JP2015087271A - 弾性表面波センサを備えた特性測定装置 - Google Patents

弾性表面波センサを備えた特性測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015087271A
JP2015087271A JP2013226321A JP2013226321A JP2015087271A JP 2015087271 A JP2015087271 A JP 2015087271A JP 2013226321 A JP2013226321 A JP 2013226321A JP 2013226321 A JP2013226321 A JP 2013226321A JP 2015087271 A JP2015087271 A JP 2015087271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
sample rate
frequency
output
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013226321A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6274818B2 (ja
Inventor
幸治 吹野
Koji Fukino
幸治 吹野
俊 笠井
Shun Kasai
俊 笠井
正俊 永安
Masatoshi Nagayasu
正俊 永安
康正 小礒
Yasumasa Koiso
康正 小礒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2013226321A priority Critical patent/JP6274818B2/ja
Publication of JP2015087271A publication Critical patent/JP2015087271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274818B2 publication Critical patent/JP6274818B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】低消費電力化や小型化が可能な、弾性表面波センサを備えた特性測定装置を提供する。
【解決手段】 所定周波数Fの入力信号をSAWセンサ4に入力するPLL回路31と、SAWセンサ4から出力される所定周波数Fの出力信号を、アンダーサンプリングして所定のサンプルレートSRでデジタル信号に変換するA/D変換器35と、A/D変換器35から出力されるデジタル信号を、所定のサンプルレートSRに従って同相成分信号と直交成分信号とに分け、この同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ所定の時間積分する直交検波回路7と、を備え、F=正の整数×SR+SR÷4、という関係を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、対象物の特性を測定する特性測定装置に関し、特に、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)センサを備えた特性測定装置に関する。
弾性表面波センサは、水晶などの圧電性基板上に、櫛型(IDT:InterDigital Transducer)電極・弾性表面波素子が配置されたセンサであり、例えば、液体の濃度、粘性率、導電率、誘電率等の特性を測定するために用いられる(例えば、特許文献1等参照。)。すなわち、対象物である液体を弾性表面波センサに滴下し、弾性表面波センサに入力信号を入力して、弾性表面波センサからの出力信号の振幅および位相を検出することで、液体の特性を測定する。
具体的には、例えば図6に示すように、デジタル回路120とアナログ回路130とを備え、装置全体の源振である発振器140からの出力信号を、デジタル回路120ではクロック源として使用し、アナログ回路130ではPLL回路(位相同期回路)131のリファレンス信号として使用する。PLL回路131は、アナログ回路130において送受信の変復調に使用されるローカルキャリア信号を生成、出力する発振器である。すなわち、位相比較器と電圧制御発振器とで構成され、周波数が低く安定した信号をリファレンス信号として、高周波信号の発振回路として利用される。ここで、ローカル周波数が261.5MHzである信号を出力する場合について説明し、PLL回路131からのローカルキャリア信号は、直交変調器134とミキサ回路(mixer)137とに入力される。
一方、デジタル回路120のベースバンド部(10MHz CW Baseband Signal)121は、NCO(数値制御発振器)122で生成される10MHzの複素キャリア信号に基づいて、10MHzの複素ベースバンド信号を2値(I値とQ値)で出力する。この出力信号はそれぞれ、アナログ回路130の第1のLPF(低域通過フィルタ)132および第2のLPF133によって、基本波である10MHzの信号だけが通過され、10MHzの正弦波と余弦波とが直交変調器134に入力される。
直交変調器134は、10MHzの複素ベースバンド信号とローカルキャリア信号とを乗算することで、つまり双方の差分によって、ベースバンド信号を251.5MHzの周波数に遷移する。この直交変調器134からの出力信号は、パワーアンプ135によって電力増幅されてSAWセンサ150に入力される。SAWセンサ150は、デバイスとしてはSAWフィルタであり、251.5MHz付近の信号だけを通過させるように構成、設計されている。従って、センサとして狭帯域な検査信号と組み合わせることで、検査信号以外の周波数帯の雑音を抑圧し、高いSN比(信号雑音比)を得ることができるものである。
