JP2015090432A - 照明装置、投射表示装置、および、照明方法 - Google Patents

照明装置、投射表示装置、および、照明方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一つの光源をもとに複数の波長の異なる光を生成することができ、より簡略な構成の照明装置等を得供する。【解決手段】投射表示装置2の照明装置4を、固体光源10と、カップリングレンズ11、光透過制御ホイール12、カップリングレンズ13と、蛍光体ホイール14、ミラー15,16、ダイクロイックミラー17等を備えて構成する。蛍光体ホイール14は、赤色を含む光を生じる第1蛍光体領域14aと、緑色を含む光を生じる第2蛍光体領域14bとを有する。透過制御ホイール12は、第1フィルタ領域12aで青色光BLを反射し赤色光RLを透過し、第2フィルタ領域12bで青色光BLを反射し緑色光GLを透過することで、励起光と赤色光RLおよび緑色光GLとを分離して、赤色光RLおよび緑色光GLを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置、この照明装置を備えた投射表示装置、および、照明方法に関する。
近年、大画面のディスプレイ装置が急速に普及してきており、それらを用いた会議やプレゼンテーション、研修などが一般的になってきている。このようなディスプレイとしては、液晶やプラズマなど様々なものがあり、場所の広さや参加人数などによって適当なものが選択されている。その中でも、スクリーン等の投影面に画像を投影して拡大表示することができる拡大表示装置すなわち投影表示装置(以後、「プロジェクタ」と呼ぶ)が選択されている。このプロジェクタは、比較的安価で可搬性にも優れているため(即ち小型軽量で持ち運びやすいため)、最も広く普及している大画面ディスプレイと言える。
そのような背景の中で、最近ではコミュニケーションの必要な場面や状況が益々増えてきている。例えば、オフィスにおいても小さな会議室や、パーテイション等で仕切られた打合せスペースが数多く設けられ、プロジェクタを使った会議や打合せなどが頻繁に行われるようになった。さらには、会議室等が空いていなくても、例えば通路などの空きスペースを利用して、この空きスペースの壁などにプロジェクタで情報を投射表示しながら打合せをしたい、などといった急な要求シーンも頻繁に見られるようになった。
このようなプロジェクタに用いる照明装置として、高輝度の放電ランプ(例えば、超高圧水銀ランプ)を光源とするものが知られている。この放電ランプは、高輝度を低コストで実現できる一方で、点灯開始後、安定して発光するまでに所要の時間を要する。そこで、放電ランプに対する代替光源として、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の発光ダイオード(LED)、有機EL素子等の固体発光素子を用いる技術が開発され、多くの提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、R(赤色)用発光装置、G(緑色)用発光装置、および、B(青色)用発光装置の3つ発光装置が設けられた光源装置が提案されている。このR用発光装置はR(赤色)の蛍光体およびこれを励起させるR用光源を備え、G用光源はG(緑色)の蛍光体およびこれを励起させるG用光源を備え、B用発光装置はB(青色)の蛍光体およびこれを励起させるB用光源を備えている。各光源からの光を各蛍光体に照射することで、各蛍光体が励起され、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色の光を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の光源装置では、複数の蛍光体および複数の蛍光体ホイールが必要となり、各色を合成する光学系や、光源装置全体のシステムが複雑となる。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、一つの光源をもとに複数の波長の異なる光を生成することができ、より簡略な構成の照明装置、投射表示装置、および、より簡略な照明方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、励起光を発光する励起光源と、励起光に励起されて励起光と異なる波長領域の光を生じさせる波長変換部材と、励起光の光路および波長変換部材から生じる光の光路を分離するとともに、波長変換部材から生じる光の分光分布の少なくとも一部を取り出す第1領域、および、光の分光分布の少なくとも一部であって、第1領域とは異なる分光分布を取り出す第2領域を少なくとも有し、少なくとも第1フィルタおよび第2フィルタを、励起光の光路中に時間的に切替えて配置する光分離部材と、を備え、波長変換部材は、光分離部材により分離された励起光の光路中に配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、一つの光源をもとに複数の波長の異なる光を生成することができ、より簡略な構成の照明装置、投射表示装置、および、より簡略な照明方法を得ることができる。
本願の実施例1に係る照明装置を備えた投射表示装置(プロジェクタ)を示す光学図である。 実施例1の照明装置において、赤色光の生成時の光路を示す光学図である。 図2に示す蛍光体ホイールの構成と配置状態とを説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図2に示す光透過制御ホイールの構成と配置状態とを説明するための説明図であって、(a)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。 実施例1の照明装置において、緑色光の生成時の光路を示す光学図である。 図5における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの配置状態を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 実施例1の照明装置において、青色光の生成時の光路を示す光学図である。 図7における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの配置状態を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 実施例1において照明光として取り出される色、固体光源(青色LD)の発光状態、蛍光体ホイールの状態、光透過制御ホイールの状態、および、画像フレームの関係を示すタイムチャートである。 本願の実施例2に係る照明装置を示す光学図である。 実施例2における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの構成を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 本願の実施例3に係る照明装置を示す光学図である。 実施例3における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの構成を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 実施例3において照明光として取り出される色、固体光源(青色LD)の発光状態、蛍光体ホイールの状態、光透過制御ホイールの状態、および、画像フレームの関係を示すタイムチャートである。 本願の実施例4に係る照明装置を示す光学図である。 実施例4における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの構成を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 実施例4において照明光として取り出される色、固体光源(紫外線)の発光状態、蛍光体ホイールの状態、光透過制御ホイールの状態、および、画像フレームの関係を示すタイムチャートである。 本願の実施例5に係る照明装置を示す光学図である。 実施例5における蛍光体ホイールと光透過制御ホイールとの構成を説明するための説明図であって、(a)は蛍光体ホイールを拡大して示した平面図であり、(b)は光透過制御ホイールを拡大して示した平面図である。 実施例5において照明光として取り出される色、青色LDからなる固体光源および赤色LDからなる固体交点の発光状態、蛍光体ホイールの状態、光透過制御ホイールの状態、および、画像フレームの関係を示すタイムチャートである。
(実施例1)
[全体構成]
以下に、本願の一実施例を、図面を参照しながら説明する。図1に、本願の実施例1における照明装置4およびこの照明装置4を備えた投射表示装置(プロジェクタ)2の光学図を示す。また、図2〜図9は、光の3原色の各色を生成するための、各部材の構成と作用を説明するための説明図である。図1において、1はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置の画像情報生成部であり、2は画像情報生成部1で生成される画像情報(画像データ)に基づいて、図示しないスクリーン等の表示画面に画像を拡大して投射表示させる投射表示装置である。
画像情報生成部1で生成される画像情報(画像データ)は、例えばカラー画像の動画又は制止画等である。そのため、画像情報生成部1では、画像情報がカラー画像の場合にはG(緑色)、R(赤色)、B(青色)の画像情報を有している。
<投射表示装置2の構成>
実施例1の投射表示装置2は、図1に示すように、画像情報生成部1から入力される画像情報に基づいて各部を制御させる制御回路(制御手段としての制御部)3と、この画像情報に基づき制御回路3により駆動制御されてG(緑色),R(赤色),B(青色)の可視光を順次一定時間毎に出射させる照明装置4と、を有する。
また、投射表示装置2は、図1に示すように、画像情報に基づいて画像情報のG,R,Bに対応するモノクロの画像を一定時間毎に順次形成させる画像生成部としての画像形成素子5と、照明装置4からのG,R,B用の光を画像形成素子5に順次導く照明光案内光学系(リレー光学系)6と、画像形成素子5から順次出射されるG,R,Bの各色の画像光をスクリーン等の画像表示面(図示せず)に投影する投射レンズ(投影光学系)7とを有する。
<制御回路3>
制御回路3は、投射表示装置2の全体の動作を統括制御するものであり、インターフェース3aと、画像処理部(画像処理回路)3bと、駆動制御部(駆動制御回路)3cと、を有する。制御回路3のハードウェア構成としては、CPU(中央処理ユニット;Central Processing Unit)、ROM(リードオンリーメモリ;Read Only Memory)、RAM(ランダムアクセスメモリ;Random Access Memory)等を有して構成される。制御回路3の画像処理部3bは、ROMに予め記憶されているプログラムに従って、RAMをワークメモリとして用いて、投射表示装置2の各部を駆動制御する。
