JP2016033767A - 携帯型情報コード読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】読取装置を手で把持せずに身体又は身体の装着品に装着して情報コードを読取可能な構成であって、装置に対する指での接触操作を極力抑えて、装置に対する外部指示が可能な構成を提供する。
【解決手段】携帯型情報コード読取装置10は、撮像部23がケース12に保持された構成となっており、このケース12と一体的に又はケース12とは別体で、ケース12を使用者の身体又は当該使用者の装着物に取り付ける取付部60が設けられている。更に、ケース12内には、撮像部23によって情報コードが撮像された場合に当該情報コードの画像に対する所定の第1処理を行う第1処理部と、撮像部23での撮像画像が予め定められた候補動作の画像と判定された場合に、所定の第2処理を行う第2処理部とが設けられている。
【選択図】図25

Description

本発明は、携帯型情報コード読取装置に関するものである。
従来から提供されている携帯型の情報コード読取装置は、使用者が装置を手で持って情報コードに向ける操作を行い、その情報コードを読み取るような方式のものが一般的である。しかしながら、このように手で持つことを必須とする構成では、使用者の片手が他の作業に使えなくなってしまうという問題があり、作業性を高めにくかった。
特開平8−272484号公報 特開2004−30014号公報
そこで、発明者らは、撮像部を備えたケース本体を身体や身体の装着品(例えば耳や頭など)に装着し、手で把持することなく撮像部をコードに向けてコードの読み取りを行い得る構成を着想した。このように構成すれば、手で把持しない状態での通常動作(手で持たずに耳や頭に装着した状態で情報コードの読み取りを行う動作等)が可能となり、手を把持動作以外の作業等に使いやすくなるため、使用者の作業性を飛躍的に高めることができる。
そして、このように手で把持しなくても読み取りが可能となる構成(例えば、耳や頭などに装着して読み取る構成等)では、更に、ユーザが装置を極力手で触らなくても装置に指示を与えやすい構成が望まれる。例えば、指による頻繁な接触操作を強いる構成では、作業性を高めるというハンズフリー型のメリットを低下させる懸念があるため、指による接触操作は極力少なくすることが望ましいといえる。また、衛生面を重視する場合や、機器を水分(手に付着した水滴等)から保護することが求められる場合などでも、指による操作を極力少なくすることが求められる。
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、手で把持せずに身体又は身体の装着品に装着して情報コードを読み取ることが可能な携帯型情報コード読取装置において、装置に対する指での接触操作を極力抑えて、装置に対する外部指示が可能な構成を提供することを目的とする。
本発明は、所定の撮像範囲を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって情報コードが撮像された場合に、当該情報コードの画像に対する所定の第1処理を行う第1処理部と、
予め1又は複数の候補動作が定められ、前記候補動作が発生したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記候補動作が発生したと判定された場合に、所定の第2処理を行う第2処理部と、
少なくとも前記撮像部と、前記第1処理部と、前記第2処理部とを保持するケースと、
前記ケースと一体的に、又は前記ケースとは別体として設けられ、前記ケースを使用者の身体又は当該使用者の装着物に取り付ける取付部と、
を有することを特徴とする。
請求項1の発明では、撮像部を保持するケースを取付部によって使用者の身体又は使用者の装着物に取り付けることができ、ケースを手で把持しなくても身体と連動する撮像部によって情報コードを撮像することが可能となる。そして、このように撮像される情報コードの画像を読み取りのために利用することができる。従って、情報コードの読み取りに際し、手を把持動作以外の作業等に使いやすくなり、使用者の作業性を効果的に高めることができる。
更に、本発明では、予め定められた候補動作が発生した場合に第2処理部によって所定の第2処理を行うようになっている。つまり、使用者は、読取装置に対して手による複雑な接触操作を行わずとも、予め定められた候補動作を行えば、読取装置に第2処理を実行させることができるため、使用者は、読取装置に対する手での接触操作を抑えつつ、装置に対して外部指示を与えることができる。
請求項2の発明は、判定部は、撮像部によって撮像された画像が候補動作の画像であるか否かを判定する構成であり、第2処理部は、判定部によって撮像部での撮像画像が候補動作の画像と判定された場合に第2処理を行う構成となっている。
この構成によれば、撮像部での撮像画像に基づいて候補動作が発生したかを判定できるようになり、読取装置に対し、手による接触操作を抑えて効果的且つ効率的に指示を与えやすくなる。
請求項3の発明は、候補動作と対応付けた状態でコマンドを登録するコマンド登録部を備えており、第2処理部は、判定部によって候補動作が発生したと判定された場合、コマンド登録部において当該候補動作と対応付けられたコマンドを第2処理として実行する構成となっている。
この構成では、装置内において、候補動作と対応付けた形で必要なコマンドを用意しておくことができる。このため、判定部によって候補動作が発生したと判定された場合に、その候補動作に対応するコマンドを外部から取得せずに装置内のデータを利用してより迅速に実行することができる。
請求項4の発明では、コマンド登録部において、複数の候補動作の各々に対応付けて動作別コマンドがそれぞれ登録されている。そして、第2処理部は、判定部により複数の候補動作のいずれかが発生したと判定された場合に、その発生した候補動作と対応付けられてコマンド登録部に登録されている動作別コマンドを実行する構成となっている。
この構成によれば、候補動作に対応するコマンドを外部から取得せずに装置内のデータを利用して迅速に実行することが可能な構成において、更に、複数のコマンドを動作によって使い分けることができるようになる。
請求項5の発明は、1又は複数の候補動作において、手を用いた1又は複数のジェスチャ動作が含まれている。そして、判定部は、予め定められた1又は複数のジェスチャ動作のいずれかが発生したかを判定可能に構成され、コマンド登録部には、ジェスチャ動作に対応付けてジェスチャ対応コマンドが登録されている。そして、第2処理部は、判定部によりジェスチャ動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該ジェスチャ動作と対応付けてコマンド登録部に登録されているジェスチャ対応コマンドを実行する構成となっている。
手を用いたジェスチャを候補動作とすれば、使用者がより容易に候補動作を行い易くなり、コマンド実行に伴う使用者の負担を軽減しやすくなる。また、手を用いたジェスチャは、向きなどを使用者がより細かく調整しやすく、必要な場所に配置しやすいため、判定部に認識させるための作業をより適切に行い易くなり、ジェスチャ動作に伴ってコマンドが正確に実行される可能性が高くなる。
請求項6の発明では、1又は複数のジェスチャ動作において、両手を用いた1又は複数の両手動作が含まれている。そして、判定部は、予め定められた1又は複数の両手動作のいずれかが発生したかを判定可能に構成され、コマンド登録部には、両手動作に対応付けて両手対応コマンドが登録されている。更に、第2処理部は、判定部により両手動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該両手動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている両手対応コマンドを実行する構成となっている。
両手によって実現されるジェスチャは、意図せずに偶然発生する可能性が低いため、このような両手でのジェスチャを両手対応コマンドの要件とすれば、両手対応コマンドについては、意図しない類似動作の発生等によって誤って実行されにくくなる。
請求項7の発明では、判定部は、候補動作としての所定のキャンセル動作が発生したかを判定可能に構成され、コマンド登録部には、キャンセル動作に対応付けてキャンセルコマンドが登録されている。そして、第2処理部は、判定部によりキャンセル動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該キャンセル動作と対応付けてコマンド登録部に登録されたキャンセルコマンドを第2処理として実行する構成となっている。
この構成では、使用者は、キャンセル動作に該当する候補動作を行うことで、所定のキャンセルコマンドを装置に実行させることができるため、手による接触操作を極力抑えるべき構成であっても、必要なキャンセル処理を装置に実行させ易くなる。
請求項8の構成は、光を照射する光源を備えており、1又は複数の候補動作の中に所定の方向制御動作が含まれており、判定部は、方向制御動作が発生したかを判定可能に構成されている。そして、コマンド登録部には、方向制御動作に対応付けて光源からの光の方向又は撮像部による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御するための方向制御コマンドが登録されている。更に、第2処理部は、判定部により方向制御動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該方向制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている方向制御コマンドを第2処理として実行する構成となっている。
この構成では、使用者は、方向制御動作に該当する候補動作を行うことで、所定の方向制御コマンドを装置に実行させることができる。従って、手による接触操作を極力抑えるべき構成であっても、光源からの光の方向又は撮像部による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御しやすくなり、利便性を高めやすくなる。
請求項9の発明では、判定部は、撮像部によって撮像された画像が方向制御動作に該当するか否かを判定可能な構成である。そして、第2処理部は、撮像部での撮像画像が判定部により方向制御動作の画像に該当すると判定された場合に、その判定された当該方向制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている方向制御コマンドを実行し、撮像部によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置として光源からの光の方向又は撮像部による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御する構成となっている。
この構成によれば、使用者は、基準位置を具体的に指定した上で、方向制御コマンドを指示することができるようになり、その基準位置に合わせて光の方向又は撮像部による撮像範囲の向きを具体的に制御できるようになる。よって、より使用者の意図に合った具体的な制御が可能となる。
請求項10の発明は、光を照射する光源を備えており、1又は複数の候補動作の中に所定の範囲制御動作が含まれている。そして、判定部は、範囲制御動作が発生したか否かを判定可能に構成され、コマンド登録部には、範囲制御動作に対応付けて光源の照射範囲又は撮像部による撮像範囲若しくは撮像部で撮像された撮像画像での画像処理範囲の少なくともいずれかの大きさを制御するための範囲制御コマンドが登録されている。更に、第2処理部は、判定部により範囲制御動作が発生したと判定された場合に、その判定された当該範囲制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている範囲制御コマンドを第2処理として実行する構成となっている。
この構成によれば、使用者は、読取装置に対して手による接触操作を極力抑えて範囲制御コマンドを指示することができるようになり、光源の照射範囲又は撮像部による撮像範囲の大きさを具体的に制御しやすくなる。よって、より使用者の意図に合った具体的な制御が可能となる。
請求項11の発明は、予め定められた確認動作を検出する検出部を備えており、第2処理部は、判定部によって候補動作が発生したと判定された場合、検出部によって確認動作が検出されることを条件として第2処理を行う構成となっている。
