JP2015071976A - 作業車両 - Google Patents

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Koji Hyodo
幸次 兵藤
山下 将司
Shoji Yamashita
将司 山下
田中 哲二
Tetsuji Tanaka
哲二 田中
章禄 川原
Akiyoshi Kawahara
章禄 川原
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【課題】還元剤溶液の残量の減少に応じてエンジンを低出力に制御した場合に、エンジンストールが引き起こされることを防止する。【解決手段】作業車両は、フロント作業装置を備えた作業車両であって、エンジン190により駆動される油圧ポンプ180と、油圧ポンプに閉回路接続され、油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧モータ181と、エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部13と、還元剤タンク162に蓄えられた還元剤溶液を用いて、エンジンから排出される排ガス中の窒素酸化物を浄化する排ガス浄化装置と、還元剤タンク内の還元剤溶液の残量を検出する残量検出装置163と、残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、エンジンの出力トルクを低下させるとともに、油圧ポンプの入力トルクを低下させる制御部10とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ポンプを駆動するエンジンから排出される排ガスを浄化する排ガス浄化装置を備えた作業車両に関する。
排ガス中の窒素酸化物を還元して除去する排ガス浄化装置を備えた自動車が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の自動車では、タンク内の還元剤溶液(尿素水)が消費され、還元剤溶液の残量が規定量以下となった場合、エンジン制御部がエンジンを低出力に制御して、高出力運転を防止している。
特開2002−371831号公報
上述した特許文献1に記載の技術は、自動車における技術であるため、そのままホイールローダ等の作業車両に適用することができない。ホイールローダ等の作業車両は、エンジンによって駆動される油圧ポンプを有し、アーム、バケット等からなるフロント作業装置のアクチュエータに圧油を供給する。このため、作業車両では、エンジンの出力と油圧ポンプの出力との関係が重要である。
作業車両では、フロント作業装置を駆動せずに走行する状態や、走行させつつフロント作業装置を駆動させる状態、停止した状態でフロント作業装置を駆動させる状態など、車両の動作状態(作業状態や走行状態)に応じてエンジンの負荷が変化する。上述した特許文献1に記載の技術を適用し、尿素水残量の減少に応じてエンジンを低出力に制御すると、作業状態や走行状態によってはエンジンの負荷が大きくなり、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
請求項1に記載の作業車両は、フロント作業装置を備えた作業車両であって、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプに閉回路接続され、油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧モータと、エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部と、還元剤タンクに蓄えられた還元剤溶液を用いて、エンジンから排出される排ガス中の窒素酸化物を浄化する排ガス浄化装置と、還元剤タンク内の還元剤溶液の残量を検出する残量検出装置と、残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、エンジンの出力トルクを低下させるとともに、油圧ポンプの入力トルクを低下させる制御部とを備えている。
請求項2に記載の作業車両は、請求項1に記載の作業車両において、制御部は、残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、エンジン回転速度の上昇に応じた油圧ポンプの入力トルクの増加率を減少させる。
請求項3に記載の作業車両は、請求項1または2に記載の作業車両において、制御部は、残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、油圧ポンプの入力トルクの最大値を低下させる。
請求項4に記載の作業車両は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業車両において、制御部は、残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、油圧モータの出力トルクを低下させる。
本発明によれば、還元剤溶液の残量の減少に応じてエンジンを低出力に制御した場合において、エンジンストールが引き起こされることを防止できる。
