JP2015086174A - 乳化組成物の製造方法 - Google Patents

乳化組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015086174A
JP2015086174A JP2013226421A JP2013226421A JP2015086174A JP 2015086174 A JP2015086174 A JP 2015086174A JP 2013226421 A JP2013226421 A JP 2013226421A JP 2013226421 A JP2013226421 A JP 2013226421A JP 2015086174 A JP2015086174 A JP 2015086174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ascorbic acid
integer
acid derivative
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013226421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5930314B2 (ja
Inventor
靖貴 森宗
Yasutaka Morimune
靖貴 森宗
勝己 吉村
Katsumi Yoshimura
勝己 吉村
靖也 稲本
Seiya Inamoto
靖也 稲本
敏夫 島本
Toshio Shimamoto
敏夫 島本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CELLESS KENKYUSHO KK
Daido Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
CELLESS KENKYUSHO KK
Daido Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CELLESS KENKYUSHO KK, Daido Chemical Industry Co Ltd filed Critical CELLESS KENKYUSHO KK
Priority to JP2013226421A priority Critical patent/JP5930314B2/ja
Publication of JP2015086174A publication Critical patent/JP2015086174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5930314B2 publication Critical patent/JP5930314B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)

Abstract

【課題】アスコルビン酸誘導体に由来する経時的な黄色変化が抑制され、かつ、界面活性剤を添加しなくても安定な、アスコルビン酸誘導体含有乳化組成物の製造方法の提供。【解決手段】下記式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロース、脂溶性アスコルビン酸誘導体、及び水を含む混合物を高圧乳化処理する工程を含む乳化組成物の製造方法。(式中、R1〜R3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:−[CH2CH2-k(CH3)kO]mH、又は、基:−CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1。nは100〜10000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数。但し、R1〜R3の内少なくも一つは、必ず基:−CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1である。)【選択図】なし

Description

本発明は乳化組成物の製造方法に関し、詳しくは、化粧品や医薬部外品などに好ましく利用できる脂溶性アスコルビン酸誘導体含有の乳化組成物を製造する方法に関する。
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は、メラニン生成抑制作用、抗酸化作用、コラーゲン合成促進作用など、化粧品原料として優れた薬理、生理作用を有することが知られている。
しかし、水溶性であるため化粧品用途への応用範囲が限られ、また、酸化分解を受けやすく、着色しやすいという欠点もあった。
そこで、アスコルビン酸の水酸基を長鎖の脂肪酸でエステル化することにより脂溶性を付与して用途拡大を図るとともに、併せて安定性の向上をも図った脂溶性アスコルビン酸誘導体も提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
他方で、化粧品等の分野では、皮膚への刺激性が高い界面活性剤を添加することなく安定な乳化組成物を提供する試みもなされている(例えば、特許文献2など参照)。
特開2003−306419号公報 特開2005−75817号公報
脂溶性アスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸より安定性に優れているものの、経時的な黄色変化の抑制が十分とまではいえない。
また、界面活性剤などの添加剤の配合はなるべく少なくすることが求められていることから、黄色変化が抑制されるのみならず、界面活性剤フリーの乳化組成物であることが望ましい。
