JP2000198742A - 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。 - Google Patents

乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。

Info

Publication number
JP2000198742A
JP2000198742A JP11290464A JP29046499A JP2000198742A JP 2000198742 A JP2000198742 A JP 2000198742A JP 11290464 A JP11290464 A JP 11290464A JP 29046499 A JP29046499 A JP 29046499A JP 2000198742 A JP2000198742 A JP 2000198742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
herb
far
furnace
gas
medicinal herb
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11290464A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotoshi Oshiro
清利 大城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP11290464A priority Critical patent/JP2000198742A/ja
Publication of JP2000198742A publication Critical patent/JP2000198742A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水を含ませた薬草あるいは漢方生薬などに遠
赤外線を照射し、その後乾燥させることによって服用の
都度土瓶で煎じる手間を省くこと、と共に抗酸化物質を
増加させること、さらに酸化防止と揮発防止によって薬
用成分の劣化を防止する乾燥薬草の製造方法及び製造装
置を提供する。また、該製造方法によって、煎じる手間
を省き乾燥薬草のまま食べる事のできる乾燥アガリクス
茸を提供する。 【構成】 不活性ガス(窒素ガス又は炭酸ガス)で充満
させた照射炉に水を含ませた原料薬草を投入して装置を
密閉し、薬草に遠赤外線を照射する。その後炉内を除湿
して原料薬草を乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を含ませた薬草
に遠赤外線を照射し(以下湿処理という)、その後乾燥
させて乾燥薬草とし、薬草を服用の都度土瓶で煎じる手
間を省くこと、と共に抗酸化物質を増加させること、さ
らに酸化防止と揮発防止を施して薬用成分の劣化を防止
する、乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方
法によって得られる乾燥薬草に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薬草は原料薬草を天日、熱風など
によって乾燥したものを、服用の都度土瓶で煎じて服用
していた。しかし土瓶で煎じるには一種あるいは数種の
乾燥した薬草を混ぜ合わせた後、適量の水を加えて煮沸
し半分ほどになるまで徐々に約30分〜1時間煮詰めて
から、湯液を濾して服用するのが一般的であった。
【0003】また最近では、薬草から薬用成分を熱湯抽
出した湯液を、又はエチルアルコール等の溶剤で抽出し
た溶液を濾過した後濃縮してエキスとし、そのエキスを
さらに乾燥させて粉薬、丸薬、錠剤、顆粒剤、エキスそ
のままの液剤などに加工した薬剤が広く用いられてい
る。
【0004】一方、煎じと類似した方法に焙煎がある。
焙煎とは、100〜200℃前後の高温に土鍋を加熱
し、土鍋から放射される遠赤外線を薬草に照射すること
は本発明と同じであるが、薬草を高温の土鍋で水分のな
い乾燥状態で炒ることであり、薬草が水分を含む必要は
ない。しかも焙煎は、薬草の表面が焦げて茶色に変色す
るまで炒ることが一般的であるため、過熱によって薬用
