JP2015084748A - 食品組成物及び活性酸素消去用組成物 - Google Patents

食品組成物及び活性酸素消去用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 摂取し易く、保存性に優れ、健康力を向上させる食用材として有用な、活性酸素消去能力に優れた食品組成物及び活性酸素消去用組成物を提供する。
【解決手段】 キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有せしめて食品組成物とする。また、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有せしめて活性酸素消去用組成物とする。その食品組成物及び活性酸素消去用組成物は、更に、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物を含有することが好ましい。また、それらの活性酸素消去能力値(ORAC値)が50〜250μmolTE/gであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性酸素消去能力に優れた食品組成物及び活性酸素消去用組成物に関する。
すべての生活習慣病の病態の始まりは、生体の各種器官を形成している体細胞及び組織内に発生する活性酸素に対して体細胞及び組織内の内因性消去能力が追いつかずに、その余剰活性酸素により各種器官が酸化ストレスによる損傷を受けることに起因していると言われる。酸化ストレスの状態が継続すると生活習慣病の病巣を育てることになり、それが増悪して、血管損傷、悪性新生物、虚血性心疾、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、慢性腎不全、肝硬変などの発症に陥る。
日頃からバランスのとれた食事を心がければ、食ストレスの芽を摘み、またはその芽を進行させる生活習慣病へのリスクも軽減するが、現代人には仕事、家庭、友人関係など諸事情にともない食事管理が難しい一面をもつ。また、加齢・老化にともなって生活習慣病の進行に対抗すべき自然治癒力は衰える。そこで、酸化ストレスの軽減や生活習慣病予防のために利用できる、摂取し易い健康食品やサプリメントなどが望まれる。
このような課題に関して、非特許文献1には、玄米、黒大豆、はと麦、小豆、及びゴマのそれぞれの焙煎後混合複合体からなる玄米栄養素結合物の五穀玄米粉が、単独玄米焙煎と比較して、活性酸素消去能力値(ORAC値)が2倍近く、これを、酸化ストレスの軽減ひいては生活習慣病予防のために用いることが記載されている。
阿久津和夫ら、「五穀玄米粉(湿式焙煎)に潜む栄養力と抗酸化能:高ORAC値に期する機能性」、医学と生物学、財団法人緒方医学化学研究所、第157巻、第1号、平成25年1月、p134―140
非特許文献1の五穀玄米粉は、健康力を向上させる食用材として有望ではあるが、その活性酸素消去能力が十分とはいえなかった。
そこで本発明の目的は、摂取し易く、保存性に優れ、健康力を向上させる食用材として有用な、活性酸素消去能力に優れた食品組成物及び活性酸素消去用組成物を提供することにある。
本発明の食品組成物は、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有することを特徴とする。
本発明の食品組成物によれば、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有するので、活性酸素消去能力に優れている。また、原料は焙煎されているのでアレルギー源が加熱消去されており、且つ異味がなく、味や風味が良好である。更に、保存性にも優れている。
本発明の食品組成物においては、更に、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物を含有することが好ましい。これによれば、優れた活性酸素消去能力とともに、その乳酸菌が有する免疫賦活活性能により、自然免疫機能や細胞性・液性免疫細胞群のバランスを向上させて自然治癒力を正常化する免疫賦活能力をも兼ね備えた食品組成物とすることができる。
本発明の食品組成物においては、活性酸素消去能力値(ORAC値)が50〜250μmolTE/gであることが好ましい。これによれば、1日あたり20g程度摂取することにより、食事などから摂取できるORAC値の高い食べ物の、その摂取不足を補える。
本発明の食品組成物においては、更に、玄米を含む穀類の乾燥焙煎物、ゴマの乾燥焙煎物、豆類の乾燥焙煎物、及び/又は卵殻の乾燥焙煎物を含有することが好ましい。
また、前記穀類は、玄米、はと麦、及び大麦を含み、前記豆類は大豆を含み、前記海藻は昆布を含み、前記キノコは椎茸を含み、前記キク科植物の茎葉はヨモギを含み、前記トクサ科植物の茎葉はスギナを含むことが好ましい。
本発明の食品組成物においては、前記各原料は遠赤外線乾式焙煎されたものであることが好ましい。
一方、本発明の活性酸素消去用組成物は、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有することを特徴とする。