本発明の第1の実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダの側面図。 本発明の第1の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図。 図2のポンプレギュレータの構成を示す図。 (a)は制御圧力とHSTポンプの押しのけ容積との関係を示す図、(b)は制御電流と電磁比例弁の制御圧力(2次圧力)との関係を示す図、(c)はエンジン回転速度と制御電流との関係を示す図。 非制限段階および制限段階における、エンジン回転速度に対するHSTポンプの押しのけ容積、入力トルクおよび吐出流量の特性を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図。 コントローラによるエンジン出力トルクとHSTポンプ入力トルクの制限制御処理の動作を示したフローチャート。 ホイールローダによる掘削作業を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダのHSTポンプの押しのけ容積を制御するための制御電流と、エンジン回転速度との関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダにおける、エンジン回転速度に対するHSTポンプの押しのけ容積、入力トルクおよび吐出流量の特性を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図。 変形例に係るホイールローダにおける油圧モータの押しのけ容積と走行回路圧との関係を示す図。
以下、図面を参照して、本発明による作業車両の一実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、第1の実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダは、アーム111、バケット112、および、前輪等を有する前部車体110と、運転室121、機械室122、および、後輪等を有する後部車体120とで構成される。
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
機械室122は、上方がエンジンフード140で、側方が開閉可能な建屋カバー141で覆われている。エンジンフード140には、エンジン190の駆動に必要な空気を外部から取り込むための吸気管170と、排ガスを排出するためのテールパイプ171が取り付けられている。機械室122内には、エンジン190および排ガス浄化装置160が配設されている。
図2は、第1の実施の形態に係るホイールローダの概略構成を示す図である。図2に示すように、ホイールローダは、いわゆるHST走行駆動装置(走行系)を有しており、エンジン190により駆動される油圧ポンプ(以下、HSTポンプ180と記す)と、HSTポンプ180に閉回路接続される油圧モータ181とを有している。HSTポンプ180から吐出される圧油により油圧モータ181が回転すると、油圧モータ181の出力トルクは不図示のギアボックスを介して出力軸186に伝達される。これにより、アクスル187を介してタイヤ113が回転し、車両が走行する。
HSTポンプ180は、傾転角に応じて押しのけ容積qpが変更される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型の油圧ポンプである。押しのけ容積qpはポンプレギュレータ182により制御される。図3は、図2のポンプレギュレータ182の構成を示す図である。図3に示すように、ポンプレギュレータ182は傾転シリンダ18と、前後進切換スイッチ17の操作に応じて切り換わる前後進切換弁19と、コントローラ10からの制御信号に応じて制御圧力を調節する電磁比例減圧弁(以下、電磁比例弁20と記す)とを有する。エンジン190により駆動されるチャージポンプ8からの圧油は、電磁比例弁20を介して減圧され、制御圧力として前後進切換弁19を介して傾転シリンダ18に導かれる。なお、チャージポンプ8の吐出圧力(1次圧力)は、リリーフ弁12により所定値に規定される。傾転シリンダ18には、前後進切換弁19を介して制御圧力が供給され、制御圧力に応じて押しのけ容積qpが制御されるとともに、前後進切換弁19の切換に応じて傾転シリンダ18の動作方向が制御され、HSTポンプ180の傾転方向が制御される。
図2に示すように、ホイールローダは、固定容量型の油圧ポンプ(以下、作業用ポンプ11と記す)、コントロールバルブ21、アクチュエータ30、アーム111およびバケット112を含んで構成されるフロント作業装置(作業系)を備えている。作業用ポンプ11は、エンジン190により駆動され、圧油を吐出する。
作業用ポンプ11から吐出された圧油はコントロールバルブ21を介して作業用のアクチュエータ30に供給され、アクチュエータ30が駆動される。コントロールバルブ21はコントロールレバー31により操作され、作業用ポンプ11からアクチュエータ30への圧油の流れを制御する。なお、図2では、便宜上、アーム操作レバー、バケット操作レバーを総称してコントロールレバー31と記し、アームシリンダ117、バケットシリンダ115を総称してアクチュエータ30と記し、アーム用コントールバルブあるいはバケット用コントロールバルブを総称してコントロールバルブ21と記している。アーム操作レバーは、アーム111の上昇/下降指令を出力し、バケット操作レバーは、バケット112のチルト/ダンプ指令を出力する。
排ガス浄化装置160は、還元剤溶液として、たとえば尿素水溶液(以下、尿素水と記す)を用いて、エンジン190から排出される排ガス中の窒素酸化物を浄化する処理を行う処理装置161と、処理装置161に供給される尿素水を蓄える尿素水タンク162と、尿素水タンク162内の尿素水の残量を検出する残量センサ163とを備えている。
コントローラ10は、CPUや記憶装置であるROM,RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。図2に示すように、コントローラ10には、アクセルペダル152のペダル操作量(ペダルストロークまたはペダル角度)を検出するアクセル操作量検出器152aと、エンジン190の実回転速度を検出して、実回転速度信号をコントローラ10に出力する回転速度センサ13とが接続されている。
