JP2015084651A - シリーズハイブリッドコンバイン - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本発明のシリーズハイブリッドコンバインは、エンジンを定常的に運転し、そのエンジン出力で発電した電力で駆動するモータの出力で走行するハイブリッド方式のコンバインであり、しかもモータ給電用のバッテリは備えられていない。
前記エンジン指令回転数算定部によって算定されるエンジン指令回転数毎に異なるエンジンドループ制御特性が適用される。
なお、このシリーズハイブリッドコンバインは、バッテリレスのシリアルハイブリッド車両であり、バッテリからの電力で車両を走行させることはできないので、定常的に回転しているエンジンによって発電している発電機から給電されたモータによって走行する。
まず、運転者によって車速設定操作装置ODが操作されると、その操作ストロークにおける操作位置が検知され、その操作位置を入力パラメータとして、モータ82に対して要求する回転数であるモータ指令回転数がマップまたは計算式から導出され、電機制御ユニット85に送られる。電機制御ユニット85は、受け取ったモータ指令回転数に基づいて制御信号を生成し、電力変換部84に出力する。これにより、電力変換部84からモータ82に必要な電力が供給され、コンバインの車速が車速設定操作装置ODで設定された車速となる。
図5には、エンジン80からの回転動力を、扱胴20や選別部17等に供給する第1の動力伝達機構が示されている。図6には、電動モータ(以下単にモータと略称する)82からの回転動力を、車体横幅方向の左と右に配置された左クローラ走行体1aと右クローラ走行体1bとからなる走行装置1と刈取処理部3とに供給する第2の動力伝達機構が示されている。
運転者によって操作される主変速レバー66の前後方向のストローク操作位置は、速度設定用信号としてストロークセンサS4によって検出され、メイン電子ユニット100に
送られる。同様に、運転者によって操作される操作レバー61の左右方向の傾斜角は、機体2の旋回(操向)を示す旋回度算定用信号として旋回レバーセンサS3によって検出され、メイン電子ユニット100に送られる。電機管理モジュール120は、ストロークセンサS4及び旋回レバーセンサS3からの検出信号に基づいてモータ82の回転数、結果的には左クローラ走行体1aと右クローラ走行体2bとの駆動速度を制御するための指令を電機制御ユニット85に与える。
まず、主変速レバー66のストローク操作位置をxとして、xのとる範囲(ストローク操作範囲)を0〜100と仮定する。任意のストローク操作位置:xに対してモータ82の設定速度が割り当てられるが、この割り当て方法が二種類あり、第2操作具57によって切り替えることができる。つまり、設定速度をs、2つの割り当て方法(第1関係)を第1関係(ここでは関数)としてのF(x)と第2関係(ここでは関数)としてのG(x)にすれば、モータ82の設定速度は、
s=F(x)とs=G(x)で表すことができる。
例えば、x=0〜100において、F(x)のとる範囲を0〜3000rpm、G(x)のとる範囲を0〜1500rpmとすれば、同じ主変速レバー66のストローク操作位置において、第2操作具57の操作状態によって、車速を2倍、または1/2にすることができる。ここでは、第2操作具57の2つの操作状態は、作業状態(低速)と走行状態(高速)であり、作業状態では、F(x)が選択され、走行状態では、G(x)が選択される。なおF(x)とG(x)は線形に限定されるわけではなく、非線形であってもよい。またメイン電子ユニット100においては、演算式として取り扱ってもよいし、マップ(テーブル)として取り扱ってもよい。
(1)速度割り当てが第1関係、かつ副変速装置54が高速段。
(2)速度割り当てが第1関係、かつ副変速装置54が低速段。
(3)速度割り当てが第2関係、かつ副変速装置54が高速段。
(4)速度割り当てが第2関係、かつ副変速装置54が低速段。
但し、この実施形態では、(2)は実用的に不必要であるため、その使用は割愛されている。つまり、(1)(3)(4)のいずれもの速度設定態から、(2)の速度設定への移行が禁止されている。その結果、(1)での高速状態、(3)での中速状態、(4)での低速状態が実現可能である。
この3つの速度状態(高速状態、中速状態、低速状態)の変移は、図9から模式化されている。つまり、
変移A:低速状態において、第2操作具57をスイッチ操作することにより、低速状態から高速状態に移行する。
変移B:中速状態において、第2操作具57をスイッチ操作することにより、中速状態から高速状態に移行する。
変移C:高速状態において、第2操作具57をスイッチ操作することにより、高速状態から中速状態に移行する。
変移D:中速状態において、第3操作具56をスイッチ操作することにより、中速状態から低速状態に移行する。
変移E:低速状態において、第3操作具56をスイッチ操作することにより、低速状態から中速状態に移行する。
ここで注記したいことは、変移Aにおいては、第2操作具57をスイッチ操作によって、第2関係から第1関係への切り替えと、副変速装置54の低速段から高速段への切り替えが同時に行われていることである。
(1)停止モード:作業も走行も行われていない。
(2)刈取り作業前後+直進モード:刈取作業に入る直前の所定時間、または刈取作業が終了した後の所定時間で、機体2は直進している。
(3)刈取り作業前後+旋回モード:刈取作業に入る直前の所定時間、または刈取作業が終了した後の所定時間で、機体2は旋回している(左クローラ走行体1aと右クローラ走行体1bとの速度が異なっている)。
