[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態の代表例について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
図1、図2に示すように、第1実施形態に係る携帯型情報コード読取装置10(以下、単に情報コード読取装置10又は読取装置10とも称する)は、情報コードを撮像する撮像部23(以下、受光センサ23とも称する)と、撮像部23によって撮像された情報コードの画像を処理する処理部(制御回路40(図2))と、撮像部23及び処理部を保持するケース12と、ケース12とは別体として設けられ、ケース12保持しつつ使用者に取り付ける取付部材60とを備えている。
まず、情報コード読取装置10の電気的構成について説明する。図2に示すように、情報コード読取装置10は、ハードウェア的には一次元コードや二次元コードなどの情報コードを読取可能なコードリーダとして構成されており、ケース12によって装置本体11の外郭が構成され、このケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
図2に示すように、情報コード読取装置10は、主に、照明光源21、マーカ光照射部80、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース12内に内装されている。
光学系は、照明光源21、撮像部23、フィルタ25、結像レンズ27、マーカ光照射部80等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、ケースに形成された照射口を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに例えば図2のような情報コード100が印刷などによって形成されている。なお、読み取り対象となる情報コード100の種類はバーコードなどの一次元コードであってもよく、QRコード(登録商標)、データマトリックスコート、マキシコードなどの二次元コードであってもよい。また、マーカ光照射部80は、公知のマーカ光源等によって構成されており、照明光源21が光を照射する側と同じ側に、例えば指向性の高いマーカ光MKを照射するように構成されている。
撮像部23は、情報コード100を撮像可能な受光センサ(例えば、C−MOSやCCD等の受光素子を2次元に配列したエリアセンサ等)によって構成され、読取対象物Rや情報コード100に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるものである。この撮像部23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光可能に配置されている。
フィルタ25は、例えば反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタで、ケース12に形成された読取口14と結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が撮像部23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケース12に形成された読取口14(図3、図5等)に入射する反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コード100のコード画像を結像するように構成されている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コード100の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
光学系の撮像部23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、撮像部23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置などによって構成され、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、撮像部23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本構成の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、マイク43、発音部44、センサ部46、通信部48等が接続されている。また、通信部48は、有線通信又は無線通信を行う公知の通信インタフェースとして構成されており、ケース12の外側に設けられた外部装置と通信を行い、外部装置への情報送信又は外部装置からの情報受信を行うように機能している。なお、図2の例では、「外部装置」として、情報コード読取装置10の上位システムに相当するコンピュータHST(据置型のパーソナルコンピュータや携帯型のパーソナルコンピュータ等)と有線又は無線(例えば、公知の無線LAN通信やbluetooth(登録商標)通信等)にて通信可能に接続されている。
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
(装着構造等)
次に、携帯型情報コード読取装置10の主要な特徴である装着構造等について説明する。
携帯型情報コード読取装置10は、主に、装置本体11と取付部材60とによって構成されている。装置本体11は、情報コード100を撮像可能な撮像部23と、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部(制御回路40(図2)と、撮像部23及び処理部を保持するケース12とを備えた構成となっている。また、取付部材60は、ケース12とは別体として設けられ、撓み変形可能な可撓性の身体装着部(装着部)62と、ケース12が着脱される取付部66とを備えている。
まず、装置本体11の構成について説明する。
装置本体11は、ケース12の内部に図2に示す各種電子部品が収容されてなるものであり、本構成では、取付部材60に対して図1のように装着可能とされており、図8、図9のように離脱可能とされている。
図4、図5に示すように、ケース12は、全体として長手状且つ箱状に構成されている。なお、本構成では、装置本体11の前後方向、幅方向(横方向)、上下方向を以下のように規定する。まず、撮像部23の視野範囲の中心の方向(光軸方向)を前後方向としており、ケース12の長手方向が前後方向となっている。そして、前後方向と直交する方向においてケース12の厚さ方向が幅方向(横方向)となっており、ケース12の対向壁部12aと取付部66の取付壁部66aとが向かい合う方向が幅方向(横方向)となっている。そして、上記前後方向及び幅方向と直交する方向が上下方向となっている。なお、図4、図10等に示すように、以下では、前後方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、幅方向(横方向)をZ軸方向として説明する。そして、前方向をX軸正方向、後ろ方向をX軸負方向とする。更に、上方向をY軸正方向、下方向をY軸負方向とする。そして、ケース12側から見て取付部材60側をZ軸負方向とし、取付部材60とは反対側をZ軸正方向とする。
ケース12は、このような定義において前端部に前壁部13cが設けられ、後端部に後壁部13dが設けられている。更に、幅方向(左右方向)一方側(取付部材60側)に側壁部13bが設けられ、これとは反対側に側壁部13aが設けられている。更に、上端部には上壁部13eが設けられ、下端部には下壁部13fが設けられている。そして、これら前壁部、後壁部、側壁部、上壁部、下壁部により、前後左右及び上下が囲まれる箱状構成で、撮像部や制御回路などの電子部品を収容する収容部が構成されている。そして、一方の側壁部13bが、取付部材60と対向する対向壁部12aとして機能している。この対向壁部12aは、「被取付部」の一例に相当し、ガイド部50によって取付部66に連結される部分として機能する。
また、本構成では、使用者の顔Faを基準として顔Faが向く方向を顔Faの前側、後頭部側を顔Faの後ろ側として説明する。
図1、図3、図5に示すように、ケース12の前端部に設けられる前壁部13cには、情報コードからの光を導入可能な読取口14が設けられている。そして、取付部材60は、図3のようにケース12が使用者の顔Faの横位置に配置され且つ読取口14が使用者Pの前側を向く構成で当該ケース12を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。このように、使用者の顔が向く側と同じ側に撮像部23が向くように取付部材60によってケース12が取り付けられている。
図5、図7のように、ケース12において上壁部13eには、外部操作が可能な操作スイッチ42が設けられている。また、ケース12の内部には、図2のように照明光を照射する照明光源21及びマーカ光を照射するマーカ光照射部80が設けられており、照明光源21からの照明光及びマーカ光照射部80からのマーカ光はいずれも、前壁部13cからケース12の前側に照射されるようになっている。
次に、取付部材60について説明する。
取付部材60は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部62と、ケース12が着脱される取付部66と、身体装着部62を支持するベース部65とを備え、ケース12とは別体として設けられている。この取付部材60は、使用者の顔Faが向く側に、読取口14が向く構成でケース12を使用者の耳Eyに取り付ける構成となっている。
身体装着部62は、使用者の両耳に掛けられる耳掛け部として構成されており、図1のように、被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成されている。この身体装着部62は、ベース部65から延出した構成となっており、全体としてU字状の構成となっている。この身体装着部62には、上方側に凸となるように湾曲した右耳掛け部62aと、右耳掛け部62aから離れて形成されると共に上方側に凸となるように湾曲した左耳掛け部62bと、これら右耳掛け部62aと左耳掛け部62bとを連結する連結部62cとを備えている。連結部62cは、図3のように取付部材60を使用者の耳に掛けて装着したときに、使用者の後頭部又は首に当てられるように巻き付く部分である。
ベース部65は、長手状に構成される取付部66の長手方向中心部付近の裏面側(取付壁部66aとは反対面側)に連結され、ベース部65の裏面側から突出した構成となっている。そして、ベース部の周壁部を起点として延び出る構成で身体装着部62が湾曲して形成されている。
取付部66は、全体として板状に構成されており、一方の板面側にベース部65が連結され、他方の板面側にケース12が着脱可能に連結される構成となっている。ケース12が連結する板面側の壁部が取付壁部66aとして構成されており、この取付壁部66aにケース12が装着及び離脱可能とされている。
ガイド部50は、取付部材60の取付部66に対してケース12を着脱可能に連結し、且つその連結の際に取付部66に対するケース12の姿勢が所定姿勢(具体的には、使用者Pの顔が向く方向(視線が向く側)に読取口14が向く姿勢)となるようにガイドするように機能する。このガイド部50は、ケース12に設けられた2つのケース側連結部(第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52)と、取付部材60の取付部66に設けられた2つの取付部材側連結部(第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54)とを備えており、2つのケース側連結部と2つの取付部材側連結部とがそれぞれ連結することにより取付部材60とケース12とを連結する。
2つのケース側連結部は、磁石として構成される第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52からなり、2つの取付部材側連結部は、磁石として構成される第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54からなる。なお、第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52は、一方側磁石又は磁性体の一例に相当し、第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54は、磁性体又は一方側磁石の一例に相当する。
第1ケース側連結部51と第1取付部材側連結部53との極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部51と第1取付部材側連結部53とが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1取付部材側連結部53は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52と第2取付部材側連結部54との極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部52と第2取付部材側連結部54とが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2取付部材側連結部54は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部51と第2取付部材側連結部54とが同極性であり、第2ケース側連結部52と第1取付部材側連結部53とが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部51は、表面部がN極として構成され、第2取付部材側連結部54も、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部52は、表面部がS極として構成され、第1取付部材側連結部53も、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
更に、対向壁部12aを基準とする撮像部23の変位、又はベース部65を基準とする取付部66の変位を変更可能な変位調整部64が設けられている変位調整部64は、例えば公知のラチェット機構として構成されており、所定の回転軸を中心として、取付部66を回転し得るように構成されており、取付部66の回転位置を段階的に変更できるようになっている。