本発明の活性酸素消去用組成物によれば、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有するので、活性酸素消去能力に優れている。また、原料は焙煎されているのでアレルギー源が加熱消去されており、且つ異味がなく、味や風味が良好である。更に、保存性にも優れている。
本発明の活性酸素消去用組成物においては、更に、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物を含有することが好ましい。これによれば、優れた活性酸素消去能力とともに、その乳酸菌が有する免疫賦活活性能により、自然免疫機能や細胞性・液性免疫細胞群のバランスを向上させて自然治癒力を正常化する免疫賦活能力をも兼ね備えた活性酸素消去用組成物とすることができる。
本発明の活性酸素消去用組成物においては、活性酸素消去能力値(ORAC値)が50〜250μmolTE/gであることが好ましい。これによれば、1日あたり20g程度摂取することにより、食事などから摂取できるORAC値の高い食べ物の、その摂取不足を補える。
本発明の活性酸素消去用組成物においては、更に、玄米を含む穀類の乾燥焙煎物、ゴマの乾燥焙煎物、豆類の乾燥焙煎物、及び/又は卵殻の乾燥焙煎物を含有することが好ましい。
また、前記穀類は、玄米、はと麦、及び大麦を含み、前記豆類は大豆を含み、前記海藻は昆布を含み、前記キノコは椎茸を含み、前記キク科植物の茎葉はヨモギを含み、前記トクサ科植物の茎葉はスギナを含むことが好ましい。
本発明の活性酸素消去用組成物においては、前記各原料は遠赤外線乾式焙煎されたものであることが好ましい。
本発明によれば、摂取し易く、保存性に優れ、健康力を向上させる食用材として有用な、活性酸素消去能力に優れた食品組成物及び活性酸素消去用組成物を提供することができる。
試験例4において乳酸菌エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)の各被験菌体によるIL−12産生誘導能を比較した結果を示す図表である。 乳酸菌エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)の死菌体の懸濁液であって微粒子化の処理を行わないものの粒度分布である。 乳酸菌エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)の死菌体の懸濁液であって微粒子化の処理を行なったナノ型乳酸菌の粒度分布である。 試験例5においてナノ型乳酸菌を動物に経口投与したときの脾臓中のIL−12産生促進効果及びINF−α産生促進効果を調べた結果を示す図表である。
本発明の食品組成物は、キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有する。
本発明に用いるキノコは、特に限定されない。例えば、椎茸、マイ茸、エノキ茸、シメジ茸、ヒラ茸、ヤマブシ茸、マンネン茸、アミガサ茸、カワラ茸、コフキサルノコシカケ、ブクリョウなど各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうち椎茸が特に好ましく用いられる。
本発明に用いる海藻は、特に限定されない。例えば、昆布、ワカメ、海苔、フノリ、モズク、メカブ、ヒジキ、アオサ、ヒトエグサ、テングサ、アカモクなど各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうち昆布が特に好ましく用いられる。
本発明に用いるキク科植物の茎葉は、特に限定されない。例えば、ヨモギ、オケラ、ヤーコン、ツワブキ、タラゴンなど各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうちヨモギが特に好ましく用いられる。
本発明に用いるトクサ科植物の茎葉は、特に限定されない。例えば、スギナ、トクサなど各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうちスギナが特に好ましく用いられる。
上記キノコの乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜20質量%含有していることが好ましく、0.1〜10質量%含有していることがより好ましく、0.5〜5質量%含有していることが最も好ましい。なお、本明細書においては、特にことわりがない限り、「質量%」による値は乾燥物換算の値を意味する。
上記海藻の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.02〜20質量%含有していることが好ましく、0.2〜10質量%含有していることがより好ましく、1.0〜5質量%含有していることが最も好ましい。
上記キク科植物の茎葉の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜20質量%含有していることが好ましく、0.1〜10質量%含有していることがより好ましく、0.5〜5質量%含有していることが最も好ましい。
上記トクサ科植物の茎葉の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜20質量%含有していることが好ましく、0.1〜10質量%含有していることがより好ましく、0.5〜5質量%含有していることが最も好ましい。