この構成では、万が一、候補動作に類似する動作等が偶発的に検出されてしまったとしても、検出部によって確認動作が検出されない限り、第2処理が行われないことになる。従って、使用者の意思に基づかない第2処理の実施をより確実に防ぎ易くなる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯型情報コード読取装置を概略的に例示する斜視図である。 図2は、図1の携帯型情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図3は、図1の携帯型情報コード読取装置が使用される様子を例示する説明図である。 図4は、図1の携帯型情報コード読取装置を図1とは異なる方向から見た斜視図である。 図5は、図1の携帯型情報コード読取装置を図1、図4とは異なる方向から見た斜視図である。 図6は、図1の携帯型情報コード読取装置を図1、図4、図5とは異なる方向から見た斜視図である。 図7は、図1の携帯型情報コード読取装置において、装置本体を左側装着部に装着した様子を例示する斜視図である。 図8は、図1の携帯型情報コード読取装置が装着された使用者の顔付近を例示する説明図である。 図9は、図4の構成から装置本体及び保持部材を分解した様子を示す斜視図である。 図10は、図1の携帯型情報コード読取装置において、ケースを取付部から取り外した様子を簡略的に示す斜視図である。 図11は、図1の携帯型情報コード読取装置の一部である取付部を例示する斜視図である。 図12は、図1の携帯型情報コード読取装置の一部である装置本体を例示する側面図である。 図13は、図12の装置本体を図12とは反対側から見た側面図である。 図14は、図12、図13に示す装置本体がケーブルに接続された様子を例示する斜視図である。 図15は、図1の携帯型情報コード読取装置において、ケース内に収容された部品をケース前方側から見た図であり、ケース内に収容された撮像部やレンズ等の構成を例示する図である。 図16は、図1の携帯型情報コード読取装置において、ケースから保持部材が離脱した状態を示す説明図である。 図17は、図1の携帯型情報コード読取装置において、ケースに保持部材が取り付けられ、その保持部材にケーブルが保持された状態を示す説明図である。 図18は、図1の携帯型情報コード読取装置において、使用者への取付部の取り付け方を説明する説明図である。 図19は、図1の携帯型情報コード読取装置において、使用者に取付部が取り付けられた状態を、使用者の顔の前側から示す説明図である。 図20は、図1の携帯型情報コード読取装置において、ケースに保持部材が取り付けられ、その保持部材にケーブルが保持された状態で装置本体を取付部に取り付けた様子を示す斜視図である。 図21は、図1の携帯型情報コード読取装置において、取付部に取り付けられたケースの向きを微調整する様子を説明する説明図である。 図22は、図1の携帯型情報コード読取装置において、装置本体と電気的に接続される外部装置等を概略的に示す斜視図である。 図23は、図1の携帯型情報コード読取装置において、装置本体を外部機器に接続する様子を説明する説明図である。 図24は、図1の携帯型情報コード読取装置での読取処理の流れを例示するフローチャートである。 図25は、図1の携帯型情報コード読取装置でのキャンセル判定処理の流れを例示するフローチャートである。 図26は、図1の携帯型情報コード読取装置で両手によるジェスチャ動作を撮像する様子を例示する説明図である。 図27は、図1の携帯型情報コード読取装置で撮像された撮像画像において、両手によるジェスチャ動作が撮像範囲に入っているときに抽出される特徴点を概念的に説明する説明図である。 図28は、本発明の第2実施形態に係る携帯型情報コード読取装置でのキャンセル判定処理の流れを例示するフローチャートである。 図29(A)は、本発明の第2実施形態に係る携帯型情報コード読取装置において、キャンセルコマンド入力時の撮像画像の境界とコード画像の関係を示す説明図であり、図29(B)は、第1例のキャンセルコマンド確定のための確認動作を行ったときの撮像画像の境界とコード画像との関係を示す説明図である。 図30(A)は、本発明の第2実施形態に係る携帯型情報コード読取装置において、キャンセルコマンド入力時の撮像画像の境界とコード画像の関係を示す説明図であり、図30(B)は、第2例のキャンセルコマンド確定のための確認動作を行ったときの撮像画像の境界とコード画像との関係を示す説明図である。 図31は、本発明の第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置でのコマンド入力処理の流れを例示するフローチャートである。 図32は、本発明の第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置で、両手によって四角を形作るジェスチャ動作を撮像する様子を例示する説明図である。 図33は、本発明の第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置において、マーカ光照射部からの光の方向及び撮像部による撮像範囲を制御する様子を概念的に説明する説明図である。 図34は、本発明の第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置において、メモリ35に記憶されるコマンドの処理内容と、コマンドに対応付けられた候補動作特定データの内容を概念的に説明する説明図である。 図35(A)は、第3実施形態の変形例に係る読取装置を用いる場合における、読取側の所定の仮想平面での撮像範囲とその撮像範囲内での画像処理領域との関係を概念的に示す図である。図35(B)は、読取側においてジェスチャ動作がなされた場合における、所定仮想平面での撮像範囲とジェスチャ動作との関係を示す図である。 図36(A)は、第3実施形態の変形例1において、ジェスチャ動作によるコマンド処理がなされる前の撮像画像と画像処理領域との関係を示す説明図であり、図36(B)は、ジェスチャ動作によるコマンド処理がなされた後の撮像画像と画像処理領域との関係を示す説明図である。 図37(A)は、第3実施形態の変形例2において、ジェスチャ動作によるコマンド処理がなされる前の撮像画像と画像処理領域との関係を示す説明図であり、図37(B)は、ジェスチャ動作によるコマンド処理がなされた後の撮像画像と画像処理領域との関係を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(基本構成)
図1に示すように、第1実施形態に係る携帯型情報コード読取装置10(以下、単に情報コード読取装置10又は読取装置10とも称する)は、主に、装置本体11と取付部60とによって構成されている。装置本体11は、情報コード100を撮像可能な撮像部23(図2等)と、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部(制御回路40(図2))と、撮像部23及び処理部を保持するケース12とを備えた構成となっている。また、読取装置10は、ケース12と一体的又はケース12とは別体として設けられると共に使用者の顔が向く側を撮像する構成で撮像部23を使用者に取り付ける取付部60を備えている。この取付部60は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部(装着部)62と、ケース12が着脱される装着部66とを有し、使用者の人体に掛けられる構成となっており、ケース12を使用者のいずれか一方の耳に取り付けるように機能するものである。
まず、情報コード読取装置10の電気的構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には二次元コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、ケース12によって外郭が構成され、このケース12内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
図2のように、情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、マーカ光照射部50、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース12内に内装されている。
光学系は、照明光源21、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27、マーカ光照射部50等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、所定色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、ケースに形成された読取口14を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料、情報機器等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図2のような情報コード100が印刷、ダイレクトマーキング、画像表示などによって形成されている。なお、読み取り対象となる情報コード100の種類はバーコードなどの一次元コードであってもよく、QRコード(登録商標)、データマトリックスコート、マキシコードなどの二次元コードであってもよい。また、マーカ光照射部50は、公知のマーカ光源等によって構成されており、照明光源21が光を照射する側と同じ側に、例えば指向性の高いマーカ光Mkを照射するように構成されている。
撮像部23は、情報コード100を撮像可能な受光センサ(例えば、C−MOSやCCD等の受光素子を2次元に配列したエリアセンサ等)によって構成され、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものである。この撮像部23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に配置されている。また、撮像部23は、ケース12の前方側の所定範囲(ケース12を基準として定まる所定の外部範囲)内を撮像する構成となっており、具体的には、所定の前後方向に延びる所定中心軸(受光光軸)を中心とした受光視野範囲内を撮像可能に構成され、例えば、その中心軸を通る縦平面(装置本体11の前後方向及び上下方向と平行な平面)において、中心軸を中心とした所定の広がり角αの範囲内を撮像可能に構成され、その中心軸を通る横平面(装置本体11の前後方向及び横方向と平行な平面)において、中心軸を中心とした所定の広がり角βの範囲内を撮像可能に構成されている。なお、ここでは、撮像部23の撮像範囲の一例を示したが、ケース12を基準として撮像範囲が定まる構成であれば他の例でもよい。また、撮像部23の撮像範囲は、固定範囲でなくてもよく、公知の方法によって撮像範囲が変更可能であってもよい。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケース12に形成された読取口14と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が撮像部23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本構成では、ケース12に形成された読取口14に入射する反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の撮像部23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、撮像部23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置などによって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、撮像部23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等が接続されている。また、通信部48は、有線通信又は無線通信を行う公知の通信インタフェースとして構成されており、ケース12の外側に設けられた外部装置と通信を行い、外部装置への情報送信又は外部装置からの情報受信を行うように機能している。なお、図2の例では、「外部装置」として、情報コード読取装置10の上位システムに相当するコンピュータHST(据置型のパーソナルコンピュータや携帯型のパーソナルコンピュータ等)などの情報処理装置と、例えば無線通信方式にて通信可能に接続されている。なお、外部装置の例はこれに限られず、例えば、読取装置10とケーブル92によって接続された携帯型の情報処理装置と通信可能に接続されていてもよい。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。なお、電池49は、ケース12内に設けられていてもよく、ケース12とケーブル92で接続された携帯型の別機器内に設けられていてもよい。
次に、装置本体11の構成について説明する。
装置本体11は、ケース12の内部に図2に示す各種電子部品が収容されてなるものであり、本構成では、取付部60に対して図1、図3、図4〜図7のように装着可能とされており、図9、図10のように離脱可能とされている。
図12〜図14等に示すように、ケース12は、全体として長手状且つ箱状に構成されている。なお、本構成では、装置本体11の前後方向、幅方向(横方向)、上下方向を以下のように規定する。まず、撮像部23の視野範囲の中心の方向(光軸方向)を前後方向としており、ケース12の長手方向が前後方向となっている。そして、前後方向と直交する方向においてケース12の厚さ方向が幅方向(横方向)となっており、ケース12の対向壁部12aと、対向壁部12aの反対側の壁部(表側の側壁部12b)とが向かい合う方向が幅方向(横方向)となっている。そして、上記前後方向及び幅方向と直交する方向が上下方向となっている。なお、以下では、前後方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、幅方向(横方向)をZ軸方向として説明する。そして、前方向をX軸正方向、後ろ方向をX軸負方向とする。更に、上方向をY軸正方向、下方向をY軸負方向とする。そして、ケース12側から見て取付部60側をZ軸負方向とし、取付部60とは反対側をZ軸正方向とする。
図10、図12〜図14のように、ケース12は、このような定義において前端部に前壁部12cが設けられ、後端部に後壁部12dが設けられている。更に、幅方向(左右方向)一方側(取付部60側)に側壁部(対向壁部12a)が設けられ、これとは反対側に表側の側壁部12bが設けられている。更に、上下方向の一端部には壁部12eが設けられ、上下方向の他端部には壁部12fが設けられている。そして、これら前壁部12c、後壁部12d、側壁部(対向壁部12a)、側壁部12b、壁部12e、壁部12fにより、前後左右及び上下が囲まれる箱状構成で、撮像部23や制御回路40などの電子部品を収容する収容部が構成されている。
また、本構成では、使用者の顔Faを基準として顔Faが向く方向を顔Faの前側、後頭部側を顔Faの後ろ側として説明する。
このケース12は、情報コードからの光を導入可能な読取口14を備えており、この読取口14を覆う構成で光透過性のカバー部材15が設けられている。また、図5、図8等に示すように、ケース12は、取付部60への装着位置から所定方向に延びる延出部17(取付部60に当接する部分から前側に延びる部分)を備え、且つその延出部17における取付部60とは反対側の端部寄りに読取口14が設けられている。そして、この読取口14を覆うカバー部材15が前壁部12cとして構成されている。そして、取付部60は、図3、図8のようにケース12が使用者の顔Faの横位置に配置され且つ読取口14が使用者Pの前側を向く構成で当該ケース12を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。このように、使用者の顔が向く側と同じ側に撮像部23が向くように取付部60によってケース12が取り付けられている。
また、ケース12において上下方向一方側の壁部12eには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42aが設けられており、他方側の壁部12fには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42bが設けられている。これら操作スイッチ42a、42bは、図2の操作スイッチ42を具体的に示すものである。操作スイッチ42aは、トリガスイッチとして機能し、操作スイッチ42bは、トリガスイッチ以外の操作スイッチとして機能している。なお、メモリ35には、操作スイッチ42a,42bのいずれをトリガスイッチとして機能させ、いずれを他のスイッチとして機能させるかを特定する設定情報が記憶されており、操作スイッチ42a,42bは、この設定情報に従って動作するようになっている。また、この設定情報は、ケース12が図23のようにコンピュータなどの外部機器PCに接続された場合に、この外部機器PCによって書き換えることができるようになっている。