SAWセンサ150からの出力信号は、LNA136で電力増幅された後に、ミキサ回路137に入力される。ミキサ回路137は、PLL回路131からの261.5MHzのローカルキャリア信号と、LNA136からの251.5MHzの信号とを乗算することで、つまり双方の差分によって、10MHzのベースバンド信号と高調波成分とに分ける。このように、SAWセンサ150の検査信号である251.5MHzの信号と、デジタル回路120におけるベースバンド信号である10MHzの信号とを生成するために、PLL回路131で261.5MHzのローカルキャリア信号を生成したり、ミキサ回路137で乗算処理したりするものである。
続いて、第3のLPF138で高調波成分を取り除いた後に、デジタル信号に変換するためA/D変換器139に入力される。A/D変換器139のサンプルレートは、ナイキストのサンプリング定理により、通常、入力信号の周波数の2倍以上必要である。つまり、入力信号が10MHzの場合、20MHz以上の高いサンプルレートを要する。A/D変換器139によってデジタル信号に変換された検査信号は、デジタル回路120の乗算回路123、124によって、NCO122で生成される10MHzの複素キャリア信号と乗算されて、振幅情報と位相情報を含んだDC成分と高調波成分とに分解される。続いて、第4のLPF125および第5のLPF126によって高調波成分を取り除いて、DC成分を取り出す。
ここで、各データ(DC成分)には雑音が含まれており、要求精度を満足するために、十分な量のデータをRAM127に格納、保存する。その後、上位制御部(CPU)160は、RAM127に格納されたデータを回収して平均化処理を行い、SAWセンサ150を通過した検査信号の振幅と位相を演算、取得する。そして、取得した検査信号の振幅と位相を、SAWセンサ150の種類に応じて、濃度やその他の様々な情報に変換するものである。
特開2010−181178号公報
ところで、特性測定装置を電池駆動式の携帯型として商品化する場合、回路規模を削減して、低消費電力化、小型化および低価格化することが求められる。しかしながら、上記のような特性測定装置では、サンプルレートが高い(20MHz以上の)A/D変換器139や、アナログ回路130での直交変調器134やミキサ回路137、さらには、デジタル回路120でのNCO122や乗算回路123、124、RAM127などを要する。このため、低消費電力化、小型化および低価格化が困難である。
そこでこの発明は、低消費電力化や小型化が可能な、弾性表面波センサを備えた特性測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、所定の周波数の入力信号を弾性表面波センサに入力する入力信号生成手段と、前記弾性表面波センサから出力される前記所定の周波数の出力信号を、アンダーサンプリングして所定のサンプルレートでデジタル信号に変換する変換手段と、前記変換手段から出力されるデジタル信号を、前記所定のサンプルレートに従って同相成分信号と直交成分信号とに分け、該同相成分信号と該直交成分信号とをそれぞれ所定の時間積分する直交検波手段と、を備え、前記所定の周波数と前記所定のサンプルレートとは、
正の整数×所定のサンプルレート+所定のサンプルレート÷4
=所定の周波数
という関係を有する、ことを特徴とする弾性表面波センサを備えた特性測定装置である。
この発明によれば、入力信号生成手段によって所定の周波数の入力信号が弾性表面波センサに入力されると、弾性表面波センサから所定の周波数の出力信号が出力される。この出力信号は、変換手段によってアンダーサンプリングされて所定のサンプルレートでデジタル信号に変換される。つまり、弾性表面波センサからの出力信号の周波数よりも低いサンプルレートでデジタル変換される。続いて、変換されたデジタル信号が直交検波手段によって、所定のサンプルレートに従って同相成分信号と直交成分信号とに分けられ、さらに、同相成分信号と直交成分信号とがそれぞれ所定の時間積分される。そして、所定時間分の同相成分信号と直交成分信号とに基づいて、弾性表面波センサからの出力信号の振幅と位相が演算、取得されるものである。
請求項1に記載の発明によれば、弾性表面波センサからの出力信号をアンダーサンプリングしてデジタル信号に変換するため、サンプルレートが低いA/D変換器で変換手段を構成することができる。また、ミキサ回路や直交変調器、NCO、乗算回路などを備えなくても、弾性表面波センサからの出力信号の振幅と位相とを取得することができるため、構成が簡易となり、低消費電力化、小型化および低価格化が可能となる。また、弾性表面波センサに対する信号の周波数と、変換手段のサンプルレートとが、所定の関係式を満たせばよいため、周波数とサンプルレートとの選択自由度が高く、設計自由度を高めることができる。
この発明の実施の形態に係る弾性表面波センサを備えた特性測定装置を示す構成ブロック図である。 図1の特性測定装置におけるアンダーサンプリングを示すイメージ図である。 図1の特性測定装置における直交検波回路のブロック図である。 図3の直交検波回路による演算結果(真理値)を示す図であり、(a)はI値を示し、(b)はQ値を示す。 図1の特性測定装置における他の直交検波回路のブロック図である。 従来の弾性表面波センサを備えた特性測定装置を示す構成ブロック図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る弾性表面波センサを備えた特性測定装置(以下、「特性測定装置」という)1を示す構成ブロック図である。この特性測定装置1は、測定対象物の特性、例えば、液体の濃度、粘性率、導電率、誘電率などを測定するための装置であり、主として、発振器2と、アナログ回路3と、SAWセンサ(弾性表面波センサ)4と、デジタル回路5と、上位制御部(CPU)6とを備えている。