本発明の食品組成物には、更に、穀類の乾燥焙煎物、ゴマの乾燥焙煎物、豆類の乾燥焙煎物、卵殻の乾燥焙煎物などを含有せしめてもよい。
本発明に用いる穀類は、特に限定されない。例えば、玄米、はと麦、大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシ、ソバなど各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうち玄米、はと麦、大麦が好ましく用いられ、玄米、大麦が特に好ましく用いられる。
本発明に用いる豆類は、特に限定されない。例えば、大豆、小豆、インゲンマメ、ピンク豆、黒豆、うずら豆、ヒヨコマメ、レンズ豆、緑豆、エンドウ豆、アオエンドウ、カカオ豆、大角豆など各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうち大豆が特に好ましく用いられる。
上記穀類の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜80質量%含有していることが好ましく、0.1〜65質量%含有していることがより好ましく、0.5〜50質量%含有していることが最も好ましい。また、穀類の乾燥焙煎物のうち玄米の乾燥焙煎物の割合が10〜100質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが最も好ましい。
上記ゴマの乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜50質量%含有していることが好ましく、0.1〜40質量%含有していることがより好ましく、0.5〜30質量%含有していることが最も好ましい。
上記豆類の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜30質量%含有していることが好ましく、0.1〜20質量%含有していることがより好ましく、0.5〜10質量%含有していることが最も好ましい。
上記卵殻の乾燥焙煎物は、食品組成物中に0.01〜30質量%含有していることが好ましく、0.1〜20質量%含有していることがより好ましく、0.5〜10質量%含有していることが最も好ましい。
本発明の食品組成物は、上記各原料の乾燥焙煎物を含有するので、優れた活性酸素消去能力を有する。その活性酸素消去能力値(ORAC値)は、食品組成物の乾燥物の所定量当たりの活性量に換算して、50〜250μmolTE/gであることが好ましく、65〜250μmolTE/gであることがより好ましく、80〜250μmolTE/gであることが最も好ましい。
ORAC値は、常法に従い、以下に例示する方法などにより測定することができる。ただしこの方法に限られず、同様の原理で活性酸素消去能力を目安として評価する方法であればよい。
(ORAC値の測定)
ORAC値は、例えば坂井祥平著「県産農産品の抗酸化性」茨城県工業技術センター研究報告第37号(平成20年度)記載の方法に則し、測定することができる。具体的には、AAPH(2,2’−azobis(2−amidinopropane)dihydrochloride)を活性酸素の発生源とし、蛍光物質であるフルオロセイン(fluorescein)を活性酸素が分解する対象物質とし、Trolox(6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchroman−2−carboxylic acid)を活性酸素消去能力の標準物質とする、以下のような測定を行うことができる。
被検体に対して抽出溶媒(例えばアセトン:水:酢酸=70:29.5:0.5(体積比))をおよそ20〜200培量加えておよそ1〜24時間回転振とうして抽出液を調製し、これをサンプル試料とする。Troloxは75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶解し、その段階希釈液を調製する。サンプル試料も、同じくリン酸カリウム緩衝液で段階的に希釈する。また、フルオロセインナトリウム塩(Sigma−Aldrich社製)及びAAPHは、75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶解し、それぞれ適宜所定濃度となるよう調製する。
96穴マイクロプレートの各ウェルにサンプル試料溶液、Trolox溶液、又はブランクとしてリン酸カリウム緩衝液を分注し、これに所定量のフルオロセインナトリウム塩溶液を加え、更に各ウェルに所定量のAAPHを加えて撹拌したのち、直ちに蛍光強度測定を開始する。そして各ウェル所定間隔で(例えば60秒ごとに)蛍光強度を記録して、その減衰曲線を得る。ORAC値は、標準物質として用いたTroloxの各試料濃度における蛍光強度の減衰曲線下面積(netAUC:net Area Under the Curve)の2次回帰直線にあてはめて計算することができる。即ち、値は標準物質として用いたTrolox相当量として得られ、その単位はμmolTE/gである(TE:Trolox相当量)。なお蛍光強度の減衰曲線下面積(netAUC)は、Trolox又はサンプル試料で測定された蛍光強度の曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)からブランクで測定されたAUCを減じて得られる。