そこで、本発明は、アスコルビン酸誘導体を含んでいながら、その経時的な黄色変化が抑制され、かつ、従来使用されていたような界面活性剤を添加することなく安定な乳化組成物を製造することのできる乳化組成物の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行い、脂溶性アスコルビン酸誘導体とともに所定の疎水化変性アルキルセルロース及び水を含有する混合物を高圧乳化処理することとすれば、上記課題が一挙に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる乳化組成物の製造方法は、下記構造式(1)
Figure 2015086174
(上式(1)中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mH、又は、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1である。nは100〜10000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数を示す。)で表され、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1を必ず含む疎水化変性アルキルセルロースと、脂溶性アスコルビン酸誘導体と、水とを含む混合物を高圧乳化処理する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、アスコルビン酸誘導体を含んでいながら、その経時的な黄色変化が抑制され、かつ、従来使用されていたような界面活性剤を添加することなく安定な乳化組成物を製造することができる。
以下、本発明にかかる乳化組成物の製造方法の好ましい実施形態について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔疎水化変性アルキルセルロース〕
本発明の乳化組成物の製造方法に用いられる疎水化変性アルキルセルロースは、セルロースエーテル誘導体に、疎水性基である長鎖アルキル基を導入したものである。
前記疎水化変性アルキルセルロースは、下記構造式(1):
Figure 2015086174
[式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mH、又は、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1である。nは100〜10000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数を示す。]で表されるものであって、該疎水化変性アルキルセルロースが、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1を必ず含む。
疎水化変性アルキルセルロースの基となるセルロースエーテル誘導体のうち、特に、入手のしやすさなどの点からヒドロキシプロピルメチルセルロースを選択することが好適である。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とは、前記構造式(1)において、R1、R2及びR3が、同一又は異なって、−H、−CH3又は基:−[CH2CH(CH3)O]mHであり、基:−[CH2CH(CH3)O]mHを含むものである。
疎水化変性アルキルセルロースは、HPMCに長鎖アルキル基を導入したものであり、例えば、アルカリ触媒の存在下で、HPMCにステアリルグリシジルエーテルを反応させることで製造することができる。ステアリルグリシジルエーテルの他、セチルグリシジルエーテル及びデシルグリシジルエーテルなどであってもよい。
疎水化変性アルキルセルロースに導入される疎水基である基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1のCj2j+1は、ステアリル基(−C1837)であることが好ましい(この場合、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1は、基:−CH2CH(OH)CH2O−C1837となる)。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1を0.1〜10.0質量%含むことが好ましく、0.1〜2.0質量%含むことがより好ましく、0.1〜1.0質量%含むことが特に好ましい。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースに含まれる低級アルキル基としては、メチル基、エチル基などが好ましく、メチル基がより好ましい。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、メチル基を10.0〜50.0質量%含むことが好ましく、21.5〜30.0質量%含むことがより好ましい。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースに含まれる基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mHは、kが0の場合は、基:−[CH2CH2O]mHとなり、kが1の場合は、基:−[CH2CH(CH3)O]mHとなる。特に好ましくはkが1の場合の基:−[CH2CH(CH3)O]mHである。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、基:−[CH2CH(CH3)O]mHを3.0〜20.0質量%含むことが好ましく、7.0〜11.0質量%含むことがより好ましい。
なお、前記疎水化変性アルキルセルロースに含まれる低級アルキル基、基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mH、及び基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1の含有量は、第13改正日本薬局方ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208の項に準じた方法によって測定した値である。
これらの条件を満たす疎水化変性アルキルセルロースとしては、一例として、大同化成工業社製の商品名:サンジェロースが好ましく例示できる。