発振器2は、特性測定装置1全体の源振であり、その出力信号が、アナログ回路3のPLL回路(位相同期回路)31にリファレンス信号として入力されるとともに、デジタル回路5のクロック源として使用される。ここで、発振器2は、高い精度が要求されるため、水晶発振器が望ましい。
アナログ回路3は、PLL回路(入力信号生成手段)31と、パワーアンプ32と、LNA(低雑音増幅器)33と、BPF(バンドパスフィルタ)34と、A/D変換器(変換手段)35とを備えている。
PLL回路31は、所定の周波数の検査信号(入力信号)を生成してSAWセンサ4に入力する回路である。すなわち、位相比較器と電圧制御発振器とで構成され、発振器2から入力された周波数が低く安定した信号をリファレンス信号として、高周波信号の発振回路として機能し、所定の周波数の検査信号(RF信号)、この実施の形態では250MHzの検査信号を生成する。この検査信号は、パワーアンプ32に入力され、パワーアンプ32で電力増幅されてSAWセンサ4に入力される。
SAWセンサ4は、この実施の形態では、デバイスとしての実態がSAWフィルタであり、250MHz付近の信号だけを通過させるように構成、設計されている。従って、センサとして狭帯域な検査信号と組み合わせることで、検査信号以外の周波数帯の雑音を抑圧し、高いSN比(信号雑音比)を得ることができるものである。このようなSAWセンサ4に入力される検査信号である入力信号と、SAWセンサ4から出力される検査信号である出力信号とは、周波数は同じであるが、SAWセンサ4に滴下等される測定対象物の特性に応じて、振幅や位相が異なり(変化し)、あるいは遅延が生じる。ここで、SAWセンサ4はSAWフィルタでなくてもよく、センサとして測定したい特性・事象を電気信号の振幅や位相または遅延に変換可能なものであればよい。また、SAWセンサ4と並列にリファレンスチャネル(検査信号をパワーアンプ32からLNA33に通過させるだけの経路)を設け、スイッチの切り換えによって、検査信号をSAWセンサ4に通過させたり通過させなかったりすることで、測定対象物の特性を測定する(比較測定する)ようにしてもよい。
このようなSAWセンサ4を通過した検査信号は、所定の周波数の出力信号として、つまり250MHzの検査信号としてLNA33に入力され、LNA33によって電力増幅された後に、BPF34に入力される。このBPF34は、所定の周波数帯域の信号を通過させるフィルタであり、250MHz付近の信号のみを通過させることで、SN比を改善するものである。従って、所定のSN比を満たす場合には、BPF34を設けなくてもよい。このBPF34を通過した検査信号は、A/D変換器35に入力される。
A/D変換器35は、SAWセンサ4から出力される250MHzの検査信号を、アンダーサンプリングして所定のサンプルレートでデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器である。ここで、検査信号の周波数とA/D変換器35のサンプルレートとは、次のような関係式Kを満たす必要がある。
F=N×SR+SR÷4 あるいは SR=F÷(N+0.25)
N:正の整数
SR:サンプルレート
F:検査信号の周波数
この実施の形態では、サンプルレート(SR)が8MHzで、正の整数(N)が31の場合について、以下に説明する。つまり、図2に示すように、250MHzの検査信号を1/31にアンダーサンプリングして、8MHzのサンプルレートで2MHz(=8MHz×4)のデジタル信号に変換するものとする。ここで、上記の関係式Kを満たせば、サンプルレートは8MHzでなくてもよく、また、検査信号の周波数は250MHzでなくてもよい。つまり、上記の関係式Kを満たすように、サンプルレートや検査信号の周波数を決定すればよい。
上記の関係式Kにおいて「SR÷4」を含み、検査信号の周波数がサンプルレートの整数倍よりもサンプルレートの1/4だけ大きい(ずれている)、という関係を満たすようにしているのは、後述するようにして検査信号を直交変調するためである。すなわち、1波長を4サンプリングして、同相成分信号(I値)と直交成分信号(Q値)とに分けられるようにするためである。この実施の形態では、1波長が2MHzで、1/4波長(1象限、90°)が8MHzとなっており、8MHzごとに同相成分信号と直交成分信号を取得、演算するようになっている。
ここで、アンダーサンプリングについて簡単に説明する。まず、サンプリングを行うとサンプルレートの間隔で上位の周波数成分が折り重なってくる。つまり、周波数fsのサンプルレートでサンプリングすると、1/2fs以下の周波数の入力信号では、A/D変換前の周波数がそのまま出力されるが、1/2fsよりも大きい周波数の入力信号では、A/D変換すると入力信号以下の周波数に変換されてしまう。このような現象をエリアシング(折り返し)と呼ぶ。このため、通常は、所望の周波数信号の2倍以上の周波数でサンプリングを行い、さらに、上位の周波数の雑音などが重畳しないように予めLPFなどで雑音や干渉波などを除去する。これに対してアンダーサンプリングは、高周波領域に存在する希望波を除去せず、あえて低い周波数のサンプルレートでサンプリングを行い(間引きしてサンプリングし)、重畳を利用して希望波を取得することで、A/D変換器やデジタル信号処理のサンプルレートを下げる手法である。すなわち、エリアシングを利用して、周波数が高い所定周波数の入力信号を周波数が低い所定周波数fsのサンプルレートでサンプリングすることで、入力信号の周波数をサンプレートの周波数fsに変換するものである。従って、サンプレートの周波数fsを適正に選択することで、外部で周波数変換を行わなくても、サンプリング(デジタル変換)と同時に周波数変換できるものである。また、アンダーサンプリングによって周波数情報は失われるが、振幅情報と位相情報は維持される。
