JP2015089966A - スパッタリングターゲット材およびその製造方法 - Google Patents

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takanori Mazaki
貴則 眞崎
俊昭 河野
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俊昭 河野
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Abstract

【課題】強度が高く、大型化しても基材に接合するときに割れを生じにくいセラミック製のスパッタリングターゲット材及び製造方法の提供。【解決手段】スパッタリングターゲット材10が有する、セラミックス製接合層14、15とセラミックス製接合層によって接合される2つのセラミックス製分割スパッタリングターゲット材11、12、13におけるすべての接合部19a、19bにおいて、X線透過法により得られた画像から、セラミックス製接合層が接合しているセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面に対応する画像上の領域の面積に対する、セラミックス製接合層がセラミックス製分割スパッタリングターゲット材に接合している領域に対応する画像上の領域の面積の比率である接合面積比を求めたときに、その最小値が90%以上とする。前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材がITO又はIGZO製であるスパッタリングターゲット材【選択図】図1

Description

本発明はスパッタリングターゲット材およびその製造方法に関し、詳しくは、基材に接合するときに割れにくいスパッタリングターゲット材、およびその製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイや太陽電池の製造工程には、一般に、スパッタリングターゲットをスパッタすることによりガラス基板に薄膜を形成する工程が含まれる。スパッタリングターゲットは、スパッタリングターゲット材を基材に半田材により半田接合して形成される。近年、フラットパネルディスプレイや太陽電池で使用されるガラス基板が大型化されているため、この大型の基板上に薄膜を形成できる大型のスパッタリングターゲット材が必要になってきている。
ターゲット材の材料が金属である場合、金属は柔軟で延性が高いため、比較的容易に大型のターゲット材を製造することが可能である。一般には、溶解、焼結等によりインゴットが形成され、鍛造、圧延、熱処理等の後、切削加工されることで、所定形状の金属製ターゲット材が製造される。
一方、ターゲット材の材料がセラミックスである場合には、セラミックスは脆く、硬いため上述の方法ではターゲットを製造することは困難である。そこで、セラミックス製ターゲット材は、通常、原料粉末を成形して高温で焼結する粉末焼結法により製造される。ただし、粉末焼結法でセラミックス製ターゲット材を製造する場合であっても、焼結炉の大きさに制限があること、焼結体が大型の場合、加熱時の熱応力により反りやクラックが発生しやすいこと、密度のばらつきが大きくなるなどの理由から、製造できるターゲットの大きさには一定の限界がある。このため、1つのターゲット材により成膜できる面積には限界があった。その限界を超えた面積の成膜を行う必要がある場合には、たとえば、複数個のセラミックス製ターゲット材を基材に接合して大型のターゲットとすることが行われる。
この場合、各ターゲット材を相互に接触させて基材に接合すると、接合時の加熱またはスパッタ時の発熱によりターゲット材が膨張することにより、ターゲット材に割れが発生するおそれがある。そこで、加熱処理を伴う接合を行う場合には、隣り合うターゲット材間に一定の間隔を設けて複数個のターゲット材を基材に接合することが一般的である。たとえば、特許文献1には、複数のターゲット材がその端面が被スパッタ面に対して斜めに形成されているスパッタリングターゲットが開示されている。特許文献2には、複数のターゲット材が規則的な列をなして配列され、ターゲット材間の間隙が、前記列の方向とそれに垂直な方向との間の角度に沿って配列されたスパッタリングターゲットが開示されている。特許文献3には、複数の円筒形ターゲット材を備えた円筒形ターゲットであって、隣り合う円筒形ターゲット材間に間隙を有し、隣り合う円筒形ターゲット材の外周面の段差を一定値以下にしたスパッタリングターゲットが開示されている。
しかし、隣り合うターゲット材の間に間隙が存在すると、ターゲット材の縁部間で異常放電(アーキング)が発生する、接合材がターゲット側壁に付着する、間隙底部に存在する接合材に起因するパーティクルが発生する、間隙部に露出した基材または接合材がスパッタされ、得られた薄膜に不純物が混入する等の問題が生じるおそれがある。
このようなターゲット材間の間隙に起因する問題を解消するターゲットとして、特許文献4に、複数のセラミックス片を、該セラミックス片と同じ組成を有するセラミックス材料で接合して得られた、隣り合うターゲット材間に間隙を有しないターゲットが提案されている。
しかし、特許文献4に開示されたターゲットは強度が低く、基材に接合するときにセラミックス材料部分に割れを生じることが多かった。特にターゲットを大型化すると、基材への接合時の割れの発生は顕著であった。
特開2005−105389号公報 特開2012−241281号公報 特開2010−100930号公報 特開昭59−20470号公報
本発明は、ターゲット材間の間隙等に起因する異常放電などの上記問題が生じにくく、強度が高く、大型化しても基材に接合するときに割れを生じにくいセラミックス製のスパッタリングターゲット材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明のスパッタリングターゲット材は、
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材と該複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するセラミックス製接合層とからなるスパッタリングターゲット材であって、
該スパッタリングターゲット材が有する、前記セラミックス製接合層と、該セラミックス製接合層によって接合される隣り合う2つの前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材における前記セラミックス製接合層が接合している面とを含むすべての接合部において、X線透過法により得られた画像から、前記セラミックス製接合層が接合している前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面に対応する画像上の領域の面積に対する、前記セラミックス製接合層が前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材に接合している領域に対応する画像上の領域の面積の比率である接合面積比を求めたとき、その最小値が90%以上である。
前記スパッタリングターゲット材において、前記セラミックス製接合層の組成が、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の組成と実質的に同じであることが好ましい。
前記スパッタリングターゲット材はたとえば平板形状であり、そのスパッタ面の面積がたとえば300,000mm2以上である。
前記スパッタリングターゲット材はたとえば円筒形状であり、その軸線方向の長さがたとえば1,000mm以上である。
前記スパッタリングターゲット材において、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材はたとえばITOまたはIGZO製である。
本発明のスパッタリングターゲットは、前記セラミックス製スパッタリングターゲット材が基材に接合されてなる。
前記スパッタリングターゲット材において、前記セラミックス製スパッタリングターゲット材が、スパッタ面において、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材と前記セラミックス製接合層との間に実質的に段差を有していないことが好ましい。
本発明のスパッタリングターゲット材の第1の製造方法は、
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合用セラミックス材料がシート材料であり、該接合用セラミックス材料を挟む前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面よりも大きい面積を有し、前記接合用セラミックス材料を前記面の周囲からはみ出るように挟む。
本発明のスパッタリングターゲット材の第2の製造方法は、
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合用セラミックス材料が、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られ、かつ前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材と実質的に同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製され、
前記熱処理を、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行う。
前記第2の製造方法において、前記接合用セラミックス材料はたとえばシート材料またはペースト材料である。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、前記スパッタリングターゲット材の製造方法で製造されたスパッタリング製ターゲット材の表面のうちの少なくともスパッタ面に平坦化処理を施した後、該スパッタリングターゲット材を基材に接合する。
本発明に係るスパッタリングターゲット材は、隣り合うセラミックス製分割ターゲット材の間を埋めるセラミックス製接合層が存在するので、ターゲット材間の間隙に起因する上記問題が発生しない。また、本発明に係るスパッタリングターゲット材は強度が高く、大型化しても基材に接合するときに割れを生じにくい。本発明に係るスパッタリングターゲット材の製造方法は、上記のスパッタリングターゲット材を効率的に、確実に製造することができる。