このように構成される読取装置10では、所定のトリガ条件の成立毎に、又は所定の開始条件の成立後に継続的に情報コードの読み取り処理を行うことができるようになっている。例えば、操作スイッチが押されたことを撮像開始のトリガとし、操作スイッチが押された後に継続的に撮像部23による撮像処理を行い、情報コードが撮像範囲に入り込む毎にその情報コードを読み取るようにしてもよい。或いは、操作スイッチ42とは異なるセンサによって所定状態が検出されたことを条件として読み取りを開始するようにしてもよい。例えば、ケース12の前方方向に物体が近接したことを検出する公知の近接センサを設け、物体が近接したときに照明光源や撮像部を動作させて撮像、解読を行うようにしてもよい。或いは、マイクから入力され音声を解析し、所定音声に該当するか否か(例えば一定量以上の音量が検出されたか否か、或いは所定波形の音声が検出されたか否か)を判断するようにすればよい。なお、この判断処理は、読取装置10で行ってもよく、外部装置で行ってもよい。
(本構成の主な効果)
本構成によれば、情報コード読取装置10を手で握らずに身体に装着して使用することが可能な構成を実現できる。更にこの構成では、身体に装着される部分(身体装着部62)を身体に取り付けた状態で、ケース側を分離するように取り外すことができるため、取り外し作業の容易化を図ることができる。更に、身体装着部62は、撓み変形可能な可撓性の構造であるため、身体に装着する際の自由度も大きくなる。
また、身体装着部62は、被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成されている。このように弾性復帰力によって規定形状で維持されようとする身体装着部62を取り付ける構造であるため、身体に取り付ける際に複雑な結び作業などを省略し易くなり、装着の一層の容易化を図ることができる。
また、身体装着部62は、使用者の耳に掛けられる耳掛け部として構成されている。この構成では、読取装置10が耳に取り付けられるため、顔の動きと読取装置10全体が連動することになり、使用者の顔の動きに合わせて読み取る方向を定めやすくなる。更に、取り付ける位置が耳であるため、他の装着具(ヘルメットや眼鏡等)が使用される場合でも容易に装着しやすくなる。
また、取付部材60の所定の取付部66に対してケース12を着脱可能に連結し、且つその連結の際に取付部66に対するケース12の姿勢が所定姿勢(具体的には、使用者Pの顔が向く方向(視線が向く側)に読取口14が向く姿勢)となるようにガイドするガイド部50が設けられている。この構成では、読取装置10を手で握らずに身体に装着して使用することが可能な構成において、身体からのケース側の取り外しを容易に行うことができ、且つ取り外し後の再装着も容易に行い得る構成を実現することができる。特に、再装着の際には、使用者に取り付けたままとされた取付部66に対してケース12の姿勢が所定姿勢となるようにガイド部50によってガイドされるため、ケース12側がより正確な位置及び向きになるように迅速に装着しやすくなる。
なお、本構成では、ガイド部50によって定められるケース12の「所定姿勢」は、例えば、図1のように、取付部66の長手方向とケース12の長手方向とが一致し、且つ、各ケース側連結部と各取付部材側連結部とがそれぞれ接触又は近接する姿勢となっている。
また、ガイド部50は、ケース12に設けられた少なくとも2つのケース側連結部と、取付部材60の取付部66に設けられた少なくとも2つの取付部材側連結部と、を備えており、2つのケース側連結部と2つの取付部材側連結部とがそれぞれ連結されることにより取付部材60とケース12とが連結される構成となっている。このように、取付部材60に定められた少なくとも2つの連結部(取付部材側連結部)に対し、ケース12に設けられた2つの連結部(ケース側連結部)を合わせるように連結する構成であるため、ケース12の向きが所望の方向を向くように、より正確に設定されやすくなる。
また、ガイド部50が、ケース12及び取付部66の一方に設けられた一方側磁石と、ケース12及び取付部66の他方に設けられ、一方側磁石に吸引される磁性体とを有する。この構成によれば、一方側磁石と他方側の磁性体との間で生じる吸引力を利用してケース12を取付部材60の所定位置に導くことができ、位置合わせや連結の負担をより低減することができる。
なお、上記構成では、第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52と、第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54とがいずれも磁石によって構成されていたが、例えば、第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52を磁石(一方側磁石)によって構成し、第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54を鉄等の公知の磁性体によって構成してもよい。或いは、第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52を鉄等の磁性体によって構成し、第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54を磁石(一方側磁石)によって構成してもよい。或いは、第1ケース側連結部51及び第2取付部材側連結部54を磁石によって構成し、第2ケース側連結部52及び第1取付部材側連結部53を鉄等の磁性体によって構成してもよい。
具体的には、2つのケース側連結部は、磁石として構成される第1ケース側連結部51及び第2ケース側連結部52からなり、2つの取付部材側連結部は、磁石として構成される第1取付部材側連結部53及び第2取付部材側連結部54からなる。そして、第1ケース側連結部51の表面部の極性と第1取付部材側連結部53の表面部の極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部51と第1取付部材側連結部53とが互いに吸引し、例えば表面部同士が接触するように連結される構成となっている。また、第2ケース側連結部52の表面部の極性と第2取付部材側連結部54の表面部の極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部52と第2取付部材側連結部54とが互いに吸引し、例えば表面部同士が接触するように連結される構成となっている。更に、第1ケース側連結部51の表面部と第2取付部材側連結部54の表面部とが同極性となっており、第2ケース側連結部52の表面部と第1取付部材側連結部53の表面部とが同極性となっている。
この構成では、図10のように、2つの連結位置において対応する連結部同士(即ち、第1ケース側連結部51と第1取付部材側連結部53、第2ケース側連結部52と第2取付部材側連結部54)がそれぞれ対向した位置関係になった場合に、それぞれの連結位置で生じる吸引力を利用してケース12をガイド部50の所定位置により正確に導くことができる。逆に、対応しない連結部同士(即ち、第1ケース側連結部51と第2取付部材側連結部54、第2ケース側連結部52と第1取付部材側連結部53)は、表面部同士が互いに同極性であるため、それぞれが対向するような向き(逆向き)で連結が試みられても、各位置で表面部同士が反発し合うことになり、連結されないことになる。従って、図10のように正規の向きの場合には、取付部材60に対するケース12の位置合わせをより正確かつ迅速に行い易くなり、逆向きでの異常な連結については、より確実に防ぐことができる。
また、取付部材60は、取付部66と連結されるベース部65を備え、ベース部65から身体装着部(使用者装着部)62が延びている。そして、ケース12は、ガイド部50によって取付部66に連結される対向壁部(被取付部)12aを備えている。更に、ベース部65を基準とする取付部66の変位を変更可能な変位調整部64が設けられている。この構成では、変位調整部64により、ベース部65を基準とする取付部66の変位(具体的には、ベース部65に対する取付部66の姿勢)を調整することができるため、ケース12が取付部66に取り付けられたときの撮像部23の向きがより望ましい方向となるように微調整しやすくなる。
また、本構成では、ケース12内に電池49が収容されている。この構成では、ケース12内に電源が存在するため、取付部材60からケース12を取り外している間、外部からの電力供給を受けずとも情報コードの読み取りを継続することができる。
[第1実施形態の変更例1]
次に、図11を参照して第1実施形態の変更例1について説明する。
変更例1に係る携帯型情報コード読取装置10は、電源供給(電力供給の方法)のみが上記第1実施形態の代表例と異なり、それ以外は第1実施形態の代表例と同一である。具体的には、取付部材60とケース12とを連結するようにケーブル(接続ケーブル)19が設けられている。このケーブル19は、取付部材60又は取付部材60に電気的に接続された電池からケース12側に電力を供給するように構成されている。この構成では、電気的な構成をケース12側(読取側)と取付部材60側に分けることができ、ケース側の電子部品をより削減しやすくなるため、ケース側の小型化、軽量化を一層図りやすくなる。
なお、取付部材60に電池を配置する場合、様々な配置とすることができる。例えば、図示しない電池収容部を、取付部66や、ベース部65などと一体的に設けてもよく、身体装着部62と一体的に電池収容部を設けてもよい。この場合、その電池収容部とケーブル19とが電気的に接続され、電池収容部に収容される電池からケース12側(即ち、装置本体11側)に電力供給がなされる構成とすればよい。なお、電池からの電力は、電池から直接的にケース12側に供給されてもよく、電池からの電力供給を受けて動作する回路(例えば、電源回路など)からケース12側に供給されてもよい。また、装置本体11や取付部材60とは別の機器に電池を収容してもよく、この場合、当該別の機器と取付部材60とを接続するようにケーブルを設け、当該別の機器から取付部材60を介して装置本体11側に電力供給がなされるように構成すればよい。この場合、別の機器に収容された電池又は電源回路等からの電力が図示しないケーブルを介して取付部材60側に供給され、その電力がケーブル19を介して装置本体11側に供給されることになる。
なお、ケーブル19は、電力供給に用いるのではなく、情報通信に用いるものであってもよい。或いは、電力供給と情報通信に併用してもよい。例えば、図2に示す通信部48を取付部材60に設けられた機器内又は取付部材60に電気的に接続された機器内に設け、装置本体11側から取付部材60側にデータ(例えば解読データ)を送信し、取付部材60に設けられた機器内又は取付部材60に電気的に接続された機器内に設けられた通信部48から外部装置にデータ(解読データ)を送信するように構成してもよい。或いは、装置本体11側に、撮像部23を設け、取付部材60に設けられた機器内又は取付部材60に電気的に接続された機器内に、制御回路40やメモリ35、又はこれらと同様の構成の制御回路やメモリを設けるようにしてもよい。この場合、撮像部23で撮像されたデータ(画像データ)を取付部材60に設けられた機器内又は取付部材60に電気的に接続された機器内に設けられた制御回路40によって解読するようにしてもよい。
なお、取付部材60に通信部48、制御回路、メモリなどのいずれか又は全てを配置する場合、様々な配置とすることができる。例えば、これらの内の少なくともいずれかの電子部品を収容する図示しない電子部品収容部を、取付部66や、ベース部65などと一体的に設けてもよく、身体装着部62と一体的に電子部品収容部を設けてもよい。この場合、その電子部品収容部とケーブル19とが電気的に接続され、電子部品収容部に収容される電子部品とケース12側(即ち、装置本体11側)の電子部品との間で情報通信がなされる構成とすればよい。また、装置本体11や取付部材60とは別の機器に電子部品を収容してもよく、この場合、当該別の機器と取付部材60とを接続するようにケーブルを設け、当該別の機器から取付部材60を介して装置本体11側に情報送信が行われ、装置本体11側から取付部材60を介して当該別の機器側に情報送信が行われるように構成すればよい。
なお、図11に示すケーブル19は、ケース12内に収容可能に構成されていてもよく、取付部材60に設けられた収容部(図示略)に収容可能に構成されていてもよい。また、このようにケーブル19を収容可能に構成する場合、収容部にはケーブル19の自動巻き取り機構を設けるようにするとよい。
[第1実施形態の変更例2]
次に、第1実施形態の変更例2について説明する。
変更例2に係る携帯型情報コード読取装置10は、磁石以外は第1実施形態の代表例又は変更例1と同一の構成となっている。具体的には、第1ケース側連結部51、第2ケース側連結部52、第1取付部材側連結部53、第2取付部材側連結部54のそれぞれの表面部の極性の組合せのみが第1実施形態の代表例又は変更例1と異なり、それ以外は代表例又は変更例1と同一である。
上記代表例や変更例1では、第1ケース側連結部51の表面部の極性と第2ケース側連結部52の表面部の極性とが異なり、第1ケース側連結部51の表面部と第2取付部材側連結部54の表面部とが同極性となっており、第2ケース側連結部52の表面部と第1取付部材側連結部53の表面部とが同極性となっている例を示した。これに対し、変更例2では、第1ケース側連結部51の表面部と第2ケース側連結部52の表面部とが同極性(例えば、露出する各表面部がN極)となっている。また、第1取付部材側連結部53の表面部と第2取付部材側連結部54の表面部とが同極性(例えば、露出する各表面部がS極)となっている。このように、ケース12側(即ち装置本体11側)において各ケース側連結部(各磁石)の表面部の極性を統一し、取付部材60側においても各取付部材側連結部(各磁石)の表面部の極性を統一すれば、位置ずれに起因する吸引力の低下を抑えることができ、より強固に連結され易くなる。特に、ケース側連結部同士の距離が近くなり、取付部材側連結部の距離が近くなる場合、この効果がより顕著になる。
[第2実施形態]