インターフェース3aには、画像情報生成部1からの画像情報(画像データ)が入力される。画像処理部(画像処理回路)3bは、インターフェース3aを介して入力されるカラー画像の画像情報のG(緑色)画像情報(G画像データ)、R(赤色)画像情報(R画像データ)、B(青色)画像情報(B画像データ)を、フレーム毎に構築する。
駆動制御部(駆動制御回路)3cは、画像処理部3bで構築されたG画像情報(G画像データ)、R画像情報(R画像データ)、B画像情報(B画像データ)に基づいて、照明装置4および画像形成素子5を駆動制御する。また、この駆動制御部3cは、画像情報生成部1から入力されるカラー画像のG画像情報、R画像情報、B画像情報に基づいて画像形成素子5を駆動制御することにより、G画像情報、R画像情報、B画像情報に対応するモノクロの画像をこの順に一定時間毎に画像形成素子5に形成させるようになっている。
駆動制御部3cは、さらに、照明装置4の後述する固体光源10、光透過制御ホイール12の駆動モータ12m、および、蛍光体ホイール14の駆動モータ14m、並びに、投影光学系7の可動レンズ群の駆動機構(図示せず)等に接続されている。これにより、駆動制御部3cは、照明装置4における各色の光の出射制御処理、投影光学系7におけるフォーカス調整やズーム調整の調整制御処理を実行する。
<照明装置4>
照明装置4は、赤色光、緑色光、青色光を、時分割で順次に、またはこれらを組み合わせて(混合して)出射し、被照明部に照射する装置である。照明装置4は、照明光案内光学系6の後述するライトトンネル6bへ向けて、各色の光(光束)を出射する。この照明装置4の構成の詳細については、後述する。
<画像形成素子5>
画像形成素子5は、制御回路3の駆動制御部3cに接続されており、この駆動制御部3cによって駆動制御される。この画像形成素子5は、照明装置4から出射されて照明光案内光学系6により導かれた各色の光を、画素毎に諧調制御することでカラー投影画像を形成する。本実施例では、画像形成素子5として、DMD(Digital micromirror device)を用いている。このDMDからなる画像形成素子5は、画素単位のマイクロミラーを有し、駆動制御部3cの制御下で、各マイクロミラーが異なる2つの角度のいずれかとされた状態を維持することが可能とされている(いわゆる、2値制御)。すなわち、画像形成素子5の各マイクロミラーは、照明光案内光学系6により導かれた各色の光を投影光学系7へ向けて反射する角度(ON状態)と、当該各色の光を内部の吸収体へ向けて反射して外部に出射させない角度(OFF状態)と、のいずれかの状態となる。このため、画像形成素子5では、各マイクロミラーが個別に駆動(2値制御)されることにより、表示する画素毎に投影する光を制御することができる。また、画像形成素子5では、例えば、パルス幅変調方式(PWM方式)により各マイクロミラーのON状態の時間比率を調整することで、表示する画素毎における階調表現を行うことができる。
なお、実施例1および以降の実施例では、上述のように画像形成素子5としてDMDを用いているが、本願の画像形成素子5がDMDに限定されることはない。照明装置4から出射されて照明光案内光学系6により導かれた各色の光を利用してカラー投影画像を形成するものであれば、例えば、画像形成素子5として液晶を用いてもよい。
<照明光案内光学系(リレー光学系)6>
照明光案内光学系(リレー光学系)6は、照明装置4から出射された光を、画像形成素子5に導くものである。照明光案内光学系6は、図1に示すように、照明装置4のダイクロイックミラー17からの光(赤色光、緑色光、青色光)が入射する集光レンズ(集光素子)6aと、集光レンズ6aで集光される光(赤色光、緑色光、青色光)が入射するライトトンネル6bと、ライトトンネル6bから出射する光をリレーするリレーレンズ(集光素子)6cと、リレーレンズ6cからの光(赤色光、緑色光、青色光)が入射するミラー6dと、このミラー6dで反射した光(赤色光、緑色光、青色光)を画像形成素子5側に反射させる凹面鏡6eと、を有する。
ライトトンネル6bは、照明装置4から出射された光が入射するものであり、内部を中空とする筒状を呈し、その内側面にミラーが設けられた構成を有している。ライトトンネル6bは、その内部で光の反射を繰り返すことにより、入射された光の輝度分布を均一化する機能、すなわち、入射された光の光量むらをなくす機能を有している。リレーレンズ6cは、ライトトンネル6bを経て輝度分布が均一化された光(光束)を適宜集光して、ミラー6dへと導く。なお、ライトトンネル6bは、照度均一化手段としての一例であり、フライアイレンズなどの他の均一化手段を採用してもよい。
<投影光学系7>
投影光学系7は、画像形成素子5により生成された投影画像をスクリーン(図示せず)に投影する。この投影光学系7は、固定鏡筒に設けられた固定レンズ群や可動鏡筒に設けられた可動レンズ群を備えている。この可動レンズ群を移動させることにより、フォーカス調整やズーム調整を行うことが可能となっている。
<照明装置4の詳細>
次に、本願に係る照明装置の一実施例としての照明装置4の構成について、図面を参照しながら説明する。実施例1の照明装置4は、駆動制御部3cにより駆動制御され、励起光源としての固体光源10と、少なくとも1つのレンズからなるカップリングレンズ11と、光分離部材(後述する光透過制御ホイール12)と、少なくとも1つのレンズからなるカップリングレンズ13(光学素子)と、波長変換部材(後述する蛍光体ホイール14)と、ミラー15と、ミラー16と、ダイクロイックミラー17と、を備えて構成される。固体光源10、光透過制御ホイール12、および、蛍光体ホイール14は、駆動制御部3cに接続され、その動作が制御されている。
固体光源10には、半導体レーザ(以下、「LD」と呼ぶ)やLED等の固体光源が用いられている。本実施例では、固体光源10として、青色光源(青光源)、具体的には、青色の波長領域の励起光(青色光)を発光するLD又はLEDが用いられている。以下の説明では、固体光源10として青色光を発する青色LDを想定して説明する。
このような固体光源10が発光する青色光の波長領域(「λA」とする)としては、400nm〜460nmまたはこの範囲を含むものが好ましが、本願が必ずしもこれに限定されることはない。また、図1では、説明の便宜上、固体光源10として、一個のLDのみを模式的に示しているが、固体光源10を、複数個の青色LDからなる発光アレイにより構成して、より高出力なものとすることもできる。また、波長の異なる固体光源を組み合わせることもできる。
なお、固体光源10に用いられるLDは、ある角度で発散する青色光BLを発光する発光部を有しているので、この固体光源10の発光部から発散する青色光BLをカップリングレンズ11で集光して、平行光として取り出される。カップリングレンズ11で集光された青色光BLは、有限の大きさの光束(図4のSP1参照)となって光分離部材へと導かれる。
この光分離部材は、青色光BLの光路中に、青色光BLの入射方向に対して、45度、入射面が傾斜するように配置されている。この光分離部材は、複数の色フィルタがセグメント分けされて構成されている。この光分離部材として、例えば、円盤状に形成され、円周方向において複数の色フィルタからなる領域に分割(セグメント化)されたミラーホイール等を用いることが好ましい。具体的には、以下で説明するような構成であって、図4(a)に示す光透過制御ホイール12を用いることが好ましい。この光透過制御ホイール12は、円周方向に回転することで、青色光BLの光路中で、複数の領域が交互に切り替わる。
実施例1の光透過制御ホイール12は、図4(a)の平面図、図4(b)の断面図に示すように、透明基板12n上に、青色光BLを反射し赤色光RLを透過する色フィルタを誘電体多層膜で形成した第1フィルタ領域(第1領域)12aと、青色光BLを反射し緑色光GLを透過する色フィルタを誘電体多層膜で形成した第2フィルタ領域(第2領域)12bと、青色光BLを透過する色フィルタを誘電体多層膜で形成した第3フィルタ領域(第3領域)12cと、が円周方向に設けられている。この実施例1で用いる各色フィルタは、透明基板12n上に誘電体多層膜を扇状に真空蒸着等して形成したものである。また、実施例1では、各色フィルタを透明基板12n上の駆動モータ12mとは反対側の面に設けているが、駆動モータ12m側の面に設けてもよいし、透明基板12nの両面に設けてもよい。また、実施例1において、第1フィルタ領域12aは、励起光(青色光BL)だけでなく、赤色光RL以外の光、例えば、緑色光GLも反射することで、赤色光RLの色純度をより向上させている。同様に、第2フィルタ領域12bでは、緑色光GL以外の光、例えば、赤色光RLも反射することで、緑色光GLの色純度をより向上させている。なお、第3フィルタ領域12cは、蛍光が入射することはないため、励起光(青色光BL)が透過するように形成すればよい。しかし、第3フィルタ領域12cで赤色光RLや緑色光GLを反射させるようにすれば、迷い光の混入等を抑制して、青色光BLの色純度を向上させることができる。なお、図面上では、第1フィルタ領域12aを「領域1」と表示し、第2フィルタ領域12bを「領域2」と表示し、第3フィルタ領域12cを「領域3」と表示している。
この光透過制御ホイール12は、駆動制御部3cに駆動制御される駆動モータ12mにより、回転中心Oを中心に回転駆動される。このような構成とすることで、光透過制御ホイール12が回転すると、第1フィルタ領域12a、第2フィルタ領域12b、第3フィルタ領域12cが、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中で時間的に入れ替わる。
なお、実施例1および以降の実施例では、円形の光透過制御ホイール12を回転させることにより、第1〜第3フィルタ領域12a〜12cが青色光BLの光路中で入れ替わる構成としたが、本願が必ずしもこれに限定されることはない。光透過制御ホイール12を、光路中で直線移動させることで、第1〜第3フィルタ領域12a〜12cが青色光BLの光路中で入れ替わる構成としてもよい。また、互いに分離した第1〜第3フィルタ領域12a〜12cを、光路中で順番に入れ替えてもよい。更には、光分離部材が、円形に限定されることはなく、他の形状としてもよい。
また、光分離部材が、複数の色フィルタを設けて形成したものに限定されることもない。他の異なる光分離部材として、例えば、短波長である励起光(青色光BL)を屈折させ、波長変換部材から生じた蛍光は屈折させずに透過するような回折格子等を用いてもよい。このような回折格子を、励起光の光路中で直線移動させることで、励起光と蛍光とを分離させてもよい。以下、各実施例の説明においては、光分離部材として、上記の光透過制御ホイール12を想定して説明する。
実施例1では、光分離部材として光透過制御ホイール12を用いることで、固体光源10からの励起光(青色光BL)は、第1フィルタ領域12aまたは第2フィルタ領域12bで反射される。このように反射された励起光(青色光BL)は、その反射光路に配置されたカップリングレンズ13によって集光されて、図3(a)に示すように、スポット状の光(光スポットSP2)となって波長変換部材(実施例1では、蛍光体ホイール14)に照射される。