本発明の食品組成物には、その優れた活性酸素消去能力を害しない程度に、他の原料を含有せしめてもよい。例えば免疫賦活活性能を有する乳酸菌が挙げられる。この場合、用いる乳酸菌の形態としては、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物であることが好ましい。これらの乳酸菌の形態によれば、原料の乳酸菌に比べて免疫賦活活性能がより高められており、食品組成物中に含有せしめる量が微量でよいので、食品組成物全体のORAC値に影響を与えることなく、食品組成物に自然免疫機能や細胞性・液性免疫細胞群のバランスを向上させて自然治癒力を正常化する免疫賦活能力を付与することができる。
上記乳酸菌は、食品組成物中に0.01〜2質量%含有していることが好ましく、0.02〜0.2質量%含有していることがより好ましく、0.05〜0.1質量%含有していることが最も好ましい。なお、乳酸菌の属種にもよるが、乳酸菌の質量と菌数との典型的な換算値を例示すれば、乳酸菌の乾燥物1gあたりにはおよそ5兆個程度の菌体が含まれている。
本発明に用いる乳酸菌の属種は、特に限定されない。例えば、エンテロコッカス フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・マリ(Lactobacillus mali)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(Lactobacillus gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(Lactobacillus kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(Bifidobacterium catenulatum)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostoridium butilicum)など各種のものが挙げられる。これらは併用してもよい。このうちエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)が特に好ましく用いられる。
乳酸菌の微粒子化処理は、例えば、以下に例示する方法などにより行うことができる。ただしこの方法に限られず、同様の原理で乳酸菌を微粒子化する方法であればよい。最近では「ナノ型乳酸菌」として市販されている乳酸菌の微粒子化調製物もあるので、そのような市販品を用いることもできる。
(乳酸菌の微粒子化処理)
乳酸菌の菌体は、それぞれの乳酸菌に適した条件・培地で培養して増殖させることによって、大規模に調製することができる。このとき培養によって得られた菌体は、その培地を濾別、遠心、沈降等によって取り除くとともに水等によって洗浄したり、オートクレーブにより滅菌したりしてから用いてもよい。乳酸菌の菌体は、スプレードライ等によって乾燥物に調製されたものを用いてもよい。乳酸菌は、市販の、例えば乳酸菌死菌体粉末等を用いてもよい。
微粒子化は、湿式分散処理により、例えば、乳酸菌の菌体を乾燥物換算で2〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%含有し、pH6.0〜7.0に調整した懸濁液を、高圧ホモゲナイザーを用いて、圧力80〜200kg/cm、より好ましくは100〜170kg/cmの条件で循環させることで、行なうことができる。
微粒子化は、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように乳酸菌を微粒子化処理することが好ましい。そのメディアン径(D50)が0.3μm未満であるとその調製が困難でありもしくは手間がかかり、そのメディアン径(D50)が2μmを超えると、免疫賦活活性能が低下するので、いずれも好ましくない。なお、体積積算粒度分布のメディアン径とは、体積基準で測定した粒度分布曲線において、相対粒子量の蓄積が50%となる点と交差する粒子径を意味し、汎用の粒度分布測定装置等によって測定することができる。
微粒子化処理の際には、乳酸菌の菌体に分散剤を添加し、これを微粒子化し、次いで粉末化するか、又は、乳酸菌の菌体を微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することが好ましい。粉末化は、乳酸菌の菌体を微粒子化した後に、スプレードライや凍結乾燥により乾燥することにより行うことができる。これによれば、微粒子化した乳酸菌の菌体に分散剤を接触させた状態で粉末化しているので、水等に再懸濁したときにも分散性がよく、微粒子化された乳酸菌の菌体の再凝集を防いで、その免疫賦活活性能の減退を防ぐことができる。