成分に熱変性を惹き起すなどの好ましくない問題があっ
た。
【0005】煎じも焙煎も共にセラミックの一種である
土瓶あるいは土鍋を使用するが、加熱された土瓶あるい
は土鍋から遠赤外線が放射され、特に4〜14ミクロン
波長の遠赤外線が薬草の有機高分子物質に特異的に作用
することによって、前記高分子物質の一部が腸から吸収
され易い分子量5,000以下の低分子にまで分解され
ること、さらに高分子物質の低分子化にともない抗酸化
物質が新たに産生されることが知られている。薬草に遠
赤外線を照射することによって薬草の高分子物質が低分
子に分解されること、さらに新たに抗酸化物質が増加す
ることは以下の文献に開示されている。「食品工業」第
35巻、1992年、丹羽靭負著、光琳。特許公報 平
5−19531。
【0006】しかし、前記「食品工業」の筆者も記述し
ているように、高分子物質を分子量5,000以下の低
分子にまで効率よく分解するには焙煎のみでは不十分で
ある。そのため前記「食品工業」の論文では焙煎の後、
微生物で発酵させて、さらに低分子化する余分な工程を
加えている。そこで、高分子物質を十分に低分子化し、
薬用成分の腸からの吸収を容易にして十分な薬効を発揮
させるには、土瓶に水と薬草を加え、徐々に煮詰める従
来の土瓶煎じと同じ原理を適用することが必要である。
このことは、前記「食品工業」の論文の49ページに
「水を含んだ生の漢方生薬を焙煎することによって効果
が大きく増強した」と記述されているとおりである。こ
れは水を含ませた薬草に遠赤外線を照射する本発明の湿
処理と同じ原理である。そのためには水を含ませること
が不可欠との考えから本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】従来技術または手法に
よる土瓶煎じは多くの場合、約30分若しくは60分も
の時間を要し、しかも服用の都度煎じる必要があり面倒
であった。さらに、従来の手法による土瓶煎じは、薬草
および湯液が空気に曝された状態で行われており、空気
中の酸素によって薬用成分が酸化されるばかりでなく、
煎じる際の加熱によって揮発成分が揮発するなどの好ま
しくない問題があった。この事は、「漢方の化学」細谷
英吉著、講談社に記述されている。
【0008】そこで本発明者は、 1、水を含ませた原料薬草に遠赤外線を照射した後乾燥
させて、服用の都度煎じる手間が省けるようにした乾燥
薬草。 2、通常のお茶のように、お湯を注ぐだけで手軽に服用
できるように処理した乾燥薬草。 3、前記乾燥薬草をティパック、粉薬、丸薬、錠剤など
に加工することによって、手軽に服用できるようにした
乾燥薬草。 4、ご飯のふりかけや食品の添加物などに加工し、ある
いは食品としてそのまま食べることができるようにした
乾燥薬草。 5、薬効が、土瓶で煎じたのと同等あるいはそれ以上で
ある乾燥薬草。 6、空気中の酸素によって薬用成分が酸化されない製造
方法。 7、揮発成分の揮発を防止する製造方法。 8、以上の製造方法を具体化するための製造装置。 以上に記述した乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに
該製造方法によって得られる乾燥薬草の提供を目的とし
て研究した。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明では、煎じる際に薬草を熱湯の中で行う従来の
処理に代えて薬草に水を含ませることで処理し、また、
加熱された土瓶から遠赤外線を放射させるのに代えて、
遠赤外線ヒーター等から遠赤外線を放射させるなど、次
の手段を採用した。 1、原料薬草を短時間水に浸漬して水を含ませた後、後
記する図1、2に示す回転炉に投入する。その後装置を
密閉して外気を遮断する。 2、装置内の空気を不活性ガス(以下単にガスという)
と入替える。 3、炉内の薬草に遠赤外線を照射する。炉内の温度を常
温〜100℃の所定の温度に調節する。 4、湿処理の後、遠赤外線を照射したまま装置内のガス
を除湿して薬草を乾燥させる。
【0010】本発明における薬草とは、例えば朝鮮人
参、田七、葛根、麻黄、大棗、桂皮、芍薬、甘草など、
あるいは蜂蜜、ゼラチンなど漢方薬で言う動植物性の生
薬。また、例えばゲンノショウコ、センブリ、およびド
クダミなどの民間薬草の範疇に属するもの。また、例え