また、ケース12の内部には、図15のように照明光を照射する照明光源21、マーカ光を照射するマーカ光照射部50、ケース12の外部を撮像する撮像部23が設けられており、照明光源21からの照明光及びマーカ光照射部50からのマーカ光はいずれも、読取口14を介して前壁部12cからケース12の前側に照射されるようになっている。また、本構成では、撮像部23及び結像レンズ27が上下方向中心部よりもやや上寄りに配置され、受光光軸Gが上下方向中心部よりもやや上寄りに位置している。また、照明光源21は、上下方向中心部よりも下寄りに配置されており、照明光源21と撮像部23の間にマーカ光照射部50が配置されるようになっている。図15のように、前壁部12c寄りの位置には、結像レンズ27、マーカ光照射部50のレンズ50a、照明光源21のレンズ21aが配置されており、照明光源21のレンズ21aよりもマーカ光照射部50のレンズ50aのほうが、結像レンズ27(受光レンズ)に近い位置関係となっている。これにより、マーカ光の経路を、より受光光軸Gに近づけることができるようになっている。
次に、取付部60について説明する。
図1、図3〜図8等に例示されるように、取付部60は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部62と、ケース12が着脱される装着部66とを備えており、ケース12とは別体として設けられている。この取付部60は、使用者の人体に掛けられて人体に保持される部分であり、具体的には、使用者の首から上の部分において体の構造上突出した部分(以下の例では、両耳部分)に掛けられることで、人体に保持されると共に人体の所定位置に位置決めされるようになっている。図3、図8等に示すように、この取付部60は、ケース12が使用者の顔Faの横位置に配置されると共に使用者の顔Faが向く側に読取口14が向く構成でケース12を少なくとも使用者の耳Eyに取り付ける構成となっている。
身体装着部62は、少なくとも一部が使用者に直接接触して装着される部分であり、具体的には、使用者の両耳に掛けられる耳掛け部として構成されている。この身体装着部62は、図1、図4〜図7のように、使用者に取り付けられていない被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成され、可撓性の構造となっている。この身体装着部62は、後述する右側装着部70及び左側装着部80のそれぞれに両端部がそれぞれ連結された構成となっており、全体として略U字状の構成となっている。この身体装着部62には、使用者への装着時に上方側に凸となるように右側装着部70寄りの隣接位置に湾曲して形成された右耳取付部(右耳掛け部)62aと、右耳取付部62aから離れて形成されると共に上方側に凸となるように左側装着部80寄りの隣接位置に湾曲して形成された左耳取付部(左耳掛け部)62bと、これら右耳取付部62aと左耳取付部62bとを連結する中間連結部62cとを備えている。中間連結部62cは、図3等のように取付部60を使用者の耳に掛けて装着したときに、使用者の後頭部又は首に当てられるように巻き付く部分である。
装着部66は、使用者の顔の右側に配置されると共にケースを着脱可能な右側装着部70と、使用者の顔の左側に配置されると共にケースを着脱可能な左側装着部80とを有している。本構成では、身体装着部62において、使用者の右耳に掛けられて右耳に支持される右耳取付部62a(右耳取付部62aは、被支持部の一例に相当)から前側延出部63aが前側(中間連結部62cとは反対側)に延びている。そして、右側装着部70は、身体装着部62における前側延出部63aの先端部に連結されてケース12を保持する保持部として機能している。この構成では、図3、図8のように使用者に取付部60を取り付けた取付時に、前側延出部63aが右耳取付部62a(被支持部)よりも前側に延びて配置され、右耳取付部62a(被支持部)を支持する使用者の右耳の耳孔よりも前位置に右側装着部70(保持部)が配置される構成となっている。
右側装着部70(保持部)は、図3、図8のような人体への装着時に右耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部71と、裏面部71の反対側に配置された表面部72とを備えている。裏面部71と表面部72は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部71の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部72の外面(ケース12の取付時にケース12と接触する面)とが略平行になっている。裏面部71と表面部72の間の厚さは、右耳取付部62aの太さよりも大きくなっており、図5等に示すように、表面部72側が、右耳取付部(右耳掛け部)62aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される右側装着部70により、ケース12を表面部72で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図4等に示すように、右側と同様、身体装着部62において、使用者の左耳に掛けられて左耳に支持される左耳取付部62b(左耳取付部62bは、被支持部の一例に相当)から前側延出部63bが前側(中間連結部62cとは反対側)に延びている。そして、左側装着部80は、身体装着部62における前側延出部63bの先端部に連結されてケース12を保持する保持部として機能している。この構成では、図3、図8のように使用者に取付部60を取り付けた取付時に、前側延出部63bが左耳取付部62b(被支持部)よりも前側に延びて配置され、左耳取付部62b(被支持部)を支持する使用者の左耳の耳孔よりも前位置に左側装着部80(保持部)が配置される構成となっている。
左側装着部80(保持部)は、図3、図8のような人体への装着時に左耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部81と、裏面部81の反対側に配置された表面部82とを備えている。裏面部81と表面部82は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部81の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部82の外面(ケース12の取付時にケース12と接触する面)とが略平行になっている。裏面部81と表面部82の間の厚さは、左耳取付部62bの太さよりも大きくなっており、図5等に示すように、表面部82側が、左耳取付部(左耳掛け部)62aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される左側装着部80により、ケース12を表面部82で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図10、図11、図13のように、ガイド部50は、取付部60に設けられた各装着部66に対してケース12を着脱可能に連結し、且つその連結の際に各装着部66に対するケース12の姿勢が所定姿勢となるようにガイドするように機能する。このガイド部50は、ケース12側に設けられた2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と、右側装着部側(右側装着部70側)に設けられた少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部73a,第2右側連結部73b)と、左側装着部側(左側装着部80側)に設けられた少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部83a,第2左側連結部83b)とを備えている。そして、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部73a,第2右側連結部73b)とがそれぞれ連結されることによりケース12が右側装着部70に取り付けられ、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部83a,第2左側連結部83b)とがそれぞれ連結されることによりケース12が左側装着部(第1左側連結部83a,第2左側連結部83b)に取り付けられる構成となっている。
図10、図11、図13のように、本構成では、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と2つの右側連結部(第1右側連結部73a,第2右側連結部73b)が第1ガイド部に相当し、右側装着部70に対してケース12を着脱可能に連結し、且つ右側装着部70に対してケース12を連結した際に右側装着部70に対するケース12の姿勢が第1所定姿勢となるようにガイドする。また、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と、2つの左側連結部(第1左側連結部83a,第2左側連結部83b)が、第2ガイド部に相当し、左側装着部80に対してケース12を着脱可能に連結し、且つ左側装着部80に対してケース12を連結した際に左側装着部80に対するケース12の姿勢が第2所定姿勢となるようにガイドする。
図10、図11、図13のように、本構成では、2つのケース側連結部として、永久磁石として構成される第1ケース側連結部51と、永久磁石として構成される第2ケース側連結部52とが設けられる。また、2つの右側連結部として、永久磁石として構成される第1右側連結部73aと、永久磁石として構成される第2右側連結部73bとが設けられ、2つの左側連結部として、永久磁石として構成される第1左側連結部83aと、永久磁石として構成される第2左側連結部83bとが設けられる。そして、第1ケース側連結部51は、第1右側連結部73a及び第1左側連結部83aと極性が異なり、且つ第2右側連結部73b及び第2左側連結部83bと極性が同じであり、第2ケース側連結部52は、第2右側連結部73b及び第2左側連結部83bと極性が異なり、第1右側連結部73a及び第1左側連結部83aと極性が同じになっている。
この構成では、第1ケース側連結部51と第1右側連結部73aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部51と第1右側連結部73aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1右側連結部73aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52と第2右側連結部73bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部52と第2右側連結部73bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2右側連結部73bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部51と第2右側連結部73bとが同極性であり、第2ケース側連結部52と、第1右側連結部73aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成され、第2右側連結部73bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成され、第1右側連結部73aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
右側と同様に、第1ケース側連結部51と第1左側連結部83aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部51と第1左側連結部83aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1左側連結部83aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52と第2左側連結部83bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部52と第2左側連結部83bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2左側連結部83bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部51と第2左側連結部83bとが同極性であり、第2ケース側連結部52と、第1左側連結部83aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成され、第2左側連結部83bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成され、第1左側連結部83aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
このようなガイド部50によってケース12を各装着部66に取り付けることができるようになっており、取付時にケース12の向き(即ち、読取方向の向き)が安定するようになっている。また、装着部66及びガイド部50により、ケース12の前側部分(ケース12において、装着部66に支持される部分よりも前側に延び出た延出部)が使用者の耳から少なくとも前側に延びる構成でケース12を使用者の耳に取り付けることができるようになっている。
また、ケース12における使用者側の側壁部(対向壁部12a)には、右側装着部70に形成された右側被嵌合部(表面部72)と嵌合可能に構成され、左側装着部80に形成された左側被嵌合部(表面部82)と嵌合可能に構成された底の浅い穴状(具体的には、ケース内側に凹んだ形状)の段差部13(嵌合部)が形成されており、ケース12が右側装着部70に取り付けられる時に、段差部13(嵌合部)と右側被嵌合部(表面部72)とが嵌合し、ケース12が左側装着部80に取り付けられる時に、段差部13(嵌合部)と左側被嵌合部(表面部82)とが嵌合する構成となっている。そして、凹んだ形状の段差部13の奥底部に2つのケース側連結部51、52が配置されており、嵌合時には表面部72又は表面部82が段差部13の凹みの内部に入り込み、その段差部13の奥底部に当接して嵌合するようになっている。これにより、磁石による位置保持だけでなく、嵌合による位置保持もなされ、装着時にケース12が大きく位置ずれしにくくなっている。特に、操作スイッチ42aや操作スイッチ42bを押したときの位置ずれ抑制効果が高い構造となっている。