次に、図12を参照して第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る携帯型情報コード読取装置210は、ケースの対向壁部の構成、取付部材の取付壁部の構成、ガイド部の構成のみが第1実施形態又は第1実施形態の変更例と異なり、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一である。従って、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一であるとして詳細な説明は省略する。例えば、取付部材260は、取付部材側連結部253、254のみが第1実施形態で開示される取付部材60と異なる。また、ケース212は、ケース側連結部251,252の構成のみが第1実施形態で開示されるケース12と異なる。また、装置本体211、対向壁部212a,取付部266,取付壁部266aについても、これら相違点のみが、第1実施形態の装置本体11、対向壁部12a,取付部66,取付壁部66aと異なり、それ以外はこれらと同一である。
本構成でも、取付部材260の所定の取付部266に対してケース212を着脱可能に連結し、且つその連結の際に取付部266に対するケース212の姿勢が所定姿勢(具体的には、図3と同様、使用者Pの顔が向く方向(視線が向く側)に読取口14が向く姿勢)となるようにガイドするガイド部250が設けられている。
第2実施形態で用いられるガイド部250は、ケース212に設けられた2つのケース側連結部251,252と、取付部材260の取付部266に設けられた2つの取付部材側連結部253、254とを備えている。そして、2つのケース側連結部251,252と2つの2つの取付部材側連結部253、254とがそれぞれ連結することにより取付部材260とケース212とを連結する構成となっている。2つのケース側連結部251,252は、一方側シート材として機能し、2つの取付部材側連結部253、254は、他方側シート材として機能しており、ケース側連結部251と取付部材側連結部253とが面ファスナーとして連結するようになっており、ケース側連結部252と取付部材側連結部254とが面ファスナーとして連結するようになっている。
この構成によれば一方側シート材と他方側シート材とが結合しようとする作用を利用して、ケース12を取付部材60の所定位置に導くことができる。特に、再装着の際には、一方側シート材と他方側シート材を接触させるように操作すれば良く、再装着の際に大きな力や複雑な操作が不要であるため、作業性の面でも優れる。
なお、ここでは、面ファスナー構造によって連結する例を示したが、2つのシート状の構造物が着脱し得る公知の連結構造であればこの例に限られない。
[第3実施形態]
次に、図13を参照して第3実施形態について説明する。
この第3実施形態に係る携帯型情報コード読取装置310は、ケースの対向壁部の構成、取付部材の取付壁部の構成、ガイド部の構成のみが第1実施形態又は第1実施形態の変更例と異なり、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一である。従って、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一であるとして詳細な説明は省略する。例えば、取付部材360は、取付部材側連結部353、354のみが第1実施形態で開示される取付部材60と異なる。また、ケース312は、ケース側連結部351,352の構成のみが第1実施形態で開示されるケース12と異なる。また、装置本体311、対向壁部312a,取付部366,取付壁部366aについても、これら相違点のみが、第1実施形態の装置本体11、対向壁部12a,取付部66,取付壁部66aと異なり、それ以外はこれらと同一である。
本構成でも、取付部材360の所定の取付部366に対してケース312を着脱可能に連結し、且つその連結の際に取付部366に対するケース312の姿勢が所定姿勢(具体的には、図3と同様、使用者Pの顔が向く方向(視線が向く側)に読取口14が向く姿勢)となるようにガイドするガイド部350が設けられている。
第3実施形態で用いられるガイド部350は、ケース312に設けられた2つのケース側連結部351,352と、取付部材360の取付部366に設けられた2つの取付部材側連結部353、354とを備えている。そして、2つのケース側連結部351,352と2つの2つの取付部材側連結部353、354とがそれぞれ連結することにより取付部材360とケース312とを連結する構成となっている。2つのケース側連結部351,352は、一方側嵌合部として機能し、2つの取付部材側連結部353、354は、被嵌合部として機能しており、ケース側連結部351と取付部材側連結部353とが嵌合構造で連結するようになっており、ケース側連結部352と取付部材側連結部354とが嵌合構造で連結するようになっている。図13の例では、2つのケース側連結部351,352がいずれも凹部として構成され、2つの取付部材側連結部353、354がいずれも凸部として構成されており、2つのケース側連結部351,352の内部に2つの取付部材側連結部353、354がそれぞれ嵌り込んで連結するようになっている。
この構成によれば一方側嵌合部と被嵌合部とが嵌合しようとする作用を利用して、ケース12を取付部材60の所定位置に導くことができる。また、特別な材料や複雑な構造を多用せずともケース12を取付部材60に安定的に取り付けることができる。
図13の例では、2つのケース側連結部351,352がいずれも凹部として構成され、2つの取付部材側連結部353、354がいずれも凸部として構成された例を示したが、2つのケース側連結部351,352がいずれも凸部として構成され、2つの取付部材側連結部353、354がいずれも凹部として構成され、2つの取付部材側連結部353、354の内部に2つのケース側連結部351,352がそれぞれ嵌り込んで連結するような構成であってもよい。
なお、ここでは、2つのケース側連結部351,352と2つの取付部材側連結部353、354とがそれぞれ嵌合構造で連結する構成を示したが、2つのケース側連結部と2つの取付部材側連結部とが嵌合以外の公知の係合構造(例えば、孔部と係合爪とによる連結構造など)で連結する構成であってもよい。
[第4実施形態]
次に、図14、図15等を参照して第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る携帯型情報コード読取装410置は、取付部材の構成のみが第1実施形態又は第1実施形態の変更例と異なり、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一である。具体的には、ベース部及び身体装着部のみが第1実施形態又は第1実施形態の変更例と異なり、それ以外は第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一となっている。例えば、装置本体11は、第1実施形態と同一である。
第4実施形態で用いられる取付部材460は、取付部466の構造は第1実施形態で用いられる取付部66と同一となっている。一方、身体装着部462(使用者装着部)は、第1実施形態で用いられる身体装着部62と異なり、使用者の腕又は指に掛けられるバンド部材として構成されている。この身体装着部462は、一対の湾曲部462a、462bが互いに対向して配置され、全体として略環状に構成されている。そして、一対の湾曲部462a、462bの先端部が互いに対向して配置され、先端部間には隙間が形成されている。身体装着部462が一般的な指のサイズ程度に構成されている場合、このような湾曲部462a、462bの間に指を挿入しつつ指輪状に保持することで、使用者の指に取付部材460を装着できる。また、身体装着部462が一般的な手首のサイズ程度に構成されている場合、このような湾曲部462a、462bの間に手首を配置しつつ腕輪状に保持することで、使用者の腕に取付部材460を装着できる。
この構成では、装置本体11が指又は腕に取り付けられるため、手で握らずに操作可能な構成を実現しつつ、手の動きと連動させやすくなる。
なお、第4実施形態のいずれの構成でも、対向壁部の構成、取付壁部の構成、ガイド部の構成を第2実施形態のようにしてもよく、第3実施形態のようにしてもよい。
[第4実施形態の変更例]
第4実施形態の変更例では、第1実施形態の取付部材60(図8等)と、第4実施形態の取付部材460(図14、図15等)を用いることができるようになっている。
本構成では、装置本体11の構成は第一実施形態と同一であり、この構成でも、装置本体11は、情報コードを撮像する撮像部23と、撮像部23によって撮像された情報コードの画像を処理する処理部と、撮像部23及び処理部を保持するケース12とを備えている。そして、いずれの取付部材も、使用者装着部と、ケース12が着脱される取付部とを備えており、ケース12とは別体として構成されている。
この構成では、複数種類の取付部材60、460が使用者に取り付け可能とされており、いずれの取付部材が使用者に取り付けられた場合でも、その取り付けられた取付部材に対してケース12を連結可能とされている。そして、この場合、取付部材60と取付部材460を択一的に用いるようにしてもよく、両方の取付部材60、460を装着した上で、いずれかの取付部材にケース12を取り付けるようにしてもよい。
この構成では、予め用意された複数種類の取付部材60の中からいずれかを選択して利用することができ、使用状況に合わせて適切な位置に装着することが可能となる。そして、いずれの種類の取付部材60を用いる場合でも、ケース側は共通して用いることができるため、取付部材60の種類毎にケース側の構造を用意せずに済み、部品点数の低減及びコスト低減を図りやすくなる。
また、本構成では、複数種類の取付部材60、460の内、いずれかの取付部材にケース12が連結された場合に、ケース12が連結された取付部の種類を判定するようにしてもよい。
例えば、取付部材60において、図8に示す一点鎖線Aの位置に突起部を設け、取付部材460において図14に示す一点鎖線Bの位置にも突起部を設けるように構成し、ケース12においてこれらAの位置、Bの位置に対応するように第1孔部、第2孔部をそれぞれ形成するようにしてもよい。そして、例えば取付部材60にケース12が装着された場合には、Aの位置に形成された突起部がケース12に形成された第1孔部内に挿入されるように構成し、取付部材460にケース12が装着された場合には、Bの位置に形成された突起部がケース12に形成された第2孔部内に挿入されるようにすればよい。この場合、第1孔部への突起部の挿入及び第2孔部への突起部の挿入を検出するセンサを設け、センサによって、第1孔部への突起部の挿入が検出された場合には、取付部材60に取り付けられたと判定し、第2孔部への突起部の挿入が検出された場合には、取付部材460に取り付けられたと判定すればよい。この構成では、上述のセンサが取付検出部の一例に相当する。また、このセンサ及び制御回路が判定部の一例に相当する。
また、装置本体11では、判定部によって判定された種類の応じた対応処理を行うようにしてもよい。例えば、取付部材60にケース12が取り付けられたことが上記判定部によって検出された場合には、読み取りのモードを第1モードとし、取付部材460にケース12が取り付けられたことが上記判定部によって検出された場合には、読み取りのモードを第2モードとするようにモード切り替えを行うような構成とすることができる。この場合、例えば耳に装着されるときの第1モードでは、継続的に撮像処理を行い、情報コードが撮像される毎に自動的に読み取り処理を行うようなオートセンスモードとすればよい。また、指或いは腕に装着されるときの第2モードでは、操作スイッチ42が押される毎に読み取り処理を行うようなモードとすればよい。本構成では、制御回路40が設定変更部の一例に相当する。また、制御回路40は、対応処理部の一例に相当し、判定部によって判定された種類に応じた対応処理を行うように機能する。
なお、対応処理部の例はこの例に限られず、ケースが取り付けられる取付部材の種類に合わせて処理を変更し得る例であればよい。例えば、種類A(例えば、耳に取り付けられる取付部材)の取付部材に取り付けられた場合には、ブザー等の音量を小レベルにし、種類B(例えば、指や腕に取り付けられる取付部材)の取付部材に取り付けられた場合には、ブザー等の音量を大レベルにするようにしてもよい。或いは、種類A(例えば、耳に取り付けられる取付部材)の取付部材に取り付けられた場合には、バイブレータをオフとし、種類B(例えば、指や腕に取り付けられる取付部材)の取付部材に取り付けられた場合には、バイブレータをオンにするようにしてもよい。
この構成では、複数種類の取付部材60を利用する上でケース12を共通して利用可能な構成を実現しつつ、ケース側では、装着された取付部材60の種類を判定し、その種類に合わせた処理を行うことが可能となる。
なお、ケース12に連結された取付部材の種類の判定方法はこの方法に限られない。例えば、使用者がケース12の内部に取付部材の種類の情報を入力できるようにしてもよい。或いは、各取付部材に通信手段を設け、各取付部材からケース12側に自身の種類を特定する信号を送信できるようにしてもよい。
[第5実施形態]
次に、図16を参照して第2実施形態について説明する。
この第5実施形態に係る携帯型情報コード読取装置510は、取付部材560の構成(具体的には、取付部66と身体装着部62(使用者装着部)とを連結するベース部565の構成(具体的には、変位調整部564の構成))のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。従って、それ以外は第1実施形態と同一であるとして詳細な説明は省略する。例えば、装置本体11については、第1実施形態と同一の装置本体11が用いられる。また、取付部66も第1実施形態と同一の取付部66が用いられ、身体装着部62も第1実施形態と同一の身体装着部62が用いられる。なお、図16では、装置本体11を省略して示している。
第5実施形態で用いられる変位調整部564は、身体装着部62側と取付部66側とを球面対偶構造にて連結するボールジョイントとして構成されている。この構成では、ベース部565と取付部66と球面対偶構造で連結することにより、ベース部565に対する取付部66の向きを三次元的に変化させることができる。
なお、第5実施形態のいずれの構成でも、対向壁部の構成、取付壁部の構成、ガイド部の構成を第2実施形態のようにしてもよく、第3実施形態のようにしてもよい。また、第5実施形態のベース部の構造を、第4実施形態や第4実施形態の変形例に適用してもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について、図17、図18を参照して説明する。
