JP2015086575A - 作業車両 - Google Patents

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哲二 田中
勇 青木
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勇 青木
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Koji Hyodo
幸次 兵藤
賢太郎 大前
Kentaro Omae
賢太郎 大前
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    • E02F9/2232Control of flow rate; Load sensing arrangements using one or more variable displacement pumps
    • E02F9/2235Control of flow rate; Load sensing arrangements using one or more variable displacement pumps including an electronic controller

Abstract

【課題】平地での作業性を損なうことなく、高地でのエンジン回転速度の上昇率を高める。
【解決手段】作業車両は、フロント作業装置を備え、エンジンにより駆動され、フロント作業装置を駆動させるアクチュエータに圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプと、アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出部と、エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部と、操作量検出部で検出された操作量に応じて、エンジンの実回転速度に対する油圧ポンプの最大吸収トルクを変化させる制御部とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、作業車両に関する。
油圧ショベル等の建設機械では、油圧アクチュエータを急操作してエンジンに急負荷が加えられたときに、エンジンの回転速度が一時的に落ち込むラグダウンという現象を抑制するために種々の提案がなされている。特許文献1には、通常的な作業においてはエンジンの目標回転速度に対して実回転速度が低下したときに可変容量ポンプの吐出流量を減少側に制限し、特にアクチュエータの負荷が急増するような作業が行われた場合には、可変容量ポンプの吐出圧の時間的変化量に基づき可変容量ポンプの吐出流量を制御する制御装置を備えた建設機械が記載されている。
特開平9−151859号公報
上述した特許文献1に記載の技術は、エンジン回転速度が一定値に設定される油圧ショベル等の建設機械において、エンジン回転速度の目標回転速度と実回転速度との偏差や、可変容量ポンプの吐出圧の時間的変化量に基づいて可変容量ポンプの吐出流量を制御して、エンジン回転速度の低下を抑制するものである。
ところで、ホイールローダなどの作業車両では、掘削、荷役作業時に、アクセルペダルの踏み込み操作、戻し操作が頻繁に行われ、車両が停止状態(ローアイドルでエンジンが駆動している状態)にあるところから、アクセルペダルの踏み込み操作と同時、あるいは、操作直後にアーム、バケット等からなるフロント作業装置を操作することがある。特許文献1に記載の技術は、スロットルレバー等でエンジン回転速度を一定にして作業を行う油圧ショベル等の建設機械に対するものであるため、ホイールローダのようにアクセルペダルの踏み込み操作直後のエンジン回転速度の上昇過程でアクチュエータの負荷が急増する場合がある作業車両特有の以下のような問題を解決できるものではない。
ホイールローダでは、アクセルペダルの踏み込み操作と同時、あるいは、操作直後にフロント作業装置が操作された場合であってもエンジンストールが発生しないように、実エンジン回転速度が低いときには、可変容量ポンプの押しのけ容積を小さくしておき、ある程度実エンジン回転速度が上昇してから押しのけ容積を増加させるようにしている。
しかしながら、高地での作業時など、排ガス規制を満足するためにエンジン出力トルクが制限されている場合において、アクセルペダルの踏み込み操作と同時、あるいは、操作直後にフロント作業装置が操作されると、ポンプ吐出圧の増加によるエンジン負荷の増加に対して、エンジン出力トルクの増加が十分でないため、エンジン回転速度の上昇率、すなわちエンジンの吹け上がりが悪くなるという問題があった。そこで、高地での作業を考慮して、たとえば実エンジン回転速度の上昇に対するポンプ押しのけ容積の増加開始点を遅くする、すなわち押しのけ容積の増加が開始される実エンジン回転速度を高めに設定することが考えられる。しかしながら、この場合、平地においてハーフアクセル操作による作業を行ったときに、十分なポンプ吐出流量を得ることができず、フロント作業装置の動作が遅くなることが懸念される。
請求項1に記載の作業車両は、フロント作業装置を備えた作業車両であって、エンジンにより駆動され、フロント作業装置を駆動させるアクチュエータに圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプと、アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出部と、エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部と、操作量検出部で検出された操作量に応じて、エンジンの実回転速度に対する油圧ポンプの最大吸収トルクを変化させる制御部とを備えている。
請求項2に記載の作業車両は、請求項1に記載の作業車両において、制御部は、操作量検出部で検出された操作量が所定値より大きいときには、操作量が所定値より小さいときに比べて、所定の速度域におけるエンジンの実回転速度に対する油圧ポンプの最大吸収トルクを小さくする。
請求項3に記載の作業車両は、請求項2に記載の作業車両において、エンジンの実回転速度に応じて変化する油圧ポンプの最大吸収トルクの特性を少なくとも2つ記憶した記憶装置を備え、第2特性により設定される油圧ポンプの最大吸収トルクは、エンジンの実回転速度の速度域を低速度域、中速度域および高速度域の3つの速度域に分けた場合に、低速度域および中速度域において、第1特性により設定される油圧ポンプの最大吸収トルクよりも小さい。