また、A/D変換器35に内蔵されているアナログドライバ(増幅器)の帯域は、要求精度に応じて、高周波信号である検査信号を無歪みに、あるいは低い歪みで入力可能となっている。
デジタル回路5は、アナログ回路3からの検査信号をデジタル信号処理する回路であり、2ビットカウンタ51と直交検波回路(直交検波手段)7とを備えている。2ビットカウンタ51は、所定のサンプルレートつまり8MHzごとにカウントし、「0」、「1」、「2」、「3」、「0」、「1」・・・という制御信号(カウント値)を繰り返し出力するカウンタである。
直交検波回路7は、A/D変換器35から出力されるデジタル信号を、所定のサンプルレートに従って同相成分信号と直交成分信号とに分け、この同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ所定の時間積分する回路である。具体的には、この実施の形態では、図3に示すように、第1の論理回路71と、第2の論理回路72と、第1のフリップフロップ73と、第2のフリップフロップ74とを備えている。
第1の論理回路71は、2ビットカウンタ51の制御信号に従って、A/D変換器35から出力されデジタル信号に変換された検査信号の同相成分信号を、所定の時間積分する論理回路である。すなわち、A/D変換器35からのデジタル信号(出力信号)ADOと、第1のフリップフロップ73に格納、蓄積されたI値が入力され、図4(a)に示すように、制御信号が「0」(0°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値にデジタル信号ADOを加算して、第1のフリップフロップ73に出力する。また、制御信号が「1」(90°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値をそのまま第1のフリップフロップ73に出力し、制御信号が「2」(180°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値からデジタル信号ADOを除算して、第1のフリップフロップ73に出力し、制御信号が「3」(270°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値をそのまま第1のフリップフロップ73に出力する。
同様に、第2の論理回路72は、2ビットカウンタ51の制御信号に従って、A/D変換器35から出力されデジタル信号に変換された検査信号の直交成分信号を、所定の時間積分する論理回路である。すなわち、A/D変換器35からのデジタル信号(出力信号)ADOと、第2のフリップフロップ74に格納、蓄積されたQ値が入力され、図4(b)に示すように、制御信号が「0」(0°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値をそのまま第2のフリップフロップ74に出力する。また、制御信号が「1」(90°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値にデジタル信号ADOを加算して、第2のフリップフロップ74に出力し、制御信号が「2」(180°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値をそのまま第2のフリップフロップ74に出力し、制御信号が「3」(270°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値からデジタル信号ADOを除算して、第2のフリップフロップ74に出力する。
このように、サンプルレートである8MHzごとの制御信号(制御タイミング)に従って、制御信号が「0」(0°)の場合には、デジタル信号ADOを「+」の同相成分信号に分け、制御信号が「1」(90°)の場合には、デジタル信号ADOを「+」の直交成分信号に分け、制御信号が「2」(180°)の場合には、デジタル信号ADOを「−」の同相成分信号に分け、制御信号が「3」(270°)の場合には、デジタル信号ADOを「−」の直交成分信号に分けて、同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ所定の時間積分、蓄積するものである。
第1のフリップフロップ73と第2のフリップフロップ74は、複数のビットで構成され、データ(1、0)を保持、記憶する論理回路・レジスタであり、第1のフリップフロップ73は第1の論理回路71からの出力値を記憶し、第2のフリップフロップ74は第2の論理回路72からの出力値を記憶する。このような両フリップフロップ73、74には、振幅情報と位相情報を含んだDC成分・複素数(フーリエ変換の直流成分)のみが記憶、蓄積され、雑音や干渉成分は抑圧されるようになっている。また、積分時間、つまり両フリップフロップ73、74のビット数は、長くすればアンダーサンプリングによって劣化したSN比を改善でき、各デジタル信号(サンプル)に含まれる雑音を抑圧して要求精度を満足するのに最適な時間に設定されている。
