料との組み合わせが用いられる。金属酸化物の膜厚は、好ましくは1nm〜20nm、より好ましくは、3nm〜10nmであり、ホール輸送材料の膜厚は、好ましくは5nm〜100nm、より好ましくは20nm〜70nmである。金属酸化物およびホール輸送材料は、ともに、膜厚が薄すぎると電荷発生の能力が十分得られず、また厚すぎると光の透過損失が大きくなるために好ましくない。
上記金属酸化物としては、MoO、V、WO等が挙げられ、上記ホール輸送材料としては、NPD(4,4-Bis[N-(1-naphtyl)-N-phenyl-amino]biphenyl)やTAPC(di-[4-(N,N-ditolyl-amino)-phenyl]cyclohexane)等のアリルアミン系化合物等が挙げられる。また、金属酸化物に代わり、HAT−CN(hexaazatriphenylenehexacarbonitrile)のような有機分子のアクセプター材料も使用できる。上記の中でも、MoOとNPDとの組み合わせが、エネルギー準位の差が小さく電圧の損失が少ないことから特に好ましい。
(第2有機半導体層)
第2有機半導体層22は、発光層22aを含む1層または積層された複数の化合物からなる層で構成され、電荷発生層21上に形成される。
第2有機半導体層22は、上述した第1の実施形態に係る有機発光素子10の有機半導体層15と同様の構成とすることができる。すなわち、第2有機半導体層22は、発光層22aを含み、その他適宜、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層を含んでいてもよい。また、これらの層に用いられる材料も、第1の実施形態で挙げられた材料を使用することができる。よって、第2有機半導体層22の詳細については説明を省略する。
(陰極層)
陰極層23は、電荷発生層21との間に電圧を印加することにより、第2有機半導体層22に電子を注入する。陰極層23も、上述した第1の実施形態に係る有機発光素子10の陰極層16と同様の構成とすることができ、これに用いられる材料も、第1の実施形態で挙げられた材料を使用することができる。よって、陰極層23の詳細については説明を省略する。
また、陰極層23から第2有機半導体層22への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、図示しない陰極バッファ層を、陰極層23に隣接して設けてもよい。
陰極バッファ層も、上述した第1の実施形態に係る有機発光素子10の陰極バッファ層と同様の構成とすることができ、これに用いられる材料も、第1の実施形態で挙げられた材料を使用することができる。よって、陰極バッファ層の詳細については説明を省略する。
上述したように、本実施の形態では、誘電体層13および陽極層12を貫通するように、複数の穴部17を設けた構造を有している。このような構造を有する場合、高電流領域において電流が流れにくくなるため、輝度を向上させようとする場合には、高電圧を印加する必要がある。この結果、穴部17を設けない構造の有機発光素子と比較して、高電流領域では、電力効率が低下する傾向がある。
これに対し、図10に示したように、マルチスタック構造を採用した有機発光素子20では、有機半導体層15と第2有機半導体層22との双方で発光が起こるため、マルチスタック構造を採用しない有機発光素子と同じ輝度を得るための電流がおよそ1/2となる。この結果、それぞれの有機発光素子20を低電流領域で駆動することが可能になるため、マルチスタック構造を採用しない場合と比較して、高電流領域(高輝度)で駆動させる場合には、高い電力効率を得ることが可能になる。
以上、図10を用いて説明したマルチスタック構造の有機発光素子20は、第1の実施形態に係る有機発光素子10の基板11から有機半導体層15までの積層構造をベースとし、この上に電荷発生層21を介して第2有機半導体層22と陰極層23とが積層された構造である。しかし、本実施形態に係るマルチスタック構造の有機発光素子20は、上記構造に限定されない。上述した第2の実施形態、第3の実施形態および第4の実施形態に係る有機発光素子10の基板11から有機半導体層15までの積層構造をベースとして、この上に電荷発生層21を介して第2有機半導体層22と陰極層23とが積層されたマルチスタック構造であってもよい。また、基板11から有機半導体層15までの積層構造上に、2層以上の有機半導体層が電荷発生層を介して積層された構造であってもよい。
(有機発光素子の製造方法)
次に、本実施の形態が適用される有機発光素子10の製造方法について説明を行う。なお、以下では、透光性導電層14が穴部17の内部のみに形成され、誘電体層13上には形成されていない有機発光素子10を製造する場合を例に挙げて、説明する。
図11(a)〜(f)は、本実施の形態が適用される有機発光素子10の製造方法について説明した図である。