(4)刈取り作業中+直進モード:刈取作業中で、機体2は直進している。
(5)刈取り作業中+旋回モード:刈取作業中で、機体2は旋回している。
(6)路上走行+直進モード:副変速装置54を高速段にしての走行で、機体2は直進している。
(7)路上走行+旋回モード:副変速装置54を高速段にしての走行で、機体2は旋回している。
(8)穀粒排出モード:穀粒排出装置37を用いて穀粒タンク5から穀粒を排出している。
エンジン制御ユニット86は、上記運転モードに応じてエンジン指令回転数を算定する。この実施形態では、図8で示されたようなエンジン性能曲線が規定されているので、これに基づいたエンジン指令回転数が算定される。このエンジン80の最大出力が18.5KWで、最高回転数が2500rpmであり、図8で示されたエンジン制御特性は、3つの線で表されている。つまり、高負荷時には2500rpmより少し低い高回転数が設定され、中負荷時には2000rpmより少し低い中回転数が設定され、低負荷時には1500rpmより少し高い低回転数が設定され、ドループ制御されるまたアイドリング回転数は1000rpmより少し高い回転数となっている。
このことから、実際的には、
(1)停止モードでは、アイドリング回転数が設定され、
(2)刈取り作業前後+直進モードでは、アイドリング回転数から低回転数までの領域が設定され、
(3)刈取り作業前後+旋回モードでは、高回転数よりやや低い回転数が設定され、
(4)刈取り作業中+直進モードでは、低回転数から最高回転数までの領域が設定され、(5)刈取り作業中+旋回モードでは、最高回転数が設定され、
(6)路上走行+直進モードでは、低回転数から中回転数までの領域が設定され、
(7)路上走行+旋回モードでは、最高回転数が設定され、
(8)穀粒排出モードでは、アイドリング回転数よりやや高い回転数が設定される。
(2)上述した実施形態では走行装置1は左クローラ走行体1aと右クローラ走行体1bとから構成されていたが、車輪とクローラ走行体の複合構成、あるいは車輪のみの構成を採用してもよい。
(3)第3操作具56及び第2操作具57は、運転者によって操作される操作レバーと当該操作レバーの操作変位を検出するセンサとから構成してもよい。
1a:左クローラ走行体
1b:右クローラ走行体
2:機体(走行機体)
3:刈取処理部
4:脱穀装置
5:穀粒タンク
7:搭乗運転部
8:刈取部
12:刈取装置
16:脱穀部
17:選別部
37:穀粒排出装置
54:副変速装置
56:第3操作具(車速設定操作装置)
57:第2操作具(車速設定操作装置)
61:操作レバー
66:主変速レバー(車速設定操作装置)
80:エンジン
81:発電機
82:モータ(電動モータ)
84:電力変換部
85:電機制御ユニット
86:エンジン制御ユニット
87:作業装置制御ユニット
90:車両状態検出ユニット
100:メイン電子ユニット
110:エンジン管理モジュール
11b:エンジン指令回転数算定部
11d:負荷推定部
120:電機管理モジュール
12c:モータ回転数設定部
130:車両管理モジュール
13a:車両状態決定部
WE:エンジン駆動作業装置
WM:モータ駆動作業装置
S2:エンジン回転数センサ
S3:旋回レバーセンサ
S4:ストロークセンサ
OD:車速設定操作装置
Claims (6)
- エンジンと、前記エンジンの出力によって駆動する発電機と、前記発電機からの電力によって駆動するモータと、前記モータからの回転動力によって車両を走行させる走行装置と、前記エンジンの出力を制御するエンジン制御ユニットと、農作物を収穫する農作業装置とを備えた、シリーズハイブリッドコンバインであって、
前記エンジンにかかる負荷を推定負荷として算定する負荷推定部と、
前記推定負荷に基づいてエンジン指令回転数を算定するとともに当該エンジン指令回転数に基づくエンジン制御指令を前記エンジン制御ユニットに出力するエンジン指令回転数算定部と、
を備えたシリーズハイブリッドコンバイン。 - 各種の状態検出信号に基づいて、前記走行装置の駆動状態及び前記農作業装置の駆動状態を決定する車両状態決定部が備えられ、双方の前記駆動状態に基づいて前記負荷推定部は前記推定負荷を算定する請求項1に記載のシリーズハイブリッドコンバイン。
- 前記走行装置の駆動状態には直進走行モードと旋回走行モードと路上走行モードとが含まれており、前記農作業装置の駆動状態には、刈取り作業中モードと刈取り前後モードと穀粒排出モードとが含まれており、これらのモードに応じて前記エンジン指令回転数が算定される請求項2に記載のシリーズハイブリッドコンバイン。
- 前記走行装置は左右一対のクローラ走行体からなり、旋回走行モード時には直進走行モード時に比べて高いエンジン指令回転数が算定される請求項3に記載のシリーズハイブリッドコンバイン。
- 前記農作業装置には、前記エンジンの出力によって駆動するエンジン駆動作業装置と、前記モータの回転動力によって駆動するモータ駆動作業装置が含まれており、前記モータ駆動作業装置は車速に比例する速度で駆動する請求項1から4のいずれか一項に記載のシリーズハイブリッドコンバイン。
- 前記エンジン指令回転数算定部によって算定されるエンジン指令回転数毎に異なるエンジンドループ制御特性が適用される請求項1から5のいずれか一項に記載のシリーズハイブリッドコンバイン。
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- 2013-10-03 JP JP2013208434A patent/JP6161499B2/ja active Active
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