コントローラ10は、アクセル操作量検出器152aで検出したアクセルペダル152のペダル操作量(踏込量)に応じてエンジン190の目標エンジン回転速度を設定する。アクセルペダル152のペダル操作量が大きくなると目標エンジン回転速度は大きくなり、ペダル最大踏み込み時の目標エンジン回転速度は後述する定格点P0における定格回転速度NP0となる。
コントローラ10は、設定した目標エンジン回転速度に対応した制御信号をエンジンコントローラ9に出力する。エンジンコントローラ9は、回転速度センサ13で検出されたエンジン190の実回転速度と、コントローラ10からの目標エンジン回転速度とを比較して、エンジン190の実回転速度を目標エンジン回転速度に近づけるために燃料噴射装置(不図示)を制御する。
図2に示すように、コントローラ10には、車両の前後進を指令する前後進切換スイッチ17が接続され、前後進切換スイッチ17の操作位置(前進(F)/中立(N)/後進(R))がコントローラ10によって検出される。コントローラ10は、前後進切換スイッチ17の操作位置に応じて、制御信号を図3に示す前後進切換弁19に出力する。前後進切換弁19は、入力される制御信号に応じて切り換わり、前後進切換弁19を介して制御圧力が傾転シリンダ18に供給され、傾転シリンダ18の動作方向および動作量が制御される。その結果、HSTポンプ180の傾転方向および押しのけ容積qpが制御される。
前後進切換スイッチ17が中立(N)位置に切り換えられると、傾転シリンダ18の油室18a,18bのそれぞれはタンク圧となり、ピストン18cは中立位置に位置する。このため、HSTポンプ180の押しのけ容積qpは0となり、ポンプ吐出流量は0となる。
前後進切換スイッチ17が前進(F)位置に切り換えられると、前後進切換弁19がA側に切り換えられ、チャージポンプ8からの圧油が電磁比例弁20により減圧されて油室18aに作用する。油室18bにはタンク圧が作用する。このため、傾転シリンダ18の油室18a,18bに圧力差が生じ、ピストン18cが図示右方向に変位して、HSTポンプ180の押しのけ容積qpが増加する。HSTポンプ180は前進側に回転し、エンジン回転速度および押しのけ容積qpに応じた吐出流量がHSTポンプ180から吐出される。
前後進切換スイッチ17が後進(R)位置に切り換えられると、前後進切換弁19がB側に切り換えられ、チャージポンプ8からの圧油が電磁比例弁20により減圧されて油室18bに作用する。油室18aにはタンク圧が作用する。このため、傾転シリンダ18の油室18a,18bに圧力差が生じ、ピストン18cが図示左方向に変位して、HSTポンプ180の押しのけ容積qpが増加する。HSTポンプ180は後進側に回転し、エンジン回転速度および押しのけ容積qpに応じた吐出流量がHSTポンプ180から吐出される。
図4(a)は、制御圧力PとHSTポンプ180の押しのけ容積qpとの関係を示す図である。押しのけ容積qpは、制御圧力PがPmin未満では0とされ、制御圧力Pmin以上Pmax0未満の範囲では制御圧力Pの増加に応じて増加し、制御圧力PがPmax0で最大値qpmax0とされる。
図4(b)は制御電流Iと電磁比例弁20の制御圧力P(2次圧力)との関係を示す図である。電磁比例弁20の減圧度は、コントローラ10からの制御電流Iにより制御される。電磁比例弁20の弁特性は、制御電流IがIminからImax0にかけて、ソレノイドに入力される制御電流Iの増加に伴い減圧度が小さく、すなわち2次圧力である制御圧力PがPminからPmaxにかけて大きくなるように設定されている。
図4(c)はエンジン回転速度と制御電流Iとの関係を示す図である。コントローラ10の記憶装置には、図4(c)に示すエンジン回転速度に対する制御電流Iの特性I0,I1がルックアップテーブル形式で記憶されている。後述するように、特性I0は尿素水の残量が所定量以上(非制限段階)のときに用いられ、特性I1は尿素水の残量が所定量未満(制限段階)のときに用いられる。
特性I0では、エンジン回転速度がNy未満では制御電流I=Iminであり、エンジン回転速度がNx0以上では制御電流I=Imax0である。特性I0では、エンジン回転速度がNy以上Nx0未満の範囲ではエンジン回転速度の増加にしたがい制御電流Iが最小値Iminから最大値Imax0にかけて増加する。
特性I1では、エンジン回転速度がNy未満では制御電流I=Iminであり、エンジン回転速度がNx1以上では制御電流I=Imax0である。特性I1では、エンジン回転速度がNy以上Nx1未満の範囲ではエンジン回転速度の増加にしたがい制御電流Iが最小値Iminから最大値Imax0にかけて増加する。特性I1では、エンジン回転速度の上昇に応じた制御電流の増加率(傾き)が特性I0よりも小さい。つまり、制御電流Iが最大値Imax0となるエンジン回転速度であるNx0とNx1の大小関係は、Nx0<Nx1である。
図5は、非制限段階および制限段階における、エンジン回転速度に対するHSTポンプ180の押しのけ容積qp、入力トルクおよび吐出流量の特性を示す図である。図中、Nyは、HSTポンプ180が吐出を開始するエンジン回転速度であり、以下、吐出開始速度Nyと記す。吐出開始速度Nyは、ローアイドル回転速度Ns以上の値に設定される(Ny≧Ns)。本実施の形態では、Ny=Nsとされている。特性qp0,H0,Q0は図4(c)に示す特性I0が選択されたときの特性であり、特性qp1,H1,Q1は図4(c)に示す特性I1が選択されたときの特性である。