請求項4に記載の作業車両は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業車両において、制御部は、作動油温および大気圧の少なくともいずれか一方を加味して、エンジンの実回転速度に対する油圧ポンプの最大吸収トルクを変化させる。
本発明によれば、平地での作業性を損なうことなく、高地でのエンジン回転速度の上昇率を高めることができる。
作業車両の一例であるホイールローダの側面図。 ホイールローダの概略構成を示す図。 アクセルペダルの操作量と目標エンジン回転速度の関係を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図。 土砂等をダンプトラックへ積み込む方法の1つであるVシェープローディングについて示す図。 ホイールローダによる掘削作業を示す図。 コントローラによるポンプ吸収トルク特性の選択制御処理の動作を示したフローチャート。 比較例に係るホイールローダのトルク線図。 本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図。 本発明の第3の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図。 本発明の第3の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図。
以下、図面を参照して、本発明による作業車両の一実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、第1の実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダは、アーム111、バケット112、および、前輪等を有する前部車体110と、運転室121、機械室122、および、後輪等を有する後部車体120とで構成される。
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
機械室122の内部にはエンジン190が設けられ、運転室121の内部にはアクセルペダルやアーム操作レバー、バケット操作レバーなどの各種操作部材が設けられている。
図2は、ホイールローダの概略構成を示す図である。ホイールローダは、エンジン190の回転をトルクコンバータ(以下、トルコン2と記す)、トランスミッション3、プロペラシャフト4、アクスル装置5、アクスル6を介してタイヤ113に伝達する走行駆動装置(走行系)を備えている。エンジン190の出力軸にはトルコン2の入力軸が連結され、トルコン2の出力軸はトランスミッション3に連結されている。トルコン2は周知のインペラ、タービン、ステータからなる流体クラッチであり、エンジン190の回転はトルコン2を介してトランスミッション3に伝達される。トランスミッション3は、その速度段を1速〜4速に切り換えるクラッチを有し、トルコン2の出力軸の回転はトランスミッション3で変速される。変速後の回転は、プロペラシャフト4、アクスル装置5、アクスル6を介してタイヤ113に伝達されて、ホイールローダが走行する。
ホイールローダは、油圧ポンプ11、コントロールバルブ21a,21b、アームシリンダ117、バケットシリンダ115、アーム111およびバケット112を含んで構成されるフロント作業装置(作業系)を備えている。作業用の油圧ポンプ11は、エンジン190により駆動され、圧油を吐出する。油圧ポンプ11は、押しのけ容積が変更される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧ポンプである。油圧ポンプ11の吐出流量は、押しのけ容積と油圧ポンプ11の回転速度に応じて決定される。レギュレータ11aは、油圧ポンプ11の吸収トルク(入力トルク)が、コントローラ100によって設定された最大ポンプ吸収トルクを超えないように、押しのけ容積を調節する。後述するように、最大ポンプ吸収トルクの設定値は、エンジン190の実回転速度や目標回転速度に応じて変更される。
油圧ポンプ11から吐出された圧油はコントロールバルブ21a,21bを介して作業用のアクチュエータであるアームシリンダ117、バケットシリンダ115に供給され、各アクチュエータが駆動される。コントロールバルブ21aおよびコントロールバルブ21bはアーム操作レバー31aおよびバケット操作レバー31bにより操作され、油圧ポンプ11からアームシリンダ117およびバケットシリンダ115への圧油の流れを制御する。アーム操作レバー31aは、アーム111の上昇/下降指令を出力し、バケット操作レバー31bは、バケット112のチルト/ダンプ指令を出力する。コントロールバルブ21a,21bを操作する操作レバー31a,31bは、電気式レバーであってもよいし、油圧パイロット式レバーであってもよい。
トルコン2は入力トルクに対して出力トルクを増大させる機能、つまりトルク比を1以上とする機能を有する。トルク比は、トルコン2の入力軸の回転速度と出力軸の回転速度の比であるトルコン速度比e(=出力回転速度/入力回転速度)の増加に伴い小さくなる。たとえばエンジン回転速度が一定状態で走行中に走行負荷が大きくなると、トルコン2の出力軸の回転速度が低下、つまり車速が低下し、トルコン速度比eが小さくなる。このとき、トルク比は増加するため、より大きな走行駆動力(牽引力)で車両走行可能となる。
トランスミッション3は、1速〜4速の各速度段に対応したソレノイド弁を有する自動変速機である。これらソレノイド弁は、コントローラ100からトランスミッション制御部20へ出力される制御信号によって駆動され、トランスミッション3は制御信号に応じて変速される。本実施の形態では、トルコン速度比eが所定値に達すると変速するトルコン速度比基準制御により、トランスミッション3の速度段が制御される。
ホイールローダは、ホイールローダの各部を制御するコントローラ100と、エンジン190を制御するエンジンコントローラ19とを備えている。コントローラ100およびエンジンコントローラ19は、それぞれCPUや記憶装置であるROM,RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。コントローラ100には、トルコン2の入力軸の回転速度を検出する入力側回転速度検出器(不図示)と、トルコン2の出力軸の回転速度を検出する出力側回転速度検出器(不図示)とが接続されている。