その分散剤としては、デキストリン、可溶性食物繊維、難消化性デキストリン等の多糖類、トレハロース、乳糖、麦芽糖等の低分子糖類、コラーゲン、ホエー分解物、大豆蛋白分解物等のペプチド類などを好ましく例示できる。その添加量は、乳酸菌の菌体の乾燥物換算100質量部に対して分散剤20〜1,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましく、100〜600質量部であることが最も好ましい。分散剤の添加量が乳酸菌の菌体の乾燥物換算100質量部に対して20質量部未満であると、分散剤の添加による効果に乏しく、1,000質量部を超えると、Th1誘導剤中の乳酸菌の菌体の含有量を確保することができないので、いずれも好ましくない。なお、本明細書において「体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体」の含有量を規定するとき、上記分散剤を含む場合にはそれも含んだ乳酸菌死菌体組成物に換算した含有量を意味する。
本発明の食品組成物には、その優れた活性酸素消去能力を害しない程度に、更に他の原料を含有せしめてもよい。他の原料としては、それを含有せしめたことによって上記ORAC値に顕著な影響が出ないように、その原料自体でORAC値が比較的高いものが好ましい。例えば以下のものの乾燥焙煎物が挙げられる。
(1)穀類の外皮・糠:ふすま、トウモロコシハスク、米糠
(2)豆類の外皮:カカオハスク
(3)野菜:赤キャベツ、キャベツ、芽キャベツ、セロリ、ブロッコリー、レタス、ナス、玉ねぎ、トマト、ピーマン、カリフラワー、キュウリ、ネギ、アサツキ
(4)果物: 西洋ナシ(果皮を含む)、ブドウ(果皮を含む)、プラム(果皮を含む)、リンゴ(果皮を含む)、プルーン(果皮を含む)、桃、イチゴ、イチジク(果皮を含む)、サクランボ(果皮を含む)、アプリコット(果皮を含む)、グアバ、グレープフルーツ、オレンジ(果皮を含む)、レモン(果皮を含む)、ミカン(果皮を含む)、メロン
(5)ナッツ類:クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、アーモンド、ピーナッツ
(6)植物の根:ニンニク、生姜、ウコン
(7)植物の実・種子:クミン、マスタード、黒コショウ、クコの実、パプリカ、アサイーベリー、マキベリー、チョークベリー、クランベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、グーズベリー、ニワトコ、セイボリー、アーティチョーク、デーツ
(8)植物の茎葉:パセリ、バジル、セージ、タイム、ペパーミント、リュウゼツラン、オレガノ、レモンバーム、コリアンダー、バジル、ディルウィード、カルダモン、茶、ローズマリー、アロエ、クマザサ、長命草、クコの葉、タケノコ
(9)樹木の葉・樹皮・種子:シナモン、イチョウの葉、ビワの種子、柿の葉、桑の葉
(10)菌類:冬虫夏草
本発明の食品組成物の調製は、上記に説明した各原料を、必要なら、適宜、適当な水分量となるように乾燥し、あるいは適当な大きさに裁断、粉砕をして、焙煎する。そして焙煎した乾燥物を、好ましくは更に粉砕して、焙煎後の各原料を混合することにより得ることができる。各原料は、焙煎後に混合してもよく、その一部又は全部を混合してから焙煎して、必要な場合にその他の乾燥焙煎物と混合してもよい。なお原料自体が乾燥焙煎物である場合は、それをそのまま混合してもよい。これらの乾燥、裁断、粉砕、焙煎などは、当業者に周知の手段で行なえばよく、特に制限はない。ただし焙煎は、遠赤外線乾式焙煎の手段で行なうことがより好ましい。これによれば、各原料の活性酸素消去能力をより高めることができるとともに、原料に起因する異味を抑えて味や風味がより良好となる。また、アレルギー源を加熱消去する効果も高い。更に、より保存性に優れた組成物とすることができる。
遠赤外線乾式焙煎の手段としては、特に制限はなく、例えば、給食や食堂に用いられている大量食品加工用の汎用調理機(例えば、ドラム式調理機:商品名「ロータリーシェフ RCD−60S」、クマノ厨房工業株式会社)などを用いて、乾燥した原料をゆっくりと炒めることで原料に遠赤外線の効果を与え、焙煎することができる。焙煎条件としては、60〜180℃で10〜90分程度焙煎することが好ましく、75〜175℃で10〜90分程度焙煎することがより好ましく、100〜170℃で20〜80分程度焙煎することが最も好ましい。なお、各原料ごとに適宜焙煎条件を選定してもよいことは勿論である。
上記各原料の乾燥焙煎物を混合した組成物全体の水分量は5%以下にすることが好ましい。これにより保存性に優れた組成物とすることができる。
また、上記各原料の乾燥焙煎物を混合した組成物全体の形態として、およそ200ないし60メッシュパス(篩目開き0.075mmないし0.25mm)の粉末状とすることが好ましく、およそ100ないし80メッシュパス(篩目開き0.15mmないし0.18mm)の粉末状とすることがより好ましい。これによれば食用摂取に便利な組成物とすることができる。
本発明の食品組成物には、その優れた活性酸素消去能力を害しない程度であれば、上記乳酸菌や各原料の乾燥焙煎物以外にも、他の原料を含有せしめることができる。ただしその含有量は、それを含有せしめたことによって上記ORAC値に顕著な影響が出ないように、組成物全体の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが最も好ましい。例えば、黒糖、砂糖、果糖、オリゴ糖など甘味料、食塩、酸味料、蛋白質加水分解物、呈味性核酸化合物などフレーバー、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンEなどビタミン、乳蛋白質、粉乳など乳由来成分、大豆蛋白質、豆乳など大豆由来成分等が挙げられる。