図5(a)は、エンジン回転速度に対するHSTポンプ180の押しのけ容積qpの特性を示す図である。上記のとおり、エンジン回転速度に基づいて制御電流Iが設定されると、制御電流Iに応じた制御圧力Pが電磁比例弁20から出力され、HSTポンプ180の押しの容積が制御される。つまり、HSTポンプ180の押しのけ容積qpは、図5(a)に示すように、エンジン回転速度の上昇に応じて増加される。
特性qp0では、エンジン回転速度が吐出開始速度Ny未満では、押しのけ容積qpは0である。エンジン回転速度が吐出開始速度Ny以上Nx0未満の範囲では、エンジン回転速度の増加に比例して制御圧力が上昇し、HSTポンプ180の押しのけ容積qpが直線的に増加する。エンジン回転速度がNx0以上では、HSTポンプ180の押しのけ容積qpは、最大容積qpmax0となる。特性qp1では、エンジン回転速度が吐出開始速度Ny未満では、押しのけ容積qpは0である。エンジン回転速度が吐出開始速度Ny以上Nx1未満の範囲では、エンジン回転速度の増加に比例して制御圧力が上昇し、HSTポンプ180の押しのけ容積qpが直線的に増加する。エンジン回転速度がNx1以上では、HSTポンプ180の押しのけ容積qpは、最大容積qpmax0となる。
図5(b)は、エンジン回転速度に対するHSTポンプ180の入力トルクの特性を示す図である。HSTポンプ入力トルクは、押しのけ容積qpと、HST走行回路の回路圧により決定される。図5(b)では、回路圧をリリーフ圧としたときのHSTポンプ入力トルク特性を示している。HSTポンプ180の入力トルクは、HSTポンプ180の押しのけ容積qpの増加に応じて増加する。上記したように、HSTポンプ180の押しのけ容積qpは、エンジン回転速度の上昇に比例して増加するため、HSTポンプ入力トルクは、図5(b)に示すように、エンジン回転速度の増加に比例して増加する。
図5(c)は、エンジン回転速度に対するHSTポンプ180の吐出流量の特性を示す図である。特性Q0では、エンジン回転速度が吐出開始速度Ny未満において、吐出流量は0である。エンジン回転速度が吐出開始速度Ny以上Nx0未満の範囲では、HSTポンプ180の回転速度と押しのけ容積qpの両方が増加するため、HSTポンプ180の吐出流量はエンジン回転速度の増加に応じて曲線的に滑らかに応答性よく増加し、滑らかで力強い加速性が得られる。エンジン回転速度がNx0以上では押しのけ容積qpが最大容積qpmax0であるため(図5(a)参照)、HSTポンプ180の吐出流量は、エンジン回転速度の増加に応じて直線的に増加する。
特性Q1では、エンジン回転速度が吐出開始速度Ny未満において、吐出流量は0である。エンジン回転速度が吐出開始速度Ny以上Nx1未満の範囲では、HSTポンプ180の回転速度と押しのけ容積qpの両方が増加するため、HSTポンプ180の吐出流量はエンジン回転速度の増加に応じて曲線的に滑らかに応答性よく増加し、滑らかで力強い加速性が得られる。エンジン回転速度がNx1以上では押しのけ容積qpが最大容積qpmax0であるため(図5(a)参照)、HSTポンプ180の吐出流量は、エンジン回転速度の増加に応じて直線的に増加する。
図2に示す油圧モータ181は、可変容量型モータであり、コントローラ10からモータレギュレータ185に制御信号が出力され、押しのけ容積qm(モータ容量)が制御される。モータレギュレータ185は、電磁切換弁や電磁比例弁等を含む電気式レギュレータである。油圧モータ181の押しのけ容積qmは、HST走行回路の走行回路圧に応じて制御される。HST走行回路の主管路LA,LBの最高圧力は、オーバーロードリリーフ弁184により制限される。
コントローラ10には、高圧選択弁189で選択された主管路LA,LBの圧力(走行負荷圧)を検出する圧力検出器188からの信号が入力される。
コントローラ10には、尿素水タンク162内の尿素水の残量を検出して、残量信号をコントローラ10に出力する残量センサ163が接続されている。残量センサ163は尿素水タンク162内の尿素水の水位を検出する水位センサである。
図6は、第1の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図であり、アクセルペダル152を最大に踏み込んだときのエンジン回転速度とトルクの関係を示しており、エンジン出力トルク特性A0,A1、作業用ポンプ入力トルク特性B、および、HSTポンプ入力トルク特性H0,H1を示している。コントローラ10の記憶装置には、複数のエンジン出力トルク特性A0,A1がルックアップテーブル形式で記憶されている。後述するように、特性A0および特性H0は尿素水の残量が所定量以上(非制限段階)のときに用いられ、特性A1および特性H1は尿素水の残量が所定量未満(制限段階)のときに用いられる。
エンジン出力トルク特性A0,A1は、それぞれエンジン回転速度と最大エンジン出力トルクとの関係を示している。なお、最大エンジン出力トルクとは、各回転速度において、エンジン190が出力可能な最大のトルクを意味する。エンジン出力トルク特性(最大トルク線)で規定される領域がエンジン190が出し得る性能を示している。ホイールローダに搭載されるエンジンは、定格点(定格最高トルク)P0を超える回転速度領域では、急激にトルクが低減するドループ特性を有している。図中、ドループ線は、定格点とポンプ無負荷状態におけるエンジン最高回転速度とを結ぶ直線により定義される。ホイールローダでは、このようなエンジン出力トルク特性を利用してマッチング制御を行い、後述するマッチング点でエンジン190および作業用ポンプ11、HSTポンプ180が運転される。
