JP2015086222A - 安定化された2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸含有水性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
で示される化合物である。2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸の一般名はブロムフェナクであり、非ステロイド性抗炎症剤として知られ、眼科領域においては点眼液として外眼部及び前眼部の炎症治療に用いられている。
しかしながら、特許文献4では、保存効力、すなわち、水性液剤組成物に混入する細菌の増殖を抑制する効力という観点から有用性を示しているに過ぎない。
本発明の課題は、水性組成物中の2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸の安定性を向上させることにより、長期間の保存においても充分に安定な2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸を含有する水性組成物を提供することである。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
の範囲内である場合に、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩の安定性が改善し、長期保存下でも高い残存率を維持し、なおかつ、赤色の不溶性異物が発生しないことを見出し、本発明を完成させた。
本発明の水性組成物は、長時間、澄明、黄色、沈殿不含有の状態を維持し、防腐効力にも優れるものである。
(1)2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩、ベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水性組成物であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸100質量部に対するベンザルコニウム臭化物の含有量A(質量部)とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量B(質量部)が、
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
の範囲内である、水性組成物。
(2)ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0<A<2.4のとき、0<B≦50
2.4≦A<5のとき、5<B≦50
の範囲内である、上記(1)記載の水性組成物。
(3)ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0.5≦A<2.4のとき、5≦B≦30
2.4≦A≦3のとき、5<B≦30
の範囲内である、上記(1)記載の水性組成物。
(4)ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0.8≦A≦2、及び5≦B≦20
の範囲内である、上記(1)記載の水性組成物。
(5)2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩、ベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水性組成物であって、ベンザルコニウム臭化物の濃度X(w/v%)とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Y(w/v%)が、
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.1
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.1
の範囲内である、水性組成物。
(6)ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.05
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.05
の範囲内である、上記(5)記載の水性組成物。
(7)ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0.0005≦X<0.0024のとき、0.005≦Y≦0.03
0.0024≦X≦0.003のとき、0.005<Y≦0.03
の範囲内である、上記(5)記載の水性組成物。
(8)ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0.0008≦X≦0.002、及び0.005≦Y≦0.02
の範囲内である、上記(5)記載の水性組成物。
(9)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の水性組成物。
(10)水性組成物中の2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸の濃度が、0.01〜1.0%(w/v)である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の水性組成物。
(11)2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸ナトリウム・3/2水和物を1.0%(w/v)含有する上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の水性組成物。
(12)0.5〜5%(w/v)のホウ酸及び/又はホウ砂を更に含有する、上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の水性組成物。
(13)0.005〜0.2%(w/v)のエデト酸ナトリウム水和物を更に含有する、上記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の水性組成物。
(14)0.01〜3.0%(w/v)の塩化ナトリウムを更に含有する、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の水性組成物。
(15)水性組成物のpHが、7.0より大きく9.5以下である、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の水性組成物。
(16)水性組成物が、注射剤、輸液、点鼻剤、点耳剤又は点眼剤である、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の水性組成物。
(17)水性組成物が、眼科用注射剤である、上記(16)記載の水性組成物。
(18)水性組成物が、点眼剤である、上記(16)記載の水性組成物。
(19)上記(1)〜(18)のいずれかに記載の水性組成物の製造方法であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸若しくはその塩又はそれらの水和物、並びにベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを水性溶媒に溶解させることを特徴とする製造方法。
本発明は、更に以下にも関する。
(20)水性組成物中の2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩を安定化する方法であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸100質量部に対して、0〜5質量部のベンザルコニウム臭化物(含有量A(質量部))と、以下の範囲内の含有量B(質量部)で示されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを前記水性組成物中に配合する方法にも関する。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
なお、前記(1)から(20)の各構成は、任意に2以上を選択して組み合わせることができる。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
そして本水性組成物においては、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸若しくはその塩は、水性溶媒に均一に溶解した形態で存在する。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
の範囲内であり、
0<A<2.4のとき、0<B≦50
2.4≦A<5のとき、5<B≦50
の範囲内である場合が好ましく、
0.5≦A<2.4のとき、5≦B≦30
2.4≦A≦3のとき、5<B≦30
の範囲内である場合がより好ましく、
0.8≦A≦2、及び5≦B≦20
の範囲内である場合が最も好ましい。
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.1
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.1
の範囲内である場合が好ましく、
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.05
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.05
の範囲内である場合がより好ましく、
0.0005≦X<0.0024のとき、0.005≦Y≦0.03
0.0024≦X≦0.003のとき、0.005<Y≦0.03
の範囲内である場合がさらに好ましく、
0.0008≦X≦0.002、及び0.005≦Y≦0.02
の範囲内である場合が最も好ましい。
