JP2015089870A - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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康宏 赤羽
恵子 数野
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恵子 数野
妥治 加藤
Yasuji Kato
妥治 加藤
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Abstract

【課題】外観安定性及び防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好なノンエタノールタイプの乳化型の液体口腔用組成物を提供する。【解決手段】エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物に、(A)油性成分が25℃で液体の油脂からなるエマルション、(B)アニオン性界面活性剤、(C)安息香酸エステル、トリクロサンから選ばれる少なくとも1種、(D)ノニオン性界面活性剤を含有し、(B)/(A中の油性成分)が0.6〜1.8であり、かつ(B)/(D)が0.1〜0.5であることを特徴とする液体口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、外観安定性及び防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好なノンエタノールタイプの乳化型の液体口腔用組成物に関する。
液体口腔用組成物にはエタノールを配合した製品が多数上市されており、エタノールは使用後のサッパリした使用感を付与に寄与している。しかし、エタノールは口腔内での刺激を伴うことがあり、エタノール等の刺激を好まない使用者のために、エタノールを実質的に含有しないノンエタノール系製剤も開発され、上市されている。
しかしながら、ノンエタノール製剤は、湿潤剤として配合されるグリセリンなどのポリオールなどから感じられるベタツキ感を抑えることが出来ず、また、爽快感も不足しており、エタノール配合製剤に比べて使用後のスッキリ感の点において劣っていた。
爽快感という点では、L−メントール等の清涼成分により付与することはできるが、ノンエタノール系製剤での配合効果は十分とは言い難く、L−メントールは、その配合量が増すにつれてメントール由来の刺激といったネガティブな使用感が表れてくるという問題があった。
エタノールの刺激を抑えるため液体口腔用組成物に特定のエマルションを配合した技術が提案されている(特許文献1;特開2005−179231号公報)。しかし、この技術はエタノール配合製剤のものであり、ノンエタノール製剤にエマルションの配合するとエマルション由来の油っぽいベタツキ感が生じ易く、スッキリ感が損なわれてしまうという問題があった。エマルションを液体口腔用組成物に配合する技術としては、薬用成分の滞留性を向上させることで作用性を高める技術として幾つかの提案が成されている(特許文献1:特開2005−179231号公報、特許文献2:特開平11−335253号公報、特許文献3:特開2009−96724号公報、特許文献4:特開2011−168506号公報、特許文献5:特開2012−12394号公報、特許文献6:WO2011/115034号、特許文献7:WO2011/077847号)。しかしながら、ノンエタノール製剤へのエマルション配合によるスッキリ感の低下といった使用感変化については何ら述べられてはおらず、また、スッキリ感向上のための本発明の構成による効果を想起させるような記述もない。
さらに、ノンエタノール製剤では香料成分などの油溶性成分を溶解させるため界面活性剤をエタノール配合製剤より多く配合する必用があり、エマルションを配合した場合、エマルションが崩壊し易くなり、製剤の外観安定性を良好に維持することが難しいといった課題があった。
また、エマルションを配合する液体口腔用組成物においては、油溶性の成分がエマルションに取り込まれる傾向があるため、防腐剤の効果が低減する。そのため、防腐力を確保するには配合量を増やす必要があり、防腐剤の刺激感がノンエタノール組成とすることでの低刺激性を損なってしまう課題があった。防腐力(殺菌力)については、エマルション中に殺菌成分等の難水溶性活性作用物質を取り込ませる技術が開示されているが(特許文献8:特開2009−84158号公報)、本発明の目的である低刺激を満足するには十分ではなかった。
そこで、ノンエタノール製剤において、外観安定性を良好に維持でき、防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好な使用感を持つ液体口腔用組成物が望まれている。
特開2005−179231号公報 特開平11−335253号公報 特開2009−96724号公報 特開2011−168506号公報 特開2012−12394号公報 WO2011/115034号 WO2011/077847号 特開2009−84158号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、外観安定性及び防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好なノンエタノールタイプの乳化型の液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を改善すべく鋭意研究した結果、エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物に、後述する(A)油性成分が25℃で液体の油脂からなるエマルションと、(B)アニオン性界面活性剤、(C)安息香酸エステル、トリクロサンから選ばれる少なくとも1種、(D)組成中のノニオン性界面活性剤を規定し、かつ(B)/(A中の油性成分)と(B)/(D)を特定の比で含有することによって、外観安定性及び防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好なノンエタノールタイプの乳化型の液体口腔用組成物が得られることを見出した。