図1は、スパッタリングターゲット10の概略正面図である。 図2は、スパッタリングターゲット20の概略正面図である。 図3は、スパッタリングターゲット10の接合部をX線透過法により撮影して得られる画像の模式図である。 図4は、スパッタリングターゲット20の接合部をX線透過法により撮影して得られる画像の模式図である。 図5は、接合面積比の求め方を示す説明図である。
本発明のスパッタリングターゲット材は、複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材と該複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するセラミックス製接合層とからなる。
前記スパッタリングターゲット材(以下、ターゲット材ともいう)においては、具体的には、前記各セラミックス製分割スパッタリングターゲット材(以下、分割ターゲット材ともいう)が、隣り合う分割ターゲット材とそれぞれの側面を対向させて配列され、前記セラミックス製接合層(以下、接合層ともいう)が、前記複数の分割ターゲット材の側面と側面との間に形成され、前記複数の分割ターゲット材を一体化している。
前記ターゲット材の形状には特に制限はなく、その形状としては、たとえば平板形状、円筒形状を挙げることができる。分割ターゲット材および接合層の形状も、ターゲット材の形状に応じて適宜決定される。
平板形状を有するターゲット材においては、これを構成する分割ターゲット材は平板形状であり、その平面形状、大きさ、枚数、配列のし方等に特に制限はない。たとえば、平面形状が長方形である分割ターゲット材を一列に配列してもよく、二列以上の列に配列してもよい。平面形状が長方形状である分割ターゲット材が一列に配列される場合には、ターゲット材は、複数の分割ターゲット材と、隣り合う分割ターゲット材の間に形成された接合層とを有してなる。この場合、接合層の数は分割ターゲット材の数より1少ない数となる。平面形状が長方形状の分割ターゲット材が二列以上に配列される場合には、ターゲット材は、縦および横方向に配列される複数の分割ターゲット材と、各分割ターゲット材の間に形成された1つの接合層とを有してなる。各分割ターゲット材は、それぞれ同じ平面形状、大きさ等を有していてもよく、それぞれ異なる平面形状、大きさ等を有していてもかまわない。
図1に、平板形状を有する本発明のターゲット材の一具体例であるターゲット材10の概略正面図を示す。ターゲット材10は、一列に配列された、平面形状が長方形である3枚の分割ターゲット材11、12、13と、隣り合う2枚の分割ターゲット材11および12の間に形成され、これらを接合する接合層14と、分割ターゲット材12および13の間に形成され、これらを接合する接合層15とを有してなる。
円筒形状を有するターゲット材においては、これを構成する分割ターゲット材の形状は円筒形であり、その大きさ、個数等に特に制限はない。円筒形状を有するターゲット材は、同じ外径を有する円筒形の各分割ターゲット材がそれぞれの軸線を一致させるように配列され、隣り合う分割ターゲット材間に接合層が形成されている。接合層の数は分割ターゲット材の数より1少ない数となる。各分割ターゲット材は、それぞれ同じ長さ等を有していてもよく、それぞれ異なる長さ等を有していてもかまわない。
図2に、円筒形状を有する本発明のターゲット材の一具体例であるターゲット材20の概略正面図を示す。ターゲット材20は、それぞれの軸線を一致させて一列に配列された、円筒形の3個の分割ターゲット材21、22、23と、隣り合う2個の分割ターゲット材21および22の間に形成され、これらを接合する接合層24と、分割ターゲット材22および23の間に形成され、これらを接合する接合層25とを有してなる。
本発明のスパッタリングターゲット材は、該スパッタリングターゲット材が有するすべての接合部において、X線透過法により得られた画像から接合面積比を求めたとき、その最小値が90%以上であり、好ましくは95%以上であり、より好ましくは99%以上である。上限は通常100%である。
接合部とは、セラミックス製接合層と、該セラミックス製接合層によって接合される隣り合う2つの前記分割ターゲット材における前記セラミックス製接合層が接合している面(以下、接合面ともいう)とを含む部分である。たとえば、図1に示されたターゲット材10は、点線の枠で囲まれた、接合層14、分割ターゲット材11の接合面16および分割ターゲット材12の接合面17aを含む接合部19aと、接合層15、分割ターゲット材12の接合面17bおよび分割ターゲット材13の接合面18を含む接合部19bとを有する。図2に示されたターゲット材20は、点線の枠で囲まれた、接合層24、分割ターゲット材21の接合面26および分割ターゲット材22の接合面27aを含む接合部29aと、接合層25、分割ターゲット材22の接合面27bおよび分割ターゲット材23の接合面28を含む接合部29bとを有する。
接合面積比とは、X線透過法により得られた画像から求められた、接合面に対応する画像上の領域の面積に対する、セラミックス製接合層が分割ターゲット材に接合している領域(以下、接合領域ともいう)に対応する画像上の領域の面積の比率(%)である。
前記「接合面に対応する画像上の領域(以下、画像領域Pともいう)」とは、接合部をX線透過法により撮影して得られた画像において把握される、その接合部に含まれる接合面に対応する領域である。たとえば、図1に示されたターゲット材10が有する接合部19aにおいては、接合部19aをX線透過法により撮影して得られた画像において把握される接合面16および接合面17aに対応する領域が画像領域Pである。X線透過法においては、接合部に含まれる2つの接合面は統合されて1つの領域として把握される。
前記「接合領域に対応する画像上の領域(以下、画像領域Qともいう)」とは、接合部をX線透過法により撮影して得られた画像において把握される、その接合部に含まれる接合層が分割ターゲット材に接合している領域に対応する領域である。たとえば、図1に示されたターゲット材10が有する接合部19aにおいては、接合部19aをX線透過法により撮影して得られた画像において把握される、接合層14が分割ターゲット材11および分割ターゲット材12に接合している領域に対応する領域が画像領域Qである。X線透過法においては、接合部に含まれる接合層が分割ターゲット材に接合している領域は統合されて1つの領域として把握される。
X線透過法による接合部の撮影方法については実施例において詳述する。
図3は、ターゲット材10の接合部19aをX線透過法により撮影したときに得られる画像を模式的に示した図である。図3に示されるように、前記画像においては接合面16および接合面17aに対応する領域30および、斜線を付した、接合層14が分割ターゲット材11および分割ターゲット材12に接合している領域に対応する領域31が表示される。領域30が画像領域Pであり、領域31が画像領域Qである。図4は、ターゲット材20の接合部29aをX線透過法により撮影したときに得られる画像を模式的に示した図である。図4に示されるように、前記画像においては接合面26および接合面27aに対応する領域40および、斜線を付した、接合層24が分割ターゲット材21および分割ターゲット材22に接合している領域に対応する領域41が表示される。領域40が画像領域Pであり、領域41が画像領域Qである。
前記画像から画像領域Pの面積および画像領域Qの面積を求める。画像領域Pの面積に対する画像領域Qの面積の比率(%)が接合面積比である。
接合面積比は全ての接合部に対して求められる。すなわち、本発明のスパッタリングターゲット材においては、すべての接合部に対して求められた接合面積比のうちの最小の接合面積比が90%以上である。たとえば、図1に示したターゲット材10においては、接合部19aおよび接合部19bに対してそれぞれ求められた接合面積比の中の最小の接合面積比が90%以上である。図2に示したターゲット材20においては、接合部29aおよび接合部29bに対してそれぞれ求められた接合面積比の中の最小の接合面積比が90%以上である。すべての接合面積比が同じ場合にはその接合面積比の値を最小値とする。
本発明の接合面積比の最小値の求め方を具体的に説明する。平板形状のターゲット材10については、図3に示したように、画像領域Pである領域30の面積S30に対する画像領域Qである領域31の面積A31の比率([A31/S30]×100)が接合部19aにおける接合面積比R19a である。接合部19bに対しても同様に接合面積比R19b を求める。接合面積比R19aおよびR19b の内の最小値を求める。円筒形状のターゲット材20については、図4に示したように、画像領域Pである領域40の面積S40に対する画像領域Qである領域41の面積A41の比率([A41/S40]×100)が接合部29aにおける接合面積比R29a である。接合部29bに対しても同様に接合面積比R29b を求める。接合面積比はR29aおよびR29b の内の最小値を求める。
本発明に係るターゲット材は、接合面積比の最小値が90%以上であるので、強度が高く、基材に接合するときに割れを生じにくい。
スパッタリングターゲット材は一般に金属製の基材に接合してスパッタリングに供される。ターゲット材を基材に接合するとき、一般にターゲット材および基材を加熱し、接合材を塗布して、ターゲット材と基材とを圧着し、冷却する。金属製基材はスパッタリングターゲット材より熱膨張係数がかなり大きいので、冷却時にスパッタリングターゲット材よりも収縮量が大きい。このため冷却時にスパッタリングターゲット材に大きな引張応力が加わる。ターゲット材が大きくなるほど引張応力も大きくなる。材料に応力が加わると一般に材料の最も強度の低い所から破断が発生する。本発明に係るターゲット材のように、複数の分割ターゲット材を接合してなるターゲット材においては、一般に接合層が最も強度が低いので、接合層から破断が発生する。従来の複数の分割ターゲット材を接合してなるターゲット材は、接合層の強度が低いので、接合時に接合層に割れを生じやすかった。本発明に係るターゲット材は、接合面積比の最小値が90%以上と大きいので、接合層の強度が高く、接合時に割れを生じにくい。