このような両フリップフロップ73、74に記憶、蓄積されたI値およびQ値は、積分時間に達すると上位制御部6に入力され、ゼロクリアされる。つまり、積分時間ごとに、積分とダンプ(Integrate and Dump)を繰り返す。ここで、両フリップフロップ73、74の出力値は、すでに平均化処理が行われているため、上位制御部6への出力値(測定結果)の転送は、比較的低レートな伝送でよい。
上位制御部6は、両フリップフロップ73、74から出力されるI値およびQ値に基づいて、SAWセンサ4から出力された検査信号の振幅と位相を演算して、測定対象物の特性を測定する演算処理部である。すなわち、SAWセンサ4を通過する検査信号の振幅と位相を、SAWセンサ4の種類に応じて濃度やその他の情報に変換する。ここで、上位制御部6は、このような上位制御の役割を担うものであればよく、スマートフォン(多機能携帯電話)やパーソナルコンピュータで構成してもよい。また、デジタル回路5内にハード的に実装してもよい。
次に、このような構成の特性測定装置1の作用および特性測定方法などについて説明する。ここで、SAWセンサ4には測定対象物が滴下等され、SAWセンサ4は測定対象物にさらされているものとする。
まず、アナログ回路3のPLL回路31によって250MHzの検査信号が生成され、パワーアンプ32で電力増幅されてSAWセンサ4に入力される。次に、SAWセンサ4を通過して振幅や位相が変化した検査信号が、LNA33によって電力増幅され、BPF34で250MHz付近の信号のみがA/D変換器35に入力される。続いて、A/D変換器35によって、250MHzの検査信号が1/31にアンダーサンプリングされて、8MHzのサンプルレートでデジタル信号に変換される。
一方、デジタル回路5の2ビットカウンタ51によって8MHzごとにカウントされ、その制御信号(カウント値)に従って、A/D変換器35から出力されたデジタル信号が、直交検波回路7によって同相成分信号と直交成分信号とに分けられ、それぞれが所定の時間積分される。すなわち、上記のように、制御信号が「0」(0°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値にデジタル信号ADOを加算し、制御信号が「1」(90°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値にデジタル信号ADOを加算し、制御信号が「2」(180°)の場合には、第1のフリップフロップ73のI値からデジタル信号ADOを除算し、制御信号が「3」(270°)の場合には、第2のフリップフロップ74のQ値からデジタル信号ADOを除算する、という演算処理が所定の積分時間だけ繰り返される。
その後、積分されたI値とQ値とが上位制御部6に入力され、上位制御部6において、I値およびQ値に基づいてSAWセンサ4から出力された検査信号の振幅と位相が演算され、その結果、測定対象物の特性が測定されるものである。
以上のように、このような構成の特性測定装置1によれば、SAWセンサ4から出力された250MHzの検査信号を1/31にアンダーサンプリングしてデジタル信号に変換するため、A/D変換器35のサンプルレートを8MHzという低いサンプルレートにすることができる。また、A/D変換器35によってデジタル変換と周波数変換とを同時に行うことができるため、周波数変換器を別途設ける必要がない。
さらに、アンダーサンプリングによって従来のミキサ回路が不要になり、これとともにPLL回路31の出力信号をそのまま検査信号としてSAWセンサ4に入力するため、従来の直交変調器も不要となる。このようにミキサ回路や直交変調器が不要になることは、単キャリア信号の振幅や位相、またはその両方からセンサとしての情報を取り出す本特性測定装置1に、特有の効果である。さらに、アンダーサンプリングを行う際に、検査信号の周波数FとサンプルレートSRとが上記の関係式Kを満たすことで(デジタル回路5のベースバンド信号周波数(2MHz)をサンプルレートSR(8MHz)の1/4にすることで)、従来のNCOや乗算器も不要となり、上記のような簡易な構成の直交検波回路7を使用することができ、しかも、NCOや乗算器を使用した場合と同等の演算精度を得ることが可能となり、SAWセンサ4からの検査信号の振幅や位相を適正に取得することができる。このようにして、特性測定装置1の構成が簡易となり、低消費電力化、小型化および低価格化が可能となる。
また、SAWセンサ4に対する検査信号の周波数Fと、A/D変換器35のサンプルレートSRとが、上記の関係式Kを満たせばよいため、周波数FとサンプルレートSRとの選択自由度が高く、設計自由度を高めることができる。このため、多様なSAWセンサ4および測定対象物に対応、適用することができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、直交検波回路7においてI値とQ値を所定時間積分してから上位制御部6に入力しているが、サンプルレートごとにI値とQ値を上位制御部6に入力してもよい。すなわち、図5に示すように、乗算と等価な論理回路75、76と積分器(またはLPF)77、78を分離し、積分器77、78として1次のIIR(Infinite Impulse Responce、無限インパルス応答)型デジタルフィルタなどを用いて連続的に積分する。そして、第1の論理回路75からの出力値(I値)が第1の積分器77に入力される度に、第1の積分器77内のI値を上位制御部6に入力するとともに、第2の論理回路76からの出力値(Q値)が第2の積分器78に入力される度に、第2の積分器78内のQ値を上位制御部6に入力する。これにより、リアルタイムに積分値を出力することができ、SAWセンサ4によって特性を測定するだけではなく、高速な制御装置としても適した装置にすることが可能となる。