本実施形態では、装置本体側の構成のみが第1実施形態又は第1実施形態の変更例と異なり、それ以外の構成は、第1実施形態又は第1実施形態の変更例と同一である。特に取付部材60は第1実施形態と同一である。
この構成でも、装置本体611内の電気的構成は第1実施形態と同一であり、情報コードを撮像する撮像部23と、撮像部23によって撮像された前記情報コードの画像を処理する制御回路40(処理部)とが設けられている。そして、これら撮像部23及び処理部などがケース612内部に収容されて一体化された構成となっている。また、取付部材60は、第1実施形態と同一の構成であり、ケース612と別体として構成され、図8等と同一の身体装着部62とベース部65と取付部66とを備えている。
そして本構成では、撮像部23を当該撮像部23の受光面の平面方向と交差する所定方向の回転軸C1を中心として回転可能に構成され、撮像部23を少なくとも2つの回転位置に切り替え可能な回転機構620が設けられている。図17の例では、ケース612における先端側の一部(回転部612b)を、図17の実線位置と二点鎖線の位置とに切替可能となっており、実線位置のときには、図17、図18で一点鎖線で示すような横方向に広い視野範囲AR1が設定され、回転部212bが二点鎖線の位置(符号612b’)のときには、図17、図18で二点鎖線で示すような縦方向に広い視野範囲AR2が設定されるようになっている。なお、回転軸C1は、前後方向の軸となっており、例えば、視野範囲の中心となる光軸の方向となっている。なお、図18では、回転部612bの外形を一点鎖線にて概念的に示しており、回転部612bの内部構造を実線にて示している。
本構成では、撮像部23を当該撮像部23の受光面の平面方向と交差する所定方向の回転軸C1を中心として回転可能に構成され、撮像部23を少なくとも2つの回転位置に切り替え可能な回転機構620を有する。この構成では、身体への装着状態に合わせて撮像部23の向きをより適切な向きに変更しやすくなる。
なお、本実施形態の特徴は、上述したいずれの実施形態の構成にも適用でき、いずれの実施形態の変更例にも適用でできる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。
本実施形態では、制御回路による制御方法のみが第4実施形態の変更例と異なり、それ以外は第4実施形態の変更例と同一である。
本構成では、装置本体11の構成は第1実施形態と同一であり、この構成でも、装置本体11は、情報コードを撮像する撮像部23と、撮像部23によって撮像された情報コードの画像を処理する処理部と、撮像部23及び処理部を保持するケース12とを備えている。そして、取付部材は、第1実施形態の取付部材60(図8等)と、第4実施形態の取付部材460(図14、図15等)を用いることができるようになっている。いずれの取付部材も、身体装着部と、ケース12が着脱される取付部とを備えており、ケース12とは別体として構成されている。なお、ここでは、2種類の取付部材を例示するが、例えば、耳、指、腕、頭等の3種類以上の位置に取り付け可能な3種類以上の取付部材が使用可能であってもよい。
この構成でも、複数種類の取付部材60、460が使用者に取り付け可能とされており、いずれの取付部材が使用者に取り付けられた場合でも、その取り付けられた取付部材に対してケース12を連結可能とされている。そして、この場合、取付部材60と取付部材460を択一的に用いるようにしてもよく、両方の取付部材60、460を装着した上で、いずれかの取付部材にケース12を取り付けるようにしてもよい。
そして、検出部により、ケース12の取り付け位置を検出可能となっており、撮像部23によって撮像された画像から検出部の検出結果に対応する範囲を選択する構成となっている。具体的には、第4実施形態の変更例と同様、複数種類の取付部材60、460の内、いずれかの取付部材にケース12が連結された場合に、ケース12が連結された取付部の種類を判定するようになっており、第4実施形態の変更例で用いられた判定部(取付部材の種類を検出するセンサ、及び制御回路40)が検出部の一例に相当する。
本構成では、予め取付部材の種類毎に、全撮像画像からの選択範囲(切り出し範囲)が定められている。例えば、装置本体11が、耳に掛けられる取付部材60に取り付けられる場合には、図19のように、全撮像画像の範囲B1の中から縦長の範囲B2を選択して画像処理に用い、装置本体11が指又は腕に掛けられる取付部材460に取り付けられる場合には、図19のように、全撮像画像の範囲B1の中から横長の範囲B3を選択して画像処理に用いるようにしてもよい。この例に限らず、例えば、装置本体11が、耳に掛けられる取付部材60に取り付けられる場合には、全撮像画像の範囲B1の中から所定第1範囲を選択して画像処理に用い、装置本体11が指又は腕に掛けられる取付部材460に取り付けられる場合には、所定第1範囲よりも狭い又は広い所定第2範囲を選択して画像処理に用いるようにしてもよい。このように、撮像部23によって撮像された画像から、検出部の検出結果に対応する範囲(即ち、検出された取付部材の種類に対して予め対応付けられている範囲)を切り出すように、種類毎に切り出し範囲を変更できるようになっている。
なお、制御回路40が、選択部の一例に相当し、受光センサ23(撮像部)によって撮像された画像から検出部の検出結果に対応する範囲を選択するように機能する。
この構成によれば、撮像部23によって撮像された画像から、ケース12が取り付けられた位置に合わせた範囲を選択して利用可能となる。従って、常に全画素のデータを全て利用する方法と比較して処理するデータ量を低減しつつ、取付位置に合わせたより適正な範囲の画像を用いやすくなる。
[第8実施形態]
次に第8実施形態について説明する。
本実施形態では、制御回路による制御方法のみが第4実施形態の変更例と異なり、それ以外は第4実施形態の変更例と同一である。
本構成では、装置本体11の構成は第1実施形態と同一であり、この構成でも、装置本体11は、情報コードを撮像する撮像部23と、撮像部23によって撮像された情報コードの画像を処理する処理部と、撮像部23及び処理部を保持するケース12とを備えている。そして、取付部材は、第1実施形態の取付部材60(図8等)と、第4実施形態の取付部材460(図14、図15等)を用いることができるようになっている。なお、いずれの取付部材も、身体装着部と、ケース12が着脱される取付部とを備えており、ケース12とは別体として構成されている。
この構成でも、複数種類の取付部材60、460が使用者に取り付け可能とされており、いずれの取付部材が使用者に取り付けられた場合でも、その取り付けられた取付部材に対してケース12を連結可能とされている。そして、この場合、取付部材60と取付部材460を択一的に用いるようにしてもよく、両方の取付部材60、460を装着した上で、いずれかの取付部材にケース12を取り付けるようにしてもよい。
制御回路40は、ケース12が取り付けられた取付部材の種類を判別した場合、その種類を特定する情報を外部装置HSTに送信するように構成されている。例えば、取付部材60が種類1であり、取付部材460が種類2である場合、制御回路40は、ケース12が取付部材60に取り付けられていることを確認した場合、外部装置HSTに種類1の情報(ケース12が取り付けられた取付部材が種類1であることを特定する情報)を送信する。このとき、外部装置HSTは、例えば、種類1に対応するプログラムを装置本体11に送信する。また、制御回路40は、ケース12が取付部材460に取り付けられていることを確認した場合、外部装置HSTに種類2の情報(ケース12が取り付けられた取付部材が種類2であることを特定する情報)を送信する。このとき、外部装置HSTは、種類2に対応するプログラムを装置本体11に送信する。
本構成では制御回路40と通信インタフェース48が送信制御部の一例に相当し、検出部によって検出されたケース12の取付位置の情報を外部装置に送信するように機能する。また、制御回路40と通信インタフェース48が受信部の一例に沿う装置、送信制御部によってケース12の取付位置の情報が外部装置HSTに送信された場合に、外部装置HSTから、ケース12の取付位置の情報に対応する応答情報を受信するように機能する。
この構成によれば、ケース12が取り付けられた位置に合わせたデータを外部装置から取得して利用可能となる。
なお、ケース12の取付位置の情報に対応する応答情報として、ケース12が取り付けられた取付部材の種類に予め対応付けられたプログラムを例示したが、このようなプログラムに限られない。例えば、種類1の場合には、種類1に対応するメッセージ情報や音声データなどを送信し、種類2の場合には、種類2に対応するメッセージ情報や音声データなどを送信してもよい。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態について説明する。
第9実施形態に係る携帯型情報コード読取装置710は、形態のみが第1実施形態と異なり、電気的構成は第1実施形態と同一である。よって、電気的構成については、詳細な説明を省略し、適宜図2を参照することとする。
(全体構成)
本構成の携帯型情報コード読取装置710は、主に、装置本体711と取付部材760とによって構成されている。装置本体711は、情報コード100を撮像可能な撮像部23(図2、図36等)と、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部(制御回路40(図2))と、撮像部23及び処理部を保持するケース712とを備えた構成となっている。また、ケース712とは別体として設けられると共に使用者の顔が向く側を撮像する構成で撮像部23を使用者に取り付ける取付部材760を備えている。この取付部材760は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部(装着部)762と、ケース712が着脱される取付部766とを有し、使用者の人体に掛けられる構成となっており、ケース712を使用者の耳に取り付けるように機能するものである。
まず、装置本体711の構成について説明する。
装置本体711は、ケース712の内部に図2に示す各種電子部品が収容されてなるものであり、本構成では、取付部材760に対して図20〜図22のように装着可能とされており、図23、図29のように離脱可能とされている。なお、本構成では、例えば、ケース712内に電池が収容されており、この電池からの電力を利用してケース712内の電子部品が動作するようになっている。
図31〜図33等に示すように、ケース712は、全体として長手状且つ箱状に構成されている。なお、本構成では、装置本体711の前後方向、幅方向(横方向)、上下方向を以下のように規定する。まず、撮像部23の視野範囲の中心の方向(光軸方向)を前後方向としており、ケース712の長手方向が前後方向となっている。そして、前後方向と直交する方向においてケース712の厚さ方向が幅方向(横方向)となっており、ケース712の対向壁部712aと、対向壁部712aの反対側の壁部(表側の側壁部712b)とが向かい合う方向が幅方向(横方向)となっている。そして、上記前後方向及び幅方向と直交する方向が上下方向となっている。なお、以下では、前後方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、幅方向(横方向)をZ軸方向として説明する。そして、前方向をX軸正方向、後ろ方向をX軸負方向とする。更に、上方向をY軸正方向、下方向をY軸負方向とする。そして、ケース712側から見て取付部材760側をZ軸負方向とし、取付部材760とは反対側をZ軸正方向とする。
図23、図31〜図33のように、ケース712は、このような定義において前端部に前壁部712cが設けられ、後端部に後壁部712dが設けられている。更に、幅方向(左右方向)一方側(取付部材760側)に側壁部(対向壁部712a)が設けられ、これとは反対側に表側の側壁部712bが設けられている。更に、上下方向の一端部には壁部712eが設けられ、上下方向の他端部には壁部712fが設けられている。そして、これら前壁部、後壁部、側壁部、壁部、壁部により、前後左右及び上下が囲まれる箱状構成で、撮像部23や制御回路40などの電子部品を収容する収容部が構成されている。
また、本構成では、使用者の顔Faを基準として顔Faが向く方向を顔Faの前側、後頭部側を顔Faの後ろ側として説明する。
このケース712は、情報コードからの光を導入可能な読取口714を備えており、この読取口714を覆う構成で光透過性のカバー部材715が設けられている。また、図21、図26等に示すように、ケース712は、取付部材760への装着位置から所定方向に延びる延出部717(取付部材760に当接する部分から前側に延びる部分)を備え、且つその延出部717における取付部材760とは反対側の端部寄りに読取口714が設けられている。そして、この読取口714を覆うカバー部材715が前壁部712cとして構成されている。そして、取付部材760は、図20、図21のようにケース712が使用者の顔Faの横位置に配置され且つ読取口714が使用者Pの前側を向く構成で当該ケース712を使用者Pの耳Eyに取り付ける構成となっている。このように、使用者の顔が向く側と同じ側に撮像部23が向くように取付部材760によってケース712が取り付けられている。
また、ケース712において上下方向一方側の壁部712eには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42aが設けられており、他方側の壁部712fには、外部操作(例えば、上下方向の押圧操作)が可能な操作スイッチ42bが設けられている。これら操作スイッチ42a、42bは、図2の操作スイッチ42を具体的に示すものである。操作スイッチ42aは、トリガスイッチとして機能し、操作スイッチ42bは、トリガスイッチ以外の操作スイッチとして機能している。なお、メモリ35には、操作スイッチ42a,42bのいずれをトリガスイッチとして機能させ、いずれを他のスイッチとして機能させるかを設定する設定情報が記憶されており、操作スイッチ42a,42bは、この設定情報に従って動作するようになっている。また、この設定情報は、ケース712が図46のようにコンピュータなどの外部機器PCに接続された場合に、この外部機器PCによって書き換えることができるようになっている。
