[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
第1実施形態に係る携帯型情報コード読取装置10(以下、単に情報コード読取装置10又は読取装置10とも称する)は、例えば図1のような外観をなしている。この読取装置10は、所定の撮像範囲AR(図9参照)の画像を撮像する撮像部23と、撮像部23によって得られた撮像画像を処理する処理部(制御回路40(図2))と、撮像部23の撮像範囲AR(図9参照)に向けてマーカ光Mk(図2)を照射するマーカ光照射部50と、マーカ光Mk(図2)とは異なる照明光Lf(図2)を照射する照明光源21とを備えている。更に、マーカ光照射部50、照明光源21、撮像部23などを保持するケース12と、ケース12と一体的に又はケース12とは別体として設けられ、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60とを備えている。
まず、情報コード読取装置10の電気的構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には一次元コードや二次元コードなどの情報コード100(図2)を読取可能なコードリーダとして構成されており、図1に示すケース12によって装置本体11の外郭が構成され、このケース12の内部に各種電子部品が収容された構成をなしている。
図2に示すように、情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、マーカ光照射部50、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース内に内装されている。
光学系は、照明光源21、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27、マーカ光照射部50等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、ケースに形成された照射口を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図2のような情報コード100が印刷などによって形成されている。なお、読み取り対象となる情報コード100の種類はバーコードなどの一次元コードであってもよく、QRコード(登録商標)、データマトリックスコート、マキシコードなどの二次元コードであってもよい。また、マーカ光照射部50は、LEDやレーザ光源などの公知のマーカ光源等によって構成されており、照明光源21が光を照射する側と同じ側に、例えば指向性の高いマーカ光Mk(図2)を照射するように構成されている。具体的には、図9のように撮像部23によって撮像可能となる範囲(撮像範囲AR)に向けてマーカ光Mk(図2)を照射する構成となっている。なお、図9では、マーカ光照射部50によって照射されるマーカ光Mkの光軸(中心軸)を一点鎖線Mk1によって概念的に示している。
図2等に示す撮像部23は、情報コード100を撮像可能な受光センサ(例えば、C−MOSやCCD等の受光素子を2次元に配列したエリアセンサ等)によって構成され、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものである。この撮像部23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に配置されており、図9のように、ケース12の外部に設定される所定の撮像範囲ARの画像を撮像する構成となっている。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケース12に形成された読取口14と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が撮像部23に入射することを抑制している。
結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本構成では、ケース12に形成された読取口14(図3、図5等)に入射する反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の撮像部23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、撮像部23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、公知の半導体メモリ装置などによって構成され、例えばRAM、ROM、不揮発性メモリ等がこれに相当する。例えば、メモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、撮像部23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等が接続されている。また、通信部48は、有線通信又は無線通信を行う公知の通信インタフェースとして構成されており、ケース12の外側に設けられた外部装置と通信を行い、外部装置への情報送信又は外部装置からの情報受信を行うように機能している。
なお、図2の例では、「外部装置」として、情報コード読取装置10の上位システムに相当するコンピュータHST(据置型のパーソナルコンピュータや携帯型のパーソナルコンピュータ等)が例示されており、通信部48は、このような外部装置と有線又は無線(例えば、公知の無線LAN通信やbluetooth(登録商標)通信等)にて通信可能に接続されている。なお、外部装置は、このようなパーソナルコンピュータの例に限られるものではなく、情報コード読取装置10の外部に配置され、この情報コード読取装置10と通信を行い得る情報処理装置であればどのような構成であってもよい。また、通信部48は、制御回路40と協働し、「送信部」として機能しており、例えば情報コード100の解読後、一定時間の経過した後に情報コード100を解読した解読データを上記「外部装置」に送信するように機能している。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
(装着構造等)
次に、携帯型情報コード読取装置10の装着構造等について説明する。
携帯型情報コード読取装置10は、主に、装置本体11と取付部材60とによって構成されている。装置本体11は、情報コード100を撮像可能な撮像部23と、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部(制御回路40(図2)と、撮像部23や処理部などを保持するケース12とを備えた構成となっている。また、取付部材60は、ケース12とは別体として設けられ、撓み変形可能な可撓性の身体装着部(装着部)62と、ケース12が着脱される取付部66とを備えている。なお、取付部66とケース12との着脱構造は、例えばねじ等の締結部材によってケース12が取付部66によって取り付けられる構成などであってもよく、ケース12に形成された係合部(例えば凸部などの嵌合部)が取付部66に形成された被係合部(例えば凹部などの被嵌合部)と係合することで取り付けられる構成であってもよい。或いは、ケース12又は取付部66のいずれか一方に固定された磁石と、他方に固定された磁性体(金属部材や磁石)との吸引力によって取り付けられる構成であってもよい。なお、ここでは、ケース12と取付部材60が別体として構成された例を示すが、ケース12と取付部材60は、互いに連結されていればよく、例えば一体的に形成されていてもよい。
図1等に示す装置本体11は、ケース12の内部に図2に示す各種電子部品が収容されてなるものであり、例えば、取付部材60に対して図1のように取付可能とされており、更に、この取付部材60からの取り外しが可能となっている。この装置本体11の外殻をなすケース12は、全体として長手状且つ箱状に構成されている。なお、本構成では、装置本体11の前後方向、幅方向(横方向)、上下方向を以下のように規定する。まず、撮像部23の視野範囲の中心の方向(図9に示す光軸Gの方向)を前後方向としており、ケース12の長手方向が前後方向となっている。そして、前後方向と直交する方向においてケース12の厚さ方向が幅方向(横方向)となっている。そして、上記前後方向及び幅方向と直交する方向が上下方向となっている。
ケース12は、前端部に前壁部13cが設けられ、後端部に後壁部13dが設けられている。更に、幅方向(左右方向)一方側(取付部材60側)に側壁部が設けられ、これとは反対側に側壁部13aが設けられている。更に、上端部には上壁部13eが設けられ、下端部には上壁部13eと対向する下壁部が設けられている。そして、これら前壁部、後壁部、側壁部、上壁部、下壁部により、前後左右及び上下が囲まれる箱状構成で、撮像部や制御回路などの電子部品を収容する収容部が構成されている。
なお、以下では、図3に示すように、使用者Pの顔Faを基準として顔Faが向く方向を顔Faの前側、後頭部側を顔Faの後ろ側として説明する。
図1、図3、図5に示すように、ケース12の前端部に設けられる前壁部13cには、情報コードからの光を導入可能な読取口14が設けられている。そして、取付部材60は、例えば使用時に使用者Pの両耳に掛けられる構造となっており、図3のようにケース12が使用者Pの顔Faの横位置に配置され且つ読取口14が使用者Pの前側を向く構成で当該ケース12を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。このように、使用者Pの顔Faが向く側と同じ側に撮像部23が向くように取付部材60によってケース12が取り付けられている。
図1のように、ケース12において上壁部13eには、外部操作(例えば、上方から下方側への押圧操作)が可能な操作スイッチ42が設けられている。また、ケース12の内部には、図2のように照明光を照射する照明光源21及びマーカ光を照射するマーカ光照射部50が設けられており、照明光源21からの照明光Lf及びマーカ光照射部50からのマーカ光Mkはいずれも、前壁部13cからケース12の前側に照射されるようになっている。
取付部材60は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部62と、ケース12が着脱される取付部66と、身体装着部62を支持するベース部65とを備え、ケース12とは別体として設けられている。この取付部材60は、図3のように、使用者Pの顔Faが向く側に、読取口14が向く構成でケース12を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。
図3のように、身体装着部62は、使用者Pの両耳に掛けられる耳掛け部として構成されており、図1のように、被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成されている。この身体装着部62は、ベース部65から延出した構成となっており、全体としてU字状の構成となっている。この身体装着部62には、上方側に凸となるように湾曲した右耳掛け部62aと、右耳掛け部62aから離れて形成されると共に上方側に凸となるように湾曲した左耳掛け部62bと、これら右耳掛け部62aと左耳掛け部62bとを連結する連結部62cとを備えている。連結部62cは、図3のように取付部材60を使用者の耳に掛けて装着したときに、使用者の後頭部又は首に当てられるように巻き付く部分である。
ベース部65は、長手状に構成される取付部66の長手方向中心部付近の裏面側(取付壁部66aとは反対面側)に連結され、取付部66の裏面側から突出した構成となっている。そして、ベース部65の周壁部を起点として延び出る構成で身体装着部62が湾曲して形成されている。
取付部66は、全体として板状に構成されており、一方の板面側にベース部65が連結され、他方の板面側にケース12が着脱可能に連結される構成となっている。ケース12が連結する板面側の壁部が取付壁部66aとして構成されており、この取付壁部66aに対しケース12が装着可能とされ且つ離脱可能とされている。
(読取処理)
次に、読取装置10で実行される読取処理について説明する。
読取装置10では、所定の開始条件の成立時(例えば電源投入時や操作スイッチ42に対する所定の押圧操作時等)に、図4に示す読取処理が制御回路40によって実行される。そして、図4の読取処理の実行中には、継続的に情報コードの読み取り処理を行うことができるようになっている。
図4に示す読取処理は、所定の開始条件の成立に応じて実行され、実行開始後には、まずマーカ光照射部50を動作させてマーカ光Mkを照射させる(S1)。このS1の処理では、照明光源21は動作させず、照明光Lfは照射させないようにする。なお、本構成では、S1でのマーカ光Mkの照射開始後、S13にて照明光Lfの照射を開始するまでは、照明光Lfを照射しない状態で維持する。
S1の処理の後には、撮像部23でのシャッタ速度を後述する第2のシャッタ速度よりも相対的に遅い(長い)第1のシャッタ速度に設定する(S2)。つまり、S2では、撮像部23で撮像するときの露光時間の設定を、後述するS12で設定される露光時間よりも長く設定する。そして、このように撮像部23のシャッタ速度を第1のシャッタ速度に設定した状態で、撮像部23によって撮像範囲を撮像する(S3)。これにより、第1のシャッタ速度に設定された状態での撮像部23による撮像画像(第1撮像画像)が生成される。
そして、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)内の「特徴検出エリア」を算出する。
S3でエリア特定を行う方法の第1例としては、例えば、図5のように、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)を解析し、当該第1撮像画像の中からマーカ光Mkの照射領域ARmを特定すればよい。そして、そのマーカ光の照射領域ARmを「特徴検出エリア」とすればよい。具体的には例えば、当該第1撮像画像において、所定値以上の受光量となっている領域(領域ARm)を検出し、その領域ARmを全て含む矩形領域や円形領域をマーカ光の照射領域とすればよい。或いは、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)の中から所定形状(マーカ光Mkによる照射形状であり、図5の領域ARmの例では矩形形状)の領域を検出し、その領域をマーカ光の照射領域としてもよい。
また、S3でエリア特定を行う第2例としては、メモリ35を位置データ記憶部として機能させ、撮像部23で得られる撮像画像でのマーカ光Mkの照射領域の位置を示す位置データを記憶しておくようにしてもよい。この位置データは、例えば、マーカ光Mkの照射領域の中心位置を示す中心データと、中心位置を中心とする大きさを示す大きさデータとを含む構成となっている。例えば、図9のように、マーカ光照射部50によるマーカ光Mkの照射方向(中心軸(光軸)Mk1の方向)が撮像範囲AR1の中心軸(光軸G)とほぼ平行であり、且つマーカ光Mkの中心軸Mk1と光軸Gとの距離が非常に近い場合(例えば無視できる程度に小さい場合)、マーカ光Mkによる照射領域の中心位置は撮像画像のほぼ中心画素となる。従って、このような場合は、例えば、撮像部23によって生成される撮像画像内での中心画素の座標のデータを中心データとし、マーカ光Mkで予め想定される照射スポットの直径(マーカ光の径)を大きさデータとしてメモリ35に記憶しておけば、このような位置データに基づいて、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)においてマーカ光の照射領域(例えば、照射領域の中心と照射領域の直径)を特定できるようになる。
この場合、検出部に相当する制御回路40は、S4の処理により、メモリ35(位置データ記憶部)に記憶された位置データに基づき、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)でのマーカ光Mkの照射領域の位置を特定するように機能し、S5の処理では、この第1撮像画像内の照射領域ARmから特徴パターンを検出するように機能することになる。
また、S3でエリア特定を行う第3例としては、例えば図9のように、マーカ光照射部50が撮像部23による撮像範囲ARの中心軸Gに沿ってマーカ光Mkを照射する構成であれば、メモリ35に位置データが記憶されていなくてもよい。即ち、このような場合、装置構成により、マーカ光Mkの照射領域が撮像画像の中心部を含んだ所定領域になることが予め特定されるため、検出部に相当する制御回路40は、S4の処理により、S3で得られた撮像画像(第1撮像画像)の中心部を含んだ所定の中央領域(例えば上述の照射領域の中心と照射領域の直径とによって特定される位置)を「特徴検出エリア」として特定し、S5の処理では、このように特定された「特徴検出エリア」から特徴パターンを検出すればよい。
S4の処理として上述したいずれの例の場合でも、S5の処理では、S4で特定された「特徴検出エリア」から特徴パターンを検出することになる。具体的には、例えば、読取対象となる情報コード100が図5のような公知のQRコード(登録商標)である場合、QRコードに含まれる位置検出パターン(切り出しシンボル)FPを、「特徴パターン」として周知の検出方法で検出する。具体的には、例えばS4で特定された「特徴検出エリア」内において複数の位置で所定方向に走査を行い、明色セルと暗色セルが交互に配置される領域において、各領域幅が1:1:3:1:1となる領域を検出する。
なお、S5で検出される特徴パターンは、図5のような特徴パターンに限られない。例えば、S5で検出すべき特徴パターンが複数種類想定されていてもよく、例えば、図6のようなバーコードの明色バーWs(スペース)と暗色バーBs(バー)の配列の一部を「特徴パターン」としてもよい。例えば、図7のように、マーカ光の照射領域ARmに位置するバーコード(情報コード100)の一部に対して公知の方法で解読を試み、当該バーコードの一部が解読できた場合に、S6でYesに進むようにしてもよい。具体的には例えば、少なくとも公知のスタートビット、ストップビットなどが検出された場合に、S6でYesに進むようにしてもよく、或いは少なくとも所定キャラクタ分が解読できた場合に、S6でYesに進むようにしてもよい。