1 弾性表面波センサを備えた特性測定装置
2 発振器
3 アナログ回路
31 PLL回路(入力信号生成手段)
35 A/D変換器(変換手段)
4 SAWセンサ(弾性表面波センサ)
5 デジタル回路
51 2ビットカウンタ
6 上位制御部(CPU)
7 直交検波回路(直交検波手段)

Claims (1)

  1. 所定の周波数の入力信号を弾性表面波センサに入力する入力信号生成手段と、
    前記弾性表面波センサから出力される前記所定の周波数の出力信号を、アンダーサンプリングして所定のサンプルレートでデジタル信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段から出力されるデジタル信号を、前記所定のサンプルレートに従って同相成分信号と直交成分信号とに分け、該同相成分信号と該直交成分信号とをそれぞれ所定の時間積分する直交検波手段と、
    を備え、
    前記所定の周波数と前記所定のサンプルレートとは、
    正の整数×所定のサンプルレート+所定のサンプルレート÷4
    =所定の周波数
    という関係を有する、ことを特徴とする弾性表面波センサを備えた特性測定装置。
JP2013226321A 2013-10-31 2013-10-31 弾性表面波センサを備えた特性測定装置 Active JP6274818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226321A JP6274818B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 弾性表面波センサを備えた特性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226321A JP6274818B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 弾性表面波センサを備えた特性測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015087271A true JP2015087271A (ja) 2015-05-07
JP6274818B2 JP6274818B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=53050193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013226321A Active JP6274818B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 弾性表面波センサを備えた特性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6274818B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001834A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 日本無線株式会社 代替直交変復調器
WO2016084917A1 (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 国立大学法人東北大学 電気信号処理装置
JP2017166906A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 日本無線株式会社 Sawセンサを用いた測定システム
CN107276638A (zh) * 2017-05-27 2017-10-20 南京航空航天大学 基于直接欠采样数字正交解调方案的声表面波阅读器接收链路结构及其工作方法
JP2019015545A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 日本無線株式会社 特性測定装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5763283A (en) * 1994-10-12 1998-06-09 Sandia Corporation Method and apparatus for phase for and amplitude detection
JP2001045081A (ja) * 1999-07-26 2001-02-16 Furuno Electric Co Ltd 信号処理方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5763283A (en) * 1994-10-12 1998-06-09 Sandia Corporation Method and apparatus for phase for and amplitude detection
JP2001045081A (ja) * 1999-07-26 2001-02-16 Furuno Electric Co Ltd 信号処理方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016001834A (ja) * 2014-06-12 2016-01-07 日本無線株式会社 代替直交変復調器