本発明の食品組成物の摂取形態は、利用者が適宜選定すればよい。例えば、健康食品やサプリメントなどとして、水などとともに摂取するようにしてもよく、カレー、スープ、ドレッシング、パン、菓子など食事に混ぜたり振りかけたりして摂取するようにしてもよい。また、ヒトだけでなく動物にも利用可能であり、例えば、ペット動物用の飼料サプリメントなどとしても利用することができる。
本発明による組成物のもう1つの形態は活性酸素消去用組成物である。即ち、体に発生する活性酸素の消去を目的として摂取する組成物である。これによれば、体の中に蓄積した余剰活性酸素を消去して、食ストレスの芽を摘み、またはその芽を進行させる生活習慣病へのリスクを軽減することができる。
その活性酸素消去用組成物に上記乳酸菌を含有せしめた場合には、その乳酸菌が有する免疫賦活活性能により、自然免疫機能や細胞性・液性免疫細胞群のバランスを向上させて自然治癒力を正常化する免疫賦活能力を付与することができる。よって、ヒトあるいは動物が有する自然治癒力を向上させて、これにより上記活性酸素消去能力との相乗効果が得られ、より効果的に生活習慣病の病巣を抑え、またはその発症リスクを軽減することができる。
本発明の活性酸素消去用組成物の摂取形態としては、特に制限されるものではないが、日常的に継続して摂取することが好ましく、1日の生活リズムのなかで食事などとともにできるだけ習慣的に摂取するようにしたほうがよい。摂取量は、食事などから摂取できるORAC値の高い食べ物の、その摂取不足を補うという目的からは、典型的には、活性酸素消去能力値(ORAC値)換算で、成人1日当りおよそ2000〜5700μmolTEであり、より好ましくはおよそ3000〜4700μmolTEである。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<製造例1>
表1に示す配合で実施例1の食品組成物を製造した。具体的には、玄米、ゴマ、大豆、はと麦、大麦、昆布、椎茸、ヨモギ、スギナ、及び卵殻の各原料を、玄米、はと麦、大麦についてはその外皮を取り除き、昆布、椎茸、ヨモギ、スギナ、卵殻については適当な大きさに裁断し、乾燥したうえ、それぞれ個別にドラム式調理機(商品名「ロータリーシェフRCD−60S」、クマノ厨房工業株式会社)に供して、表1に示す条件で焙煎した。このドラム式調理機は、給食や食堂など大量食品加工用の調理に用いられる汎用機であり、乾燥した原料をゆっくりと炒めることで原料に遠赤外線のエネルギー伝播の効果を与え、良好に焙煎することができる。焙煎後の各原料をそれぞれ15℃に冷却した後に、常法により粉砕して、すべてを混合し、およそ80ないし100メッシュパス(篩目開き0.18mmないし0.15mm)の粉末状の食品組成物を得た。
<製造例2>
上記表1に示す配合で実施例2の食品組成物を製造した。具体的には、別途、ナノ型微粒子化処理していないエンテロコッカスフェカリス(Enterococcus faecalis)の死菌体粉末を上記表1に示す条件で焙煎して、乳酸菌の乾燥焙煎物を調製し、これを、上記製造例1と同様にして調製した乾燥焙煎物を混合する際に加えて、すべてを混合し、およそ80ないし100メッシュパス(篩目開き0.18mmないし0.15mm)の粉末状の食品組成物を得た。
<試験例1>
実施例1及び実施例2の食品組成物について、それらの活性酸素消去能力値(ORAC値)(以下単に「ORAC値」という。)を、坂井祥平著「県産農産品の抗酸化性」茨城県工業技術センター研究報告第37号(平成20年度)記載の方法に則し、測定した。具体的には、AAPH(2,2’−azobis(2−amidinopropane)dihydrochloride)を活性酸素の発生源とし、蛍光物質であるフルオロセイン(fluorescein)を活性酸素が分解する対象物質とし、Trolox(6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchroman−2−carboxylic acid)を活性酸素消去能力の標準物質とする、以下のような測定を行なった。
実施例1又は実施例2の食品組成物0.1gに対して抽出溶媒(アセトン:水:酢酸=70:29.5:0.5(体積比))を4mL加えて12時間回転振とうして抽出液を調製し、これをサンプル試料とした。Troloxは75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶解し、50、25、12.5、6.25μMの各濃度となるよう調製した。上記サンプル試料も、同じくリン酸カリウム緩衝液で段階的に希釈した。また、フルオロセインナトリウム塩(Sigma−Aldrich社製)及びAAPHは、75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で溶解し、それぞれ81.6nM,200mMとなるよう調製した。