〔脂溶性アスコルビン酸誘導体〕
本発明で用いられる脂溶性アスコルビン酸誘導体としては、脂溶性であれば特に限定されるものではなく、1種もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、アスコルビン酸のモノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、テトラカルボン酸エステルなどが挙げられる。
中でも、安定性や製造の容易性の観点から、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルなどが好ましく挙げられ、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビルが特に好ましい。
〔混合物〕
本発明の乳化組成物の製造方法では、上記疎水化変性アルキルセルロースと、上記脂溶性アスコルビン酸誘導体と水とを含む混合物を用いる。
前記混合物において、疎水化変性アルキルセルロースの配合割合は、混合物全量に対して、0.5〜1.0質量%であることが好ましい。疎水化変性アルキルセルロースの配合割合が少なすぎると混合物の粘性が低くなりすぎて分離を招くおそれがあり、配合割合が多すぎると混合物の粘性が高くなりすぎて高圧乳化処理が困難となるおそれがある。
前記混合物において、脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合割合は、混合物全量に対して、0.1〜9.0質量%であることが好ましい。脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合割合が少なすぎると脂溶性アスコルビン酸誘導体添加による所期の効果(メラニン生成抑制作用、抗酸化作用、コラーゲン合成促進作用など)が不十分となるおそれがあり、配合割合が多すぎると黄色変化を十分に抑制することが困難となるおそれがある。
前記混合物において、水の配合割合は、混合物全量に対して、80.0〜95.0質量%であることが好ましく、85.0〜94.0質量%であることがより好ましい。
前記混合物において、疎水化変性アルキルセルロースと脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合比は、疎水化変性アルキルセルロース100質量部に対して脂溶性アスコルビン酸誘導体10〜1000質量部であることが好ましく、脂溶性アスコルビン酸誘導体10〜900質量部であることがより好ましい。脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合比が相対的に高く(疎水化変性アルキルセルロースの配合比が相対的に低く)なりすぎると黄色変化を十分に抑制することが困難となるおそれがあり、脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合比が相対的に低く(疎水化変性アルキルセルロースの配合比が相対的に高く)なりすぎると乳化安定性が低下して分離を招くおそれがある。
前記混合物には、本発明の効果を害しない範囲で、上記3成分以外の成分を含んでもよく、そのような他の成分としては、例えば、1,2−ペンタンジオールなどの防腐剤などが挙げられる。
〔高圧乳化工程〕
本発明の乳化組成物の製造方法は、上記混合物を高圧乳化する工程を少なくとも含む。
高圧乳化に先立ち、予備分散を行うことが好ましい。予備分散を行うことにより、高圧乳化処理の高効率化が期待できる。
予備分散の具体的な方法としては、例えば、混合物を加熱分散したのち、冷却し、再度分散を行う方法が好ましく挙げられる。
加熱分散の際の温度としては、例えば、50〜80℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。
分散時間としては、例えば、加熱分散を5〜10分間、冷却後の分散を20〜30分間とすることが好ましい。
予備分散に用いる分散機としては、ホモミキサー、スリーワンモータなどの一般的な分散機を用いることができる。
次に、本発明の方法において必須に行われる高圧乳化処理は、例えば、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノヴェイタ(吉田機械興業社製)などの装置を用いて行うことができる。
高圧乳化処理の処理圧力としては、特に限定するわけではないが、例えば、50〜150MPaが好ましく、50〜100MPaがより好ましい。圧力が低すぎると乳化が不十分となるおそれがあり、圧力が高すぎると粘度が低くなりすぎて、分離するおそれがある。
高圧乳化処理の処理温度としては、特に限定するわけではないが、例えば、10〜30℃が好ましい。温度が低すぎると高圧乳化機内で凝集するおそれがあり、温度が高すぎると分離するおそれがある。
高圧乳化処理の処理回数についても特に限定されないが、1〜3回、特に1〜2回が好ましい。回数が多くなりすぎると、粘度が低くなりすぎて、分離するおそれがある。
乳化組成物の粘度は、上記のように、処理圧力や処理回数などの高圧乳化処理の処理条件に影響を受けるほか、疎水化変性アルキルセルロースや脂溶性アスコルビン酸誘導体の種類、配合量などの混合物の組成にも影響を受けるが、これらを適宜選定することにより、1000〜20000mPa・sの範囲とすることが好ましく、1000〜10000mPa・sの範囲とすることがより好ましい。粘度が低くなりすぎると分離するおそれがあり、粘度が高くなりすぎると、高圧乳化処理の際の機械への負荷が増大するおそれがある。
〔乳化組成物の用途〕
上記のようにして製造された乳化組成物は、化粧品、医薬部外品などの用途に好適に利用できる。
乳化組成物はそのまま各種用途に利用することもできるし、各用途に応じて、粘度調整、pH調整などを行うようにしても良い。