まず基板11上に第1電極層である陽極層12を形成し(第1電極層形成工程)、続いて陽極層12上に絶縁性の誘電体層13を形成する(図11(a):誘電体層形成工程)。本実施の形態では、基板11として、ガラス基板を使用する。また陽極層12を形成する材料としてITOを使用し、また誘電体層13を形成する材料として二酸化ケイ素(SiO)を使用する。
陽極層12および誘電体層13を基板11上に形成するには、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などのドライ法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などのウェット法を用いることができる。
なお基板11に陽極層12としてITOが既に形成されているいわゆる電極付き基板を用いることで、陽極層12を形成する工程を省略することができる。
次に、誘電体層13上に撥液処理を行う(図11(b):撥液処理工程)。誘電体層13の表面に撥液処理を行い、撥液層19を形成することで、透光性導電層14を穴部17の内部のみに形成することができ、穴部17の内部のみを発光させることができる。撥液処理の方法としては、撥液材料薄膜を誘電体層13の表面に形成する方法や、誘電体層13の表面を改質する方法等が挙げられる。
撥液材料としては、例えば、撥液作用が期待できる芳香環、アルキル鎖、フッ素等を適宜含んだ有機物や、金属フッ化物、金属酸化物等の無機物が挙げられる。
一方、誘電体層13の表面を改質する方法としては、例えば、高周波プラズマ処理、スパッタリング処理、コロナ放電処理、UVオゾン処理、酸素プラズマ処理などが挙げられる。上記の中でも、誘電体層13の表面を、フルオロカーボンを含むガス雰囲気で高周波プラズマ処理する方法は、簡便で適切な撥液性能が得られる点で特に好ましい。
また、誘電体層13上の撥液処理は、後述の穴部形成工程の後で、透光性導電層形成工程の前に行ってもよい。なお、この場合は、穴部17の内面を保護マスクで覆って、穴部17の内部に撥液処理が施されないようにする。
次に、誘電体層形成工程で形成した誘電体層13および第1電極層形成工程で形成した陽極層12を貫通する穴部17を形成する(図11(c):穴部形成工程)。
誘電体層13および陽極層12に穴部17を形成する方法としては、例えば、リソグラフィを用いた方法が使用できる。これを行うには、まず誘電体層13の上にレジスト液を塗布し、スピンコート等により余分なレジスト液を除去して、レジスト層を形成する。次に穴部17を形成するための所定のパターンが描画されたマスクをかぶせ、紫外線(UV:Ultra Violet)、電子線(EB:Electron Beam)等により露光を行うと、レジスト層に穴部17に対応した所定のパターンが露光される。そして現像液を用いてレジスト層の露光部分を除去すると、露光されたパターンの部分のレジスト層が除去される。これにより露光されたパターンの部分に対応して、誘電体層13の表面が露出する。
次に、残存したレジスト層をマスクとして、露出した誘電体層13の部分をエッチング除去する。エッチングとしては、ドライエッチングとウェットエッチングの何れをも使用することができる。またこの際に等方性エッチングと異方性エッチングを組合せることで、穴部17の形状の制御を行うことができる。ドライエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチングが利用でき、またウェットエッチングとしては、希塩酸や希硫酸への浸漬を行う方法などが利用できる。最後に残存したレジスト層をレジスト除去液等により除去することで、誘電体層13に穴部17が形成される。
また穴部17の形成は、ナノインプリント法によって行うことができる。具体的にはレジスト層を形成した後に、パターンを形成するための所定の凸パターンが描画されたマスクを、レジスト層表面に、圧力をかけて押し当てる。そしてこの状態で、熱および/または光をレジスト層に照射することにより、レジスト層を硬化させる。次にマスクを除去することにより、レジスト層表面に凸パターンに対応する穴部17のパターンが形成される。
なお、マスクの凸パターンに対応する穴部17の底部に残ったレジストの残膜は、酸素反応性イオンエッチング等により除去し、誘電体層13の表面を露出させる。続いて、このドットパターンが形成されたレジスト層をマスクとして、前述したエッチングを行うことにより、穴部17を形成することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、誘電体層13上に撥液層19を形成しているが、穴部17を形成する際に、穴部17の内側に位置する撥液層19は誘電体層13等と同時に取り除かれる。この結果、撥液層19は、穴部17の外に位置する誘電体層13上に形成された状態となる。