本発明の水性組成物中の安定化剤の濃度は、薬物、他の添加物及び/又は浸透圧比への影響を考慮して適宜調整することができるが、その総量としては0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.002〜1%(w/v)がより好ましく、0.003〜0.5%(w/v)がさらに好ましく、0.005〜0.2%(w/v)が特に好ましく、0.01〜0.1%(w/v)が最も好ましい。より具体的には、エデト酸ナトリウム水和物0.02%(w/v)を配合する場合が好ましい。
水性溶媒としては先に記載した溶媒を用いることができる。
よって、本発明は、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩、ベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水性組成物であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸100質量部に対するベンザルコニウム臭化物の含有量A(質量部)とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量B(質量部)が、
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
の範囲内である水性組成物の製造方法であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸若しくはその塩又はそれらの水和物並びにベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを水性溶媒に溶解させることを特徴とする製造方法にも関する。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
本発明の水性組成物の安定性を検討した。
1−1.被験製剤の調製
実施例1
精製水90mLに、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸ナトリウム・3/2水和物(以下、本化合物ともいう)を0.1g、ホウ酸を0.85g、ホウ砂を1.0g、エデト酸ナトリウム水和物を0.02g、ポリソルベート80を0.005g、ベンザルコニウム臭化物を0.0012g、及び塩化ナトリウム0.23g加え、充分に攪拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液及び希塩酸(10%)を加えて、pHを8.3付近とした後、精製水を適量加えて全量を100mLとした。
被験製剤を60℃で1週間又は1ヵ月保存したときの、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸の含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量し、その残存率(%)を算出した。また、目視にて外観の変化を観察し、澄明、黄色、沈殿不含有のままであれば−と判定し、これらに変化が認められれば+と判定した。
試験結果を表1及び表2に示す。
以下に本化合物を用いた代表的な製剤例を示す。なお、下記製剤例において各成分の配合量は100mL中の含量である。
本化合物 0.1g
ポリソルベート80 0.005g
ホウ酸 0.85g
ホウ砂 1.0g
エデト酸ナトリウム 0.02g
ベンザルコニウム臭化物 0.0012g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 8.3
本化合物 0.1g
ポリソルベート80 0.02g
ホウ酸 1.25g
ホウ砂 1.0g
エデト酸ナトリウム 0.02g
ベンザルコニウム臭化物 0.0016g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 8.3
本化合物 0.01g
ポリソルベート80 0.03g
エデト酸ナトリウム 0.05g
ベンザルコニウム臭化物 0.002g
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 8.3
Claims (20)
- 2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩、ベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水性組成物であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸100質量部に対するベンザルコニウム臭化物の含有量A(質量部)とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量B(質量部)が、
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
の範囲内である、水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0<A<2.4のとき、0<B≦50
2.4≦A<5のとき、5<B≦50
の範囲内である、請求項1記載の水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0.5≦A<2.4のとき、5≦B≦30
2.4≦A≦3のとき、5<B≦30
の範囲内である、請求項1記載の水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の含有量Aとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含有量Bが、
0.8≦A≦2、及び5≦B≦20
の範囲内である、請求項1記載の水性組成物。 - 2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩、ベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有する水性組成物であって、ベンザルコニウム臭化物の濃度X(w/v%)とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Y(w/v%)が、
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.1
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.1
の範囲内である、水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0<X<0.0024のとき、0<Y≦0.05
0.0024≦X<0.005のとき、0.005<Y≦0.05
の範囲内である、請求項5記載の水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0.0005≦X<0.0024のとき、0.005≦Y≦0.03
0.0024≦X≦0.003のとき、0.005<Y≦0.03
の範囲内である、請求項5記載の水性組成物。 - ベンザルコニウム臭化物の濃度Xとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度Yが、
0.0008≦X≦0.002、及び0.005≦Y≦0.02
の範囲内である、請求項5記載の水性組成物。 - ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 水性組成物中の2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸の濃度が、0.01〜1.0%(w/v)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸ナトリウム・3/2水和物を1.0%(w/v)含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 0.5〜5%(w/v)のホウ酸及び/又はホウ砂を更に含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 0.005〜0.2%(w/v)のエデト酸ナトリウム水和物を更に含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 0.01〜3.0%(w/v)の塩化ナトリウムを更に含有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 水性組成物のpHが、7.0より大きく9.5以下である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 水性組成物が、注射剤、輸液、点鼻剤、点耳剤又は点眼剤である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 水性組成物が、眼科用注射剤である、請求項16記載の水性組成物。
- 水性組成物が、点眼剤である、請求項16記載の水性組成物。
- 請求項1〜18のいずれか一項記載の水性組成物の製造方法であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸若しくはその塩又はそれらの水和物、並びにベンザルコニウム臭化物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを水性溶媒に溶解させることを特徴とする製造方法。
- 水性組成物中の2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸又はその塩を安定化する方法であって、2−アミノ−3−(4−ブロモベンゾイル)フェニル酢酸100質量部に対して、0〜5質量部のベンザルコニウム臭化物(含有量A(質量部))と、以下の範囲内の含有量B(質量部)で示されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとを前記水性組成物中に配合する方法。
0<A<2.4のとき、0<B≦100
2.4≦A<5のとき、5<B≦100
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