ばグアバ、アシタバ、ニガウリ、ウコン、クロレラ、ス
ピルナ、椎茸、松茸、舞茸、アガリクス茸などの茸類、
及び茸類の菌糸体、プロポリス、烏骨鶏の肉あるいは卵
などのいわゆる健康食品と称せられているもの。また、
米、小麦、大豆、トウモロコシ、はと麦、およびゴマな
ど植物の種子並びにそれらの胚芽を含む。薬草とは、以
上のものに限らず、動植物の薬用部位を煎じあるいは焙
煎することによって、健康維持、増進に対して効き目を
より高めた薬剤として、あるいは健康食品として飲食す
る物を指す。原料薬草は日本産、外国産を問わない。
【0011】原料薬草は採取した直後の生ものはもちろ
ん、採取後一時保管のため陰干しして半乾燥したもの、
長期保存のため十分に乾燥したものを含む。薬草に含ま
せる水分の量は、薬草重量のおおよそ40〜95%で、
好ましくは50〜65%である。薬草が水を含んで少々
膨潤する程度が好ましい。一方、原料薬草が生もので水
分を多く含んでいる場合には、水を含ませる工程は必ず
しも必要ではない。薬草に水を含ませる方法として薬草
を水に浸漬する方法の他、照射炉に乾燥薬草を投入した
後、炉内に直接水を加える方法、あるいは水に換えて炉
の中に水蒸気を吹き込む方法があり、何れの方法を採用
するかは薬草の状態によって選択される。
【0012】ガスを使用する目的は、原料薬草の湿処理
工程及びその後の乾燥工程において空気中の酸素によっ
て薬草の薬用成分が酸化されるのを防ぐためである。ガ
スはヘリウム、ネオンなどの希ガスはもちろん、1気
圧、100℃程度以下では薬用成分と化学反応をおこし
難いガス類も使用できるが、一般的には人体に対して毒
性が低くかつ取り扱いが比較的安全で、安価に入手でき
る窒素ガス、炭酸ガスなどが好ましい。
【0013】装置内の空気とガスとの入替えは、高圧の
ガスを充填したガスボンベを炉に連通し、ガスボンベの
調整器のバルブを開いてガスを装置内の一方に送り込み
ながら、装置内の空気を他方の排出口から装置外に自動
的に押出して行う。
【0014】湿処理および乾燥工程で装置を密閉して行
うのは、薬草の揮発成分が加熱によって揮発するのを抑
制するためであり、またガスの散逸を防ぐためでもあ
る。密閉することにより、薬草内部の揮発成分と装置内
に揮発した揮発成分の分圧が均衡して、薬草内部からそ
れ以上の揮発を起こさないためである。装置内のガスの
圧力は、空気が装置内に逆流しない程度の1気圧をやや
上回る程度にガスを補充し調整するが、揮発成分の揮発
をさらに積極的に抑制するには装置内のガス圧を上げる
ことが好ましい。
【0015】炉内に遠赤外線を照射することにより炉内
の温度は上昇するが、薬草に含まれる成分が熱によって
変化しない最適な温度が選択される。一般的には、常温
〜100℃の範囲で処理されるが、薬草内の薬用成分は
多種多様であり、同じ薬草内にも熱に強い成分と弱い成
分が混在している。したがって、できるだけ多くの成分
を残すためには、低い温度で処理することが好ましい。
例えばビタミンCなどは熱に弱く、ビタミンCを多量に
含有するグアバ葉、苦瓜などは65℃以下で処理すると
良い結果を得ることができる。
【0016】ここで言う炉とは、原料薬草を投入し、薬
草に遠赤外線を照射する装置の部分をいい、装置とは、
前記炉と凝結機とパイプなどの周辺機器すべてを含む。
【0017】遠赤外線は電磁波の一種であり、炉内の温
度に関係なく、薬草に対して直接輻射効果を及ぼす。し
かしながら薬草を乾燥させるには炉内の温度は高いほど
効果的である。一方、揮発成分は薬草から揮発した後、
後記するように凝結機で回収されるが、薬草からできる
だけ揮発させないほうが回収後の処理に手間がかからず
省力化できる。揮発させないためにはできるだけ温度は
低いほうがよい。
【0018】上がりすぎた炉内の温度を下げるには、後
記する凝結機の冷却コイルに接触して除湿されると共に
冷却されたガスを炉内に適量送り込むことにより調節す
る。ガスの送風量はサーモスタットと電気的に連結され
た凝結機に取付けられファンによって調節される。
【0019】遠赤外線放射体とは、通常の遠赤外線ラン
プ、遠赤外線放射プレート、遠赤外線ヒーター、或いは
陶器、磁器、セラミック、鉱石の如き加熱によって遠赤
外線を放射する物体あるいは機器装置である。特に4〜
14ミクロンの波長の遠赤外線を主に放射する放射体が