以下、実施例を用いて、本発明にかかる乳化組成物の製造方法について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下において、特に断りがない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
精製水91%に、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(「サンジェロース−60L」、大同化成工業社製)1.0%及び防腐剤(1,2−ペンタンジオール)5.0%を添加し、スリーワンモータBL1200(新東科学社製)にて攪拌しながら、ウォーターバスを用いて80〜90℃で加熱分散を行った。
加熱分散ののち、冷却を行い、その後、さらに、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル(「VC−IP」、日光ケミカルズ社製)3.0%を添加し、室温にて約15分間攪拌分散を行った。
分散後、高圧乳化機としてのナノヴェイタ「小型卓上型 メディアレス湿式微粒化装置NVC−ES007−D」(吉田機械興業社製)を用い、75MPaで高圧乳化処理を1回行い、乳化組成物を製造した。
〔実施例2〕
サンジェロース−60Lの配合割合を0.5%としたこと以外は実施例1と同様にして乳化組成物を製造した。
〔実施例3〜5〕
高圧乳化機による高圧乳化処理の圧力を、それぞれ、50MPa,100MPa,150MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3〜5にかかる各乳化組成物を製造した。
〔実施例6〜8〕
高圧乳化機による高圧乳化処理の処理回数を、それぞれ、2回,3回,4回に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6〜8にかかる各乳化組成物を製造した。
〔実施例9〜12〕
テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル「VC−IP」の配合割合を、それぞれ、0.1%,1.0%,6.0%,9.0%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例9〜12にかかる各乳化組成物を製造した。
〔比較例1〕
高圧乳化処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして乳化組成物を製造した。
〔比較例2〜4〕
「サンジェロース−60L」を、それぞれ、キサンタンガム(「エコーガムT」、DSP五協フード&ケミカル株式会社製)、アルギン酸ナトリウム(「ダックアルギンNSPH2」、キッコーマンバイオケミファ株式会社製)、ヒドロキシエチルセルロース(「HECダイセルSE850」、ダイセルファインケム株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2〜4にかかる各乳化組成物を製造した。
〔比較例5〕
「サンジェロース−60L」に代えて、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油「NIKKOL HCO−20」(日光ケミカルズ社製)1.0%及びラウリン酸ポリグリセリル「NIKKOL Decaglyn 1−L」(日光ケミカルズ社製)1.0%を用い、精製水の配合量を90%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例5にかかる乳化組成物を製造した。
〔比較例6〕
精製水69%、「VC−IP」3%、防腐剤1.80%、ジプロピレングリコール6%、グリセリン5%、スクワラン5%、ミネラルオイル5%、ジメチコン2%、ベヘニルアルコール1%、ステアリン酸グリセリル(SE)1%、ポリソルベート60 0.50%、ステアリン酸0.30%、ペンテト酸5Na 0.05%、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー1.125%の処方により、一般的なクリーム処方にVC−IPを配合した組成物を製造した。なお、高圧乳化処理は行っていない。
〔物性、性能の測定・評価〕
各実施例及び各比較例で製造した各乳化組成物について、各種物性、性能を、以下の方法により測定・評価した。
<粘度>
TV−10M型粘度計(東機産業社製)により測定した。
<外観>
乳化組成物の調製後に目視によって評価した。
<黄色変化>
各乳化組成物について、5℃又は50℃の環境下、所定時間経過後に目視観察を行い、黄色変化の有無を、以下の基準により評価した。
◎:黄色変化が全く認められない
○:黄色変化がほとんど認められない
△:黄色変化が明確に認められる
×:褐色変化が認められる
<乳化安定性>
各乳化組成物について、5℃又は50℃の環境下、所定時間経過後に目視観察を行い、乳化安定性を、以下の基準により評価した。
◎:分離が認められない
○:性状に問題はないが、やや油浮きが認められる
×:分離が明確に認められる
〔結果〕
実施例1〜12、比較例1〜4にかかる各乳化組成物について、各物性と、50℃で1ヶ月経過したときの黄色変化、乳化安定性を測定・測定した結果を下表1,2に示す。
Figure 2015086174
Figure 2015086174
さらに、実施例1にかかる乳化組成物について、5℃又は50℃の条件下における6ヶ月経過までの黄色変化、乳化安定性を1ヶ月ごとに評価した結果を下表3に示す。
Figure 2015086174
また、実施例1、比較例2〜4にかかる各乳化組成物について、50℃の条件下における4週間経過までの黄色変化、乳化安定性を1週間ごとに評価した結果を下表4に示す。
Figure 2015086174
さらに、実施例1、比較例5,6にかかる各組成物について、5℃又は50℃の条件下で2週間経過したときの黄色変化及び乳化安定性を評価した結果を下表5に示す。
Figure 2015086174
〔結果の考察〕