図6(a)に示すように、エンジン出力トルク特性A0では、エンジン回転速度が最低回転速度(ローアイドル回転速度)Ns以上Nv0以下の範囲においてエンジン回転速度の上昇に応じてトルクが増加し、エンジン回転速度がNv0のときに、特性A0におけるトルクの最大値となる(最大トルク点Tm0)。なお、ローアイドル回転速度とは、アクセルペダル152の非操作時のエンジン回転速度である。エンジン出力トルク特性A0では、エンジン回転速度がNv0より大きくなると、エンジン回転速度の上昇に応じてトルクが減少し、定格点P0に達すると、定格出力が得られる。エンジン回転速度が定格点P0における定格回転速度NP0を超えて上昇すると、急激にトルクが減少する。なお、ローアイドル回転速度Nsを含む回転速度域を低回転速度域とし、Nv0を含む回転速度域を中回転速度域とし、定格回転速度NP0を含む回転速度域を高回転速度域として定義する。
図6(b)に示すように、エンジン出力トルク特性A1は、特性A0を低回転、低トルク側にシフトした特性である。エンジン出力トルク特性A1では、エンジン回転速度がNv0よりも小さいNv1のときに(Nv1<Nv0)、特性A1におけるトルクの最大値となる(最大トルク点Tm1)。最大トルク点Tm1におけるトルク値は、特性A0における最大トルク点Tm0のトルク値よりも小さい。エンジン出力トルク特性A1では、エンジン回転速度がNv1より大きくなると、エンジン回転速度の上昇に応じてトルクが減少する。
作業用ポンプ入力トルク特性Bは、エンジン回転速度と最大ポンプ入力トルク(最大ポンプ吸収トルク)の関係を示している。作業用ポンプ11は固定容量型ポンプであるため、作業用ポンプ入力トルク特性Bはエンジン回転速度にかかわらず一定値となる。
HSTポンプ入力トルク特性H0,H1は、図5(b)で示した特性であり、エンジン回転速度の上昇に応じて増加するHSTポンプ180の押しのけ容積qpと、走行回路圧(モータ駆動圧)とに基づいて決まる。なお、上述したように、図6に示す特性H0,H1は、走行回路圧がリリーフ圧(一定)である場合のポンプ入力トルクの特性を示している。図6(a)に示すように、特性H0では、エンジン回転速度がNy以上、かつ、Nx0未満の範囲ではエンジン回転速度の上昇に応じて徐々にトルクが増加する。特性H0では、エンジン回転速度がNx0以上では、エンジン回転速度にかかわらず特性H0におけるトルクの最大値Tmax0となる。図6(b)に示すように、特性H1では、エンジン回転速度がNy以上、かつ、Nx1未満の範囲ではエンジン回転速度の上昇に応じて徐々にトルクが増加する。特性H1では、エンジン回転速度がNx1以上では、エンジン回転速度にかかわらず特性H1におけるトルクの最大値Tmax0となる。特性H1では、エンジン回転速度の上昇に応じたポンプ入力トルクの増加率(傾き)が特性H0よりも小さい。
図6(a)に示す特性A0と特性H0との交点MC0および特性A0と特性Bとの交点MB0、ならびに、図6(b)に示す特性A1と特性H1との交点MC1および特性A1と特性Bとの交点MB1は、マッチング点である。
フロント作業装置(作業系)を作動させずに走行駆動装置(走行系)を作動させている状態(以下、走行系単独動作状態と記す)でのエンジン出力トルクおよびHSTポンプ入力トルクは、交点MC0,MC1の値となる。走行駆動装置(走行系)を作動させずにフロント作業装置(作業系)を作動させている状態(以下、作業系単独動作状態と記す)でのエンジン出力トルクおよび作業用ポンプ入力トルクは、交点MB0,MB1の値となる。
図2に示すように、コントローラ10は、残量判定部10aと、選択部10bとを機能的に備えている。残量判定部10aは、残量センサ163で検出された尿素水の残量(水位)hが所定量以上であるか所定量未満であるかを判定する。残量判定部10aは、尿素水の残量hが所定量h1以上である場合、すなわち尿素水が十分に蓄えられている場合、非制限段階と判定する。残量判定部10aは、尿素水の残量hが第1所定量h1未満である場合に制限段階であると判定する。所定量h1の情報は、コントローラ10の記憶装置に予め記憶されている。
選択部10bは、残量判定部10aで判定された結果に応じて、エンジン出力トルク特性を選択する。選択部10bは、残量判定部10aで非制限段階であると判定されている場合に、エンジン出力トルク特性A0および制御電流特性I0を選択する。選択部10bは、残量判定部10aで制限段階であると判定されている場合に、エンジン出力トルク特性A1および制御電流特性I1を選択する。
以下、尿素水の残量に応じて行われるエンジン出力トルクとHSTポンプ入力トルクの制限制御を、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、コントローラ10によるエンジン出力トルクとHSTポンプ入力トルクの制限制御処理の動作を示したフローチャートである。イグニッションスイッチ(不図示)がオンされると、図7に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ10で繰り返し実行される。
ステップS100において、残量センサ163で検出された残量、すなわち尿素水タンク162内の水位の情報を取得して、ステップS110へ進む。
ステップS110において、残量判定部10aは、ステップS100で取得した尿素水の残量hが第1所定量h1未満であるか否かを判定する。ステップS110で否定判定されると、残量判定部10aは非制限段階であると判定してステップS120へ進み、肯定判定されると、ステップS140へ進む。
ステップS120において、選択部10bは、記憶装置からエンジン出力トルク特性A0と制御電流特性I0を一括して選択し、ステップS100へ戻る。
ステップS140において、選択部10bは、記憶装置からエンジン出力トルク特性A1と制御電流特性I1を一括して選択し、ステップS100へ戻る。