なお、図5では、矩形状のマーカ光照射領域ARmが構成されるようにマーカ光を照射する例を示している。この図5のような矩形状の領域であってもS5にて図6のようなバーコードの一部を読み取ることは可能であるが、図6のようなバーコードを読み取ることを想定した場合、図6のように線状のマーカ光照射領域ARmが構成されるようにマーカ光を照射してもよい。なお、マーカ光照射領域ARmの例はこれらに限られるものではなく、例えば図8のような様々な構成とすることができる。
そして、S6において特徴パターンが検出されたと判断される場合には、S6にてYesに進み、特徴検出回数を1つ加算するようにインクリメントする。なお、S8でカウントアップされる特徴検出回数の値は、例えばS1の処理実行直後に0に設定(初期化)されるようになっており、S8の処理が行われる度にカウントアップするようになっている。そして、S8の後には、特徴検出回数が規定回数(例えば3回)に到達したか否かを判断し(S9)、S8でカウントアップされた特徴検出回数が規定回数に到達している場合にはS9にてYesに進む。一方、S8でカウントアップされた特徴検出回数が規定回数に到達していない場合にはS9にてNoに進み、S3以降の処理を繰り返す。また、S6の判断処理において特徴パターンが検出されていないと判断される場合には、S6にてYesに進み、特徴検出回数を0にクリアする。
そして、S9でYesに進む場合には、S4で算出された「特徴検出エリア」の位置をメモリ35に保存する。そして、照明光源21を動作させて照明光の照射を開始し(S11)、撮像部23でのシャッタ速度を、S2で設定した第1のシャッタ速度よりも相対的に速い(短い)第2のシャッタ速度に設定する(S12)。つまり、S12では、撮像部23で撮像するときの露光時間の設定を、S2で設定される露光時間よりも短く設定する。そして、マーカ光照射部50の動作を停止させてマーカ光を消灯する(S13)。
なお、本構成では、制御回路40が光源制御部の一例に相当し、照明光源21を駆動させずにマーカ光照射部50を駆動させる第1制御(S1〜S10の制御)と、照明光源21を駆動させる第2制御(S11〜S19の制御)とを切り替える制御を行うようになっている。具体的には、検出部に相当する制御回路40がS3で取得した撮像画像(第1撮像画像)から特徴パターンを検出した場合に、マーカ光照射部50及び照明光源21に対する制御を第1制御から第2制御に切り替える構成となっている。より具体的には、撮像部23は、S9でYesに進むまでの間、光源制御部による第1制御に応じてマーカ光が照射された状態でのS3の処理により撮像画像(第1撮像画像)を複数回取得するようになっており、光源制御部に相当する制御回路40は、それら複数回の第1撮像画像において検出部により所定回数連続して特徴パターンが検出された場合(即ち、S9でYesに進む場合)に、第1制御から第2制御に切り替える構成となっている。
S13にてマーカ光照射部50の動作を停止させ、マーカ光を消灯した後には、タイムアウト時間Tを設定し(S14)、この時間Tまでの時間計測を開始する。そして、S14で開始された計測時間がタイムアウト時間Tを経過しているか否かを判断し、S14の処理後の時間がタイムアウト時間Tを経過している場合には、撮像部23によって撮像範囲を撮像する(S16)。これにより、第2のシャッタ速度に設定された状態での撮像部23による撮像画像(第2撮像画像)が生成される。そして、S16で得られた第2撮像画像に含まれる情報コードを公知の方法でデコードする(S17)。このS17の処理では、S10で保存された特徴検出エリア付近(例えば、S16で得られた第2撮像画像においてS10で保存された特徴検出エリアの中心から一定範囲内の領域)に含まれる情報コードを公知の方法でデコードする。そして、S17でデコードが成功した場合には、S18にてYesに進み、S17で解読されたデータ(情報コード100に記録されたデータ)を外部装置(例えば図2のホストコンピュータHSTなど)に送信する(S19)。そして、S19の後には、照明光源21を停止させて照明を消灯し(S20)、再び、S1に戻ることになる。一方、一方、S17でデコードが失敗した場合には、S18にてNoに進む。この処理では、S14からタイムアウト時間Tが経過するまでは、S18でNoに進む毎にS16以降の処理が繰り返されることになる。
本構成では、S2、S12の処理を行う制御回路40は、設定部の一例に相当し、検出部によって特徴パターンが検出された場合(具体的には、S9でYesに進む場合)に、撮像部23でのシャッタ速度を、検出部による特徴パターンの検出前の第1のシャッタ速度よりも速い第2のシャッタ速度に設定変更するように機能する。また、本構成では、S20の処理の後、再びS1に戻ってS2の処理が行われるようになっている。即ち、設定部に相当する制御回路40は、処理部によって第2撮像画像が処理された後、再びS2の処理を行い、撮像部23でのシャッタ速度を、再び、第1のシャッタ速度に戻すようになっている。
本構成では、制御回路40が処理部の一例に相当し、光源制御部による第2制御に応じて照明光が照射された状態で撮像部23によって得られた第2撮像画像を処理するように機能しており、具体的には、検出部により、第1のシャッタ速度のときの第1撮像画像から特徴パターンが検出された後、設定部によって第2のシャッタ速度に設定変更された撮像部で得られた第2撮像画像を処理するように機能する。この処理部では、第2撮像画像の処理として、S16で得られた第2撮像画像に含まれる情報コードを解読する処理や、その解読データを外部装置に送信する処理を行っているが、第2撮像画像に対する処理としては、第2撮像画像に含まれる情報コードの解読データを表示する処理や記憶する処理などであってもよい。或いは、第2撮像画像そのものを記憶する処理であってもよく、第2撮像画像そのものを外部装置に送信する処理であってもよい。
(本構成の効果の一例)
本構成では、光源制御部により、照明光源21を駆動させずにマーカ光照射部50を駆動させる第1制御と、照明光源21を駆動させる第2制御とを切り替える構成となっている。そして、特徴パターンを検出するまでは、マーカ光を照射した状態で得られた第1撮像画像によって特徴パターンの検出を試み、特徴パターンが検出された後は、照明光源21を駆動して得られた第2撮像画像によって情報コードの処理を行っている。
マーカ光を照射した状態で得られた第1撮像画像によって特徴パターンが検出された場合、使用者が意図する方向(読取装置を向けている方向)に情報コードが存在する可能性が高く、このような検出結果が得られた場合に照明光源21を駆動して第2撮像画像を撮像すれば、使用者が意図する情報コードを選択的に解読することができ、照明光源21を常に駆動して情報コードの解読を試みる構成と比べると、意図しない情報コードの解読を防ぎやすくなる。また、読取装置10が向く方向に情報コードが存在する可能性が高い場合に照明光源21が駆動されるため、電力消費を効果的に抑制することができる。
また、検出部は、S3で得られた第1撮像画像においてマーカ光の照射領域を解析し、当該照射領域から特徴パターンを検出している。このようにすれば、マーカ光の照射先に情報コードが存在しているか否かをより確実に検出することができ、マーカ光の照射先に存在する情報コードを狙ってより確実に読み取りを行うことができるようになる。
また、S4の処理で説明した第2の例では、撮像部23で得られる撮像画像でのマーカ光の照射領域の位置を示す位置データが記憶される位置データ記憶部(メモリ35)を備えており、検出部は、位置データ記憶部に記憶された位置データに基づいて第1撮像画像内でのマーカ光の照射領域の位置を特定し、第1撮像画像内のマーカ光照射領域から特徴パターンを検出している。このようにすれば、第1撮像画像内でマーカ光の照射領域を解析する際に、マーカ光の照射領域の位置をより正確に把握して解析を行うことができる。
S4の処理の第2の例では、位置データが、照射領域の中心位置を示す中心データと、中心位置を中心とする大きさを示す大きさデータとを含んでいる。このようにすれば、マーカ光の照射領域の具体的範囲を、より簡易なデータで、より詳細に把握して解析を行うことができる。
また、マーカ光照射部50は、撮像部23による撮像範囲ARの中心軸Gに沿ってマーカ光Mkを照射する構成であり、S4の処理で説明した第3の例では、検出部は、第1撮像画像の中心部を含んだ所定の中央領域から特徴パターンを検出する構成となっている。このようにすれば、第1撮像画像内でマーカ光の照射領域を解析する際に、マーカ光の照射領域の位置をより正確に把握して解析を行うことができる。
また、本構成では、撮像部23は、光源制御部による第1制御に応じてマーカ光が照射された状態で第1撮像画像を複数回取得し、光源制御部は、複数回の第1撮像画像において検出部により所定回数連続して特徴パターンが検出された場合に、第1制御から第2制御に切り替える構成となっている。このように、所定回数連続して特徴パターンが検出された場合に限って照明光源を駆動し、第2撮像画像を処理する構成とすれば、意図しない情報コードが偶然に撮像範囲を一時的に横切るようなケース(例えば、特徴パターンがたまたま1回だけ検出されるようなケース)などにおいて、意図しない情報コードに対する解読処理を排除し易くなる。
また、本構成では、マーカ光照射部50は、図8のように、マーカ光の照射方向と直交する平面での照射形状が所定方向に延びる線状形状を含む形状(図8(D)、(E)参照)、略矩形状(図8(A)参照)、略円形状(図8(B)、(C)参照)となるようにマーカ光を照射する構成となっている。このようにすれば、所定方向の走査で特徴パターンが検出され得る情報コード、又は円形エリアや矩形エリアの解析で特徴パターンが検出され得る情報コードを対象として、特徴パターンをより良好に検出し易くなる。
また、本構成では、特徴パターンを検出するまでの間は撮像部23のシャッタ速度を相対的に遅く(長く)設定し、画像を相対的にぼけやすくすることで、希望しない情報コードが瞬間的に撮像範囲に入り込むような場合に、その情報コードの特徴パターンを検出されにくくすることができ、その情報コードを読み取りにくくすることができる。逆に、画像がぼけやすい状態の第1撮像画像で特徴パターンが検出された場合には、使用者が当該装置を希望する情報コードに向け、ある程度の時間保持された可能性が高い。従って、上記構成によれば、使用者が希望する情報コードを読み取りやすく、使用者が希望しない情報コードをより確実に排除しやすい構成となる。また、第1撮像画像で特徴パターンが検出された場合には、シャッタ速度を速く(短く)設定することで、意図する情報コードが含まれる可能性の高い第2撮像画像をより鮮明に撮像することができ、希望する情報コードがより確実に読み取られ易くなる。
また、本構成では、設定部は、処理部によって第2撮像画像が処理された後、撮像部でのシャッタ速度を、再び、第1のシャッタ速度に戻す構成となっている。この構成によれば、第2撮像画像が処理された後に、再び第1のシャッタ速度に戻すことで、再び、希望しない情報コードを排除しやすい設定にすることができる。つまり、第2撮像画像が処理される毎に、希望する情報コードのみを選択し易い状態に戻すことができ、より効率的に読み取りを行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、図10に示す読取処理のみが第1実施形態の読取処理(図4)と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る読取装置10では、図10のような流れで読取処理が行われる。なお、図10の読取処理は、S201〜S218の処理は、図4のS1〜S18の処理と同一であるため、これらの処理の詳細な説明は省略する。
図10の読取処理では、S215にてYesに進む場合の処理がS15にてYesに進む場合の処理と異なり、S218にてYesに進む場合の処理が、S18にてYesに進む場合の処理と異なっている。それ以外は、第1実施形態で説明した図4の処理と同様である。
この図10の読取処理では、S215にてYesに進む場合、照明光源21の動作を停止させて照明光を消灯するようになっている(S219)。この場合、S219の処理の後には、再びS201以降の処理が行われる。
一方、S218にてYesに進む場合、S220にてキャンセル待ち時間T2を設定し、S220の処理後の経過時間が時間T2に至るまでの時間計測を開始する(S220)。そして、照明光源21の動作を停止させて照明光Lfを消灯する(S221)。そして、S220で開始された計測時間がキャンセル待ち時間T2を経過しているか否かを判断し(S222)、S220の処理後の経過時間がキャンセル待ち時間T2を経過している場合には、S222にてYesに進む。このようにS222にてYesに進む場合には、S217で解読した解読データ(処理データ)を外部装置(例えば図2のホストコンピュータHSTなど)に転送する。なお、このS217の処理は、図4のS19の処理と同様である。
一方、S222の判断処理において、S220の処理後の経過時間がキャンセル待ち時間T2を経過していないと判断される場合には、S222にてNoに進み、「所定のキャンセル操作」があったか否かを判断する(S223)。そして、「所定のキャンセル操作」がなされていないと判断される場合には、S223にてNoに進み、S222以降の処理を繰り返す。つまり、この処理では、S220の処理後、キャンセル時間T2(一定時間)を経過するまでは、「所定のキャンセル操作」がない限りS222とS223の処理が繰り返されることになる。一方、S223の判断処理において、「所定のキャンセル操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、S217で解読された解読データの外部装置(図2のホストコンピュータHSTなど)への送信をキャンセルし、その解読データを消去する。
S223で判断される「所定のキャンセル操作」の第1の例としては、例えば、「携帯型情報コード読取装置20による所定の専用コードの読み取り操作」とすることができる。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「携帯型情報コード読取装置20による所定の専用コードの読み取り操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。なお、このような例では、S221の消灯処理を、S225の後や、S224の後に行うようにしてもよい。なお、この「専用コード」の例は様々であり、例えば固有の識別情報(専用コードであることを示す識別情報)が記録された情報コードであってもよい。或いは、専用コードとして想定された特定の種類の情報コードなどであってもよい。
また、S223で判断される「所定のキャンセル操作」の第2の例としては、「操作スイッチ42に対する所定の押圧操作」とすることができる。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「操作スイッチ42に対する所定の押圧操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。なお、「所定の押圧操作」は、例えば操作スイッチ42を一定時間以上継続して押し続ける長押し操作や、操作スイッチ42を一定回数以上繰り返して押圧する操作などとすることができる。
また、S223で判断される「所定のキャンセル操作」の第3の例としては、「携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードを当該携帯型情報コード読取装置10によって再び読み取る操作」とすることができる。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードを当該携帯型情報コード読取装置10によって再び読み取る操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。「携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コード」の例としては、直近のS217の処理で解読された情報コードが挙げられ、S221の処理後、キャンセル待ち時間T2が経過するまでの間にこのような情報コードが読み取られた場合には、この情報コードの解読データをS225にて消去することになる。
また、このような第3の例で想定される既読コードは、直近のS217で読み取られた情報コードに限られない。例えば、直近のS217よりも前に読取装置10によって読み取られた情報コードが再び読み取られた場合、S225において、その情報コードの解読データを消去する処理を行うようにしてもよい。この場合、その情報コードの解読データが依然としてメモリ35に蓄積されている場合には、その解読データをメモリ35から消去することが望ましい。また、その情報コードの解読データが外部装置に既に送信されている場合には、その情報コードの解読データを消去する旨のコマンドを外部装置に送信するようにしてもよい。
また、S223で判断される、「所定のキャンセル操作」の第4の例としては、「操作スイッチ42に対して所定の外部操作が行われつつ当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードが再び当該携帯型情報コード読取装置10によって読み取られる操作」とすることができる。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「操作スイッチ42に対して所定の外部操作が行われつつ当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードが再び当該携帯型情報コード読取装置10によって読み取られる操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。この場合、例えば、所定の外部操作としては、操作スイッチ42を押圧する操作などが挙げられ、「携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コード」の例としては、直近のS217の処理で解読された情報コードが挙げられる。このようなケースでは、S221の処理後、キャンセル待ち時間T2が経過するまでの間に、操作スイッチ42が押圧された状態でこのような情報コード(直近のS217で読み取られた情報コード)が読み取られた場合に、この情報コードの解読データをS225にて消去することになる。