本発明によれば、ノンエタノールタイプの液体口腔用組成物において、高温や低温で保存しても良好な外観安定性と防腐力が維持されると共に、洗口後の刺激がなく、エマルションが配合されていても口腔内で使用時に油っぽい嫌味がほとんどなく、スッキリした使用感を感じることができる。
従って、本発明は下記の液体口腔用組成物を提供する。
請求項1:
エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物に、
(A)油性成分が25℃で液体の油脂からなるエマルション、
(B)アニオン性界面活性剤、
(C)安息香酸エステル、トリクロサンから選ばれる少なくとも1種、
(D)ノニオン性界面活性剤
を含有し、(B)/(A中の油性成分)が0.6〜1.8であり、かつ(B)/(D)が0.1〜0.5であることを特徴とする液体口腔用組成物。
請求項2;
(B)成分がラウリル硫酸塩、ラウロイルサルコシン塩、アルキルグルタミン酸塩、テトラデセンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種であり、(D)成分がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の液体口腔用組成物。
請求項3;
(B)成分が組成物全体の0.03〜0.3質量%であり、(D)成分が組成物全体の0.1〜0.5質量%である請求項1及び2記載の液体口腔用組成物。
本発明によれば、外観安定性及び防腐力に優れる上、洗口後の刺激がなく、スッキリ感の良好なノンエタノールタイプの乳化型の液体口腔用組成物が得られる。
以下、本発明につきさらに詳述する。本発明は、エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物に、下記(A)〜(D)成分を含有し、(B)/(A中の油性成分)が0.6〜1.8であり、かつ(B)/(D)が0.1〜0.5であることを特徴とする。
(A)油性成分が25℃で液体の油脂からなるエマルション、
(B)アニオン性界面活性剤、
(C)安息香酸エステル、トリクロサンから選ばれる少なくとも1種、
(D)ノニオン性界面活性剤。
(A)成分のエマルションは、水及び/又はグリセリンを分散媒とし、油性成分として25℃で液体の油脂を、デカグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤で乳化して得られる平均粒径50〜200nmのO/W型のエマルションであり、上記O/W型のエマルションの油滴粒子が液体口腔用組成物に分散し、上記分散媒は液体口腔用組成物の水相に一体化されて溶解し、液体口腔用組成物中にO/W型のエマルションとして存在する。
エマルション中の油性成分である25℃で液体の油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油などの液状油脂のほか、炭素鎖長6〜12のトリ脂肪酸グリセリルが挙げられ、中でもトリ脂肪酸グリセリルが好適である。トリ脂肪酸グリセリルの例としては、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル等が挙げられ、1種又は2種以上が用いられる。
これら油性成分の含有量は、通常、エマルション中に10〜60%(質量%、以下同様。)とすることができる。形成させるエマルションの粒径により、粒径が小さくなるほど含有量は少なくすることで安定性が良好なエマルションを調製することができる。10%未満では乳化が困難な場合があり、60%を超えると安定性が悪くなり油性成分が分離し、外観安定性を損ねる場合がある。
なお、上記エマルションにおいて、乳化剤として用いるデカグリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が12〜16のものが好適であり、例えばモノミリスチン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレンの重合度が20〜100が挙げられる。含有量は、通常、エマルション中に5〜30%とすることができる。形成させるエマルションの粒径により、粒径が小さくなるほど含有量は多くすることで安定性が良好なエマルションを調製することができる。5%未満では油性成分が分離し、30%を超えるとゲル化を生じる場合がある。
エマルションの平均粒径は50〜200nmであり、好ましくは50〜100nmである。平均粒径が上記範囲外であると、外観安定性を満足に改善できない。なお、エマルションの平均粒径の測定法は後述の実施例に記載の方法による。
エマルションの形態はO/W型であり、その調製方法は、公知の方法を採用できる。例えば所定量のデカグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリン、及び半量の水をホモミキサーで撹拌後、トリ脂肪酸グリセリルを加え、エマルションを形成させ、最後に残りの水を加えて調製することができる。その後、作製したエマルションを、高圧ホモジナイザーを用いて平均粒径を調節する方法が好ましく採用し得る。このように調製したエマルションを液体口腔用組成物に所定量添加することにより、目的の口腔用組成物が得られる。
なお、かかるエマルションとして、市販品、例えば日光ケミカルズ製NET−TE−50等を使用することができる。
(A)成分のエマルションの含有量は、外観安定性、防腐力、洗口後の刺激の点で、組成物全体の0.1〜1.0%、特に0.2〜0.8%が好ましい。含有量が0.1%未満では、エマルションの安定性を損なう場合があり、また、刺激が強くなる場合がある。1.0%を超えると防腐力を損なう場合がある。
(B)成分はアニオン性界面活性剤であり、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18、特に10〜16のアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。中でも、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく、特にラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。アルキル硫酸塩は、東邦化学工業株式会社製などの市販のものを使用できる。