この波長変換部材は、励起光(青色光BL)によって励起され、特定の波長領域を含む、発光色の異なる2以上の蛍光(赤色を含む蛍光、緑色を含む蛍光)を生じる。この蛍光は、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって、カップリングレンズ13に入射し、このカップリングレンズ13により平行光束にされて光透過制御ホイール12の第1フィルタ領域12aまたは第2フィルタ領域12bに入射し、その分光分布の少なくとも一部(実施例1では赤色光RLまたは緑色光GL)が選択されて透過する。この透過した赤色光RLまたは緑色光GLは、その光軸に対して45度傾斜して透過光路中に配置されたミラー16に入射し、その入射角度に対して直角(垂直)な方向に反射され、その反射光路に配置されたダイクロイックミラー17に入射する。このダイクロイックミラー17は、赤色光RLまたは緑色光GLの光軸に対して45度傾斜して配置され、青色光BLを透過し、赤色光RLおよび緑色光GLを反射する光学特性(分光特性)を有している。このような特性のダイクロイックミラー17は、入射した赤色光RLまたは緑色光GLを、その入射角度に対して直角(垂直)に反射して光出射光路Optに合流させ、照明光案内光学系6に導く。
また、光透過制御ホイール12の第3フィルタ領域12cは、励起光(青色光BL)を透過し、その透過光路中に配置されたミラー15に入射させる。このミラー15は、励起光(青色光BL)の光軸に対して45度傾斜して配置され、励起光(青色光BL)を、その入射角度に対して直角(垂直)な方向に反射させる。その反射光路に配置されたダイクロイックミラー17は、励起光(青色光BL)を透過して、光出射光路Optに合流させ、照明光案内光学系6に導く。
次に、波長変換部材の詳細を説明する。この波長変換部材は、励起光とは異なるとともに、発光色の異なる2以上の領域に分割された波長変換部材で構成され、励起光によって励起されて異なる2以上の蛍光を生じる。波長変換部材は、例えば、青色光BLを励起光とし、第1の光として少なくとも赤色を含む光(蛍光)を生じさせる赤色蛍光体、第2の光として少なくとも緑色を含む光(蛍光)を生じさせる緑色蛍光体等がセグメントに分割されて形成されている。このような構成の波長変換部材が時間的に移動して、赤色蛍光体、緑色蛍光体等が入れ替わることにより、波長変換部材に対する励起光の照射位置が時間的に移り変わり、異なる色の第1の光(蛍光)と第2の光(蛍光)とを得ることができる。なお、本明細書で、「赤色を含む」とは、「赤色の波長領域(赤色成分)を含む」ことを意味し、「緑色を含む」とは、「緑色の波長領域(緑色成分)を含む」ことを意味する。また、「赤色を含む光(蛍光)を生じさせる蛍光体」を、「赤色蛍光体」と呼び、「緑色を含む光(蛍光)を生じさせる蛍光体」を、「緑色蛍光体」と呼ぶ。同様に、「黄色を含む」とは、「黄色の波長領域(黄色成分)を含む」ことを意味する。また、「黄色を含む光(蛍光)を生じさせる蛍光体」を、「黄色蛍光体」と呼ぶ。また、「青色を含む」とは、「青色の波長領域(青色成分)を含む」ことを意味する。また、「青色を含む光(蛍光)を生じさせる蛍光体」を、「青色蛍光体」と呼ぶ。
実施例1では、波長変換部材として、図3(a)の正面図、図3(b)の断面図で示すような蛍光体ホイール14を用いている。この蛍光体ホイール14は、反射基板14n上に、赤色を含む光(蛍光)を生じさせる赤色蛍光体からなる第1蛍光体領域14a、緑色を含む光(蛍光)を生じさせる緑色蛍光体からなる第2蛍光体領域14bが、扇状(または帯状)にセグメント分けされて設けられている。反射基板14n上には、さらに、第3領域14cとして、蛍光体の種類または存在を問わない領域を設けている。この第3領域14cには、後述するように、励起光が到達しない(照射されない)ことから、蛍光体を設けなくともよい。すなわち、蛍光体の有無を問わない不問領域とする。このような反射基板14nを、回転中心O’を中心に回転させることで、励起光の照射位置に配置される蛍光体が時間的に切り替わる。この反射基板14nの回転は、蛍光体ホイール14に設けられた駆動モータ14mにより行われる。この駆動モータ14mは、駆動制御部3cにより回転駆動制御される。
上記各蛍光体(蛍光材料)としては、YAG蛍光体が好適である。また、緑色蛍光体の場合は、サイアロン系の緑蛍光体等が好適である。第1蛍光体領域14aの赤色蛍光体から生じる赤色を含む光(蛍光)の波長領域(λB)としては、例えば、630nm〜670nm、または、この範囲を含むものが好ましい。また、第2蛍光体領域14bの緑色蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)の波長領域(λC)としては、500nm〜600nm、または、この範囲を含むものが好ましい。
なお、実施例1および以降の実施例では、波長変換部材として蛍光体ホイール14を用い、これを回転させることで、励起光の照射位置に配置される蛍光体が時間的に切り替わるようにしている。しかし、本願の波長変換部材が実施例1の構成に限定されることはなく、他の異なる具体例として、波長変換部材を、長尺な板形状の基板の表面に、長尺方向に延びる蛍光体を設けた構成とし、この波長変換部材を長尺方向に往復移動させてもよい。この場合でも、励起光の照射位置に配置される蛍光体を時間的に切り替えることができる。また、このような往復移動させる波長変換部材でも、実施例1の蛍光体ホイール14でも、励起光に対して蛍光体が往復移動または回転移動することで、励起光の照射位置が時間的に変化して、蛍光体の同一箇所に集中して照射されることがない。そのため、蛍光体からの蛍光の生成効率の低下や、蛍光体の発光特性の劣化等を抑制して、より優れた発光特性を得ることができる。
また、光透過制御ホイール12および蛍光体ホイール14は、照明装置4から出射させる照明光の色に同期して回転制御される。光透過制御ホイール12および蛍光体ホイール14は、図3(a)、図4(a)にそれぞれ示す矢印方向に、1秒間に120回転するものとし、1フレーム(例えば、1/60秒、または、倍速の1/120秒)の間に、例えば1回転されるものとしている。この回転により、光透過制御ホイール12の各フィルタ領域(第1〜第3フィルタ領域12a〜12c)と、蛍光体ホイール14の各領域(第1蛍光体領域14a、第2蛍光体領域14bおよび第3領域14c)とが光路中で時間的に切り替わる。
また、実施例1では、回転によって光透過制御ホイール12および蛍光体ホイール14の各領域の切替わることで生成される照明光が、積算して白色光となるような配分(面積割合)で、各領域が分割されている。または、各領域で生成される各色の照明光のパワーに対応して、固体光源10から出射する光のパワーを変調することで、照明光を積算して白色光となるようにすることができる。また、領域の大きさ(面積割合)を調整する、すなわち、励起光が照射される時間を領域毎に調整するようにしてもよい。これにより、青みを帯びた白や、緑色を帯びた白、赤みを帯びた白など、色見を調整することも可能となる。また、光源からの光を変調することによって、ダイナミックに調整することも可能である。
以下、光透過制御ホイール12および蛍光体ホイール14の各領域の位置関係を説明する。固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール12の第1フィルタ領域12aが位置しているとき、励起光(青色光BL)の照射位置には、蛍光体ホイール14の第1蛍光体領域14aが配置される。また、励起光(青色光BL)の光路中に光透過制御ホイール12の第2フィルタ領域12bが位置しているとき、励起光(青色光BL)の照射位置には、蛍光体ホイール14の第2蛍光体領域14bが配置される。また、励起光を透過する第3フィルタ領域12cが光路中に配置されているときは、励起光が蛍光体ホイール14に到達して照射されることはない。そのため、第3フィルタ領域12cが光路中に位置しているときは、蛍光体ホイール14への励起光の照射位置に対応する位置に、蛍光体が配置されていない第3領域14cが配置される。
実施例1の光透過制御ホイール12では、第1フィルタ領域12aは、青色光BLを反射し赤色光RLを透過することで、青色光BL(励起光)と、蛍光体ホイール14の第1蛍光体(赤色蛍光体)領域14aから生じる赤色を含む光(蛍光)とを分離するとともに、この赤色を含む光(蛍光)の分光分布の全部または一部取り出して、赤色光RLとして出射させる。すなわち、第1フィルタ領域12aは、励起光(青色光BL)を反射するとともに、第1蛍光体領域14aから生じる波長λBの赤色を含む光(蛍光)のうち、波長λbの赤色光RLを選択して透過させる光学特性(分光特性)を有している。また、第2フィルタ領域12bは、青色光BLを反射し緑色光GLを透過することで、青色光BL(励起光)と、第2蛍光体(緑色蛍光体)領域14bから生じる緑色を含む光(蛍光)とを分離するとともに、この緑色を含む光(蛍光)の分光分布の全部または一部を取り出して、緑色光GLとして出射させる。すなわち、第2フィルタ領域12bは、励起光(青色光BL)を反射するとともに、第2蛍光体領域14bから生じた波長λCの緑色を含む蛍光のうち、波長λcの緑色光GLを選択して透過させる光学特性(分光特性)を有している。
なお、赤色光RLの波長λbは、赤色蛍光体から生じる赤色を含む光(蛍光)の波長λBと同じ範囲(すなわち、全部を取り出す)であってもよいし、波長λBよりも狭い範囲(すなわち、一部を取り出す)としてもよい。また、緑色光GLの波長λcについても、緑色蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)の波長λCと同じ範囲であってもよいし、波長λCよりも狭い範囲としてもよい。これにより、光透過制御ホイール12で取り出す光の色味の自由度をより高めたり、色純度をより高めたりすることができ、色再現範囲を広げることができる。さらには、第1フィルタ領域12aで、例えば、波長λbとして640nm付近のより狭い波長領域を選択して透過させるようにすれば、色純度のより高い赤色光RLを得ることができる。また、第2フィルタ領域12bで、例えば、波長λcとして525nm付近の狭い波長領域を選択して透過させるようにすれば、色純度のより高い緑色光GLを得ることができる。
また、前述のように第3フィルタ領域12cは、波長λAの励起光(青色光BL)を透過させる光学特性(分光特性)を有している。このような第3フィルタ領域12cで、波長λAの励起光(青色光BL)を全部透過させてもよいが、波長λAの範囲内で、その一部を透過させるようにしてもよい。例えば、450nm付近のより狭い波長領域を透過させるようにすれば、青色光BLについても色純度を上げて、色再現範囲を広げることができる。
上記のような位置関係で、励起光(青色光BL)の光路上に光透過制御ホイール12および蛍光体ホイール14の各領域が配置されることで、照明装置4からは、照明光として、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLが、この順に時分割で出射されることとなる。
[作用]
次に、上述のような構成の拡大投射装置(プロジェクタ)2の作用を、他の設定条件等と共に、図面を参照して説明する。また、この説明において、照明装置4による照明方法についても説明する。