また、このような第4の例でも、想定される既読コードは、直近のS217で読み取られた情報コードに限られない。例えば、直近のS217よりも前に読取装置10によって読み取られた情報コードが操作スイッチ42の押圧と共に再び読み取られた場合、S225において、その情報コードの解読データを消去する処理を行うようにしてもよい。この場合、その情報コードの解読データが依然としてメモリ35に蓄積されている場合には、その解読データをメモリ35から消去することが望ましい。また、その情報コードの解読データが外部装置(図2のホストコンピュータHSTなど)に既に送信されている場合には、その情報コードの解読データを消去する旨のコマンドを外部装置に送信するようにしてもよい。
また、S223で判断される、「所定のキャンセル操作」の第5の例としては、「撮像部によって情報コードを所定時間以上継続して撮像し続ける操作」とすることができる。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「撮像部23によって情報コードを所定時間以上継続して撮像し続ける操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。この第5の例で想定される情報コードは、第1の例のような専用コードであってもよく、第3の例や第4の例のような既読コードであってもよい。また、既読コードの場合、「撮像部23によって既読コードを所定時間以上継続して撮像し続ける操作」があったと判断される場合に、S223にてYesに進み、その既読コードの解読データを消去する処理を行えばよい。例えば、既読コードが直近のS217の処理で解読された情報コードである場合、S221の処理後、キャンセル待ち時間T2が経過するまでの間にこのような情報コードが所定時間継続して撮像し続けられた場合には、この情報コードの解読データをS225にて消去すればよい。また、既読コードが、直近のS217よりも前に読取装置10によって読み取られた情報コードであり、このような既読コードがS220の処理後に再び読み取られた場合、S225において、その情報コードの解読データを消去する処理を行うようにしてもよい。この場合も、その情報コードの解読データが依然としてメモリ35に蓄積されている場合には、その解読データをメモリ35から消去することが望ましい。また、その情報コードの解読データが外部装置に既に送信されている場合には、その情報コードの解読データを消去する旨のコマンドを外部装置に送信するようにしてもよい。
以上のように、本構成では、携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行う対応部を備えている。この構成によれば、希望しない情報コードの撮像画像が処理された場合、或いは処理された可能性が高い場合などにおいて、その撮像画像を処理した処理データをキャンセルすることができるため、希望する情報コードの処理データのみを残存させやすい構成となる。
また、本構成では、処理部に相当する制御回路40は、撮像部23によって得られた撮像画像を解読する解読部として機能し、更に、撮像画像の解読後、一定時間が経過するまでは解読部によって得られた解読データの送信を停止し、一定時間の経過後に解読データを当該携帯型情報コード読取装置の外部に設けられた外部装置に送信する送信部としても機能している。そして、対応部に相当する制御回路40は、撮像画像の解読後、一定時間が経過する前に携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、解読データを消去する処理を行い、送信部は、対応部によって解読データが消去される場合、当該解読データを外部装置に送信する処理を行わない構成となっている。
この構成によれば、情報コードを解読したデータを外部装置に送信し得る構成を実現しつつ、希望しない情報コードの解読がなされた場合に、その情報コードの解読データの送信を中止しやすくなる。従って、外部装置では、使用者が希望する情報コードの解読データのみが得られやすくなる。
また、本構成では、上記「一定時間」(S220でのキャンセル待ち時間T2)の値を記憶するメモリ35(設定データ記憶部)を備え、送信部に相当する制御回路40は、メモリ35(設定データ記憶部)に記憶されたデータに基づき、S222、S223にて解読データ(S217で解読したデータ)の送信を一定時間(キャンセル待ち時間T2)だけ停止する構成となっている。そして、メモリ35(設定データ記憶部)に記憶された一定時間(キャンセル待ち時間T2)の値は、設定変更可能となっている。例えば、操作スイッチ42に対する操作や外部からのデータ入力により、一定時間(キャンセル待ち時間T2)の値を更新できるようになっている。この構成によれば、装置内でキャンセル可能となるキャンセル待ち時間T2(一定時間)をユーザが任意に設定変更することができ、より利便性が高まる。
また、「キャンセル操作」に関する第1の例では、当該携帯型情報コード読取装置10によって所定の専用コードが読み取られた場合に、対応部に相当する制御回路40がキャンセル制御を行う構成となっている。この構成によれば、ユーザは、当該携帯型情報コード読取装置10によって専用コードを読み取るという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。
また、「キャンセル操作」に関する第2の例では、操作スイッチ42に対して所定の外部操作が行われた場合に、対応部に相当する制御回路40がキャンセル制御を行う構成となっている。この構成によれば、ユーザは、操作スイッチ42を操作するという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができる。
また、「キャンセル操作」に関する第3の例では、当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードが再び当該携帯型情報コード読取装置10によって読み取られた場合に、処理部によって処理された既読コードの処理データを消去する消去処理を行う構成となっている。この構成によれば、ユーザは、当該携帯型情報コード読取装置10によって既読コードを読み取るという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。また、キャンセルしたい処理データを具体的に指定した上でキャンセルが可能となるため、複数の処理データが存在する場合に、不要なデータを確実に選択してキャンセルすることができる。
また、「キャンセル操作」に関する第4の例では、操作スイッチ42に対して所定の外部操作が行われつつ当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られている既読コードが再び当該携帯型情報コード読取装置10によって読み取られた場合に、処理された既読コードの処理データを消去する消去処理を行う構成となっている。この構成によれば、複数の処理データが存在する場合に、不要なデータを確実に選択してキャンセルすることができる。また、操作スイッチの操作をキャンセルの条件としているため、キャンセルしたくない処理データが誤ってキャンセルされてしまうことを防ぎ易くなる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。また、図10の読取処理以外は、第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
第3実施形態では、S223で判断対象となる「所定のキャンセル操作」を、「S217で解読された情報コードの撮像画像(S216で撮像された撮像画像(第2撮像画像))における情報コードの向きから、所定角度以上(例えば、90°以上)回転した向きで当該情報コードが撮像部23によって撮像される操作」としている。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「S217で解読された情報コードの撮像画像(S216で撮像された撮像画像(第2撮像画像))における情報コードの向きから、所定角度以上(例えば、90°以上)回転した向きで当該情報コードが撮像部23によって撮像される操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。なお、QRコード(登録商標)では、S217で解読された情報コードの撮像画像(第2撮像画像)における3つの位置検出パターンFP(図5)の位置によってその撮像画像(第2撮像画像)での情報コードの姿勢(第1撮像姿勢)を特定することができ、その後に、当該情報コードが撮像部23によって撮像される操作があった場合にはその撮像画像(第3撮像画像)での3つの位置検出パターンFPの位置によってその撮像画像(第3撮像画像)での情報コードの姿勢(第2撮像姿勢)を特定できる。そして、これらの画像を比較することにより、「所定角度以上(例えば、90°以上)回転した向きで当該情報コードが撮像部23によって撮像される操作」がなされたか否かを判断することができる。
この構成では、図10の処理を行う制御回路40が対応部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像(S216で得られた第2撮像画像)に含まれる情報コードが所定の第1撮像姿勢であるときに処理部によって処理データ(S217で解読された解読データ)が生成された場合において、その後、撮像部23によって第1撮像姿勢とは向きが所定角度以上異なる第2撮像姿勢で当該情報コードが読み取られた場合に処理データに対するキャンセル制御(例えば、当該情報コードを解読した解読データのメモリ35からの削除、或いは、当該情報コードを解読した解読データを削除するコマンドを外部装置へ送信する処理など)を行う構成となっている。
この構成によれば、ユーザは、当該携帯型情報コード読取装置10によって情報コードを読み取るという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。また、処理部による処理対象の姿勢(第1撮像姿勢)とは異なる第2撮像姿勢で読み取られた場合にキャンセル制御が行われるため、ユーザは、「読み取り姿勢を変える」という簡易な変更でキャンセルが可能となる。
また、第3実施形態の思想は、図10のような読取処理に限定されるものではなく、図10の、S201〜S218のような流れで情報コードが解読される場合に限定されるものではない。例えば、図11のような順序で情報コードが読み取られる場合も同様に適用できる。
図11の順序説明図の例では、S301のように読取装置10によって情報コードを読み取らせる操作を行う(S301)。その後、その情報コードの解読データをキャンセルする必要がなければ、作業者は、特別な操作を行う必要はない。一方、S301の動作の後、その情報コードの解読データをキャンセルしたければ、作業者は、S301での読取時からその情報コードを撮像部23の撮像範囲内に維持したまま、S301での読取時の情報コードの撮像姿勢(第1撮像姿勢)から当該情報コードを90°以上回転させる(S302)。そして、このように回転させた情報コードを読取装置10に読み取らせる(S303)。その後、S304では読取装置10にてキャンセルコマンドが実行される(S304)。
図11のようなキャンセルの流れを想定した読取装置10では、制御回路40は、情報コードの読み取りが行われた後、その読取時から当該情報コードが撮像部23の撮像範囲内に維持されたまま、その読取時の情報コードの撮像姿勢(第1撮像姿勢)から90°以上回転した撮像姿勢(第2撮像姿勢)の画像が得られたか否かを判断する。そして、読取時の情報コードの撮像姿勢(第1撮像姿勢)から90°以上回転した撮像姿勢(第2撮像姿勢)の画像が得られた場合には、その情報コードの解読データを読取装置10から消去する。また、その情報コードの解読データが既に外部装置に送信されている場合には、外部装置に対してその情報コードの解読データの消去を指示するコマンドを送信するようにしてもよい。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。また、図10の読取処理以外は、第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
第4実施形態では、S223で判断対象となる「所定のキャンセル操作」を、「処理部によって処理された情報コードを撮像部23の撮像範囲AR(図9)から外し、外してから一定時間内(例えば、上述のキャンセル待ち時間T2よりも短い所定時間内)に当該情報コードを撮像範囲AR(図9)に入り込ませる操作」としている。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「処理部によって処理された情報コード(S217で解読された情報コード)を撮像部23の撮像範囲AR(図9)から外し、外してから一定時間内に当該情報コードを撮像範囲に入り込ませる操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。
この構成では、制御回路40が対応部の一例に相当し、処理部によって処理された情報コード(S217で解読された情報コード)が撮像部23の撮像範囲AR(図9)に存在しなくなり、存在しなくなってから一定時間内に当該情報コードが撮像範囲AR(図9)に入り込んだ場合に、処理データ(S217で解読された情報コード)に対するキャンセル制御(例えば、当該情報コードを解読した解読データのメモリ35からの削除、或いは、当該情報コードを解読した解読データを削除するコマンドを外部装置へ送信する処理など)を行う構成となっている。この構成によれば、ユーザは、処理された情報コードを撮像範囲から一旦外し、一定時間内に再び撮像範囲内に入り込ませるという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。
また、第4実施形態の思想は、図10のような読取処理に限定されるものではなく、図10の、S201〜S218のような流れで情報コードが解読される場合に限定されるものではない。例えば、図12のような順序で情報コードが読み取られる場合も同様に適用できる。
図12の順序説明図の例では、まず作業者がS401のように読取装置10によって情報コードを読み取らせる操作を行う(S301)。その後、その情報コードの解読データをキャンセルする必要がなければ、作業者は、特別な操作を行う必要はない。一方、S401の動作の後、その情報コードの解読データをキャンセルしたければ、作業者は、情報コードを読取装置の読取視野(撮像部23による撮像範囲)から外した後、再び読取視野(撮像部23による撮像範囲)内に戻す操作を行い(S402)、その情報コードを読取装置10に読み取らせればよい。このように、撮像範囲から情報コードが外され、その後に情報コードが撮像範囲内に入り込む場合、読取装置10では、撮像範囲から外れた時間が一定時間内であればS401で読み取られた情報コードの解読データのキャンセルを実行する。一方、撮像範囲から外れた時間が一定時間を超えていれば、S403で読み取られた情報コードの解読データを新規データとしてメモリ35に記憶する。
図12のようなキャンセルの流れを想定した読取装置10では、制御回路40は、情報コードの読み取りが行われた後、その情報コードが撮像部23の撮像範囲から外され、外されてから一定時間内に当該情報コードを再び撮像部23の撮像範囲に入り込んだか否かを判断する。そして、読み取られた情報コードが撮像部23の撮像範囲から外され、外されてから一定時間内に当該情報コードを再び撮像部23の撮像範囲に入り込んだ場合には、その情報コードの解読データを読取装置10から消去する。また、その情報コードの解読データが既に外部装置に送信されている場合には、外部装置に対してその情報コードの解読データの消去を指示するコマンドを送信するようにしてもよい。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。また、図10の読取処理以外は、第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
第5実施形態では、S223で判断対象となる「所定のキャンセル操作」を、「撮像部によって複数の情報コードが同時に撮像される操作」としている。このような構成では、S222にてNoに進む場合、「撮像部によって複数の情報コードが同時に撮像される操作」があったと判断される場合には、S223にてYesに進み、そうでない場合には、S223にてNoに進むことになる。
この構成では、図10の処理を行う制御回路40が対応部の一例に相当し、処理部によって処理データ(S217で得られる解読データ)が生成された後、撮像部23によって複数の情報コードが同時に撮像された場合に、処理データ(S217で得られる解読データ)に対するキャンセル制御を行う構成となっている。この構成によれば、ユーザは、当該携帯型情報コード読取装置10によって複数の情報コードを読み取るという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。更に、複数の情報コードを同時に撮像するという簡易な対応によって、キャンセル時の読み取りを通常の読み取りと区別することができる。
また、上述の例では、複数の情報コードが同時に撮像された場合に、直近の解読データをキャンセルする例を示したが、複数の情報コードが予め定められた所定の配列で撮像されたことを条件として、処理データ(S217で解読された解読データ)に対するキャンセル制御を行う構成であってもよい。この構成では、複数の情報コードが予め定められた所定の配列で撮像されたことをキャンセルの条件としているため、複数の情報コードが所定の配列以外で撮像されてもキャンセルされないことになる。従って、通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によって容易にキャンセルすることを可能としつつ、キャンセルしたくない処理データが誤ってキャンセルされてしまうことをより確実に防ぎ易くなる。