次に少なくとも穴部17の内部に、陽極層12と電気的に接する透光性導電層14を形成する(図11(d):透光性導電層形成工程)。
透光性導電層14を形成するには、陽極層12や誘電体層13を形成したのと同様の手法を使用することができる。ただし透光性導電層14として高分子有機化合物が含まれる層を成膜する場合は、特に塗布法が好ましい。塗布法により成膜を行なう場合は、透光性導電層14を構成する材料を、有機溶媒や水等の所定の溶媒に分散させた塗布溶液を塗布する。塗布を行う際にはスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング法、インクジェット法、スリットコーティング法、ディスペンサー法、印刷等の種々の方法を使用することができる。
上述したように、撥液処理工程により穴部17の外に位置する誘電体層13上には、塗布溶液の溶媒をはじく撥液層19が形成されているため、塗布溶液の塗布を行うことで、誘電体層13上では塗布溶液がはじかれ、穴部17の内部に選択的に塗布溶液が塗布されることになる。この結果、塗布溶液を乾燥させることで、穴部17の内部に選択的に透光性導電層14が形成される。ここで、本実施の形態では、透光性導電層14の塗布溶液の塗布量は、乾燥後の塗布膜上面の最下点が、第1の位置P1と第2の位置P2(ともに図2参照)との間に位置するように設定される。
続いて、穴部17の内部に形成された透光性導電層14上および穴部17の外に位置する誘電体層13上に、発光層15aを含む有機半導体層15を形成する(図11(e):有機半導体層形成工程)。本実施の形態では、発光層15aの最下点151が上述した第1の位置P1と第2の位置P2(ともに図2参照)との間に位置するように有機半導体層15が形成される。具体的には、発光層15aの最下点151(図2参照)が、陽極層12と誘電体層13との界面から誘電体層13の膜厚の2/3の距離だけ誘電体層13側へ入った位置と、陽極層12と誘電体層13との界面から誘電体層13の膜厚の1/3の距離だけ陽極層12側へ入った位置との間に存在するように、有機半導体層15が形成される。
有機半導体層15を構成する各層を形成するには、透光性導電層14を形成したのと同様の手法を使用することができる。
次に有機半導体層15上に第2電極層である陰極層16を形成する(図11(f):第2電極層形成工程)。
陰極層16を形成するには、陽極層12や誘電体層13を形成したのと同様の手法を使用することができる。
また、穴部17の側面に沿って均一な厚さで透光性導電層14や有機半導体層15を形成する場合には、ドライ法(真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法など)を用い、成膜する成分の粒子が蒸着源またはターゲットから基板面に対して斜めに放出されるようにし、基板を回転させながら成膜することが好ましい。
以上の工程により、有機発光素子10を製造することができる。
なお、上述した製造方法では、透光性導電層14が、穴部17の内部のみに形成され、誘電体層13上には形成されていない有機発光素子10の製造方法を例に挙げたが、図1に示したような透光性導電層14が誘電体層13上にも形成される有機発光素子10も同様に製造することができる。この場合、上述した撥液処理工程を行わずに、透光性導電層形成工程を実行すればよい。
(マルチスタック構造の有機発光素子の製造方法)
続いて、図10に示したマルチスタック構造を有する有機発光素子20の製造方法について説明を行う。
マルチスタック構造を有する有機発光素子20を製造する場合には、第1電極層形成工程、誘電体層形成工程、撥液処理工程、穴部形成工程、透光性導電層形成工程および有機半導体層形成工程については、上述したシングル構造の有機発光素子10の製造方法と同様に行う。
続いて、有機半導体層15上に、電荷発生層21を形成する(電荷発生層形成工程)。電荷発生層21は、金属酸化物層の部分は、上述した陽極層12、誘電体層13等の形成方法と同様の方法で形成することができ、ホール輸送材料層の部分は、上述した有機半導体層15の形成方法と同様の方法で形成することができる。
次いで、電荷発生層21上に、第2有機半導体層22を形成する(第2有機半導体層形成工程)。第2有機半導体層22は、上述した有機半導体層15と同様の方法で形成することができる。
次に、第2有機半導体層22上に、陰極層23を形成し(第2電極層形成工程)、一連の処理を終了する。なお、陰極層23は、上述した陰極層16と同様の方法で形成することができる。
以上の工程により、マルチスタック構造を有する有機発光素子20を製造することができる。