まず、図示しないパソコン等の情報処理装置の画像情報生成部1から、投射表示装置2にカラー画像の画像情報が出力される。この画像情報が図1のインターフェース3aを介して投射表示装置2の画像処理部3bに入力されると、画像処理部3bはR(赤色)画像情報(R画像データ)、G(緑色)画像情報(G画像データ)、B(青色)画像情報(B画像データ)をこの順にフレーム毎に構築する。そして、画像処理部3bは、構築した画像情報(カラー画像)のR(赤色)画像データ、G(緑色)画像データ、B(青色)画像データを、フレーム毎に駆動制御部3cに順次入力する。
この駆動制御部3cは、入力されるカラー画像のR画像情報、G画像情報、B画像情報に基づいて、画像形成素子5を駆動制御する。この駆動制御により、G画像情報、R画像情報、B画像情報に対応するモノクロの画像を、この順に一定時間毎に画像形成素子5に形成させるようになっている。
これに伴い、駆動制御部3cは、固体光源10を点灯制御(ON)する。実施例1では、固体光源10は、常時ONされている。この固体光源10がONしたときに、固体光源10から、励起光である青色光BLが発散して発光され、カップリングレンズ11に入射する。この発散する励起光(青色光BL)は、カップリングレンズ11により、平行光束である励起光(青色光BL)にされて出射され、光透過制御ホイール12に入射する。
また、駆動制御部3cは、上述のような画像形成素子5および固体光源10の制御に伴い、光透過制御ホイール12の駆動モータ(パルスモータ)12mと蛍光体ホイール14の駆動モータ(パルスモータ)14mとを駆動制御する。この駆動制御により、光透過制御ホイール12と蛍光体ホイール14とを、図3(a)、図4(a)に示す矢印方向に、フレーム毎に1回転させ、これらの各領域を切替えながら励起光(青色光BL)の光路中に配置させる。このときに、図9に示すようなシーケンスで、光の三原色の生成の制御が行われる。以下、各色の生成時の作用について説明する。
(赤色光RLの生成)
赤色光RLの生成時の作用について、図2〜図4を用いて説明する。図4(a)は、光透過制御ホイール12の平面図で、SP1は、光透過制御ホイール12に入射する励起光(青色光BL)または蛍光の光束を示している。そして、この光束SP1の入射位置、つまり、励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール12の第1フィルタ領域12aが配置された状態を示している。このように、励起光(青色光BL)の光路中に、第1フィルタ領域12aが位置しているとき、蛍光体ホイール14では、図3(a)に示すように、励起光(青色光BL)が光スポットSP2となって照射される位置に、第1蛍光体領域14aが配置される。
この配置状態で、第1フィルタ領域12aに入射した励起光(青色光BL)は、この第1フィルタ領域12aにより蛍光体ホイール14側に反射される。その後、励起光(青色光BL)はカップリングレンズ13により集光され、光スポットSP2となって蛍光体ホイール14の第1蛍光体領域14aに入射し、第1蛍光体領域14aの赤色蛍光体(蛍光材料)を励起する。この励起により、第1蛍光体領域14aの赤色蛍光体(蛍光材料)から波長λBの赤色を含む光(蛍光)が生じる。
この赤色を含む光(蛍光)は、カップリングレンズ13により平行光束にされて、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって第1フィルタ領域12aに入射する。この第1フィルタ領域12aは、赤色を含む光(蛍光)のうち、主に波長λbの赤色蛍光(赤色光RL)を選択して透過させる。この透過後、赤色光RLは、ミラー16で反射されてダイクロイックミラー17に入射し、このダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに合流する(以上、図2参照)。その後、赤色光RLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(緑色光GLの生成)
緑色光GLの生成時の作用について、図5、図6を用いて説明する。図6(b)に示すように、励起光(青色光BL)の光路中(光束SP1の位置)に、第2フィルタ領域12bが位置しているとき、図6(a)に示すように、励起光(青色光BL)の光スポットSP2の照射位置に、蛍光体ホイール14の第2蛍光体領域14bが配置される。この配置状態で、上記赤色光RLの生成時と同様に、励起光(青色光BL)は第2フィルタ領域12bに反射された後、カップリングレンズ13により集光され、光スポットSP2となって第2蛍光体領域14bに入射し、第2蛍光体領域14bの緑色蛍光体(蛍光材料)を励起する。この励起により、第2蛍光体領域14bの緑色蛍光体(蛍光材料)から波長λCの緑色を含む光(蛍光)が生じる。
この緑色を含む光(蛍光)は、カップリングレンズ13により平行光束にされて、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって第2フィルタ領域12bに入射する。この第2フィルタ領域12bは、緑色を含む光(蛍光)のうち、主に波長λcの緑色蛍光(緑色光GL)を選択して透過させる。この透過後、緑色光GLは、ミラー16で反射されてダイクロイックミラー17に入射し、このダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに合流する(以上、図5参照)。その後、緑色光GLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(青色光の生成)
青色光BLの生成時の作用について、図7、図8を用いて説明する。図8(b)に示すように、励起光(青色光BL)の光路中(光束SP1の位置)に、第3フィルタ領域12cが位置しているとき、図8(a)に示すように、励起光(青色光BL)の光スポットSP2の照射位置に、蛍光体ホイール14の第3領域14cが配置される。ただし、前述したように、青色光BLの生成時には、第3領域14cに励起光(青色光BL)が到達して照射されることはないため、第3領域14cは、蛍光体の有無を問わない不問領域となっている。
この配置状態で、第3フィルタ領域12cに入射した励起光(青色光BL)は、この第3フィルタ領域12cを透過して、ミラー15に入射する。このミラー15によって、励起光(青色光BL)は、ダイクロイックミラー17側に反射され、このダイクロイックミラー17を透過して光出射光路Optに合流する(以上、図7参照)。その後、青色光BLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
以上のようにして、図9のタイミングチャートに示すように、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLが、この順にn番目フレームで一定時間毎に生成される。また、n+1番目フレームでも、n番目フレームと同様に赤色光RL、緑色光GL、青色光BLが、この順に生成される。
そして、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLが、この順に照明光案内光学系6を介して画像形成素子5に導かれる。この赤色光RL、緑色光GL、青色光BLの発生に同期して、R(赤色)画像情報によるモノクロ画像、G(緑色、蛍光)画像情報によるモノクロ画像緑、B(青色)画像情報によるモノクロ画像がこの順に生成(形成)される。
この画像形成素子5にR(赤色)画像情報によるモノクロ画像が形成されているとき、この画像形成素子5のモノクロ画像に赤色光RLが照射されて、赤色の画像の光束が画像形成素子5から出射し、この赤色の画像が投影光学系7を介して図示しないスクリーン等の表示画面に投影される。また、画像形成素子5にG(緑色)画像情報によるモノクロ画像が形成されているとき、この画像形成素子5のモノクロ画像に緑色光(緑色蛍光)GLが照射されて、緑色(蛍光)の画像の光束が画像形成素子5から出射し、この緑色(蛍光)の画像が投影光学系7を介して図示しないスクリーン等の表示画面に投影される。更に、画像形成素子5にB(青色)画像情報によるモノクロ画像が形成されているとき、この画像形成素子5のモノクロ画像に青色光BLが照射されて、青色の画像の光束が画像形成素子5から出射し、この青色の画像が投影光学系7を介して図示しないスクリーン等の表示画面に投影される。
このように、駆動制御部3cからの回転制御信号に同期して、光透過制御ホイール12が1回転する間に、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLが照明光として生成される。これらの照明光を用いて、1フレームの緑色、赤色、青色の画像が図示しないスクリーン等の表示画面に時分割で順次投影されることで、目の残像現象により、1フレームのカラー画像が表示画面に形成されているように見えるものとなる。
以上説明したように、実施例1では、照明装置4において、一つの固体光源10をもとに、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLからなる3つの照明光を生成することができる。そのため、光源数の低減、光源コストの低減が可能となり、より簡易な構成であって、より小型化、より低コスト化が可能な照明装置4および投射表示装置2を実現することができる。また、このような簡易な構成の照明装置4を用いることで、照明装置4による照明方法の簡易化も実現することができる。また、光透過制御ホイール12により、蛍光体から生じた光(蛍光)の分光分布の一部を取り出して、赤色光RLや緑色光GLとして出射させることで、これらの光の色純度を向上させることも可能となり、色再現範囲を広げることも可能となる。
(実施例2)
次に、本願の実施例2に係る照明装置について、図10、図11に基づいて説明する。図10の光学図に示すように、実施例2に係る照明装置4Aは、カップリングレンズ11と光透過制御ホイール12との間に集光レンズ(集光素子)18を設け、光透過制御ホイール12とカップリングレンズ13との間に集光レンズ(集光素子)19を設け、光透過制御ホイール12とミラー16との間に集光レンズ(集光素子)20を設けたこと以外は、図1に示す実施例1の照明装置4と同様の基本構成を有している。そのため、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、実施例2で集光レンズ18,19,20を設けた理由について説明する。まず、上記実施例1では、このような集光レンズを設けていない。そのため、固体光源10からの青色光BLは、カップリングレンズ11によって平行光となって、図4(a)に示すように、ある幅の(以下、「光束幅」と呼ぶ)の光束SP1となって、光透過制御ホイール12に入射する。一方、光透過制御ホイール12が回転することで、励起光(青色光BL)の光路を、光透過制御ホイール12の各領域12a〜12cの境界部が通過し、各領域に跨って励起光(青色光BL)が照射される時間が存在する。