また、上述のいずれの例でも、複数の情報コードが同時に撮像された場合に、直近の解読データをキャンセルする例を示したが、処理部によって処理データが生成された後、当該携帯型情報コード読取装置によって複数の情報コードが同時に撮像され且つそれら複数の情報コードが読み取られた場合に、それら複数の情報コードに対応する処理データに対するキャンセル制御を行う構成であってもよい。この構成によれば、更に、キャンセルを希望する複数の処理データを確実に指定して一括してキャンセルすることができるため、利便性が非常に高くなる。
また、第5実施形態のいずれの思想も、図10のような読取処理に限定されるものではなく、図10の、S201〜S218のような流れで情報コードが解読される場合に限定されるものではない。例えば、図13のような順序で情報コードが読み取られる場合も同様に適用できる。
図13では、既に解読されたデータが読取装置10に蓄積されている場合のキャンセル動作の順序を概略的に説明しており、この例では、蓄積された解読データをキャンセルする場合に、作業者は、複数の情報コードを撮像部23の撮像範囲内に配置し(S501)、それら複数の情報コードを読取装置10に読み取らせる(S502)。その後、読取装置10にてキャンセルコマンドが実行される(S503)。
図13のようなキャンセルの流れを想定した読取装置10では、制御回路40は、情報コードの読み取りが行われた後、複数の情報コードの画像が得られたか否かを判断する。そして、複数の情報コードの画像が得られた場合には、直近の情報コードの解読データ又はそれら複数の情報コードの解読データを読取装置10から消去する。また、更に条件を付加し、制御回路40は、情報コードの読み取りが行われた後、複数の情報コードの画像が所定の配列で得られたか否かを判断し、複数の情報コードの画像が所定の配列で得られた場合に、直近の情報コードの解読データ又はそれら複数の情報コードの解読データを読取装置10から消去するようにしてもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。
第6実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。例えば、図10のS201〜S218までは、第2実施形態と同一であり、S220〜S225の処理に代えて図14の処理を行うようになっている。また、読取処理のみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
なお、本構成でも、光を照射する光源として第1実施形態と同様の照明光源21と、マーカ光照射部50とが設けられている。そして、所定の撮像範囲の画像を撮像する撮像部23が設けられ、これら光源(照明光源21、マーカ光照射部50等)と撮像部23とを保持するようにケース12が設けられている。そして、ケース12と一体的に、又はケースとは別体として、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60が設けられている。そして、制御回路40が処理部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像を処理するように機能する。
更に、図14の処理を実行する制御回路40が対応部の一例に相当し、当該携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行うようになっている。
図14の処理では、キャンセル対象の情報コードが撮像部23の撮像範囲に入って撮像された場合、この情報コードを公知のデコード方法で読み取る(S601)。そして、このように読み取られた情報コードが既読コードに相当する。
そして、S601で情報コードを読み取った後には、撮像部23の撮像範囲内でのその情報コードの移動を監視する。具体的には、S601で読み取りが成功した時点から、一定時間(例えば数秒、或いは十数秒等)の間、所定の短時間毎(例えば、数ミリ秒毎、或いは数十ミリ秒毎等)に撮像部23で得られる撮像画像を解析し、S601で読み取られた情報コードが撮像画像内に収まっているか否かを確認する。なお、S602での情報コードの監視は、所定の短時間毎に得られる撮像画像から情報コードを読み取って情報コードの存在を確認してもよく、所定の短時間毎に得られる撮像画像において、情報コードの所定部分(例えば、位置検出パターンなどの特徴パターンや、情報コードの外形)を検出し、情報コードの存在を確認してもよい。
そして、S601で情報コードの読み取りが成功した後、情報コードが撮像範囲内に収まった状態で一定時間以内に撮像範囲内の所定位置に移動したか否かを判断する(S603)。S601で情報コードを読み取った後、撮像範囲内の所定位置に移動する前に情報コードが撮像範囲から外れた場合、又は、S601で情報コードを読み取った後、一定時間経過しても情報コードが撮像範囲内の所定位置に移動しない場合は、S603にてNoに進み、図14の処理を終了する。一方、S601で情報コードを読み取った後、その読取時点からその情報コードが撮像範囲に収まり続け、且つ一定時間以内に撮像範囲内の所定位置に移動した場合には、S603にてYesに進み、S604にてキャンセルコマンドを実行する。S604でキャンセルコマンドが実行された場合、S601で読み取られた情報コードの解読データをメモリ35から消去する。例えば、図15のような撮像範囲ARにおいて、領域B2の位置が所定位置として定められている場合、S601の処理で図15(A)のように読み取られた情報コード100が、その読取時点から撮像範囲ARに収まり続け、且つ一定時間以内に図15(B)のように撮像範囲AR内の所定位置(領域B2)に移動した場合、S603にてYesに進み、その情報コード100の解読データをメモリ35から消去することになる。
なお、S601での情報コードの読み取り処理は、S217の読取処理であってもよく、この場合、S601(S217)での読み取りが成功した場合、S218でYesに進み、S218でYesに進んだ場合にS602以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S603でYesに進む場合には、S217(S601)で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されることになる。
また、S601での情報コードの読み取りは、S217とは別処理として行うようにしてもよく、この場合、S217で読み取りが成功し、S218でYesに進んだ後に、S601以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S601で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと同一のものである場合、S603でYesに進む場合には、S217、S601で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されるようにすればよい。また、S601で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと異なるものである場合、S603でYesに進む場合には、S601で読み取られた情報コードのデータのみがメモリ35から削除されるようにしてもよく、S601で読み取られた情報コードのデータと同一の情報コードのデータがメモリ35に蓄積されている場合には、このように蓄積された同一データをも削除するようにしてもよい。
なお、上述した例では、キャンセルコマンドが実行された場合に、S601で読み取られた情報コードのデータを削除(消去)する例を示したが、S601で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを無効化するようにしてもよい。データの無効化は、例えば、S601で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを特定の格納場所(無効化フォルダ等)に格納するようにしてもよく、S601で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータに対して、特定のフラグ(無効化フラグ)を対応付けて記憶し、そのデータが無効なものであることを示すようにしてもよい。
このように、本構成では、対応部に相当する制御回路40は、当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られた既読コードが、少なくとも当該既読コードの読取時点から撮像部23の撮像範囲を外れない状態で当該撮像範囲内において所定の相対移動状態となった場合に処理部によって処理された既読コードの処理データを削除又は無効化する処理を行う構成となっている。
この構成では、いずれかの情報コードの処理データを削除又は無効化したい場合、その情報コードの読み取り後、撮像部23の撮像範囲から外さない状態で当該撮像範囲内において所定の相対移動状態とすればよい。このように、キャンセルを希望する情報コードを所定の相対移動状態とするという簡単な対応により、当該情報コードの処理データを容易に削除又は無効化することができる。
具体的には、対応部に相当する制御回路40は、既読コードが、少なくとも当該既読コードの読取時点から撮像部23の撮像範囲を外れない状態で当該撮像範囲内において所定位置に移動した場合に既読コードの処理データを削除又は無効化する処理を行う構成となっている。
この構成では、いずれかの情報コードの処理データを削除又は無効化したい場合、その情報コードの読み取り後、撮像部23の撮像範囲から外さない状態で当該撮像範囲内において所定位置に移動させればよい。このように、キャンセルを希望する情報コードを所定位置に移動させるという極めて簡単な対応により、当該情報コードの処理データを容易に削除又は無効化することができる。
[第6実施形態の変更例]
次に、第6実施形態の変更例について説明する。
この第6実施形態の変更例に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。例えば、図10のS201〜S218までは、第2実施形態と同一であり、S220〜S225の処理に代えて図16の処理を行うようになっている。また、読取処理のみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
なお、本構成でも、光を照射する光源として第1実施形態と同様の照明光源21と、マーカ光照射部50とが設けられている。そして、所定の撮像範囲の画像を撮像する撮像部23が設けられ、これら光源(照明光源21、マーカ光照射部50等)と撮像部23とを保持するようにケース12が設けられている。そして、ケース12と一体的に、又はケースとは別体として、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60が設けられている。そして、制御回路40が処理部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像を処理するように機能する。
更に、図16の処理を実行する制御回路40が対応部の一例に相当し、当該携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行うようになっている。
図16の処理では、キャンセル対象の情報コードが撮像部23の撮像範囲に入って撮像された場合、この情報コードを公知のデコード方法で読み取る(S611)。そして、このように読み取られた情報コードが既読コードに相当する。
そして、S611で情報コードを読み取った後には、撮像部23の撮像範囲内でのその情報コードの移動を監視する。具体的には、S611で読み取りが成功した時点から、一定時間(例えば数秒、或いは十数秒等)の間、所定の短時間毎(例えば、数ミリ秒毎、或いは数十ミリ秒毎等)に撮像部23で得られる撮像画像を解析し、S611で読み取られた情報コードを確認する。なお、S612での情報コードの監視は、所定の短時間毎に得られる撮像画像から情報コードを読み取って情報コードの存在を確認すればよい。
そして、S613では、前回の読み取り成功時とは別位置で情報コードの読み取りが成功したか否かを判断する。例えば、S611で読み取りが成功した後、S611とは別位置で当該情報コードの読み取りが成功した場合、S613ではYesに進む。具体例を挙げると、S611では、図18(A)のように位置合わせがなされて、図17(A)のように領域B0で情報コード100の読み取りが成功し、その後、S612での監視中に、図18(B)のように位置合わせがなされて、図17(B)のように、前回の読取成功時の領域B0とは別位置の領域B2で情報コード100の読み取りが成功した場合、S613でYesに進み、領域B0の後の位置変化履歴として領域B2を追加する(S614)。一方、S611の処理では、領域B0で情報コード100の読み取りが成功し、その後、情報コード100の読み取りが成功しない場合、又は領域B0での読み取りしか成功しない場合には、S613にてNoに進み、前回の領域B0以外の領域で読み取りが成功するまで情報コードを監視し続ける。なお、S611の処理の後、又はS615でNoに進んだ後、所定時間経過しても前回と別位置で情報コードが読み取られない場合、図16の処理自体を終了すればよい。
S614の処理の後には、それまでの位置変化履歴が予め定められた所定パターンと一致しているか否かを判断する。例えば、所定パターンとして、「B2、B1」のように順番が定められている場合、S611において領域B0で情報コードが読み取られ、その後、領域B2で情報コードが読み取られてS613にてYesに進んだ場合、それまでにS614で記録された位置変化履歴は、「B2」のみであるため、上述の所定パターン「B2、B1」とは一致しないことになる。この場合、S615にてNoに進むことになる。一方、S611において領域B0で情報コードが読み取られた後、領域B2で情報コードが読み取られてS613にてYesに進み、位置変化履歴として「B2」が記録された状態でS615にてNoに進んだ場合、その後、図17(C)のように領域B1で情報コードが読み取られてS613にてYesに進んだ場合には、位置変化履歴に「B1」が追加される。この場合、位置変化履歴が「B2、B1」となるため、上述の所定パターンと一致することになり、S615にてYesに進むことになる。なお、予めS611からの時間経過が許容される規定時間を定めておき、S615の時点で、S611の処理終了後からの経過時間が規定時間を超えていた場合、図16の処理自体を終了すればよい。
S615でYesに進む場合、S616にてキャンセルコマンドを実行する。S616でキャンセルコマンドが実行された場合、S611で読み取られた情報コードの解読データをメモリ35から消去する。例えば、S611の処理で図17のような情報コード100が読み取られ、その後、S615でYesに進んでキャンセルコマンドを実行する場合、その情報コード100の解読データをメモリ35から消去することになる。
なお、S611での情報コードの読み取り処理は、S217の読取処理であってもよく、この場合、S611(S217)での読み取りが成功した場合、S218でYesに進み、S218でYesに進んだ場合にS612以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S615でYesに進む場合には、S217(S611)で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されることになる。
また、S611での情報コードの読み取りは、S217とは別処理として行うようにしてもよく、この場合、S217で読み取りが成功し、S218でYesに進んだ後に、S611以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S611で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと同一のものである場合、S615でYesに進む場合には、S217、S611で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されるようにすればよい。また、S611で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと異なるものである場合、S615でYesに進む場合には、S611で読み取られた情報コードのデータのみがメモリ35から削除されるようにしてもよく、S611で読み取られた情報コードのデータと同一の情報コードのデータがメモリ35に蓄積されている場合には、このように蓄積された同一データをも削除するようにしてもよい。
なお、上述した例では、キャンセルコマンドが実行された場合に、S611で読み取られた情報コードのデータを削除(消去)する例を示したが、S611で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを無効化するようにしてもよい。データの無効化は、例えば、S611で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを特定の格納場所(無効化フォルダ等)に格納するようにしてもよく、S611で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータに対して、特定のフラグ(無効化フラグ)を対応付けて記憶し、そのデータが無効なものであることを示すようにしてもよい。
以上のように、本構成では、対応部に相当する制御回路40は、当該携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られた既読コードが、少なくとも当該既読コードの読取時点から所定の位置変化履歴となった場合に当該既読コードの処理データを削除又は無効化する処理を行う構成となっている。
この構成では、いずれかの情報コードの処理データを削除又は無効化したい場合、その情報コードの読み取り後、撮像部23の撮像範囲から外さない状態で当該撮像範囲内において所定の位置変化をさせればよい。このように、キャンセルを希望する情報コードに対して所定の位置変化をさせるという簡単な対応により、当該情報コードの処理データを容易に削除又は無効化することができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。