コントローラ100は、入力側回転速度検出器で検出したトルコン2の入力軸の回転速度と、出力側回転速度検出器で検出したトルコン2の出力軸の回転速度とに基づき、トルコン速度比e(=出力回転速度/入力回転速度)を算出する。
図2に示すように、コントローラ100には、車両の前後進を指令する前後進切換レバー17が接続され、前後進切換レバー17の操作位置(前進(F)/中立(N)/後進(R))がコントローラ100によって検出される。コントローラ100は、前後進切換レバー17が前進(F)位置に切り換えられると、トランスミッション3の前進クラッチ(不図示)を係合状態とするための制御信号をトランスミッション制御部20に出力する。コントローラ100は、前後進切換レバー17が後進(R)位置に切り換えられると、トランスミッション3の後進クラッチ(不図示)を係合状態とするための制御信号をトランスミッション制御部20に出力する。
トランスミッション制御部20では、前進または後進クラッチ(不図示)を係合状態とするための制御信号を受信すると、トランスミッション制御部20に設けられているクラッチ制御弁(不図示)が動作して、前進または後進クラッチ(不図示)は係合状態とされ、作業車両の進行方向が前進側または後進側に切り換えられる。
コントローラ100は、前後進切換レバー17が中立(N)位置に切り換えられると、前進および後進クラッチ(不図示)を解放状態とするための制御信号をトランスミッション制御部20に出力する。これにより、前進および後進クラッチ(不図示)は解放状態とされ、トランスミッション3は中立状態となる。
コントローラ100には、1速〜4速の間で速度段の上限を指令するシフトスイッチ18が接続されており、トランスミッション3はシフトスイッチ18により選択された速度段を上限として自動変速される。たとえばシフトスイッチ18により2速が選択されると速度段は1速または2速となり、1速が選択されると速度段は1速に固定される。
コントローラ100には、アクセルペダル152のペダル操作量(ペダルストロークまたはペダル角度)を検出する操作量センサ152aと、エンジン190の実エンジン回転速度を検出する回転速度センサ13とが接続されている。
コントローラ100は、目標速度設定部100aを機能的に備えている。目標速度設定部100aは、操作量センサ152aで検出したアクセルペダル152のペダル操作量(踏込量)に応じてエンジン190の目標エンジン回転速度(指令速度)Ntを設定する。図3は、アクセルペダル152の操作量Lと目標エンジン回転速度Ntの関係を示す図である。コントローラ100の記憶装置には、図3に示す目標エンジン回転速度特性Tnのテーブルが記憶されており、目標速度設定部100aは特性Tnのテーブルを参照し、操作量センサ152aで検出された操作量Lに基づいて目標エンジン回転速度Ntを設定する。アクセルペダル152の非操作時(0%)の目標エンジン回転速度Ntはローアイドル回転速度Nsに設定される。アクセルペダル152のペダル操作量Lの増加に伴い目標エンジン回転速度Ntは増加する。ペダル最大踏み込み時(100%)の目標エンジン回転速度Ntは定格点における定格回転速度Nmaxとなる。
図2に示すように、コントローラ100は、設定した目標エンジン回転速度Ntに対応した制御信号、ならびに、回転速度センサ13で検出された実エンジン回転速度Naに対応した制御信号をエンジンコントローラ19に出力する。エンジンコントローラ19は、コントローラ100からの目標エンジン回転速度Ntと実エンジン回転速度Naとを比較して、実エンジン回転速度Naを目標エンジン回転速度Ntに近づけるために燃料噴射装置190aを制御する。
コントローラ100には、吐出圧センサ12が接続されている。吐出圧センサ12は、油圧ポンプ11の吐出圧(負荷圧)を検出して、吐出圧信号をコントローラ100に出力する。
図4は、第1の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図であり、エンジン出力トルク特性E、ポンプ吸収トルク特性A1,A2を示している。コントローラ100の記憶装置には、エンジン出力トルク特性Eと、複数のポンプ吸収トルク特性A1,A2がルックアップテーブル形式で記憶されている。後述するように、特性A1は目標エンジン回転速度が所定値未満(アクセルペダル踏込量小)のときに用いられ、特性A2は目標エンジン回転速度が所定値以上(アクセルペダル踏込量大)のときに用いられる。
エンジン出力トルク特性Eは、実エンジン回転速度と最大エンジン出力トルクとの関係を示している。なお、最大エンジン出力トルクとは、各回転速度において、エンジン190が出力可能な最大のトルクを意味する。エンジン出力トルク特性(最大トルク線)で規定される領域が、エンジン190が出し得る性能を示している。ホイールローダに搭載されるエンジンは、定格点(定格最高トルク)Peを超える回転速度領域では、急激にトルクが低減するドループ特性を有している。図中、ドループ線は、定格点Peとポンプ無負荷状態におけるエンジン最高回転速度とを結ぶ直線により定義される。
図4に示すように、エンジン出力トルク特性Eでは、実エンジン回転速度Naがローアイドル回転速度(最低回転速度)Ns以上Nv以下の範囲において実エンジン回転速度Naの上昇に応じてトルクが増加し、実エンジン回転速度NaがNvのときに、特性Eにおけるトルクの最大値Temaxとなる(最大トルク点Tm)。なお、ローアイドル回転速度とは、アクセルペダル152の非操作時のエンジン回転速度である。エンジン出力トルク特性Eでは、実エンジン回転速度NaがNvよりも大きくなると、実エンジン回転速度Naの上昇に応じてトルクが減少し、定格点Peに達すると、定格出力が得られる。実エンジン回転速度Naが定格点Peにおける定格回転速度を超えて上昇すると、急激にトルクが減少する。
ポンプ吸収トルク特性A1,A2は、それぞれ実エンジン回転速度と最大ポンプ吸収トルク(最大ポンプ入力トルク)の関係を示している。以下、実エンジン回転速度Naが変化する速度域を低速度域、中速度域および高速度域の3つの速度域に分けた場合、ならびに、実エンジン回転速度Naが変化する速度域を低中速度域および中高速度域の2つの速度域に分けた場合において、各速度域における最大ポンプ吸収トルクの特性について説明する。中速度域とは、最大トルク点Tmに対応するエンジン回転速度Nvを含む速度域である。低速度域とは、中速度域よりも低速側の速度域であり、ローアイドル回転速度Nsを含む速度域である。本実施の形態では、図4に示すように、Nu1以下の速度域を低速度域と呼ぶ。高速度域とは、中速度域よりも高速側の速度域であり、定格点Peにおけるエンジン回転速度(定格回転速度)を含む速度域である。また、実エンジン回転速度Naが変化する速度域を2つに分ける場合には、最大トルク点Tmに対応するエンジン回転速度Nvを境界として低速側の速度域を低中速度域と呼び、その他の速度域を中高速度域と呼ぶ。