したがって、例えば、第1フィルタ領域12aと第3フィルタ領域12cとに跨って、励起光(青色光BL)が照射された場合、この励起光(青色光BL)は、第1フィルタ領域12aによって反射され、第3フィルタ領域12cを透過する。第1フィルタ領域12aで反射された励起光(青色光BL)は、励起光として蛍光体ホイール14の第1蛍光体領域14aを励起して、赤色を含む光(蛍光)を生じさせる。この赤色を含む光(蛍光)が第1フィルタ領域12aに入射し、赤色光RLが選択されて透過し、ミラー16およびダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに導かれる。一方、第3フィルタ領域12cを透過した励起光(青色光BL)は、ミラー15によって反射され、ダイクロイックミラー17を透過して光出射光路Optに導かれる。このように、光出射光路Optで青色光BLと赤色光RLとが混ざる時間(混色の時間)が生じる。同様に、第2フィルタ領域12bと第3フィルタ領域12cとの境界部に励起光(青色光BL)が照射された場合も、光出射光路Optで緑色光GLと青色光BLとの混色の時間が生じる。更に、第1フィルタ領域12aと第2フィルタ領域12bとの境界に励起光(青色光BL)が照射された場合も、光出射光路Optで赤色光RLと緑色光GLとの混色の時間が生じる。
この混色の時間(スポーク時間)が多いほど、照明装置の色純度が低下する。つまり、混色の時間は、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光束幅が広いと長く、狭いと短い。理想的には、固体光源10からの励起光(青色光BL)を、光透過制御ホイール12上で一点に集光することが好ましい。これにより、混色の時間も無視できる時間となり、混色を抑制することができる。しかし、光源の大きさや、集光光学系の収差、組み付けのバラツキなどがあるため、実際は、光源からの光の光束幅は、有限の大きさを有することとなる。
そこで、この混色の時間を最低限にするために、実施例2では、集光レンズ18によって、励起光(青色光BL)の光束幅を極力小さく(狭く)して、光透過制御ホイール12上またはその近傍で集光させている。具体的には、図10に示すように、固体光源10から出射した発散する励起光(青色光BL)を、カップリングレンズ11により略平行光とする。この略平行光となった励起光(青色光BL)を、集光レンズ18によって、より狭い光束幅に収束させて、光透過制御ホイール12へ入射させる。
この光透過制御ホイール12で反射された励起光(青色光BL)は、広がって進んでいくため、その広がった励起光(青色光BL)を、集光レンズ19で収束させ、略平行光としている。略平行となった励起光(青色光BL)は、実施例1と同様に、カップリングレンズ13によって、集光されて蛍光体ホイール14に照射され、蛍光体ホイール14から蛍光が生じる。この蛍光は、カップリングレンズ13によって略平行光にされた後、集光レンズ19によって、より狭い光束幅に収束されて、光透過制御ホイール12上またはその近傍で集光する。この光透過制御ホイール12によって、赤色光RLまたは緑色光GLが選択されて透過する。この光透過制御ホイール12を透過した赤色光RLまたは緑色光GLも、広がって進んでいくため、集光レンズ20で収束させて、略平行光にした後、ミラー16に入射させるようにしている。また、光透過制御ホイール12を透過した青色光BLも、広がって進んでいくため、集光レンズ21で収束させ、略平行光にした後、ミラー15に入射させるようにしている。
以上、実施例2によれば、固体光源10からの励起光(青色光BL)を集光レンズ18で、狭い光束幅に収束させて光透過制御ホイール12へ入射させることによって、励起光(青色光BL)を収束させない場合と比較して、照明光の混色の時間をより短くすることができる。同様に、蛍光体ホイール14からの蛍光も、集光レンズ19で、狭い光束幅に収束させて光透過制御ホイール12へ入射させることによって、蛍光を収束させない場合と比較して、照明光の混色の時間をより短くすることができる。このように、混色の時間を短くすることで、得られる各色の照明光の色純度をより向上させることができる。
なお、実施例1においても、混色を抑制することも可能である。つまり、混色の期間中は固体光源10を消灯(OFF)することで、色の混色をなくして照明光の色純度をより向上させることも可能となる。実施例1では、光源として固体光源10を用いているので、ごく短い混色の時間においても、点灯制御(ON)と消灯制御(OFF)との制御を行うといった制御が可能である。なお、実施例2のように光束幅を狭くして混色の時間をより短くした場合でも、この混色の時間に、固体光源10を消灯することで、混色をより効果的に抑制することができる。
また、実施例2では、光束幅を狭くした分、光透過制御ホイール12のサイズを小さくすることも可能となり、照明装置4Aおよびこれを用いた投射表示装置の簡略化、小型化、低コスト化を実現することができる。また、この照明装置4Aによる照明方法の簡略化も実現することができる。また、光透過制御ホイール12の作用により、生成する照明光の色純度を向上させることも可能となる。
なお、実施例2では、光透過制御ホイール12に入射する励起光(青色光BL)を収束させるため、集光レンズ18を設けているが、必ずしもこの集光レンズ18を設けて励起光(青色光BL)を収束させる必要はない。例えば、カップリングレンズ11のみで励起光(青色光BL)を収束させて光透過制御ホイール12へ入射させるようにしてもよい。
また、実施例2では、光透過制御ホイール12とカップリングレンズ13との間に集光レンズ19を配置することで、光透過制御ホイール12により反射されて蛍光体ホイール14へ向かう励起光(青色光BL)を収束している。また、蛍光体ホイール14で生じる蛍光も、この集光レンズ19で収束させて光透過制御ホイール12に入射するようにしている。しかし、必ずしもこの集光レンズ19を設けて蛍光を収束させる必要がなく、例えば、励起光(青色光BL)も蛍光も、カップリングレンズ13で収束させるようにしてもよい。
(実施例3)
次に、本願の実施例3に係る照明装置について、図12〜図14に基づいて説明する。図12の光学図に示すように、実施例3に係る照明装置4Bは、光透過制御ホイール12を光透過制御ホイール112に代え、蛍光体ホイール14を蛍光体ホイール114に代えたこと以外は、図10に示す実施例2の照明装置4Aと同様の基本構成を有している。そのため、実施例2と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この実施例3の照明装置4Bでは、蛍光体ホイール114に、黄色を含む光(蛍光)を生じる黄色蛍光体および緑色を含む光(蛍光)を生じる緑色蛍光体の2種類の蛍光体を用いている。そして、実施例3では、光透過制御ホイール112の分光特性を利用して、黄色を含む光(蛍光)から赤色光RL、黄色光YLを生成し、緑色を含む光(蛍光)から緑色光GLを生成するものである。
実施例3で用いる光透過制御ホイール112は、図13(b)に示すように、励起光(青色光BL)および緑色光GLを反射し赤色光RLを透過する第1フィルタ領域112aと、励起光(青色光BL)を反射するとともに、緑色および赤色を透過、すなわち、黄色光YLを透過する第2フィルタ領域112bと、励起光(青色光BL)および赤色光RLを反射し緑色光GLを透過する第3フィルタ領域112cと、励起光(青色光BL)を透過する第4フィルタ領域112dと、を有している。
また、蛍光体ホイール114は、図13(a)に示すように、光透過制御ホイール112の第1フィルタ領域112aに対応する第1蛍光体領域114aと、第2フィルタ領域112bに対応する第2蛍光体領域114bと、第3フィルタ領域112cに対応する第3蛍光体領域114cと、第4フィルタ領域112dに対応する第4領域(不問領域)114dと、を有している。
第1蛍光体領域114aおよび第2蛍光体領域114bは、図面上はセグメントに分割されているが、同一の黄色蛍光体を用いている。この黄色蛍光体は、励起光(青色光BL)によって励起され、黄色を含む光(蛍光)を生じさせる。この黄色を含む光(蛍光)は、赤色光RLとして取り出したい赤色の波長領域をも含む光(蛍光)を含んでおり、この黄色を含む光(蛍光)から、黄色光YLと赤色光RLとを生成する。このような構成とすることで、蛍光体の種類を少なくして、蛍光体ホイール114をより簡易にするとともに、蛍光体の種類以上の照明光を生成することができる。また、赤色蛍光体と比較して、黄色蛍光体は、発光効率がより良好であるため、黄色蛍光体から生じる黄色を含む光(蛍光)から、赤色光RLを取り出すことで、より明るく色純度にも優れる赤色光RLを生成することができる。また、第3蛍光体領域114cには、緑色を含む光(蛍光)を生じさせる緑色蛍光体を用いている。また、緑色光GLについては、緑色を含む光(蛍光)から生成することで、緑色光GLの色純度をより向上させることができるとともに、緑色光GLの生成をより簡易に行うことができる。
黄色蛍光体から生じる黄色を含む光(蛍光)の波長領域(λD)としては、500nm〜750nm、または、この範囲を含むものが好ましい。波長λDを、このような範囲とすることで、黄色蛍光体からは、所望の赤色の波長領域を含み、かつ、黄色を含む波長領域の光(蛍光)が生じる。また、緑色蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)の波長領域(λC)としては、実施例1と同様に、500nm〜600nm、または、この範囲を含むものが好ましい。
上述のような照明装置4Bでは、図14に示すようなシーケンスで、赤色光RL、黄色光YL、緑色光GL、青色光BLの生成の制御が行われる。以下、各色の生成時の作用について説明する。
(赤色光RLの生成)
赤色光RLの生成時には、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール112の第1フィルタ領域112aが配置される。光透過制御ホイール112に入射した励起光(青色光BL)は、この第1フィルタ領域112aによって反射され、蛍光体ホイール114の第1蛍光体領域114aに照射される。この第1蛍光体領域114aが励起されて、波長λDの黄色を含む光(蛍光)、すなわち、赤色を含む光(蛍光)をも含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール112の第1フィルタ領域112aに入射し、主に赤色光RL(波長λb)が選択されて第1フィルタ領域112aを透過する。この透過後、赤色光RLは、ミラー16で反射されてダイクロイックミラー17に入射し、このダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに合流する(以上、図12参照)。その後、赤色光RLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(黄色光YLの生成)