第7実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。例えば、図10のS201〜S218までは、第2実施形態と同一であり、S220〜S225の処理に代えて図19の処理を行うようになっている。また、読取処理のみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
なお、本構成でも、光を照射する光源として第1実施形態と同様の照明光源21と、マーカ光照射部50とが設けられている。そして、所定の撮像範囲の画像を撮像する撮像部23が設けられ、これら光源(照明光源21、マーカ光照射部50等)と撮像部23とを保持するようにケース12が設けられている。そして、ケース12と一体的に、又はケースとは別体として、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60が設けられている。そして、制御回路40が処理部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像を処理するように機能する。
更に、図19の処理を実行する制御回路40が対応部の一例に相当し、当該携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行うようになっている。
図19の処理では、キャンセル対象の情報コードが撮像部23の撮像範囲に入って撮像された場合、この情報コードを公知のデコード方法で読み取る(S701)。そして、このように読み取られた情報コードが既読コードに相当する。
そして、S701で情報コードを読み取った後には、撮像部23の撮像範囲内でのその情報コードの移動を監視する。具体的には、S701で読み取りが成功した時点から、一定時間(例えば数秒、或いは十数秒等)の間、所定の短時間毎(例えば、数ミリ秒毎、或いは数十ミリ秒毎等)に撮像部23で得られる撮像画像を解析し、S701で読み取られた情報コードが撮像画像内に収まっているか否かを確認する。なお、S702での情報コードの監視は、所定の短時間毎に得られる撮像画像から情報コードを読み取って情報コードの存在を確認してもよく、所定の短時間毎に得られる撮像画像において、情報コードの所定部分(例えば、位置検出パターンなどの特徴パターンや、情報コードの外形)を検出し、情報コードの存在を確認してもよい。
そして、S701で情報コードの読み取りが成功した後、所定時間が経過するまでの間に、情報コードが撮像範囲から一旦外れ、その後、所定位置で読み取られたか否か判断する(S703)。S701で情報コードを読み取った後、所定時間を経過してもその情報コードが撮像範囲から外れない場合、又は、S701で情報コードを読み取った後、所定時間が経過するまでの間にその情報コードが撮像範囲から外れても、所定時間が経過するまでの間にその情報コードが撮像範囲内の所定位置で読み取られない場合は、S703にてNoに進み、図19の処理を終了する。
一方、S701で情報コードを読み取った後、所定時間が経過するまでの間に、その情報コードが撮像範囲から一旦外れ且つその後に撮像範囲内の所定位置で読み取られた場合、S703にてYesに進み、S704にてキャンセルコマンドを実行する。S704でキャンセルコマンドが実行された場合、S701で読み取られた情報コードの解読データをメモリ35から消去する。例えば、図20のような撮像範囲ARにおいて、領域B2の位置が所定位置として定められている場合、S701の処理で図20(A)のように読み取られた情報コード100が、S701での読み取りから所定時間が経過するまでの間に図20(B)のように一旦撮像範囲ARから外れ、その後、S701での読み取りから所定時間が経過するまでの間に図20(C)のように撮像範囲AR内の所定位置(領域B2)に移動して読み取られた場合、S703にてYesに進み、その情報コード100の解読データをメモリ35から消去することになる。
なお、S701での情報コードの読み取り処理は、S217の読取処理であってもよく、この場合、S701(S217)での読み取りが成功した場合、S218でYesに進み、S218でYesに進んだ場合にS702以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S703でYesに進む場合には、S217(S701)で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されることになる。
また、S701での情報コードの読み取りは、S217とは別処理として行うようにしてもよく、この場合、S217で読み取りが成功し、S218でYesに進んだ後に、S701以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S701で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと同一のものである場合、S703でYesに進む場合には、S217、S701で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されるようにすればよい。また、S701で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと異なるものである場合、S703でYesに進む場合には、S701で読み取られた情報コードのデータのみがメモリ35から削除されるようにしてもよく、S701で読み取られた情報コードのデータと同一の情報コードのデータがメモリ35に蓄積されている場合には、このように蓄積された同一データをも削除するようにしてもよい。
なお、上述した例では、キャンセルコマンドが実行された場合に、S701で読み取られた情報コードのデータを削除(消去)する例を示したが、S701で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを無効化するようにしてもよい。データの無効化は、例えば、S701で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを特定の格納場所(無効化フォルダ等)に格納するようにしてもよく、S701で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータに対して、特定のフラグ(無効化フラグ)を対応付けて記憶し、そのデータが無効なものであることを示すようにしてもよい。
以上のように、本構成では、対応部に相当する制御回路40は、前記処理部によって処理された前記情報コードが前記撮像部の前記撮像範囲に存在しなくなり、存在しなくなってから当該情報コードが前記撮像範囲に入り込んだ場合に、前記処理データに対する前記キャンセル制御を行う構成となっている。
この構成では、ユーザがいずれかの情報コードに関してキャンセル制御を行いたい場合、当該情報コードを撮像範囲から一旦外し、再び撮像範囲内に入り込ませるという簡易な操作を行えばよく、これにより、既存の処理データを容易にキャンセルすることができる。特に、キャンセル時にも通常の読み取りと同様の対応(コードの読み取り操作)によってキャンセルが可能となるため、特徴的なハンズフリー構成を生かしたキャンセルが可能となる。
また、本構成では、情報コード100が撮像部23の撮像範囲に存在しなくなり、且つ存在しなくなった後に当該情報コード100が撮像範囲内の所定位置で読み取られた場合に、処理データに対するキャンセル制御を行う構成となっている。
この構成では、ユーザは、処理された情報コード100を撮像範囲から一旦外し、所定位置に配置するという簡易な操作を行えば、既存の処理データをキャンセルすることができるようになる。また、撮像範囲から外れた後に所定位置で読み取られることをキャンセルの条件としているため、このような操作を行わない限りキャンセルがなされないことになる。つまり、無意識の動作に起因する偶発的なキャンセルを効果的に抑えることができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について説明する。
第8実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。例えば、図10のS201〜S218までは、第2実施形態と同一であり、S220〜S225の処理に代えて図21の処理を行うようになっている。また、読取処理のみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
なお、本構成でも、光を照射する光源として第1実施形態と同様の照明光源21と、マーカ光照射部50とが設けられている。そして、所定の撮像範囲の画像を撮像する撮像部23が設けられ、これら光源(照明光源21、マーカ光照射部50等)と撮像部23とを保持するようにケース12が設けられている。そして、ケース12と一体的に、又はケースとは別体として、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60が設けられている。そして、制御回路40が処理部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像を処理するように機能する。
更に、図21の処理を実行する制御回路40が対応部の一例に相当し、当該携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行うようになっている。
図21の処理では、キャンセル対象の情報コードが撮像部23の撮像範囲に入って撮像された場合、この情報コードを公知のデコード方法で読み取る(S801)。そして、このように読み取られた情報コードが既読コードに相当する。
そして、S801で情報コードを読み取った後には、撮像部23の撮像範囲内でのその情報コードの移動を監視する。具体的には、S801で読み取りが成功した時点から、一定時間(例えば数秒、或いは十数秒等)の間、所定の短時間毎(例えば、数ミリ秒毎、或いは数十ミリ秒毎等)に撮像部23で得られる撮像画像を解析し、S801で読み取られた情報コードが撮像画像内に収まっているか否かを確認する。なお、S802での情報コードの監視は、所定の短時間毎に得られる撮像画像から情報コードを読み取って情報コードの存在を確認してもよく、所定の短時間毎に得られる撮像画像において、情報コードの所定部分(例えば、位置検出パターンなどの特徴パターンや、情報コードの外形)を検出し、情報コードの存在を確認してもよい。
そして、S801で情報コードの読み取りが成功した後、情報コードが撮像範囲内に収まった状態で一定時間以内に所定のサイズ変化があったか否かを判断する(S803)。S801で情報コードを読み取った後、所定のサイズ変化がある前に情報コードが撮像範囲から外れた場合、又は、S801で情報コードを読み取った後、一定時間経過しても情報コードに所定のサイズ変化がない場合は、S803にてNoに進み、図21の処理を終了する。一方、S801で情報コードを読み取った後、その読取時点からその情報コードが撮像範囲に収まり続け、且つ一定時間以内に所定のサイズ変化があった場合には、S803にてYesに進み、S804にてキャンセルコマンドを実行する。S804でキャンセルコマンドが実行された場合、S801で読み取られた情報コードの解読データをメモリ35から消去する。例えば、S801の処理で図22(A)のように読み取られた情報コード100が、その読取時点から撮像範囲ARに収まり続け、且つ一定時間以内に図22(B)のようにサイズが一定値以上変化した場合に、S803にてYesに進み、その情報コード100の解読データをメモリ35から消去することになる。なお、「所定のサイズ変化」は、例えば、一片の長さが、S801で読み取られた情報コードの一片の長さの所定割合以下(例えば、1/2以下)となるような縮小変化であってもよく、一片の長さが、S801で読み取られた情報コードの一片の長さの所定倍以上(例えば、2倍以上)となるような拡大変化であってもよい。
なお、S801での情報コードの読み取り処理は、S217の読取処理であってもよく、この場合、S801(S217)での読み取りが成功した場合、S218でYesに進み、S218でYesに進んだ場合にS802以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S803でYesに進む場合には、S217(S801)で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されることになる。
また、S801での情報コードの読み取りは、S217とは別処理として行うようにしてもよく、この場合、S217で読み取りが成功し、S218でYesに進んだ後に、S801以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S801で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと同一のものである場合、S803でYesに進む場合には、S217、S801で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されるようにすればよい。また、S801で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと異なるものである場合、S803でYesに進む場合には、S801で読み取られた情報コードのデータのみがメモリ35から削除されるようにしてもよく、S801で読み取られた情報コードのデータと同一の情報コードのデータがメモリ35に蓄積されている場合には、このように蓄積された同一データをも削除するようにしてもよい。
なお、上述した例では、キャンセルコマンドが実行された場合に、S801で読み取られた情報コードのデータを削除(消去)する例を示したが、S801で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを無効化するようにしてもよい。データの無効化は、例えば、S801で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを特定の格納場所(無効化フォルダ等)に格納するようにしてもよく、S801で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータに対して、特定のフラグ(無効化フラグ)を対応付けて記憶し、そのデータが無効なものであることを示すようにしてもよい。
本構成では、対応部に相当する制御回路40は、携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られた既読コードが、少なくとも当該既読コードの読取時点から撮像部23の撮像範囲を外れない状態で当該撮像範囲内において所定のサイズ変化状態となった場合に処理部によって処理された既読コードの処理データを削除又は無効化する処理を行う構成となっている。
この構成では、いずれかの情報コードの処理データを削除又は無効化したい場合、その情報コードの読み取り後、当該情報コードと読取装置との距離を調整し、撮像部の撮像範囲から外さない状態で当該撮像範囲内において所定のサイズ変化をさせればよい。このように、キャンセルを希望する情報コードとの距離を調整するという極めて簡単な対応により、当該情報コードの処理データを容易に削除又は無効化することができる。また、情報コードとの距離を調整することを条件とするため、キャンセル操作の際には、情報コードに対して読取装置を大きく横移動させる必要がなく、情報コードを撮像範囲から外さない状態を維持しやすくなる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態について説明する。
第9実施形態に係る携帯型情報コード読取装置は、「所定のキャンセル操作」以外は、第2実施形態と同様であり、図10のような流れで読取処理が行われるようになっている。例えば、図10のS201〜S218までは、第2実施形態と同一であり、S220〜S225の処理に代えて図23の処理を行うようになっている。また、読取処理のみが第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
なお、本構成でも、光を照射する光源として第1実施形態と同様の照明光源21と、マーカ光照射部50とが設けられている。そして、所定の撮像範囲の画像を撮像する撮像部23が設けられ、これら光源(照明光源21、マーカ光照射部50等)と撮像部23とを保持するようにケース12が設けられている。そして、ケース12と一体的に、又はケースとは別体として、使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けられる取付部材60が設けられている。そして、制御回路40が処理部の一例に相当し、撮像部23によって得られた撮像画像を処理するように機能する。
更に、図23の処理を実行する制御回路40が対応部の一例に相当し、当該携帯型情報コード読取装置10に対して所定の指示操作がなされた場合に、処理部によって撮像画像を処理した処理データに対する所定のキャンセル制御を行うようになっている。
図23の処理では、キャンセル対象の情報コードが撮像部23の撮像範囲に入って撮像された場合、この情報コードを公知のデコード方法で読み取る(S901)。そして、このように読み取られた情報コードが既読コードに相当する。
そして、S901で情報コードを読み取った後には、撮像部23の撮像範囲内でのその情報コードの移動を監視する。具体的には、S901で読み取りが成功した時点から、一定時間(例えば数秒、或いは十数秒等)の間、所定の短時間毎(例えば、数ミリ秒毎、或いは数十ミリ秒毎等)に撮像部23で得られる撮像画像を解析し、S901で読み取られた情報コードが撮像画像内に収まっているか否かを確認する。なお、S902での情報コードの監視は、所定の短時間毎に得られる撮像画像から情報コードを読み取って情報コードの存在を確認してもよく、所定の短時間毎に得られる撮像画像において、情報コードの所定部分(例えば、位置検出パターンなどの特徴パターンや、情報コードの外形)を検出し、情報コードの存在を確認してもよい。