96穴マイクロプレートの各ウェルに25μLのサンプル試料溶液、Trolox溶液、又はブランクとしてリン酸カリウム緩衝液を分注し、150μLのフルオロセインナトリウム塩溶液を加えた。更に各ウェルに25μLのAAPHを加えて撹拌したのち、直ちに蛍光強度測定を開始した。各ウェル60秒ごとに蛍光強度を記録して、その減衰曲線を得た。ORAC値は、標準物質として用いたTroloxの各試料濃度における蛍光強度の減衰曲線下面積(netAUC:net Area Under the Curve)の回帰直線にあてはめて計算した。即ち、値は標準物質として用いたTrolox相当量として得られ、その単位はμmolTE/gである(TE:Trolox相当量)。なお蛍光強度の減衰曲線下面積(netAUC)は、Trolox又はサンプル試料で測定された蛍光強度の曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)からブランクで測定されたAUCを減じて得られた。
結果を、焙煎玄米粉末である市販品A又は五穀玄米(玄米、大豆、小豆、はと麦、及びゴマ)の湿式焙煎粉末である市販品Bの文献値とともに、表2に示す。
表2に示すように、本発明による食品組成物のほうが市販品A、Bよりも顕著に高いORAC値が得られた。これは、市販品A、Bに比して新たに加えられた原料の乾燥焙煎物が、活性酸素消去の作用効果に寄与したためであると考えられた。
<試験例2>
実施例1の食品組成物に関して、各原料の焙煎処理を行なわずに乾燥・粉末化のみを行って混合したものを調製して、原料に対する焙煎の影響を検証した。具体的には、試験例1と同様にして、そのORAC値を測定し、また、これら食品組成物の一般的な食品成分分析を行なった。分析は財団法人日本食品分析センターに委託した。結果を表3に示す。
表3に示すように、焙煎によりビタミンE、ナイアシン、γ−アミノ酪酸(GABA)の含有量の増加が認められた。また、ORAC値は、焙煎前が80μmolTE/gであったのに対して、焙煎により93μmolTE/gに増加した。よって、本発明による食品組成物においては、試験例1で示された原料の選択の効果とともに、それらの適切な焙煎処理が、ORAC値を高めるのに寄与していることが明らかとなった。
<試験例3>
実施例1の食品組成物に関し、長期保存安定性を検証した。具体的には、テスト製品として実施例1の食品組成物の20gをポリエチレン内張りアルミ袋(縦125mm×横80mm)で包装してその30包分を1箱に梱包し、更にその5箱を排気除湿管理した庫内温度20℃の保管倉庫に入れて保管した。保管10日後、1年後、3年後にテスト商品の一部をとって開封し、試験例1と同様にしてORAC値を測定し、また、試験例2と同様にして食品成分分析を行なった。結果を表4に示す。
表4に示すように、ORAC値にほとんど変化がなく安定であった。よって、本発明による食品組成物は長期保存にも耐え得ることが明らかとなった
<試験例4>
乳酸菌の免疫賦活活性能について検証した。具体的には、実施例2の食品組成物に添加した、ナノ型微粒子化処理していないエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)の死菌体粉末の乾燥焙煎物について、そのIL−12産生誘導能を調べた。また、焙煎処理前の乳酸菌死菌体粉末(ナノ型微粒子化処理していないもの)、並びに特許第4621218号の方法に則して調製したナノ型乳酸菌についても、それらのIL−12産生誘導能を調べた。IL−12産生誘導能は以下のようにして測定した。
〔IL−12産生誘導能の測定〕
6週齢BALB/cマウスを株式会社日本チヤールスリバー一社より購入し、2週間予備飼育後、マウスから脾臓を取り出し、その細胞浮遊液を調製した。具体的には、メッシュの上で脾臓にハサミを入れ、脾臓をつぶし細胞をバラバラにし、これに溶血バッファーを加えて赤血球をパンクさせたのち、1000rpm、5分遠心し、沈査に細胞培養用培地(5%牛胎児血清含RPMI−1640培地)を加えて、細胞浮遊液を調製した。
上記細胞浮遊液を96穴マイクロプレートの各ウェルに細胞濃度1×10Cells/mLで200μLで播き、一方、上記乳酸菌の被験菌体は、菌体成分量が100μg/mLになるようにリン酸緩衝液(PBS)に浮遊させ、85℃、10分の加熱滅菌処理の後、その1/100量(vol/vol)を各ウェルの細胞浮遊液に加えて、細胞浮遊液中の被験菌体の濃度が1μg/mLとなるようにした。5%CO、37℃の条件下で1日培養後、培養上清を採集し、遠心後の上清をサイトカインの測定に供した。
IL−12の定量は、常法に従い、ELISA法により行った。また、データの統計解析は、各試験群それぞれ5例のデータから、ウェルチのt検定(Welch‘s t test)により各試験群間の有意差検定を行なった。図1にその結果を示す。
図1に示すように、実施例2の食品組成物に添加した、ナノ型微粒子化処理していないエンテロコッカス フェカリス(Enterococcus faecalis)の死菌体粉末の乾燥焙煎物は、何も添加しないコントロールに比べ、膵臓細胞のIL−12産生を有意に誘導した。またその誘導能は、焙煎処理前の乳酸菌死菌体粉末(ナノ型微粒子化処理していないもの)に比べて有意に高かった(**:危険率p<0.01)。更に、特許第4621218号の方法に則して調製したナノ型乳酸菌の場合も、そのIL−12産生誘導能は、焙煎処理及びナノ型微粒子化処理を施していない乳酸菌死菌体粉末に比べて有意に高かった(***:危険率p<0.001)。