また、有機発光素子10(有機発光素子20)を長期安定的に用い、有機発光素子10を外部から保護するための保護層や保護カバー(図示せず)を装着することが好ましい。保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素等のシリコン化合物などを用いることができる。そして、これらの積層体も用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板、金属などを用いることができる。この保護カバーは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法を採ることが好ましい。またこの際に、スペーサを用いることで所定の空間を維持することができ、有機発光素子10が傷つくのを防止できるため好ましい。そして、この空間に窒素、アルゴン、ヘリウムのような不活性なガスを封入すれば、上側の陰極層16の酸化を防止しやすくなる。特にヘリウムを用いた場合、熱伝導が高いため、電圧印加時に有機発光素子10より発生する熱を効果的に保護カバーに伝えることができるため、好ましい。更に酸化バリウム等の乾燥剤をこの空間内に設置することにより上記一連の製造工程で吸着した水分が有機発光素子10にダメージを与えるのを抑制しやすくなる。
本実施の形態の有機発光素子10および有機発光素子20は、例えば、マトリックス方式またはセグメント方式による画素として表示装置に好適に用いられる。また、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。具体的には、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、標識、看板、ビデオカメラのビューファインダー等における表示装置、バックライト、電子写真、照明、レジスト露光、読み取り装置、インテリア照明、光通信システム等における面発光光源に好適に用いられる。
(表示装置)
次に、以上詳述した有機発光素子10を備える表示装置について説明を行う。
図12は、本実施の形態における有機発光素子10を用いた表示装置の一例を説明した図である。
図12に示した表示装置200は、いわゆるパッシブマトリクス型の表示装置であり、表示装置基板202、陽極配線204、陽極補助配線206、陰極配線208、絶縁膜210、陰極隔壁212、有機発光素子10、封止プレート216、シール材218とを備えている。
表示装置基板202としては、例えば、矩形状のガラス基板等の透明基板を用いることができる。表示装置基板202の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1mm〜1mmのものを用いることができる。
表示装置基板202上には、複数の陽極配線204が形成されている。陽極配線204は、一定の間隔を隔てて平行に配置される。陽極配線204は、透明導電膜により構成され、例えばITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。また陽極配線204の厚さは例えば、100nm〜150nmとすることができる。そして、それぞれの陽極配線204の端部の上には、陽極補助配線206が形成される。陽極補助配線206は陽極配線204と電気的に接続されている。このように構成することにより、陽極補助配線206は、表示装置基板202の端部側において外部配線と接続するための端子として機能し、外部に設けられた図示しない駆動回路から陽極補助配線206を介して陽極配線204に電流を供給することができる。陽極補助配線206は、例えば、厚さ500nm〜600nmの金属膜によって構成される。
また、有機発光素子10上には、複数の陰極配線208が設けられている。複数の陰極配線208は、それぞれが平行となるよう、かつ、陽極配線204と直交するように配設されている。陰極配線208には、Al又はAl合金を使用することができる。陰極配線208の厚さは、例えば、100nm〜150nmである。また、陰極配線208の端部には、陽極配線204に対する陽極補助配線206と同様に、図示しない陰極補助配線が設けられ、陰極配線208と電気的に接続されている。よって、陰極配線208と陰極補助配線との間に電流を流すことができる。
表示装置基板202上には、陽極配線204を覆うように絶縁膜210が形成される。絶縁膜210には、陽極配線204の一部を露出するように矩形状の開口部220が設けられている。複数の開口部220は、陽極配線204の上にマトリクス状に配置されている。この開口部220において、後述するように陽極配線204と陰極配線208の間に有機発光素子10が設けられる。すなわち、それぞれの開口部220が画素となる。従って、開口部220に対応して表示領域が形成される。ここで、絶縁膜210の膜厚は、例えば、200nm〜300nmとすることができ、開口部220の大きさは、例えば、300μm×300μmとすることができる。