また、ケース12において取付部60に取り付けられる側の壁部(対向壁部12a)には、音を導出する複数の導出孔20が形成されている。この導出孔20は、ケース12の内部に設けられた発音部44(スピーカ等:図2)で発せられた音を外部に導出する放音孔として機能している。本構成では、ケース12が取付部60に取り付けられた取り付け時には、取付部60の一部をなす被覆部(具体的には、表面部72,82)によって導出孔20の少なくとも一部(例えば全部)が覆われ、ケース12が取付部60から取り外された取り外し時には、導出孔20において取り付け時に被覆部によって覆われる部分が露出する構成となっている。例えば、図3等のように、ケース12が、右側装着部70に取り付けられたときには、右側装着部70の表面部72によって導出孔20の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース12が右側装着部70から取り外された取り外し時には、導出孔20において取り付け時に表面部72によって覆われる部分が露出する構成となっている。左側も同様であり、ケース12が、左側装着部80に取り付けられたときには、左側装着部80の表面部82によって導出孔20の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース12が左側装着部80から取り外された取り外し時には、導出孔20において取り付け時に表面部82によって覆われる部分が露出する構成となっている。なお、図13における二点鎖線66aの位置が、ケース12を装着部66に取り付けているときに表面部72又は表面部82に接触し、表面部72又は表面部82によって覆われる位置である。
また、本構成では、図12〜図14のように、装置本体11を取付部60から取り外し、取付部60とは別で装置本体11を使用したり、メンテナンスしたりすることができる。そして、この装置本体11は、ケース12に対して、ケーブル92を保持する保持部材90が取り付けられた構成となっており、この保持部材90は、図9、図16のように、着脱が可能な構成となっている。また、この保持部材90には、ケーブル92と嵌合してケーブル92を支持するケーブル支持部91が形成されており、図14のように、ケーブル支持部91からケーブル92を取り外して使用したり、管理したりすることもでき、図17、図20のように、ケーブル支持部91でケーブル92を保持して使用したり、管理したりすることもできるようになっている。また、本構成では、図21のように、ケーブル支持部91が被取付部(ケース12において、取付部60に保持される部分)の真裏の位置に配置され、ケーブル支持部91によってケーブル92がモーメントの中心部付近で保持されるため、ケーブル92が引っ張られたとしても、ケース12の向きが矢印のように変化しにくい構成となっている。
読取装置10を使用者に取り付ける場合、図18、図19のように、先に取付部60を使用者の両耳に掛け、その後、例えば図3、図8のように、右側装着部70又は左側装着部80のいずれかに装置本体11を取り付けるようにすれば、迅速且つ容易に取り付けることができる。また、このような方法に限られず、図20のように組み付けた後に、読取装置10を使用者に取り付けるようにしてもよい。
本構成に係る読取装置は、図3、図8のような装着方法、使用方法に限られず、様々な使用方法で使用することができる。例えば、ケーブル92に接続される外部装置D(図22)は、図3のように、腰に掛けて使用してもよく、使用者のそれ以外の部分に装着して使用してもよい。例えば、外部装置Dをズボンのポケットに入れて使用してもよい。
また、本構成では、図22のように、ケーブル92は、外部装置D(読取作業の使用時に用いられる外部装置)に着脱可能に取り付けられるようになっており、図23のように、外部装置Dから取り外して外部装置Dとは異なる外部機器PCなどにも接続できるようになっている。外部装置Dの機能な様々であるが、装置本体11に電力を供給する供給源として機能していてもよく、装置本体11から情報(装置本体11で情報コードを解読したときの解読データ等)を記憶する記憶媒体として機能していてもよい。或いは、外部装置DにCPU等の制御回路を搭載しておき、撮像部23で撮像されたコード画像を外部装置Dでデコードするようにしてもよい。
(読取処理)
次に、本構成に係る読取装置10による情報コード100の読取処理について説明する。読取装置10では、例えば図24のような流れで読取処理が行われる。図24の読取処理は、所定のトリガ条件の成立毎に、又は所定の開始条件の成立後に継続的に情報コードの読み取り処理を行うことができるようになっている。例えば、操作スイッチ42が押されたことを撮像開始のトリガとし、操作スイッチ42が押された後に継続的に撮像部23による撮像処理を行い、情報コードが撮像部23の撮像範囲に入り込む毎にその情報コードを読み取るようにしてもよい。
なお、撮像部23による撮像開始のトリガは操作スイッチ42による上述の方法に限られない。例えば、操作スイッチ42とは異なるセンサ部46によって所定状態が検出されたことを条件として読み取りを開始するようにしてもよい。具体例としては、ケース12の前方方向に物体が近接したことを検出する公知の近接センサを設け、物体が近接したときに照明光源21及びマーカ光照射部50や撮像部23を動作させて撮像し、解読を行うような例が挙げられる。或いは、マイクから入力され音声を解析し、所定音声に該当するか否か(例えば一定量以上の音量が検出されたか否か、或いは所定波形の音声が検出されたか否か)を判断するようにすればよい。この場合、この判断処理は、読取装置10で行ってもよく、外部装置で行ってもよい。
読取装置10では、上述したようなトリガ動作による撮像開始に伴い、撮像部23によって継続的に撮像範囲を撮像し、画像の取り込み処理を行う(S1)。S1の処理では、継続的に撮像される各撮像画像に対して所定の解析処理を行い、予め定められた1又は複数種類の情報コードの認識を試みる。例えば、公知のQRコード(登録商標)が読取対象として予定されている場合、QRコードで定められた公知の方式で位置検出パターンの検出を試み且つ情報コードの外形を認識する。また、データマトリックスコードなどが読取対象である場合も同様であり、データマトリックスコードで定められた公知の方式で情報コードの外形を認識する。或いは、一次元バーコードが読取対象として予定されている場合、例えば、公知のラベリング処理を行ってコードらしき領域を認識してもよい。そして、このように認識された情報コード100に対して制御回路40が公知のデコード処理を行い、この情報コード100を解読する(S2)。そして、S2でデコードが成功した場合には、S3でYesに進み、後述するコマンド判定処理を行う(S4)。一方で、S2でデコードが失敗した場合には、S3でNoに進む。この処理では、S3でデコードが成功したと判定されるまで、S1〜S3の処理が繰り返されることになる。なお、S3でデコード失敗と判定された場合、所定のエラー報知(例えば、所定のブザー音などによるエラー報知)等を行うようにしてもよい。
本構成では、制御回路40が「第1処理部」の一例に相当し、少なくとも撮像部23によって情報コード100が撮像された場合に、当該情報コード100の画像に対する所定の第1処理を行うように構成されている。なお、上述の例では第1処理部に相当する制御回路40が行う「第1処理」として情報コードの画像を解析し、情報コードに記録されたデータを解読するデコード処理を挙げているが、第1処理は、撮像された情報コードの画像に対する処理であればよい。例えば、情報コードの画像が撮像された場合に、その画像をメモリ35に記憶する記憶処理であってもよく、情報コードの画像が撮像された場合に、その情報コードのデコードを試みた場合のデコード結果(デコードによって得られた解読データやデコードが失敗した旨の履歴データなど)をメモリ35に記憶する処理であってもよい。或いは、情報コードの画像が撮像された場合に、その情報コードのデコードを試み、デコード結果を発音部44などによって発音して報知する処理であってもよい。或いは、「第1処理」は、情報コードの画像が撮像された場合に、撮像された情報コードの画像をケース12から離れた外部装置に対して送信(例えば、公知の無線通信方式などを用いた送信)を行う処理であってもよく、情報コードの画像が撮像された場合に、その情報コードについての上述のデコード結果(デコードによって得られた解読データやデコードが失敗した旨の履歴データなど)を外部装置に対して送信する処理などであってもよい。また、上述の「第1処理」は、少なくとも撮像部23によって情報コードCが撮像された場合に実行されればよい。例えば、公知の方法で、撮像画像内に情報コードが存在することが推認された場合(例えば、情報コード内の固有のパターン(例えば、QRコード(登録商標)の切り出しシンボルや、データマトリックスコードのアライメントパターンなど)が認識された場合や、公知のラベリング処理などによってコードらしき領域が認識された場合など)に「第1処理」が行われてもよく、撮像部23によって撮像された画像全てに対して「第1処理」が実行されてもよい。
次に、S4で行われるコマンド判定処理について、図25を用いて説明する。なお、ここでは、コマンド判定の一例として、デコード後にコマンド判定を行う例を代表例として説明するが、コマンド判定の方法やタイミングは様々に変更できる。
読取装置10では、図24のS4のコマンド判定処理を、例えば図25のような流れで行う。このコマンド判定処理では、S3でデコードが成功したと判定された後、予め定められたコマンド待ち時間T1が経過したか否か判断する(S11)。なお、コマンド待ち時間T1は任意に定めることができ、例えば、数分の固定時間であってもよく、数十秒の固定時間であってもよい。具体的には、S11では、S3でデコードが成功したと判定された時点からの経過時間がコマンド待ち時間T1に達したか否かを判断しており、その経過時間がコマンド待ち時間T1に達した場合にはS11にてYesに進み、そうでない場合にはS11にてNoに進む。
S11にてYesに進む場合には、所定の事後処理を行い(S12)、図25に示すコマンド判定処理を終了する。なお、S12の事後処理は様々であり、例えば、S2で解読した解読データ(情報コード100に記録されたデータ)を外部装置(例えば図2のホストコンピュータHSTなど)に転送する処理などであってもよく、S2で解読した解読データをメモリ35に記憶して蓄積する処理等であってもよい。
一方、S11にてNoに進む場合には、そのNoと判定された時点から撮像部23によって撮像される撮像画像を取り込む(S13)。例えば、図26で示すように、S13の撮像処理が行われる時点から継続的に使用者がケース12の前方方向(具体的には、撮像部23の撮像範囲内)において両手を用いたジェスチャ動作を行っている場合、S13では、そのジェスチャ動作を図2に示す撮像部23で撮像し、ジェスチャ動作の画像を取り込む。なお、図26の例では、使用者がケース12の前方側において撮像部23の撮像範囲内で、両手の人差し指を用いてバツ印を形成するジェスチャを行っており、S13ではこのようなジェスチャ動作が撮像され、その撮像画像のデータ(動作画像のデータ)が例えばメモリ35に一時的に記憶される。
S13で画像の取り込みを行った後には、S13で得られた撮像画像に対する解析処理を行い、動作画像領域の特定を試みる(S14)。このS14の解析処理では、例えば、S13で取り込まれた画像の中から使用者が行っている動作領域と推定される動作画像領域AR1を特定する。具体的には、例えば、外縁が特定図形(例えば三角形)となっている領域を抽出したり、或いは、外縁の明暗変化、色変化が激しい領域を抽出したりすることで行うことができる。なお、画像処理の分野において異なる色の領域を区別する技術は各種提供されているため、これら公知の方法を用いて領域を特定してもよい。以下では、その一例として人間の肌の色と推定される所定色の領域又は所定の色範囲の領域を動作画像領域AR1として特定する例を代表例として説明する。
例えば、S13の取り込み処理において、図26に示すような両手の人差し指を用いたバツ印のジェスチャ動作の画像を取り込んだ場合、図27に示すような動作画像が得られる。この場合、S14の解析処理では、図27に示すように、撮像範囲FR1内において両手の外縁によって囲まれる動作画像領域AR1が特定される。
S14で解析処理を行った後には、S13で取り込まれた画像(即ち、S13で撮像部23によって撮像された画像)が、予め定められた候補動作に該当する該当動作の画像であるか否か判定する(S15)。即ち、S14で特定された動作画像領域AR1に示される動作が、メモリ35において読取装置10の処理内容と対応付けられた状態で記憶されている候補動作特定データに該当する該当動作であるか否か判定する。
なお、制御回路40は、「判定部」の一例に相当し、予め1又は複数の候補動作が定められ、撮像部23によって撮像された画像が候補動作(ジェスチャ動作)に該当する該当動作の画像であるか否かを判定する構成となっている。
ここで、メモリ35に記憶されたデータである、候補動作を特定するデータ(候補動作特定データ)について説明する。メモリ35には、1又は複数種類の候補動作特定データが予め記憶されており、候補動作特定データと対応付けた状態でコマンドが記憶されている。メモリ35に記憶される候補動作特定データは、候補動作を特定できるデータであればよく、各動作の基本図形を表す図形データ(パターンデータ)であってもよく、各動作の基本図形から所定の抽出方式で抽出した複数の特徴点の座標データなどでもよい。例えば、候補動作が「手を用いたジェスチャ動作」であれば、候補動作特定データには、手を用いたジェスチャ動作(例えば、両手を用いた両手動作)を特定するデータが含まれ、具体的には、手を用いたジェスチャ動作の基本図形データ、或いは手を用いたジェスチャ動作の基本図形から所定の抽出方式で抽出した複数の特徴点の座標データなどが含まれることになる。そして、この場合、メモリ35には、「手を用いたジェスチャ動作」を特定する候補動作特定データと対応付けられた形で、ジェスチャ対応コマンド(両手を用いた両手動作の場合は両手対応コマンド)が記憶される。