このように、本実施の形態では、尿素水残量の減少に応じてエンジン出力トルク特性を変更する。コントローラ10は、選択部10bにより選択された特性テーブル(A0,A1)を参照して、アクセルペダル152による目標エンジン回転速度と回転速度センサ13で検出された実回転速度とに基づいて、エンジン190の燃料噴射量を制御する。コントローラ10は、選択部10bにより選択された特性テーブル(I0,I1)を参照して、回転速度センサ13で検出された実回転速度に基づいて制御電流Iを演算し、電磁比例弁20からの制御圧力を制御することで、HSTポンプ180の押しのけ容積qpを制御する。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)尿素水タンク162内の尿素水の残量の減少に応じて、エンジン190の出力トルクを低下させるようにした。これにより、運転者は通常時に比べて運転状態が悪化していることから尿素水の残量が少ないことを認識することができる。つまり、本実施の形態によれば、尿素水の残量が減少した状態での高出力運転が防止され、運転者へ尿素水の補給を促すことができる。
(2)尿素水の残量の減少に応じて、エンジンの出力トルクを低下させるとともに、HSTポンプ180の入力トルクを低下させるようにした。本実施の形態では、尿素水の残量の減少に応じて、エンジン回転速度の上昇に応じたHSTポンプ180の入力トルクの増加率を減少させるようにした。これにより、エンジン出力のみを低下させる場合に比べて、車速が低下し、加速性能が低下するため、より明確に運転者へ尿素水の補給を促すことができる。
また、尿素水の残量の減少によりエンジンが低出力に制御されている状態において、走行負荷と作業負荷とが急激に上昇するような操作が行われたとしても、エンジンストールが引き起こされることが防止される。たとえば、図8に示すように、ホイールローダでは、地山130にバケット112を突入し、バケット112を操作してからアーム111を上げ操作する、あるいはバケット112とアーム111を同時に操作しながら最後にアーム111のみを上げ操作して掘削作業を行う。運転者は、地山130に突入する直前にアクセルペダル152を戻し操作する。このため、地山130への突入時にはエンジン回転速度が低回転速度域(たとえば、5km/h程度)にある。運転者は、地山130への突入と同時に、アクセルペダル152を再び踏込操作して、バケット112を地山130へ貫入させるとともにフロント作業装置を動作させて掘削作業を行う。このとき、走行負荷と作業負荷とが急激に上昇するため、尿素水残量の減少に応じてHSTポンプ180の入力トルク特性を低下させない場合には、エンジンストールが発生するおそれがある。これに対して、本実施の形態では、上述したように尿素水残量の減少に応じて、エンジンの出力トルクを低下させるとともに、HSTポンプ180の入力トルクを低下させるようにしたので、走行負荷の急激な上昇が抑えられ、エンジンストールの発生を防止できる。つまり、本実施の形態によれば、尿素水の残量の減少に応じてエンジン出力トルクを低下させた場合であっても、作業を継続することができ、運転者は所定の作業を完了させるなどした後、所望の時期に尿素水の補給を行うことができる。
(3)尿素水の残量の減少に応じて、吐出開始速度Nyからのエンジン回転速度の上昇に応じたHSTポンプ180の入力トルクの増加率を減少させるようにした。このため、特に低回転速度域、中回転速度域において、効果的にエンジンストールの発生を防止できる。
−第2の実施の形態−
図9〜図11を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、コントローラ10の記憶装置に記憶されている制御電流特性である。
第2の実施の形態では、制限段階で用いられる制御電流特性I2の最大値を、非制限段階で用いられる制御電流特性I1の最大値よりも小さく設定している(図9参照)。これにより、尿素水の残量の減少に応じて、エンジン190の出力トルクを低下させるとともに、HSTポンプ180の入力トルクの最大値を低下させる(図11(b)参照)。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダのHSTポンプ180の押しのけ容積を制御するための制御電流Iと、エンジン回転速度との関係を示す図である。図9に示すように、コントローラ10の記憶装置には、第1の実施の形態で説明した制御電流特性I1に代えて、制御電流特性I2が記憶されている。制御電流特性I2は、残量判定部10aにおいて制限段階であると判定されている場合に、選択部10bにより選択される特性である。
制御電流特性I2は、エンジン回転速度がローアイドル回転速度Ns以上Nx2未満の範囲では特性I0と同一の特性である。Nx2は、ローアイドル回転速度Nsより大きく、かつ、Nx0よりも小さい(Ns<Nx2<Nx0)。制御電流特性I2では、エンジン回転速度Nx2以上で制御電流I=Imax2となる。Imax2は、非制限段階における制御電流Iの最大値Imax0よりも小さい(Imax2<Imax0)。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダにおける、エンジン回転速度に対するHSTポンプの押しのけ容積qp、入力トルクおよび吐出流量の特性を示す図である。制限段階において特性I2が選択されると、図10(a)に示すように、HSTポンプ180の押しのけ容積の特性はqp2となり、エンジン回転速度がNx2以上では、HSTポンプ180の押しのけ容積qpはqpmax0より小さいqpmax2となる(qpmax2<qpmax0)。HSTポンプ180の入力トルク特性は、図10(b)に示すH2となり、エンジン回転速度がNx2以上では、HSTポンプ180の入力トルクは、Tmax0より小さいTmax2となる(Tmax0<Tmax2)。