好ましい。
【0020】本発明において遠赤外線を放射させる方法
として、回転炉自体が遠赤外線放射体であることと、回
転炉内に遠赤外線ヒーターを設ける方法を示してある。
回転炉自体から遠赤外線を放射させる方法として、回転
炉のドラム形の外殻をステンレスで製作し、炉の内壁に
遠赤外線塗料を塗布する方法、遠赤外線を放射するセラ
ミックなどの粉末をプラズマ溶射などの手法を用いてコ
ーティングする方法、あるいは内壁に遠赤外線を放射す
るタイル状の板を内張りする方法などによって内壁を加
工し、この回転炉を外部あるいは内部から加熱して遠赤
外線を放射させる。
【0021】食品を遠赤外線で乾燥する方法として、乾
燥する食品の上部から遠赤外線ヒーター、遠赤外線放射
ランプ、遠赤外線放射プレートなどによって遠赤外線を
照射させる箱型のいわゆる遠赤外線乾燥機は従来からあ
る。それに比較し、本発明によれば、回転炉自体が放射
体であるため炉全体から遠赤外線が放射され、また炉自
体が回転するので原料に対し放射斑が無く、良好な製品
が得られるように効率よく照射できる。
【0022】従来、炉内の薬草などを攪拌および乾燥す
る手段として、ドラム形の回転炉を外部からバーナーな
どで高温に加熱するか、あるいは炉内に熱風を送込み乾
燥するドラム式乾燥機が知られている。しかしながら、
本発明では攪拌手段の回転炉自体が遠赤外線放射体であ
ること、あるいは回転炉内に遠赤外線ヒーターを設けて
ある。
【0023】また、遠赤外線ヒーターとスクリュー式の
攪拌機との組み合わせによる乾燥機は特開平2−150
265、及び特開平06−205660などに公開され
ている。ただ、椎茸、アガリスク茸のように攪拌によっ
て破損しやすいものは、スクリュー式の攪拌機によって
原形がくずれ、姿形を重視する商品は価値が低下するな
どの欠点がある。しかしながら、本発明によれば、図
1、2に示す回転炉の邪魔板が薬草を持ち上げた後、軽
やかに転がり落とすだけなので、薬草が攪拌によって傷
ついたりするなどのトラブルが構造上おこらず、薬草を
軽やかに攪拌することができる。
【0024】回転炉を加熱する手段としては、図1に示
すように炉の外部から加熱ランプやガスバーナーによっ
て加熱する方法などがある。
【0025】図2には攪拌手段は回転炉であるが、放射
体が図1に示すように回転炉自体ではなく、回転炉内に
別に遠赤外線ヒーターを設けて、ヒーターから遠赤外線
を放射させる方法を示す。図2の回転炉はステンレスで
製作されていて、遠赤外線ヒーターを炉内のガスパイプ
等の支持体に下向きに取りつける。このようにして遠赤
外線ヒーターで薬草を常に上方から直接照射することが
できる。図1では炉と遠赤外線放射体とは一体である
が、図2のように遠赤外線ヒーターを回転炉とは関係な
く独立させることによって、ヒーターの出力等をコント
ロールし易くできる。また、薬草と遠赤外線塗料などと
の接触が薬草に何らかの化学的物理的な影響を及ぼす場
合には、図1に比較して、図2の炉の方は遠赤外線塗料が
使用されていないので塗料の影響がなく好ましい。ま
た、回転炉をステンレスのみで簡単に製作できる。
【0026】湿処理する時間は、遠赤外線放射体の出力
の大きさ、および薬草に含まれる高分子物質の低分子化
への分解のし易さなどに対応して最適の時間を選択する
ことができる。一般的には30分〜数時間、好ましくは
1〜2時間である。
【0027】薬草を湿処理した後直ちに次の乾燥工程に
入るが、遠赤外線の照射はそのまま続けながら、凝結機
によって除湿乾燥されたガスをファンによって凝結機か
ら炉内の一方に送入させ、炉内の水蒸気を含んだ湿った
ガスは炉内の他方から自動的に押出されて再び凝結機に
はいる。炉内の水を含んだ薬草は遠赤外線の加熱効果と
除湿されたガスが接触して乾燥が促進される。
【0028】遠赤外線の加熱効果によって蒸発した水蒸
気および揮発成分は、0℃付近にまで冷却された凝結機
の冷却コイルに接触して凝結し、凝結機の排出口から水
と揮発成分の混在した凝結液として回収される。回収さ
れた凝結液は水と揮発成分に分離され、揮発成分は薬剤
として利用される。
【0029】湿処理を終えた薬草は、すでに高分子物質
を低分子へ分解するのに必要な遠赤外線照射を十分に受
けているので、乾燥工程においてそれ以上の遠赤外線照
射は必要でない場合もあり、湿処理の後の乾燥は遠赤外