黄色光YLの生成時には、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール112の第2フィルタ領域112bが配置される。光透過制御ホイール112に入射した励起光(青色光BL)は、この第2フィルタ領域112bによって反射され、蛍光体ホイール114の第2蛍光体領域114bに照射される。この第2蛍光体領域114bが励起されて、波長λDの黄色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール112の第2フィルタ領域112bに入射し、赤色成分と緑色成分とが選択されて第2フィルタ領域112bを透過することで、黄色光YL(波長λd)が生成される。この黄色光YLは、ミラー16で反射されてダイクロイックミラー17に入射し、このダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに合流する(以上、図12参照)。その後、赤色光RLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。なお、第2フィルタ領域112bで選択されて透過する黄色光YLの波長λdは、黄色蛍光体から生じる黄色を含む光(蛍光)の波長λDと同一であってもよいし、より狭い範囲として、黄色光YLの色純度を高めることもできる。
(緑色光GLの生成)
緑色光GLの生成時には、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール112の第3フィルタ領域112cが配置される。光透過制御ホイール112に入射した励起光(青色光BL)は、この第3フィルタ領域112cによって反射され、蛍光体ホイール114の第3蛍光体領域114cに照射される。この第3蛍光体領域114cが励起されて、波長λCの緑色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(青色光BL)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール112の第3フィルタ領域112cに入射し、主に緑色光GL(波長λc)が選択されて第3フィルタ領域112cを透過する。この透過後、緑色光GLは、ミラー16で反射されてダイクロイックミラー17に入射し、このダイクロイックミラー17により反射されて光出射光路Optに合流する(以上、図12参照)。その後、緑色光GLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(青色光の生成)
青色光BLの生成時には、固体光源10からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール112の第4フィルタ領域112dが配置される。光透過制御ホイール112に入射した励起光(青色光BL)は、この第4フィルタ領域112dを透過して、青色光BLとしてミラー15に入射する。このミラー15によって、青色光BLは、ダイクロイックミラー17側に反射され、このダイクロイックミラー17を透過して光出射光路Optに合流する(以上、図12参照)。その後、青色光BLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
以上、実施例3では、光透過制御ホイール112に、透過させる波長領域が異なる分光特性を有する複数の領域を設けるだけで、1つの黄色蛍光体から複数の照明光(赤色光RL、黄色光YL)を生成することができる。また、1つの固体光源10を用いて赤色光RL、黄色光YL、緑色光GL、青色光BLの4種類の照明光を生成することができる。そのため、光源を増やすことなく、より多くの照明光を生成することができ、使用する蛍光体の種類を少なくして、より簡易な構成であって、より小型化、より低コスト化が可能な照明装置4Bおよび投射表示装置を実現することができる。また、照明装置4Bによる照明方法の簡易化も実現することができる。また、光透過制御ホイール112により、蛍光体から生じた光(蛍光)の分光分布の一部を取り出して、赤色光RL、黄色光YL、緑色光GLとして出射させることで、これらの光の色純度を向上させることも可能となり、色再現範囲を広げることも可能となる。
なお、上記のように,実施例3では、第1蛍光体領域114aと、第2蛍光体領域114bとに、同一の黄色蛍光体を使用し、これらから生じる黄色を含む蛍光から、赤色光RLと黄色光YLとを取り出している。しかし、本願が必ずしもこれに限定されることはなく、第1蛍光体領域114aに赤色が含まれ、第2蛍光体領域114bに黄色が含まれていれば、互いに異なる発光特性を有する蛍光体を用いてもよい。すなわち、赤色蛍光体と黄色蛍光体とを用い、赤色蛍光体から赤色を含む光(蛍光)を生じさせ、黄色蛍光体から黄色を含む光(蛍光)を生じさせてもよい。このような場合でも、使用する蛍光体の種類は増えるが、1つの固体光源10をもとに、赤色光RL、黄色光YL、緑色光GL、青色光BLの4つの照明光を生成することができ、照明装置4B等の簡易化や小型化等が可能となる。
また、実施例3の照明装置4Bは、実施例2の照明装置4Aと基本構成が同様のものに、光透過制御ホイール112と蛍光体ホイール114を適用している。しかし、実施例1の照明装置4に対して、光透過制御ホイール12を光透過制御ホイール112に代え、蛍光体ホイール14を蛍光体ホイール114に代えて実施することも、勿論可能である。
(実施例4)
次に、本願の実施例4に係る照明装置について、図15〜図17に基づいて説明する。上記実施例1〜実施例3では、励起光として青色光BLを出射する固体光源を用いているが、実施例4では、励起光として青色よりも短い紫外領域を含む光(以下「紫外線」と呼ぶ)を出射する固体光源を用いている。実施例4では、この紫外線を反射し、複数の可視光(照明光)を選択して透過させる光透過制御ホイールと、紫外線により励起されて蛍光を生じさせる複数の蛍光体がセグメント化された蛍光体ホイールとを備えた照明装置を実施している。
図15の光学図に示すように、実施例4に係る照明装置4Cは、励起光として紫外線UVを出射する固体光源10’と、カップリングレンズ11と、集光レンズ18と、光透過制御ホイール212と、集光レンズ19と、カップリングレンズ13と、蛍光体ホイール214と、集光レンズ20と、を備えている。カップリングレンズ11,13、および,集光レンズ18,20については、実施例1や実施例2で使用したものと同様であるため、これらの実施例と同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。なお、実施例4では、ミラー等による光路の制御を行っていないため、集光レンズ20を必ずしも用いる必要はない。光透過制御ホイール212を透過した光を、図1に示す照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aのみで集光させてもよい。
固体光源10’としては、紫外線UVを発生させるLD、LED等を用いることができる。実施例4で用いる光透過制御ホイール212は、図16(b)に示すように、励起光(紫外線UV)を反射し赤色光RLを透過する第1フィルタ領域212aと、励起光(紫外線UV)を反射し緑色光GLを透過する第2フィルタ領域212bと、励起光(紫外線UV)を反射し青色光BLを透過する第3フィルタ領域212cと、を有している。図16(b)に示すSP1は、光透過制御ホイール212に入射する励起光(紫外線UV)および蛍光の光束を表している。
また、蛍光体ホイール214は、図16(a)に示すように、光透過制御ホイール212の第1フィルタ領域212aに対応する第1蛍光体領域214aと、第2フィルタ領域212bに対応する第2蛍光体領域214bと、第3フィルタ領域212cに対応する第3蛍光体領域214cと、を有している。図16(a)に示すSP2は、蛍光体ホイール214に照射される励起光(紫外線UV)の光スポットを表している。
第1蛍光体領域214aは、励起光(紫外線UV)に励起されて赤色を含む光(蛍光)を生じさせる赤色蛍光体からなる。第2蛍光体領域214bは、励起光(紫外線UV)に励起されて緑色を含む光(蛍光)を生じさせる緑色蛍光体からなる。第3蛍光体領域214cは、励起光(紫外線UV)に励起されて青色を含む光(蛍光)を生じさせる青色蛍光体からなる。第1蛍光体領域214aの赤色蛍光体から生じる赤色を含む光(蛍光)の波長領域(λB)としては、例えば、630nm〜670nm、または、この範囲を含むものが好ましい。また、第2蛍光体領域214bの緑色蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)の波長領域(λC)としては、500nm〜600nm、または、この範囲を含むものが好ましい。また、第3蛍光体領域214cの青色蛍光体から生じる青色を含む光(蛍光)の波長領域(λA)としては、430nm〜470nm、または、この範囲を含むものが好ましい。
上述のような照明装置4Cでは、図17に示すようなシーケンスで、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLの生成の制御が行われる。以下、各色の生成時の作用について説明する。
(赤色光RLの生成)
赤色光RLの生成時には、固体光源10’からの励起光(紫外線UV)の光路中に、光透過制御ホイール212の第1フィルタ領域212aが配置される。光透過制御ホイール212に入射した励起光(紫外線UV)は、この第1フィルタ領域212aによって反射され、蛍光体ホイール214の第1蛍光体領域214aに照射される。この第1蛍光体領域214aが励起されて、波長λBの赤色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(紫外線UV)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール212の第1フィルタ領域212aに入射し、主に赤色光RL(波長λb)が選択されて第1フィルタ領域212aを透過し、光出射光路Optに合流する(以上、図15参照)。その後、赤色光RLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(緑色光GLの生成)
緑色光GLの生成時には、固体光源10’からの励起光(紫外線UV)の光路中に、光透過制御ホイール212の第2フィルタ領域212bが配置される。光透過制御ホイール212に入射した励起光(紫外線UV)は、この第2フィルタ領域212bによって反射され、蛍光体ホイール214の第2蛍光体領域214bに照射される。この第2蛍光体領域214bが励起されて、波長λCの緑色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(紫外線UV)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール212の第2フィルタ領域212bに入射し、主に緑色光GL(波長λc)が選択されて第2フィルタ領域212bを透過し、光出射光路Optに合流する(以上、図15参照)。その後、緑色光GLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(青色光の生成)