接合面積比の最小値が90%以上であるターゲット材は、後述する方法により製造することができる。特許文献4に記載された、複数のセラミックス片を、該セラミックス片と同じ組成を有するセラミックス材料で接合するターゲット材の製造方法では、後述するように接合面積比を90%以上にすることができない。このため、特許文献4に記載されたターゲット材おいては、接合面積比の最小値が90%以上でないと推測される。
上記理由により、本発明に係るターゲット材は大型化しても基材に接合するときに割れを生じにくい。このため、本発明に係るターゲット材が平板形状である場合、そのスパッタ面の面積を300,000mm2以上、さらには600,000mm2以上、900,000mm2以上にすることができる。本発明に係るターゲット材が円筒形状である場合、その軸線方向の長さを1,000mm以上、さらには2,000mm以上、3,000mm以上にすることができる。
前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材は、具体的には粉末焼結法により作製された1個の焼結体である。
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合してセラミックス製スパッタリングターゲット材とする接合層はセラミックス製である。分割ターゲット材と接合層とからなるターゲット材を用いてスパッタすると、分割ターゲット材の部分とともに接合層の部分もスパッタされるので、得られる薄膜には、分割ターゲット材に由来する組成を有する部位の他に、接合層に由来する組成を有する部位も含まれることになる。本発明における接合層は分割ターゲット材と同じくセラミックス製であるので、本発明のターゲット材をスパッタすることにより得られる薄膜には、分割ターゲット材に由来する組成を有する部位と大きく酸素含有量を異にする部位を生じることがない。セラミックス製接合層の組成は、セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の組成と実質的に同じであることが好ましい。この場合、本発明のターゲットをスパッタすることにより得られる薄膜には、分割ターゲット材に由来する組成と異なる組成を有する部位を生じることが実質的になく、均一な組成を有する薄膜を得ることができる。ここで、実質的に同じとは、不可避的不純物の含有を許容しないということではない。本発明の効果を損なわない程度の組成の違いであれば許容され、決して完全同一まで要求するものではない。
分割ターゲット材の材料には特に制限はなく、従来用いられている1個の焼結体からなるセラミックス製スパッタリングターゲット材と同じ材料とすることができる。その材料としては、たとえば酸化インジウム−酸化錫系材料(ITO)、酸化アルミニウム−酸化亜鉛系材料(AZO)、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛系材料(IGZO)、ZnOなどを挙げることができる。
前記材料がITOである場合には、分割ターゲット材におけるInの含有量はIn23量換算で通常99〜90質量%、Snの含有量はSnO2量換算で通常1〜10質量%である。
前記材料がAZOである場合には、分割ターゲット材におけるAlの含有量はAl23量換算で通常0.1〜5質量%、Znの含有量はZnO量換算で通常99.9〜95質量%である。
前記材料がIGZOである場合には、分割ターゲット材におけるInの含有量はIn23量換算で通常40〜60質量%、Gaの含有量はGa23量換算で通常20〜40質量%、Znの含有量はZnO量換算で通常10〜30質量%である。
セラミックス製接合層の材料は、分割ターゲット材を接合することができれば特に制限はない。前述のとおり、セラミックス製接合層の組成は、分割ターゲット材の組成と実質的に同じであることが好ましい。すなわち、たとえば分割ターゲット材の材料がITO、AZOまたはIGZOである場合にはセラミックス製接合層の材料もそれぞれITO、AZOまたはIGZOであることが好ましく、セラミックス製接合層の金属および酸素の比率などの組成も分割ターゲット材の組成と実質的に同じであることが好ましい。
なお、本発明においてセラミックスとは、基本成分が金属酸化物であり、高温での熱処理によって得られた焼結体を意味する。
セラミックス製接合層の厚み、すなわちそのセラミックス製接合層により接合される2個の分割ターゲット材どうしの離間距離は、使用される複数の分割ターゲット材を接合してターゲット材を形成することができる程度の厚みであればよく、セラミックス製スパッタリングターゲット材を形成できる限りできるだけ薄いほうがよい。セラミックス製接合層の厚みは、セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の材料、大きさ、個数およびセラミックス製接合層の材料等に応じて適宜決定されるが、本発明においては40〜400μmの厚さにすることが想定されている。
ターゲット材における分割ターゲット材とセラミックス製接合層との体積の比率には特に制限はないが、スパッタの本来の対象である分割ターゲット材の比率をできるだけ高くし、セラミックス製接合層の比率をできるだけ低くすることが好ましい。たとえば大型のスパッタリングターゲットの場合には、個々の分割ターゲット材をできるだけ大型にし、これらができるだけ少量のセラミックス製接合層によって接合されていることが好ましい。
本発明に係るターゲット材を基材に接合することによりスパッタリングターゲットが得られる。ターゲット材が平板形状である場合、該ターゲット材を平板形状の基材に接合することによりスパッタリングターゲットが得られる。ターゲット材が円筒形状である場合、該ターゲット材の中空部に円筒形状の基材を挿入し、両者を接合することによりターゲットが得られる。
基材の材料には特に制限はなく、ターゲット材の種類に応じて、従来使用されている基材の材料の中から適宜選択して使用することができる。基材の材料としては、たとえば、銅、銅合金、ステンレス、チタン等を挙げることができる。
ターゲット材を基材に接合する接合材の種類には特に制限はなく、ターゲット材の種類に応じて、従来使用されている接合材の中から適宜選択して使用することができる。接合材としては、たとえば、インジウムを主成分とする半田やSn−Ag系の半田等が挙げられる。
前記スパッタリングターゲットにおいては、ターゲット材が、スパッタ面において分割ターゲット材とセラミックス製接合層との間に実質的に段差を有していないことが好ましい。より具体的には段差が0.1mm以下であることが好ましい。このようになっていると、接合面積比の最小値を90%以上にしやすく、またスパッタリング中に段差部分に起因する異常放電が発生するおそれを小さくすることができる。
前記スパッタリングターゲットは、ターゲット材を基材に100℃以上、特に150℃以上の温度で半田接合する場合に好ましく適用される。このような条件下では基材やターゲット材の熱膨張が伴うので、前述した本発明のターゲット材の意義が高い。
前記スパッタリングターゲットは、ターゲット材と基材の熱膨張係数の差が2.5×10-6/℃以上、特に8×10-6/℃以上となる場合に好ましく適用される。このような条件下ではターゲット材および基材が熱膨張の影響を受けやすいので、前述した本発明のターゲット材の意義が高い。
<スパッタリングターゲット材の製造方法>
上記スパッタリングターゲット材の製造方法としては、たとえば下記製造方法1および2が挙げられる。
製造方法1
製造方法1は、
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合用セラミックス材料がシート材料であり、該接合用セラミックス材料を挟む前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面よりも大きい面積を有し、前記接合用セラミックス材料を前記面の周囲からはみ出るように挟むスパッタリングターゲット材の製造方法である。
分割ターゲット材は、粉末焼結法等により製造することができる。その材料、形状、大きさ、個数等は、作製するターゲット材に応じて適宜決定すればよい。
接合用セラミックス材料は、複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を相互に接合するための材料であって、後述の操作によって熱処理、すなわち焼成されて前記セラミックス製接合層となる。したがって、熱処理により前記セラミックス製接合層となるような材料が接合用セラミックス材料として使用される。
接合用セラミックス材料は、通常、セラミックス原料粉末、分散媒、分散剤、バインダーを含有し、その他、可塑剤等を含有してもよい。
セラミックス原料粉末としては、たとえば、ITOであるセラミックス製接合層を形成する場合には、In23粉末およびSnO2粉末の混合粉末を使用でき、ITO粉末を使用することもできる。セラミックス原料粉末は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法で測定した比表面積がそれぞれ通常1〜40m2/gである。セラミックス原料粉末は、目的とするセラミックスの組成が得られるような比率で個々の粉末が混合される。
前述の理由により、セラミックス製接合層の組成がセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の組成と実質的に同じになるように、その接合用セラミックス材料におけるセラミックス原料粉末の配合比率を調整することが好ましい。
粉末の混合は、たとえば、各粉末およびジルコニアボールをポットに入れ、ボールミル混合することにより行うことができる。
分散媒としては、通常水等が使用される。
バインダーとしては、公知の粉末焼結法において成形体を得るときに通常使用されるバインダーを挙げることができ、たとえばポリビニルアルコール(PVA)を使用することができる。