ポンプ吸収トルク特性A1では、実エンジン回転速度NaがNd1以下では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A1におけるトルクの最小値Tpminとなる。実エンジン回転速度NaがNu1以上では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A1におけるトルクの最大値Tpmaxとなる。特性A1では、実エンジン回転速度NaがNd1〜Nu1の範囲では実エンジン回転速度Naの上昇に応じてトルクが増加する。すなわち、図示するように、特性A1で設定される最大ポンプ吸収トルクは、低速度域で最小値Tpminから最大値Tpmaxにかけて実エンジン回転速度Naの上昇にしたがって増加し、中速度域および高速度域で最大値Tpmaxとされる。
ポンプ吸収トルク特性A2は、実エンジン回転速度NaがNd1以下、ならびに、実エンジン回転速度NaがNu2以上では、特性A1と同一の特性である。ポンプ吸収トルク特性A2では、実エンジン回転速度NaがNd2以下では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A2におけるトルクの最小値Tpminとなる。Nd2はNd1よりも大きい回転速度であり(Nd1<Nd2)、中速度域に含まれる。実エンジン回転速度NaがNu2以上では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A2におけるトルクの最大値Tpmaxとなる。Nu2はNu1よりも大きい回転速度であり(Nu1<Nu2)、中速度域に含まれる。特性A2では、実エンジン回転速度NaがNd2〜Nu2の範囲では実エンジン回転速度Naの上昇に応じてトルクが増加する。なお、Nd2,Nv,Nu2の大小関係は、Nd2<Nv<Nu2である。すなわち、図示するように、特性A2で設定される最大ポンプ吸収トルクは、低速度域では最小値Tpminとされ、中速度域で最小値Tpminから最大値Tpmaxにかけて実エンジン回転速度Naの上昇にしたがって増加する。特性A2で設定される最大ポンプ吸収トルクは、高速域では最大値Tpmaxとされる。
このように、本実施の形態では、低速度域および中速度域において、特に低中速度域において、特性A1と実エンジン回転速度Naとで決定される最大ポンプ吸収トルクに対して特性A2と実エンジン回転速度Naとで決定される最大ポンプ吸収トルクが小さくなるように、特性A1,A2のそれぞれが設定されている。
図2に示すように、コントローラ100は、操作量判定部100bと、選択部100cとを機能的に備えている。操作量判定部100bは、目標速度設定部100aで設定された目標エンジン回転速度Ntが所定速度(閾値)以上であるか所定速度(閾値)未満であるかを判定する。操作量判定部100bは、目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1以上である場合、アクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定する。操作量判定部100bは、目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1未満である場合、アクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定する。閾値Nt1の情報は、コントローラ100の記憶装置に予め記憶されている。閾値Nt1は、運転者がアクセルペダル152を半分程度踏み込む操作であるハーフアクセル操作時に設定される目標エンジン回転速度よりも高い値とされ、たとえばNu2(図4参照)よりも高い値とされている。
選択部100cは、操作量判定部100bで判定された結果に応じて、ポンプ吸収トルク特性を選択する。選択部100cは、操作量判定部100bでアクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性A1を選択する。選択部100cは、操作量判定部100bでアクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性A2を選択する。
図5は、土砂等をダンプトラックへ積み込む方法の1つであるVシェープローディングについて示す図である。図6は、ホイールローダによる掘削作業を示す図である。Vシェープローディングでは、矢印aで示すように、ホイールローダを土砂等の地山130に向かって前進させる。
図6に示すように、地山130にバケット112を突入し、バケット112を操作してからアーム111を上げ操作する、あるいはバケット112とアーム111を同時に操作しながら最後にアーム111のみを上げ操作して掘削作業を行う。
掘削作業が終了すると、図5の矢印bで示すように、ホイールローダを一旦後退させる。矢印cで示すように、ダンプトラックに向けてホイールローダを前進させて、ダンプトラックの手前で停止し、すくい込んだ土砂等をダンプトラックに積み込み、矢印dで示すように、ホイールローダを元の位置に後退させる。以上が、Vシェープローディングによる掘削、積み込み作業の基本的な動作である。
上記した掘削、積み込み作業中、たとえば、図5の矢印bで示すように、後進中のホイールローダを矢印cで示すように前進させる際に、運転者はアクセルペダル152を戻し操作し、前後進切換レバー17を後進から前進に切り換え操作して、アクセルペダル152を踏み込み操作する。さらに、ダンプトラックでの積み込み作業を考え、後進から前進への移行の際にアーム操作レバー31aを上げ側に操作してアーム111を上昇させることもある。後進から前進への移行の際には、後方への車体の慣性エネルギーが、トルクコンバータ2を介してエンジン190に負荷として作用する。このため、前後進切換レバー17を切り換え操作したときに、車体およびフロント作業装置を駆動させるために必要なエンジン出力トルクが不足してエンジンストールが起こりやすい。