つまり、制限段階において特性I2が選択されている場合には、HSTポンプ180の押しのけ容積qpの最大値、ならびに、HSTポンプ180の入力トルクの最大値が、特性I1に対して制限される。
制限段階において特性I2が選択されると、図10(c)に示すように、HSTポンプ180の吐出流量の特性はQ2となる。特性Q2では、エンジン回転速度が吐出開始速度Ny未満において、吐出流量は0である。エンジン回転速度が吐出開始速度Ny以上Nx2未満の範囲では、HSTポンプ180の回転速度と押しのけ容積qpの両方が増加するため、HSTポンプ180の吐出流量はエンジン回転速度の増加に応じて曲線的に増加し、エンジン回転速度がNx2以上においてHSTポンプ180の吐出流量は、エンジン回転速度の増加に応じて直線的に増加する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るホイールローダのトルク線図である。特性A0,A1、特性Bは、第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と同様、図11(a)に示すように、非制限段階での走行系単独動作状態では、HSTポンプ入力トルクおよびエンジン回転速度は、マッチング点MC0の値となり、非制限段階での作業系単独動作状態における作業用ポンプ入力トルクおよびエンジン回転速度は、マッチング点MB0の値となる。
図11(b)に示すように、制限段階での走行系単独動作状態では、HSTポンプ入力トルクおよびエンジン回転速度は、マッチング点MC21の値となり、制限段階での作業系単独動作状態における作業用ポンプ入力トルクおよびエンジン回転速度は、第1の実施の形態と同様、マッチング点MB1の値となる。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した(1)および(2)と同様の作用効果を奏する。第2の実施の形態では、尿素水の残量の減少に応じて、HSTポンプ180の入力トルクの最大値を低下させるようにした。このため、特に中回転速度域、高回転速度域において、効果的にエンジンストールの発生を防止できる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)上述した実施の形態において、非制限段階から制限段階に移行したときに、油圧モータ181の押しのけ容積の特性も合わせて変更してもよい。図12は、油圧モータ181の押しのけ容積qmと走行回路圧との関係を示す図である。コントローラ10の記憶装置には、特性Qm0,Qm3がルックアップテーブル形式で記憶されている。Qm0は非制限段階のときに選択部10bにより選択される特性であり、Qm3は制限段階のときに選択部10bにより選択される特性である。
特性Qm0では、圧力検出器188で検出される走行負荷圧が所定値Pt未満のとき、モータ押しのけ容積qmは最小値qmminであり、走行負荷圧が所定値Ptに達するとモータ押しのけ容積qmが最小値qminから最大値qmaxまで徐々に増加する。特性Qm0では、走行負荷圧が所定値Ptよりも大きいとモータ押しのけ容積は最大値qmmax0となる。
なお、厳密には、モータ押しのけ容積qmは、走行負荷圧が所定値Ptから所定量ΔPtだけ増加する範囲で走行負荷圧の増加に伴い比例的に増加するが、便宜上、ΔPt=0として説明した。図12に示す走行負荷圧と、モータ押しのけ容積qmとの積は、油圧モータ181の出力トルクに相当する。
特性Qm3は、特性Qm0に比べてモータ押しのけ容積qmの最大値が制限された特性である。特性Qm0におけるモータ押しのけ容積qmの最大値はqmmax0であるのに対し、特性Qm3におけるモータ押しのけ容積qmの最大値は、qmmax0よりも小さいqmmax3である(qmmax3<qmmax0)。
制限段階においてモータ押しのけ容積の最大値が制限される、すなわち油圧モータ181の出力トルクの最大値が制限されるため、走行牽引力(走行駆動力)の最大値が制限される。このため、走行負荷の急激な上昇をさらに抑えられ、エンジンストールの発生をより効果的に防止できる。
なお、モータ押しのけ容積の最大値を制限することに代えて、制限段階においてHST走行回路の最高圧力を低下させることで油圧モータ181の出力トルクの最大値を制限してもよい。HST走行回路の最高圧力を低下させる方法としては、たとえばオーバーロードリリーフ弁184を設定圧可変式のリリーフ弁として、オーバーロードリリーフ弁184の設定圧を非制限段階では第1設定圧Pr1に設定し、制限段階では第1設定圧Pr1よりも低い第2設定圧Pr2を設定すればよい。
(2)制限段階において選択される特性は、上述した例に限定されない。たとえば、制限段階では、非制限段階と比べて、エンジン回転速度の上昇に応じたHSTポンプ180の入力トルクの増加率を減少させ、かつ、入力トルクの最大値を低下させるようにしてもよい。
(3)第1の実施の形態では、エンジン回転速度の上昇に応じたHSTポンプ180の入力トルクの増加率が一定である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。入力トルクの増加率がエンジン回転速度に応じて変化してもよい。この場合、制限段階において選択される特性は、HSTポンプ180の入力トルクの最小値から最大値までの、エンジン回転速度の上昇に応じたHSTポンプ180の入力トルクの平均増加率が、非制限段階に比べて減少する特性であればよい。