青色光BLの生成時には、固体光源10’からの励起光(紫外線UV)の光路中に、光透過制御ホイール212の第3フィルタ領域212cが配置される。光透過制御ホイール212に入射した励起光(紫外線UV)は、この第3フィルタ領域212cによって反射され、蛍光体ホイール214の第3蛍光体領域214cに照射される。この第3蛍光体領域214cが励起されて、波長λAの青色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(紫外線UV)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール212の第3フィルタ領域212cに入射し、この第3フィルタ領域212cを透過して、光出射光路Optに合流する(以上、図15参照)。その後、青色光BLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。なお、青色光BLについても、第3蛍光体領域214cから生じるλAの青色を含む光(蛍光)よりも狭い範囲の波長領域を第3フィルタ領域212cで透過させるようにして、青色光BLの色純度を高めることもできる。
以上、実施例4では、励起光として紫外線を用いて、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLからなる3つの照明光を生成することができる。そのため、光源数の低減、光源コストの低減が可能となり、より簡易な構成であって、より小型化、より低コスト化が可能な照明装置4Cおよび投射表示装置を実現することができる。また、照明装置4Cによる照明方法の簡易化も実現することができる。また、光透過制御ホイール12により、蛍光体から生じた光(蛍光)の分光分布の一部を取り出して、赤色光RL、緑色光GL、青色光BLとして出射させることで、これらの光の色純度を向上させることも可能となり、色再現範囲を広げることも可能となる。
(実施例5)
次に、本願の実施例5に係る照明装置について、図18〜図20に基づいて説明する。上記実施例1〜実施例4では、蛍光体ホイールを、光透過制御ホイールによる励起光の反射光路中に配置している。これに対して、実施例5では、蛍光体ホイールを、光透過制御ホイールによる励起光の透過光路中に配置している。また、実施例1〜4では、光源として、青色光BLを出射する固体光源10または紫外線UVを出射する固体光源10’のみを使用しているが、実施例5では、外線UVを出射する固体光源10’と、さらに、赤色の波長領域の光を出射する固体光源も用いている。
図18の光学図に示すように、実施例5に係る照明装置4Dは、励起光(紫外線UV)を出射する固体光源10’と、カップリングレンズ11と、集光レンズ18と、光透過制御ホイール312と、集光レンズ19と、カップリングレンズ13と、蛍光体ホイール314と、集光レンズ20と、赤色の波長領域の赤色光RLを出射する固体光源40と、カップリングレンズ41と、ダイクロイックミラー42と、を備えている。カップリングレンズ11,13、および、集光レンズ18,19,20については、実施例1や実施例2で使用したものと同様であり、固体光源10’については、実施例4で使用したものと同様である。そのため、これらの実施例と同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。光透過制御ホイール312および蛍光体ホイール314の詳細は後述する。
照明装置4Dで用いる固体光源40としては、赤色の波長領域の光(赤色光RL)を発光するLDまたはLEDを用いることができるが、本実施例では、赤色LDを用いている。なお、固体光源40から出射する赤色光RLの波長領域(λB)としては、例えば、630nm〜670nm、または、この範囲を含むものが好ましい。カップリングレンズ41は、固体光源40から発散して出射する赤色光RLを略平行光束にしてダイクロイックミラー42に入射させる。ダイクロイックミラー42は、赤色光RLを反射し、緑色光GLおよび青色光BLを透過して、各光を光出射光路Optに導く。
この実施例5の照明装置4Dでは、蛍光体ホイール314に、緑色を含む光(蛍光)を生じる緑色蛍光体と、青色を含む光(蛍光)を生じる青色蛍光体との2種類の蛍光体を用いている。実施例5では、これらの蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)および青色を含む光(蛍光)から、光透過制御ホイール312によって、緑色光GL、青色光BLを生成し、固体光源40によって赤色光RLを生成する。
実施例5で用いる光透過制御ホイール312は、図19(b)に示すように、励起光(紫外線UV)を透過するとともに、緑色光GLを反射する第1フィルタ領域312aと、励起光(紫外線UV)を透過し青色光BLを反射する第2フィルタ領域312bと、第3領域312cと、を有している。この第3領域312cが励起光(紫外線UV)の光路に位置しているときは、後述するように、固体光源10’を消灯制御(OFF)しているため、励起光(紫外線UV)や蛍光が照射されることはない。そのため、第3領域312cは、励起光(紫外線UV)や蛍光の反射や透過を行うようにする必要がなく、不問領域となっている。
また、蛍光体ホイール314は、図19(a)に示すように、光透過制御ホイール312の第1フィルタ領域312aに対応する第1蛍光体領域314aと、第2フィルタ領域312bに対応する第2蛍光体領域314bと、第3領域312cに対応する第3領域314cと、を有している。この第3領域314cにおいては、上述したように、励起光(紫外線UV)が照射されることはないため、蛍光体の有無を問わない不問領域となっている。
第1蛍光体領域314aは、励起光(紫外線UV)によって励起されて緑色を含む光(蛍光)を生じさせる緑色蛍光体からなる。また、第2蛍光体領域314bは、励起光(紫外線UV)によって励起されて青色を含む光(蛍光)を生じさせる青色蛍光体からなる。なお、光透過制御ホイール312の第3フィルタ領域312cが励起光(紫外線UV)の光路に位置しているときには、固体光源10’が消灯制御(OFF)されることにより、第3領域314cには、励起光(紫外線UV)が照射されない。そのため、この第3領域314cは、蛍光体の有無を問わない不問領域となっている。
第1蛍光体領域314aの緑色蛍光体から生じる緑色を含む光(蛍光)の波長領域(λC)としては、実施例1と同様に、500nm〜600nm、または、この範囲を含むものが好ましい。また、第2蛍光体領域314bの青色蛍光体から生じる青色を含む光(蛍光)の波長領域(λA)としては、430nm〜470nm、または、この範囲を含むものが好ましい。
上述のような照明装置4Dでは、図20に示すようなシーケンスで、緑色光GL、青色光BL、赤色光RLの生成の制御が行われる。以下、各色の生成時の作用について説明する。
まず、緑色光GL、青色光BLを生成する際には、駆動制御部3cの制御により、図20に示すように、紫外線UVを出射する固体光源10’を点灯制御(ON)し、赤色LDからなる固体光源40を消灯制御(OFF)する。
(緑色光GLの生成)
緑色光GLの生成時には、固体光源10’からの励起光(青色光BL)の光路中に、光透過制御ホイール312の第1フィルタ領域312aが配置される。光透過制御ホイール312に入射した励起光(紫外線UV)は、この第1フィルタ領域312aを透過し、蛍光体ホイール314の第1蛍光体領域314aに照射される。この第1蛍光体領域314aが励起されて、波長λCの緑色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(紫外線UV)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール312の第1フィルタ領域312aに入射し、主に緑色光GL(波長λc)が選択されて第1フィルタ領域312aで反射される。この反射後、緑色光GLは、ダイクロイックミラー42を透過して、光出射光路Optに合流する(以上、図18参照)。その後、緑色光GLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(青色光の生成)
青色光BLの生成時には、固体光源10’からの励起光(紫外線UV)の光路中に、光透過制御ホイール312の第2フィルタ領域312bが配置される。光透過制御ホイール312に入射した励起光(紫外線UV)は、この第2フィルタ領域312bを透過し、蛍光体ホイール314の第2蛍光体領域314bに照射される。この第2蛍光体領域314bが励起されて、波長λAの青色を含む光(蛍光)を生じさせる。この蛍光は、励起光(紫外線UV)の光路を逆にたどって、光透過制御ホイール312の第2フィルタ領域312bに入射し、青色光BL(波長λA)が第2フィルタ領域312bで反射される。この反射後、青色光BLは、ダイクロイックミラー42を透過して、光出射光路Optに合流する(以上、図18参照)。その後、緑色光GLは、図1に示すように、照明光として照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
(赤色光の生成)
赤色光RLの生成時には、図20に示すように、固体光源10’を消灯制御(OFF)し、固体光源40を点灯制御(ON)する。この赤色光RLの生成時には、固体光源10’からの励起光(紫外線UV)の光路中には、光透過制御ホイール312の第3領域312cと蛍光体ホイール314の第3領域314cとが配置されている。しかし、固体光源10’がOFFされているので、これらに励起光(紫外線UV)が照射されることはない。
点灯制御(ON)された固体光源40からは、赤色光RLが発散して発光され、カップリングレンズ41入射する。この発散する赤色光RLは、カップリングレンズ41により略平行光束である赤色光RLにされて、ダイクロイックミラー42側に出射し、このダイクロイックミラー42に反射され、光出射光路Optに合流する(以上、図18参照)。その後、赤色光RLは、図1に示すように、照明光案内光学系6の集光レンズ(集光素子)6aに入射する。
以上、実施例5では、固体光源10’をもとに緑色光GL、青色光BLを生成し、固体光源40から赤色光RLを生成している。そのため、照明光の数に対応する光源を用いる必要がなく、光源数の低減、光源コストの低減等が可能となる。したがって、より簡易な構成の照明装置4Dおよび投射表示装置を実現するとともに、照明装置4Dによる照明方法の簡易化も実現することができる。また、赤色光RLを固体光源40により生成することで、より明るい赤色光RLを取得することができる。また、照明光の生成を固体光源10’だけに依存することなく、固体光源40をも用いて行うことで、固体光源10’への負荷も軽減でき、光源の耐久性も向上する。また、蛍光体ホイール314を励起光の反射光路ではなく透過光路に配置することも可能となるため、照明装置を設計する際の自由度も向上する。
なお、実施例5では、励起光を出射する光源として、紫外線UVを出射する固体光源10’を用いているが、青色光BLを出射する青色LD等の固体光源を用いることも可能である。この場合、青色光BLを透過し、蛍光を反射して、これらを分離するように光透過制御ホイールを構成し、青色光BLを励起光として、例えば、緑色光や黄色光を生じさせるように蛍光体ホイールを構成する。また、青色光BLを照明光として利用することもできる。この場合でも、光源数の低減、光源コストの低減等による照明装置等の簡易化、さらには、照明光の色純度の向上、光源の耐久性の向上等を実現することができる。