本実施の形態では、上述したようなポンプ吸収トルク特性A1,A2が設定されるため、次に説明するように、後進から前進への移行の際におけるエンジンストールが防止される。すなわち、後進から前進への移行の際に、アクセルペダル152の戻し操作により実エンジン回転速度Naがローアイドル回転速度Ns近くまで低下するが、図4に示すように、実エンジン回転速度Naの低下に応じて最大ポンプ吸収トルクも減少する。このように、後進から前進への移行の際に後方への車体の慣性エネルギーがエンジン190に負荷として作用した場合であっても、最大ポンプ吸収トルクが制限されることでエンジンストールが防止される。
以下、目標エンジン回転速度Ntの設定値、すなわちアクセルペダル152の操作量に応じて行われるポンプ吸収トルク特性の選択制御を、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、コントローラ100によるポンプ吸収トルク特性の選択制御処理の動作を示したフローチャートである。イグニッションスイッチ(不図示)がオンされると、図7に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ100で繰り返し実行される。
ステップS100において、コントローラ100は、操作量センサ152aで検出されたアクセルペダル152の操作量Lの情報を取得して、ステップS110へ進む。
ステップS110において、コントローラ100は、目標エンジン回転速度特性Tnのテーブル(図3参照)を参照し、ステップS100で取得した操作量Lに基づいて目標エンジン回転速度Ntを設定し、ステップS120へ進む。
ステップS120において、コントローラ100は、ステップS110で設定された目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1未満であるか否かを判定する。ステップS120で肯定判定されると、コントローラ100はアクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定してステップS130へ進む。ステップS120で否定判定されると、コントローラ100はアクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定して、ステップS140へ進む。
ステップS130において、コントローラ100は、記憶装置からポンプ吸収トルク特性A1のテーブル(図4参照)を選択し、ステップS100へ戻る。ステップS140において、コントローラ100は、記憶装置からポンプ吸収トルク特性A2のテーブル(図4参照)を選択し、ステップS100へ戻る。
図示しないが、コントローラ100は、特性テーブルEを参照して、アクセルペダル152による目標エンジン回転速度Ntと回転速度センサ13で検出された実エンジン回転速度Naとに基づいて、エンジン190の燃料噴射量を制御する。さらに、コントローラ100は、選択された特性テーブル(A1,A2)を参照して、回転速度センサ13で検出された実エンジン回転速度Naに基づいて最大ポンプ吸収トルク値を演算し、吐出圧センサ12で検出された吐出圧(負荷圧)と回転速度センサ13で検出された実エンジン回転速度Naに基づいて、この最大ポンプ吸収トルクを超えないように、レギュレータ11aを介して油圧ポンプ11の押しのけ容積、すなわち傾転角を制御する。
このように、アクセルペダル152の踏み込み量が小さいときには低速度域において最大ポンプ吸収トルクを制限し、アクセルペダル152の踏み込み量が大きいときには低速度域および中速度域において最大ポンプ吸収トルクを制限することで、実エンジン回転速度Naの上昇率を高めることができる。すなわち、エンジン190の吹け上がり性能を向上することができる。以下、比較例と比較して、本実施の形態の吹け上がり性能の向上の効果について説明する。
図8(a)および図8(b)は図4と同様の図であり、比較例に係るホイールローダのトルク線図である。図8(a)では、本実施の形態と同じエンジン出力トルク特性Eおよび本実施の形態と同じポンプ吸収トルク特性A1を示している。図8(b)では、本実施の形態と同じエンジン出力トルク特性Eおよび本実施の形態と同じポンプ吸収トルク特性A2を示している。
図8(a)に示す比較例(1)では、アクセルペダル152の踏み込み量にかかわらず、ポンプ吸収トルク特性A1で油圧ポンプ11の押しのけ容積が制御される。図8(b)に示す比較例(2)では、アクセルペダル152の踏み込み量にかかわらず、ポンプ吸収トルク特性A2で油圧ポンプ11の押しのけ容積が制御される。つまり、比較例(1)(2)では、ポンプ吸収トルク特性がアクセルペダル152の操作量Lによって変化することがない。
図示しないが、ホイールローダのような作業車両は、高地での作業時など、排ガス規制を満足するためにエンジン出力トルクが低く抑えられる制御が行われる。この場合に、図5の矢印cで示すように、アクセルペダル152の踏み込み操作と同時、あるいは、操作直後にアーム111の上げ操作が行われると、ポンプ吐出圧の増加によるエンジン負荷の増加に対して、エンジン出力トルクを十分に高めることができない。
図8(a)に示すポンプ吸収トルク特性A1のみで油圧ポンプ11の押しのけ容積を制御する比較例(1)では、低速度域で実エンジン回転速度Naの上昇に伴って最大ポンプ吸収トルクが上昇し、中速度域で最大ポンプ吸収トルクが特性A1における最大値Tpmaxに制御される。このため、エンジン出力トルクを低く抑える制御が行われている状態で、アクセルペダル152の踏み込み操作と同時または操作直後にアーム111の上げ操作が行われると、油圧ポンプ11の吐出流量の増加によるエンジン負荷の増加のために、実エンジン回転速度の上昇率、すなわち吹け上がりが悪くなる。その結果、アクセルペダル152を最大に踏み込んでいても、車速やアーム111の上昇速度がなかなか上がらず、作業効率が低下するおそれがある。