(4)上述した実施の形態では、制限段階においてエンジン出力トルク特性と制御電流特性とを一括して選択する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。エンジン出力トルク特性と制御電流特性を変更する尿素水残量の閾値を個別に設定して、それぞれの特性を異なるタイミングで変更させるようにしてもよい。
(5)上述した実施の形態では、尿素残量が所定量h1未満のときに制限段階と判定し、エンジン出力トルク特性および制御電流特性を変更する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。制限段階を細分化して設定してもよい。たとえば、尿素水残量が第1所定量h1未満かつ第2所定量以上h2の場合には第1制限段階と判定し、尿素水残量が第2所定量未満の場合には第2制限段階と判定してもよい。第2制限段階では、第1制限段階に比べてエンジン出力トルク特性および制御電流特性を低下させることで、段階的に運転状態を悪化させて、運転者に尿素水の補給を促すことができる。なお、複数の段階に分けて、段階的に各特性を変更する場合に限定されることもなく、連続的に特性を変更するようにしてもよい。
(6)上述した実施の形態では、作業用ポンプ11が固定容量型の油圧ポンプである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。作業用ポンプ11が可変容量型の油圧ポンプである場合についても本発明を適用できる。
(7)上述した実施の形態では、HSTポンプ180の押しのけ容積は、実エンジン回転速度に応じて制御される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。目標エンジン回転速度に応じて制御電流Iを設定し、HSTポンプ180の押しのけ容積を制御してもよい。
(8)上述した実施の形態では、エンジン出力トルク特性およびエンジン回転速度に応じた制御電流の特性がルックアップテーブル形式でコントローラ10の記憶装置に記憶されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、エンジン回転速度に応じた関数形式で各特性をコントローラ10の記憶装置に記憶させるようにしてもよい。
(9)上述した実施の形態では、作業車両の一例としてホイールローダを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、フォークリフト、テレハンドラー、リフトトラック等、他の作業車両であってもよい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
8 チャージポンプ、9 エンジンコントローラ、10 コントローラ、10a 残量判定部、10b 選択部、11 作業用ポンプ、12 リリーフ弁、13 回転速度センサ、17 前後進切換スイッチ、18 傾転シリンダ、18a 油室、18b 油室、18c ピストン、19 前後進切換弁、20 電磁比例弁、21 コントロールバルブ、30 アクチュエータ、31 コントロールレバー、101 センタピン、110 前部車体、111 アーム、112 バケット、113 タイヤ、115 バケットシリンダ、116 ステアリングシリンダ、117 アームシリンダ、120 後部車体、121 運転室、122 機械室、130 地山、140 エンジンフード、141 建屋カバー、152 アクセルペダル、152a アクセル操作量検出器、160 排ガス浄化装置、161 処理装置、162 尿素水タンク、163 残量センサ、170 吸気管、171 テールパイプ、180 HSTポンプ、181 油圧モータ、182 ポンプレギュレータ、184 オーバーロードリリーフ弁、185 モータレギュレータ、186 出力軸、187 アクスル、190 エンジン

Claims (4)

  1. フロント作業装置を備えた作業車両であって、
    エンジンにより駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプに閉回路接続され、前記油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される油圧モータと、
    前記エンジンの実回転速度を検出する回転速度検出部と、
    還元剤タンクに蓄えられた還元剤溶液を用いて、前記エンジンから排出される排ガス中の窒素酸化物を浄化する排ガス浄化装置と、
    前記還元剤タンク内の還元剤溶液の残量を検出する残量検出装置と、
    前記残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、前記エンジンの出力トルクを低下させるとともに、前記油圧ポンプの入力トルクを低下させる制御部とを備えている作業車両。
  2. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御部は、前記残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、エンジン回転速度の上昇に応じた前記油圧ポンプの入力トルクの増加率を減少させる作業車両。
  3. 請求項1または2に記載の作業車両において、
    前記制御部は、前記残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、前記油圧ポンプの入力トルクの最大値を低下させる作業車両。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業車両において、
    前記制御部は、前記残量検出装置で検出された還元剤溶液の残量の減少に応じて、前記油圧モータの出力トルクを低下させる作業車両。
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