JP2017100978A - 口腔用組成物 - Google Patents

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【課題】歯面がツルツルとしたと感じることができるコーティング実感を与え、刺激が無く使用感に優れた、特に液体製剤として好適な口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を含有してなることを特徴とする口腔用組成物【選択図】なし

Description

本発明は、歯面がツルツルとしたと感じることができるコーティング実感を与え、使用感に優れた、特に液体製剤として好適な口腔用組成物に関する。
グリセロリン酸及びその塩は、口腔バイオフィルムの抑制に有効であることが特許文献1に提案されている。中でも、グリセロリン酸カルシウムは、歯垢中のカルシウム及びリン酸濃度を高めて再石灰化を促進したり、歯垢のpHの著しい低下を阻止し、ミュータンス菌の代謝を阻害すると考えられている。
しかしながら、グリセロリン酸及びその塩は、刺激感、渋味・異味を有しており、このためグリセロリン酸又はその塩を配合した口腔用組成物、特に洗口剤等の液体口腔用組成物は、後味が悪く、使用感が損なわれるという問題があった。
特開2005−47855号公報
従って、グリセロリン酸又はその塩を配合した口腔用組成物においては、グリセロリン酸又はその塩の刺激感の緩和、使用感の改善が課題となっていた。また、液体口腔用組成物には使用者が使用後に歯牙への歯垢や菌などの付着が抑制されると実感できることが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、歯面がツルツルしたと感じることができるコーティング実感を与える口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60~100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を配合することにより、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、歯面がツルツルしたと感じることができる口腔用組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明においては、成分(A)グリセロリン酸カルシウムは刺激感、渋味・異味などを有しているが(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60~100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を配合することによって、特に液体口腔用組成物において刺激感が無く歯面のコーティング実感を与えることができる。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
本発明によれば、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、歯面がツルツルしたと感じることができるコーティング実感を与える、特に液体製剤として好適な口腔用組成物を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を含有してなることを特徴とする。
成分(A)のグリセロリン酸又はその塩としては、グリセロリン酸、グリセロリン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を配合できる。中でも、コーティング実感、苦味の改善効果、刺激緩和の点からグリセロリン酸カルシウムが好ましい。
グリセロリン酸塩は、天然物由来のものも、合成品も使用でき、例えば岩城製薬株式会社製の商品名「グリセロリン酸カルシウム」などの市販品を使用することもできる。
成分(A)の配合量は、組成全体の0.005〜1%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2%である。0.005%未満ではコーティング実感が十分に得られない場合がある。1%を超えると成分(B)を併用しても成分(A)の刺激感が強くなって使用感に劣る場合がある。
成分(B)のエチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油の配合量は、組成全体の0.05〜2.0%が好ましい。
エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油としては、下記のような市販品を使用できる。
・日光ケミカルズ社製のNIKKOL HCO系
・日本エマルジョン社製のエマレックスHC系
・日油社製のユニオックスHC系
本発明組成物は、特に配合成分が可溶化した液体口腔用組成物として好適に調製される。なお、本発明組成物は、歯磨剤のようなペースト状製剤においても有効であるが、このような製剤に比べて、洗口剤や液体歯磨剤のような液体製剤では刺激感が強く発現するが、本発明によればかかる液体製剤で刺激感を抑制することができる。具体的には、原液のまま使用するタイプの洗口剤、口中清涼剤、濃縮タイプで使用時に希釈して用いる洗口剤、更には歯ブラシでブラッシングして使用する液体歯磨剤などとして調製、適用することができ、特に洗口剤として好適である。なお、本発明組成物は、歯ブラシでブラッシングしない方がより強くコーティング実感を与えることから、ブラッシングなしで使用できる洗口剤として好適である。
本発明組成物には、上記成分に加えて、必要に応じてその他の公知成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。液体口腔用組成物には、具体的に湿潤剤、界面活性剤、溶剤、更に必要により甘味剤、着色剤、香料、有効成分等が配合される。なお、液体口腔用組成物には、研磨剤などの可溶化しない固形成分は通常配合されないが、本発明組成物においては、コーティング実感発現の点から研磨剤は含まないことが好ましい。
湿潤剤としては、例えばソルビトール、マルチット、ラクチット等の糖アルコール、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。これら湿潤剤の配合量は、組成全体の2〜20%が好ましい。
界面活性剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合できる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノセチル酸ヘキサグリセリル、脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
上記中、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムを配合することが好ましい。
これら界面活性剤の配合量は、組成全体の0.05〜2%であることが好ましい。
甘味剤としては、キシリトール、マルチトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、アスパルテーム等を配合することができる。
着色料として、青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号など、安全性の高い水溶性色素を添加することができる。
香料としては、例えばペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油、及びl−メントール、l−カルボン、オレンジオイル、アネトール、1,8−シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、オイゲノール、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分、また、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート、メンチルラクテート、エチレングリコール−l−メンチルカーボネート等の香料成分、更には、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなる、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーの1種又は2種以上を、発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。好ましい香料としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油等のミント油、エチル−3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート等の冷感増強剤、バニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン、ナツメグ油が挙げられる。
香料の添加量は、通常、組成中0.00001〜3%である。
有効成分としては、例えばイソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン等の殺菌剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、アズレン、塩化リゾチーム、アスコルビン酸等のビタミンC類、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸類、ヒドロコレステロール、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物、グルコン酸銅、カロペプタイド、ポリリン酸ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ポリビニルピロリドン、歯石防止剤、歯垢防止剤、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等を添加することができる。なお、これらの有効成分の添加量は、本発明効果を妨げない範囲で、有効量とすることができる。
溶剤としては、通常水が用いられ、水の含有量は組成全体の60%以上が好ましい。また、必要によりエタノール等の低級一価アルコールを添加してもよい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
表1に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法により調製した。
なお、使用原料の詳細は下記の通りである。
・塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)
・塩化ベンゼトニウム(ハイアミン1622:ロンザジャパン社製)
・グリセロリン酸カルシウム(岩城製薬社製)
・ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油(日光ケミカルズ社製)
・ポリオキシエチレン(100)硬化ひまし油(日光ケミカルズ社製)
・プロピレングリコール(旭硝子社製)
・グリセリン(85%、阪本薬品工業社製)
・キシリトール(ロケット・フルーレ社製)
・クエン酸(扶桑化学社製)
・クエン酸ナトリウム(扶桑化学社製)
・サッカリンナトリウム(大東化学社製)


Claims (1)

  1. (A)グリセロリン酸又はその塩、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油を含有してなることを特徴とする口腔用組成物。



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