接合用セラミックス材料はシート状である。以下、シート状の接合用セラミックス材料を接合用セラミックスシート材料ともいう。製造方法1の接合用セラミックスシート材料は、下記方法によりシート状に成形できるように、セラミックス原料粉末に分散媒、分散剤等を配合して作製される。通常、セラミックス原料粉末に対して分散媒を0.1〜60質量%、分散剤を0.1〜10質量%、バインダーを0.1〜30質量%配合して混合材を調製する。この混合材をたとえばドクターブレード法、押出成形法等により所定の厚みのシートにすることにより作製することができる。このシートをさらに所定の形状、大きさに切断してもよい。作製されたシートは通常乾燥した後使用する。乾燥の温度は100℃以下であることが好ましい。接合用セラミックスシート材料の厚みは通常10〜2000μm、好ましくは25〜1000μm、より好ましくは50〜500μmである。接合用セラミックスシート材料の厚みは薄いほうが接合しやすいが、薄すぎると接合時に割れが生じやすい。
この接合用セラミックスシート材料を複数の分割ターゲット材の間に挟む。製造方法1の接合用セラミックスシート材料は、接合用セラミックスシート材料を挟む前記分割ターゲット材の面よりも大きい面積を有し、前記面の周囲からはみ出るように挟まれる。このとき、接合用セラミックスシート材料を前記面の周囲から均等にはみ出るように挟むことが好ましい。たとえば、図1に示したターゲット材10を製造する場合には、分割ターゲット材11と分割ターゲット材12との間に接合用セラミックスシート材料を挟む。この接合用セラミックスシート材料は分割ターゲット材11の面16および分割ターゲット材12の面17aよりも大きい面積を有し、面16および面17aの周囲からはみ出るように挟まれる。分割ターゲット材12と分割ターゲット材13との間にも同様に、分割ターゲット材12の面17bおよび分割ターゲット材12の面18よりも大きい面積を有する接合用セラミックスシート材料が、面17bおよび面18の周囲からはみ出るように挟まれる。
製造方法1の接合用セラミックスシート材料の面積は、接合用セラミックスシート材料を挟む分割ターゲット材の面(接合面)の面積の110%以上、好ましくは120%以上、より好ましくは130%以上である。上限は特に制限はないが、実用上200%程度である。
接合用セラミックスシート材料は、必要に応じて2枚以上を重ねて挟んでもよい。
上記操作を繰り返して、所定の個数の分割ターゲット材の間に接合用セラミックスシート材料を挟む。
分割ターゲット材間に挟まれた接合用セラミックスシート材料は脱脂してもよい。脱脂は接合用セラミックスシート材料およびこれを挟む分割ターゲット材を加熱することにより行われる。脱脂温度は、通常600〜800℃、好ましくは700〜800℃である。脱脂時間は通常3〜10時間、好ましくは5〜10時間である。
このようにして成形された分割ターゲット材および接合用セラミックスシート材料を熱処理する。
この熱処理に使用される焼成炉には特に制限はなく、セラミックス製スパッタリングターゲット材の製造に従来使用されている焼成炉を使用することができる。また、焼成炉に前記の成形された分割ターゲット材および接合用セラミックスシート材料の全体が入りきらない場合でも、接合用セラミックス材料部分の周囲のみを局所的に加熱することもできる。
熱処理温度は、特に制限はないが、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度より通常100〜250℃低い温度、好ましくは100〜200℃低い温度、より好ましくは100〜150℃低い温度である。
熱処理時間は、通常3〜30時間、好ましくは5〜10時間、より好ましくは5〜8時間である。
昇温速度は通常100〜500℃/hである。降温速度は通常10〜100℃/h、好ましくは10〜50℃/h、より好ましくは10〜30℃/hである。
焼成雰囲気には特に制限はなく、通常、大気雰囲気や酸素雰囲気である。
上記熱処理工程およびその後の冷却工程において、すべての分割ターゲット材が圧着される方向に圧力を加えてもよい。加圧して熱処理工程および冷却工程を行うと、セラミックス製接合層が緻密化される。加圧方法としては、分割ターゲット材を鉛直方向に並べて自重により加圧する方法、機械的に加圧する方法等が挙げられる。加える圧力は、通常50〜30000gf/cm2、好ましくは100〜10000gf/cm2、より好ましくは200〜1000gf/cm2である。
この熱処理により複数の分割ターゲット材が一体に接合されてターゲット材となる。また、この熱処理により、接合用セラミックスシート材料は焼結されて前記セラミックス製接合層となる。熱処理により形成されたセラミックス製接合層が分割ターゲット材の面の周囲からはみ出ている場合には、はみ出ている部分を削り取ればよい。
通常の接合用セラミックス材料は、熱処理されると、分散媒等が揮発するので収縮する。このため、分割ターゲット材の接合面となる面の全面に接合用セラミックス材料を付着させても、熱処理により接合用セラミックス材料は収縮し、90%以上の接合面積比の最小値を確保することが困難である。製造方法1においては、接合用セラミックスシート材料が、接合用セラミックスシート材料を挟む分割ターゲット材の面よりも大きい面積を有し、前記面の周囲からはみ出るように挟まれるので、熱処理により収縮しても90%以上の接合面積比の最小値を確保することが容易である。
製造方法2
製造方法2は、
複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
前記接合用セラミックス材料が、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られ、かつ前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材と実質的に同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製され、
前記熱処理を、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行う請求項1に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法である。
製造方法2における、複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合する操作については製造方法1と共通である。以下、製造方法1と異なる点を中心に製造方法2を説明する。
接合用セラミックス材料は、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られ、かつ分割ターゲット材と実質的に同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製される。たとえば、分割ターゲット材がITO製である場合には、前記セラミックス焼結粉はITO粉であり、分割ターゲット材のITOと実質的に同組成であり、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られたものである。すなわち、分割ターゲット材が1600℃で焼成して製造されたものならば、前記セラミックス焼結粉は1550〜1650℃の範囲で焼成して得られたものが使用される。
セラミックス焼結粉は、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度の±40の温度範囲で焼成して得られていることが好ましく、30±℃の温度範囲で焼成して得られていることがより好ましい。
また、セラミックス焼結粉は分割ターゲット材と完全に同一組成である必要はなく、セラミックス焼結粉および分割ターゲット材を構成する各元素の濃度を質量%で表わし、その小数点以下を四捨五入して得られた各元素の濃度がセラミックス焼結粉および分割ターゲット材において同じであればよい。
接合用セラミックス材料は、通常、前記セラミックス焼結粉、分散媒、分散剤、バインダーを含有し、その他、可塑剤等を含有してもよい。分散媒、バインダーおよび混合方法等については製造方法1と同様である。
前記セラミックス焼結粉は、たとえば接合される分割ターゲット材の原料となる原料粉を分割ターゲット材と同組成となるように混ぜ、これを、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して作製することができる。また接合される分割ターゲット材と同じターゲット材またはこの分割ターゲット材の製造に用いられた焼結体を粉砕して作製することもできる。セラミックス焼結粉は、BET法で測定した比表面積が通常1〜40m2/gである。
接合用セラミックス材料は、シート状またはペースト状もしくはスラリー状である。シート状の接合用セラミックス材料はすなわち接合用セラミックスシート材料である。ペースト状もしくはスラリー状である接合用セラミックス材料を以下接合用セラミックスペースト材料ともいう。また、製造方法2において接合用セラミックスシート材料を用いる方法を製造方法2A、接合用セラミックスペースト材料を用いる方法を製造方法2Bともいう。
製造方法2Aの接合用セラミックスシート材料は、シート状に成形できるように、セラミックス原料粉末に分散媒、分散剤、バインダー等を配合して作製される。通常、セラミックス原料粉末に対して分散媒を0.1〜60質量%、分散剤を0.1〜10質量%、バインダーを0.1〜30質量%配合して混合材を調製する。混合材から接合用セラミックスシート材料を得る方法は製造方法1と共通である。
製造方法2Aの接合用セラミックスシート材料は、製造方法1の接合用セラミックスシート材料とは異なり、接合用セラミックスシート材料を挟む分割ターゲット材の面よりも大きい面積を有する必要はない。後述の加熱処理をした後、90%以上の接合面積比の最小値が得られるのに十分な面積を有していればよい。
この接合用セラミックスシート材料を複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に挟む。製造方法2Aの接合用セラミックスシート材料は後述のように熱処理によりほとんど収縮しないので、製造方法1と異なり、前記面の周囲からはみ出るように挟まれる必要はない。通常、前記面内に収まるように挟まれる。
上記操作を繰り返して、所定の個数の分割ターゲット材の間に接合用セラミックスシート材料を挟む。
製造方法2Bの接合用セラミックスペースト材料は、ペースト状に成形できるように、セラミックス原料粉末に分散媒、分散剤、バインダー等を配合して作製される。通常、セラミックス焼結粉に対して分散媒を0.1〜80質量%、分散剤を0.1〜10質量%、バインダーを0.1〜10質量%配合して混合することにより調製することができる。