そして、S901で情報コードの読み取りが成功した後、情報コードが撮像範囲内に収まった状態で一定時間以内に情報コードの撮像画像(コード画像)に所定の形状変化があったか否かを判断する(S903)。S901で情報コードを読み取った後、コード画像に所定の形状変化がある前に情報コードが撮像範囲から外れた場合、又は、S901で情報コードを読み取った後、一定時間経過しても情報コードの撮像画像(コード画像)に所定の形状変化がない場合は、S903にてNoに進み、図23の処理を終了する。一方、S901で情報コードを読み取った後、その読取時点からその情報コードが撮像範囲に収まり続け、且つ一定時間以内に、情報コードの撮像範囲(コード画像)に所定の形状変化があった場合には、S903にてYesに進み、S904にてキャンセルコマンドを実行する。S904でキャンセルコマンドが実行された場合、S901で読み取られた情報コードの解読データをメモリ35から消去する。例えば、S901の処理で図24(A)のように読み取られた情報コード100が、その読取時点から撮像範囲ARに収まり続け、且つ一定時間以内に図24(B)のように所定の形状変化があった場合、S903にてYesに進み、その情報コード100の解読データをメモリ35から消去することになる。なお、「所定の形状変化」は、例えば、情報コードの外形をなすいずれかの一片の長さが、他のいずれかの一片の長さの所定割合以下(例えば、2/3以下)となるような縮小変化であってもよく、情報コードの外形をなす角部にいずれかの角度が、所定角度以上(例えば、100°以上)となる形状変化や、所定角度以下(例えば、80°以下)となる形状変化などであってもよい。
なお、S901での情報コードの読み取り処理は、S217の読取処理であってもよく、この場合、S901(S217)での読み取りが成功した場合、S218でYesに進み、S218でYesに進んだ場合にS902以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S903でYesに進む場合には、S217(S901)で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されることになる。
また、S901での情報コードの読み取りは、S217とは別処理として行うようにしてもよく、この場合、S217で読み取りが成功し、S218でYesに進んだ後に、S901以降の処理を行うようにすればよい。この場合、S901で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと同一のものである場合、S903でYesに進む場合には、S217、S901で読み取られた情報コードのデータがメモリ35から削除されるようにすればよい。また、S901で読み取られた情報コードがS217で読み取られた情報コードと異なるものである場合、S903でYesに進む場合には、S901で読み取られた情報コードのデータのみがメモリ35から削除されるようにしてもよく、S901で読み取られた情報コードのデータと同一の情報コードのデータがメモリ35に蓄積されている場合には、このように蓄積された同一データをも削除するようにしてもよい。
なお、上述した例では、キャンセルコマンドが実行された場合に、S901で読み取られた情報コードのデータを削除(消去)する例を示したが、S901で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを無効化するようにしてもよい。データの無効化は、例えば、S901で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータを特定の格納場所(無効化フォルダ等)に格納するようにしてもよく、S901で読み取られた情報コードと同一の情報コードのデータに対して、特定のフラグ(無効化フラグ)を対応付けて記憶し、そのデータが無効なものであることを示すようにしてもよい。
本構成では、対応部に相当する制御回路40は、携帯型情報コード読取装置10によって既に読み取られた既読コードが、少なくとも当該既読コードの読取時点から撮像部23の撮像範囲を外れない状態で当該撮像範囲内において所定の外形状態となった場合に処理部によって処理された既読コードの処理データを削除又は無効化する処理を行う構成となっている。
この構成では、いずれかの情報コードの処理データを削除又は無効化したい場合、その情報コードの読み取り後、当該情報コードに対する読取装置の向きを調整し、撮像部の撮像範囲から外さない状態で当該撮像範囲内において所定の外形変化をさせればよい。このように、キャンセルを希望する情報コードに対する向きを調整するという極めて簡単な対応により、当該情報コードの処理データを容易に削除又は無効化することができる。また、情報コードに対する向きを調整することを条件とするため、キャンセル操作の際には、情報コードに対して読取装置を大きく横移動させる必要がなく、情報コードを撮像範囲から外さない状態を維持しやすくなる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態について説明する。
第10実施形態に係る携帯型情報コード読取装置10は、形態のみが第1実施形態と異なり、電気的構成は第1実施形態と同一である。よって、電気的構成については、詳細な説明を省略し、適宜図2を参照することとする。また、第10実施形態に係る読取装置10での読取制御方法は、上記第1〜第9実施形態のいずれの制御方法であってもよい。
(全体構成)
本構成の携帯型情報コード読取装置10は、主に、装置本体311と取付部材360とによって構成されている。装置本体311は、情報コード100を撮像可能な撮像部23(図2等)と、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部(制御回路40(図2))と、撮像部23及び処理部を保持するケース312とを備えた構成となっている。また、ケース312とは別体として設けられると共に使用者の顔が向く側を撮像する構成で撮像部23を使用者に取り付ける取付部材360を備えている。この取付部材360は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部(装着部)362と、ケース312が着脱される装着部366とを有し、使用者の人体に掛けられる構成となっており、ケース312を使用者の耳に取り付けるように機能するものである。
まず、装置本体311の構成について説明する。
装置本体311は、ケース312の内部に図2に示す各種電子部品が収容されてなるものであり、本構成では、取付部材360に対して図25〜図30のように装着可能とされており、図32、図33のように離脱可能とされている。
図35、図36等に示すように、ケース312は、全体として長手状且つ箱状に構成されている。なお、本構成では、装置本体311の前後方向、幅方向(横方向)、上下方向を以下のように規定する。まず、撮像部23の視野範囲の中心の方向(光軸方向)を前後方向としており、ケース312の長手方向が前後方向となっている。そして、前後方向と直交する方向においてケース312の厚さ方向が幅方向(横方向)となっており、ケース312の対向壁部312aと、対向壁部312aの反対側の壁部(表側の側壁部312b)とが向かい合う方向が幅方向(横方向)となっている。そして、上記前後方向及び幅方向と直交する方向が上下方向となっている。なお、以下では、前後方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、幅方向(横方向)をZ軸方向として説明する。そして、前方向をX軸正方向、後ろ方向をX軸負方向とする。更に、上方向をY軸正方向、下方向をY軸負方向とする。そして、ケース312側から見て取付部材360側をZ軸負方向とし、取付部材360とは反対側をZ軸正方向とする。
図33、図35、図36のように、ケース312は、このような定義において前端部に前壁部312cが設けられ、後端部に後壁部312dが設けられている。更に、幅方向(左右方向)一方側(取付部材360側)に側壁部(対向壁部312a)が設けられ、これとは反対側に表側の側壁部312bが設けられている。更に、上下方向の一端部には壁部312eが設けられ、上下方向の他端部には壁部312fが設けられている。そして、これら前壁部、後壁部、側壁部、壁部、壁部により、前後左右及び上下が囲まれる箱状構成で、撮像部23や制御回路40などの電子部品を収容する収容部が構成されている。
また、本構成では、使用者の顔Faを基準として顔Faが向く方向を顔Faの前側、後頭部側を顔Faの後ろ側として説明する。
このケース312は、情報コードからの光を導入可能な読取口314を備えており、この読取口314を覆う構成で光透過性のカバー部材315が設けられている。また、図28、図31等に示すように、ケース312は、取付部材360への装着位置から所定方向に延びる延出部317(取付部材360に当接する部分から前側に延びる部分)を備え、且つその延出部317における取付部材360とは反対側の端部寄りに読取口314が設けられている。そして、この読取口314を覆うカバー部材315が前壁部312cとして構成されている。そして、取付部材360は、図25、図31のようにケース312が使用者の顔Faの横位置に配置され且つ読取口314が使用者Pの前側を向く構成で当該ケース312を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。このように、使用者の顔が向く側と同じ側に撮像部23が向くように取付部材360によってケース312が取り付けられている。
また、ケース312において上下方向一方側の壁部312eには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42aが設けられており、他方側の壁部312fには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42bが設けられている。これら操作スイッチ42a、42bは、図2の操作スイッチ42を具体的に示すものである。操作スイッチ42aは、トリガスイッチとして機能し、操作スイッチ42bは、トリガスイッチ以外の操作スイッチとして機能している。なお、メモリ35には、操作スイッチ42a,42bのいずれをトリガスイッチとして機能させ、いずれを他のスイッチとして機能させるかを特定する設定する設定情報が記憶されており、操作スイッチ42a,42bは、この設定情報に従って動作するようになっている。また、この設定情報は、ケース312が図48のようにコンピュータなどの外部機器PCに接続された場合に、この外部機器PCによって書き換えることができるようになっている。
また、ケース312の内部には、図37のように照明光を照射する照明光源21、マーカ光を照射するマーカ光照射部50、ケース312の外部を撮像する撮像部23が設けられており、照明光源21からの照明光及びマーカ光照射部50からのマーカ光はいずれも、読取口314を介して前壁部312cからケース312の前側に照射されるようになっている。また、本構成では、撮像部23及び結像レンズ27が上下方向中心部よりもやや上寄りに配置され、受光光軸Gが上下方向中心部よりもやや上寄りに位置している。また、照明光源21は、上下方向中心部よりも下寄りに配置されており、照明光源21と撮像部23の間にマーカ光照射部50が配置されるようになっている。図37のように、前壁部312c寄りの位置には、結像レンズ27、マーカ光照射部50のレンズ50a、照明光源21のレンズ21aが配置されており、照明光源21のレンズ21aよりもマーカ光照射部50のレンズ50aのほうが、結像レンズ27(受光レンズ)に近い位置関係となっている。これにより、マーカ光の経路を、より受光光軸Gに近づけることができるようになっている。
次に、取付部材360について説明する。
図25〜図31等に例示されるように、取付部材360は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部362と、ケース312が着脱される装着部366とを備えており、ケース312とは別体として設けられている。この取付部材360は、使用者の人体に掛けられて人体に保持される部分であり、具体的には、使用者の首から上の部分において体の構造上突出した部分(以下の例では、両耳部分)に掛けられることで、人体に保持されると共に人体の所定位置に位置決めされるようになっている。図25、図31等に示すように、この取付部材360は、ケース312が使用者の顔Faの横位置に配置されると共に使用者の顔Faが向く側に読取口314が向く構成でケース312を少なくとも使用者の耳Eyに取り付ける構成となっている。
身体装着部362は、少なくとも一部が使用者に直接接触して装着される部分であり、具体的には、使用者の両耳に掛けられる耳掛け部として構成されている。この身体装着部362は、図26〜図30のように、使用者に取り付けられていない被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成され、可撓性の構造となっている。この身体装着部362は、後述する右側装着部370及び左側装着部380のそれぞれに両端部がそれぞれ連結された構成となっており、全体として略U字状の構成となっている。この身体装着部362には、使用者への装着時に上方側に凸となるように右側装着部370寄りの隣接位置に湾曲して形成された右耳取付部(右耳掛け部)362aと、右耳取付部362aから離れて形成されると共に上方側に凸となるように左側装着部380寄りの隣接位置に湾曲して形成された左耳取付部(左耳掛け部)362bと、これら右耳取付部362aと左耳取付部362bとを連結する中間連結部362cとを備えている。中間連結部362cは、図25等のように取付部材360を使用者の耳に掛けて装着したときに、使用者の後頭部又は首に当てられるように巻き付く部分である。
装着部366は、使用者の顔の右側に配置されると共にケースを着脱可能な右側装着部370と、使用者の顔の左側に配置されると共にケースを着脱可能な左側装着部380とを有している。本構成では、身体装着部362において、使用者の右耳に掛けられて右耳に支持される右耳取付部362a(右耳取付部362aは、被支持部の一例に相当)から前側延出部363aが前側(中間連結部362cとは反対側)に延びている。そして、右側装着部370は、身体装着部362における前側延出部363aの先端部に連結されてケース312を保持する保持部として機能している。この構成では、図25、図31のように使用者に取付部材360を取り付けた取付時に、前側延出部363aが右耳取付部362a(被支持部)よりも前側に延びて配置され、右耳取付部362a(被支持部)を支持する使用者の右耳の耳孔よりも前位置に右側装着部370(保持部)が配置される構成となっている。
右側装着部370(保持部)は、図25、図31のような人体への装着時に右耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部371と、裏面部371の反対側に配置された表面部372とを備えている。裏面部371と表面部372は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部371の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部372の外面(ケース312の取付時にケース312と接触する面)とが略平行になっている。裏面部371と表面部372の間の厚さは、右耳取付部362aの太さよりも大きくなっており、図28等に示すように、表面部372側が、右耳取付部(右耳掛け部)362aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される右側装着部370により、ケース312を表面部372で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図25等に示すように、右側と同様、身体装着部362において、使用者の左耳に掛けられて左耳に支持される左耳取付部362b(左耳取付部362bは、被支持部の一例に相当)から前側延出部363bが前側(中間連結部362cとは反対側)に延びている。そして、左側装着部380は、身体装着部362における前側延出部363bの先端部に連結されてケース312を保持する保持部として機能している。この構成では、図25、図31、図40のように使用者に取付部材360を取り付けた取付時に、前側延出部363bが左耳取付部362b(被支持部)よりも前側に延びて配置され、左耳取付部362b(被支持部)を支持する使用者の左耳の耳孔よりも前位置に左側装着部380(保持部)が配置される構成となっている。
左側装着部380(保持部)は、図25、図31、図40のような人体への装着時に左耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部381と、裏面部381の反対側に配置された表面部382とを備えている。裏面部381と表面部382は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部381の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部382の外面(ケース312の取付時にケース312と接触する面)とが略平行になっている。裏面部381と表面部382の間の厚さは、左耳取付部362bの太さよりも大きくなっており、図26等に示すように、表面部382側が、左耳取付部(左耳掛け部)362aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される左側装着部380により、ケース312を表面部382で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図33、図34、図36のように、ガイド部350は、取付部材360に設けられた各装着部366に対してケース312を着脱可能に連結し、且つその連結の際に各装着部366に対するケース312の姿勢が所定姿勢となるようにガイドするように機能する。このガイド部350は、ケース312側に設けられた2つのケース側連結部(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と、右側装着部側(右側装着部370側)に設けられた少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部373a,第2右側連結部373b)と、左側装着部側(左側装着部380側)に設けられた少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部383a,第2左側連結部383b)とを備えている。そして、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部373a,第2右側連結部373b)とがそれぞれ連結されることによりケース312が右側装着部370に取り付けられ、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部383a,第2左側連結部383b)とがそれぞれ連結されることによりケース312が左側装着部(第1左側連結部383a,第2左側連結部383b)に取り付けられる構成となっている。