陽極配線204上の開口部220の位置に対応した箇所に、有機発光素子10が形成されている。有機発光素子10は、開口部220において陽極配線204と陰極配線208とに挟持されている。すなわち、有機発光素子10の陽極層12(図1参照)が陽極配線204と接触し、陰極層16(図1参照)が陰極配線208と接触する。有機発光素子10の厚さは、例えば、150nm〜200nmとすることができる。
絶縁膜210の上には、複数の陰極隔壁212が陽極配線204と垂直な方向に沿って形成されている。陰極隔壁212は、陰極配線208の配線同士が導通しないように、複数の陰極配線208を空間的に分離するための役割を担っている。従って、隣接する陰極隔壁212の間にそれぞれ陰極配線208が配置される。陰極隔壁212の大きさとしては、例えば、高さが2μm〜3μm、幅が10μmのものを用いることができる。
表示装置基板202は、シール材218を介して封止プレート216と貼り合わせられている。これにより、有機発光素子10が設けられた空間を封止することができ、有機発光素子10が空気中の水分により劣化するのを防ぐことができる。封止プレート216としては、例えば、厚さが0.7mm〜1.1mmのガラス基板を使用することができる。
このような構造の表示装置200において、図示しない駆動装置により、陽極補助配線206、図示しない陰極補助配線を介して、有機発光素子10に電流を供給し、発光層15a(図1参照)を発光させ、光を出射させることができる。そして、上述の画素に対応した有機発光素子10の発光、非発光を制御装置により制御することにより、表示装置200に画像を表示させることができる。
なお、図示は省略するが、図10に示したマルチスタック構造の有機発光素子20も同様に表示装置に用いることができる。
(照明装置)
次に、本実施の形態の有機発光素子10を用いた照明装置について説明を行う。
図13は、本実施の形態における有機発光素子10を備える照明装置の一例を説明した図である。
図13に示した照明装置300は、上述した有機発光素子10と、有機発光素子10の基板11の1つの端部に設置され陽極層12(図1参照)に接続される端子302と、基板11の他の端部に設置され有機発光素子10の陰極層16(図1参照)に接続される端子303と、端子302と端子303とに接続し有機発光素子10を駆動するための点灯回路301とから構成される。
点灯回路301は、図示しない直流電源と図示しない制御回路とを内部に有し、端子302と端子303を通して、有機発光素子10の陽極層12と陰極層16との間に電流を供給する。そして、有機発光素子10を駆動し、発光層15a(図1参照)を発光させて、穴部17(図1参照)および誘電体層13(図1参照)から基板11を通し、光を出射させ、照明光として利用する。発光層15aは白色光を出射する発光材料より構成されていてもよく、また緑色光(G)、青色光(B)、赤色光(R)を出射する発光材料を使用した有機発光素子10をそれぞれ複数個設け、その合成光が白色となるようにしてもよい。なお、本実施の形態の照明装置300では、穴部17の径と間隔を小さくして発光させた場合、人間の目には面発光しているように見える。
なお、図示は省略するが、図10に示したマルチスタック構造の有機発光素子20も同様に照明装置に用いることができる。
続いて、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明者は、透光性導電層14の導電性、および穴部17の深さ方向における有機半導体層15の位置、および穴部17のサイズと配置間隔を異ならせて、有機発光素子10の作製を行い、作製した有機発光素子10の評価を行った。
(実施例1)
図1に示す有機発光素子10を以下のように作製した。まず、厚さ0.7mmのガラスからなる基板11上に、陽極層12として膜厚150nmのITO層、誘電体層13として膜厚150nmのSiO層を順に成膜した後、上述の穴部形成工程にて示した方法で、陽極層12と誘電体層13とを貫通する複数の穴部17を形成した。ここで、複数の穴部17は、上述の図4(b)で示したように、平面視で六方格子状に配置した。穴部17の形状は円形とするとともに穴部17の直径Dは500nmとし、隣接する穴部17間の最短距離Aは500nmとした。そして、穴部17の直径Dと隣接する穴部17間の最短距離Aとの比率(D:A)を1:1とした。
続いて、誘電体層13上および穴部17の内部に、透光性導電層14をスピンコート法により成膜した。透光性導電層14としては、下記の化学式E1で示すPEDOTとPSSとの混合物(PEDOT:PSS、Aldrich社製、製品番号560596)を用いた。穴部17内における乾燥後の透光性導電層14の膜厚は、穴部17の中央部で最も薄く、150nmであった。また、透光性導電層14の導電率は、1×10−5S/cmであった。