一方、図8(b)に示すポンプ吸収トルク特性A2のみで油圧ポンプ11の押しのけ容積を制御する比較例(2)では、低速度域で最大ポンプ吸収トルクが特性A2における最小値Tpminに制御され、中速度域で実エンジン回転速度Naの上昇に伴って最大ポンプ吸収トルクが上昇し、高速度域で最大ポンプ吸収トルクが特性A2における最大値Tpmaxに制御される。このように、比較例(2)では、低速度域および中速度域において、油圧ポンプ11の吐出流量の増加が抑制され、エンジン負荷を低減できる。また、比較例(2)では、エンジン出力トルクがある程度増加した中速度域まで実エンジン回転速度が上昇してから、最大ポンプ吸収トルクを増加させている。その結果、高地での作業時のようにエンジン出力トルクを低く抑える制御が行われている状態において、アクセルペダル152の踏み込み操作と同時または操作直後にアーム111の上げ操作が行われた場合であっても、実エンジン回転速度Naを速やかに上昇させることができる。
つまり、比較例(2)では、比較例(1)に比べてエンジン190の吹け上がり性能が高いため、高地での作業効率を比較例(1)に比べて向上できる。しかしながら、比較例(2)に係るホイールローダを平地で作業させる場合であって、ハーフアクセル操作による作業が行われたとき、たとえば実エンジン回転速度NaがNd2〜Nu2の範囲、すなわち中速度域で制御されるような作業が行われたときに、比較例(1)に比べて十分なポンプ吐出流量を得ることができず、フロント作業装置の動作が遅くなることが懸念される。
これに対して、本実施の形態では、図4および図7に示すように、アクセルペダル152が最大に踏み込まれたときには特性A2が選択され、特性A2に基づいて油圧ポンプ11の押しのけ容積が制御される。また、アクセルペダル152がハーフアクセル操作など、閾値Nt1よりも小さい踏み込み操作がなされたときには、特性A1が選択され、特性A1に基づいて油圧ポンプ11の押しのけ容積が制御される。このため、平地での作業性を損なうことなく、高地でのエンジン回転速度の上昇率を高めることができる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
アクセルペダル152の操作量Lに応じて、実エンジン回転速度Naに対する油圧ポンプ11の最大吸収トルクを変化させるように構成した。操作量Lに応じて設定される目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1より大きいときには、操作量Lに応じて設定される目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1より小さいときに比べて、低速度域および中速度域における実エンジン回転速度Naに応じて設定される最大ポンプ吸収トルクを小さくするようにした。これにより、平地での作業性を損なうことなく、高地での実エンジン回転速度の上昇率、すなわちエンジン190の吹け上がり性能を高めることができる。
−第2の実施の形態−
図9および図10を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。図9は、図2と同様の図であり、本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図である。第2の実施の形態に係るホイールローダは、第1の実施の形態に係るホイールローダと同様の構成を有している。
図10は、図4と同様の図であり、第2の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図である。第2の実施の形態では、コントローラ200の記憶装置に、図10に示す3つの特性A1,A2,A3が記憶されている。特性A1,A2は、図4に示す第1の実施の形態で説明した特性A1,A2と同じ特性である。
ポンプ吸収トルク特性A3は、実エンジン回転速度NaがNd1以下、ならびに、実エンジン回転速度NaがNu3以上では、特性A1と同一の特性である。ポンプ吸収トルク特性A3では、実エンジン回転速度NaがNd1以下では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A3におけるトルクの最小値Tpminとなる。実エンジン回転速度NaがNu3以上では、実エンジン回転速度Naにかかわらず特性A3におけるトルクの最大値Tpmaxとなる。Nu3はNu1よりも大きく、Nu2よりも小さい(Nu1<Nu3<Nu2)。特性A3では、実エンジン回転速度NaがNd1〜Nu3の範囲では実エンジン回転速度Naの上昇に応じてトルクが増加する。
コントローラ200の記憶装置には、第1の実施の形態で説明した閾値Nt1と、閾値Nt1よりも小さい閾値Nt2が記憶されている(Nt2<Nt1)。図9に示すように、第2の実施の形態では、操作量判定部200bは、目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1以上である場合、アクセルペダル152が大きく踏み込まれている状態であると判定する。操作量判定部200bは、目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt1未満であり、かつ、閾値Nt2以上である場合、アクセルペダル152の踏み込み量が中程度の状態であると判定する。操作量判定部200bは、目標エンジン回転速度Ntが閾値Nt2未満である場合、アクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定する。
選択部200cは、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性A1を選択する。選択部200cは、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性A2を選択する。選択部200cは、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が中程度の状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性A3を選択する。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。アクセルペダル152の踏み込み量の状態に応じた特性が第1の実施の形態よりも多いため、標高の程度、すなわちエンジン出力トルクの低下の程度に応じて、踏み込み量を調整しつつ、エンジン回転速度を速やかに上昇させることができる。
−第3の実施の形態−