WO2016084917A1 (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 国立大学法人東北大学 電気信号処理装置
JPWO2016084917A1 (ja) * 2014-11-28 2017-07-27 国立大学法人東北大学 電気信号処理装置
US10436757B2 (en) 2014-11-28 2019-10-08 Tohoku University Electrical signal processing device
JP2017166906A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 日本無線株式会社 Sawセンサを用いた測定システム
CN107276638A (zh) * 2017-05-27 2017-10-20 南京航空航天大学 基于直接欠采样数字正交解调方案的声表面波阅读器接收链路结构及其工作方法
CN107276638B (zh) * 2017-05-27 2021-02-05 南京航空航天大学 一种声表面波阅读器接收链路及其工作方法
JP2019015545A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 日本無線株式会社 特性測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6274818B2 (ja) 2018-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6274818B2 (ja) 弾性表面波センサを備えた特性測定装置
US20120288034A1 (en) Method and system for performing complex sampling of signals by using two or more sampling channels and for calculating time delays between these channels
Ayat et al. Design of multiple modulated frequency lock-in amplifier for tapping-mode atomic force microscopy systems
JP2012052877A (ja) 周波数測定装置及び電子機器
CA2898640C (en) Methods and devices for determining root mean square of a delta-sigma modulated signal
EP3507954B1 (en) Time sequenced spectral stitching
Abe et al. Frequency Estimation Sampling Circuit Using Analog Hilbert Filter and Residue Number System
JP6260918B2 (ja) 電気信号処理装置
JP2008039641A (ja) 核磁気共鳴装置
US7511469B2 (en) Phase measurement device using inphase and quadrature components for phase estimation
JP2013205093A (ja) ディジタル位相検波器
Wang et al. High-accuracy amplitude and phase measurements for low-level RF systems
JP6976645B2 (ja) 特性測定装置
JP2010130185A (ja) サンプリングレート変換回路
Agarwal et al. A fractional sample rate conversion filter for a software radio receiver on FPGA
US20150023457A1 (en) System and method for processing a signal received from a microelectromechanical system
JP6653916B2 (ja) 位相検出回路及び弾性表面波センサ
Agarwal et al. FPGA implementation of digital down converter using CORDIC algorithm
JP2016208340A (ja) ロックインアンプ
JP2014168158A (ja) 受信装置
RU94096U1 (ru) Радиоприемное устройство для автоматизированного радиомониторинга сигналов
Devate et al. Wideband IIR digital integrator and differentiator
CN111736016B (zh) 一种交流传输特性检测电路
Mankovskyy et al. Digital Method of SSB Modulation
TWI533616B (zh) 高解析度時脈產生裝置及雷達偵測系統

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274818

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150