なお、以下では、候補動作特定データとして、ジェスチャ動作の基本図形データが記憶される場合を主たる代表例として説明する。この代表例では、メモリ35において複数の各候補動作(ジェスチャ動作)の基本図形のデータが記録されている。例えば、候補動作A(ジェスチャ動作A)に関しては、この候補動作A(ジェスチャ動作A)の基本形状の外形を示す外形データが候補動作Aの基本図形データ(候補動作特定データ)として記憶され、候補動作B(ジェスチャ動作B)に関しては、この候補動作B(ジェスチャ動作B)の基本形状の外形を示す外形データが候補動作Bの基本図形データ(候補動作特定データ)として記憶され、候補動作C(ジェスチャ動作C)に関しては、この候補動作C(ジェスチャ動作C)の基本形状の外形を示す外形データが候補動作Cの基本図形データ(候補動作特定データ)として記憶されている。また、その他の候補動作についても、同様に候補動作特定データが記憶されている。
ここで、S15での具体的内容について説明する。S15では、S14で特定された動作画像領域に示される動作と、メモリ35に記憶された1又は複数種類の候補動作特定データによって特定される動作と、を照合する処理を行う。例えば、上述したように、メモリ35に複数種類の候補動作特定データが記憶され、各候補動作特定データが、各候補動作の基本図形データ(例えば、基本形状の外形を示す外形データ)として構成されている場合、S15では、S14で特定された動作画像領域の外形形状が、メモリ35に記憶される各候補動作特定データで特定される各候補動作の基本図形(基本形状の外形)のいずれかと一致するか否かを、公知のパターンマッチング法などによって判定する。そして、S14で特定された動作画像領域の外形形状と、メモリ35に記憶されるいずれかの候補動作特定データで特定される候補動作の基本図形(基本形状の外形)とが、公知のパターンマッチング法などによって一致状態であると判定された場合、S15にてYesに進み、その一致状態と判定された候補動作特定データと対応付けられたコマンドを実行する(S16)。なお、S15において、一致状態と判定されなかった場合(例えば、S14で特定された動作画像領域の画像が、メモリ35に記憶された複数の候補動作特定データにおけるいずれの候補動作の基本図形とも一致しなかった場合、或いはS14において動作画像領域が正常に特定できなかった場合など)には、S15でNoに進み、S11でコマンド待ち時間T1を経過していると判定されるまで、あるいは、S15において上述の一致状態と判定されるまで(即ち、S15でYesに進むまで)、S11〜S15の処理を繰り返す。
ここで、具体例として、図26で示すような両手動作(即ち、両手の人差し指を用いてバツ印を形成するジェスチャ動作)が「所定のキャンセル処理を指示する所定のキャンセル動作」に該当する場合について詳述する。図26で示すような両手動作が「所定のキャンセル動作」に該当する例では、図26で示すような両手を用いたジェスチャ動作の基本となる基本図形データ(具体的には、当該ジェスチャ動作の基本形状として定められた所定形状の外形を特定するデータ)が、図26で示すような両手動作を特定する候補動作特定データとしてメモリ35に記憶されている。そして、このような候補動作特定データ(両手動作を特定するデータ)と対応付けられた形で所定のキャンセルコマンドがメモリ35に記憶されている。
この例では、図26のような候補動作(キャンセル動作)がなされ、S14において図27のような動作画像領域AR1が特定され、S15において、この動作画像領域AR1で示される動作と、メモリ35に記憶された1又は複数種類の候補動作特定データによって特定される動作と、を照合する処理が行われ、S15において、S14で特定された動作画像領域AR1の外形形状が、メモリ35に記憶される候補動作特定データ(上述のキャンセルコマンドと対応付けられたデータ)で特定される候補動作の基本図形(基本形状の外形)とが、公知のパターンマッチング法などによって一致状態であると判定された場合、S15にてYesに進み、その一致状態と判定された候補動作特定データと対応付けられたキャンセルコマンドを実行する(S16)。なお、候補動作特定データ(両手動作を特定するデータ)と対応付けられた形で記憶されるキャンセルコマンドは、既に行われた処理に対する何らかのキャンセルを行うコマンドであればよい。このキャンセルコマンドの例としては、例えば、現在行われているS4のコマンド判定処理(キャンセル判定処理)の直近で行われたS2のデコード結果(直近のS1で得られた情報コードを解読した解読データ)をメモリ35に記憶する処理を中止する中止コマンド(デコード結果の記憶前にその記憶を中止するコマンドや、記憶済みのデコード結果を消去するコマンドなど)などが挙げられ、この例では、そのような中止コマンドがS16で実行される。なお、キャンセルコマンドは、上述したようなデコード結果を外部装置に送信する処理を中止するコマンドなどであってもよく、S1で取り込まれた画像そのものを破棄したり、このような画像を外部装置へ送信することを中止したりするコマンドであってもよい。或いは、現在メモリ35に記憶されているデコード結果を一括して消去するようなコマンドであってもよい。
なお、メモリ35は、「コマンド登録部」の一例に相当し、候補動作と対応付けた状態でコマンド(処理内容)を登録する構成となっている。
なお、上述した例では、S15の判定処理として、主に、S14で特定された動作画像領域の画像と、メモリ35に記憶された各候補動作特定データにおける各候補動作の基本図形とをパターンマッチングなどによって比較して一致状態を判定する例を代表例として示したが、S13で取り込まれた画像が候補動作の画像に該当するか否かの判定方法はこの例に限られない。例えば、メモリ35において、候補動作特定データとして、候補動作の基本図形から所定の抽出方式で抽出した複数の特徴点の座標データが記録されるような構成であってもよい。この場合、図25のコマンド判定処理のS14では、S13で撮像された画像の動作画像領域から予め決められた方法で特徴点を抽出すればよく、S15では、得られた特徴点の集合が、いずれかの候補動作特定データの特徴点の集合と一致状態であるか否かを判定すればよい。例えば、図27のような例では、左右の人差し指の先端の座標、左右の中指、薬指、小指の第3関節の上部の座標、両手首の付け根部分の座標を特徴点として抽出するような抽出方法が挙げられる。なお、動作画像から特徴点の座標を自動抽出する方法は、画像認証の分野等で公知となっている様々な方法を用いればよい。一例としては、特許第4640416号、特許第4730812号、特許第4351982号などの方法が挙げられる。いずれにしても、S15では、S14で抽出された特徴点の座標と、メモリ35に記憶された候補動作特定データと、を比較して一致するか否か判断すればよい。
なお、本構成では、制御回路40が「第2処理部」の一例に相当し、制御回路40によって撮像部23での撮像画像が該当動作の画像と判定された場合に、所定のコマンドを実行する構成となっている。具体的には、メモリ35において該当動作に相当する候補動作(両手動作などのジェスチャ動作)と対応付けられたコマンド(両手対応コマンドなどのジェスチャ対応コマンド)を実行する構成となっている。また、制御回路40によって実行される上記コマンド(候補動作と対応付けられたコマンド)は、「第2処理」の一例に相当する。例えば、メモリ35において候補動作特定データと対応付けた状態でキャンセルコマンドが記憶されている場合、このキャンセルコマンドで行われるべきキャンセル処理が上述の「第2処理」に相当することになる。
(第1実施形態の主な効果)
本構成によれば、読取装置10を構成するケース12を使用者の身体又は当該使用者の装着物に取り付け、手で把持することなく撮像部23を情報コード100に向けて読み取りを行い得る構成となっている。そのため、手を把持動作以外の作業等に使いやすくなるため、使用者の作業性を飛躍的に高めることができる。
更に、予め定められた候補動作に該当する該当画像を撮像部23によって撮像することで、制御回路40によって所定のコマンド(キャンセル処理)を実行する構成となっている。そのため、読取装置10に対する指での接触操作の代わりに、予め定められた候補動作に該当する該当画像を撮像することをトリガとして、所望の処理を行うように読取装置10に指示を与えることが可能となる。したがって、使用者が読取装置10を極力手で触らなくても、読取装置10に対する外部指示を与えやすい構成とすることができる。
また、この構成は、特に、手や手に装着された物(手袋等)が読取装置に接触することを極力避けることが望ましい用途(例えば、手や手の装着物に対して読取装置に付着した細菌や異物が接触することを避けるべき用途(例えば食品工場内やクリーンルーム内など)や、手や手の装着物が濡れることが想定される用途など)において特に有用となる。
また、この構成は、据置型の装置に対してモーションによるコマンド入力を行うのではなく、使用者に装着された装置に対してモーションによるコマンド入力を行うものであるため、コマンド入力を行う場所が限定されにくく、より自由に入力作業を行い易くなる。
また、候補動作と対応付けた状態でコマンドを登録するメモリ35を備え、制御回路40は、メモリ35において該当動作に相当する候補動作と対応付けられたコマンドを実行する構成となっている。
この構成では、所望のコマンドを候補動作と対応付けてメモリ35に登録することができる。そして、使用者が所望するコマンドは、当該コマンドに対応付けられた候補動作に該当する該当動作を行うのみの簡易な方法で実行することができる。
また、1又は複数の候補動作には、手を用いた1又は複数のジェスチャ動作が含まれ、制御回路40は、撮像部23によって撮像された画像が、予め定められた1又は複数のジェスチャ動作の画像に該当するかを判定可能に構成され、メモリ35には、ジェスチャ動作に対応付けてジェスチャ対応コマンドが登録されている。そして、制御回路40は、撮像部23で撮像された画像が制御回路40によりジェスチャ動作の画像に該当すると判定された場合に、メモリ35に登録された当該ジェスチャ動作に対応するジェスチャ対応コマンドを実行する構成となっている。
この構成では、手を用いたジェスチャは複数の指の動きに基づいて多様な動作を表現できるため、ジェスチャ動作によって識別可能となるように多様なコマンドをメモリ35に登録することができる。また、手を用いたジェスチャは使用者にとって容易にできる動作であるため、使用者の作業性を高めることができる。更に、手を用いたジェスチャは通常使用者の顔が向く側で行われるため、使用者自身で動作を確認しながら撮像することが可能であり、確実なコマンド入力が可能になる。
また、1又は複数のジェスチャ動作には、両手を用いた1又は複数の両手動作が含まれ、制御回路40は、撮像部23によって撮像された画像が、予め定められた1又は複数の両手動作の画像に該当するかを判定可能に構成され、メモリ35には、両手動作に対応付けて両手対応コマンドが登録されている。そして、制御回路40は、撮像部23で撮像された画像が制御回路40により両手動作の画像に該当すると判定された場合に、メモリ35に登録された当該両手動作に対応する両手対応コマンドを実行する構成となっている。
この構成では、片手を用いたジェスチャに比べ、両手を用いたジェスチャにより多様な動作を表現でき、より多くの多様な識別可能なコマンドをメモリ35に登録することができる。また、両手を用いたジェスチャによって複雑な動作を表現することができるため、このように複雑な両手動作に基づく両手対応コマンドを誤って実行することを防ぎ易くなる。
また、1又は複数の候補動作の中に所定のキャンセル動作が含まれ、制御回路40は、撮像部23によって撮像された画像がキャンセル動作の画像に該当するかを判定可能に構成され、メモリ35には、キャンセル動作に対応付けてキャンセルコマンドが登録されている。そして、制御回路40は、撮像部23で撮像された画像が制御回路40によりキャンセル動作の画像に該当すると判定された場合に、メモリ35に登録された当該キャンセル動作に対応するキャンセルコマンドを実行する構成となっている。
この構成では、キャンセル動作に該当する該当動作の画像を撮像することで、読取装置10における所望の処理をキャンセルすることができる。そのため、誤って不要なコマンドを入力した場合でも、ユーザが読取装置10を極力手で触らずに適切なタイミングで当該不要なコマンド処理をキャンセルすることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、図28に示すコマンド判定処理のみが第1実施形態の読取処理(図24)と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下では読取処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る読取装置10では、第1実施形態と同様に図24の読取処理を行い、S1〜S3については、第1実施形態と同一の内容となっている。よって、S1〜S3の処理については詳細な説明は省略する。
第2実施形態の読取装置10では、S4のコマンド判定処理を、図25の流れに代えて、図28の流れで行う。図28のコマンド判定処理において、S201〜S205の各処理は、第1実施形態のS11〜S15の各処理とそれぞれ同一である。このコマンド判定処理でも、S14と同一のS204の処理において、動作画像領域の特定を行っており、例えば、S203にて図26のような動作が撮像される場合には、図27と同様の動作画像領域AR1が図29(A)のように認識されることになる。そして、S15と同一のS205の処理において、候補動作に該当するか否かを判定しており、S204で特定された動作画像領域に示される動作と、メモリ35に記憶された1又は複数種類の候補動作特定データによって特定される動作と、を照合する処理を行う。例えば、メモリ35に複数種類の候補動作特定データが記憶され、各候補動作特定データが、各候補動作の基本図形を表すデータとして構成されている場合、S205では、S204で特定された動作画像領域の形状が、メモリ35に記憶される各候補動作特定データで特定される各候補動作の基本図形のいずれかと一致するか否かを、公知のパターンマッチング法などによって判定する。そして、S204で特定された動作画像領域の形状と、メモリ35に記憶されるいずれかの候補動作特定データで特定される候補動作の基本図形とが、公知のパターンマッチング法などによって一致状態であると判定された場合、S205にてYesに進む。