図11および図12を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、第2の実施の形態との相違点について主に説明する。図11は、図9と同様の図であり、第3の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図である。第3の実施の形態に係るホイールローダは、第2の実施の形態に係るホイールローダと同様の構成を有している。コントローラ300には、作動油温センサ314が接続されている。作動油温センサ314は、油圧ポンプ11から吐出される作動油の温度を検出して、油温信号をコントローラ300に出力する。
図12は、図10と同様の図であり、第3の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図である。図12(a)および図12(b)に示すように、第3の実施の形態では、コントローラ300の記憶装置に6つの特性AH1,AH2,AH3,AL1,AL2,AL3が記憶されている。特性AH1,AH2,AH3は、第2の実施の形態で説明した特性A1,A2,A3(図10参照)と同じ特性である。特性AL1,AL2,AL3は、それぞれ特性AH1,AH2,AH3に比べて実エンジン回転速度Naの上昇に対する最大ポンプ吸収トルクの増加開始点が遅く設定された特性、すなわち最大ポンプ吸収トルクの増加が開始される実エンジン回転速度Naが高めに設定された特性である。
特性AH1の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd1であるのに対し、特性AL1の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd1よりも高いNdL1である。同様に、特性AH3の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd1であるのに対し、特性AL3の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd1よりも高いNdL1である。特性AH2の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd2であるのに対し、特性AL2の最大ポンプ吸収トルクの増加開始点はNd2よりも高いNdL2である。
図11に示すコントローラ300は油温判定部300dを機能的に備え、コントローラ300の記憶装置には閾値T1が記憶されている。油温判定部300dは、作動油温Toが閾値T1以上である場合、作動油が高温状態で粘度が低く、エンジン負荷が高くなり難い状態であると判定する。油温判定部300dは、作動油温Toが閾値T1未満である場合、作動油が低温状態で粘度が高く、エンジン負荷が高くなりやすい状態であると判定する。
選択部300cは、油温判定部300dで判定された結果、ならびに、操作量判定部200bで判定された結果に応じて、ポンプ吸収トルク特性を選択する。選択部300cは、油温判定部300dで作動油が高温状態であると判定され、かつ、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AH1を選択する。選択部300cは、油温判定部300dで作動油が高温状態であると判定され、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AH2を選択する。選択部300cは、油温判定部300dで作動油が高温状態であると判定され、かつ、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が中程度の状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AH3を選択する。
選択部300cは、油温判定部300dで作動油が低温状態であると判定され、かつ、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が小さい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AL1を選択する。選択部300cは、油温判定部300dで作動油が低温状態であると判定され、かつ、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AL2を選択する。選択部300cは、油温判定部300dで作動油が低温状態であると判定され、かつ、操作量判定部200bでアクセルペダル152の踏み込み量が中程度の状態であると判定されている場合、ポンプ吸収トルク特性AL3を選択する。
このような第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
作動油温が低いと作動油の粘度が高くなるため、油圧ポンプ11や管路の流動抵抗が増加して、作動油温が高い場合に比べて、エンジン負荷が上昇しやすい。つまり、作動油温が低いと、作動油温が高い場合に比べて実エンジン回転速度Naの上昇率が悪くなる。第3の実施の形態では、作動油温を加味して、実エンジン回転速度Naに対する最大ポンプ吸収トルクを変化させるようにした。作動油温が低い場合に、最大ポンプ吸収トルクの増加が開始される実エンジン回転速度を作動油温が高い場合に比べて高めに設定することで、作動油温が低い場合であっても実エンジン回転速度の上昇率、すなわちエンジン190の吹け上がり性能を高めることができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)上述した実施の形態では、操作量判定部100b,200bが目標速度設定部100aで設定した目標エンジン回転速度に応じて、アクセルペダル152の踏み込み量の状態を判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、アクセルペダル152の踏み込み量が所定値以上か否かを判定して、アクセルペダル152の踏み込み量の状態を判定してもよい。
(変形例2)第1の実施の形態では、アクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態と小さい状態とを判定し、アクセルペダル152の踏み込み量に応じて特性A1,A2のうちのいずれか一の特性を選択するようにした。また、第2の実施の形態では、アクセルペダル152の踏み込み量が大きい状態、小さい状態、中程度の状態を判定し、アクセルペダル152の踏み込み量に応じて特性A1,A2,A3のうちのいずれか一の特性を選択するようにしたが本発明はこれに限定されない。アクセルペダル152の踏み込み量の状態をさらに細分化するとともに、踏み込み量に応じた特性を4つ以上設けるようにしてもよい。