この接合用セラミックスペースト材料を複数の分割ターゲット材の間に挟む。たとえば、2つの分割ターゲット材の側面に接合用セラミックスペースト材料を塗布し、塗布されたそれぞれの接合用セラミックス材料が合体するように前記2つのセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を対置する。分割ターゲット材が平板状の場合には、たとえば、2つのセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を、それぞれの側面が所定の距離をおいて対向するように基板上に置き、その側面間の空隙に接合用セラミックスペースト材料を充填してもよい。分割ターゲット材の間に挟まれる接合用セラミックスペースト材料の量は、後述の加熱処理をした後、90%以上の接合面積比の最小値が得られるのに十分な量であればよい。
2つのセラミックス製分割スパッタリングターゲット材間の間隙部からはみ出た接合用セラミックスペースト材料は適宜掻き取ればよい。
複数の分割ターゲット材の間に挟まれる接合用セラミックスペースト材料の厚みは、分割ターゲット材の接合が可能である限り特に制限はない。挟まれる接合用セラミックス材料の量に応じて、前記セラミックス製接合層の厚みが決定される。
上記操作を繰り返して、所定の個数の分割ターゲット材の間に接合用セラミックスペースト材料を挟む。
このようにして成形された分割ターゲット材および接合用セラミックス材料を熱処理する。熱処理条件は、熱処理温度以外は製造方法1と同様にすることができる。
製造方法2においては、熱処理を、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行う。たとえば、分割ターゲット材が1600℃で焼成して製造されている場合には、熱処理は1600℃よりも低い温度で行われる。
接合用セラミックス材料が、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られ、かつ分割ターゲット材と同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製され、さらに熱処理を、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行うことにより、接合用セラミックス材料中のITOやIGZO等の複合酸化物は熱処理時に再度固溶、析出を行い、反応が緩慢になるので、熱処理により接合用セラミックス材料はほとんど収縮しない。
熱処理温度は、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度より、好ましくは100〜250℃低い温度、より好ましくは100〜200℃低い温度、さらに好ましくは100〜150℃低い温度である。
上記熱処理工程およびその後の冷却工程において、すべての分割ターゲット材が圧着される方向に圧力を加えてもよい。この加圧の条件は製造方法1と同様である。
この熱処理により複数の分割ターゲット材が一体に接合されてターゲット材となる。また、この熱処理により、接合用セラミックスペースト材料は焼結されて前記セラミックス製接合層となる。
通常の接合用セラミックス材料は、熱処理されると、分散媒等が揮発するので収縮する。このため、分割ターゲット材の接合面となる面の全面に接合用セラミックス材料を付着させても、熱処理により接合用セラミックス材料は収縮し、90%以上の接合面積比の最小値を確保することが困難である。製造方法2においては、使用される接合用セラミックス材料が、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度と同じ温度で焼成して得られ、かつ分割ターゲット材と同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製された接合用セラミックスペースト材料であり、さらに熱処理を、分割ターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行うので、前述のとおり熱処理されてもほとんど収縮しない。このため、分割ターゲット材の接合面となる面に十分量の接合用セラミックスペースト材料を付着させれば、90%以上の接合面積比の最小値を確保することは容易である。
上記製造方法1および2により、接合面積比の最小値が90%以上である本発明のスパッタリングターゲット材を効率的に、確実に製造することができる。
<スパッタリングターゲットの製造方法>
上記スパッタリングターゲット材の製造方法によって製造されたスパッタリングターゲット材を公知の方法によって基材に接合することによりスパッタリングターゲットを製造することができる。このとき、スパッタリングターゲット材の表面のうちの少なくともスパッタ面に平坦化処理を施した後、該スパッタリングターゲット材を基材に接合すると、接合面積比の最小値を90%以上にしやすく、またスパッタリング中に段差部分に起因する異常放電が発生するおそれを小さくすることができるので好ましい。
[製造例1]平板状ITO製分割スパッタリングターゲット材1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ10m2/gであるSnO2粉末とIn23粉末とをポット中でジルコニアボールによりボールミル混合して、セラミックス原料粉末を調製した。セラミックス原料粉末におけるSnO2粉末の含有量は10質量%であった。
このポットに、バインダーとしてセラミックス原料粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコール、分散剤としてセラミックス原料粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、および分散媒としてセラミックス原料粉末に対して30質量%の水を加え、ボールミル混合してスラリーを調製した。
このスラリーを脱泡した後、鋳込み成形して平板状の成形体を作製した。この成形体を焼成して、焼結体を作製した。焼成は、酸素雰囲気下で、焼成温度1600℃、焼成時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で行った。焼結体の相対密度(アルキメデス法)は99.9%であった。
この焼結体を切削加工して、縦500mm、横300mm、厚み10mmの平板状ITO製分割スパッタリングターゲット材1(以下、平板状ITO分割ターゲット材1という)を得た。
[製造例2]平板状ITO製分割スパッタリングターゲット材2の作製
セラミックス原料粉末におけるSnO2粉末の含有量を3質量%にした以外は製造例1と同様にして相対密度(アルキメデス法)が99.5%である焼結体を作製した。この焼結体を切削加工して、縦500mm、横300mm、厚み10mmの平板状ITO製分割スパッタリングターゲット材2(以下、平板状ITO分割ターゲット材2という)を得た。
[製造例3]円筒状ITO製分割スパッタリングターゲット材1の作製
製造例1と同様にして調製したスラリーを脱泡した後、鋳込み成形して円筒状の成形体を作製した。この成形体を製造例1における焼成と同条件で焼成して、焼結体を作製した。焼結体の相対密度(アルキメデス法)は99.9%であった。
この焼結体を切削加工して、外径153mm、内径135mm、長さ250mmの円筒状ITO製分割スパッタリングターゲット材1(以下、円筒状ITO分割ターゲット材1という)を得た。
[製造例4]平板状IGZO製分割スパッタリングターゲット材1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ10m2/gであるIn23粉末とGa23粉末とZnO粉末とをポット中でジルコニアボールによりボールミル混合して、セラミックス原料粉末を調製した。セラミックス原料粉末におけるIGZOの原子数比は1114であった。ここで、IGZOの原子数比が「WXYZ」であるとは、Inの原子数をNIn、Gaの原子数をNGa、Znの原子数をNZn、Oの原子数をNOとしたとき、NIn:NGa:NZn:NO=W:X:Y:Zであることを意味する。セラミックス原料粉末におけるIGZOの原子数比が1114であるということは、セラミックス原料粉末においてNIn:NGa:NZn:NO=1:1:1:4であるということである。
このポットに、バインダーとしてセラミックス原料粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコール、分散剤としてセラミックス原料粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、および分散媒としてセラミックス原料粉末に対して30質量%の水を加え、ボールミル混合してスラリーを調製した。
このスラリーをスプレードライ装置に供給し、アトマイズ回転数10,000rpm、入口温度250℃の条件でスプレードライを行い、顆粒を調製した。この顆粒をCIP成形( Cold Isostatic Pressing(冷間等方圧成形))して平板状の成形体を作製した。この成形体を焼成して、焼結体を作製した。焼成は、大気中で、焼成温度1400℃、焼成時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で行った。焼結体の相対密度(アルキメデス法)は99.8%であった。
この焼結体を切削加工して、縦500mm、横300mm、厚み10mmの平板状IGZO製分割スパッタリングターゲット材1(以下、平板状IGZO分割ターゲット材1という)を得た。
[製造例5]平板状IGZO製分割スパッタリングターゲット材2の作製
原子数比を2217にした以外は製造例4と同様にして相対密度(アルキメデス法)が99.5%である焼結体を作製した。この焼結体を切削加工して、縦500mm、横300mm、厚み10mmの平板状IGZO製分割スパッタリングターゲット材2(以下、平板状IGZO分割ターゲット材2という)を得た。
[製造例6]円筒状IGZO製分割スパッタリングターゲット材1の作製
製造例4と同様にして調製した顆粒をCIP成形して円筒状の成形体を作製した。この成形体を製造例4における焼成と同条件で焼成して、焼結体を作製した。焼結体の相対密度(アルキメデス法)は99.8%であった。
この焼結体を切削加工して、外径153mm、内径135mm、長さ250mmの円筒状IGZO製分割スパッタリングターゲット材1(以下、円筒状ITO分割ターゲット材1という)を得た。