また、ケース712の内部には、図36のように照明光を照射する照明光源21、マーカ光を照射するマーカ光照射部80、ケース712の外部を撮像する撮像部23が設けられており、照明光源21からの照明光及びマーカ光照射部80からのマーカ光はいずれも、読取口714を介して前壁部712cからケース712の前側に照射されるようになっている。また、本構成では、撮像部23及び結像レンズ27が上下方向中心部よりもやや上寄りに配置され、受光光軸Gが上下方向中心部よりもやや上寄りに位置している。また、照明光源21は、上下方向中心部よりも下寄りに配置されており、照明光源21と撮像部23の間にマーカ光照射部80が配置されるようになっている。図36のように、前壁部712c寄りの位置には、結像レンズ27、マーカ光照射部80のレンズ80a、照明光源21のレンズ21aが配置されており、照明光源21のレンズ21aよりもマーカ光照射部80のレンズ80aのほうが、結像レンズ27(受光レンズ)に近い位置関係となっている。これにより、マーカ光の経路を、より受光光軸Gに近づけることができるようになっている。
次に、取付部材760について説明する。
図20、図21等に例示されるように、取付部材760は、撓み変形可能な可撓性の身体装着部762と、ケース712が着脱される取付部766とを備えており、ケース712とは別体として設けられている。この取付部材760は、使用者の人体に掛けられて人体に保持される部分であり、具体的には、使用者の首から上の部分において体の構造上突出した部分(以下の例では、両耳部分)に掛けられることで、人体に保持されると共に人体の所定位置に位置決めされるようになっている。図20、図21等に示すように、この取付部材760は、ケース712が使用者の顔Faの横位置に配置されると共に使用者の顔Faが向く側に読取口714が向く構成でケース712を少なくとも使用者の耳Eyに取り付ける構成となっている。
身体装着部762は、少なくとも一部が使用者に直接接触して装着される部分であり、具体的には、使用者の両耳に掛けられる耳掛け部として構成されている。この身体装着部762は、図24〜図28のように、使用者に取り付けられていない被装着時の自然状態において所定形状で維持される構成であり、且つ弾性変形可能に構成され、可撓性の構造となっている。この身体装着部762は、後述する右側装着部770及び左側装着部780のそれぞれに両端部がそれぞれ連結された構成となっており、全体として略U字状の構成となっている。この身体装着部762には、使用者への装着時に上方側に凸となるように右側装着部770寄りの隣接位置に湾曲して形成された右耳取付部(右耳掛け部)762aと、右耳取付部762aから離れて形成されると共に上方側に凸となるように左側装着部780寄りの隣接位置に湾曲して形成された左耳取付部(左耳掛け部)762bと、これら右耳取付部762aと左耳取付部762bとを連結する中間連結部762cとを備えている。中間連結部762cは、図20等のように取付部材760を使用者の耳に掛けて装着したときに、使用者の後頭部又は首に当てられるように巻き付く部分である。
取付部766は、使用者の顔の右側に配置されると共にケースを着脱可能な右側装着部770と、使用者の顔の左側に配置されると共にケースを着脱可能な左側装着部780とを有している。これら、右側装着部770、左側装着部780は、取付部の一例に相当する。本構成では、身体装着部762において、使用者の右耳に掛けられて右耳に支持される右耳取付部762a(右耳取付部762aは、被支持部の一例に相当)から前側延出部763aが前側(中間連結部762cとは反対側)に延びている。そして、右側装着部770は、身体装着部762における前側延出部763aの先端部に連結されてケース712を保持する取付部として機能している。この構成では、図20、図21のように使用者に取付部材760を取り付けた取付時に、前側延出部763aが右耳取付部762a(被支持部)よりも前側に延びて配置され、右耳取付部762a(被支持部)を支持する使用者の右耳の耳孔よりも前位置に右側装着部770(取付部)が配置される構成となっている。
右側装着部770(取付部)は、図20、図21のような人体への装着時に右耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部771と、裏面部771の反対側に配置された表面部772とを備えている。裏面部771と表面部772は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部771の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部772の外面(ケース712の取付時にケース712と接触する面)とが略平行になっている。裏面部771と表面部772の間の厚さは、右耳取付部762aの太さよりも大きくなっており、図26等に示すように、表面部772側が、右耳取付部(右耳掛け部)762aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される右側装着部770により、ケース712を表面部772で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図25等に示すように、右側と同様、身体装着部762において、使用者の左耳に掛けられて左耳に支持される左耳取付部762b(左耳取付部762bは、被支持部の一例に相当)から前側延出部763bが前側(中間連結部762cとは反対側)に延びている。そして、左側装着部780は、身体装着部762における前側延出部763bの先端部に連結されてケース712を保持する取付部として機能している。この構成では、図20、図21、図42、図44のように使用者に取付部材760を取り付けた取付時に、前側延出部763bが左耳取付部762b(被支持部)よりも前側に延びて配置され、左耳取付部762b(被支持部)を支持する使用者の左耳の耳孔よりも前位置に左側装着部780(取付部)が配置される構成となっている。
左側装着部780(取付部)は、図20、図21、図42、図44のような人体への装着時に左耳の耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向して支持される裏面部781と、裏面部781の反対側に配置された表面部782とを備えている。裏面部781と表面部782は、いずれも外面が平坦に構成されており、例えば、裏面部781の外面(使用者の顔に支持される面)と表面部782の外面(ケース712の取付時にケース712と接触する面)とが略平行になっている。裏面部781と表面部782の間の厚さは、左耳取付部762bの太さよりも大きくなっており、図24等に示すように、表面部782側が、左耳取付部(左耳掛け部)762aよりも横に突出した構成となっている。そして、このように構成される左側装着部780により、ケース712を表面部782で保持する構成となっている。なお、保持構造については、後に詳述する。
図23、図30、図32のように、ガイド部750は、取付部材760に設けられた各取付部766に対してケース712を着脱可能に連結し、且つその連結の際に各取付部766に対するケース712の姿勢が所定姿勢となるようにガイドするように機能する。このガイド部750は、ケース712側に設けられた2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と、右側装着部側(右側装着部770側)に設けられた少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部773a,第2右側連結部773b)と、左側装着部側(左側装着部780側)に設けられた少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部783a,第2左側連結部783b)とを備えている。そして、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と少なくとも2つの右側連結部(第1右側連結部773a,第2右側連結部773b)とがそれぞれ連結されることによりケース712が右側装着部770に取り付けられ、少なくとも2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と少なくとも2つの左側連結部(第1左側連結部783a,第2左側連結部783b)とがそれぞれ連結されることによりケース712が左側装着部(第1左側連結部783a,第2左側連結部783b)に取り付けられる構成となっている。
図23、図30、図32のように、本構成では、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と2つの右側連結部(第1右側連結部773a,第2右側連結部773b)が第1ガイド部に相当し、右側装着部770に対してケース712を着脱可能に連結し、且つ右側装着部770に対してケース712を連結した際に右側装着部770に対するケース712の姿勢が第1所定姿勢となるようにガイドする。また、2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と、2つの左側連結部(第1左側連結部783a,第2左側連結部783b)が、第2ガイド部に相当し、左側装着部780に対してケース712を着脱可能に連結し、且つ左側装着部780に対してケース712を連結した際に左側装着部780に対するケース712の姿勢が第2所定姿勢となるようにガイドする。
図23、図30、図32のように、本構成では、2つのケース側連結部として、永久磁石として構成される第1ケース側連結部751と、永久磁石として構成される第2ケース側連結部752とが設けられる。また、2つの右側連結部として、永久磁石として構成される第1右側連結部773aと、永久磁石として構成される第2右側連結部773bとが設けられ、2つの左側連結部として、永久磁石として構成される第1左側連結部783aと、永久磁石として構成される第2左側連結部783bとが設けられる。そして、第1ケース側連結部751は、第1右側連結部773a及び第1左側連結部783aと極性が異なり、且つ第2右側連結部773b及び第2左側連結部783bと極性が同じであり、第2ケース側連結部752は、第2右側連結部773b及び第2左側連結部783bと極性が異なり、第1右側連結部773a及び第1左側連結部783aと極性が同じになっている。
この構成では、第1ケース側連結部751と第1右側連結部773aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部751と第1右側連結部773aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部751は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1右側連結部773aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部752と第2右側連結部773bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部752と第2右側連結部773bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部752は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2右側連結部773bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部751と第2右側連結部773bとが同極性であり、第2ケース側連結部752と、第1右側連結部773aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部751は、表面部がN極として構成され、第2右側連結部773bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部752は、表面部がS極として構成され、第1右側連結部773aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
右側と同様に、第1ケース側連結部751と第1左側連結部783aとの極性が互いに異なり、これら第1ケース側連結部751と第1左側連結部783aとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第1ケース側連結部751は、表面部がN極として構成された永久磁石として構成され、第1左側連結部783aは、表面部がS極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。また、第2ケース側連結部752と第2左側連結部783bとの極性が互いに異なり、これら第2ケース側連結部752と第2左側連結部783bとが互いに吸引して連結される構成となっている。例えば、第2ケース側連結部752は、表面部がS極として構成された永久磁石として構成され、第2左側連結部783bは、表面部がN極として構成された永久磁石として構成されており、互いの表面部が対向したときに吸引し合うようになっている。
更に、第1ケース側連結部751と第2左側連結部783bとが同極性であり、第2ケース側連結部752と、第1左側連結部783aとが同極性である。上述の例では、第1ケース側連結部751は、表面部がN極として構成され、第2左側連結部783bも、表面部がN極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。また、第2ケース側連結部752は、表面部がS極として構成され、第1左側連結部783aも、表面部がS極として構成されているため、互いの表面部が対向したときに反発し合うようになっている。
このようなガイド部750によってケース712を各取付部766に取り付けることができるようになっており、取付時にケース712の向き(即ち、読取方向の向き)が安定するようになっている。また、取付部766及びガイド部750により、ケース712の前側部分(ケース712において、取付部766に支持される部分よりも前側に延び出た延出部)が使用者の耳から少なくとも前側に延びる構成でケース712を使用者の耳に取り付けることができるようになっている。