そして、S205でYesに進む場合、S206では、所定の確認処理待ち時間T2が経過したか否か判断する(S206)。即ち、確認処理待ち時間T2を設定し、時間T2の設定後の経過時間が時間T2に至るまでの時間計測を開始する。確認処理待ち時間T2は予め定められた時間であり、例えば数秒或いは数十秒の固定時間とする。確認処理待ち時間T2の設定後の経過時間が、確認処理待ち時間T2を経過している場合には、S206にてYesに進む。なお、S206にてYesに進む場合には、S201に戻り、キャンセル判定処理を再び行う。
一方、S206の判断処理において、確認処理待ち時間T2の設定後の経過時間が確認処理待ち時間T2を経過していないと判断される場合には、S206にてNoに進み、確認動作を検出する処理を行う(S207)。S207の処理では、予め定められた確認動作を所定の方法で検出する。S207での確認動作の検出方法は様々であり、その一例としては首振り動作の検出などが挙げられる。S207での首振り動作の検出としては、例えば、S204で図29(A)のように特定された動作画像領域AR1の所定の基準位置(図29の例では、指で形成されたバツ印の交差位置)が、画像領域FR内において時間T2以内に、上方向への一定量以上の移動と、下方向への一定量以上の移動とが所定回数繰り返されたか否かの検出を試みればよい。
このようなS207の処理の後、S207にて確認動作が検出されない場合には、S208でNoに進み、S206で確認処理待ち時間T2を経過していると判定されるまで、或いは、S208で確認動作が検出されたと判定されるまで、S206〜S208の処理を繰り返す。一方、S207において確認動作が検出された場合(上述の例では、上記基準位置の画像内での上方向への一定量以上の移動と、下方向への一定量以上の移動とが所定回数繰り返されたことが検出された場合)には、S208にてYesに進み、S205で一致状態と判定された候補動作特定コマンド対応付けられたコマンドを実行する。なお、このコマンドが第1実施形態と同様のキャンセルコマンドであれば、第1実施形態と同様の方法でキャンセル処理を行えばよい。
なお、本構成では、制御回路40が「検出部」の一例に相当し、撮像部23によって撮像された画像が予め定められた確認動作の画像となったことを検出する構成となっている。
なお、本構成では、制御回路40が「第2処理部」の一例に相当し、撮像部23での撮像画像を該当動作の画像と判定した場合、確認動作を検出したことを条件としてコマンドを実行する構成となっている。
(第2実施形態の主な効果)
撮像部23によって撮像された画像が予め定められた確認動作の画像となったことを検出する制御回路40を備え、制御回路40は、制御回路40によって撮像部23での撮像画像が該当動作の画像と判定された場合、制御回路40によって確認動作の画像が検出されることを条件としてコマンドを実行する構成となっている。
この構成では、制御回路40によって予め定められた確認動作の画像の検出があってはじめてコマンドを行うことで、コマンド実行の確定のためのユーザの意思に基づく動作が必須となり、誤ったコマンドの指示を防ぎ易くなる。
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態の代表例では、S207での確認動作の検出方法の一例を示したが確認動作の検出方法は上述した例に限られない。変更例1としては、例えば、S204で特定した動作画像領域AR1の撮像範囲FR1内における位置の変化が、予め定められた位置変化に該当する場合に、確認動作が検出されたと判定する方法であってもよい。例えば、図29(A)に示すように、S204で認識された動作画像領域AR1の中心C1の位置が領域B1内に位置している状態と、図29(B)に示すように、動作画像領域AR1の中心C1の位置が領域B2(領域B1に対して+Y方向に位置する領域)内に位置している状態とが、時間T2以内に複数繰り返された場合に、確認動作が検出されたものと判定してもよい。
S207で確認動作を検出する方法の変更例2としては、例えば、S204で特定した動作画像領域AR1の撮像範囲FR1内におけるサイズの変化が、予め定められた所定のサイズ変化に該当する場合に、確認動作が検出された判定する方法であってもよい。例えば、図30(A)に示すようなS204で認識された動作画像領域AR1のサイズに対して、図30(B)のように動作画像領域AR1のサイズが一定割合以上大きくなるような変化が時間T2以内に生じた場合に、確認動作が検出されたと判定してもよい。
S207で確認動作を検出する方法の変更例3としては、四肢の動きを検出する方法などが挙げられる。具体的には、腕の交差、腕回し、足の動き(つま先を立てたり、右足を伸ばす動き等)などを検出する方法などが挙げられる。なお、腕の交差、腕回し、足を伸ばす動きなどは、そのような画像が撮像部で撮像されたか否かに基づいて判定することができる。
S207で確認動作を検出する方法の変更例4としては、撮像部23以外のセンサを用いる方法などが挙げられる。例えば、ジャイロセンサやその他の加速度センサなどを設け、このようなセンサによって所定の検出結果が得られた場合に、確認動作(首振りや首回しなど)が発生したと判定してもよい。なお、所定の検出結果は、首振りや首回しを行った場合に想定される検出結果であればよく、例えば、一定時間以内に水平方向に対する装置の向きが一定角度以上変化するような検出結果が得られた場合に、確認動作が検出されたと判定し、S208でYesに進むような例が挙げられる。
S207で確認動作を検出する方法の変更例5としては、目の動き(瞬きや眼を強く閉じる動作等)や眼付近の皮膚の動きが所定の動きになったことを、公知の瞬きセンサ、瞬きスイッチ、こめかみスイッチなどによって検出する方法等であっても良い。
S207で確認動作を検出する方法の変更例6としては、口の動き、歯の動き、咀嚼、頬の動きなどが所定の動きになったことを、公知の咀嚼センサ、頬センサなどによって検出する方法等であってもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、コマンドの内容及び当該コマンドと対応付けてメモリ35に記憶されている候補動作特定データの内容が第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、以下ではコマンド入力処理について重点的に説明することとし、第1実施形態と同様の他の構成については、詳細な説明を省略する。
(コマンド入力処理)
本構成に係る読取装置10によるコマンド入力処理について図31等を用いて説明する。図31で示すコマンド入力処理は、例えば、図24のような読取処理を行うモードとは異なるモードで実行されてもよく、図24の読取処理中に実行されてもよい。
図31の処理は、所定の開始条件の成立時に実行されるようになっている。例えば、操作スイッチ42に対して所定操作がなされたことを図31の処理開始のトリガとしてもよく、操作スイッチ42とは異なるセンサ部46やマイクなどによって所定状態が検出されたことを条件として図31のような処理を開始するようにしてもよい。或いは、図24の読取処理中に所定画像が撮像されたことを条件として図31のような処理を行うようにしてもよい。
本構成に係る読取装置10では、図31の処理開始に伴い、まず、撮像部23によって所定の撮像範囲を撮像し、撮像範囲内の画像を生成する(S301)。このときにS301で得られた画像のデータは例えばメモリ35に一時的に記憶される。そして、S301で得られた画像に対し、所定の解析処理を行い、動作画像領域の特定を行う(S302)具体的には、S301で取り込まれた動作画像に対し、動作画像領域AR1を特定する処理を第1実施形態のS14(図25)と同様の方法で行う。
例えば、S301の処理の時点で、図32のように、使用者がケース12の前方側に構成される撮像範囲内で、両手の親指と人差し指を用いて四角印を形成するジェスチャ動作を行っている場合、S301ではそのジェスチャ動作の画像が取り込まれる。そして、S302では、S301で取り込まれたジェスチャ動作の画像において、図33のように、撮像範囲FR1内において両手の外縁によって囲まれる動作画像領域AR1が特定される。
次に、S301で撮像部23によって撮像された画像が、予め定めた候補動作に該当する該当動作の画像であるか否か判定する(S303)。即ち、S302で特定された動作画像領域AR1に示される動作が、メモリ35において読取装置10の処理内容と対応付けられた状態で記憶されている候補動作特定データに該当する該当動作であるか否か判定する。なお、動作画像領域AR1に示される動作と、候補動作特定データによって特定される動作と、を照合する処理は、第1実施形態のS15(図25)と同様の方法で行う。
ここで、メモリ35に記憶される候補動作を特定するデータ(候補動作特定データ)、及び候補動作特定データ対応付けられたコマンドについて説明する。メモリ35には、予め複数の候補動作特定データの各々に対応付けて動作別コマンドがそれぞれ登録されている。なお、各候補動作特定データは、例えば各候補動作特定データで特定されるべき各候補動作の基本図形のデータであってもよく、各候補動作特定データで特定されるべき各候補動作の基本図形から抽出した複数の特徴点の座標データであってもよい。
この構成でも、メモリ35に記憶される候補動作特定データとして、手を用いたジェスチャ動作(例えば、両手を用いた両手動作)を特定するデータが含まれ、この手を用いたジェスチャ動作を特定するデータにはジェスチャ対応コマンド(両手を用いた両手動作の場合は両手対応コマンド)が対応付けられている。具体的には、手を用いたジェスチャ動作を特定する候補動作特定データの中に、所定の方向制御動作を特定するデータが含まれ、この方向制御動作にはジェスチャ対応コマンドとしての方向制御コマンドが対応付けられている。例えば、図34に示すように、両手の親指と人差し指を用いた四角印のジェスチャを特定するデータが、光源(マーカ光照射部50)からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲の向きを制御するコマンド1と対応付けてメモリ35に記憶されている。
また、メモリ35には、上記方向制御コマンド以外にも、様々な動作別コマンドが記憶されている。例えば、図34に示すコマンド2のように、左手でグー(握り拳)を作り、右手でパーを作る(手を開く)ジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、照明光源21の動作をオンするコマンドがメモリ35に記憶されている。また、コマンド3として、左手でグーを作り、右手でグーを作るジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、照明光源21の動作をオフするコマンドがメモリ35に記憶されている。また、コマンド4として、左手でグーを作り、右手の指を3本立てるジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、照明光源21の明るさを5段階中の3段階目に設定するコマンドがメモリ35に記憶されている。また、コマンド5として、左手でチョキを作り(左手の人差し指と中指を立てて)、右手の指を3本立てるジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、発音部44の音量を5段階中の3段階目に設定するコマンドがメモリ35に記憶されている。また、コマンド6として、両手の親指と人差し指で一つの円を作るジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、コマンド入力直前に行った処理を繰り返し行うコマンドがメモリ35に記憶されている。また、コマンド7として、左手と右手を2本ずつ立て、バツ印を作るジェスチャ動作の候補動作特定データに対応付けて、2つ前の読取結果をキャンセルするコマンドがメモリ35に記憶されている。なお、これらのコマンド1〜7によって行われる処理以外にも、読取装置10で行われるその他の様々な処理に関する処理内容を、候補動作特定データに対応付けてメモリ35に記憶してもよい。
本構成でも、メモリ35は、「コマンド登録部」の一例に相当し、複数の候補動作(両手動作などのジェスチャ動作)の各々に対応付けて動作別コマンド(両手対応コマンドなどのジェスチャ対応コマンド)がそれぞれ登録されている。また、動作別コマンドの中には、方向制御動作に対応付けてマーカ光照射部50からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲の向きを制御するための方向制御コマンド(例えばコマンド1)が含まれている。また、メモリ35に記憶される処理内容は、図34に示すようなコマンド1〜7における処理内容以外にも、読取装置10で行われるその他の処理内容(例えば、マーカ光のオン動作など)であってもよい。また、メモリ35に記憶される候補動作特定データは、図34に示すようなコマンド1〜7における候補動作特定データ以外にも、候補動作特定データとして認識可能なその他の候補動作特定データ(例えば、右手の人差し指と親指で円を作るジェスチャ動作を特定するデータ)であってもよい。
S303の判定処理において、S301で撮像された画像が候補動作に該当する該当動作の画像でないと判定される場合には、S303でNoに進み、S303で候補動作に該当する該当動作の画像であると判定されるまで、S301〜S303の処理を繰り返す。一方で、S303で、S301で撮像部23によって撮像された画像が、候補動作に該当する該当動作の画像であると判定される場合には、S303でYesに進み、その該当動作に対応するコマンドを実行して(S304)、コマンド入力処理を終了する。S304では、S303で該当した候補動作特定データに対応付けられた処理内容を読取装置10が実行する。
なお、制御回路40は、「第2処理部」の一例に相当し、撮像部23で撮像された画像が制御回路40により複数の候補動作(両手動作などのジェスチャ動作)のいずれかに該当する該当動作の画像であると判定された場合に、メモリ35に登録された当該該当動作に対応する動作別コマンド(例えば、両手対応コマンドなどのジェスチャ対応コマンド)を実行する構成となっている。