[製造例7]平板状ZnO製分割スパッタリングターゲット材1の作製
BET法により測定された比表面積が10m2/gであるZnO粉末、バインダーとしてZnO粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコール、分散剤としてZnO粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、および分散媒としてZnO粉末に対して30質量%の水をポットに入れ、ジルコニアボールによりボールミル混合してスラリーを調製した。
このスラリーを脱泡した後、鋳込み成形して平板状の成形体を作製した。この成形体を焼成して、焼結体を作製した。焼成は、大気中で、焼成温度1400℃、焼成時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で行った。焼結体の相対密度(アルキメデス法)は99.7%であった。
この焼結体を切削加工して、縦500mm、横300mm、厚み10mmの平板状ZnO製分割スパッタリングターゲット材1(以下、平板状ZnO分割ターゲット材1という)を得た。
[製造例8]接合用ITOシート材料1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ20m2/gであるSnO2粉末とIn23粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるSnO2粉末の含有量は10質量%であった。この混合粉末に、分散媒として混合粉末に対して40質量%の水、分散剤として混合粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとして混合粉末に対して10質量%のポリビニルアルコールを混合して混合材を調製した。この混合材よりドクターブレード法によりシート厚200μmの接合用ITOシート材料1(以下、ITOシート材料1という)を作製した。
[製造例9]接合用ITOシート材料2の作製
混合粉末におけるSnO2粉末の含有量を3質量%にしたこと以外は製造例8と同様にしてシート厚200μmの接合用ITOシート材料2(以下、ITOシート材料2という)を作製した。
[製造例10]接合用ITOペースト材料1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ10m2/gであるSnO2粉末とIn23粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるSnO2粉末の含有量は10質量%であった。この混合粉末を、酸素雰囲気下で、焼成温度1600℃、焼成時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で焼成して、ITO焼結粉を得た。
このITO焼結粉に、分散媒としてITO焼結粉に対して30質量%の水、分散剤としてITO焼結粉に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとしてITO焼結粉に対して0.1質量%のポリビニルアルコールを混合し、さらに脱泡して接合用ITOペースト材料1(以下、ITOペースト材料1という)を作製した。
[製造例11]接合用ITOペースト材料2の作製
混合粉末におけるSnO2粉末の含有量を3質量%にしたこと以外は製造例10と同様にして接合用ITOペースト材料2(以下、ITOペースト材料2という)を作製した。
[製造例12]接合用ITOペースト材料3の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ20m2/gであるSnO2粉末とIn23粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるSnO2粉末の含有量は10質量%であった。この混合粉末に、分散媒として混合粉末に対して40質量%の水、分散剤として混合粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとして混合粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコールを混合し、さらに脱泡して接合用ITOペースト材料3(以下、ITOペースト材料3という)を作製した。
[製造例13]接合用ITOペースト材料4の作製
混合粉末におけるSnO2粉末の含有量を3質量%にしたこと以外は製造例12と同様にして接合用ITOペースト材料4(以下、ITOペースト材料4という)を作製した。
[製造例14]接合用IGZOシート材料1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ20m2/gであるIn23粉末とGa23粉末とZnO粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるIGZOの原子数比は1114であった。混合粉末に、分散媒として混合粉末に対して40質量%の水、分散剤として混合粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとして混合粉末に対して10質量%のポリビニルアルコールを混合して混合材を調製した。この混合材よりドクターブレード法によりシート厚200μmの接合用IGZOシート材料1(以下、IGZOシート材料1という)を作製した。
[製造例15]接合用IGZOシート材料2の作製
原子数比を2217にしたこと以外は製造例14と同様にしてシート厚200μmの接合用IGZOシート材料2(以下、IGZOシート材料2という)を作製した。
[製造例16]接合用IGZOペースト材料1の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ10m2/gであるIn23粉末とGa23粉末とZnO粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるIGZOの原子数比は1114であった。この混合粉末を、大気中で、焼成温度1400℃、焼成時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で焼成して、IGZO焼結粉を得た。
このIGZO焼結粉に、分散媒としてIGZO焼結粉に対して30質量%の水、分散剤としてIGZO焼結粉に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとしてIGZO焼結粉に対して0.1質量%のポリビニルアルコールを混合し、さらに脱泡して接合用IGZOペースト材料1(以下、IGZOペースト材料1という)を作製した。
[製造例17]接合用IGZOペースト材料2の作製
原子数比を2217にしたこと以外は製造例16と同様にして接合用IGZOペースト材料2(以下、IGZOペースト材料2という)を作製した。
[製造例18]接合用IGZOペースト材料3の作製
BET法により測定された比表面積がそれぞれ20m2/gであるIn23粉末とGa23粉末とZnO粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるIGZOの原子数比は1114であった。この混合粉末に、分散媒として混合粉末に対して40質量%の水、分散剤として混合粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとして混合粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコールを混合し、さらに脱泡して接合用IGZOペースト材料3(以下、IGZOペースト材料3という)を作製した。
[製造例19]接合用IGZOペースト材料4の作製
原子数比を2217にしたこと以外は製造例18と同様にして接合用IGZOペースト材料4(以下、IGZOペースト材料4という)を作製した。
[製造例20]接合用ZnOペースト材料1の作製
BET法により測定された比表面積が20m2/gであるZnO粉末に、分散媒としてZnO粉末に対して40質量%の水、分散剤としてZnO粉末に対して0.3質量%のポリカルボン酸アンモニウム、バインダーとしてZnO粉末に対して0.1質量%のポリビニルアルコールを混合し、さらに脱泡して接合用ZnOペースト材料1(以下、ZnOペースト材料1という)を作製した。
[実施例1]
2枚の平板状ITO分割ターゲット材1を縦方向に並べ、対向する側面の間に、ITOシート材料1から長方形状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。前記シートの前記側面に対する面積比(以下、シート面積比という)は135%であった。2枚の平板状ITO分割ターゲット材1に、分割ターゲット材が相互に圧着する方向に300gf/cm2の圧力を加えながら、酸素雰囲気下で、熱処理温度1490℃、熱処理時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で熱処理を行った。その後、前記圧力を加えた状態で室温まで冷却した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比Rの最小値を以下の方法で求めた。結果を表1に示した。接合面積比Rの平均値も併せて表1に示した。
得られたITO製スパッタリングターゲット材を、該ターゲット材を接合するのに十分な面積を有するCu製平板状基材に次の方法により接合した。前記ターゲット材および前記基材を160℃に加熱し、ターゲット材および基材のそれぞれのボンディング面に接合材としてIn半田を塗布し、それぞれのボンディング面を貼り合わせて両者を圧着した後、冷却した。接合時の前記ターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
<接合面積比の最小値の測定方法>
図5に示すように、ターゲット材を、一端の分割ターゲット材が他端の分割ターゲット材よりも高い位置になるように、水平面に対し45°の角度に傾けた。この状態でX線透過法により接合部を撮影し、画像を得た。X線は、図5において矢印で示した方向(水平面と平行な方向)から照射した。得られた画像から、各接合部において、接合面に対応する画像上の領域(画像領域P)の面積Sおよび接合領域に対応する画像上の領域(画像領域Q)の面積Aを測定し、下記式により各接合部における接合面積比Rを求めた。