さらに、透光性導電層14上に、有機半導体層15として、下記の化学式E2で示すm−MTDATAからなる膜厚20nmの正孔輸送層、化学式E3で示すR色素のIr(piq)と、化学式E4で示すG色素のIr(ppy)と、化学式E5で示すBFA−1Tとを、1:24:75の比率で混合した膜厚20nmのRG発光層、化学式E6で示すB色素のFirpicおよび化学式E7で示すPyTMBを20:80の比率で混合した膜厚10nmのB発光層、化学式8で示すAlqからなる膜厚20nmの電子輸送層、化学式E9で示すBCPおよびセシウム(Cs)を20:1の比率で混合した膜厚10nmの電子注入層を順に成膜した。以上のようにして、穴部17の深さ方向において、有機半導体層15の最下点151の位置が、陽極層12と誘電体層13との界面の位置に設定された。
次いで、有機半導体層15上に、陰極層16として膜厚100nmのアルミニウム(Al)を成膜し、図1に示した構造を有する有機発光素子10を得た。なお、発光領域の大きさは3mm×4mmである。
Figure 2015090817
Figure 2015090817
Figure 2015090817
Figure 2015090817
(実施例2、3、比較例1〜3)
有機半導体層15の最下点151の位置が異なる以外は実施例1と同様にして、実施例2、3、比較例1〜3の有機発光素子10を作製した。
具体的には、実施例2では、有機半導体層15の最下点151の位置を、陽極層12と誘電体層13との界面から陰極層16側(上方)に100nmに入った位置(図1におけるP1に対応)とするために、穴部17内における透光性導電層14の膜厚の最小値(穴部17の中央部における膜厚)が250nmになるように、透光性導電層14を成膜した。
実施例3では、有機半導体層15の最下点151の位置を、陽極層12と誘電体層13との界面から基板11側(下方)に50nm入った位置(図1におけるP2に対応)とするために、穴部17内における透光性導電層14の膜厚の最小値(穴部17の中央部における膜厚)が100nmになるように、透光性導電層14を成膜した。
また、比較例1では、有機半導体層15の最下点151の位置を、穴部17の上面よりも上方、すなわち誘電体層13の上面よりも陰極層16側(上方)に50nm入った位置とするために、穴部17の上方の領域における透光性導電層の膜厚の最小値(穴部17の中央部における膜厚)が350nmになるように、透光性導電層14を成膜した。
さらに、比較例2では、有機半導体層15の最下点151の位置を、P1から陰極層16側(上方)にさらに20nm入った位置とするために、穴部17内における透光性導電層14の膜厚の最小値(穴部17の中央部における膜厚)が270nmになるように、透光性導電層14を成膜した。
さらにまた、比較例3では、有機半導体層15の最下点151の位置を、P2から基板11側(下方)に50nm入った位置とするために、穴部17内における透光性導電層14の膜厚の最小値(穴部17の中央部における膜厚)が50nmになるように透光性導電層14を成膜した。
(実施例4〜6)
穴部17の直径Dおよび隣接する穴部17間の最短距離Aが異なる以外は実施例1と同様にして、実施例4〜6の有機発光素子10を作製した。具体的には、実施例4では、穴部17の直径Dを950nm、穴部17間の最短距離Aを50nmとし、DとAとの比率を1:0.05とした。また、実施例5では、穴部17の直径Dを850nm、穴部17間の最短距離Aを150nmとし、DとAとの比率を1:0.18とした。さらに、実施例6では、穴部17の直径Dを600nm、穴部17間の最短距離Aを400nmとし、DとAとの比率を1:0.67とした。
(実施例7〜10、比較例4、5)
透光性導電層14を構成する材料および透光性導電層14の導電率が異なる以外は実施例1と同様にして、実施例7〜10、比較例4、5の有機発光素子10を作製した。
具体的には、実施例7では、透光性導電層14として、化学式E10で示すPEDOT(Aldrich社製、製品番号649813)を用い、その導電率は1×10−1S/cmであった。また、実施例8では、透光性導電層14として、化学式E11で示すPEDOT(Aldrich社製、製品番号736295)を用い、その導電率は1×10−3S/cmであった。さらに、実施例9では、透光性導電層14として、化学式E12で示すpTmTDPMDに化学式E13で示すテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)をモル比率95:5でドープしたものを用い、その導電率は1×10−7S/cmであった。さらにまた、実施例10では、透光性導電層14として、pTmTDPMDにF4−TCNQをモル比率99:1でドープしたものを用い、その導電率は1×10−10S/cmであった。