また、図32、図34、図35で示すように、ケース712における使用者側の側壁部(対向壁部712a)には、右側装着部770に形成された右側被保持部(表面部772)と嵌合可能に構成され、左側装着部780に形成された左側被保持部(表面部782)と嵌合可能に構成された底の浅い穴状(具体的には、ケース内側に凹んだ形状)のガイド溝713(保持部)が形成されている。そして、ケース712が右側装着部770に取り付けられる時に、ガイド溝713(保持部)と右側被保持部(表面部772)とが嵌合し、ケース712が左側装着部780に取り付けられる時に、ガイド溝713(保持部)と左側被保持部(表面部782)とが嵌合する構成となっている。そして、凹んだ形状のガイド溝713の奥底部に2つのケース側連結部(第1ケース側連結部751、第2ケース側連結部752)が配置されており、嵌合時には表面部772又は表面部782がガイド溝713の凹みの内部に入り込み、そのガイド溝713の奥底部に当接して嵌合するようになっている。これにより、磁石による位置保持だけでなく、嵌合による位置保持もなされ、装着時にケース712が大きく位置ずれしにくくなっている。特に、操作スイッチ42aや操作スイッチ42bを押したときの位置ずれ抑制効果が高い構造となっている。なお、表面部772及び表面部782は、被保持部の一例に相当する。
図32、図34、図35のように、ガイド溝713は、互いに対向する一対の壁部713a,713bを有しており、これら一対の壁部713a,713bが所定方向(図32の例では、ケース712の長手方向であり、前後方向)に延びている。更に、一対の壁部713a,713bの間に構成される被保持部(表面部772又は表面部782)の保持領域に対しその所定方向の一方側(具体的には、前側)には、ケース712の装着時に被保持部(表面部772又は表面部782)の所定方向一方側への相対移動を規制する規制壁713cが設けられている。そして、ケース712の装着時には、被保持部(表面部772又は表面部782)は、ガイド溝713における一対の壁部713a,713bの間に配置され、規制壁713cに隣接した位置で保持されるようになっている。つまり、表面部772又は表面部782のいずれかの被保持部がガイド溝713内に取り付けられる場合には、その取り付けられる被保持部は、一対の壁部713a,713b及び規制壁713cによって三方を囲まれる形で保持されるようになっている。
また、ガイド溝713は、一対の壁部713a,713bの間に、被保持部の外面(即ち、表面部772又は表面部782の外面)と接触する支持面713eが構成されている。つまり、表面部772がガイド溝713に保持される場合には、表面部772の表面と支持面713eとが互いに接触し、表面部782がガイド溝713に保持される場合には、表面部782の表面と支持面713eとが互いに接触するようになっている。更に、図32、図35で示すように、所定方向(前後方向)において支持面713eに並ぶ構成で支持面713eに対して傾斜した傾斜面713fが構成されている。この構成では、図35(A)のような取付状態にある取付部(図35(A)では、右側装着部770)からケース712を取り外す際に、被保持部(図35(A)の例では、表面部772)をガイド溝713に沿って傾斜面713f側に案内するように操作すれば被保持部を支持面713eから円滑に引き離すことができ、簡単な操作で磁石の吸引力を弱めることができるため、取り外し操作の容易化を図ることができる。
また、ケース712において取付部材760に取り付けられる側の壁部(対向壁部712a)には、音を導出する複数の導出孔720が形成されている。この導出孔720は、ケース712の内部に設けられた発音部44(スピーカ等:図2)で発せられた音を外部に導出する放音孔として機能している。本構成では、ケース712が取付部材760に取り付けられた取り付け時には、取付部材760の一部をなす被覆部(具体的には、表面部772,782)によって導出孔720の少なくとも一部(例えば全部)が覆われ、ケース712が取付部材760から取り外された取り外し時には、導出孔720において取り付け時に被覆部によって覆われる部分が露出する構成となっている。例えば、図20等のように、ケース712が、右側装着部770に取り付けられたときには、右側装着部770の表面部772によって導出孔720の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース712が右側装着部770から取り外された取り外し時には、導出孔720において取り付け時に表面部772によって覆われる部分が露出する構成となっている。左側も同様であり、ケース712が、左側装着部780に取り付けられたときには、左側装着部780の表面部782によって導出孔720の全部が覆われ、音の放出が抑制されるようになっている。一方、このような取付状態を解除し、ケース712が左側装着部780から取り外された取り外し時には、導出孔720において取り付け時に表面部782によって覆われる部分が露出する構成となっている。なお、図32における二点鎖線766aの位置が、ケース712を取付部766に取り付けているときに表面部772又は表面部782に接触し、表面部772又は表面部782によって覆われる位置である。
また、本構成では、図31〜図33のように、装置本体711を取付部材760から取り外し、取付部材760とは別で装置本体711を使用したり、メンテナンスしたりすることができる。そして、この装置本体711は、ケース712に対して、ケーブル702を保持する保持部材790が取り付けられた構成となっており、この保持部材790は、図29のように、着脱が可能な構成となっている。また、この保持部材790には、ケーブル702と嵌合してケーブル702を支持するケーブル支持部791が形成されており、図33のように、ケーブル支持部791からケーブル702を取り外して使用したり、管理したりすることもでき、図22のように、ケーブル支持部791でケーブル702を保持して使用したり、管理したりすることもできるようになっている。また、本構成では、図41のように、ケーブル支持部791が被取付部(ケース712において、取付部材760に保持される部分)の真裏の位置に配置され、ケーブル支持部791によってケーブル702がモーメントの中心部付近で保持されるため、ケーブル702が引っ張られたとしても、ケース712の向きが矢印のように変化しにくい構成となっている。
読取装置710を使用者に取り付ける場合、図39、図40のように、先に取付部材760を使用者の両耳に掛け、その後、例えば図20、図21のように、右側装着部770又は左側装着部780のいずれかに装置本体711を取り付けるようにすれば、迅速且つ容易に取り付けることができる。また、このような方法に限られず、図22のように組み付けた後に、読取装置710を使用者に取り付けるようにしてもよい。
本構成に係る読取装置は、図20、図21のような装着方法、使用方法に限られず、様々な使用方法で使用することができる。例えば、ケーブル702に接続される外部装置D(図45)は、図20のように、腰に掛けて使用してもよく、図42のように、使用者の胸のポケットに入れて使用してもよい。また、図43、図44のように、取付部材760から装置本体711を一時的に或いは継続的に取り外して読み取りに使用してもよく、この場合も、図20、図42のように、外部装置Dは、様々な場所に配置しておくことができる。
また、本構成では、図45のように、ケーブル702は、外部装置D(読取作業の使用時に用いられる外部装置)に着脱可能に取り付けられるようになっており、図46のように、外部装置Dから取り外して外部装置Dとは異なる外部機器PCなどにも接続できるようになっている。外部装置Dの機能な様々であるが、装置本体711に電力を供給する供給源として機能していてもよく、装置本体711から情報(装置本体711で情報コードを解読したときの解読データ等)を記憶する記憶媒体として機能していてもよい。或いは、外部装置DにCPU等の制御回路を搭載しておき、撮像部23で撮像されたコード画像を外部装置Dでデコードするようにしてもよい。
本構成では、取付部材760は、ケース712とは別体として構成され、使用者の顔の右側に配置されると共にケースを着脱可能な右側装着部770と、使用者の顔の左側に配置されると共にケースを着脱可能な左側装着部780とを有している。これら右側装着部770及び左側装着部780が取付部766として機能している。この構成によれば、ケースを使用者の顔の右側にも左側にも装着可能となり、装着の自由度が増す。
また、取付部材760は、使用者の右耳に取り付けられる右耳取付部と、使用者の左耳に取り付けられる左耳取付部と、右耳取付部と左耳取付部とを連結する連結部とを有する。この構成によれば、取付部材760が両耳に支持される形で取り付けられるため、装着時の安定性が増し、顔の動きとケースとを、より安定的に連動させやすくなる。また、ケース712を間接的に耳に取り付けることができるため、他の装着具(ヘルメットや眼鏡等)が使用される場合でも人体に装着しやすくなる。
また、ケース712及び取付部766のいずれか一方には磁石が配置され、他方には磁石に吸引される吸引部(例えば、磁石や他の磁性体)が配置されており、ケースが右側装着部770に装着される場合には、ケース712と右側装着部770とが磁石と吸引部との吸引によって保持され、ケース712が左側装着部780に装着される場合には、ケース712と左側装着部780とが磁石と吸引部との吸引によって保持される構成となっている。この構成によれば、ケース712を顔の右側に装着する場合でも、左側に装着する場合でも、磁石の吸引力を利用して容易に装着しやすくなる。また、取付部766からのケースの取り外しや、付け替えなども容易に行いやすくなる。
また、ケース712において、取付部766に形成された被保持部(表面部772,782)と嵌合可能に構成された保持部(ガイド溝713)が形成されており、ケース712が取付部766に取り付けられる時に、保持部と被保持部とが嵌合する構成となっている。この構成では、ケース712を取付部766に取り付ける際に、少なくとも嵌合状態で保持することができるため、ケース712が位置ずれしにくくなる。
具体的には、図32、図34のように、ケース712において、互いに対向する一対の壁部713a,713bを有するガイド溝713が形成されている。そして、取付部766には、ケース712が当該取付部766に取り付けられる時にガイド溝713における一対の壁部713a,713bの間に配置されて保持される被保持部(表面部772,782)が形成されている。この構成では、ケース712が取付部766に取り付けられる時に、ガイド溝713内に被保持部を挟み込んで保持することができるため、ケース712がより位置ずれしにくくなり、振動等に強い構造となる。
また、図32、図35のように、ガイド溝713は、一対の壁部713a,713bが所定方向(例えば、前後方向)に延び、一対の壁部713a,713bの間に構成される被保持部の保持領域(一対の壁部713a,713bの間の領域であって、表面部772,782が取り付けられるときに配置される領域)に対し所定方向の一方側には、ケース712が取付部766に取り付けられる時に被保持部(図35の例では、表面部772)の所定方向一方側への移動を規制する規制壁713cが設けられている。この構成によれば、一対の壁部713a,713bと規制壁713cとによって被保持部の周りを囲むように保持することができるため、より安定的に保持することができる。特に、少なくとも3方向を取り囲むように被保持部を保持することができるため、所定方向に対して直交する向きや、所定方向一方側への相対移動が懸念される場合であっても、このような相対移動を抑えやすくなり、振動等に起因する意図しない離脱などを確実に抑制することができる。例えば、図34、図35(A)は、右側装着部770の表面部772をケース712に形成されたガイド溝713内に嵌め込むように取り付けた例であるが、この場合、ガイド溝713によって表面部772の三方を囲むように保持することができるため、装着がより安定化する。
また、ガイド溝713は、上述したように一対の壁部713a,713bが所定方向(例えば、前後方向)に延び、一対の壁部713a,713bの間には、ケース712が取付部766に取り付けられる時に被保持部の外面と接触する支持面713eが構成され、所定方向において支持面713eに並ぶ構成で支持面713eに対して傾斜した傾斜面713fが構成されている。この構成によれば、取付部766からケース712を取り外す際に、被保持部をガイド溝713に沿って傾斜面713f側に案内するように操作すれば被保持部を支持面713eから円滑に引き離すことができるため、取り外し操作の容易化を図ることができる。例えば、図35(A)は、右側装着部770の表面部772をケース712に形成されたガイド溝713内に嵌め込むように取り付けた例であり、図35(B)は、その状態から、ガイド溝713に沿って表面部772を案内するようにケース712を相対移動させた例である。この例で示すように、ケース712に対して簡単なスライド操作を行うだけで、傾斜面713fを利用して表面部772と支持面713eとの間に隙間を生じさせることができ、これにより、磁石の吸引力を弱めやすくなる。
また、右側装着部770に対してケース712を着脱可能に連結し、且つ右側装着部770に対してケース712を連結した際に右側装着部770に対するケース712の姿勢が第1所定姿勢となるようにガイドする第1ガイド部と、左側装着部780に対してケース712を着脱可能に連結し、且つ左側装着部780に対してケース712を連結した際に左側装着部780に対するケース712の姿勢が第2所定姿勢となるようにガイドする第2ガイド部と、を有する。この構成では、ケース712が顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、取付部766に対するケース712の姿勢を安定的に定めることができる。