線を使用しない通常の近赤外線やマイクロ波乾燥などで
あっても良い。
【0030】前記した特許公報平5−19531および
特開平4−41436などに公開されている発酵を伴う
生産物の製造工程で、米、小麦、大豆など植物の種子及
びそれらの胚芽などを焙煎した後、微生物による発酵処
理を施す場合は、発酵には適度の水分が必要なため、従
来は焙煎した後蒸煮工程を経て適度の水分を含ませてか
ら発酵処理を行っていた。しかしながら、本発明を応用
すれば、焙煎に代えて湿処理のみを施すことによって、
薬草は水分を含んだまま発酵処理をすることができ、余
分な蒸煮工程を省くことができる。また、前記した発酵
処理によって得られる生産物は水分を含んでいるため、
前記生産物をさらに乾燥する場合、従来の方法では、薬
用成分が酸化し、揮発成分が揮発して薬用成分が劣化す
る欠点があった。しかしながら、本発明による乾燥方法
によって乾燥すれば、前述のような欠点を防ぐことがで
きる。
【0031】本発明の製造方法をエキス製造方法に応用
することによって、従来のエキスより優れたエキスを製
造することができる。すなわち、エキスを抽出するのに
十分な量の水と薬草を本発明の製造装置に投入する。こ
の溶液に薬草中の高分子物質が低分子に分解するのに十
分な時間遠赤外線を照射する。その後炉内を除湿して乾
燥させる本発明と同様な方法で水分を除いて濃縮するこ
とによってエキスを製造する。得られたエキスは、前記
したように高分子物質が低分子に分解されると共に抗酸
化物質が増大し、さらに揮発防止と酸化防止によって優
れたエキスを製造することができる。
【0032】以下、本発明の製造方法および製造装置の
実施例を具体的に説明する。
【発明の実施の形態】
【実施例1】図1に示す回転炉1(以下炉という)は、
外殻がステンレスのドラムから成り、内壁に遠赤外線塗
料2(遠赤外線塗料B−600、オキツモ)を塗布して
ある。左右に開口部3,4が開いている。開口部3は、
原料薬草および生産物の出入口で、蓋5が設けられ密閉
できる。開口部4には炉内のガスと炉外の空気とを区画
する仕切板6が密着されている。開口部4のゴム製の縁
部7と仕切板6とは炉内に空気が流入しない様に隙間な
く密着されているが互いに回動自在である。仕切板6を
貫通してガスパイプ8、ガスパイプ9、水蒸気パイプ1
0、サーモスタット11が溶接、ネジ等によって仕切板
6に気密に固定されている。またガスパイプ8にはガス
を充填したガスボンベ12がガス圧を調整する調整器1
3を介して連通されている。炉1と凝結機14はガスパ
イプ8,9を介して連通されている。凝結機14に取付
けられたファン15によってガス16を炉1と凝結機1
4との間を循環させる。炉内には邪魔板17が取付けら
れている。炉を回転させるため回転ローラー19が炉の
下部の前後左右に4個所、架台18の上に設けられ、回
転ローラーに乗せた炉を3〜5分に1回の割合で回転さ
せる。回転ローラーは減速機を介してモーターで回転さ
せる。炉の上部あるいは斜め上には炉を外部から加熱す
る加熱ランプ20が複数個設けられている。ファン15
とサーモスタット11は電気的に連結されていて、炉内
に送入する冷却されたガスの風量を調節して、炉内の温
度を所定の温度に調節する。
【0033】本装置について使用例を具体的に説明す
る。まず炉内に原料薬草となり得るリューキューヨモギ
21の陰干して半乾燥したもの約10L(約900g)
を開口部3から投入し、炉内に約500mlの水を加え
て、開口部3の蓋5を閉じる。次に凝結機14の排出口
22を開いたまま、バルブ27を閉じ、調整器13のバ
ルブを開けて炉内にガス16を送り込み、排出口から空
気を押出しながらガスと空気を完全に入れ替える。次
に、回転ローラー19を回して炉を回転させる。加熱ラ
ンプ20を点火し、炉内の遠赤外線塗料を加熱して炉内
に遠赤外線を放射させる。加熱ランプによって熱線の当
たる炉の上部と共に、炉内の遠赤外線塗料も100〜3
00℃の高温に加熱されて遠赤外線を効率よく放射する
が、炉は回転しているので、加熱ランプの熱線で加熱さ
れた部分も常に移動している。移動によって熱線から外
れた部分は自然放熱して温度が次第に下がり、原料のあ
る底部に達した時には次に示すような所定の温度にまで
下がる。遠赤外線の加熱効果によって炉内の温度が65