(1)表1における実施例1,2の結果から、疎水化変性アルキルセルロースの配合割合が、混合物全量に対して0.5〜1.0%の範囲において、本発明の効果が十分に得られることが確認できた。なお、前記割合が1.0%を超えると、粘性値の増大により高圧処理の際の機械的負荷が増大して好ましくないということも確認している。
(2)表1における実施例1,3〜5の結果から、高圧乳化処理の処理圧力が50〜150MPaの範囲において、本発明の効果が十分に得られることが確認できた。
(3)表1における実施例1,6〜8の結果から、高圧乳化処理の処理回数は1〜3回、特に1回又は2回が好ましいことが分かった。
(4)表1における実施例1,9〜12の結果から、脂溶性アスコルビン酸誘導体の配合割合が、混合物全量に対して0.1〜9.0%の範囲において、また、疎水化変性アルキルセルロース100質量部に対して脂溶性アスコルビン酸誘導体10〜1000質量部程度の範囲において、本発明の効果が十分に得られることが確認できた。
(5)これに対して、表2における比較例1の結果から、高圧乳化処理を行わなければ、乳化安定性の点において、十分な効果が得られないことが分かった。また、実施例1では3ヶ月経過後においても「◎」であるのに(上記表3参照)、比較例1では、1ヶ月後の時点で「○」の評価となっていることから、高圧乳化処理は、乳化安定性の点のみならず、黄色変化抑制の点においても、良い影響を与えていることが確認できた。
(6)また、表2における比較例2〜4の結果から、他の公知の増粘剤を用いても、本発明の効果が得られないことが分かった。従って、本発明で用いた疎水化変性アルキルセルロースは増粘剤として従来知られているけれども、増粘剤を用いたからといって本発明の効果が得られるわけではなく、本発明の効果が、疎水化変性アルキルセルロースを用いたことによる特有の効果であることが分かった。
(7)さらに、表3に示す結果から、本発明の乳化組成物では、5℃の条件下、6ヶ月経過後であっても黄色変化や分離が認められず、非常に高い経時安定性を有することが分かる。また、50℃という過酷な条件であっても、4ヶ月という長期にわたって、高い経時安定性を有することも確認できた。
(8)これに対して、表4に示す結果から、他の公知の増粘剤を用いた乳化組成物は、1週間後には分離、黄色が生じており、経時安定性という点で、本発明の乳化組成物には到底及ばないものであることが分かった。
(9)また、表5における比較例5の結果から、他の公知の乳化剤を用いた場合においても、50℃、2週間後には○の評価となっており、4週間後も◎の評価である実施例1(表4参照)と比べると、黄色変化の抑制の点で、安定性に劣るものであった。さらに、表5に示すとおり、比較例5では、乳化安定性が十分でなかった。
(10)なお、表5をみると、一般的な処方にVC−IPを配合した比較例6の組成物において、50℃、2週間後に△の評価となっていることから、アスコルビン酸誘導体が黄色変化の原因であり、従来一般の化粧品処方ではこの黄色変化を抑制できないことが確認できた。
〔処方例〕
上記実施例1の乳化組成物を用いた処方例1及び処方例2を下表6に示す。
Figure 2015086174
処方例1,2のように、A・B・Cを組み合わせることにより、より使用感の優れた製剤が得られることが分かった。
カルボキシビニルポリマー、水酸化カリウムの配合量を増減させることで、粘度の異なる製剤を得ることができる。尚且つ医薬部外品処方としても対応できる。
本発明にかかる乳化組成物の製造方法によれば、アスコルビン酸誘導体を含有していることにより、メラニン生成抑制作用、抗酸化作用、コラーゲン合成促進作用などの薬理、生理作用を有する乳化組成物を、従来使用されていた界面活性剤を添加することなく、安定的に製造することができ、化粧品や医薬部外品等の分野において好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2015086174
    (上式(1)中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mH、又は、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1である。nは100〜10000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数を示す。)で表され、基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1を必ず含む疎水化変性アルキルセルロースと、脂溶性アスコルビン酸誘導体と、水とを含む混合物を高圧乳化処理する工程を少なくとも含む、乳化組成物の製造方法。
  2. 前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースが、低級アルキル基:10.0〜50.0質量%、基:−[CH2CH2-k(CH3kO]mH:3.0〜20.0質量%、及び基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1:0.1〜10.0質量%を含むものである、請求項1に記載の乳化組成物の製造方法。
  3. 前記構造式(1)式に含まれる前記基:−CH2CH(OH)CH2OCj2j+1のjの値が18である、請求項1又は2に記載の乳化組成物の製造方法。
  4. 前記脂溶性アスコルビン酸誘導体が、アスコルビン酸のテトラ脂肪酸エステルである、請求項1から3までのいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
  5. 前記高圧乳化処理における処理圧力が50〜150MPaである、請求項1から4までのいずれかに記載の乳化組成物の製造方法。