図33、図34、図36のように、本構成では、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と2つの右側連結部(第1右側連結部373a,第2右側連結部373b)が第1ガイド部に相当し、右側装着部370に対してケース312を着脱可能に連結し、且つ右側装着部370に対してケース312を連結した際に右側装着部370に対するケース312の姿勢が第1所定姿勢となるようにガイドする。また、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と、2つの左側連結部(第1左側連結部383a,第2左側連結部383b)が、第2ガイド部に相当し、左側装着部380に対してケース312を着脱可能に連結し、且つ左側装着部380に対してケース312を連結した際に左側装着部380に対するケース312の姿勢が第2所定姿勢となるようにガイドする。
図33、図34、図36のように、本構成では、2つのケース側連結部として、永久磁石として構成される第1ケース側連結部351と、永久磁石として構成される第2ケース側連結部352とが設けられる。また、2つの右側連結部として、永久磁石として構成される第1右側連結部373aと、永久磁石として構成される第2右側連結部373bとが設けられ、2つの左側連結部として、永久磁石として構成される第1左側連結部383aと、永久磁石として構成される第2左側連結部383bとが設けられる。そして、第1ケース側連結部351は、第1右側連結部373a及び第1左側連結部383aと極性が異なり、且つ第2右側連結部373b及び第2左側連結部383bと極性が同じであり、第2ケース側連結部352は、第2右側連結部373b及び第2左側連結部383bと極性が異なり、第1右側連結部373a及び第1左側連結部383aと極性が同じになっている。
この構成では、第1ケース側連結部351と第1右側連結部373aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部351と第1右側連結部373aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部351は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1右側連結部373aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部352と第2右側連結部373bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部352と第2右側連結部373bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部352は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2右側連結部373bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部351と第2右側連結部373bとが同極性であり、第2ケース側連結部352と、第1右側連結部373aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部351は、表面部がN極として構成され、第2右側連結部373bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部352は、表面部がS極として構成され、第1右側連結部373aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
右側と同様に、第1ケース側連結部351と第1左側連結部383aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部351と第1左側連結部383aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部351は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1左側連結部383aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部352と第2左側連結部383bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部352と第2左側連結部383bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部352は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2左側連結部383bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部351と第2左側連結部383bとが同極性であり、第2ケース側連結部352と、第1左側連結部383aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部351は、表面部がN極として構成され、第2左側連結部383bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部352は、表面部がS極として構成され、第1左側連結部383aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
このようなガイド部350によってケース312を各装着部366に取り付けることができるようになっており、取付時にケース312の向き(即ち、読取方向の向き)が安定するようになっている。また、装着部366及びガイド部350により、ケース312の前側部分(ケース312において、装着部366に支持される部分よりも前側に延び出た延出部)が使用者の耳から少なくとも前側に延びる構成でケース312を使用者の耳に取り付けることができるようになっている。
また、ケース312における使用者側の側壁部(対向壁部312a)には、右側装着部370に形成された右側被嵌合部(表面部372)と嵌合可能に構成され、左側装着部380に形成された左側被嵌合部(表面部382)と嵌合可能に構成された底の浅い穴状(具体的には、ケース内側に凹んだ形状)の段差部313(嵌合部)が形成されており、ケース312が右側装着部370に取り付けられる時に、段差部313(嵌合部)と右側被嵌合部(表面部372)とが嵌合し、ケース312が左側装着部380に取り付けられる時に、段差部313(嵌合部)と左側被嵌合部(表面部382)とが嵌合する構成となっている。そして、凹んだ形状の段差部313の奥底部に2つのケース側連結部351、352が配置されており、嵌合時には表面部372又は表面部382が段差部313の凹みの内部に入り込み、その段差部313の奥底部に当接して嵌合するようになっている。これにより、磁石による位置保持だけでなく、嵌合による位置保持もなされ、装着時にケース312が大きく位置ずれしにくくなっている。特に、操作スイッチ42aや操作スイッチ42bを押したときの位置ずれ抑制効果が高い構造となっている。
また、ケース312において取付部材360に取り付けられる側の壁部(対向壁部312a)には、音を導出する複数の導出孔320が形成されている。この導出孔320は、ケース312の内部に設けられた発音部44(スピーカ等:図2)で発せられた音を外部に導出する放音孔として機能している。本構成では、ケース312が取付部材360に取り付けられた取り付け時には、取付部材360の一部をなす被覆部(具体的には、表面部372,382)によって導出孔320の少なくとも一部(例えば全部)が覆われ、ケース312が取付部材360から取り外された取り外し時には、導出孔320において取り付け時に被覆部によって覆われる部分が露出する構成となっている。例えば、図25等のように、ケース312が、右側装着部370に取り付けられたときには、右側装着部370の表面部372によって導出孔320の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース312が右側装着部370から取り外された取り外し時には、導出孔320において取り付け時に表面部372によって覆われる部分が露出する構成となっている。左側も同様であり、ケース312が、左側装着部380に取り付けられたときには、左側装着部380の表面部382によって導出孔320の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース312が左側装着部380から取り外された取り外し時には、導出孔320において取り付け時に表面部382によって覆われる部分が露出する構成となっている。なお、図36における二点鎖線366aの位置が、ケース312を装着部366に取り付けているときに表面部372又は表面部382に接触し、表面部372又は表面部382によって覆われる位置である。
また、本構成では、図35、図36のように、装置本体311を取付部材360から取り外し、取付部材360とは別で装置本体311を使用したり、メンテナンスしたりすることができる。そして、この装置本体311は、ケース312に対して、ケーブル302を保持する保持部材390が取り付けられた構成となっており、この保持部材390は、図32等のように、着脱が可能な構成となっている。また、この保持部材390には、ケーブル302と嵌合してケーブル302を支持するケーブル支持部391が形成されており、ケーブル支持部391からケーブル302を取り外して使用したり、管理したりすることもでき、図25、図31等のように、ケーブル支持部391でケーブル302を保持して使用したり、管理したりすることもできるようになっている。まが、本構成では、ケーブル支持部391が被取付部(ケース312において、取付部材360に保持される部分)の真裏の位置に配置され、ケーブル支持部391によってケーブル302がモーメントの中心部付近で保持されるため、ケーブル302が引っ張られたとしても、ケース312の向きが変化しにくい構成となっている。
読取装置10を使用者に取り付ける場合、図38、図39のように、先に取付部材360を使用者の両耳に掛け、その後、例えば図25、図31のように、右側装着部370又は左側装着部380のいずれかに装置本体311を取り付けるようにすれば、迅速且つ容易に取り付けることができる。また、このような方法に限られず、図26のように組み付けた後に、読取装置10を使用者に取り付けるようにしてもよい。
次に、読取処理について説明する。本構成に係る読取装置10でも、所定のトリガ条件の成立毎に、又は所定の開始条件の成立後に継続的に情報コードの読み取り処理を行うことができるようになっている。例えば、操作スイッチが押されたことを撮像開始のトリガとし、操作スイッチが押された後に継続的に撮像部23による撮像処理を行い、情報コードが撮像範囲に入り込む毎にその情報コードを読み取るようにしてもよい。或いは、操作スイッチ42とは異なるセンサ(第1実施形態や他の実施形態等で説明する様々なセンサ部46)によって所定状態が検出されたことを条件として読み取りを開始するようにしてもよい。例えば、ケース312の前方方向に物体が近接したことを検出する公知の近接センサを設け、物体が近接したときに照明光源21及びマーカ光照射部50や撮像部23を動作させて撮像し、解読を行うようにしてもよい。
或いは、マイクから入力され音声を解析し、所定音声に該当するか否か(例えば一定量以上の音量が検出されたか否か、或いは所定波形の音声が検出されたか否か)を判断するようにすればよい。なお、この判断処理は、読取装置10で行ってもよく、外部装置で行ってもよい。
本構成に係る読取装置は、図25、図31のような装着方法、使用方法に限られず、様々な使用方法で使用することができる。例えば、ケーブル302に接続される外部装置D(図47)は、図25のように、腰に掛けて使用してもよく、使用者の胸のポケットに入れて使用してもよい。また、図40のように、取付部材360から装置本体311を一時的に或いは継続的に取り外して読み取りに使用してもよく、この場合も、図25のように、外部装置Dは、様々な場所に配置しておくことができる。
また、本構成では、ケーブル302は、外部装置D(読取作業の使用時に用いられる外部装置)に着脱可能に取り付けられるようになっており、外部装置Dから取り外して外部装置Dとは異なる外部機器などにも接続できるようになっている。外部装置Dの機能な様々であるが、装置本体311に電力を供給する供給源として機能していてもよく、装置本体311から情報(装置本体311で情報コードを解読したときの解読データ等)を記憶する記憶媒体として機能していてもよい。或いは、外部装置DにCPU等の制御回路を搭載しておき、撮像部23で撮像されたコード画像を外部装置Dでデコードするようにしてもよい。
本構成では、取付部材360は、ケース312とは別体として構成され、使用者の顔の右側に配置されると共にケースを着脱可能な右側装着部と、使用者の顔の左側に配置されると共にケースを着脱可能な左側装着部とを有している。
この構成によれば、ケースを使用者の顔の右側にも左側にも装着可能となり、装着の自由度が増す。
また、取付部材360は、使用者の右耳に取り付けられる右耳取付部と、使用者の左耳に取り付けられる左耳取付部と、右耳取付部と左耳取付部とを連結する連結部とを有する。
この構成によれば、取付部が両耳に取り付けられるため、装着時の安定性が増し、顔の動きとケースとを、より安定的に連動させやすくなる。また、ケースを耳に取り付けることができるため、他の装着具(ヘルメットや眼鏡等)が使用される場合でも人体に装着しやすくなる。
また、ケース及び取付部のいずれか一方には磁石が配置され、他方には磁石に吸引される吸引部が配置されており、ケースが右側装着部に装着される場合には、ケースと右側装着部とが磁石と吸引部との吸引によって保持され、ケースが左側装着部に装着される場合には、ケースと左側装着部とが磁石と吸引部との吸引によって保持される構成となっている。
この構成によれば、ケースを顔の右側に装着する場合でも、左側に装着する場合でも、磁石の吸引力を利用して容易に装着しやすくなる。また、取付部からのケースの取り外しや、付け替えなども容易に行いやすくなる。
また、ケース又はケースに組み付けられた他部品には、右側装着部に形成された右側被嵌合部と嵌合可能に構成され、左側装着部に形成された左側被嵌合部と嵌合可能に構成された嵌合部が形成されており、ケースが右側装着部に取り付けられる時に、嵌合部と右側被嵌合部とが嵌合し、ケースが左側装着部に取り付けられる時に、嵌合部と左側被嵌合部とが嵌合する構成となっている。
この構成では、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、嵌合状態で取り付けられるため、ケースが位置ずれしにくくなる。
また、右側装着部に対してケースを着脱可能に連結し、且つ右側装着部に対してケースを連結した際に右側装着部に対するケースの姿勢が第1所定姿勢となるようにガイドする第1ガイド部と、左側装着部に対してケースを着脱可能に連結し、且つ左側装着部に対してケースを連結した際に左側装着部に対するケースの姿勢が第2所定姿勢となるようにガイドする第2ガイド部と、を有する。
この構成では、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、取付部に対するケースの姿勢を安定的に定めることができる。
また、ガイド部は、ケースに設けられた少なくとも2つのケース側連結部と、右側装着部に設けられた少なくとも2つの右側連結部と、左側装着部に設けられた少なくとも2つの左側連結部と、を備えており、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースが右側装着部に取り付けられ、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースが左側装着部に取り付けられる構成となっている。
この構成によれば、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、取付部に定められた少なくとも2つの連結部に対し、ケースに設けられた2つの連結部(ケース側連結部)を合わせるように連結する構成であるため、ケースの向きが所望の方向を向くように、より正確に設定されやすくなる。
また、2つのケース側連結部として、永久磁石として構成される第1ケース側連結部と、永久磁石として構成される第2ケース側連結部とが設けられ、2つの右側連結部として、永久磁石として構成される第1右側連結部と、永久磁石として構成される第2右側連結部とが設けられ、2つの左側連結部として、永久磁石として構成される第1左側連結部と、永久磁石として構成される第2左側連結部とが設けられ、第1ケース側連結部は、第1右側連結部及び第1左側連結部と極性が異なり、且つ第2右側連結部及び第2左側連結部と極性が同じであり、第2ケース側連結部は、第2右側連結部及び第2左側連結部と極性が異なり、第1右側連結部及び第1左側連結部と極性が同じになっている。