℃近くにまで上昇したところで、凝結機14を始動させ
る。炉内の温度が所定の温度70℃を超えるとサーモス
タット11が働き、サーモスタットに連結されたファン
15によって凝結機で冷却されたガスが炉内に送り込ま
れ、所定の温度を超えた炉内を冷やす。冷やしすぎると
サーモスタットのスイッチが切れてファンが止まる。こ
のようにして炉内は所定の温度に調節される。加熱によ
って膨張した炉内のガスを排出口22から逃がすため、
排出口には逆止弁23が取付けられ、また、ガスボンベ
からは常に少々のガスが補充されて外気の流入を防ぐ。
炉内に加えた水の一部は加熱されて水蒸気となり、また
剰余の水の一部は薬草の内部に入り薬草を膨潤させる。
邪魔板17によって原料薬草21の上下が反転させら
れ、遠赤外線が薬草に万遍なく照射される。
【0034】この状態のまま約1時間、湿処理する。そ
の間に原料薬草に含有される高分子物質が腸に吸収され
やすい分子量5,000以下の低分子にまで分解される
ばかりでなく、新たな抗酸化物質が産生し混在するの
で、薬用成分の相乗効果や活性化が進行する。
【0035】その後、加熱ランプおよび凝結機を作動し
たまま乾燥工程に移る。凝結機によって除湿されたガス
をファン15によってガスパイプ8を通して炉内に送る
ことにより、炉内の湿ったガスは炉外に自動的に押出さ
れ、ガスパイプ9を通って凝結機に移動する。ガスは、
ガスパイプを介して炉と凝結機の間を循環するだけで外
部には漏れないので、各揮発性成分の揮発が回避され
る。湿った薬草は遠赤外線の加熱効果と乾燥されたガス
に接触して速かに乾燥され、乾燥薬草を製造する事がで
きる。乾燥工程の間は、サーモスタットの作動は止めて
ファンを常時作動させておき、乾燥ガスを常に炉内に送
り込ませる。約3時間で完全に乾燥された薬草が得られ
た。
【0036】このようにして製造された乾燥薬草は用途
によって適当に加工することができるので、ティパック
入り、粉剤、丸薬、錠剤の如く好みの形状で使用でき
る。
【0037】
【実施例2】原料アガリクス茸として健康食品市場で広
く市販されている天然物を乾燥させただけのアガリクス
茸1kgを水洗し、アガリクス茸を実施例1の回転炉1
に投入し、炉内に約500mlの水を加えて、開口部3
の蓋5を閉じる。次に実施例1同様に装置を運転して乾
燥アガリクス茸が得られた。
【0038】
【実施例3】図2は回転炉の他の実施例である。図2
は、図1の回転炉1自体が遠赤外線放射体であるのに代
えて、回転炉31内に遠赤外線ヒーター50(バルカン
遠赤外線セラミックヒーター、河合電器)を設けたもの
である。具体的には、図1の回転炉1の内壁に遠赤外線
塗料2が塗布されていないことと、ガスパイプ8をZ字
形に曲げてガスパイプ38を形成し、ガスパイプ38の
下部に遠赤外線ヒーター50を下方に向けて取りつけ
る。そして図1の加熱ランプ20は取り除く。図2には
省略されているが、ガスパイプ38,39の右方には凝
結機が設けられていてガスパイプ38,39に連通され
ている。その他の構成は図1と同じである。操作方法も
実施例1に記述した方法と同じである。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、上述の説明のように湿
処理することにより、各種の高分子物質を腸から吸収さ
れやすい分子量5、000以下の低分子にまで分解する
ことができる。さらに、湿処理によって産生された低分
子物質は、乾燥薬草の表面および内部に生体組織とは遊
離した状態で付着し、湯を注ぐと溶けやすい状態となっ
ている。また、高分子物質の低分子化にともない抗酸化
物質が新たに産生され、従来の土瓶で煎じたものと同等
かそれ以上の優れた成分を含む以下に記載するような薬
草製品を得ることができる。 A、服用の際、乾燥生薬を土瓶で煎じる必要がなく、通
常のお茶のようにお湯を注ぐだけで服用できる。 B、また、乾燥薬草を通常の方法で粉末にして粉薬、丸
薬、錠剤などの剤形に加工して直接服用することができ
る。 C、薬用成分の酸化を抑制することができる。 D、揮発性物質の揮発を抑制することができる。 E、100℃以下、一般的には40〜70℃で処理され
るので、薬用成分が熱によって劣化することが比較的す
くない。 F、 本発明によって得られた乾燥アガリクス茸は煎じる