(B)成分のアニオン性界面活性剤は、防腐力、エマルションの安定性、洗口後の刺激のなさの点で、組成物全体の0.03〜0.3%、特に0.1〜0.2%が好ましい。含有量が0.03%未満では防腐力に劣る場合があり、0.3%を超えるとエマルションの安定性が低下したり、洗口後の刺激が強くなる場合がある。
本発明組成物では、(B)成分のアニオン性界面活性剤と、(A)成分に含まれる25℃で液体の油脂量との割合、即ち(B)成分/(A成分中の25℃で液体の油脂)が0.6〜1.8、特に0.8〜1.5とすることが好ましく、これにより外観安定性をより高めることができる。上記割合が0.6に満たないと、防腐力が低下する可能性があり、1.8を超えるとスッキリ感が低下しエマルションの安定性が低下する場合がある。
(C)成分は安息香酸エステル及び/又はトリクロサンであり、安息香酸エステルとしてはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等が挙げられる。
(C)成分の安息香酸エステル及び/又はトリクロサンは、防腐力と洗口後の刺激のなさの点で、組成物全体の0.02〜0.2%、特に0.5〜0.16%が好ましい。含有量が0.02%未満では防腐力に劣る場合があり、0.2%を超えると洗口後の刺激が強くなる場合がある。
(D)成分のノニオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられるが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好適である。
なお、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油においては、効果発現の点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数が好ましくは10〜100、より好ましくは20〜60である。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおいては、効果発現の点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数が好ましくは5〜50、より好ましくは10〜30である。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素数が12〜16のものが好適であり、例えばモノミリスチン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリルが好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、NIKKOL HCO−5、HCO−10、HCO−20、HCO−30、HCO−60(日光ケミカルズ(株)製)、BLAUNON CW−3、10、PCW−20(青木油脂産業(株)製)などが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えばEMALEX115、120、625、709(日本エマルション(株)製)、BLAUNON SR−705、707(青木油脂産業(株)製)等が挙げられる。デカグリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸デカグリセリル(Decaglyn 1−M,日光ケミカルズ(株))、ラウリン酸デカグリセリル(SYグリスターML−750,坂本薬品工業(株))等が挙げられる。
(D)成分の含有量には、(A)成分のエマルション調製において使用される量も含まれる。エマルションの安定性、防腐力、洗口後の刺激のなさの点で、組成物全体の0.1〜0.5%、特に0.15〜0.3%が好ましく、0.1%未満であると、エマルションの安定性が損なわれたり、洗口後の刺激が強くなる場合があり、0.5%を超えると防腐力が損なわれる場合がある。
さらに、(B)成分のアニオン性界面活性剤と(D)成分のノニオン性界面活性剤の合計量との割合、即ち(B)成分/(D)成分が0.1〜0.5、特に0.2〜0.4とすることが好ましく、これにより防腐力をより高めることができる。上記割合が0.1に満たないと、防腐力が低下する可能性があり、0.5を超えると洗口後の刺激が大きくなる場合がある。
本発明の液体口腔用組成物は、実質的にエタノールを含まないものである。ここで、「実質的にエタノールを含まない」とは、組成物中のエタノール量が組成物全体に対して好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは10ppm以下のものであり、下限値は0ppmである。なお、本発明の液体口腔用組成物は、エタノールを無配合であるが、組成物中に配合される香料中に原料由来のエタノールが微量含有される場合などがあるため、これらの理由を考慮した上で、香料中などに微量含有されるエタノール以外にエタノールを含まないものである。
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、液体歯磨などとして調製、適用することができ、その剤型に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で、上記成分に加えてその他の適宜な公知成分を配合することができる。例えば、溶剤、多価アルコール、湿潤剤、増粘剤、(B)成分及び(D)成分以外の界面活性剤、さらに必要により、pH調整剤、甘味剤、香料、有効成分、着色料等を含有できる。
湿潤剤としては、ソルビトール、キシリット、マルチット、ラクチット等の糖アルコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これら湿潤剤を配合する場合は、配合量が5〜15%となる範囲が望ましい。
増粘剤としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる(配合量は通常0〜5%)。