また、ガイド部は、ケースに設けられた少なくとも2つのケース側連結部と、右側装着部に設けられた少なくとも2つの右側連結部と、左側装着部に設けられた少なくとも2つの左側連結部と、を備えており、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケース712が右側装着部770に取り付けられ、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケース712が左側装着部780に取り付けられる構成となっている。この構成によれば、ケース712が顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、取付部に定められた少なくとも2つの連結部に対し、ケース712に設けられた2つの連結部(ケース側連結部)を合わせるように連結する構成であるため、ケース712の向きが所望の方向を向くように、より正確に設定されやすくなる。
また、2つのケース側連結部として、永久磁石として構成される第1ケース側連結部751と、永久磁石として構成される第2ケース側連結部752とが設けられ、2つの右側連結部として、永久磁石として構成される第1右側連結部773aと、永久磁石として構成される第2右側連結部773bとが設けられる。更に、2つの左側連結部として、永久磁石として構成される第1左側連結部783aと、永久磁石として構成される第2左側連結部783bとが設けられる。そして、第1ケース側連結部751の表面部の極性は、第1右側連結部773a及び第1左側連結部783aのそれぞれの表面部の極性と異なり、且つ第2右側連結部773b及び第2左側連結部783bのそれぞれの表面部の極性と同じになっている。また、第2ケース側連結部752の表面部の極性は、第2右側連結部773b及び第2左側連結部783bの表面部の極性と異なり、第1右側連結部773a及び第1左側連結部783aの表面部の極性と同じになっている。
この構成では、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、少なくとも2位置で磁石同士が引き合う力を利用してケースを適正な位置により強くより正確に導くことができ、位置合わせや連結の負担をより低減することができる。更に、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、対応しない連結部同士を合わせるように逆に取り付けた場合、対応しない連結部同士が同極性であるため、各位置で連結部同士が反発し合うことになり、連結されないことになる。従って、ケースが顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、正規の向きの場合には、取付部に対するケースの位置合わせをより正確かつ迅速に行い易くなり、逆向きでの異常な連結については、より確実に防ぐことができる。
また、取付部は、使用者のいずれかの耳に掛けられて支持される被支持部と、被支持部から延びる前側延出部と、前側延出部に連結されると共にケースを保持する保持部と、を少なくとも備え、使用者に取付部を取り付けた取付時に、前側延出部が被支持部よりも前側に延びて配置され、被支持部を支持する耳の耳孔よりも前位置に保持部が配置される構成となっている。
この構成では、ケースを保持する保持部が使用者の耳孔よりも前位置に配置されるため、保持部が使用者の耳孔を塞がず、使用者が周囲の音を聞きやすくなる。
また、保持部は、耳孔よりも前位置において使用者の顔に対向する裏面部と、裏面部の反対側に配置された表面部とを備えており、ケースを表面部で保持する構成となっている。
この構成では、ケースが使用者の顔から離れた位置に配置される表面部で保持されるため、表面部に保持されるケースが使用者の耳孔を塞がず、使用者が周囲の音を聞きやすくなる。
また、ケースにおいて取付部に取り付けられる側の壁部には、音を導出する導出孔が形成されており、ケースが取付部に取り付けられた取り付け時には、取付部の一部をなす被覆部によって導出孔の少なくとも一部が覆われ、ケースが取付部から取り外された取り外し時には、導出孔において取り付け時に被覆部によって覆われる部分が露出する構成となっている。
この構成では、ケースが顔の近くに配置されるような装着時には、導出孔を塞ぐことで相対的に音を抑制することができ、音発生源が使用者の耳の近くにある場合でも、使用者に大きな音が届きすぎることを抑えることができる。一方、ケースが顔から離れて使用されやすい非装着時には、導出孔を露出させることで相対的に音を大きくすることができ、音発生源が使用者の耳からある程度離れている場合でも、使用者に音が届きやすくなる。
[第10実施形態]
次に、図47〜図53等を参照して第10実施形態について説明する。
第10実施形態に係る携帯型情報コード読取装置1010は、取付部材の構成のみが上記実施形態と異なり、装置本体の構成については、上記実施形態と同一である。この装置本体については、第1実施形態で示した装置本体11と同一としてもよく、第9実施形態で示した装置本体711と同一としてもよい。なお、以下では、第9実施形態で示した装置本体711が用いられる例を代表例として説明する。
装置本体711は、第9実施形態で示した装置本体711と同一であり、ケース712内に情報コード100を撮像する撮像部23(受光センサ)と、撮像部23(受光センサ)によって撮像された情報コード100の画像を処理する処理部とが設けられている。処理部の機能は、上述した又は後述する構成のいずれの処理部の機能を有していてもよい。そして、これら撮像部及び処理部などをケース712によって保持する構造となっている。更に、ケース712とは別体として構成される取付部材1060が設けられている。この取付部材1060は、一部又は全部が撓み変形可能な可撓性の材料によって構成された装着部1062と、ケース712が着脱される取付部1066とを備えている。
本構成では、図47〜図52で示すように、装着部1062は、取付部1066が固定される固定部1065を有し、取付部1066は、固定部1065に固定される伸縮性部材1066a,1066bを備えている。そして、固定部1065又は当該固定部1065に固定された他部材の少なくともいずれかからなる挟持部(図47等の例では、固定部1065の上面部の一部をなす挟持部1091,1092)と伸縮性部材1066a,1066bとの間にケース712を挟み込んで当該ケース712を保持する構成となっている。なお、図47〜図52の例では、図48のように、挟持部(伸縮性部材1066a,1066bと共にケース712を挟み込む部分)が、固定部1065の上面部の一部によって構成されているが、固定部1065に取り付けられる別部材によって挟持部が構成されていてもよく、伸縮性部材1066a,1066bの一部が挟持部として構成されていてもよい。
固定部1065は、合成樹脂、布、皮革等の材料によって撓み変形可能な板状の構成となっており、この板状の固定部1065の上面部において、前後に並ぶように2つの伸縮性部材1066a,1066bがそれぞれ取り付けられている。
2つの伸縮性部材1066a,1066bは、伸縮性を有する部材であれば、例えば、ゴム、エラストマーなどの弾性部材によって構成されていてもよく、樹脂材料などであってもよい。或いは、ゴムと布の組み合わせなど、複数の材料によって構成されていてもよい。いずれも所定幅のバンド状に構成されており、いずれも両端部が固定部1065にそれぞれ固定された構成となっている。これら2つの伸縮性部材1066a,1066bは、いずれも、ある程度伸びたときに収縮しようとする変形作用が生じるものであり、例えば、図47、図48等で示す取付状態のときに、収縮しようとする作用が生じている。
本構成に係る携帯型情報コード読取装置1010は、ケース712の着脱が行いやすい構成を、より簡易に実現している。特に、ケース712を取り付ける際には、図49のような取付部材1060に対し、図47、図48のように、挟持部1091,1092(固定部1065の上面部)と伸縮性部材1066a,1066bとの間にケースを挟み込ませるように挿入すればよいため、ケース712の取り付け作業を簡単に行うことができる。また、ケース712を取り外す際には、挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとの間からケース712を抜けばよいため、ケース712の取り外しも簡単に行うことができる。
より具体的には、図47、図48のように、挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとがケース712の所定部位を所定の向きに保持することで、固定部1065に対するケース712の姿勢を所定姿勢に定める構成となっている。具体的には、ケース712が長手状に構成され、挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとの間に構成される収容空間が固定部1065における所定の配置方向に沿って複数構成されている。そして、挟持部1091,1092及び伸縮性部材1066a,1066bは、ケース712の長手方向が配置方向に沿うようにケース712の所定部位を収容空間に配置しつつ所定の向きに保持する構成となっている。つまり、挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとの間に構成される2つの収容空間の並び方向とケース712の長手方向とを合わせるようにケース712の姿勢を安定的に定めるようになっている。
また、本構成では、図47〜図51で示すように、少なくとも2つの伸縮性部材1066a,1066bが所定の配置方向(例えば、固定部1065の長手方向)に並び、それらが間をあけて固定部1065に固定されている。そして、挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとの間に構成される収容空間が、所定の配置方向に沿って少なくとも2つ構成されている。更には、図53のように、ケース712に対して着脱可能に取り付けられる着脱部材1090が設けられている。なお、着脱部材1090の構成、機能は、第9実施形態で示した保持部材790と同様である。そして、図47のようにケース712の所定部位を収容空間に配置しつつ所定の向きに保持した保持状態において、図53のように、2つの伸縮性部材1066a,1066bの間に着脱部材1090を挟み込ませつつケース712に固定可能とされている。この構成では、ケース712に固定される着脱部材1090の前後方向(ケース712の長手方向)の移動が伸縮性部材1066a,1066bによって規制されるため、ケース712自体も前後方向に相対移動しなくなる。
このように構成されているため、ケース712の長手方向と2つの伸縮性部材1066a,1066bの並び方向とを揃えるように安定的に位置を定めることができ、ケース712の向き、ひいては撮像の向きが所望の向きに正確に定まりやすくなる。しかも、2つの伸縮性部材1066a,1066bの間に着脱部材1090を挟み込ませるように位置決めできるため、固定部1065に対するケース712の位置ずれ(所定の配置方向の位置ずれ)を効果的に抑えることができる。
また、図47、図48のように、固定部1065が、使用者の手Hの甲に沿って配置されるものであり、装着部1062は、固定部1065を使用者の手首Wの位置に取り付ける第1位置装着部1071と、固定部1065を使用者の手において手首以外の位置に取り付ける第2位置装着部1072と、を有している。なお、第1位置装着部1071は、例えば、布、ゴム、エラストマー、皮革、樹脂材料、或いはこれらを組み合わせた材料などによってバンド状に構成され、使用者の手首Wに巻き付けられるようにして固定される構造となっている。また、第2位置装着部1072は、例えば、伸縮性を有する材料(布、ゴム、エラストマー、皮革、或いはこれらを組み合わせた材料など)からなる環状部材として構成され、例えば、使用者の中指F3が挿入されるようにして取り付けられる。この構成によれば、ケース712を使用者の手付近に装着することができ、且つ使用者の手の向き(例えば、手首と中指の向き)に合わせて撮像の向きを変更可能な構造を実現できる。しかも、ケース712を手の甲の側に保持することができるため、使用者が掌側をより自由に使いやすくなる。また、このように、固定部1065を少なくとも2位置(手首位置及び指位置)取り付けるようにすれば、装着の一層の安定化を図ることができ、手の向き(特に取り付け位置となる手首と指を結ぶ向き)により正確に対応した撮像が可能となる。
また、固定部1065において、伸縮性部材1066a,1066bよりも撮像部の撮像側には変形可能な変形許容部1082が設けられており、変形許容部1082は、固定部1065における伸縮性部材1066a,1066bが取り付けられる部分1081よりも狭い幅(例えば、指1本程度の幅)で構成され、この部分1081から所定方向(上記収容空間の並び方向)に延びる形態で配置されている。そして、図47、図48のように、ケース712が挟持部1091,1092と伸縮性部材1066a,1066bとの間に保持された状態で、少なくとも、撮像部23の撮像範囲から退避した退避位置(図47等で示す位置)と、撮像範囲内に位置する撮像位置(図47等で示す位置から変位した位置)とに変位可能とされている。退避位置は、例えば、図47等で示す変形許容部1082の位置から、変形許容部1082がケース712の前面部712cの前方側に変位した位置であり、例えば、中指F3を動かして変形許容部1082をこのように変位させることにより、撮像範囲の大部分又は全部を変形許容部1082によって覆うことができる。
この構成では、変形許容部1082を撮像位置と退避位置とに変位させることが可能となり、意図しない画像が撮像されることを抑えやすくなる。例えば、外部空間を撮像することを希望する場合には、変形許容部1082を退避位置に退避させるような操作を行うことで、外部空間を良好に撮像しやすくなる。逆に、外部空間の撮像を希望しない場合には、変形許容部1082を撮像位置に移動させるような操作を行うことで、撮像画像内での変形許容部1082の割合を大きくすることができ、他画像が撮像される割合を小さくすることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記各実施形態では、処理部の一例として、制御回路40を例示し、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像の処理として当該情報コードのコード画像を解読する構成を例示したが、いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像の処理はこれに限られない。例えば、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像データを外部装置(装置本体とケーブルで接続された外部装置や、装置本体とケーブル接続されていない外部装置など)に送信(有線通信や無線通信などによる送信)するような処理であってもよい。この場合、情報コード100の画像を送信された外部装置側にて当該画像データを解読すればよい。これにより、外部装置(具体的には、制御回路(CPU等)、メモリ等を備えた情報処理装置として構成される外部装置)の制御回路を外部処理部として機能させることができる。或いは、いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像の処理は、例えば、撮像部23によって撮像された情報コード100の画像データをメモリ35に保存するような蓄積処理であってもよい。