また、比較例4では、透光性導電層14としてPEDOT:PSS(Aldrich社製、製品番号483095)を用い、その導電率は1×10S/cmであった。さらに、比較例5では、透光性導電層14としてpTmTDPMDをF4−TCNQのドープなしで用い、その導電率は1×10−12S/cmであった。
Figure 2015090817
Figure 2015090817
表1に、実施例1〜10および比較例1〜5のそれぞれにおける有機発光素子10の構成と評価結果との関係を示した。
Figure 2015090817
なお、表1には、有機発光素子10の構成として、有機半導体層15における最下点151の位置、透光性導電層14の導電率および穴部17の形状を示している。
穴部17の形状としては、具体的には、穴部17の直径D、隣接する穴部17間の最短距離A、およびDとAとの比(D:A)を示している。なお、表1では、DとAとの比(D:A)を1:X(Xは0以上の実数)の形で表している。
評価結果としては、実施例1〜10および比較例1〜5のそれぞれの有機発光素子10で得られた輝度1000nit(cd/m)時の電力効率(lm/W)を示している。
表1に示したように、実施例1〜10の有機発光素子10では、電力効率が45lm/W以上であり、良好な結果が得られた。
これに対し、比較例1〜5の有機発光素子10では、電力効率が45lm/W未満であり、実施例1〜10の有機発光素子10と比較して、電力効率が低下することが確認された。
以上より、透光性導電層14の導電率を、10−10S/cm〜10−1S/cmの範囲とし、且つ有機半導体層15の最下点151の位置を上述したP1とP2との間にすることで、電力効率が良好な有機発光素子10を得られることが確認された。
また、透光性導電層14の導電率を互いに異ならせた、実施例1、7〜10を比較すると、透光性導電層14の導電率が10−7S/cm〜10−3S/cmの範囲である場合に、有機発光素子10の電力効率がより良好になることが確認された。
さらにまた、穴部17の直径Dや、穴部17の直径Dと隣接する穴部17間の最短距離Aとの比率が互いに異なる実施例1、4〜6を比較すると、穴部17の直径Dと隣接する穴部17間の最短距離Aとの比率を1:Xと表した場合に、実施例5および6のように、Xが0.15以上0.70以下の範囲(0.15≦X≦0.70)であるときに、有機発光素子10の電力効率がより良好になることが確認された。
(実施例11)
続いて、上述した図10に示したマルチスタック型の有機発光素子20を以下のように作製した。まず、上述した実施例1と同様に、基板11上に、陽極層12、誘電体層13を形成するとともに、陽極層12と誘電体層13とを貫通する複数の穴部17を形成した。
続いて、実施例1と同様に、誘電体層13上および穴部17の内部に、透光性導電層14を成膜した。
さらに、実施例1と同様に、透光性導電層14上に、有機半導体層15を成膜した。
実施例11では、続いて、有機半導体層15上に、電荷発生層21として、化学式E14で示す膜厚1nmのLiq、膜厚1nmのAl、膜厚5nmのMoOおよび化学式E15で示す膜厚30nmのNPDを蒸着により順に成膜した。
続いて、電荷発生層21上に、第2有機半導体層22を蒸着により成膜した。第2有機半導体層22としては、RG発光層、B発光層、電子輸送層および電子注入層を、上述した有機半導体層15と同様に成膜した。
次いで、第2有機半導体層22上に、陰極層23として膜厚100nmのアルミニウム(Al)を成膜し、マルチスタック構造を有する有機発光素子20を得た。発光領域の大きさは、他の実施例および比較例と同様に3mm×4mmである。
Figure 2015090817
続いて、上述した実施例1の有機発光素子10および実施例11の有機発光素子20について、輝度1000nit(cd/m)時および輝度3000nit(cd/m)時の電力効率(lm/W)を測定し、測定結果を表2に示した。
Figure 2015090817
表2に示したように、実施例11のマルチスタック構造を採用した有機発光素子20では、実施例1の有機発光素子10と比較して、3000nit(cd/m)駆動時においては電力効率が高くなることが確認された。これは、実施例1の有機発光素子10に比べて、実施例11のマルチスタック構造を採用した有機発光素子20では、高電流領域での電圧上昇の問題が緩和されるためである。
以上より、マルチスタック構造を採用した有機発光素子20では、高電流領域における電圧の上昇を抑制しながら、輝度を向上できることが確認された。
10…有機発光素子、11…基板、12…陽極層、13…誘電体層、14…透光性導電層、15…有機半導体層、15a…発光層、16…陰極層、17…穴部、20…有機発光素子、21…電荷発生層、22…第2有機半導体層、23…陰極層、200…表示装置、300…照明装置