必要が無く、手軽にそのまま食べることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転炉の正面及び一部切欠き断面図並びに全体
説明図である。
【図2】回転炉の内部に遠赤外線ヒーターを設けた正面
及び一部切欠き断面図である。
【符号の説明】
1、31 回転炉 2 塗料 3、4、33,34 開口部 5、35
蓋 6、36 仕切板 7、37 縁部 8、9、38,39 ガスパイプ 10、4
0 水蒸気パイプ 11、41 サーモスタット 12 ガス
ボンベ 13 調整器 14 凝結機 15 ファン 16 ガス 17、47 邪魔板 18、48 架台 19、49 回転ローラ 20 加熱ランプ 21、51 薬草 22 排出口 23 逆止弁 24 冷却コイル 25 冷凍機 26 凝結液 27 バルブ 50 遠赤外線ヒーター

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を含ませた薬草に遠赤外線を照射し、
    その後乾燥させることを特徴とする乾燥薬草の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 密閉して外気を遮断し、湿った不活性ガ
    スを充満させた装置内で水を含ませた薬草に遠赤外線を
    照射し、その後炉内を除湿して乾燥させることを特徴と
    する請求項1記載の乾燥薬草の製造方法。
  3. 【請求項3】 開口部を有し、遠赤外線放射体、不活性
    ガス供給手段、攪拌手段とを備えた炉、及び炉と連通し
    ている凝結機とから成ることを特徴とする乾燥薬草の製
    造装置。
  4. 【請求項4】 攪拌手段が回転する回転炉自体であるこ
    とと、該回転炉の内部に遠赤外線放射体が設けられてい
    ることを特徴とする請求項3記載の乾燥薬草の製造装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の製造方法により得られる
    乾燥薬草。
  6. 【請求項6】 乾燥薬草が乾燥アガリクス茸である請求
    項5記載の乾燥薬草。
JP11290464A 1998-11-05 1999-10-13 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。 Pending JP2000198742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11290464A JP2000198742A (ja) 1998-11-05 1999-10-13 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-314229 1998-11-05
JP31422998 1998-11-05
JP11290464A JP2000198742A (ja) 1998-11-05 1999-10-13 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000198742A true JP2000198742A (ja) 2000-07-18

Family

ID=26558070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11290464A Pending JP2000198742A (ja) 1998-11-05 1999-10-13 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000198742A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100686539B1 (ko) * 2005-02-14 2007-02-26 김정이 약재 및 농산물 건조 장치
JP2015084748A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 株式会社ブロマ研究所 食品組成物及び活性酸素消去用組成物
CN109780819A (zh) * 2018-12-21 2019-05-21 康美药业股份有限公司 一种使新鲜莲子心快速干燥的处理方法