pH調整剤としては、フタル酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸及び炭酸並びにそれらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩、リボ核酸及びその塩類、さらに水酸化ナトリウムなどの1種又は2種以上を用いることができ、特にリン酸、クエン酸とそれらのナトリウム塩を組み合わせたものが好ましい。特に、本発明の液体口腔用組成物は、25℃におけるpHを5.5〜7.5に調整することが好ましく、この付近のpH調整剤としてリン酸二水素ナトリウムとリン酸一水素ナトリウム、あるいはクエン酸とクエン酸ナトリウムを組み合わせたものを用いることが好ましい。
溶剤としては、通常、精製水が用いられ、配合量は通常60%以上である。
また、甘味剤としてはサッカリンナトリウム、ステビオサイト、スクラロース、還元パラチノース、エリスリトール等を含有することができる。
香料としては、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油、及びL−カルボン、1,8−シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分、また、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール−L−メンチルカーボネート等の香料成分、さらには、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせて(エタノールを含まない)なる、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーの1種又は2種以上を、本発明の効果を妨げない範囲で組成物中0.00001〜3%使用することができる。
上記(B)成分、(D)成分以外の界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩などのイミダゾリン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−L−アルギネート塩等のアミノ酸型界面活性剤等の両性界面活性剤などが挙げられ、本発明の効果を妨げない範囲で1種単独又は2種以上を組み合わせて配合できる。
有効成分としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トコフェロール酢酸エステル、塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸などの抗炎症剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、リテックエンザイム等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、アズレン、塩化リゾチーム、アスコルビン酸等のビタミンC類、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸類、ヒドロコレステロール、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物、グルコン酸銅、カロペプタイド、ポリリン酸ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ポリビニルピロリドン、ラウロイルサルコシンナトリウム、歯石防止剤、歯垢防止剤、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等を添加することができる。なお、これらの有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
着色料として、青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号など安全性の高い水溶性色素を添加することができる。
容器としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレンが使用できるが、香料の吸着抑制の点からPETとガラスの使用が好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、配合量は全て純分換算で、表中及び下記に示す%は特に断らない限りいずれも質量%を意味する。また、(A)成分として使用したエマルションの組成を以下に示す。
[エマルションA(平均粒径100nm)の組成]
モノミリスチン酸デカグリセリル 15%
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 40
グリセリン 10
水 35
合計 100%
グリセリン、半量の水、モノラウリン酸デカグリセリルを予備撹拌後、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルを加えて、ホモミキサーで撹拌し、最後に残りの水を加えて調製した。
[エマルションB(平均粒径50nm)の組成]
モノラウリン酸デカグリセリル 20%
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 20
グリセリン 10
水 50
合計 100%
グリセリン、半量の水、モノラウリン酸デカグリセリルを予備撹拌後、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルを加えて、ホモミキサーで撹拌し、最後に残りの水を加えて調製した。
[エマルションC(平均粒径150nm)の組成]
モノラウリン酸デカグリセリル 15%
オリーブ油 30
グリセリン 15
水 40
合計 100%
グリセリン、半量の水、モノラウリン酸デカグリセリルを予備撹拌後、オリーブ油を加えて、ホモミキサーで撹拌し、最後に残りの水を加えて調製した。
エマルションの平均粒径は、下記方法で測定した。
[平均粒径の測定方法]
BECKMAN COULTER社製、動的光散乱光度計N5を用いて、エマルションを精製水で100倍に希釈し、セルに入れて25℃での平均粒径を測定した。