この構成では、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、少なくとも2位置で磁石同士が引き合う力を利用してケースを適正な位置により強くより正確に導くことができ、位置合わせや連結の負担をより低減することができる。更に、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、対応しない連結部同士を合わせるように逆に取り付けた場合、対応しない連結部同士が同極性であるため、各位置で連結部同士が反発し合うことになり、連結されないことになる。従って、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、正規の向きの場合には、取付部に対するケースの位置合わせをより正確かつ迅速に行い易くなり、逆向きでの異常な連結については、より確実に防ぐことができる。
また、取付部は、使用者のいずれかの耳に掛けられて支持される被支持部と、被支持部から延びる前側延出部と、前側延出部に連結されると共にケースを保持する保持部と、を少なくとも備え、使用者に取付部を取り付けた取付時に、前側延出部が被支持部よりも前側に延びて配置され、被支持部を支持する耳の耳孔よりも前位置に保持部が配置される構成となっている。
この構成では、ケースを保持する保持部が使用者の耳孔よりも前位置に配置されるため、保持部が使用者の耳孔を塞ぎにくくなる。
また、保持部は、耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向する裏面部と、裏面部の反対側に配置された表面部とを備えており、ケースを表面部で保持する構成となっている。
この構成では、ケースが使用者の顔から離れた位置に配置される表面部で保持されるため、表面部に保持されるケースが使用者の耳孔を塞ぎにくくなる。
また、ケースにおいて取付部に取り付けられる側の壁部には、音を導出する導出孔が形成されており、ケースが取付部に取り付けられた取り付け時には、取付部の一部をなす被覆部によって導出孔の少なくとも一部が覆われ、ケースが取付部から取り外された取り外し時には、導出孔において取り付け時に被覆部によって覆われる部分が露出する構成となっている。
この構成では、ケースが顔の近くに配置されるような装着時には、導出孔を塞ぐことで相対的に音を抑制することができ、音発生源が使用者の耳の近くにある場合でも、使用者に大きな音が届きすぎることを抑えることができる。一方、ケースが顔から離れて使用されやすい非装着時には、導出孔を露出させることで相対的に音を大きくすることができ、音発生源が使用者の耳からある程度離れている場合でも、使用者に音が届きやすくなる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施形態では、処理部の一例として、制御回路40を例示し、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像の処理として当該情報コードのコード画像を解読する構成を例示したが、いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像の処理はこれに限られない。例えば、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像データを外部装置(ケース(ケース12、ケース312等)とケーブルで接続された外部装置や、ケースとケーブル接続されていない外部装置など)に送信するような処理であってもよい。この場合、情報コード100の画像を送信された外部装置側にて当該画像データを解読すればよい。これにより、外部装置(具体的には、制御回路(CPU等)、メモリ等を備えた情報処理装置として構成される外部装置)の制御回路を、情報コード100のデコード等を行う外部処理部として機能させることができる。或いは、いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23で撮像した情報コードをケース(ケース12、ケース312等)の内部で解読し、その解読して得られた解読データをケース外の外部装置に送信してもよい。この場合、外部装置では、例えば、その解読データが予め当該外部装置又は当該外部装置と通信可能に設けられた他装置に登録された登録データと一致するか否かを照合し、その照合結果をケース側(装置本体側)に送信するようにしてもよい。
第1実施形態では、ケース12を身体に装着し、読取装置10が身体に装着されない外部装置と通信可能な例を示したが、いずれの実施形態の読取装置も、身体に装着される外部装置と通信可能となっていてもよい。
上記実施形態では、両耳に掛けられる構成の身体装着部を例示したが、いずれの実施形態の読取装置も、身体装着部は、いずれか一方の耳に掛けられる構成であってもよい。
上記実施形態では、取付部材が使用者の人体に取り付けられる構成として、主に、耳に掛けられる構成を例示したが、いずれの実施形態のいずれの構成でも、取付部材が使用者の首から上に掛けられる他の構成を用いてもよい。例えば、取付部材を使用者の頭に掛ける構成とし、この取付部材にケースを着脱可能に取り付けてもよく、取付部材を使用者の首に掛ける構成とし、この取付部材にケースを着脱可能に取り付けてもよい。また、取付部材は、使用者の頭に取り付けられるバンド部材として構成されていてもよい。例えば、ハチマキ状、ヘアバンド状、カチューシャ状などの構造のバンド部材として取付部材が構成されていてもよい。この構成でも、ケースが頭に取り付けられるため、顔の動きとケースの全体が連動することになり、使用者の顔の動きに合わせて読み取る方向を定めやすくなる。また、取付部材は、使用者の指や腕などに取り付けられる構成であってもよく、使用者の装着物(メガネ、ヘルメット、手袋、服)などに取り付けられるアタッチメントとして構成されていてもよい。
第2〜第9実施形態では、キャンセル制御の一例として、直前の処理データ(解読データ)などを消去する例などを示したが、このような例に限られない。例えば、上述の「所定のキャンセル操作」があった場合に、読取装置10に蓄積されている過去の処理データ(解読データ)を一括して消去するようにしてもよく、読取装置10から外部装置に送信された過去の処理データ(解読データ)を一括して消去するように当該外部装置にコマンドを発するようにしてもよい。
第4実施形態では、例えば図10のS220で設定されるキャンセル待ち時間T2内において、一定時間内に情報コード(S217で解読を行った情報コード)を読取視野(撮像範囲AR(図9))から外して戻し、再び情報コードを読み取らせる動作が少なくとも1回なされれば、キャンセルコマンドとして認識され、このような場合に、その情報コード(S217で解読を行った情報コード)の解読データを削除するようなキャンセル制御を行う例を示したが、このような例に限られない。例えば、このような操作をn回繰り返された場合に、最新の解読データからn個前の解読データをキャンセルするようにしてもよい。或いは、一定時間内に情報コードを読取視野から外して戻し、その後に、視野内に保持したままの状態で当該情報コードがn回読み取られた場合に、最新の解読データからn個前の解読データをキャンセルするようにしてもよい。
また、第2実施形態で説明した「所定のキャンセル操作」の第2の例では、「操作スイッチ42に対する所定の押圧操作」がなされたときにS223にてYesに進み、直近のS217で解読された解読データを消去する例を示したが、このような例に限られない。例えば、操作スイッチ42の押圧回数によって消去対象とする解読データを定めるようにしてもよい。例えば、操作スイッチ42の押圧操作がn回繰り返された場合に、最新の解読データからn個前の解読データをキャンセルするようにしてもよい。
なお、上述したいずれの「所定のキャンセル操作」の例も併用することができ、携帯型情報コード読取装置10に対する所定の指示操作として、複数種類の指示操作を定義しておき、指示操作の種類に対応付けてキャンセルコマンド(直近の解読データの消去、n個前のキャンセルデータの消去、蓄積された解読データの一括消去など)を定めておいてもよい。そして、携帯型情報コード読取装置10に対してなされた指示操作の種類に応じていずれかのキャンセルコマンド(例えば、直近の解読データの消去、n個前のキャンセルデータの消去、蓄積された解読データの一括消去のいずれか)を実行するようにしてもよい。
第1実施形態等では、ケース12の内部又は外部にセンサ部46が設けられているが、第1実施形態や他のいずれの実施形態でも、処理部は、少なくともセンサ部46で所定の検出結果が得られたことを条件として情報コードの解読を行うようにしてもよい。いずれの実施形態でも、例えば、取付部材が使用者の耳に取り付けられた所定状態をセンサ部46が検知しうるように構成し、センサ部46により所定状態(耳の近接や接触が検出された状態)が検知されたことを条件として、照明光源21やマーカ光照射部50による照射が開始されると共に撮像部23による撮像が開始され、これに応じて処理部が情報コードの解読を行うようにしてもよい。また、使用者の耳に取り付けられた所定状態をセンサ部46で検出する構成は上述の例に限られず、例えば、センサ部46を複数軸の加速度センサ(三軸加速度センサ等)によって構成し、加速度センサ(三軸加速度センサ等)が一定時間の間、所定の加速度状態(例えば、いずれの軸も加速度変化量も一定値内に収まり、ほぼ移動が検出されない加速度状態)となった状態を、上記「所定状態」としてもよい。或いは、3軸センサ等で構成し、所定方向に重力加速度が生じている場合を「所定状態」として照射や解読を開始してもよい。或いは、歯のかみ合わせによる衝撃や、足の上げ下げ運動等で衝撃を与え指令をすることを想定し、衝撃に起因する所定の加速度変化を検出するようにしてもよい。
いずれの実施形態のいずれの構成でも、解読や照明開始のトリガとしては、マイク43からの音声入力であってもよい。この場合、マイク43から入力され音声を解析し、所定音声に該当するか否かを判断し、該当する場合に、照明光源21の動作、マーカ光照射部50の動作、撮像部23の動作、撮像画像による情報コードの解読を行うようにすればよい。或いは、マイク43から入力音声の音声量が一定値を超えた場合に、照明光源21の動作、マーカ光照射部50の動作、撮像部23の動作、撮像画像による情報コードの解読を行うようにしてもよい。なお、マイク43から入力された音声の判断処理は、読取装置10で行ってもよく、外部装置で行ってもよい。
いずれの実施形態のいずれの構成でも、電池は、身体に装着されるケース(ケース12やケース312など)内に設けられていてもよく、ケースとケーブルを介して接続される外部装置(例えば、第10実施形態の外部装置Dなど)の内部に設けられていてもよい。
第10実施形態では、右側装着部370と左側装着部380とが設けられた取付部材360を例示したが、第10実施形態や同様の取付部材を有する他の実施形態のいずれの構成でも、取付部材は、右側装着部のみの構成や左側装着部のみの構成であってもよい(即ち、ケースを取り付ける装着部をいずれか一方の耳側のみに設ける構成であってもよい)。この場合、第10実施形態の取付部材360の構成から単にいずれかの装着部のみを省略すればよい。
第10実施形態では、ケース312及び取付部材360の両方に磁石が配置された構成を例示したが、いずれか一方に磁石が配置され、他方には鉄等の磁性体(磁石に吸引される吸引部)が配置されていてもよい。例えば、ケース312側には、第10実施形態と同様の磁石(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)を配置しておき、右側装着部370の第1右側連結部373a及び第2右側連結部373bと、左側装着部380の第1左側連結部383a及び第2左側連結部383bを鉄等の磁性体に代えるようにしてもよい。この場合でも、ケース312が右側装着部370に装着される場合には、ケース312と右側装着部370とが磁石(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と吸引部(第1右側連結部373a及び第2右側連結部373b)との吸引によって保持され、ケース312が左側装着部380に装着される場合には、ケース312と左側装着部380とが磁石(第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352)と吸引部(第1左側連結部383a及び第2左側連結部383b)との吸引によって保持される構成となる。或いは、ケース312側に鉄等の磁性体(吸引部)を配置し、取付部材360側に磁石を配置してもよい。例えば、第1ケース側連結部351及び第2ケース側連結部352を鉄等の磁性体(吸引部)とし、第1右側連結部373a及び第2右側連結部373bと、第1左側連結部383a及び第2左側連結部383bとを第10実施形態と同様の磁石としてもよい。
第10実施形態では、第1ガイド部として、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成を例示したが、いずれの構成でも、3以上のケース側連結部と3以上の右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、第2ガイド部として、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成を例示したが、いずれの構成でも、3以上のケース側連結部と3以上の左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、1つのケース側連結部と1つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、1つのケース側連結部と1つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成であってもよい。
第10実施形態では、第1ガイド部として、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とが磁石によってそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成を例示したが、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とが嵌合構造や係止構造によって連結されてもよい。また、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれシート状に構成され、各ケース側連結部が対応する右側連結部と面ファスナー構造で連結されてもよい。また、第2ガイド部として、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成を例示したが、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とが嵌合構造や係止構造によって連結されてもよい。また、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれシート状に構成され、各ケース側連結部が対応する左側連結部と面ファスナー構造で連結されてもよい。
第10実施形態や他の実施形態の構成において、ケースを取り付ける部分(第10実施形態では表面部372、表面部382)を、体に取り付ける部分(第10実施形態では右耳取付部362a、左耳取付部362b)に対して変位可能に構成してもよい。例えば、右耳取付部362aに固定される裏面部371と表面部372とを分離すると共に、裏面部371に対して表面部372をラチェット構造や球面対偶構造などによって変位可能としてもよい。同様に、左耳取付部362bに固定される裏面部381と表面部382とを分離すると共に、裏面部381に対して表面部382をラチェット構造や球面対偶構造などによって変位可能としてもよい。
第10実施形態では、右耳取付部362aとして、右耳掛け部を例示したが、右耳に取り付け可能な構成であればよい。例えば、耳挿入部を右耳の耳孔に挿入して取り付ける構成であってもよく、右耳を挟んで取り付ける構成であってもよい。或いは、右耳に掛ける構成と、右耳の耳孔に挿入する構成や右耳を挟んで取り付ける構成とを併用してもよい。
第10実施形態では、右耳側でも左耳側でも、反対向きに取り付けようとした場合(即ち、対応しない連結部同士を装着しようとした場合)に装着されない構成を例示したが、このような思想は第10実施形態の例に限られない。例えば、第10実施形態の構成において、第2ケース側連結部352、第1右側連結部373a、第1左側連結部383aのみを鉄等の磁性体に代えてもよい。或いは、第10実施形態の構成において、第1ケース側連結部351、第2右側連結部373b、第2左側連結部383bのみを鉄等の磁性体に代えてもよい。この場合も、左側でも、右側でも、反対向きに取り付けようとした場合、磁石同士が反発する関係となり、装着されないことになる。
第10実施形態では、ケース312が取付部材360に取り付けられた取り付け時には、取付部材360の一部をなす被覆部(表面部372又は表面部382)によって導出孔320が全て覆われ、ケース312が取付部材360から取り外された取り外し時には、導出孔320において取り付け時に被覆部(表面部372又は表面部382)によって覆われる部分(即ち、全ての導出孔320)が露出する構成を例示したがこの例に限られない。例えば、ケース312が取付部材360に取り付けられた取り付け時には、被覆部(表面部372又は表面部382)によって導出孔320の一部のみが覆われ、ケース312が取付部材360から取り外された取り外し時には、導出孔320において取り付け時に被覆部(表面部372又は表面部382)によって覆われる部分(即ち、一部の導出孔)が露出する構成であってもよい。
なお、上述したいずれの実施形態の構成でも、マーカ光照射部50によって、視野範囲の境界又は視野範囲内の所定エリアの境界が明示される構成としてもよい。例えば、キャンセル制御を行う構成では、視野範囲の境界又は視野範囲内の所定エリアの境界を目視によって確認できるようになるため、視野範囲を基準としたキャンセル操作を行い易くなる。