CN111811233A (zh) * 2019-04-10 2020-10-23 文成县新优农业专业合作社 一种旋转式中药烘干装置
CN112120982A (zh) * 2020-09-29 2020-12-25 亳州市惠丰生物科技有限公司 一种中药抑菌洗手液的制备方法
CN112284083A (zh) * 2020-10-22 2021-01-29 靖秀超 一种生物工程叶绿素提取用干燥装置
CN112797757A (zh) * 2021-01-20 2021-05-14 陈偲捷 一种运用于中医药制作加工的辅助干燥设备

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100686539B1 (ko) * 2005-02-14 2007-02-26 김정이 약재 및 농산물 건조 장치
JP2015084748A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 株式会社ブロマ研究所 食品組成物及び活性酸素消去用組成物
CN109780819A (zh) * 2018-12-21 2019-05-21 康美药业股份有限公司 一种使新鲜莲子心快速干燥的处理方法
CN111811233A (zh) * 2019-04-10 2020-10-23 文成县新优农业专业合作社 一种旋转式中药烘干装置
CN112120982A (zh) * 2020-09-29 2020-12-25 亳州市惠丰生物科技有限公司 一种中药抑菌洗手液的制备方法
CN112284083A (zh) * 2020-10-22 2021-01-29 靖秀超 一种生物工程叶绿素提取用干燥装置
CN112284083B (zh) * 2020-10-22 2023-12-15 靖秀超 一种生物工程叶绿素提取用干燥装置
CN112797757A (zh) * 2021-01-20 2021-05-14 陈偲捷 一种运用于中医药制作加工的辅助干燥设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102100394B (zh) 一种鲜罗汉果的快速烘焙方法
JP2000198742A (ja) 乾燥薬草の製造方法及び製造装置並びに該製造方法によって得られる乾燥薬草。
JP3835551B2 (ja) 常圧過熱蒸気を熱源とする処理装置
JP6712419B1 (ja) 処理装置及び処理方法
Rostami Gharkhloo et al. Influence of high wave sound pretreatment on drying quality parameters of Echinacea root with infrared drying
KR101037366B1 (ko) 게르마늄 원적외선 스팀열원 대류 순환 방식의 인삼 및 마늘 발효장치
CN109170618A (zh) 鸡肉颗粒干燥与杀菌一体化的真空射频装置及其加工方法
CN104585849B (zh) 一种木耳变温红外对流干燥装置及其干燥方法
KR101788118B1 (ko) 근적외선을 이용한 고추 건조방법
JP2001045971A (ja) 微粉末茶の製造方法
JPS60126039A (ja) 乾燥食品
CN107212315A (zh) 一种适合果蔬的联合干燥方法
CN106942441A (zh) 艾草茶的加工工艺
CN106509176A (zh) 一种红茶加工方法
KR101730971B1 (ko) 신속 저염김치 제조시스템
CN206739812U (zh) 一种中药饮片微波灭菌烘干设备
KR20160006539A (ko) 신속 낱잎 김치 제조방법 및 제조시스템
CN205409415U (zh) 豆皮烘干机
Koocheki Dehydration of saffron stigmas
JP3426514B2 (ja) 加工香辛料の製造方法
JPS6043340A (ja) 米菓の乾燥方法
CN115077216B (zh) 一种皱皮木瓜加工装置与方法
JPS58121753A (ja) 緑茶の製造方法
CN110024853A (zh) 一种食品风干方法
Orsat et al. Dehydration technologies to retain bioactive components