上記各実施形態では、両耳に掛けられる構成の身体装着部を例示したが、身体装着部は、いずれか一方の耳に掛けられる構成であってもよい。
上記各実施形態では、取付部が使用者の人体に掛けられる構成として、主に、耳に掛けられる構成等を例示したが、例えば、取付部が使用者の首から上に掛けられる他の構成を用いてもよい。例えば、取付部を使用者の頭に掛ける構成とし、この取付部にケースを着脱可能に取り付けてもよく、取付部を使用者の首に掛ける構成とし、この取付部にケースを着脱可能に取り付けてもよい。
上記各実施形態では、使用者の耳、指、腕などに取り付けられる身体装着部を例示したが、身体装着部は、使用者の頭に取り付けられるバンド部材として構成されていてもよい。例えば、ハチマキ状、ヘアバンド状、カチューシャ状などの構造のバンド部材として身体装着部が構成されていてもよい。この構成では、装置本体が頭に取り付けられるため、顔の動きと装置本体の全体が連動することになり、使用者の顔の動きに合わせて読み取る方向を定めやすくなる。また、この場合、第4実施形態の変更例の思想を用い、第1実施形態の取付部材と、第4実施形態の取付部材と、本構成の取付部材を使用の候補として、いずれかの取付部材を選択して使用するようにしてもよい。この場合、装置本体は、これら3種類のいずれにも取り付け可能な構成とすればよい。
上記実施形態では、使用者の耳、指、腕、頭などに掛けられる構成或いは巻かれる構成の身体装着部を有する取付部材を例示したが、取付部材は、使用者の装着物(メガネ、ヘルメット、手袋、服)などに取り付けられるアタッチメントとして構成されていてもよい。
上記実施形態では、2つのケース側連結部と、2つの取付部材側連結部とがそれぞれ連結される構成を例示したがこのような例に限られない。3以上のケース側連結部が、これらと同数の3以上の取付部材側連結部とそれぞれ連結される構成であってもよい。
上記実施形態では、ベース部を基準とする取付壁部の変位を調整し得る構成を例示したが、いずれの実施形態の構成でも、或いはいずれの実施形態の構成を変更した構成でも、対向壁部12aを基準とする撮像部23の変位を調整可能に構成されていてもよい。例えば、撮像部23が所定の回転軸を中心とする回転位置調整により位置設定可能とされていてもよく、対向壁部12aに対する撮像部23の光軸の傾きを調整可能とされていてもよい。或いは、対向壁部12aに対して撮像部23が相対的にスライド可能とされていてもよい。
いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23で撮像した情報コードの画像データをケース側(即ち、装置本体側)から外部装置(装置本体と通信可能な外部装置であり、例えば、第9実施形態の外部装置D)に送信し、外部装置で解読を行うようにしてもよい。或いは、いずれの実施形態のいずれの構成でも、撮像部23で撮像した情報コードをケース内(即ち、装置本体内)で解読し、その解読して得られた解読データを外部装置に送信してもよい。この場合、外部装置は、例えば、その解読データが予め当該外部装置又は当該外部装置と通信可能に設けられた他装置に登録された登録データと一致するか否かを照合し、その照合結果をケース側(装置本体側)に送信する構成としてもよい。
いずれの実施形態のいずれの構成でも、電池は、身体に装着されるケース内に設けられていてもよく、ケースとケーブルを介して接続される外部装置(例えば、第9実施形態の外部装置Dなど)の内部に設けられていてもよい。
第9実施形態では、右側装着部770と左側装着部780とが設けられた取付部材760を例示したが、第9実施形態や同様の取付部を有する他の実施形態のいずれの構成でも、取付部は、右側装着部のみの構成や左側装着部のみの構成であってもよい(即ち、ケースを取り付ける装着部をいずれか一方の耳側のみに設ける構成であってもよい)。この場合、第9実施形態の取付部材760の構成から単にいずれかの装着部のみを省略すればよい。
第9実施形態では、ケース712及び取付部材760の両方に磁石が配置された構成を例示したが、いずれか一方に磁石が配置され、他方には鉄等の磁性体(磁石に吸引される吸引部)が配置されていてもよい。例えば、ケース712側には、第9実施形態と同様の磁石(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)を配置しておき、右側装着部770の第1右側連結部773a及び第2右側連結部773bと、左側装着部780の第1左側連結部783a及び第2左側連結部783bを鉄等の磁性体に代えるようにしてもよい。この場合でも、ケース712が右側装着部770に装着される場合には、ケース712と右側装着部770とが磁石(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と吸引部(第1右側連結部773a及び第2右側連結部773b)との吸引によって保持され、ケース712が左側装着部780に装着される場合には、ケース712と左側装着部780とが磁石(第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752)と吸引部(第1左側連結部783a及び第2左側連結部783b)との吸引によって保持される構成となる。或いは、ケース712側に鉄等の磁性体(吸引部)を配置し、取付部材760側に磁石を配置してもよい。例えば、第1ケース側連結部751及び第2ケース側連結部752を鉄等の磁性体(吸引部)とし、第1右側連結部773a及び第2右側連結部773bと、第1左側連結部783a及び第2左側連結部783bとを第9実施形態と同様の磁石としてもよい。
第9実施形態や他の実施形態では、第1ガイド部として、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成を例示したが、いずれの構成でも、3以上のケース側連結部と3以上の右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、第2ガイド部として、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成を例示したが、いずれの構成でも、3以上のケース側連結部と3以上の左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、1つのケース側連結部と1つの右側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成であってもよい。また、1つのケース側連結部と1つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成であってもよい。
第9実施形態や他の実施形態では、第1ガイド部として、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とが磁石によってそれぞれ連結されることによりケースを右側装着部に取り付ける構成を例示したが、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とが嵌合構造や係止構造によって連結されてもよい。また、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれシート状に構成され、各ケース側連結部が対応する右側連結部と面ファスナー構造で連結されてもよい。また、第2ガイド部として、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とがそれぞれ連結されることによりケースを左側装着部に取り付ける構成を例示したが、2つのケース側連結部と2つの左側連結部とが嵌合構造や係止構造によって連結されてもよい。また、少なくとも2つのケース側連結部と少なくとも2つの右側連結部とがそれぞれシート状に構成され、各ケース側連結部が対応する左側連結部と面ファスナー構造で連結されてもよい。
第9実施形態や他の実施形態の構成において、ケースを取り付ける部分(第9実施形態では表面部772、表面部782)を、体に取り付ける部分(第9実施形態では右耳取付部762a、左耳取付部762b)に対して変位可能に構成してもよい。例えば、右耳取付部762aに固定される裏面部771と表面部772とを分離すると共に、裏面部771に対して表面部772をラチェット構造(図10と同様の構造)や球面対偶構造(図15と同様の構造)などによって変位可能としてもよい。同様に、左耳取付部762bに固定される裏面部781と表面部782とを分離すると共に、裏面部781に対して表面部782をラチェット構造(図10と同様の構造)や球面対偶構造(図15と同様の構造)などによって変位可能としてもよい。
第9実施形態では、右耳取付部762aとして、右耳掛け部を例示したが、右耳に取り付け可能な構成であればよい。例えば、第1実施形態と同様の耳挿入部を右耳の耳孔に挿入して取り付ける構成であってもよく、右耳を挟んで取り付ける構成であってもよい。或いは、右耳に掛ける構成と、右耳の耳孔に挿入する構成や右耳を挟んで取り付ける構成とを併用してもよい。例えば、第9実施形態の右耳取付部762a(右耳掛け部)と第1実施形態の耳挿入部を併用しても右耳に取り付けてもよい。また、左耳取付部として、左耳掛け部を例示したが、左耳に取り付け可能な構成であればよい。例えば、第1実施形態と同様の耳挿入部を左耳の耳孔に挿入して取り付ける構成であってもよく、左耳を挟んで取り付ける構成であってもよい。或いは、左耳に掛ける構成と、左耳の耳孔に挿入する構成や左耳を挟んで取り付ける構成とを併用してもよい。例えば、第9実施形態の左耳取付部762b(左耳掛け部)と第1実施形態の耳挿入部を併用して左耳に取り付けてもよい。
第9実施形態では、右耳側でも左耳側でも、反対向きに取り付けようとした場合(即ち、対応しない連結部同士を装着しようとした場合)に装着されない構成を例示したが、このような思想は第9実施形態の例に限られない。例えば、第9実施形態の構成において、第2ケース側連結部752、第1右側連結部773a、第1左側連結部783aのみを鉄等の磁性体に代えてもよい。或いは、第9実施形態の構成において、第1ケース側連結部751、第2右側連結部773b、第2左側連結部783bのみを鉄等の磁性体に代えてもよい。この場合も、左側でも、右側でも、反対向きに取り付けようとした場合、磁石同士が反発する関係となり、装着されないことになる。
第9実施形態では、ケース712が取付部材760に取り付けられた取り付け時には、取付部材760の一部をなす被覆部(表面部772又は表面部782)によって導出孔720が全て覆われ、ケース712が取付部材760から取り外された取り外し時には、導出孔720において取り付け時に被覆部(表面部772又は表面部782)によって覆われる部分(即ち、全ての導出孔720)が露出する構成を例示したがこの例に限られない。例えば、ケース712が取付部材760に取り付けられた取り付け時には、被覆部(表面部772又は表面部782)によって導出孔720の一部のみが覆われ、ケース712が取付部材760から取り外された取り外し時には、導出孔720において取り付け時に被覆部(表面部772又は表面部782)によって覆われる部分(即ち、一部の導出孔)が露出する構成であってもよい。
第9実施形態や同様の構成を適用する他の構成では、取付部材760に対してケース712を磁石によって保持できる構造となっている。この構成では、取付部材760とは別で据置型の取付部材を設け、この取付部材に磁性体を設けた構造(例えば、表面部772や表面部782と同様の構造)を設ければ、装置本体711を取付部材760から取り外し、その据置型の取付部材に取り付けて固定式スキャナとして用いることもできる。
第9実施形態や同様の構成を適用する他の構成では、取付部形状や永久磁石の位置、構造等を第三者に公開することで、ユーザなどの第三者が自由に取付部を準備することができるようになる。
第9実施形態では、第1ケース側連結部、第2ケース側連結部、第1右側連結部、第2右側連結部、第1左側連結部、第2左側連結部の極性の組み合わせを例示したが、この例に限られない。例えば、第1ケース側連結部751の表面部の極性と、第2ケース側連結部752の表面部の極性を同じ極性(例えば、いずれもN極)にしてもよい。この場合、第1右側連結部773aの表面部の極性と、第2右側連結部773bの表面部の極性を同じ極性(例えば、いずれもS極)とし、第1左側連結部783aの表面部の極性と第2左側連結部783bの表面部の極性を同じ極性(例えば、いずれもS極)とすればよい。この構成では、ケース712側の複数位置において磁石の極性が統一され、右側装着部770及び左側装着部780のそれぞれにおいても、磁石の極性が統一されているため、ケース712が顔の右側に装着される場合でも、左側に装着される場合でも、位置ずれに強い構成となる。即ち、ケース712を右側装着部770や左側装着部780に装着する際に、正規位置から多少ずれても吸引力が維持され易いため、より強固に連結され易くなる。特に、第9実施形態の構成では、図32のように、ケース712の長手方向に対して交差する方向(具体的には、長手方向と直交する上下方向)に複数のケース側連結部が並んでいるため、一方のケース側連結部の磁力が他方のケース側連結部に近くにまで及びやすくなっている。このような構成において、仮に一方のケース側連結部と他方のケース側連結部の極性を逆にした場合、取付時に、一方のケース側連結部に取り付けられるべき取付部材側連結部が他方のケース側連結部に近づくように位置ずれしてしまうと、それらが反発し合うため、このような反発力が円滑な連結を阻害しやすくなる。これに対し、上記構成によれば、このような反発を抑えることができ、ケースが取付部材に円滑に連結され易くなる。