R=[A/S]×100
すべての接合部に対し求められた接合面積比Rの中の最小値を求めた。
[実施例2]
4枚の平板状ITO分割ターゲット材1を縦方向一列に並べ、各対向する側面の間に実施例1に示したシートを挟んだこと、および熱処理温度を1470℃にしたこと以外は実施例1と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例3]
4本の円筒状ITO分割ターゲット材1を縦方向に、各軸線が一致するように並べ、各対向する側面の間に、ITOシート材料1からリング状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。シート面積比は137%であった。4本の円筒状ITO分割ターゲット材1に実施例1と同様に圧力を加えながら、実施例1と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。
得られたITO製スパッタリングターゲット材を外径133mmで、前記ターゲット材を接合するのに十分な長さを有するSUS製円筒状基材に次の方法により接合した。前記ターゲット材および前記基材を160℃に加熱し、ターゲット材および基材のそれぞれのボンディング面に接合材としてIn半田を塗布し、円筒状基材をターゲット材の中空部に挿入して、両者を接着した後、冷却した。接合時の前記ターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例4]
円筒状ITO分割ターゲット材1を8本使用したこと、および熱処理温度を1470℃にしたこと以外は実施例3と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例3と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例5]
2枚の平板状ITO分割ターゲット材2を縦方向に並べ、対向する側面の間に、ITOシート材料2から長方形状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。シート面積比は128%であった。実施例1と同様に圧力を加えながら、熱処理温度を1460℃にしたこと以外は実施例1と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例6]
2枚の平板状ITO分割ターゲット材1を縦方向に並べ、対向する側面の両方にITOペースト材料1を厚みが200μmになるように前記側面全体に塗布した。前記側面を相互に張り合わせ、ITOペースト材料1を平板状ITO分割ターゲット材1で挟んだ。実施例1と同様に圧力を加えながら、実施例1と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例7]
4枚の平板状ITO分割ターゲット材1を縦方向一列に並べ、各対向する側面の両方にITOペースト材料1を実施例6と同様に塗布した。各対向する側面を相互に張り合わせ、ITOペースト材料1を平板状ITO分割ターゲット材1で挟んだ。実施例1と同様に圧力を加えながら、熱処理温度を1470℃にしたこと以外は実施例1と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例8]
4本の円筒状ITO分割ターゲット材1を縦方向に、各軸線が一致するように並べ、各対向する側面の両方にITOペースト材料1を厚みが200μmになるように前記側面全体に塗布した。各対向する側面を相互に張り合わせ、ITOペースト材料1を円筒状ITO分割ターゲット材1で挟んだ。4本の円筒状ITO分割ターゲット材1に実施例1と同様に圧力を加えながら、実施例1と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例3と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例9]
円筒状ITO分割ターゲット材1を8本使用したこと、および熱処理温度を1470℃にしたこと以外は実施例8と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例3と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例10]
平板状ITO分割ターゲット材1およびITOペースト材料1の替わりに平板状ITO分割ターゲット材2およびITOペースト材料2をそれぞれ使用したこと、および熱処理温度を1460℃にしたこと以外は実施例6と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例1]
ITOペースト材料1の替わりにITOペースト材料3を使用したこと以外は実施例6と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例2]
ITOペースト材料1の替わりにITOペースト材料3を使用したこと、および熱処理温度を1590℃にしたこと以外は実施例8と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例3と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例3]
ITOペースト材料2の替わりにITOペースト材料4を使用したこと、および熱処理温度を1390℃にしたこと以外は実施例10と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例4]
熱処理温度を1590℃にしたこと以外は実施例6と同様にしてITO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたITO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたITO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例11]
2枚の平板状IGZO分割ターゲット材1を縦方向に並べ、対向する側面の間に、IGZOシート材料1から長方形状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。シート面積比135%であった。2枚の平板状IGZO分割ターゲット材1に、分割ターゲット材が相互に圧着する方向に300gf/cm2の圧力を加えながら、大気中で、熱処理温度1290℃、熱処理時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で熱処理を行った。その後、前記圧力を加えた状態で室温まで冷却した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。
得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を、該ターゲット材を接合するのに十分な面積を有するCu製平板状基材に次の方法により接合した。前記ターゲット材および前記基材を160℃に加熱し、ターゲット材および基材のそれぞれのボンディング面に接合材としてIn半田を塗布し、それぞれのボンディング面を貼り合わせて両者を圧着した後、冷却した。接合時の前記ターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例12]
4枚の平板状IGZO分割ターゲット材1を縦方向一列に並べ、各対向する側面の間に実施例11に示したシートを挟んだこと、および熱処理温度を1270℃にしたこと以外は実施例1と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例13]
4本の円筒状IGZO分割ターゲット材1を縦方向に、各軸線が一致するように並べ、各対向する側面の間に、IGZOシート材料1からリング状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。シート面積比は137%であった。4本の円筒状IGZO分割ターゲット材1に実施例11と同様に圧力を加えながら、実施例11と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。
得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を外径135mmで、前記ターゲット材を接合するのに十分な長さを有するSUS製円筒状基材に次の方法により接合した。前記ターゲット材および前記基材を160℃に加熱し、ターゲット材および基材のそれぞれのボンディング面に接合材としてIn半田を塗布し、円筒状基材をターゲット材の中空部に挿入して、両者を接着した後、冷却した。接合時の前記ターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例14]
円筒状IGZO分割ターゲット材1を8本使用したこと、および熱処理温度を1270℃にしたこと以外は実施例13と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例13と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例15]
2枚の平板状IGZO分割ターゲット材2を縦方向に並べ、対向する側面の間に、IGZOシート材料2から長方形状に切り取ったシートを、前記側面の周囲から均等に前記シートがはみ出るように挟んだ。シート面積比は128%であった。実施例11と同様に圧力を加えながら、熱処理温度を1260℃にしたこと以外は実施例11と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例16]
2枚の平板状IGZO分割ターゲット材1を縦方向に並べ、対向する側面の両方にIGZOペースト材料1を厚みが200μmになるように前記側面全体に塗布した。前記側面を相互に張り合わせ、IGZOペースト材料1を平板状IGZO分割ターゲット材1で挟んだ。実施例11と同様に圧力を加えながら、実施例11と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例17]