(変形例3)上述した実施の形態では、エンジン190の駆動力をトルコン2を介してタイヤ113に伝達する走行駆動装置を備えたホイールローダについて説明したが、本発明はこれに限定されない。走行用の油圧ポンプと走行用の油圧モータとが閉回路接続されたHST走行駆動装置を備えたホイールローダに本発明を適用してもよい。
(変形例4)第3の実施の形態では、作動油温を加味して、実エンジン回転速度に対する最大ポンプ吸収トルクを変化させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。作動油温に代えて、大気圧を加味して、実エンジン回転速度に対する最大ポンプ吸収トルクを変化させてもよい。この場合、大気圧を検出する気圧センサを設け、気圧センサで検出された気圧が所定圧以上の場合には、図12(a)に示す特性AH1,AH2,AH3の中からアクセルペダル152の踏み込み量に応じて、一の特性が選択される。アクセルペダル152の踏み込み量が大きいときは特性AH1が選択され、アクセルペダル152の踏み込み量が小さいときは特性AH2が選択され、アクセルペダル152の踏み込み量が中程度のときは特性AH3が選択される。気圧センサで検出された気圧が所定圧未満の場合には、図12(b)に示す特性AL1,AL2,AL3の中からアクセルペダル152の踏み込み量に応じて、一の特性が選択される。アクセルペダル152の踏み込み量が大きいときは特性AL1が選択され、アクセルペダル152の踏み込み量が小さいときは特性AL2が選択され、アクセルペダル152の踏み込み量が中程度のときは特性AL3が選択される。
大気圧が低い、すなわち空気の密度が小さいほどエンジン出力が大きく制限されることになるため、大気圧が高い場合に比べて実エンジン回転速度Naの上昇率が悪くなる。本変形例では、大気圧を加味して、実エンジン回転速度Naに対する最大ポンプ吸収トルクを変化させるようにした。大気圧が低い場合に、最大ポンプ吸収トルクの増加が開始される実エンジン回転速度を大気圧が高い場合に比べて高めに設定することで、大気圧が低い場合であっても実エンジン回転速度の上昇率、すなわちエンジン190の吹け上がり性能を高めることができる。なお、作動油温および大気圧の両者を加味して、実エンジン回転速度Naに対する最大ポンプ吸収トルクを変化させることもできる。
(変形例5)上述した実施の形態では、エンジン出力トルク特性およびポンプ吸収トルク特性がルックアップテーブル形式でコントローラ100,200,300の記憶装置に記憶されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、エンジン回転速度に応じた関数形式で各特性をコントローラ100,200,300の記憶装置に記憶させるようにしてもよい。
(変形例6)上述した実施の形態では、作業車両の一例としてホイールローダを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、フォークリフト等、アクセルペダルの踏み込み操作と同時、または、踏込操作直後にフロント作業装置が操作される作業形態が想定される他の作業車両であってもよい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
2 トルクコンバータ(トルコン)、3 トランスミッション、4 プロペラシャフト、5 アクスル装置、6 アクスル、11 油圧ポンプ、11a レギュレータ、12 吐出圧センサ、13 回転速度センサ、17 前後進切換レバー、18 シフトスイッチ、19 エンジンコントローラ、20 トランスミッション制御部、21a,21b コントロールバルブ、31a アーム操作レバー、31b バケット操作レバー、100 コントローラ、100a 目標速度設定部、100b 操作量判定部、100c 選択部、101 センタピン、110 前部車体、111 アーム、112 バケット、113 タイヤ、115 バケットシリンダ、116 ステアリングシリンダ、117 アームシリンダ、120 後部車体、121 運転室、122 機械室、130 地山、152 アクセルペダル、152a 操作量センサ、190 エンジン、190a 燃料噴射装置、200 コントローラ、200b 操作量判定部、200c 選択部、300 コントローラ、300c 選択部、300d 油温判定部、314 作動油温センサ

Claims (4)

  1. フロント作業装置を備えた作業車両であって、
    エンジンにより駆動され、前記フロント作業装置を駆動させるアクチュエータに圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプと、
    アクセルペダルの操作量を検出する操作量検出部と、
    前記エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記操作量検出部で検出された操作量に応じて、前記エンジンの実回転速度に対する前記油圧ポンプの最大吸収トルクを変化させる制御部とを備えている作業車両。
  2. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御部は、前記操作量検出部で検出された操作量が所定値より大きいときには、前記操作量が前記所定値より小さいときに比べて、所定の速度域における前記エンジンの実回転速度に対する前記油圧ポンプの最大吸収トルクを小さくする作業車両。
  3. 請求項2に記載の作業車両において、
    前記エンジンの実回転速度に応じて変化する前記油圧ポンプの最大吸収トルクの特性を少なくとも2つ記憶した記憶装置を備え、
    第2特性により設定される前記油圧ポンプの最大吸収トルクは、前記エンジンの実回転速度の速度域を低速度域、中速度域および高速度域の3つの速度域に分けた場合に、前記低速度域および前記中速度域において、第1特性により設定される前記油圧ポンプの最大吸収トルクよりも小さい作業車両。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業車両において、
    前記制御部は、作動油温および大気圧の少なくともいずれか一方を加味して、前記エンジンの実回転速度に対する前記油圧ポンプの最大吸収トルクを変化させる作業車両。
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