表1〜3に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法により調製し、下記評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(1)エマルションの安定性:
サンプルの液体口腔用組成物を満注量500mlのPET容器(ポリエチレンテレフタレート容器 吉野工業所製)に450ml充填し、60℃の恒温槽及び−5℃恒温槽に1ヶ月保存後、−5℃保存品に比べて60℃保存品の分散したエマルションによる液の白濁度を、下記基準に則り、目視判定した。
<エマルションの安定性の評価基準>
◎:液の白濁度に変化は認められない。
○:液の白濁度に変化は認められるが、並べて比べないと判らないレベル。
△:液の白濁度に変化は認められ、並べて比べなくても認知できるレベル。
×:液の白濁度が大きく変化し、同一品として認められないレベル。
(2)防腐力:
供試菌としては、凍結腸内細菌、凍結緑膿菌を用いた。これらは、いずれも独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)から入手した。これら供試菌を、それぞれ培地で培養し、約108〜109個/mLとなるように菌懸濁液を調製した。
評価試料20gに前記菌懸濁液0.2mLを添加し、十分に混合して、評価用試料液を調製した後、20℃でそれぞれ暗所に保存した。次に、保存1日後、4日後、7日後、14日後、及び28日後に、前記評価用試料液から1gを無菌的に採取し、レシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト液体培地*9mLにそれぞれ希釈混合した。希釈混合して得た液1mL、0.1mLをそれぞれシャーレに取り、レシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地で混合した。30℃で4日間培養を行い、前記試料中の生存残菌数を測定した。
判定は、添加した細菌が検出限界以下(10個/g以下)になるまでの日数に基づき、下記基準により評価した。
<防腐力の評価基準>
◎:7日以内に、添加した菌が検出限界以下(10個/g以下)まで死滅した。
○:8〜14日以内に、添加した菌が検出限界以下(10個/g以下)まで死滅した。
△:15〜28日以内に、添加した菌が検出限界以下(10個/g以下)まで死滅した。
×:28日の時点で検出限界以下(10個/g以下)まで死滅しなかった。
*:レシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト液体培地(日本製薬株式会社製)38gを精製水1Lに加えてよく振り混ぜた後、90℃に加熱し、数分間攪拌して溶解し、容器に分注後、121℃で15〜20分間高圧蒸気滅菌した。滅菌後、直ちに注意しながらよく振り混ぜ、容器底に沈澱しているポリソルベート層を均一化した。
(3)使用中の刺激のなさ
サンプル10mLを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の刺激のなさについて下記の4段階で評価し、10名の平均点を次の基準に従い、◎、○、△、×で示した。
<洗口後の刺激のなさの評点基準>
4点:刺激がなかった。
3点:刺激がほとんどなかった。
2点:刺激がわずか〜ややあった。
1点:刺激がかなりあった。
<刺激のなさの評価基準>
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満。
(4)使用後のスッキリ感
サンプル10mLを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後のスッキリ感について下記の4段階で評価し、10名の平均点を次の基準に従い、◎、○、△、×で示した。
<洗口後のスッキリ感の評点基準>
4点:高いスッキリ感を得た。
3点:スッキリ感を得た。
2点:僅かにスッキリ感を得た。
1点:殆どスッキリ感を得なかった。
<洗口後のスッキリ感の評価基準>
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
実施例1〜21に示す本発明の洗口剤組成物は、何れもエマルションの安定性、防腐力、洗口後の刺激のなさ、洗口後のスッキリ感において所定の効果が得られた。
比較例1〜8に示す洗口剤組成物は、エマルションの安定性、防腐力、洗口後の刺激のなさ、洗口後のスッキリ感の何れかにおいて所定の効果が得られなかった。
































Claims (3)

  1. エタノールを実質的に含有しない液体口腔用組成物に、
    (A)油性成分が25℃で液体の油脂からなるエマルション、
    (B)アニオン性界面活性剤、
    (C)安息香酸エステル、トリクロサンから選ばれる少なくとも1種、
    (D)ノニオン性界面活性剤
    を含有し、(B)/(A中の油性成分)が0.6〜1.8であり、かつ(B)/(D)が0.1〜0.5であることを特徴とする液体口腔用組成物。
  2. (B)成分がラウリル硫酸塩、ラウロイルサルコシン塩、アルキルグルタミン酸塩、テトラデセンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種であり、(D)成分がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の液体口腔用組成物。
  3. (B)成分が組成物全体の0.03〜0.3質量%であり、(D)成分が組成物全体の0.1〜0.5質量%である請求項1及び2記載の液体口腔用組成物。
































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* Cited by examiner, † Cited by third party
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