4枚の平板状IGZO分割ターゲット材1を縦方向一列に並べ、各対向する側面の両方にIGZOペースト材料1を実施例16と同様に塗布した。各対向する側面を相互に張り合わせ、IGZOペースト材料1を平板状IGZO分割ターゲット材1で挟んだ。実施例11と同様に圧力を加えながら、熱処理温度を1270℃にしたこと以外は実施例11と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例1と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例18]
4本の円筒状IGZO分割ターゲット材1を縦方向に、各軸線が一致するように並べ、各対向する側面の両方にIGZOペースト材料1を厚みが200μmになるように前記側面全体に塗布した。各対向する側面を相互に張り合わせ、IGZOペースト材料1を円筒状IGZO分割ターゲット材1で挟んだ。4本の円筒状IGZO分割ターゲット材1に実施例11と同様に圧力を加えながら、実施例11と同条件で熱処理およびその後の冷却を行った。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例13と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例19]
円筒状IGZO分割ターゲット材1を8本使用したこと、および熱処理温度を1270℃にしたこと以外は実施例18と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例13と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[実施例20]
平板状IGZO分割ターゲット材1およびIGZOペースト材料1の替わりに平板状IGZO分割ターゲット材2およびIGZOペースト材料2をそれぞれ使用したこと、および熱処理温度を1260℃にしたこと以外は実施例16と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例5]
IGZOペースト材料1の替わりにIGZOペースト材料3を使用したこと以外は実施例16と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例6]
IGZOペースト材料1の替わりにIGZOペースト材料3を使用したこと、および熱処理温度を1390℃にしたこと以外は実施例18と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例13と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例7]
IGZOペースト材料2の替わりにIGZOペースト材料4を使用したこと、および熱処理温度を1190℃にしたこと以外は実施例20と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例8]
熱処理温度を1390℃にしたこと以外は実施例16と同様にしてIGZO製スパッタリングターゲット材を作製した。
作製されたIGZO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。得られたIGZO製スパッタリングターゲット材を実施例11と同様に基材に接合した。接合時のターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
[比較例9]
2枚の平板状ZnO分割ターゲット材1を縦方向に並べ、対向する側面の両方にZnOペースト材料1を厚みが200μmになるように前記側面全体に塗布した。前記側面を相互に張り合わせ、ZnOペースト材料1を平板状ZnO分割ターゲット材1で挟んだ。2枚の平板状ZnO分割ターゲット材1に、分割ターゲット材が相互に圧着する方向に300gf/cm2の圧力を加えながら、大気中で、熱処理温度1290℃、熱処理時間5時間、昇温速度100℃/hの条件で熱処理を行った。その後、前記圧力を加えた状態で室温まで冷却した。
作製されたZnO製スパッタリングターゲット材の接合面積比の最小値を上記の方法で求めた。結果を表1に示した。
得られたZnO製スパッタリングターゲット材を、該ターゲット材を接合するのに十分な面積を有するCu製平板状基材に次の方法により接合した。前記ターゲット材および前記基材を160℃に加熱し、ターゲット材および基材のそれぞれのボンディング面に接合材としてIn半田を塗布し、それぞれのボンディング面を貼り合わせて両者を圧着した後、冷却した。接合時の前記ターゲット材の割れの有無を目視により確認した。結果を表1に示した。
Figure 2015089966
10 スパッタリングターゲット材
11、12、13 セラミックス製分割スパッタリングターゲット材
14、15 セラミックス製接合層
16、17a、17b、18 接合面
19a、19b 接合部
20 スパッタリングターゲット材
21、22、23 セラミックス製分割スパッタリングターゲット材
24、25 セラミックス製接合層
26、27a、27b、28 接合面
29a、29b 接合部
30、40 領域
31、41 領域

Claims (13)

  1. 複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材と該複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するセラミックス製接合層とからなるスパッタリングターゲット材であって、
    該スパッタリングターゲット材が有する、前記セラミックス製接合層と、該セラミックス製接合層によって接合される隣り合う2つの前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材における前記セラミックス製接合層が接合している面とを含むすべての接合部において、X線透過法により得られた画像から、前記セラミックス製接合層が接合している前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面に対応する画像上の領域の面積に対する、前記セラミックス製接合層が前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材に接合している領域に対応する画像上の領域の面積の比率である接合面積比を求めたとき、その最小値が90%以上であるスパッタリングターゲット材。
  2. 前記セラミックス製接合層の組成が、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の組成と実質的に同じである請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
  3. 平板形状である請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット材。
  4. スパッタ面の面積が300,000mm2以上である請求項3に記載のスパッタリングターゲット材。
  5. 円筒形状である請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット材。
  6. 軸線方向の長さが1,000mm以上である請求項5に記載のスパッタリングターゲット材。
  7. 前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材がITOまたはIGZO製である請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックス製スパッタリングターゲット材が基材に接合されてなるスパッタリングターゲット。
  9. 前記セラミックス製スパッタリングターゲット材が、スパッタ面において、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材と前記セラミックス製接合層との間に実質的に段差を有していない請求項8に記載のスパッタリングターゲット。
  10. 複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
    前記接合用セラミックス材料がシート材料であり、該接合用セラミックス材料を挟む前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材の面よりも大きい面積を有し、前記接合用セラミックス材料を前記面の周囲からはみ出るように挟む請求項1に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
  11. 複数のセラミックス製分割スパッタリングターゲット材の間に接合用セラミックス材料を挟み、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材および前記接合用セラミックス材料を熱処理することで前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を一体に接合するスパッタリングターゲット材の製造方法であって、
    前記接合用セラミックス材料が、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度の±50℃の温度範囲で焼成して得られ、かつ前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材と実質的に同組成を有するセラミックス焼結粉を使用して作製され、
    前記熱処理を、前記セラミックス製分割スパッタリングターゲット材を製造したときの焼成温度より低い温度で行う請求項1に記載のスパッタリングターゲット材の製造方法。
  12. 前記接合用セラミックス材料がシート材料またはペースト材料である請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の製造方法で製造されたスパッタリングターゲット材の表面のうちの少なくともスパッタ面に平坦化処理を施した後、該スパッタリングターゲット材を基材に接合するスパッタリングターゲットの製造方法。
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