ここで、乳酸菌死菌体粉末(焙煎処理及びナノ型微粒子化処理を施していないもの)のリン酸緩衝液(PBS)中への懸濁液の内容物の粒度を、粒度分布計(「SALD-3100」株式会社島津製作所製)を用いて測定したところ、図2に示す粒度分布を示し、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)は23.75μmであった。一方、特許第4621218号の方法に則して調製したナノ型乳酸菌の場合には、図3に示す粒度分布を示し、その体積積算粒度分布のメディアン径(D50)は0.724μmであった。
よって、上記ナノ型乳酸菌が、上記ナノ化未処理の乳酸菌死菌体粉末に比べてIL−12産生誘導能が有意に高いのは、その菌体に微粒子化処理が施されているためであると考えられた。また、上記乳酸菌の乾燥焙煎物が、上記ナノ化未処理の乳酸菌死菌体粉末に比べてIL−12産生誘導能が有意に高いのも、焙煎処理により、その菌体に微粒子化処理に相当する効果が付与されたためであることが考えられた。
<試験例5>
乳酸菌の免疫賦活活性能について更に検証した。具体的には、特許第4621218号の方法に則して調製したナノ型乳酸菌について、それを動物に経口投与したときの脾臓中のIL−12産生促進効果及びINF−α産生促進効果を調べた。動物実験及びその後のサイトカインの測定は以下のようにして行った。
〔動物実験及びサイトカインの測定〕
6週齢BALB/cマウスを株式会社日本チヤールスリバー一社より購入し、2週間予備飼育後、実験群2群と対照群1群(1群3頭〉に分け、実験群には通常の粉末飼料1kgに対して上記ナノ型乳酸菌を200mg含む飼料を、対照群には通常の粉末飼料を4週間与えた。
実験飼料付与開始から4週間後のマウスから脾臓を取り出し、試験例4と同様にして細胞浮遊液を調製した。
上記細胞浮遊液にコンカナバリンA(ConA)を最終濃度1μg/mLになるように加え、96穴マイクロプレートの各ウェルに細胞濃度1×10Cells/mLで200μLで播き、5%CO、37℃の条件下で1日培養後、培養上清を採集し、遠心後の上清をサイトカインの測定に供した。
IL−12及びINF−αの定量は、常法に従い、ELISA法により行った。また、データの統計解析は、各試験群それぞれ5例のデータから、ウェルチのt検定(Welch‘s t test)により各試験群間の有意差検定を行なった。図4にその結果を示す。
図4に示すように、膵臓中のIL−12産生量は、通常の飼料を与えた対照群に比べ、上記ナノ型乳酸菌を飼料に添加して与えた実験群のほうが有意に高かった(*:危険率p<0.05)。また、INF−αについても、膵臓中の産生量は、通常の飼料を与えた対照群に比べ、上記ナノ型乳酸菌を飼料に添加して与えた実験群のほうが有意に高かった(**:危険率p<0.01)。

Claims (12)

  1. キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有することを特徴とする食品組成物。
  2. 更に、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物を含有する請求項1記載の食品組成物。
  3. 活性酸素消去能力値(ORAC値)が50〜250μmolTE/gである請求項1又は2記載の食品組成物。
  4. 更に、玄米を含む穀類の乾燥焙煎物、ゴマの乾燥焙煎物、豆類の乾燥焙煎物、及び/又は卵殻の乾燥焙煎物を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の食品組成物。
  5. 前記穀類は、玄米、はと麦、及び大麦を含み、前記豆類は大豆を含み、前記海藻は昆布を含み、前記キノコは椎茸を含み、前記キク科植物の茎葉はヨモギを含み、前記トクサ科植物の茎葉はスギナを含む請求項4記載の食品組成物。
  6. 前記各原料は遠赤外線乾式焙煎されたものである請求項1〜5のいずれか1つに記載の食品組成物。
  7. キノコ、海藻、キク科植物の茎葉、及びトクサ科植物の茎葉のそれぞれの乾燥焙煎物を含有することを特徴とする活性酸素消去用組成物。
  8. 更に、体積積算粒度分布のメディアン径(D50)が0.3〜2μmとなるように微粒子化処理された乳酸菌死菌体、又は乳酸菌の乾燥焙煎物を含有する請求項7記載の活性酸素消去用組成物。
  9. 活性酸素消去能力値(ORAC値)が50〜250μmolTE/gである請求項7又は8記載の活性酸素消去用組成物。
  10. 更に、玄米を含む穀類の乾燥焙煎物、ゴマの乾燥焙煎物、豆類の乾燥焙煎物、及び/又は卵殻の乾燥焙煎物を含有する請求項7〜9のいずれか1つに記載の活性酸素消去用組成物。
  11. 前記穀類は、玄米、はと麦、及び大麦を含み、前記豆類は大豆を含み、前記海藻は昆布を含み、前記キノコは椎茸を含み、前記キク科植物の茎葉はヨモギを含み、前記トクサ科植物の茎葉はスギナを含む請求項10記載の活性酸素消去用組成物。
  12. 前記各原料は遠赤外線乾式焙煎されたものである請求項7〜11のいずれか1つに記載の活性酸素消去用組成物。
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