以下、図34のコマンド1に関する処理内容について説明する。S301で図32に示すような両手の親指と人差し指を用いた四角印のジェスチャ動作の画像を取り込んだ場合、図33に示すような動作画像が得られる。そして、S302では、図33に示すように、撮像範囲FR1内において両手の外縁によって囲まれる動作画像領域AR1が特定される。S303では、制御回路40が、撮像部23によって撮像された画像が方向制御動作の画像に該当すると判定し、メモリ35に登録された当該方向制御動作に対応する方向制御コマンドを実行する。S301で撮像した時点の撮像範囲FR1の中心C1、及びマーカ光の照射領域Mk1の動作画像領域AR1に対するそれぞれの相対的な位置は、図33に示すようになっている。そして、S304におけるコマンドの実行では、マーカ光照射部50からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲FR1の向きを制御する処理を行う。なお、本構成の読取装置10では、照明光源21の光の照射方向、撮像部23の向き、結像レンズ27の向き、及びマーカ光照射部50の光の照射方向は調整可能に構成されており、例えば、モータなどによって構成される公知の駆動部(図示略)によって方向制御可能になっている。そして、駆動部によって照明光源21の光の照射方向、撮像部23の向き、結像レンズ27の向きを制御することによって、撮像範囲の向きを調整するようになっている。
また、本構成では、制御回路40は、撮像部23によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置としてマーカ光照射部50からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲の向きを制御するようになっている。具体的には、まず、図33の撮像画像において、制御回路40は、動作画像領域AR1の外縁(具体的には、動作画像における両手の親指と人差し指の部分)によって形成された四角形の中心SC1を特定する。そして、制御回路40は、四角形の中心SC1の位置に重なるように、撮像範囲FR1の中心C1、及びマーカ光の照射領域Mk1の中心を移動させるように制御する。このようにして、読取装置10の撮像範囲の中心位置は、図33に示すような中心C2の位置に移動し、撮像範囲は撮像範囲FR2となる。このようにしてコマンド1の処理内容が実行される。
(第3実施形態の主な効果)
図34のように、メモリ35には、複数の候補動作の各々に対応付けて動作別コマンドがそれぞれ登録されており、制御回路40は、撮像部23で撮像された画像が制御回路40により複数の候補動作のいずれかに該当する該当動作の画像であると判定された場合に、メモリ35に登録された当該該当動作に対応する動作別コマンドを実行する構成となっている。この構成では、多様なコマンドをそれぞれ複数の候補動作によって識別可能にメモリ35に登録することができる。そして、使用者は、動作別コマンドに対応する該当動作の画像を撮像することで、複数のコマンドの中から所望のコマンドを選択して実行することができる。
また、光を照射するマーカ光照射部50及び照明光源21を備え、1又は複数の候補動作の中に所定の方向制御動作が含まれ、制御回路40は、撮像部23によって撮像された画像が方向制御動作の画像に該当するかを判定可能に構成されている。また、メモリ35には、方向制御動作に対応付けてマーカ光照射部50からの光の方向又は撮像部23による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御するための方向制御コマンドが登録されている。そして、制御回路40は、撮像部23で撮像された画像が制御回路40により方向制御動作の画像に該当すると判定された場合に、メモリ35に登録された当該方向制御動作に対応する方向制御コマンドを実行する構成となっている。
この構成では、方向制御動作に対応付けてマーカ光照射部50からの光の方向又は撮像部23による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御するための方向制御コマンドが登録されており、ユーザは、マーカ光照射部50、照明光源21、及び読取装置10の少なくともいずれかに手で触れてその向きを調整する代わりに、方向制御動作に該当する該当動作の画像を撮像することで、方向制御コマンドを実行することができる。したがって、ユーザは読取装置10を手で触ることなく、マーカ光照射部50からの光の方向又は撮像部23による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを調整することができる。
また、ユーザが手作業で感覚的にマーカ光照射部50又は撮像範囲の向きを調整する構成に比べて、方向制御コマンドに基づいて機械的にこれらの向きを調整する構成では、微調整が可能で正確かつ容易に方向制御が可能になる。
また、制御回路40は、撮像部23での撮像画像が制御回路40により方向制御動作の画像に該当すると判定された場合に、メモリ35に登録された当該方向制御動作に対応する方向制御コマンドを実行し、撮像部23によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置としてマーカ光照射部50からの光の方向又は撮像部23による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御する構成となっている。
この構成では、方向制御動作の画像に該当する画像を撮像する際の1回の動作で、方向制御コマンドの実行と撮像画像内における基準位置の指定とを共に行うことができ、使用者の動作回数を低減させて作業効率を向上させることができる。また、撮像画像においてマーカ光照射部50からの光の方向及び撮像範囲の向きを特定可能であり、このような撮像画像内の位置を基準位置とするため、マーカ光照射部50又は撮像範囲の基準位置に基づく相対的な方向調整が可能となり、マーカ光照射部50又は撮像範囲の正確な方向制御を行うことができる。
なお、上述したコマンド1において、撮像部23の撮像範囲をFR2とせずに、動作画像における両手の親指と人差し指の部分によって囲まれた領域の外縁を、撮像範囲の外縁とするように撮像範囲の大きさを調整するようにしてもよい。この場合、図33で示す動作が「所定の範囲制御動作」に相当することになり、判定部に相当する制御回路40は、このような範囲制御動作が発生したか否かを判定するように機能する。そして、この場合、コマンド登録部に登録されるコマンド1は、このような範囲制御動作に対応付けて撮像部23による撮像範囲の大きさを制御するための「範囲制御コマンド」に相当する。そして、この場合、第2処理部に相当する制御回路40は、判定部により範囲制御動作が発生したと判定された場合に、その判定された当該範囲制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている範囲制御コマンド(具体的には、動作画像における両手の親指と人差し指の部分によって囲まれた領域の外縁を、撮像範囲の外縁とするように撮像範囲の大きさを調整するコマンド)を第2処理として実行するように機能する。
(第3実施形態の変形例)
次に、図35〜図37を参照して第3実施形態の変形例について説明する。
図35(A)は、第3実施形態の変形例に係る読取装置10を用いる場合における、読取側の所定の仮想平面での撮像範囲とその撮像範囲内での画像処理領域との関係を示す図である。図35(B)は、読取側においてジェスチャ動作がなされた場合における、所定仮想平面での撮像範囲とジェスチャ動作との関係を示す図である。
変更例1に係る読取装置10では、撮像部によって撮像された撮像画像の中での画像処理領域(情報コードを読み取る領域)がジェスチャ動作によって変更可能となっている。例えば、図35(A)で示すFR1は、読取装置10から所定距離の位置での仮想平面(具体的には、読取装置10の前後方向と直交する方向の仮想平面)において撮像部23によって撮像される範囲を概念的に示しており、当該仮想平面において、デフォルト状態のときの画像処理範囲に対応する位置を符号E1’として示している。また、デフォルト状態のときにマーカ光が上記仮想平面と交差する位置をMk1として示している。そして、このようなデフォルト状態では、撮像部23によって図36(A)で概念的に示すような範囲Dの撮像画像が得られた場合、その撮像画像領域D内において一部の画像処理範囲E1内でのみ情報コードの読み取りが行われるようになっている。なお、このようなデフォルト状態のときの撮像画像領域Dにおけるマーカ光の位置はF1となっている。なお、ここでは、説明の都合上、仮想平面は、図36(B)でジェスチャ動作が行われる位置の面としている。
次に、第3実施形態の変形例1に係る読取装置10でのコマンド1に関する処理内容について説明する。S301の処理において図32に示すような両手の親指と人差し指を用いた四角印のジェスチャ動作の画像を取り込んだ場合、図35(B)に示すような動作画像が得られる。そして、S302では、図35(B)に示すように、撮像範囲内において両手の外縁によって囲まれる動作画像領域AR1が特定される。なお、S301で撮像した時点での所定の仮想平面での撮像範囲FR1と、仮想平面でのマーカ光の照射位置Mk1と、動作画像領域AR1と、の相対的な位置関係は例えば図35(B)に示すようになっている。そして、S304におけるコマンドの実行では、マーカ光照射部50からの光の方向及び画像処理領域の位置及び範囲を制御する処理を行う。
本構成では、撮像部23によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置としてマーカ光照射部50からの光の方向を制御する。具体的には、まず、制御回路40は、図35(B)の撮像画像において、動作画像領域AR1の外縁(具体的には、動作画像における両手の親指と人差し指の部分)によって形成された四角形の領域E2’の中心を特定する。そして、制御回路40は、その四角形の領域E2’の中心の位置に重なるようにマーカ光の照射領域の中心を移動させる方法でマーカ光の向きを制御する。なお、図35(B)では、方向制御後のマーカ光の中心位置をMk2で示している。さらに、制御回路40は、図35(B)の撮像画像において両手の親指と人差し指の部分によって形成された四角形の領域E2’を特定し、その特定された領域E2’内を画像処理領域とするように、撮像画像内での画像処理領域の相対位置及び範囲を再設定する。このような再設定処理により、その後に得られる撮像画像では、撮像画像範囲D内における位置F2がマーカ光の照射位置となり、領域E2が再設定された画像処理領域となる。従って、その後に撮像画像を解析して情報コードの読み取りを行う場合、領域E2内に限定してコード領域の特定処理及びデコード処理を行うことになる。なお、この場合、撮像範囲内において、両手の親指と人差し指の部分によって形成された四角形の領域の大きさを相対的に大きくすることで、撮像画像内での画像処理領域の大きさを大きくすることができ、両手の親指と人差し指の部分によって形成された四角形の領域を相対的に小さくすることで、撮像画像内での画像処理領域の大きさを小さくすることができる。
この構成では、図35(B)の動作が方向制御動作及び範囲制御動作に相当する。そして、第2処理部に相当する制御回路40は、撮像部23での撮像画像が判定部により図35(B)のような方向制御動作の画像に該当すると判定された場合に、その判定された当該方向制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている方向制御コマンドを実行し、撮像部23によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置としてマーカ光源からのマーカ光の方向を制御する。また、第2処理部に相当する制御回路40は、図35(B)のような範囲制御動作が発生したと判定された場合に、その判定された当該範囲制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている範囲制御コマンドを第2処理として実行し、撮像部23で撮像された撮像画像での画像処理範囲の大きさを制御する。
また、上述の変形例1では、ジェスチャ動作に合わせてマーカ光の向きのみを調整したが、図37で示す変形例2のようにジェスチャ動作に合わせてマーカ光の範囲を調整してもよい。この例では、撮像画像範囲D内での画像処理領域の設定方法は変形例1と同様であり、マーカ光の制御方法のみが変形例1とは異なっている。
変形例2でも、S301の処理において図32に示すような両手の親指と人差し指を用いた四角印のジェスチャ動作の画像を取り込んだ場合、図35(B)に示すような動作画像が得られる。そして、S302では、図35(B)に示すように、撮像範囲内において両手の外縁によって囲まれる動作画像領域AR1が特定される。なお、S301で撮像した時点での撮像画像範囲Dと、撮像画像内でのマーカ光領域の外縁F1と、画像処理領域E1との関係は、図37(A)のようになっている。そして、S304におけるコマンドの実行では、マーカ光照射部50からの光の方向及び画像処理領域の位置及び範囲を制御する処理を行う。なお、画像処理領域の制御は変形例1と同様であるため説明は省略する。
本構成でも、撮像部23によって撮像された画像内における方向制御動作がなされた位置を基準位置としてマーカ光照射部50からの光の方向を制御する。具体的には、まず、制御回路40は、図35(B)の撮像画像において、動作画像領域AR1の外縁(具体的には、動作画像における両手の親指と人差し指の部分)によって形成された四角形の領域を特定する。そして、制御回路40は、その四角形の領域の外縁がマーカ光の照射領域の外縁となるように、マーカ光の向き及び大きさを制御する。なお、図37(B)では、方向制御後の撮像画像内におけるマーカ光の外縁位置をF2で示している。
なお、この変形例2では、公知の方法を用いて、制御回路40による制御により、マーカ光照射部50の照射範囲の大きさをも制御可能な構成となっている。マーカ光の照射範囲の大きさを変更する方法は様々であり、例えば、読取装置10にマーカ光照射部50からの光の照射量を調整する絞り部(図示略)を設け、制御回路40によってこれらの絞り部の動作を調整する構成などを用いることができる。
この構成では、第2処理部に相当する制御回路40は、図35(B)のような範囲制御動作が発生したと判定された場合に、その判定された当該範囲制御動作と対応付けてコマンド登録部に登録されている範囲制御コマンド(光源の照射範囲を制御するコマンド)を第2処理として実行し、マーカ光の照射範囲の大きさを制御するように機能する。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記各実施形態では、メモリ35において、手を用いたジェスチャ動作(例えば、両手を用いた両手動作)を特定するデータにジェスチャ対応コマンド(両手を用いた両手動作の場合は両手対応コマンド)を対応付ける構成を例示した。しかしながら、このような構成に限らず、候補動作特定データとして、手を用いたジェスチャ動作以外の動作を特定するデータを用いてもよい。例えば、衣服の一部が撮像画像に含まれるような単純な動作画像を、所定のコマンドと対応付けてメモリ35に記憶してもよい。このような、使用者の何らかの動作を撮像して所定のデータとして特定可能であれば、動作別コマンドと対応付けることができる。