なお、上記実施例1〜実施例5で用いた光透過制御ホイールおよび蛍光体ホイールの各セグメントの配置順は、実施例1〜実施例5の順番に限定されることはなく、自由に選択することができる。したがって、照明装置から出射する照明光の色の順番も、実施例1〜実施例5の順番に限定されることはなく、自由に選択することができる。
また、上記各実施例では、波長変換部材(蛍光体ホイール)として、短波長の光(励起光)を長波長の光(蛍光)に変換する蛍光体を用いた場合について説明したが、本願の波長変換部材が、実施例の形態に限定されるものではない。波長変換部材として、長波長の光(励起光)を、短波長の光に変換する非線形光学結晶領域等を用いることもできる。
以上、本願の照明装置および投射表示装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本願の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されることはなく、本願を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。また、上記各実施例では、投射表示装置として、スクリーン等の投影面に画像を投影して拡大表示する投影表示装置(プロジェクタ)に適用した例を説明したが、本願がこれらの実施例に限定されることはない。例えば、モノクロ表示の液晶パネルと組み合わせ、本願の照明装置で得られる光の3原色(赤、緑、青)を時分割で照明することにより、カラー表示装置にも適用することもできる。
2 投射表示装置 4,4A,4B,4C,4D 照明装置
5 画像形成素子(画像生成部) 7 投射レンズ(投影光学系)
10,10’ 固体光源(励起光源) 40 固体光源(光源)
12,112,212,312 光透過制御ホイール(光分離部材)
12a 第1フィルタ領域(第1領域) 12b 第2フィルタ領域(第2領域)
12c 第3フィルタ領域(第3領域)
13 カップリングレンズ(光学素子) 18,19 集光レンズ(集光素子)
14,114,214,314 蛍光体ホイール(波長変換部材)
14a 第1蛍光体領域(第1の波長変換部材、第1蛍光体)
14b 第2蛍光体領域(第2の波長変換部材、第2蛍光体)
112a 第1フィルタ領域(第1領域)
112b 第2フィルタ領域(第2領域)
112c 第3フィルタ領域(第3領域) 112d 第4フィルタ領域
114a 第1蛍光体領域(第1の波長変換部材、第1蛍光体)
114b 第2蛍光体領域(第2の波長変換部材、第2蛍光体)
114c 第3蛍光体領域(第3の波長変換部材、第3蛍光体)
212a 第1フィルタ領域(第1領域)
212b 第2フィルタ領域(第2領域)
212c 第3フィルタ領域(第3領域)
214a 第1蛍光体領域(第1の波長変換部材、第1蛍光体)
214b 第2蛍光体領域(第2の波長変換部材、第2蛍光体)
214c 第3蛍光体領域(第3の波長変換部材、第3蛍光体)
312a 第1フィルタ領域(第1領域)
312b 第2フィルタ領域(第2領域)
314a 第1蛍光体領域(第1の波長変換部材、第1蛍光体)
314b 第2蛍光体領域(第2の波長変換部材、第2蛍光体)
特許第4678556号公報

Claims (14)

  1. 励起光を発光する励起光源と、
    前記励起光に励起されて前記励起光と異なる波長領域の光を生じさせる波長変換部材と、
    前記励起光の光路および前記波長変換部材から生じる前記光の光路を分離するとともに、前記波長変換部材から生じる前記光の分光分布の少なくとも一部を取り出す第1領域、および、前記光の分光分布の少なくとも一部であって、前記第1領域とは異なる分光分布を取り出す第2領域を少なくとも有し、少なくとも前記第1フィルタおよび前記第2フィルタを、前記励起光の前記光路中に時間的に切替えて配置する光分離部材と、を備え、
    前記波長変換部材は、前記光分離部材により分離された前記励起光の前記光路中に配置されたことを特徴とする照明装置。
  2. 前記光分離部材は、前記励起光および前記波長変換部材から生じる前記光の一方を反射し、他方を透過させることにより、前記励起光の前記光路および前記波長変換部材から生じる前記光の前記光路を分離するとともに、前記第1フィルタで前記波長変換部材から生じる前記光の分光分布の少なくとも一部を反射または透過して取り出し、前記第2フィルタで前記波長変換部材から生じる前記光の分光分布の少なくとも一部であって、前記第1フィルタとは異なる分光分布を反射または透過して取り出すことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記波長変換部材として、前記励起光により励起され、特定の波長領域を含む第1の光を生じさせる第1の波長変換部材と、前記第1の光とは異なる特定の波長領域を含む第2の光を生じる第2の波長変換部材と、を少なくとも備え、少なくとも前記第1の波長変換部材および前記第2の波長変換部材が、前記光分離部材により分離された前記励起光の前記光路中に、時間的に切替わって配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記励起光源は、前記励起光として青色光を発光し、前記波長変換部材には、前記第1の波長変換部材として、前記青色光に励起されて、少なくとも赤色を含む光を前記第1の光として生じさせる第1蛍光体と、前記第2の波長変換部材として、前記青色光に励起されて、少なくとも緑色を含む光を前記第2の光として生じさせる第2蛍光体と、が少なくとも設けられ、
    前記光分離部材の前記第1領域は、前記第1蛍光体から生じる前記第1の光から、前記赤色を選択して透過または反射して、前記励起光と分離することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  5. 前記励起光源は、前記励起光として青色光を発光し、前記波長変換部材には、前記第1の波長変換部材として、前記青色光に励起されて、少なくとも赤色を含む光を前記第1の光として生じさせる第1蛍光体と、前記第2の波長変換部材として、前記青色光に励起されて、少なくとも緑色を含む光を前記第2の光として生じさせる第2蛍光体と、が少なくとも設けられ、
    前記光分離部材の前記第2領域は、前記第2蛍光体から生じる前記第2の光から、前記緑色を選択して透過または反射して、前記励起光と分離することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  6. 前記第1蛍光体は、黄色を含む光を前記第1の光として生じさせることを特徴とする請求項4または5に記載の照明装置。
  7. 前記波長変換部材は、黄色を含む光を第3の光として生じさせる第3蛍光体を、さらに有し、
    前記光分離部材は、前記第3蛍光体から生じる前記第3の光を反射または透過して、前記励起光と分離する第3領域を、さらに有することを特徴とする請求項4または5に記載の照明装置。
  8. 前記励起光源は、前記励起光として紫外線を発し、
    前記波長変換部材は、前記紫外線に励起されて、少なくとも赤色を含む光を前記第1の光として生じさせる前記第1の波長変換部材としての第1蛍光体と、少なくとも緑色を含む光を前記第2の光として生じさせる前記第2の波長変換部材としての第2蛍光体と、少なくとも青色を含む光を第3の光として生じさせる第3蛍光体と、を少なくとも有し、
    前記光分離部材は、前記第3蛍光体から生じる前記第3の光から青色を選択して透過または反射する第3領域を、さらに有し、
    前記第1領域は、前記第1蛍光体から生じる前記第1の光から赤色を選択して透過または反射し、前記第2領域は、前記第2蛍光体から生じる前記第2の光から緑色を選択して透過または反射し、前記第3蛍光体から生じる前記第3の光から青色を選択して透過または反射することにより、前記励起光と分離させることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  9. 赤色光を発光する光源を、さらに有し、該光源から前記赤色光を取り出すとともに、
    前記励起光源は、前記励起光として紫外線を発し、
    前記波長変換部材は、前記紫外線に励起されて、少なくとも緑色を含む光を前記第1の光として生じさせる前記第1の波長変換部材としての第1蛍光体と、少なくとも青色を含む光を前記第2の光として生じさせる前記第2の波長変換部材としての第2蛍光体と、を少なくとも有し、
    前記第1領域は、前記第1蛍光体から生じる前記第1の光から緑色を選択して透過または反射し、前記第2領域は、前記第2蛍光体から生じる前記第2の光から青色を選択して透過または反射することにより、前記励起光と分離させることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
  10. 前記波長変換部材から生じた前記光を、前記光分離部材に向けて出射させる光学素子を、前記波長変換部材と前記光分離部材との間に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
  11. 前記励起光源から発光される前記励起光を、前記光分離部材上またはその近傍で集光させる集光素子を、前記励起光源と前記光分離部材との間に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
  12. 前記波長変換部材から生じた前記光を、前記光分離部材上またはその近傍で集光させる集光素子を、前記波長変換部材と前記光分離部材との間に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明装置を備え、前記照明装置から出射された光が照射される画像生成部と、該画像生成部で変調された画像を投射する投影光学系と、を備えたことを特徴とする投射表示装置。
  14. 励起光源から発光される励起光を波長変換部材に照射し、前記励起光により励起されて前記波長変換部材から生じる前記励起光と異なる波長領域の光を、被照明部に照射する照明方法であって、
    前記励起光の光路および前記波長変換部材から生じる前記光の光路を分離する光分離部材の第1領域および第2領域を、少なくとも前記励起光の光路中に時間的に切替えて配置させるステップと、
    前記光分離部材により分離された前記励起光の光路中に配置された前記波長変換部材に、前記励起光を照射して、前記励起光と異なる波長領域の前記光を生じさせるステップと、
    前記光分離部材の前記第1領域により、前記波長変換部材から生じる前記光の分光分布の少なくとも一部を取り出すステップと、
    前記第2領域により、前記第2の光の分光分布の少なくとも一部であって、前記第1領域とは異なる分光分布を取り出すステップと、を有することを特徴とする照明方法。
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