JP2013226421A 2013-10-31 2013-10-31 乳化組成物の製造方法 Active JP5930314B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226421A JP5930314B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 乳化組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013226421A JP5930314B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 乳化組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086174A true JP2015086174A (ja) 2015-05-07
JP5930314B2 JP5930314B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=53049351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013226421A Active JP5930314B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 乳化組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5930314B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0493329A (ja) * 1990-08-08 1992-03-26 Kindai Kagaku Kogyo Kk 水性エマルジョンの製造方法
JPH06128896A (ja) * 1992-10-16 1994-05-10 Mitsubishi Oil Co Ltd アルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤
JP2005179241A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Nikko Chemical Co Ltd 水中油型用の乳化剤組成物、及び該組成物を含有する化粧料
JP2005194267A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Kao Corp 水中油型乳化組成物の製造方法
JP2009234951A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Univ Kanagawa 化粧料およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0493329A (ja) * 1990-08-08 1992-03-26 Kindai Kagaku Kogyo Kk 水性エマルジョンの製造方法
JPH06128896A (ja) * 1992-10-16 1994-05-10 Mitsubishi Oil Co Ltd アルケニルコハク酸系エマルションサイズ剤
JP2005194267A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Kao Corp 水中油型乳化組成物の製造方法
JP2005179241A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Nikko Chemical Co Ltd 水中油型用の乳化剤組成物、及び該組成物を含有する化粧料
JP2009234951A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Univ Kanagawa 化粧料およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5930314B2 (ja) 2016-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6944673B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
KR20110103456A (ko) 실리콘 페이스트 조성물
JP6339376B2 (ja) 化粧料
JP2015078167A (ja) 皮膚外用剤
KR20090057044A (ko) 사용감이 좋은 유화 조성물
CN103096871A (zh) 水包油型化妆材料
JP6116966B2 (ja) 油性組成物
JP5865622B2 (ja) 皮膚外用剤およびその製造方法
JP5930314B2 (ja) 乳化組成物の製造方法
CN109890361B (zh) 含有亚油酸的组合物
KR20150102727A (ko) 유중수형 유화 조성물
JP2014214090A (ja) 化粧料
JP2013032303A (ja) 皮膚外用剤およびその製造方法
JP4685536B2 (ja) 乳化組成物およびそれを含有した化粧料
JP2007210959A (ja) 皮膚外用組成物
JP2021534137A (ja) シリコーン代替物
KR20150108637A (ko) 안정한 수중유형 에멀젼 화장료 조성물
JP5226088B2 (ja) 皮膚外用医薬乳化製剤
WO2012169345A2 (en) External skin preparation and production method of same
JP4774691B2 (ja) ジメチルイソプロピルアズレン含有外用剤
JP2013032304A (ja) 皮膚外用剤およびその製造方法
JP2016098185A (ja) 液状化粧料
JP4713943B2 (ja) 皮膚外用剤用組成物および皮膚外用剤
KR20160012698A (ko) 반투명 화장료 조성물
CN116710041A (zh) 水性乳液

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5930314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250