Claims (10)

  1. 基板上に形成される第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成される誘電体層と、
    前記第1電極層および前記誘電体層を貫通して形成される穴部と、
    少なくとも前記穴部の底面全体と側面とに沿って形成されるとともに、前記第1電極層と電気的に接して形成される透光性導電層と、
    発光層を含み、前記透光性導電層上に形成される有機半導体層と、
    前記有機半導体層上に形成される第2電極層と、
    を備え、
    前記誘電体層は、前記透光性導電層および前記有機半導体層より屈折率が低く、
    前記透光性導電層は、導電率が10−10S/cm〜10−1S/cmの範囲であり、
    前記有機半導体層のうち最も前記基板側に位置する最下点が、前記穴部内の深さ方向において、前記誘電体層と前記第1電極層との界面から、当該誘電体層の膜厚の2/3の距離だけ当該誘電体層内に入った位置と、当該誘電体層の膜厚の1/3の距離だけ当該第1電極層内に入った位置との間に存在すること
    を特徴とする有機発光素子。
  2. 前記透光性導電層と前記有機半導体層との界面は、前記穴部が形成される位置において前記基板側に凹む形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記穴部は、平面視で円形状であり、前記基板面に沿った少なくとも1方向に複数の当該穴部が周期的に配置されており、前記誘電体層の上面において、当該穴部の直径(D)と当該穴部の間隔(A)との比(D:A)を1:Xで表すとき、Xは0〜1の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の有機発光素子。
  4. 前記透光性導電層は、導電率が10−7S/cm〜10−3S/cmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の有機発光素子。
  5. 前記透光性導電層は、前記穴部の内部のみに形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機発光素子。
  6. 前記有機半導体層と前記第2電極層との間に、発光層を含む有機半導体層を更に1層以上備え、
    隣接する前記有機半導体層間に電荷発生層が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  7. 基板上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
    前記第1電極層上に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
    前記誘電体層および前記第1電極層を貫通する穴部を形成する穴部形成工程と、
    導電率が10-10S/cm〜10-1S/cmの範囲であり、少なくとも前記穴部の内部に形成されるとともに前記第1電極層と電気的に接する透光性導電層を形成する透光性導電層形成工程と、
    発光層を含む有機半導体層を、当該発光層の少なくとも一部が前記穴部内部に入り込むように、前記透光性導電層上に形成する有機半導体層形成工程と、
    前記有機半導体層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを備え、
    前記誘電体層は、前記透光性導電層および前記有機半導体層より屈折率が低く、
    前記透光性導電層の上面のうち最も前記基板側に位置する最下点が、前記穴部内の深さ方向において、前記誘電体層と前記第1電極層との界面から、当該誘電体層の膜厚の2/3の距離だけ当該誘電体層内に入った位置と、当該誘電体層の膜厚の1/3の距離だけ当該第1電極層内に入った位置との間に存在するように形成されること
    を特徴とする有機発光素子の製造方法。
  8. 前記誘電体層の上面部分のみに撥液処理を施す撥液処理工程を更に備え、
    前記透光性導電層形成工程では、前記撥液処理が施されていない前記穴部の内部のみに前記透光性導電層を形成することを特徴とする請求項7に記載の有機発光素子の製造方法。
  9. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の有機発光素子を備える表示装置。
  10. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の有機発光素子を備える照明装置。
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