上記実施形態では候補動作として、主に手を用いたジェスチャ動作を例示したが、この例に限られない。例えば、四肢の動きを用いたジェスチャ動作を撮像部で撮像して判定する方法などでも良い。具体的には、腕の交差、腕回し、足の動き(つま先を立てたり、右足を伸ばす動き等)などを検出する方法などが挙げられる。なお、腕の交差、腕回し、足を伸ばす動きなどは、そのような画像が撮像部で撮像されたか否かを、手を用いたジェスチャ動作の判定方法と同様の方法で判定することができる。
上記実施形態では、候補動作の判定方法として、撮像画像を解析する方法を例示したが、撮像部23以外のセンサを用いる方法などであってもよい。例えば、ジャイロセンサやその他の加速度センサなどを設け、このようなセンサによって所定の検出結果が得られた場合に、候補動作(首振りや首回しなど)が発生したと判定してもよい。例えば、互いに直交する3つの軸方向の加速度を検出する加速度センサを設け、この加速度センサにおいて所定の加速度停止状態(例えば、所定の短時間での各軸の加速度変化量がいずれも所定値以下となる状態)となる結果と、所定の加速度変化状態(例えば、所定の短時間において、いずれかの軸の加速度変化量が所定値を超えている状態)となる結果とが、所定時間以内に所定回数繰り返された場合に候補動作が発生したと判定し、その候補動作に対応する所定コマンド(例えば、上述したいずれかの例の動作別コマンド)を実行するようにしてもよい。また、加速度センサにより、一定時間以内に水平方向に対する装置の向きが一定角度以上変化するような検出結果が得られた場合に、候補動作が発生したと判定し、その候補動作に対応するコマンド(例えば、上述したいずれかの例の動作別コマンド)を実行するようにしてもよい。
或いは、目の動き(瞬きや眼を強く閉じる動作等)や眼付近の皮膚の動きが所定の動きになったことを、公知の瞬きセンサ、瞬きスイッチ、こめかみスイッチなどによって検出する方法等を用いてもよく、このようなセンサによって所定の検出結果が得られた場合に候補動作が発生したと判定し、その候補動作に対応するコマンド(例えば、上述したいずれかの例の動作別コマンド)を実行するようにしてもよい。
或いは、口の動き、歯の動き、咀嚼、頬の動きなどが所定の動きになったことを、公知の咀嚼センサ、頬センサなどによって検出する方法等を用いてもよく、このようなセンサによって所定の検出結果が得られた場合に候補動作が発生したと判定し、その候補動作に対応するコマンド(例えば、上述したいずれかの例の動作別コマンド)を実行するようにしてもよい。
上記第1、第2実施形態等では、キャンセル制御の一例として、直前の処理データ(解読データ)などを消去する例などを示したが、このような例に限らず、その他のデータ処理を方法を採用してもよい。例えば、上述のキャンセルコマンドの入力があった場合に、読取装置10に蓄積されている過去の処理データ(解読データ)を一括して消去するようにしてもよく、読取装置10から外部装置に送信された過去の処理データ(解読データ)を一括して消去するように当該外部装置にコマンドを発するようにしてもよい。
上記第3実施形態等では、光源(マーカ光照射部50)からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲の向きを制御するコマンド1がメモリ35に記憶されている構成を示した。しかしながら、光源(マーカ光照射部50)からの光の方向及び撮像部23による撮像範囲の向きのいずれか一方を制御するコマンドをメモリ35に記憶する構成であってもよい。同様に、上記第3実施形態の変形例では、マーカ光照射部50からの光の方向及び照射範囲の大きさ、撮像部23による撮像範囲の向き及び大きさを制御する構成を示した。しかしながら、マーカ光照射部50からの光の方向及び照射範囲の大きさ、撮像部23による撮像範囲の向き及び大きさのいずれか一方を制御するコマンドをメモリ35に記憶する構成であってもよい。また、マーカ光照射部50からの光の方向及び照射範囲の大きさのいずれか一方のみを制御するコマンドや、撮像部23による撮像範囲の向き及び大きさのいずれか一方のみを制御するコマンドをメモリ35に記憶する構成であってもよい。
上記第1〜第3実施形態の読取装置10の構成を組み合わせた構成を採用してもよい。例えば、第2実施形態の読取装置10の構成と第3実施形態の読取装置10の構成とを組み合わせて、コマンド入力処理(図31参照)におけるコマンドの実行において、確認処理を行う構成としてもよい。即ち、図31のコマンド入力処理の流れにおいて、コマンド実行処理(S304の処理)の後に、コマンド確認処理(S206〜S209の処理)を行う構成としてもよい。また、第1実施形態の読取装置10の構成と第3実施形態の読取装置10の構成とを組み合わせて、メモリ35にキャンセルコマンドと共に図34に示すような各種コマンドが記憶されている構成としてもよい。
上記実施形態では、主としてケース12と取付部60とが別体として構成され、ケース12が取付部60に対して着脱可能とされた例を示したが、これらが一体的に構成されていてもよい。例えば、ケース12が、右側装着部70又は左側装着部80のいずれかと一体部品として構成されていてもよく、右側装着部70又は左側装着部80のいずれかに対して、ねじ等の連結部品によって固定されたり、接着材等の接着媒体などによって固定されていてもよい。
上記実施形態では、主に、使用者の身体に直接的に取付部を取り付ける一例を示したが、ケース12を使用者の掌以外の位置に保持可能な構成であればよい。例えば、取付部を取り付ける位置は、使用者の身体において耳以外の別位置であってもよい。例えば、頭や顔における上記実施形態とは別の位置であってもよく、腕、肩などの首から下の位置などであってもよい。また、取付部は身体に直接取り付けられていなくてもよく、帽子、ヘルメット、鉢巻、服、マスク、その他の衣類、眼鏡、ゴーグルなどの身体装着部に取り付けられる部品として構成されていてもよく、これらの身体装着部と一体化した部品として構成されていてもよい。
10…携帯型情報コード読取装置
12…ケース
21…照明光源(光源)
23…撮像部
35…メモリ(コマンド登録部)
40…制御回路(第1処理部、第2処理部、判定部、検出部)
50…マーカ光照射部(光源)
60…取付部
100…情報コード

Claims (11)

  1. 所定の撮像範囲を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって情報コードが撮像された場合に、当該情報コードの画像に対する所定の第1処理を行う第1処理部と、
    予め1又は複数の候補動作が定められ、前記候補動作が発生したか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記候補動作が発生したと判定された場合に、所定の第2処理を行う第2処理部と、
    少なくとも前記撮像部と、前記第1処理部と、前記第2処理部とを保持するケースと、
    前記ケースと一体的に、又は前記ケースとは別体として設けられ、前記ケースを使用者の身体又は当該使用者の装着物に取り付ける取付部と、
    を有することを特徴とする携帯型情報コード読取装置。
  2. 前記判定部は、前記撮像部によって撮像された画像が前記候補動作の画像であるか否かを判定する構成であり、
    前記第2処理部は、前記判定部によって前記撮像部での撮像画像が前記候補動作の画像と判定された場合に前記第2処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報コード読取装置。
  3. 前記候補動作と対応付けた状態でコマンドを登録するコマンド登録部を備え、
    前記第2処理部は、前記判定部によって前記候補動作が発生したと判定された場合、前記コマンド登録部において当該候補動作と対応付けられた前記コマンドを前記第2処理として実行することを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報コード読取装置。
  4. 前記コマンド登録部には、複数の前記候補動作の各々に対応付けて動作別コマンドがそれぞれ登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により複数の前記候補動作のいずれかが発生したと判定された場合に、その発生した前記候補動作と対応付けられて前記コマンド登録部に登録されている前記動作別コマンドを実行することを特徴とする請求項3に記載の携帯型情報コード読取装置。
  5. 1又は複数の前記候補動作には、手を用いた1又は複数のジェスチャ動作が含まれ、
    前記判定部は、予め定められた1又は複数の前記ジェスチャ動作のいずれかが発生したかを判定可能に構成され、
    前記コマンド登録部には、前記ジェスチャ動作に対応付けてジェスチャ対応コマンドが登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により前記ジェスチャ動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該ジェスチャ動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録されている前記ジェスチャ対応コマンドを実行することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の携帯型情報コード読取装置。
  6. 1又は複数の前記ジェスチャ動作には、両手を用いた1又は複数の両手動作が含まれ、
    前記判定部は、予め定められた1又は複数の前記両手動作のいずれかが発生したかを判定可能に構成され、
    前記コマンド登録部には、前記両手動作に対応付けて両手対応コマンドが登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により前記両手動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該両手動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録されている前記両手対応コマンドを実行することを特徴とする請求項5に記載の携帯型情報コード読取装置。
  7. 前記判定部は、前記候補動作としての所定のキャンセル動作が発生したかを判定可能に構成され、
    前記コマンド登録部には、前記キャンセル動作に対応付けてキャンセルコマンドが登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により前記キャンセル動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該キャンセル動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録された前記キャンセルコマンドを前記第2処理として実行することを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の携帯型情報コード読取装置。
  8. 光を照射する光源を備え、
    1又は複数の前記候補動作の中に所定の方向制御動作が含まれ、
    前記判定部は、前記方向制御動作が発生したかを判定可能に構成され、
    前記コマンド登録部には、前記方向制御動作に対応付けて前記光源からの光の方向又は前記撮像部による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御するための方向制御コマンドが登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により前記方向制御動作が発生したと判定された場合に、その発生した当該方向制御動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録されている前記方向制御コマンドを前記第2処理として実行することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の携帯型情報コード読取装置。
  9. 前記判定部は、前記撮像部によって撮像された画像が前記方向制御動作に該当するか否かを判定可能な構成であり、
    前記第2処理部は、前記撮像部での撮像画像が前記判定部により前記方向制御動作の画像に該当すると判定された場合に、その判定された当該方向制御動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録されている前記方向制御コマンドを実行し、前記撮像部によって撮像された画像内における前記方向制御動作がなされた位置を基準位置として前記光源からの光の方向又は前記撮像部による撮像範囲の少なくともいずれかの向きを制御することを特徴とする請求項8に記載の携帯型情報コード読取装置。
  10. 光を照射する光源を備え、
    1又は複数の前記候補動作の中に所定の範囲制御動作が含まれ、
    前記判定部は、前記範囲制御動作が発生したか否かを判定可能に構成され、
    前記コマンド登録部には、前記範囲制御動作に対応付けて前記光源の照射範囲又は前記撮像部による撮像範囲若しくは前記撮像部で撮像された撮像画像での画像処理範囲の少なくともいずれかの大きさを制御するための範囲制御コマンドが登録されており、
    前記第2処理部は、前記判定部により前記範囲制御動作が発生したと判定された場合に、その判定された当該範囲制御動作と対応付けて前記コマンド登録部に登録されている前記範囲制御コマンドを前記第2処理として実行することを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の携帯型情報コード読取装置。
  11. 予め定められた確認動作を検出する検出部を備え、
    前記第2処理部は、前記判定部によって前記候補動作が発生したと判定された場合、前記検出部によって前記確認動作が検出されることを条件として前記第2処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の携帯型情報コード読取装置。
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